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アース・ネゴシエーション・ブレティン (地球交渉速報)

第12巻第662号 - 2015年12月11日(金)


パリ気候変動会議

2015年12月10日(木)| パリ、フランス

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パリ(フランス)のIISD/ENB会議の報道については、下記のリンクをご参照ください:
http://enb.iisd.org/climate/cop21/enb/


12月10日木曜日、パリ会議成果草案の交渉が続けられた。締約国は、徹夜の協議の末、二者間協議を続けると同時に、パリ成果文書改定版の発表を待機していた。

午後、Comité de Parisから回された合意草案のパラグラフをレビューする法律及び言語の専門家のオープンエンドグループ会議が開催された。

COPプレナリーは、議題項目を審議し、組織上の問題、資金及びキャパシティビルディング関係問題、補助機関報告書、適応委員会、TEC及びCTCNなどの項目に関する決定書を採択した。

CMPプレナリーは、議題項目を審議し、次の項目に関するものなどの決定書を採択した:組織上の問題;CDM及びJI関係問題;京都議定書の約束の野心引き上げに関するハイレベル閣僚会議報告書。

パリ成果文書草案の改定版は、午後9時、Comité de Parisに提出され、続いて同委員会は会議を閉会、締約国が協議できるようにした。その後、「解決策のindaba(indaba of solutions)が夜中じゅう開催され、文書の全ての未解決項目を議論した。

パリ委員会(COMITÉ DE PARIS

夕方、COP 21議長のLaurent Fabiusは、前夜のindaba及び平行協議で進展があったと報告し、12月10日木曜日は一日中、妥協案を見出す努力で接触を怠らないと述べた。同議長は、COP 21議長は各グループ及び締約国の意見の集約を続けると付け加えた。

COP 21議長のFabiusは、事務局に新しい文書を配布するよう求め、締約国はこれを検討する時間が約2時間あると発言、新しい文書はバランスをとり、不偏性を達成し、違いをなくすため、一連の選択肢を含めていると説明した。

同議長は、一部括弧書きが残っているが、差異化、資金、野心という最も複雑な問題では「オープンなオプション(open options)」を示していると述べた。同議長は、参加者に対し、最終合意を念頭においてこの合意を「新たな観点から(a new perspective)」検討するよう求め、「ゴールは非常に近くなっている(we are extremely close to the finish line)」と述べた。

同議長は、一般ステートメントではなく、妥協を志向する「解決策のindaba(indaba of solutions)」を午後11時30分に開催すると発表した。同議長はさらに、特定の点で困難な問題が生じた際は、関心のある代表団の長と進行役に「議場の隅(in a corner)」または別な部屋で会議し、30-40分以内に妥協案を持って議場に戻り、それをindabaに提示するよう求めることを提案した。同議長は、達成された進展は12月11日金曜日に「最終文書(final text)」で示されることになると指摘した。

COP 21プレナリー

このCOPプレナリーの議長は、COP 21副議長のCheikh Ndaiye Sylla(セネガル)が務めた。

組織上の問題:議長以外の役員の選出:COP 21副議長のSyllaは、アジア太平洋地域からのCOP副議長の指名が保留されていたと指摘し、アジア太平洋地域のCOP 20副議長が現職にとどまると伝えた。COPは、適応委員会、CTCN及びTECの諮問理事会の役員を選出し、CGE及びLEGの任命に留意した。

信任状に関する報告書の採択:COPは、議長団が口頭で報告したとおりの10カ国提出の信任状に加え、信任状に関する報告書(FCCC/CP/2015/9)を採択した。

手順規則の採択:COP 21副議長のSyllaは、協議では意見の一致が得られていないと指摘した。COPは、投票に関する規則42項案を除き、手順規則草案(FCCC/CP/1996/2)の適用を続け、2016年にも協議を継続、その結果をCOP 22に報告することで合意した。

将来会合の日付及び場所:COPは、将来会合の日付及び場所に関する決定書(FCCC/CP/2015/L.4)を採択した。モロッコは将来のCOP 22/CMP 12会合の開催国の立場で発言し、締約国、特にアフリカングループに対し、その信頼に感謝すると述べ、この会議は2016年11月7-18日、マラケシュで開催されると告げた。

補助機関報告書:SBSTA報告書:COPは、SBSTA議長のLidia Wojtal(ポーランド)の口頭での報告に留意し、SBSTA 42報告書を採択した、これにはREDD+関係問題の3つの決定書も含まれた。(FCCC/SBSTA/2015/2及びAdd.1)さらにCOPは、SBSTA 43報告書(FCCC/SBSTA/2015/L.15)を採択したほか、SBSTA 43が提案した2つの決定書を採択した、一つは附属書I締約国の資金情報報告手法論に関する決定書(FCCC/SBSTA/2015/L.22)にSBSTA議長のWojtalが読み上げた改定を加えたもの、もう一つは附属書I締約国のGHGインベントリの技術レビューの年次報告書に関する決定書(FCCC/SBSTA/2015/L.21及びAdd.1)である。

SBI報告書:COPは、SBI議長のAmena Yauvoli(フィジー)の口頭での報告に留意し、SBI 42報告書(FCCC/SBI/2015/10及びAdd.1)を採択した、これには条約6条に関するドーハ作業計画中間レビューの委託条件に関する決定書も含まれた。さらにCOPは、SBI 43報告書(FCCC/SBI/2015/L.19)及びSBI 43から回されたNAPsに関する決定書(FCCC/SBI/2015/L.32/Add.1)も採択した。

条約15条改定に関する締約国提案の審議:ロシアの提案:条約15条(条約の改定)に基づく締約国の改定案に関し、COP 21副議長のSyllaは、ロシアの提案(FCCC/CP/2011/5)について非公式協議で検討したと指摘した。意見が分かれたことから、COPは、この問題をCOP 22の暫定議題書に含めると決定した。

パプアニューギニア及びメキシコの提案:COP 21副議長のSyllaは、非公式協議ではこの問題(FCCC/CP2011/4/Rev.1)に関する意見の違いを解決できなかったと指摘、この議題項目はCOP 22に回された。

適応委員会報告書:COPは、適応委員会報告書(FCCC/SB/2015/L.3)に留意した。

WIMCOPは、WIM報告書(FCCC/SB/2015/L.5/Rev.1)に留意した。

技術の開発及び移転、技術メカニズムの実施:TEC及びCTCN合同年次報告書:COPは、技術メカニズム報告書(FCCC/SB/2015/L.4)に留意した。

条約附属書I締約国の報告及びレビュー:COPは、IARの第1回ラウンド(2014-2015年)の成果に関するSBI結論書(FCCC/SBI/2015/L.20)、及び条約附属書I締約国のNCsガイドライン改定版パートII(FCCC/SBI/2015/L.23)に関するSBI結論書という2つのSBI結論書に留意した。

条約非附属書I締約国の報告:COPは、非附属書I締約国の国別報告書に関する専門家諮問グループの作業についてのSBI結論書(FCCC/SBI/2015/L.21)、及び資金援助及び技術支援の提供に関するSBI結論書(FCCC/SBI/2015/L.24)という2つのSBI結論書に留意した。

条約の下でのキャパシティビルディング:COPは、この項目に関する決定書(FCCC/CP/2015/L.6)を採択した。

条約48項及び9項の実施:適応及び対応措置に関するブエノスアイレス作業計画に関係する問題(決定書1/CP.10):COPは、ナイロビ作業計画に関する結論書(FCCC/SBSTA/2015/L.19)に留意した。

LDCs関係問題:COPは、LDC専門家グループのマンデート延長に関する決定書(FCCC/SBI/2015/10/Add.1)を採択した。

性別と気候変動:COPは、本議題項目に関するSBI結論書(FCCC/SBI/2015/L.31)に留意した。

補助機関からCOP委託されたその他の問題:COPは、この項目の下ではその他の問題は提起されていないと指摘した。

事務管理上、資金上、制度上の問題:財務諸表の監査報告書:COPは、この項目を、2014-2015年の2カ年度の予算実績と合わせ議論した。

2014-20152カ年度の予算実績:COPは、この小項目の決定書及び財務諸表の監査報告書(FCCC/SBI/2015/L.27)を採択した。

2016-20172カ年度のプログラム予算:COPは、2016-2017年2カ年度のプログラム予算に関する決定書(FCCC/SBI/2015/10/Add.1)を採択した。

UNFCCCの意思決定プロセス:COPは、この項目に関する議論をSBI 44でも継続し、COP 22に報告すると決定した。

資金に関する問題:長期気候資金:COPは、この小項目に関する決定書(FCCC/CP/2015/L.2)を採択した。

SCF報告書:COPは、この小項目に関する決定書(FCCC/CP/2015/L.5)を採択した。

GCF報告書:COP 21副議長のSyllaは、この小項目は依然審議中であると述べた。

GEFCOPへの報告及びGEFへのガイダンス:COPは、この小項目に関する決定書(FCCC/CP/2015/L.8)を採択した。

アンティグア・バーブーダは、資金問題に関するCOPの審議プロセスについて嘆いた。同代表は、その理由として、時間が限られていることから交渉自体ではなくスリム化に焦点が当てられ、SIDSに取り重要な問題の多くが残されたためであると発言した。同代表は、この点をCOP報告書に記載するよう求めた。ボリビアはG-77/中国の立場で発言し、同じ懸念を抱いているとして、同グループは次回のSBI会合でこれらの問題を提起する権利を留保すると発言した。

EUは、COP 21の例外的な状況を考え、決定書のスリム化に焦点が当てられたのだと指摘し、締約国もこれに同意した。同代表は、この会議での手法を支持すると表明、COP 22においてこの項目を再度議論することを待望していると発言した。

COP 21副議長のSyllaは、それぞれのコメントをCOP報告書に記載すると述べた。その後、同副議長はCOPプレナリーを中断した。

CMP 11プレナリー

この会議の議長は、CMP 11副議長のCheikh Ndiaye Sylla(セネガル)が務めた。

組織上の問題:信任状に関する報告書の承認:CMPは、クック諸島、エジプト、フィジー、ハイチ、ホンデュラス、キリバス、ニカラグア、パキスタン、パナマ、マケドニア旧ユーゴスラビア共和国の信任状を追加し、信任状に関する報告書(FCCC/CP/2015/9及びFCCC/KP/CMP/2015/7)を採択した。

交代役員の選出:CMPは、適応基金理事会、JISC、CDM EB、遵守委員会、COP及びCMP議長団の役員及び交代メンバーを選出した。同副議長は、任命者リストはUNFCCCのウェブサイトで閲覧できると指摘し、締約国に対し、残された空席の候補者名を2016年1月29日までに提出するよう促した。

京都議定書ドーハ改定文書の批准状況:CMP 11副議長のSyllaは、2015年12月2日の事務局のステートメント以後、アルゼンチン及びスリランカから追加の批准書を受け取り、これで合計57カ国になったと締約国に伝えた。同副議長は、この改定文書の発効にはさらに87カ国の批准が必要であると報告した。CMPは、この情報に留意し、全ての締約国に対し可能な限り早期に批准するよう求めた。

補助機関報告書:SBSTA報告書:CMPは、SBSTA議長のWojtalの口頭での報告に留意し、SBSTA 42報告書(FCCC/SBSTA/2015/2及びAdd.1とAdd.2)を採択した、これには議定書8条(専門家チームによるレビュー)の下での毎年のレビューに参加する専門家レビューチーム・メンバーの訓練計画に関し、SBSTA 42から送られてきた一つの決定書も含まれる。

CMPは、SBSTA 43報告書(FCCC/SBSTA/2015/L.15)も採択した。さらにCMPは、SBSTA 43から送られてきた3つの決定書も採択した、これには京都議定書の手法論問題に関する決定書(FCCC/SBSTA/2015/L.27/Add.1及びAdd.2)、GHGインベントリの2016年技術レビュー及び京都議定書の締約国でもある附属書I締約国の第2約束期間の第1回報告書に関する決定書(FCCC/SBSTA/2015/L.30/Add.1)が含まれた。

SBI報告書:CMPは、SBI議長のYauvoliの口頭での報告に留意し、SBI 42報告書(FCCC/SBI/2015/10及びAdd.1)及びSBI 43報告書(FCCC/SBI/2015/L.19)を採択した。

CDM関係問題:CMPは、この項目に関する決定書(FCCC/KP/CMP/2015/L.4)を採択した。

JI関係問題:CMPは、この項目に関する決定書(FCCC/KP/CMP/2015/L.1)を採択した。

京都議定書の約束の野心度引き上げに関するハイレベル閣僚ラウンドテーブル会議の報告:CMP 11副議長のSyllaは、締約国はこの項目に関し意見の一致に至らなかったと伝えた。同副議長は、適用される手順規則草案に則り、この項目はCMP 12の暫定議題書に含めることになると指摘した。同副議長は、この問題の結論を出すことの緊急性を指摘し、COP 21議長の方で今後の進め方に関し会合期間内協議を行うと述べた。

附属書I締約国の報告及びレビュー:京都議定書附属書B締約国の年次取りまとめ報告及び計算報告書:CMPは、SBI 43の提言を受け、この問題に関する報告書(FCCC/KP/CMP/2015/6及びAdd.1/Rev.1)に留意した。

ドーハ改定文書のセクションG3.7条)の明確化:CMPは、この問題に関する決定書(FCCC/SBSTA/2015/L.29/Add.1)を採択した。

京都議定書の下のキャパシティビルディング:CMPは、この問題に関する決定書(FCCC/KP/CMP/2015/L.6)を採択した。

補助機関からCMPに委ねられたその他の問題:CMPは、この項目の下での問題提起はなかったとの情報に留意した。

事務管理上、資金上、制度上の問題:2014年の監査報告書及び財務諸表:この項目は、2014-2015年2カ年度の予算実績と共に審議された。

2014-20152カ年度の予算実績:CMPは、この小項目及び2014年の監査報告書と財務諸表に関する小項目の決定書(FCCC/SBI/2016/L.26)を採択した。

2016-20172カ年度のプログラム予算:CMPは、SBI 42の提言を受け、この小項目に関する2つの決定書(FCCC/SBI/2015/10.Add.1)を採択した、一つは2016-2017年2カ年度のプログラム予算に関するもの、もう一つは2016-2017年2カ年度の国際取引ログ料金の徴収方法に関するものである。

CMP 11副議長のSyllaは、残された項目を議論するため、12月11日金曜日にCMPを再開すると発言した。

廊下にて

木曜日の朝は、前夜のindaba及び非公式協議が明け方まで続いたとの報告と共に、明けることとなった。Le Bourgetの廊下にいた数名の疲れ果てたハイレベル参加者は、非公式会議の進展について、吉凶混ざった報告をした。

一部のものは、おそらく睡眠不足も加わってか、多少悲観的であったようで、重要な政治問題では「極めて限られた動き(very limited movement)」しかなかったと報告し、締約国は長年保持してきた立場を繰り返すステートメントの読み上げに大半の時間を費やしていたと述べた。別なものは、恐らくは妥協を実現し始めるのに「十分なだけの柔軟性(just enough flexibility)」を示したのだと述べた。

会議場にいたものは、この日1日を通し、COP 21議長のLaurent Fabiusが水曜日の夜に予言していた「最後の一つ前の(penultimate)」文書草案を待ちくたびれ、手持無沙汰に過ごしていた。他のものは、非公式に集まり、多様な締約国の橋渡し表現を詰める議論を続け、早ければ木曜日の夜に予想される合意に向けた最後のひと押しの準備をしていた。

待ち時間は予想より長引き、木曜日のComité会議時間は2回延期された、最初は午後3時が午後7時に延び、結局は午後9時にまで延期された。この日1日を通し、参加者は、差異化、資金、野心が未解決の問題として残されていると主張し続けた、この事実は、夜のComité会議でも確認され、COP 21議長のLaurent Fabiusは、新しい文書でもこれらの問題は括弧書きで残っていると指摘した。

ゴールが見えてきたことで、COP議長及び事務局は、機会に任せることをできるだけ少なくしようとしていた。数名の参加者は、プレナリーで懸念を提起した締約国の参画を得て、それらの問題の審議を確保するため、議長国のフランスが「前例のないほど(unprecedented)」個人的な注意をふりむけていると報告した。あるものは、合意に向けた道筋をならすため、極めてハイレベルな人々が全力を尽くしており、国連事務総長のBan Ki-moonは、主要問題について締約国と2者協議を行っていると報告した。予想されたとおり、閣僚の参画もかなり高まり、多数の国が独自の2者間協議を行っていた。

会議場のカフェテリア付近では、数名の参加者が早すぎる交渉のペースや2者会談や協議の多さに懸念を表明し、こういったものは少人数の代表団を圧倒しているし、貴重な交渉時間が早く過ぎ去っていくと指摘した。献身的に動きながらも疲れ果てたある参加者は、COPプレナリーで切り返し、「混乱しているという言葉を使いたくないが、このようなダイナミックなプロセスでは、残された全ての問題の議論に参加するのは難しい」と述べた。とはいえ、長い待ちの1日が過ぎ、長い交渉の夜を見据え、夜間会議が開始される中、別な参加者は、「ここで失敗するには賭けられているものが大きすぎる」ことを、疲労した者たちに思い起こさせていた。

ENBサマリー及び分析:Earth Negotiations BulletinのCOP 21サマリー及び分析は、2015年12月15日火曜日、下記に掲載される:http://enb.iisd.org/climate/cop21/enb/

(IGES-GISPRI仮訳)