Share on Facebook Share on Twitter Share on Google Plus

アース・ネゴシエーション・ブレティン (地球交渉速報)

第12巻第654号 - 2015年12月2日(水)


パリ気候変動会議

2015年12月1日(火) | パリ、フランス

英語 (HTML - PDF) | フランス語 (HTML - PDF) | アラビア語 (HTML - PDF) | 日本語 (HTML - PDF)

パリ(フランス)のIISD/ENB会議の報道については、下記のリンクをご参照ください:
http://enb.iisd.org/climate/cop21/enb/


12月1日(火)、COP 21及び CMP 11では、午前のプレナリーが開催され、議題と作業構成の採択、開幕ステートメント発表が行われた。  SBSTA 開幕 プレナリーは午前、SBI 開幕 プレナリーは午後から開催された。

ADP コンタクトグループでは、作業開始となり、終日会合が開かれた。ADP 分科会 と“非公式の非公式”レベルの会合が終日開催され、前文・目的・総則; 適応; 緩和; 資金; 技術の開発・移転; キャパシティビルディング; 世界目標の見直し; 透明性; ワークストリーム 2について話し合いが行われた。

COP 21 プレナリー

組織事項: 投票に関する 規則案42を除く手続き規則案 (FCCC/CP/1996/2)を採用することで締約国は合意した。

COPは提案された通り議題 (FCCC/CP/2015/1 および Add.1) を採択した。ただし、条約 4.2条(a)および(b) (先進国の緩和) の妥当性に関する第2回レビューに関する議題項目は保留となった。 また、COPは作業構成についても合意した。

COPは、SBIに対して、以下の項目と小項目の検討を付託した。附属書I締約国の報告及びレビュー; 非附属書I締約国の報告; 条約のキャパシティビルディング; ジェンダーと気候変動; LDCs関連項目; 2014年の監査報告書と財務諸表; 2014-2015年の二カ年予算収支。

さらに、COPが、SBIとSBSTAに対して検討を付託した項目および小項目は以下の通り。適応委員会の報告書およびWIM; TEC および CTCN合同年次報告書; 適応と対応措置に関するブエノスアイレス作業計画実施 (決定書 1/CP.10)。

COP 21 議長 Laurent Fabiusは、役員の選出に関する協議が実施されたことを伝えた。締約国は、オブザーバー組織の認定(FCCC/CP/2015/5)に合意した。

COP 21 議長 Fabius は、リマ・パリ行動議題 (LPAA)との関連で、12月5日(土)のハイレベル・アクション・デーに焦点をあて、パリ会議の成功を実現するためには、創造力と柔軟性が必要だとし、時間管理の重要性を強調した。

CMP 11 プレナリー

組織事項:議題 (FCCC/KP/CMP/2015/1) が採択され、作業構成が合意された。CMP 11 議長 Fabius は、交代役員の選出に関する協議開催を伝えた。

 CMP は、SBSTAに対し、京都議定書ドーハ改正事項セクション G (3条、パラグラフ 7ter)の明確化に関する項目および議定書2.3条 (政策措置の悪影響)に関する小項目の検討を付託した。

 CMP は、SBI に対し、京都議定書のキャパシティビルディング; 事務・資金・制度に関する問題;附属書I締約国の報告および レビューに関する項目ならびに議定書3.14条  (悪影響の最小化)に関する小項目の検討を付託した。

合同 COP/CMP プレナリー

オーストラリアは、アンブレラ・グループの立場から、  パリで合意を成立させ、定期的に野心を更新させなければならないと述べ、市民社会や企業、特にLPAAの下にある幾百のイニシアティブの役割に焦点をあてた。

南アフリカ(G-77/中国の立場)、 EU、 サウジアラビア(アラブグループ)、 および スーダン(アフリカン・グループ)は、 それぞれのステートメント(声明文)はUNFCCCウェブサイトに掲示されると述べた。

アンゴラは、LDCsの立場から、2°C抑制目標は不十分であり、1.5°C目標へと強化すべきだと述べた。

韓国は、環境十全性グループの立場から、 すべての国に適用可能で、差異化に柔軟なアプローチや共通のルール、長期的な野心引き上げのメカニズム等を盛り込んだ合意の採択を求めた。

中国は、ブラジル 南アフリカ、インド、中国を代表し、 オープンかつ透明で包摂性のある締約国主導の方式で作業を行うことが重要であると強調し、パリ 合意は、CBDRおよび個々の能力に見合った内容にすべきだと主張した。また、2020年までの期間については、先進国がその約束を果たし、1000億ドル目標達成に向けた明確なロードマップを策定すべきだと強調した。

モルディブは、小島嶼国連合(AOSIS)の立場から、合意によって、温暖化を1.5℃未満に抑制可能な、中長期的な排出削減経路を策定するよう求めた。

グアテマラは、独立中南米カリブ海諸国連合の立場から、法的拘束力を有する衡平性と野心のある合意採択に向けた取り組みへの支持を誓った。

女性とジェンダー関係者は、各国政府に対して、気温上昇幅を1.5°Cに抑制し、ネット・ゼロ、カーボン・ニュートラリティ(炭素中立性)、オフセット等の考え方を排除するよう求めた。

企業・産業NGO団体 (BINGO)は、革新、投資、およびエネルギーアクセスの分野に民間部門を動員し、活性化させられるような環境の理解構築に焦点をあてた。

環境NGO (ENGO)の立場から、気候行動ネットワーク (CAN) は、「あるべき所に至るまでははるか遠い”と述べ、5カ年サイクルの創設ならびに資金と条件付きのINDCのマッチングを求めた。

農業関係者は、農業の役割を強調し、87のINDCが農業について記載していることを指摘した。

先住民団体は、先住民の権利の尊重;伝統的な知識と慣行の認知; および気候資金への直接アクセスの提供などを求めた。

地方自治体の当局関係者は、地方政府の緩和および適応に対する貢献に焦点をあてつつ、1.5°C気温目標を求めた。

研究、独立系NGOs (RINGOs)は、いかに研究とその利用が省エネ向上、脆弱性特定、気候レジリエンス改善、貢献の成功度の評価や衡平性の意味づけ等に貢献するのか訴えた。

労働組合NGO (TUNGO) は、「死んだ惑星には仕事もない」と述べ、野心の引き上げや労働者に対する公平な移行促進を求めた。

SBSTA 開幕 プレナリー

組織事項: 締約国は、議題 (FCCC/SBSTA/2015/3)を採択し、作業構成に合意した。SBSTA 議長 Lidia Wojtal (ポーランド)は、議長以下の役員の選出に関する協議COP /CMP 議長が調整して行うことを伝えた。

ナイロビ作業計画: SBSTA議長 Wojtalがこの項目 (FCCC/SBSTA/2015/4 および INF.8)に関する結論書草案を作成することで締約国は合意した。

国連環境計画(UNEP)は、様々な小地域におけるリマ適応知識 イニシアティブ (LAKI)の進展に焦点をあて、その目的は、小地域レベルの知識格差を特定し、それを解消することの2点だと説明した。ボツワナおよびスリランカは、LAKIの進展と今後のワークショップを歓迎した。

技術の開発・移転および技術メカニズムの実施: TEC CTCN合同年次報告 書: Carlos Fuller (ベリーズ) および Elfriede More (オーストリア)が進行役を務める合同 SBSTA/SBI 非公式 協議でこの 項目 (FCCC/SB/2015/1 および INF.3)について検討することで合意した。

TEC 議長 Kunihiko Shimada (日本) は、気候技術資金へのアクセス強化と革新に関する各国諸制度の整備支援を含めた主要な成果について報告した。

CTCN諮問委員会Jukka Uosukainen議長 (フィンランド)は、CTCNには現在100以上のネットワークメンバーが参加し、途上国の要請に応じて技術援助を提供していると述べた。

科学とレビューに関する問題: 研究と系統的観測: Chris Moseki (南アフリカ) および Stefan Rösner (ドイツ)が進行役を務める非公式協議でこの項目を検討することで合意した。

 地球気候観測システム(GCOS)は、実施計画の進展と地球観測ネットワークの妥当性に関する評価について報告した。

世界気象機関(WMO) は、気候サービス (GFCS) のためのWMO地球枠組が国別適応計画 (NAPs)向け技術指針補遺を作成し、WMO議会が気候データとGFCS用レポートに関する指針を採択したと報告した。

 地球観測衛星委員会(CEOS)は、センシングについて、既存データベースを補完するために必須気候変数インベントリからのデータを提供していると述べ、宇宙からの炭素観測の実施に関する進展状況について報告した。  

UNESCO政府間海洋学委員会(IOC)は、海洋観測が気象観測システムに不可欠でありると強調した上で、短期的な技術予算の補助金を受ける場合が多いことから観測を継続することが困難になっていると強調した。

条約の方法論の問題 : GHGデータインタフェース: 本項目の検討はSBSTA 44まで先送りすることで合意した。

バンカー燃料油由来の排出この項目 (FCCC/SBSTA/2015/MISC.5)に関する決定書草案をSBSTA 議長 Wojtalが作成するということで合意がなされた。

 国際民間航空機関 (ICAO) は、燃料効率改善や代替燃料の奨励、航空交通管理の効率化等の取組みについて報告した。

国際海事機関 (IMO) は、データ収集に関する3段階アプローチと技術協力についての合意とキャパシティビルディングの取組みについて報告した。

サウジアラビアは、 G-77/中国の立場から、多国間のソリューションの重要性を強調し、条約の諸原則を尊重し、ユニラテラルな措置を防止しつつ、IMOとICAOと連携しながら作業することを支持した。

アルゼンチンは、多くの途上国を代表し、措置は国際貿易に関する偽の制限であってはならないと述べ、ICAOが提唱する市場ベースのメカニズムに関する更なる技術分析を求め、そうしたメカニズムは相互または多国間の合意に基づいてのみ成立するとし、中国とともに、CBDRも盛り込むべきだと主張した。

IMOについては、 中国がEU域内港湾における船舶由来のCO2排出量の監視制度の採択について懸念を表明した。

日本、 シンガポール、 EUは、これらの問題にはIMOとICAOが対応するのが適切だと述べた。韓国は、これらの機関についての合意に向けて取り組むことを求めた。

その他の活動に関する報告書:隔年報告書s (BRs) および 国別報告書s (NCs) (FCCC/SBSTA/2015/INF.5)に関して、条約に基づき、条約附属書I締約国によって報告された技術情報の検討に関する年次報告書ならびに、議定書1.7条で定められた通り国別報告書 (FCCC/SBSTA/2015/INF.4)の情報に基づき附属書I締約国の国内行動の実施に関する報告書に留意した。

他の議題項目:  以下の議題項目および小項目は短時間で検討され、コンタクトグループへ付された:

  • 2013-2015年レビュー (SBI合同);
  • 対応措置の実施の影響の下のすべての小項目(SBI合同);
  • 条約の附属書I締約国の資金情報に関する報告方法に関する小項目;
  • 議定書5、7、8条に関するものも含めた京都議定書の方法論の問題に関する今までの決定書についての決定書 2/CMP.7~4/CMP.7および1/CMP.8実施の影響に関する小項目;
  • 第2約束期間の数値化された排出抑制・削減の約束を伴わない附属書I締約国の会計、報告 、レビュー要件に関する小項目; および
  • 京都議定書ドーハ改正事項に関するセクションG (3.7条-3)の文章の明確化に関する小項目:

以下の議題項目および小項目は非公式協議に付された:

  • 適応委員会の報告  (SBI合同);
  • 農業関連の問題;
  • WIM執行委員会の報告 (SBI合同);
  • 附属書I締約国のGHG インベントリに関する技術レビューについての年次報告書に関する小項目;および
  • 附属書I締約国のGHG インベントリに関する技術レビューについての年次報告書およびその他の情報の報告についての小項目。

土地利用・土地利用変化・林業(LULUCF)に関する議題項目および市場および非市場メカニズムの下のすべての小項目 の成果についてSBSTA 議長 Wojtalが情報をまとめるということで締約国が合意した。

開幕ステートメント: 南アフリカ(G-77/中国)、オーストラリア(アンブレラ・グループ)、 EU、 スーダン(アフリカン・グループ)、 アンゴラ(LDCs)、 モルディブ(AOSIS)、パナマ(熱帯雨林諸国連合)はそれぞれ、UNFCCCウェブサイトに声明文をアップロードすると述べた。

RINGOsは、研究上のパートナーシップの重要性を強調した。女性とジェンダー団体は、土地部門の市場メカニズムを批判し、損失被害への対応を求めた。

TUNGOsは、対応措置に関するSBSTAの以前の作業を踏まえた公平な移行に関する作業計画を求めた。

農業関係者は、農業に関するSBSTAの作業計画、特に早期警戒システムやリスク評価ワークショップへの支持を表明した。

BINGOsは、技術メカニズムへの支持を表明した。 CANは、ENGOsの立場から、ICAOとIMOが中間目標を設定し、代替燃料の評価基準を採択するよう働きかけるよう求めた。

SBI 開幕 プレナリー

組織事項: 非附属書Iの国別報告書に関する情報の項目については留保されたが、議題 (FCCC/SBI/2015/11)が採択され、作業構成についてはそのまま合意された。SBI 議長 Amena Yauvoli (フィジー) は、議長以外の役員選出に関する協議をCOP/CMP議長が執り行うと伝えた。

国際 評価・レビュー (IAR)プロセスの多国間評価作業部会セッション: SBI 議長 Yauvoliは、ベラルーシとカザフスタンに関する多国間評価が、第1回のIARプロセスに関する第3回および最終回の多国間評価作業部会セッションのテーマになると伝えた。

WIM執行委員会の報告: WIM執行委員会報告書 (FCCC/SB/2015/3)が執行委の共同議長 Pepetua Latasi (ツバル)から提出された。Beth Lavender (カナダ) および Kishan Kumarsingh (トリニダードトバゴ)が共同進行役を務めるSBI/SBSTA合同非公式協議の実施について締約国が合意した。

事務・資金・制度に関する問題: 未払い資金がひっ迫した状況にあるとして、 UNFCCCのRichard Kinley事務局長代理は、2015年6月30日現在の2014-2015年二ヶ年予算収支 (FCCC/SBI/2015/13) および2015年11月15日現在の資金状況 (FCCC/SBI/2015/INF.17)を提示した。

その他の議題項目2013-2015年レビューに関する議題項目と対応措置の実施の影響の下のすべての小項目については、簡単な審議の後、SBIとSBSTA合同コンタクトグループの審議へと回された

また、以下の議題項目および小項目については、簡単な審議の後、非公式協議を行うこととなった:

  • 技術の開発・移転および技術メカニズムの実施の下のすべての小項目;
  • 共同実施(JI)ガイドラインのレビューに関する小項目;
  • キャパシティビルディングの下のすべての 小項目;
  • IARプロセス第1回の成果に関する小項目;
  • 非附属書I締約国からのNCsに関する専門家諮問グループの作業に関する小項目;
  • クリーン開発メカニズム(CDM)のモダリティ及び手順のレビューに関する小項目;
  • LDCs関連の問題;
  • NAPs;
  • 適応委員会の報告(SBSTA合同)

SBIは、Yauvoli議長が、事務局と連携し、締約国と協議しながら、結論書草案を作成することで合意した。その内容は、 “条約 Part IIの附属書Iに記載される締約国の国別報告書の作成ガイドライン改訂; 資金と技術の支援供与; JI排出削減単位の継続的な発行・移転・取得の迅速化の手順; ジェンダーと気候変動に関するものだ。

  地球環境ファシリティと適応委員会は、個々の作業で関連する局面について口頭発表を行った。ブルキナファソは、LDCからは初めてとなるNAPを提出したことを伝えた。

また、SBIは、附属書I締約国からの第6回NCsと第1回BRsの提出およびレビューの現状 (FCCC/SBI/2015/INF.9); 1990-2013年の附属書I締約国からの国別GHGインベントリに関する報告書 (FCCC/SBI/2015/21);非附属書I締約国からの隔年更新報告書の技術分析に関するサマリーレポート;国際取引ログ管理者報告 (FCCC/SBI/2015/INF.12);  2014年監査済財務諸表(FCCC/SBI/2015/INF.10); および条約6条に関する第3回ダイアログについてのサマリーレポート (FCCC/SBI/2015/15)についても留意した。条約6条(教育、訓練、啓発)に関するダイアログについては、SBIは、 “条約6条” から“気候エンパワーメントのための行動” に代えることを支持した。

SBIは、 CMP が2015年京都議定書の附属書B国向けの年次編纂および会計報告書(FCCC/KP/CMP/2015/6 および Add.1/Rev.1)に留意するよう勧告した。

開幕ステートメント: 南アフリカ(G-77/中国)、 オーストラリア、 (アンブレラ・グループ)、 スーダン(アフリカン・グループ)、 モルディブ(AOSIS)、 EU および アンゴラ(LDCs)は、自国の声明文をUNFCCCウェブサイトにアップロードすると述べた。

 LDCsは、締約国と専門家との間の組織化された対話(SED)に焦点をあて、地球平均気温の上昇幅を1.5°C未満に抑制することによって地球全体の目標を強化する必要があると示唆していることを指摘した。

モルディブは、 AOSISの立場から、 CDMモダリティのレビューが緩和ツールとしてのCDMにさらなる信認を与えると強調した。

女性とジェンダー団体は、ジェンダー、技術、緩和の関連に対処するためのADP交渉を要請した。

CANは、ENGOsの立場から、新5カ年作業計画や法・政策的な枠組みを含む WIMの下での作業に対する十分な資金提供を求めた。

SBI 多国間の 評価

SBI 議長 Yauvoliは、多国間評価に関する第3回作業部会のセッションを開始した。  .

ベラルーシは、1995-2012年の経済成長と排出量が著しく乖離していたとし、省エネと効率改善、再生可能エネルギー源の開発に焦点をあてた。ベラルーシが2020年の排出削減目標達成のために計画した緩和行動について、オーストラリアが質問したことを受けて、ベラルーシは、再生可能エネルギー及び省エネ法等の概要について説明した。

カザフスタンは、法制、再生可能エネルギー固定買取制度、排出量取引制度、エネルギーサービス企業の枠組み等の緩和行動と措置に焦点をあてた。カナダがカザフスタン戦略開発計画に盛り込まれた緩和関連のセクター別の計画について質問すると、 カザフスタンは、水と廃棄物管理、運輸、省エネについて言及した。

SBI 議長 Yauvoliが、ここ3回の会合で43の締約国の評価が行われ、3カ月間の公式Q&A期間内と会期中の質疑応答において651の質問に対する回答があり、“素晴らしい仕事を成し遂げられた”ことに感謝しつつ、閉幕の挨拶を行った。

ADP

コンタクトグループ: ADP 共同議長 Ahmed Djoghlafが開会した。ADP共同議長 Daniel Reifsnyderが一日の作業方式について説明し、分科会の共同進行役は、11月30日(月)夕方の会合について報告した。

緩和 (3条、3条-2、3条-3)、 Franz Perrez (スイス)共同進行役は、個々の取組み、タイミング、協力的アプローチ、特色、情報、 長期戦略、ハウジング、および地域機関と経済機関等を含むクラスターを中心に非公式な作業を行うと伝えた。

資金 (6条)については、 Georg Børsting (ノルウェー) 共同進行役が、予測可能性; 制度的アレンジ; 行動と約束の3つの問題群に分類したことを伝えた。

透明性 (9条)については、 共同進行役 Fook Seng Kwok (シンガポール) 共同進行役が、分科会では、支援;スコープと懸念事項;パリ後の2016-2020年の作業計画という問題群を踏まえて作業することを提起し、INDCs関連の情報など幾つかの横断的テーマについてはコンタクトグループで対応することを提案した。

南アフリカは、G-77/中国の協議について報告し、すべてのパラレル会合に出席することは困難だという面を配慮してほしいと主張した。

マレーシアは、有志途上国の立場から、市民社会の参加を保証するために、分科会で予備スペースを使用させてほしいと要請した。

キャパシティビルディング (8条)については、 Artur Runge-Metzger (EU) は、11月30日(月)の分科会の議論が“生産的”であったと報告したが、差異化の“諸問題”が残っていることを指摘し、諸原則や公的支援については締約国主体で非公式な非公式会合が開始したことを伝えた。

適応 (4条)については、 Andrea Guerrero (コロンビア)共同進行役が問題のクラスターを特定し、地球規模の目標、ビジョン、緩和と適応の関係、および適応努力の原則に関する議論が分科会で行われることを伝えた。また、損失・被害の問題クラスターについては、二国間ベースの議論が行われていると述べた。

実施 (11条)、  CMA (12条) 、最終条項 (13条-26条)に関しては、分科会の議論がほとんど進まなかったと共同進行役のSarah Bashaan (サウジアラビア) は指摘した。

前文・目的・総則(2条、2-2条)についての報告の後、Diann Black-Layne (アンティグア・バーブーダ) 共同進行役は、目的・総則に関する草案グループの開催を告げた。

共同進行役 Tosi Mpanu-Mpanu (コンゴ民主共和国)は、技術の開発・移転 (7条) についての報告の後、アフリカン・グループが、参加者からの反応が良かった技術枠組みの改定案を紹介したが、地球目標に関する意見は分かれていることを伝えた。

ADP 共同議長 Reifsnyderは、ワークストリーム 2に関する分科会の議論を総括し、京都議定書の単位の中止や国家間で移転された緩和の成果は、異論の多い問題だと強調した。

 コンタクトグループでは、特定の条文に関係のない問題についての議論も取り上げた。

 ロシアは、合意草案のタイトルから“合意の実施”という文言を削除することを提案したが、これには中国が反対した。

ツバルは、条約17条  (議定書)との関連で、新合意が採択されるという文言の追加を提案したが、サウジアラビア、 EU、米国は、これに反対を唱えた。Djoghlaf共同議長は、昼食時に本件を議論することを提案した。

ADPコンタクトグループでは、分科会に割り当てられていない決定書のパラグラフについて、午後も議論が続けられた。 合意の採択に関するパラグラフについては、合意の発効前の合意諸規定の締約国に対する暫定適用について、 締約国の意見が収束した。

発効準備組織については、複数の締約国が提案しているADPの活用やその役割と名称の変更、一方で合意済みの運用面のアレンジやSBIやSBSTAの活用、新組織の設置等は取り込みつつ、様々な提案を代表する3つの代案をADP共同議長と事務局が1つにまとめることで合意した。

INDCsをウェブサイトで発表するための事務局に対する要請に関するパラグラフ周辺に、締約国は括弧を追加した。

INDCs の準備・連絡のための支援については、 “そうする立場にある経済移行国”に対しては、支援を提供するよう要請する件で意見交換を行ったが、様々な意見があることを勘案し、そのまま文言を維持することを決定した。

INDCsに記される情報の明確化については、 パラグラフの趣旨とそこで意図する成果について議論した後、Reifsnyder共同議長が、後の段階で修正した文言を取り上げることを締約国に提案した。

INDCs全体の効果に関する統合報告書については、文書について留意することを決定した。また、INDCsによる総量効果や2°C目標または1.5°C目標に見合った排出量とのギャップに関する箇所など、パラグラフの各要素に関する集中的な議論の後、 Reifsnyder共同議長は、2015年10月1日までに通知のあったINDCs総量効果から派生するギャップに対する言及、具体的なギャップの数値の挿入、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の低コスト排出経路についての文言挿入などを提案した。また、改訂した草案文は、ADP共同議長と事務局が提案すると述べた。

緩和、 適応、 資金、 および行動と支援の透明性に関する分科会は、夕方のコンタクトグループ会合に対して、報告を返した。

分科会: 適応 および 損失・被害 (4条、5): Andrea Guerrero (コロンビア) が進行役を務める午前の分科会では、地球目標や長期ビジョン;緩和と適応のレベルの関係性; 先進国の支援の妥当性; 途上国の適応努力、 ニーズ、コスト; 諸原則; および協力等に関する合意文のパラグラフについて初期の意見交換が行われた。集中的に作業すべき分野を特定し、各国の希望を明確に示し、問題が見つかったテキストを重点的に取り上げた。

上述のパラグラフについて、集中討議する草案グループの会合が午後から開催された。

資金 (6): Georg Børsting (ノルウェー) 共同進行役は、事前の連絡事項や世界目標の見直しとの関係、規模や目標積み上げという2つが昼間の分科会で対応すべき問題群であるとし、  2つの草案グループで議論を進めるよう提案した。  G-77/中国は、2つの草案グループに同意したが、適宜さまざまなグループで議論できるという柔軟性を求め、これに締約国の合意が得られた。

透明性 (9): Fook Seng Kwok (シンガポール) が共同進行役を務める午後からの分科会では、透明性のための途上国支援が焦点となった。カンクンのMRV(監視・報告・検証)制度を継続させるための支援をいかに明確にするかという議論が行われたが、途上国 が支援を“受ける”ものだと記載するか、 “受ける資格を有する”と記載するかで意見が分かれた。後者の問題の議論のため非公式な議論が行われた。

緩和 (3条、 3-2条、3-3): 午後からの分科会はFranz Perrez (スイス) が共同進行役を務めた。非公式協議の報告を踏まえて、合意の中の長期目標に関するテキストを非公式グループが作成したテキストに換えることで締約国が合意した。また、タイミング;協力的なアプローチとメカニズム; および個々の努力、差異化された努力、 前進、 野心と枠組みのクラスターについて、作業を続行することで合意した。Perrez進行役は、二国間協議の状況について、情報、ハウジング、長期戦略に関しては、未だ着地点が見つかっていないと報告した。

廊下にて

12月1日(火)、空港としての役割も備えた会議場、ル・ブルジェでは条約の実質的な交渉がスタート。

12月の冷たい風が会場を吹き抜ける中、交渉の“テイクオフ”に参加者は熱気を帯びていた。両補助機関(SBs)の作業に加えて、多数の分科会や“非公式の非公式会合”、ADPコンタクトグループ会合が同時並行で開催され、どんどん膨れ上がるスケジュールに対して、一体どうやって参加できるものかと一部の参加者から不安の声もあがった。 ある政府代表曰く、コンタクトグループがADPの作業のハブの機能を果たすようになり、 “実際にプロセスの透明性に寄与している。”

締約国の“文言挿入権”をめぐる討議の渦中、「本質の協議に集中しよう」と呼びかけた11月30日(月)のファビウス議長の声は“風とともに去りぬ”状況になったのではないかと、各国が自己主張を控えるよう提唱する関係者らは思案している。共同進行役は、会議一日が進み、参加者に柔軟性を示して、これまでのポジションを離れるよう嘆願していた。夕方のシャトルバスに飛び乗った参加者はル・ブルジェに早晩、“変化の風”が吹いてくれるか思いを巡らせた。

(IGES-GISPRI仮訳)