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アース・ネゴシエーション・ブレティン (地球交渉速報)

第12巻第659号 - 2015年12月8日(火)


パリ気候変動会議

2015年12月7日(月) | パリ、フランス

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パリ(フランス)のIISD/ENB会議の報道については、下記のリンクをご参照ください:
http://enb.iisd.org/climate/cop21/enb/


12月7日月曜日の一日を通し、COP/CMP合同ハイレベルセグメントが開催された。CMPではJIのコンタクトグループ会議が開催された。午前中と午後、パリ委員会(Paris Committee)の閣僚主導非公式協議で、「支援:MOI(資金、技術、キャパシティビルディング)」が議論され、共同進行役は、次の項目に関する二者協議を開催した:プレ2020年行動の推進(acceleration);野心、これには長期目標及び定期的レビューを含める;差異化、特に緩和、資金、透明性に関するもの;「支援:MOI(資金、技術、キャパシティビルディング)。夕方、パリ委員会が開催された。

COP/CMP合同ハイレベルセグメント

COP 21/CMP 11議長のLaurent Fabiusは、閣僚たちに対し、「今こそ決断の時である」と訴え、全世界的合意の達成に必要とされる妥協点に関するそれぞれの政治的見解を披露するよう求めた。

国連事務総長のBan Ki-moonは、パリ会議は「我々の運命を決める機会(opportunity to define destiny)」だとし、新しい合意では特に低排出への転換が喫緊のものであることを民間部門に伝える必要があるとし、適応と緩和に対する支援を盛り込むべきと述べた。

国連総会議長のMogens Lykketoftは、パリ会議は衡平性と野心を中心とする政治合意の実現を図ると共に、回復力を高め、公共資金及び民間資金の規模拡大を図る必要があり、それは可能であると強調した。

IPCC議長のHoesung Leeは、今年の年末までに世界の平均気温は産業革命前の水準より1℃上昇する可能性があると指摘し、科学はこの問題の概要を示しており、解決策も提供していると発言した。

UNFCCC事務局長のChristiana Figueresは、閣僚たちに政治的指導力を発揮するよう求め、各国のそして各地方のニーズに応え、健全な科学に従い、脆弱なものにセーフガードを提供し、全てのものの持続可能な繁栄を推進するような合意を作り上げるよう求めた。

その後、ハイレベルセグメントでは、各国及び政府の首脳、それに準じるもの、閣僚、その他代表団の団長によるステートメントの発表が続けられた。ステートメントのウェブキャストは下記urlを参照:

http://unfccc6.meta-fusion.com/cop21/events/2015-12-07-10-30-joint-high-level-segment

及び

http://unfccc6.meta-fusion.com/cop21/events/2015-12-07-15-00-conference-of-the-parties-cop-7th-meeting-conference-of-the-parties-serving-as-the-meeting-of-the-parties-to-the-kyoto-protocol-cmp-5th-meeting

パリ委員会

COP 21議長のFabiusは、合意された作業方法を想起し、次の項目に関する追加協議プロセスの開始を発表した:適応、損失と被害、これはRené Orellana(ボリビア)及びÅsa Romson(スウェーデン)が主導;協力メカニズム、これはCatherine McKenna(カナダ)が主導、共同進行役は未発表;森林/林業、これはDaniel Vicente Ortega Pacheco(エクアドル)が主導、共同進行役は未発表。さらに同議長は、対応措置に関する作業部会の開催も発表した。その後、共同進行役たちは、12月6日日曜日及び12月7日月曜日に開催されたそれぞれの協議結果を報告した。

支援/MOIに関し、Emmanuel Issoze-Ngondet(ガボン)は、気候資金に関する協議は「進捗(headway)」していると報告した。同共同進行役は、特に支援の提供と気候資金の動員に関し可能な共通点を見出すことで進展があったと指摘した。同共同進行役は、既存の約束を達成し、先進国が先導を続けることを再確認したと報告した。さらに同共同進行役は、他の締約国が果たす役割を表わす特定の表現案を紹介した、たとえば「自主的な貢献(voluntary contributions)」、「行う意思がある/行える/立場にある他の国の貢献(contributions by others in a position/willing/able to do so)」、または南―南協力への言及である。同共同進行役は、一部の締約国はこれらの表現案に対する強い留保の念を示し、既存の条項及び条約の原則と一致させるよう求めたと発言した。

支援へのアクセス及び準備状況に関し、Jochen Flasbarth(ドイツ)は、締約国は橋渡し文案を作成したと報告した。

技術開発及び移転に関し、同共同進行役は、協力行動、長期ビジョン、技術枠組、技術メカニズムを指摘した。

キャパシティビルディングに関し、同共同進行役は、締約国はプレ2020年での作業で意見が一致し、さらに「キャパシティビルディングに関するパリ委員会(Paris Committee on Capacity Building)」の設置でも意見が一致したと報告した。これに加えて、同共同進行役は、キャパシティビルディングに関するプレ2020年作業計画の文案もほとんど括弧書きのないものになったと発表した。

差異化に関し、Vivian Balakrishnan(シンガポール)は、INDCsは「発明(innovation)」だとし、全ての締約国がそれぞれ異なる開始点から始め、その後も改善を続けられるようになったと説明した。同共同進行役は、後退なしという保証、先進国が先導し続けるとの保証は「強く共鳴しあう(resonated strongly)」と発言した。同共同進行役は、同グループで目的(2条)、総論(2bis条)、緩和(3条)について議論したことを報告した。

透明性及び資金に関するセクションでの差異化について、Luiz Machado(ブラジル)は、先進国は後退せず先導を続けると保証したと報告し、差異化については途上国に柔軟性を与えることで実現していくことで全般的な意見の一致が見られたと報告した。

透明性に関し、同共同進行役は、キャパシティビルディングと支援は差異化を反映する重要な項目であるとの「広範な認識(broad acknowledgement)」が得られたと報告した。資金に関し、同共同進行役は、締約国数カ国は途上国に新たな法的義務を設置する意図はなく、自主的貢献を奨励すると強調したことを報告した。

野心に関し、Tine Sundtoft(ノルウェー)は、締約国提起の疑問点について説明した、この中には次の項目を行う方法も含まれた:1.5℃上限への言及で可能なものの枠づけ方法;異なる時間枠で受け入れ可能な長期緩和目標の特定方法;5年ごとに、緩和、適応、支援に関する国家決定努力の進捗状況を検討し、情報を提供する共通の「世界的な時(global moment)」を持つ;世界的な進捗状況調査で各国の約束の決定が損なわれることはないとの確証の提供。

James Fletcher(セントルシア)は、先進締約国及び開発途上締約国数カ国が1.5℃の上限に言及する意思を表明したが、他のものはカンクン合意の気温上昇限度を再確認したと述べた。同共同進行役は、緩和に関する長期目標の集団での表明については総じて関心がしめされたと述べ、これは、たとえばカーボンニュートラリティーや非炭素化への転換など質的な形でも、量的な形でも表明できると述べた。さらに同共同進行役は、5年ごとに集団での進捗状況を検討し、レビューし、さらに目標を確認してそれを引き上げる機会を与える一方、そうしなければならないという義務はないという、共通の「世界的な時(global moment)」でも意見が集約されたと報告した。

プレ2020年行動に関し、Amber Rudd(英国)は、締約国は妥協案を審議したと報告し、この妥協案には2017年に開始される可能性がある促進ダイアログ(facilitative dialogue)が含まれ、このダイアログで全ての締約国による条約の実施状況を調査し、一層の強化を図るためのオプションを探求し、先進国の実施状況に特に焦点を当てると述べた。

同共同進行役は、適応TEPについて、条約の既存組織の作業と重複しない限り付加価値があることで共通の認識が得られたと述べた。締約国は、緩和TEPは提案されている適応TEPに情報を提供できることで合意し、既存のTEPの要素を試行し、改善する作業を続けることを通告した。

ツバル、ロシア、ジョージアは、会議及び議題の通告時期を早めるよう要請した。

マレーシアはLMDCsの立場で発言し、文書に基づく参加性の高い交渉が必要だと強調し、共同進行役が提出する報告について締約国がフィードバックできる「真実性チェック(reality check)」を提案した。マーシャル諸島は、議長及び閣僚たちを信頼する必要があると強調し、閣僚たちの協議取りまとめ方法について締約国が交渉するといった「手順に関する取り組み(procedural approaches)」に反対した。EUは、「プロセスは進展を制約できない(process cannot constrain progress)」と発言した。

グアテマラはAILACの立場で発言し、閣僚主導の非公式協議から始まる現在のプロセスを支持し、特定の文案について共通の落とし所を見出す必要があると強調した。同代表は、遵守に関する追加グループを提案し、EUもこれを支持した。

南アフリカは、閣僚たちの進捗提案及びパリ成果文書の草案に基づき、事務局の助力を得て文章オプションを作成する際は、ADP共同進行役にも入ってもらうことを提案した。同代表は、法律問題及び用語に関するレビューグループは文書を入手できるごとに作業できると発言した。

COP 21議長のFabiusは、可能ならADP共同進行役の参加を得て、文案作成を進めたいという締約国の考えに配慮し、このような提案について考察し、12月8日から適用できる解決策を見つけると発言した。

CMP 11

コンタクトグループ:JI:共同議長のYaw Osafo(ガーナ)は、決定書草案を提出し、締約国にはまだ解決されていない二つの括弧書きが残されていると指摘した。締約国は、日本の要請を受け、困難な市場状況に直面しているJI参加国への懸念を再度記載するパラグラフについて、運用セクションから外して、ほかに移動した。

さらに締約国は、JISCに対し、JIガイドラインのレビューと言う考えで提案を提出し、SBI 44の審議にかけるよう要請するパラグラフについて、議論した。EU、スイス、日本は、このパラグラフを書き直し、締約国は、JISCの提出する提案には利害関係者が提起した懸念への対応や認定独立組織による登録後の変更検証のオプションを入れることで合意した。締約国は、そのような検証プロセスには意見公募期間を含められるとの共通の理解を示した。

締約国は、JISCにおいて経験及び学習事項を分析することでも合意した。締約国は、決定書草案をCMPに回すことで合意した。

廊下にて

月曜日午前中、参加者の人数は膨れ上がり、ベテランの参加者は、早速コメントし始め、5年間の厳しい作業を経て交渉は「一巡した(have come full circle)」と述べた。新しいパリ委員会の下では、ダーバンでのCOP 17方式を思い起こさせるindabasと称する協議方式、すなわち締約国の率直な意見表明の場である閣僚中心の非公式協議が開催された。多くのものは、2011年の会議でのこの手順上の発明がパリでの完結を予定しているダーバンマンデートの登場を後押ししたと確信している。

しかし新しい合意の完結には未だに多くの作業が残されており、これをこのindabasのフランス版が推進できるかどうか、初めは様々な意見がだされた。新しい合意作成作業に数えきれないほどの精力的な日々を過ごし、その後も作業を続けている参加者の中には、日曜日の初期協議に対する失望感を表明するものもおり、ある参加者は、「それぞれの立場を述べること以上には進まなかった(we did not move beyond statements of positions)」と懸念していた。しかし多数の参加者は、重要問題でどれだけの進展が達成可能か、本当にその兆候を占うのは、明日からの2日間だと考えた。

あるものは、「ここでは、本当に何かすごいことを達成できる機会がある」と述べた。別な参加者は希望的観測を示し、ワークストリーム2の二者間協議で可能な妥協点が議論され、締約国は「砕くのが大変な問題の多く(on many of the crunch issues)」で共通点を見出したと指摘した。ベテランの交渉担当者は、ワークストリームが強力な結果を出したことは心強いとして「慎重ながら楽観的(cautiously optimistic)」と述べ、特に「実施及び適応推進で進展があるなら(especially if there is progress on accelerated implementation and adaptation)」なおさらであると述べた。

パリ委員会の最初の公式会議で、議論の進行役を務める閣僚は、進展は均一でないと報告した。技術アクセスの非公式協議から出てきた参加者の一人は、知的財産権というやっかいな問題で落とし所がでてきたとして「ほっとした(relieved)」と述べた。別な参加者は、差異化の議論が実際には進んでいないのは「驚きではない(not surprised)」と述べ、高度な政治ガイダンスが必要ではないかと考えていた。

他方、先週の会議で、長期目標の2013-2015年レビューで進展が無かったことへの失望感は、交渉担当者間で広まっている「高い野心連合(high ambition coalition)」という言葉で、多少、希望に代わっていた。あるオブザーバーは、「1.5°Cにはまだ可能性がある、あきらめるわけにはいかない(1.5°C is still a possibility, we can’t give up)」と述べた。別なものは、「最低の最大公約数での合意を超える必要がある(we need more than a lowest common denominator agreement)」と指摘し、「ようやく、野心的行動という固定概念を変えられる(we can finally change the mindset about ambitious action)」との希望を表明した。

しかし、ダーバンでのindabasと同様、パリの非公式協議は、オブザーバーに公開されず、パリ委員会だけが公開され、多数のものは会議場のテレビを通して見るしかなかった。市民団体のメンバーで寛容なものは、「交渉の余地が必要であり、抗議は控える(negotiation space is necessary so we will refrain from an outcry)」として理解を示した。別なものは、この新しいアレンジをさほど喜んでいなかった。

今後の展望について、多数のものは、法律面のレビューに向け水曜日までに合意を用意するというFabius議長のタイムラインに疑念を抱いていた。この文書には800か所ほどの括弧書きがあり、このような野心的期限まで2日間しか残っていないことから、あるもの曰く、indabasとパリ委員会は「奇跡を起こす必要がある(need to work miracles)」。

(IGES-GISPRI仮訳)