Earth Negotiations Bulletin
アース・ネゴシエーション・ブレティン
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Vol.12 No.614 - 2014年12月8日(月)
リマ気候変動会議ハイライト
2014年12月6日(土)

12月6日(土)、SBSTAでは午後から閉会プレナリー会合、CMPでは夕方からプレナリー会合が開催された。 項目3に関するADPコンタクトグループでは終日、透明性や約束/貢献のスケジュールとプロセス、および強化された行動のためのダーバン・プラットフォームの推進決定書草案等の要素に関する問題が取り上げられた。また、非公式の中間会合では、ADP に基づく進展状況の評価が行われた。国際的評価およびレビュー(IAR) に基づく多国間評価に関する作業部会の初回会合が終日開催された。

CMP プレナリー

京都議定書の約束に関する野心引き上げについてのハイレベル閣僚級ラウンドテーブルの報告: CMP 10のManuel Pulgar-Vidal議長から、本件に関するコンタクトグループ設置については、非公式協議でも合意に至らなかったとの報告があった。

コンタクトグループについては、G-77/中国の立場に立つボリビアの支持を受けたものの、オーストラリア、スイス、EU、ノルウェーが反対した。非公式協議が続けられる。

SBSTA閉幕プレナリー

SBSTA議長のEmmanuel Dumisani Dlaminiが会合を開いた。

議長以外の役員選出: SBSTAのDlamini議長より、 SBSTA 副議長と報告官の指名に関する協議は未だ完了しておらず、SBSTA副議長および報告官を選出するためにCOPを招聘することでSBSTAが合意したとの連絡があった。

ナイロビ作業計画: SBSTAの結論書(FCCC/SBSTA/2014/L.23)が採択された。

適応委員会の報告: SBSTAの結論書(FCCC/SB/2014/L.7) が採択された。

技術の開発・移転および TMの実施: TEC CTCN合同年次報告書: SBSTAの結論書(FCCC/SB/2014/L.5)が採択され、決定書草案が送付された。

REDD+向けの方法論上の指針: SBSTA 議長 Dlaminiは、本件に関して合意には至らなかったことを伝え、SB 42の暫定議題に本件が追加されたと報告した。

気候変動の影響に関連した損失被害のためのワルシャワ国際的メカニズム: SBSTA  は結論書(FCCC/SB/2014/L.8)を採択し、決定書草案を送付した。

科学と査読に関する諸問題: IPCC AR5: SBSTAの結論書が採択され、決定書草案が送付された。 (FCCC/SBSTA/2014/L.27 および Add.1)

研究および系統的観測: SBSTAの結論書(FCCC/SBSTA/2014/L.19)が採択された。

2013-2015年レビュー: SBSTAの結論書(FCCC/SB/2014/L.9)が採択された。 SED共同進行役のAndreas Fischlin (スイス)からSED第4回、第5回の会合について報告があり、地球の温暖化を2℃未満に抑制するには科学に準拠した長期的アプローチが必要になることが同会合で実証されたことが強調された。

対応措置の実施の影響: フォーラム および 作業計画: SBSTAの結論書(FCCC/SB/2014/L.6/Rev.1)が採択された。

京都議定書2.3  (対応措置の影響)に関する問題: フォーラムおよび作業計画に関する小項目をベースに審議が行われた。

条約に基づく方法論の問題:先進国の国別インベントリ・レビューを含めた、2カ年報告書と国別報告書のレビューのための指針改定に関する作業計画: SBSTAは、結論書(FCCC/SBSTA/2014/L.28)を採択し、3つの決定書草案を送った。

附属書I国の資金情報に関する報告方法: SBSTAは、結論書(FCCC/SBSTA/2014/L.26).を採択し、決定書草案を送付した。

CO2換算GHGs算定のための共通測定基準: SBSTA議長Dlaminiは、本件については合意には至らず、SB 42の暫定議題に追加されることを伝えた。

バンカー燃料由来の排出量: SBSTA結論書(FCCC/SBSTA/2014/L.21)が採択された。

京都議定書に基づく方法論の問題: 決定書 2/CMP.74/CMP.7、決定書1/CMP.8の実施の影響: SBSTAの結論書(FCCC/SBSTA/2014/L.29)が採択された。

京都議定書ドーハ改正に関するセクションG(条約3.4条)の明確化: SBSTA結論書(FCCC/SBSTA/2014/L.25)が採択された。

京都議定書3.3条と3.4条、およびCDMに基づく LULUCF: SBSTAは結論書を採択し、決定書草案を送付した。 (FCCC/SBSTA/2014/L.24 および Add.1)

新規植林・再植林CDMプロジェクト活動としての森林減少地の再植林の統合に係わる影響: SBSTA議長Dlaminiは、本件に関しては合意に至らず、SBSTA 42の暫定議題に追加されると報告した。

条約に基づく市場と市場以外のメカニズム:各種アプローチのための枠組み(FVA): SBSTA 議長 Dlaminiは、本件に関しては合意に至らず、SBSTA 42の暫定議題に追加されると報告した。

市場以外のアプローチ: SBSTA 議長 Dlaminiは、本件に関して合意に至らず、SBSTA 42の暫定議題に追加されると報告した。

新市場メカニズム:SBSTA 議長 Dlaminiは本件に関して合意に至らず、SBSTA 42の暫定議題に追加されると報告した。

先進国による経済全体の排出削減の数値目標の明確化に関する作業計画: SBSTA  は結論書(FCCC/SBSTA/2014/L.22)を採択した。

セッション閉幕: UNFCCCのRichard Kinley事務局長代理は、SBSTAが採択した結論書に関する事務的、予算的な意味合いを締約国に伝えた。

Jurga Rabazauskaite-Survile報告官(リトアニア) が今次会合の報告書(FCCC/SBSTA/2014/L.20)を紹介、SBSTAによって採択された。

閉幕ステートメント: 企業や産業関係のNGOはこのたびの進展に感謝すると述べた上で、TMは長期的な民間部門の参画の場となると述べ、市場が新合意の中核となるよう求めた。

環境NGOのCJN!は、現行の排出削減制度においては市場のための余地はないと認識するよう求めた。気候行動ネットワークも、環境NGOの立場から、TMの技術に関する審議に関して、技術や社会、環境的な側面からの評価が欠如していると述べ、 壊滅的な影響を及ぼしうる技術が入り込む恐れがあると警告した。

農業団体は、気候変動が食料安全保障に直接的な影響をもたらす危険があると述べた。

青年団体は、市場は公約を実現していないとし、CJN!とともに、市場の一時停止を求めた。

研究系、独立系NGOは、気候変動をめぐる確実性については国際的な政治対応に関する不確実性が残されていると指摘した。

女性やジェンダー関連団体は、TMの下でジェンダーや技術に関するワークショップ開催を提案した。

ボリビアは、G-77/中国の立場から、TMと資金メカニズムの関係強化を求めた。また、ボリビアは、REDD+について、パナマ(CfRN代表)、ネパール(LDC代表)、ベリーズ(SICA代表)、バングラデシュとともに、REDD+向けの方法論上の指針について進展がないとして不満感を示した上で、セーフガード条項については追加指針を策定する必要はないと強調した。さらに、対応措置については、途上国の個別ニーズに対応する必要があると指摘し、COP 20で本件の解決を図るよう求めた。

EUは、モナコとともに、EIGの立場から、REDD+、市場、京都議定書のドーハ改正で適用される方法論の明確化等の問題で合意が不成立であることに遺憾の意を示しながら、これらの問題で前進する用意があるとの意向を表明した。

オーストラリアは、アンブレラ・グループの立場から、今次会議で幾つかの問題が解決できなかったとして失望感を示したが、NWPの進展は喜ばしいと述べ、損失被害に関するワルシャワ国際メカニズムに関する執行委員会の構成に関してCOP 20での合意を促した。

ナウルは、AOSISの立場から、CTCNに対しては速やかに排出ギャップ問題を解決するような技術を取り上げるよう要請するとともに、TECに対しては適応技術の重要性を認識するよう求めた。また、損失被害に関するワルシャワ国際メカニズムに関する執行委員会に関しては、リマ会議で、SIDSに常任委員の席を確保するとの件について承諾するよう求めた。

LDC諸国は、SEDの情報源についてバランスの取れた検討を行うよう求めた。SICAは、NWP決議は同計画の実効性を十分に担保していないと述べた。

ウクライナ、議定書ロシアは、議定書5、7、8条に関する小項目11 (a) および京都議定書のドーハ改正に関するセクション G (3.7条-3)について議論する時間が足りないと失望感を示した。

UNFCCC 事務局長のChristiana Figueresは、SBSTAの成果に賞賛を送り、SBSTのDlamini議長の尽力に感謝すると述べた。

午後5時3分、閉会を告げる小槌の音が響き、SBSTA 41は閉幕した。

コンタクトグループ

ADP: 強化された行動のためのダーバン・プラットフォームの前進に関する決定書草案: 土曜日、ADPの前進に関する決定書草案 に関する締約国による第1回読会が終了した。午前、午後に、ワークストリーム2 (プレ2020年野心) の今後の作業や機動的なハイレベルの関与に関する強化された行動の指針となるべきパラグラフについての検討が行われた。

EUは、米国、スイスの支持を受け、ワークストリーム 2は、今後も緩和に焦点を当てるべきであると主張した。多くの途上国は、適応とMOIについても取り上げる必要があると強調した。中国は、ヨルダンとともに、行動を強化するために国際支援をいかにして拡大するかという点に焦点を当てるべきだと提案した。オーストラリアは、多方面からの途上国支援を認識するよう求めた。

多くの締約国から技術専門家会合(TEM)は有益だとして、今後の続行を支持する声が挙がった。ナウルは、AOSISの立場から、緩和の野心に関する溝が埋められるまでは、TEMを改善・拡大していく必要があると主張し、テクニカルペーパーの更新、政策オプションに関するダイナミックなオンライン“メニュー”、行動に関する共同便益へのフォーカス、実施の障害やそれらを打破するための戦略、政策決定者向けの統合レポート等を成果として提供するよう求めた。

また、ナウルは、ヨルダン、エルサルバドル、中国とともに、TEMが緩和と適応の機会に焦点を当てるべきだと述べた。ノルウェーは、スイスとともに、化石燃料補助金制度の改革問題を含め、TEMが緩和を重視することを支持し、コロンビアとともに、経済や気候に関する国際委員会の作業を認識するよう求めた。

日本は、ニュージーランドの支持を受け、技術移転情報クリアリング・ハウス(TT:Clear)およびCTCN等、既存の諸機関との連携強化を提案した。 ノルウェーは、TEMの開催に関して、TECとCTCNの役割を強調した。エルサルバドルは、適応委員会と適応基金の関係を密にするよう提案した。

インド、サウジアラビア、アルゼンチンは、テクニカルペーパーの作成を求めた。マリは、アフリカン・グループの立場から、各国閣僚への情報提供となる技術的な統合報告書や政策決定者向け要約につながる作業を行うことを提案した。

AOSISは、遅くとも2017年までにTEMについてレビューを実施し、TEMの改善を図るよう求めた。カナダは “どこかの時点で”レビューを実施するという案を支持した。スイスは、2016年か2017年にレビューを実施する法が良いと主張した。

ボリビア、インドをはじめとする国々が、TEMのトピックの幅を広げるべきだと提案し、ボリビアとともに、技術知識に関するシステムや先住民や地元コミュニティーの慣行に視点をあてるべきだと示唆した。コロンビアは、AILACの立場から、先住民や学術機関の関与を求めた。

多くの締約国がADPへのハイレベルの参加を歓迎した。AOSISは、中国、バングラデシュ(LDC)、AILACとともに、ハイレベルの年次会合の開催を求めた。ブラジル は、閣僚級会合は具体的な政策が提示可能な際に都度開催すべきだと述べ、AOSISやEUとともに、TEMの成果を向上させるための作業を行うことに同意すると述べた。

米国は、COPと併催する形で、プレ2020年野心に関する閣僚レベルの年次会合を開くよう求めた。ブラジル、ボリビア、パキスタン、インドは、 地方自治体の当局がハイレベル級の行事に参加することに反対した。

強化された行動の効果的な実施に向けた主体の幅広い参加については、スイスが、国家主体以外を伴う参加は国レベルで実施すべきだと述べた。タンザニアは、メキシコの支持を受け、地方自治体や市町村の当局は各国の政府を通して行動をするべきだと提案した。

EU、米国の反対を受けながらも、メキシコは、バングラデシュとともに、地域別や小地域別のTEM開催の実施を支持し、主催国となることを申し出たが、ブラジルもこれを検討する意向があると述べた。資金面の影響を指摘し、スイス は、TEMは他の会議に続く形で開催すべきだと述べた。

LDC諸国は、途上国の技術専門家をTEMに参加させるための支援を仰いだ。

ブラジルは、オーストラリア、米国、スイスの支持を受け、緩和政策によって健康面だけでなく経済面でも共同便益があると示唆した。エジプトは、“持続可能な開発と貧困撲滅の文脈”からも共同便益があると示唆した。

附属書 (INDCsに関する補足情報)については、パナマが、森林の役割を認識するよう要請し、バイオエネルギーに関する考察についても言及するよう求めた。アルゼンチンは、エジプトとともに、土地部門の排出量を含めることに懸念を示し、農業は気候変動の主たる排出源ではないと主張した。

ツバルは、LDCの立場から、支援の手段について強調しつつ、経済全体の排出削減目標を担う国と途上国の報告を区別するよう提案した。

序文のパラグラフについては、LDC諸国が、世界の平均気温が2°C上昇との記述を削除するよう要請したが、EUがこれに反対した。

多くの途上国が、条約の諸原則や既定について記載することを支持したが、米国が反対した。 米国は、 附属書ベースの差別化が新合意に至る道筋だとは見受けられないとし、日本とともに、“二分化論”に反対を唱えた。

中国は、パキスタン、アルゼンチンとともに、BAPについて言及するよう要請し、アルジェリア(アラブ・グループ)等とともに、これまでのCOP決定を参照するよう求めた。チリは、世代間の衡平性について言及するよう求めた。

米国は、日本とともに、各国の事情を反映させた自主決定による貢献を示す約束草案を認識するという案を支持した。マーシャル諸島は、EU、チリとともに、“貢献” よりも“誓約”の方が良いと主張した。

ヨルダン、インド、中国、ベネズエラは、排出削減に関する政策の実施や脆弱性による影響の強化やレジリエンス(回復力)の構築において、地方自治体当局が触媒的な役割を担うという記述に反対した。

サウジアラビアは、IPCC SYRに沿って、適応・緩和の実効性ある対応は、様々な規模にまたがる政策措置によって決まるものだと認識することを提案した。

行動および支援の透明性 : ブラジルは、透明性は説明責任を代替するものではなく、緩和だけではなく、適応やMOIとも関連するものだと述べ、差別化を反映させつつ条約に基づく既存のMRVに関する取り決めを踏まえた透明性の枠組みを求めた。

これに対して、反対を唱えたトルコは、すべての締約国に適用可能で共通したMRV条項を備え、途上国にとっては共通化されたMRV条項の適用レベルや深度に関して柔軟性をもたせた共通枠組みを求めた。エクアドルは、CBDRの言及を要請した。

約束については、トルコは、貢献の範囲は締約国の自由裁量という考えを維持すべきだと述べた。

約束/貢献に関するスケジュールとプロセス: 中国は、合意の実施に関する正確な開始日と終了日を含めたタイミング、および約束に関するスケジュールが重要であると主張した。

約束/貢献については、トルコが“貢献”の方が良いと主張した。南アフリカは、法的性格を担った約束を支持した。チリは、AILACの立場から、“貢献”は5年毎に通達すべきであり、その際に続く5カ年及びその後の5カ年の貢献の目安を提示すべきだと述べた。

期間の長さに関する柔軟性について、スイスは、ノルウェーとともに、すべての締約国が同時期に各国の約束を伝達すべきだと強調した。トルコは、10カ年を期間とし、中間にレビューを実施する方が良いと主張した。

事前の検討については、AILACが、堅牢なプロセスを求めた。スイスは、全体的な約束の事前検討を主張した。トルコは、プロセスは規範的なものとすべきではないと述べた。ノルウェーは、いったん附属書やスケジュールという形で提出されれば約束は法的拘束力をもつ義務となるべきものだと述べた。

形式化/完成形については、AILACは、貢献を文書の形で記載すべきだとし、後戻りさせることに釘を刺した。トルコ及びツバル(LDCの立場)は、貢献は任意ベースで修正可能とすべきだと述べた。LDC諸国は、附属書2種として、数値化された排出削減の約束および排出抑制の約束と戦略に関する文書を求めた。オーストラリア は、特例として、締約国は個別に約束/貢献を調整することを認めるべきだと主張した。

実施に関する戦略的なレビューについては、AILACは、5カ年サイクルで履行する案を支持し、スイス、トルコ、韓国とともに、すべての締約国に適用するものとするよう主張したが、中国がこれに反対した。ノルウェー は、レビューが実現されていない機会を掘り起こすべきだと述べた。

非公式中間会合: COP 20/CMP 10議長のManuel Pulgar-Vidalは、会議1週目が“提案と説明、明確化”のための時間だったとした上で、2週目は 木曜夕方までに“世界が期待する成果を出す”ための “対話、柔軟性、創造”の時間とするよう要請した。

ADPのKumarsingh共同議長は、この1週間に締約国から寄せられた意見を踏まえて、ADPの前進に関する要素のノンペーパー及び決定書草案の修正版を月曜の朝までに両共同議長が準備することを提案し、締約国の賛同を得た。

修正版には締約国からの意見を編纂して盛り込むべきか否か疑問が出されたのを受けて、Kumarsingh共同議長は締約国の意見をまとめると請け合った。参加者数名が“合意に向けて進展を加速させ“、INDCsの範囲やINDCsに求められる情報に関する”明確さを高めるため”に実質的な議論を優先するよう求めた。

今後の方策については、CBDRと公平性に関する個別協議を開催することや“共同議長のノンペーパー”からもっと正式な文書に格上げをすることによって各自が“当事者意識”を持つようにさせるという案が出された。

IARプロセスに基づく多国間評価に関する作業部会第1回会合

多国間評価プロセス作業部会第1部の開会にあたり、SBI議長のAmena Yauvoli (フィジー)は、先進国向けのIARと途上国向けの国際的協議および分析 (ICA)という2本立てのMRVプロセスがカンクンで新設されたことについて言及し、今次会合中に附属書I国の締約国17カ国が多国間での評価を受けることになると説明した。経済全体の排出削減数値目標の達成に向けた進展状況について締約国からのプレゼンテーションがあり、続いてQ&Aセッションが行われた。

EUは、経済成長と排出量の問題を切り離すことに成功したと発表した。2020年に向けて緩和の野心を引き上げるよう呼びかけつつ、中国は、EUが他の先進国の比較可能な約束ならびに先進途上国の“十分な”貢献を前提条件としてEU域内30%排出削減という貢献を定めた理由について尋ねた。南アフリカからの質問を受け、EUは、条約の下でLULUCFが2020年の誓約として考慮される場合、さらに2%の排出削減を実現させると示唆した。

オーストリアは、EU排出量取引制度(EU-ETS) 以外に、2005-2020年に16%減という個別目標を定めたと発表した。中国は、交通部門においてオーストリアが実施している措置について質問し、オーストリアが自動車燃料利用に関する法律とEUレベルで現在行われている政策論議について答えた。

クロアチアは、エネルギー部門の排出量の比率が大きいと強調しつつ、同国が2020年には国内最終エネルギー消費のうち再生可能エネルギーの比率を20%とし、さらに2001-2005年の平均消費量との比較で2020年までにエネルギー効率を9%とする目標を定めたと説明した。予想されるクロアチア国内の排出増に関するブラジルからの質問に対して、EU 加盟国の“取組みの分担”によって ETS以外の排出量は2020年までに2005年比11%増となるが、クロアチアは目標値を超過しないための措置を講じていると説明した。

キプロスは、2013年に附属書I国入りを果たしたばかりだと述べ、2020年までに2005年比でETS以外の排出量を5%削減するという目標を定めたとし、セクター別の緩和策および措置を紹介し、キプロスが2020年目標を達成する “道程”にあることを強調した。

デンマーク は、2035年までに再生可能エネルギーによる熱電併給100%とする目標を立て、2050年までに完全に化石燃料消費を停止することを目指すと強調した。また、再生可能エネルギーとエネルギー高効率化の投資を強調し、2020年までに国内電力消費の5割を風力によって供給することを想定していると述べた。

フィンランドは、欧州域内でも高水準を誇る国土面積の70%以上を占める森林被覆率について言及するとともに、バイオエネルギー生産が伸びているもののLULUCFが依然として排出量の吸収源として機能していると述べた。また、ブラジルからのリクエストに応えて、特に持続的な森林管理や森林が社会に与える多様なメリットを捉えた包括的なアプローチを中心に2015年の国家森林プログラムに関する情報をさらに提供した。 また、2020年までの再生可能エネルギー比率38%目標達成に向けて今後どのような取り組みを行っていくかという中国からの質問に対して、2012年時点で再生可能エネルギー比率は35%に達していると答えた。

フランスは、1978年に排出量のピークに達し、その後は長期的に下降トレンドを辿っているとし、主に原子力の導入によって電力部門の脱炭素化が行われた為だと説明した。また、運輸や建築部門を対象として政策措置が重要であると述べた。京都議定書第1約束期間の目標達成における認証排出削減単位(CER)の寄与度についてブラジルが尋ねると、フランスの割当量単位の2%に達したと説明した。

イタリアは、太陽光発電能力を18GWまで増加させられた理由をオーストラリアから質問されると、割当量を決めるクォータ制と固定買い取り制度(FIT)を要因に挙げつつ、後者については成熟技術に対する優遇制度が手厚くなりすぎないよう現在調整を行っている最中だと述べた。また、人口1人あたりの自動車保有率が世界第1位であることに関連する課題と機会について米国が質問すると、インフラや最新鋭の車両化、モーダルシフトの加速化、低炭素燃料の促進といったセクター別のアプローチが重要であると説明した。

ラトビアは、京都議定書の第1約束期間に排出量を8%削減できたとし、目標を超過達成したと強調した。また、ラトビアの気候変動資金制度を詳しく教えてほしいとのブラジルからの求めに対して、省エネや技術転換、GHG削減技術の開発や啓蒙活動など、2,200件以上の国内事業を実施するプログラムによって実現できたと答えた。

SBI では、Yauvoli議長が会議をいったん休会し、12月8日(月)から再開させると伝えた。

廊下にて

フィリピン沖に台風22号が上陸。COP 20の出席者に当地の気温上昇への注目を喚起したが、台風の襲来はあたかも気候行動の緊急性を伝える毎年恒例の行事になったかのようである。さて、 “議論の白熱化”を想定したCOPの Pulgar-Vidal議長からは、本会議2週目以降は“カジュアルな服装で参加しよう”という“ドレスコード宣言”があり、この1週間、“汗まみれの手団扇で”消耗していた参加者からは拍手喝采を浴びた。

COP会議は折り返し点を通過。効率的な時間管理を徹底しようという“情熱”に駆られて、SBSTAでは歴代最速とも言える早い時間に閉幕を迎えることが出来た。

「SBSTA 41は、月明かりではなく太陽の光の下で会議を終了できた稀なる会議として歴史に刻まれることになるだろう」とChristiana Figueres事務局長が語った位である。

また、UNFCCC史上初となる附属書I締約国による第1回多国間評価会合も定刻どおり終了できた会議として記憶に残ることだろう。いかに自国の緩和の取組みが評価されるかと評価を受ける側の国の参加者の表情には当初やや緊張感も見られたものの、「土曜日の会合は締約国間の信頼醸成に役立った」と多くの参加者が感想を述べていた。

日中の炎天下に対して、夕方からは涼しいそよ風も吹き、多くの参加者にとって頭を整理するひとときが出来たようだ。夕方のADP中間会合では、二人のADP共同議長にとって来週の会議が “最後の舞台”となることに思いを馳せて感傷的な気分に浸った者も多く、時には過酷な会議スケジュールの中でも両議長が指導力を発揮してくれたと深い感謝の念を示す一方で、今度は誰がADP共同議長のポストに就くのかと参加者にとっては一抹の不安も垣間見られた。

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