Earth Negotiations Bulletin
アース・ネゴシエーション・ブレティン
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Vol.12 No.618 - 2014年12月12日(金)
リマ気候変動会議ハイライト
2014年12月11日(木)
 

午前中、リマ気候行動ハイレベル会議が開催された。ADP議題項目3に関するコンタクトグループは、午前中に短時間会合し、その後、今後の進め方に関する交渉グループ同士の協議を待ち、会議を中断した。このコンタクトグループは午後遅くに再度会合したが、今後の進め方で合意に達せなかった。COP及びCMPの下では、非公式協議が一日を通して開催された。非公式の進捗状況報告プレナリーは夕方に開催された。その後、夜遅くにADPコンタクトグループは短時間会合し、ADP共同議長は決定書草案文書の改定版を提出、締約国はこの文書について金曜日の朝に議論することで合意した。

Lima気候行動ハイレベル会議
COP 20/CMP 10議長のPulgar-Vidalは、会議場がナスカ遺跡の線画と参加者へのメッセージの文字を示す照明で照らしだされていることを指摘し、メッセージは参加者に「創造し(create)」、「絆を結び(connect)」、「行動し(act)」、「変革する(transform)」ことを求めていると述べた。同議長は、非国家行動者は既に解決策を見出していると強調し、かれらのイニシアティブの規模を拡大し、彼らとの協力関係を改善するにはどうすればよいかを参加者に問うた。
国連事務総長のBan Ki-moonは、9月の国連気候サミットに集まった行動者そして野心的なイニシアティブに焦点を当てた。同事務総長は、行動が野心を生み出すと指摘し、今行動をとることがパリ会議への強力な基礎を固めることになると述べた。
IPCC議長のRajendra Pachauriは、AR5の主要なメッセージを強調し、効率と公平性の追求は最も費用効果の高い解決策を推進すると述べた。
メキシコの前大統領で経済と気候に関する世界委員会(Global Commission on the Economy and Climate)の議長であるFelipe Calderónは、同委員会の実績を振り返り、エネルギー、都市、土地利用による排出量への対応行動が必要であると強調し、このような行動には次のものが含まれると述べた:化石燃料に対する補助金の段階的廃止;予測可能な炭素価格化の導入;石炭によるエネルギー生産の停止。
ペルーのOllanta Humala大統領は、ハイレベル協議の目的は社会の全てのレベルに協調の橋を架けることであり、国家と非国家の行動者が一堂に会し、気候変動には全てのレベルでの包括的、野心的、そして変革する行動が求められると認識することだと指摘した。
フランスのLaurent Fabius外相は、「各国政府だけではない」、民間部門や先住民、市民団体を含む社会全体に対し、非炭素化の世界に向け「クロスカッティングな解決策」を見出すことを求めた。同外相は、約束に加えて行動の議題も必要だと述べた。
南アフリカのEdna Molewa環境大臣は、BAU(成り行き)を超えた行動の規模拡大の必要性を強調し、達成される緩和が少ないことは、それだけ多くの適応が求められることを意味すると指摘した。
ブラジルのBelo Horizonte市のDélio Malheiros副市長は、同市で行ってきた気候行動の例を提示した。
イタリアの環境及び陸と海の保護大臣であるGian Luca Gallettiは、気候変動は倫理問題であり、これと闘うことは全てのものの倫理上の義務であると指摘し、全てのレベルの非国家行動者は世界経済の変革を確実に成功させるため、主要な役割を果たさなければならないと強調した。
Fourth Swedish National Pension Fund(第4次スウェーデン年金基金)のCEOであるMats Anderssonは、炭素に価格を付け、市場や投資家、汚染者に正しいシグナルを送り、年金基金に対しカーボンフットプリントの公表を義務付けることが必要だと強調した。
マーシャル諸島のTony de Brum外相は、世界の非炭素化に向け「交渉会議場の内外(in and out of negotiation rooms)」の一連の非国家行動者による行動を即時動員するよう促した。
Indigenous Caucus for Latin America(中南米先住民会議)の共同議長であるAlberto Pizangoは、次のような形での気候行動を求めた:土地の所有権;先住民の自主決定権の尊重;気候資金への直接アクセス;先住民の権利に合わせたREDD+;非森林化推進要素の制御。同共同議長は、先住民の気候プロセスへの参加及びプロセスとの連携を高めるための常設フォーラムを設置するCOP決定書を求めた。
気候行動ネットワークの理事であるWael Hmaidanは、非国家行動者のイニシアティブを政府目標に追加的なものとしてレビューする必要があると述べ、これらのイニシアティブを各国政府の目標達成を助けるため利用することに警告した。
持続可能な開発のための世界ビジネスカウンシル会長のPeter Bakkerは、ビジネス界は炭素排出量に関する明確な長期目標を求めており、世界的で予測可能及び確固とした炭素価格も求めていると述べた。同会長は、10の技術解決策開発を目的としてビジネスが協力しているイニシアティブに焦点を当て、関係する計画をパリでのCOP 21に提示すると述べた。
米カリフォルニア州の環境保護長官のMathew Rodriguezは、小国家及び地域組織の努力を認めることを支持し、国家レベルの行動者や他国とカリフォルニア州のパートナーシップを指摘した。
先住民会議のGrace Balawagは、全てのものに対する公平性、正義そして持続可能な将来に向けた約束を求めた。
世界資源研究所の気候及びエネルギー担当理事であるJennifer Morganは、市民社会、都市、その他の行動者に対し、国家の貢献プロセスの意思決定に参加し、自分たちが必要とする枠組の設置を確保するよう勧めた。同理事は、ハイレベル協議を続け、オブザーバーにも各国の貢献分に関し質問することを認めるよう求めた。
ICLEI – Local Governments for Sustainability(持続可能性のための地方政府)の会長であるDavid Cadmanは、都市の貢献を認識すべきだとし、協力行動は2020年ではなく2015年に開始すべきだと述べた。
Corporación Andina de Fomentoの社長Enrique Garcíaは、自社のネットワークは気候変動への対応で仲介者的な役割を果たしていると説明した。
UNFCCC事務局長のChristiana Figueresは、気候行動は各国政府だけの問題ではないと強調し、締約国に対し、国際レベル、国内レベルで野心的規制枠組を設置し、明確さや予測可能性を提供し、非国家行動者も気候変動と戦う行動に貢献できるようにすることを求めた。
アイルランドの全体と雨量で国連事務総長の気候変動特別大使であるMary Robinsonは、全てのものの平等かつ尊厳のある未来に向けた行動を求めた。
世界銀行グループの副会長で気候変動特別大使のRachel Kyteは、気候変動の解決策は経済の変革にかかることでは総じて意見が一致していると強調し、「経済には注目せざるを得ないが、政策には課題が残る(the economics are compelling, the politics remain challenging)」と指摘した。
米国の元副大統領のAl Goreは、リマ会議、パリ会議では「人類の将来を設計するのだ(we are designing the future of human kind)」と述べた。
COP 20/CMP 10議長のManuel Pulgar-Vidalは、気候変動に対応するため都市や企業、地域、そして投資家が行っている行動を掲載するNAZCAというポータルを立ち上げた。同議長は、個のイニシアティブは国連の気候会議に強力なモーメンタムを与え、各国政府にパリでの野心的な合意に署名する確信を持たせることを目指すと述べた。

コンタクトグループ
ADP議題項目3ADP共同議長のRunge-Metzgerは、午前中、強化された行動のためのダーバンプラットフォーム推進に関する決定書草案を議論するコンタクトグループ会合を開催し、要素文書草案は交渉担当者「の下に(be with)」あり続けると指摘した。同共同議長は、締約国に対し、決定書草案での共通点を求めるよう促し、ADP閉会プレナリーの前に今後の進め方に関する提案を出すよう求めた。
同共同議長は、解決する必要がある問題が5件あると指摘した:INDCsの範囲;INDCsの事前の情報;INDCs提出に続く行動;信頼感を築くための既存の約束の実施;要素を決定書にどう反映させるか。
ボリビアはG-77/中国の立場で発言し、次のステップに関する共同議長の問いに応え、今後の進め方に関し同グループで進めている作業を指摘し、グループ内で協議する時間を求めた。共同議長は、その後、会議を中断した。
午後、ADP共同議長のKumarsinghは、再開会合を開会した。同共同議長は、今後の進め方は締約国の決定次第であると強調し、「密談(huddles)」方式を回避するよう求めた。
ボリビアはG-77/中国の立場で発言し、グアテマラ、ブラジル、シンガポール、エジプトと共に、午前中の会合でADP共同議長が指摘した分野に関する多様なオプションに関し、共通意見を見出すべく同グループでは努力したと強調し、提出できる提案があると指摘した。同代表は、オープンエンドの議長の友人方式に転換することも提案した。
ボリビアはG-77/中国の立場で発言し、スイス及びEUの質問に応え、同グループでは共同議長文書に記載されるオプションの「スリム化(slim down)」に努力してきたと明言し、新しい文書ではないと強調した。オープンエンドの議長の友人方式に関し、同代表は、締約国が代表を指名でき、関心のある締約国は全て参加できると述べた。
オーストラリアは、共同議長文書をベースに進めるよう求め、 G-77/中国が検討した文書案をベースに作業することには躊躇すると表明した。
スイスは、現在の方式で進めることを提案した。
メキシコは、G-77/中国によるオプションの取りまとめは一部のオプションを「たたき台から外す(off the table)」可能性があると指摘し、共同議長文書を基に進めるよう求めた。
スイスは、行ごとの交渉から、共通点を見出す方式に移すよう求めた。ナウルはAOSISの立場で発言し、どのような名称の方式であれ、交渉を直ちに開始する意思があると表明し、グアテマラもこれを支持した。
米国と日本は、G-77/中国はワークストリーム1(2015年合意)で意見を集約させていないと嘆いた。AOSISは、合意を見出すためG-77/中国に「もう少し(a bit more time)」時間を与えることを提案した。
米国は議長の友人方式での作業を支持した。EUは、政治的問題での締約国間の意見の相違には政治的なガイダンスが必要だと指摘した。
マレーシアはLMDCsの立場で発言し、次の点を指摘した:リマ会議はバランスの取れていない文書という間違った点から開始された;締約国は可能な限りベストを尽くした;多国間の政策決定は「難しい問題(a difficult affair)」である;リマ会議での締約国主導のプロセスで「リマにしろ、それ以後にしろ、更なる議論が可能な文書の要素を捕捉できた」。
COP/cmp合同進捗状況報告プレナリー
COP 20/CMP 10議長のPulgar-Vidalは、12月11日木曜日というのは全ての保留問題を解決する最後の日であるとし、締約国に対し、交渉を進めるよう促した。同議長は、Edna Molewa大臣(南アフリカ)及びEdward Davey大臣(英国)に対し、長期資金とGCFに関する閣僚アウトリーチ会議を行うことを招請した。
ADP共同議長のKumarsinghは、文書の交渉をどう進めるかで締約国間の意見が一致していないと強調した。
Pulgar-Vidal議長は、今回のCOPの達成事項を捕捉する決定書の必要性を強調し、締約国に対し、建設的な提案を出すよう求め、リマを「空手で(empty handed)」離れることがないよう求めた。同議長は、透明性のある締約主導の作業プロセスを保証した。
Pulgar-Vidal議長は、INDCs及びプレ2020年行動に求められる事前情報に関する強力な決定書、さらには2015年合意の要素に関する多様な見解を記載する交渉文書草案が必要であると指摘した。
Pulgar-Vidal議長は、ADPの交渉を進めるため、ADP共同議長に対し、午後9時までに改定文書を作成するよう求めた。同議長は、4つないし5つの主要問題に焦点を当てるよう求め、議長自身、閣僚たちとの協議を続けると述べた。
SBSTA議長のEmmanuel Dumisani Dlaminiは、隔年報告書及び国別報告書のレビューのためのガイドライン改定に関する決定書が最終決定されたと指摘し、議定書5条、7条、8条(京都議定書の下での手法論問題)では交渉が継続されると述べた。
SBI議長のAmena Yauvoliは、対応措置実施に関する協議について報告し、特に制度アレンジに関し意見の一致が無かったと指摘し、締約国は決定書草案をベースに交渉を続ける意思があると述べた。

廊下にて
2週間近くの熱のこもった議論の後、多くのものは、COPの第10日、意気消沈していた、ADPは、50頁を超える括弧書き文書を抱え、今後の進み方での合意が見えない中、モーメンタムをなくしたようである。
午前中、ADPのウェブサイトに短時間登場した謎の決定書草案は、参加者間で広く回覧されていた。この数頁の文書草案と、締約国の全ての代替案を記載する50頁を超える共同議長の草案都の間に先を見失った多くのものは、リマ会議でパリ会議への橋をかけられるのか疑問視した。しかし、一部のものは、リマ会議の屈折のどこかに成果が見えだしているのではないかと考えていたようだ。気候行動に関する午前中のハイレベル会議での前向きな精神に刺激を受けたある参加者は、「ナスカの地上絵と同じことで、全体像を見るには高い丘に登る必要があるのかもしれない」と話していた。
眠れない夜となる可能性が高いと参加者が意識する中、多くのものは、COP/CMP議長が明確な方向性を示したことで、これからの険しい丘を登る気になったと感じていた。

ENBサマリーと分析:リマ気候変動会議のEarth Negotiations Bulletinサマリーと分析は、2014年12月16日火曜日、右記のオンラインに掲載される予定:http://enb.iisd.org/climate/cop20/enb/

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This issue of the Earth Negotiations Bulletin © <enb@iisd.org> is written and edited by Beate Antonich, Rishikesh Bhandary, Elena Kosolapova, Ph.D., Mari Luomi, Ph.D., Anna Schulz, and Mihaela Secrieru. The Digital Editor is Kiara Worth. The Editor is Pamela Chasek, Ph.D. <pam@iisd.org>. The Director of IISD Reporting Services is Langston James “Kimo” Goree VI <kimo@iisd.org>. The Sustaining Donors of the Bulletin are the European Commission (DG-ENV and DG-CLIMATE), the Government of Switzerland (the Swiss Federal Office for the Environment (FOEN) and the Swiss Agency for Development Cooperation (SDC), and the Kingdom of Saudi Arabia. General Support for the Bulletin during 2014 is provided by the German Federal Ministry for the Environment, Nature Conservation, Building and Nuclear Safety (BMUB), the New Zealand Ministry of Foreign Affairs and Trade, SWAN International, the Finnish Ministry for Foreign Affairs, the Japanese Ministry of Environment (through the Institute for Global Environmental Strategies - IGES), the United Nations Environment Programme (UNEP), and the International Development Research Centre (IDRC). Specific funding for coverage of this session has been provided by the Kingdom of Saudi Arabia and the EC (DG-CLIMA). Funding for translation of the Bulletin into French has been provided by the Government of France, the Wallonia, Québec, and the International Organization of La Francophonie/Institute for Sustainable Development of La Francophonie (IOF/IFDD). The opinions expressed in the Bulletin are those of the authors and do not necessarily reflect the views of IISD or other donors. Excerpts from the Bulletin may be used in non-commercial publications with appropriate academic citation. For information on the Bulletin, including requests to provide reporting services, contact the Director of IISD Reporting Services at <kimo@iisd.org>, +1-646-536-7556 or 300 East 56th St., 11D, New York, NY 10022 USA. The ENB team at the Lima Climate Change Conference - December 2014 can be contacted by e-mail at <anna@iisd.org>.
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