アース・ネゴシエーション・ブレティン (地球交渉速報)

第12巻第685号 - 2016年11月15日(火)


マラケシュ会議ハイライト

2016年11月14日(月) | マラケシュ、モロッコ


言語: 英語 (HTML/PDF) フランス語 (HTML/PDF) アラビア語 (HTML/PDF) 日本語 (HTML/PDF)
モロッコ・マラケシュからのIISD/ENBレポートの リンク先: http://enb.iisd.org/climate/cop22/enb/

11月14日月曜日、国連気候変動会議は、モロッコ、マラケシュでの会議を続けた。APA、COP、CMPのコンタクトグループは、一日中会合した。夕方、SBI、SBSTA、APAの閉会プレナリーが開催された。SBI及びSBSTAの閉会プレナリーは、11月15日火曜日に再開される。

SBI閉会プレナリー

SBI議長のTomasz Chruszczowは、開会を宣言した。

組織上の問題: 議長以外の役員の選出: SBIは、Zhihua Chen (中国)をSBI副議長に、Tuğba İçmeli (トルコ)をSBI報告官に選出した。

条約附属書I締約国提出の報告書及びそのレビュー: 附属書I締約国のNCs作成ガイドラインの改定、第II: NCsに関するUNFCCC報告作成ガイドライン: 議長のChruszczowは、ガイドライン改訂版は「提出の用意が近い(nearly ready)」が、「保留された問題(the outstanding issue)」は未解決のまま残されていると指摘した。SBIは、結論書草案(FCCC/SBI/2016/L.42)を採択した。

多数の締約国は、ガイドラインが採択されなかったことは遺憾だと表明した。ニュージーランド、米国、ノルウェー、スイスなどの締約国数か国は、自国の第7回NCsでは改定されたガイドラインを自主的に適用する、もしくはガイドラインの要素の一部を含めることを検討する意図があると表明した。

ロシアは、指針原則草案を適用しても、NCsの透明性、一貫性、比較可能性を確保するわけではないと述べ、採択された原則のみの適用を主唱した。

京都議定書メカニズムに関係する問題: CDMのモダリティ及び手順のレビュー: 議長のChruszczowは、結論には至っておらず、SBI 46でも交渉を続けると指摘した。

WIM執行委員会の報告: SBIは、結論書(FCCC/SB/2016/L.8)を採択し、決定書草案をCOPの審議に向け提案した。ニカラグアは、WIMは条約の「ため(in virtue of)」だけに実施されるべきだと述べた。

技術開発及び移転: TECCTCNの合同報告: SBIは、結論書(FCCC/SB/2016/L.5)を採択した。

SCFのレビュー及び機能のTOR: SBIは、結論書(FCCC/SBI/2016/L.40)を採択した。

開発途上国でのキャパシティ・ビルディング: 条約の下のキャパシティ・ビルディング枠組実施の第3回総合レビュー: SBIは、結論書を採択し、COPでの審議に向け決定書草案(FCCC/SBI/2016/L.38)を提案した。

京都議定書の下のキャパシティ・ビルディング枠組の第3回総合レビュー: SBIは、結論書を採択し、CMPでの審議に向け決定書草案(FCCC/SBI/2016/L.39)を提案した。

対応措置実施の影響: フォーラム及び作業プログラムの改善: SBIは、結論書(FCCC/SB/2016/L.6)を採択した。

対応措置実施の影響に関するフォーラムのパリ協定の下でのモダリティ、作業プログラム、機能: SBIは、結論書 (FCCC/SB/2016/L.7)を採択した。

議定書3.14条に関係する問題: 議長のChruszczowは、結論には至っておらず、この小項目はSBI 46においても引き続き審議されると指摘した。

決定書1/CP.10の実施の進捗状況: 議長のChruszczowは、結論には至っておらず、この項目はSBI 46においても引き続き審議されると指摘した。

性別と気候変動: SBIは、結論書を採択し、COPの審議に向けた決定書草案(FCCC/SBI/2016/L.37)を提案した。

事務管理上、資金上、制度上の問題: 議長のChruszczowは、2016年-2017年の2ヶ年予算の実績、2015年の監査報告及び収支表、その他の資金上の問題に関する小項目、及び条約第6条の実施に関係する活動報告は、背中合わせで(back-to-back: 続けて)審議されると指摘した。SBIは、これらの問題に関する単独の結論書(FCCC/SBI/2016/L.41)を採択し、COPの審議に向けた決定書(FCCC/SBI/2016/L.41/Add.1)及びCMPの審議に向けた決定書(FCCC/SBI/2016/L.41/Add.2)を提案した。

閉会ステートメント: タイはG-77/中国の立場で発言し、特に次の点を強調した: プレ2020年の行動及び支援の強化の緊急性; 開発途上国の参加に向けた資金供与を一人当たりGDPに基づかせることへの懸念; 2017年-2018年の2年間予算の策定でとられている手法に対する懸念。

EUは、キャパシティ・ビルディング、建設的なFSV及びSCFのレビューのToRに関する合意での今回の会議の進展を歓迎し、CDM及びNCsでは進展がなかったことへの失望感を表明した。

オーストラリアはアンブレラグループの立場で発言し、プレ2020年行動の現在の透明性確保制度の重要性を強調し、適応、技術、キャパシティ・ビルディング、性別問題での進展を歓迎した。

コスタリカはAILACの立場で発言し、PCCBの作業開始は「正しい方向に向けた一歩前進(step in the right direction)」だと述べ、NDCsの公開レジストリ設置の重要性を強調した。

AOSISの立場で発言したモルディブ、EIGの立場で発言した韓国は、CDM強化での進展がなかったことを嘆いた。マリはアフリカングループの立場で発言し、NAPs及び性別問題での進展を歓迎し、締約国に対し、性別問題に関係する活動を実施するよう求めた。EIGは、気候行動をより性別に対応したものにするよう主張した。

パナマはCfRNの立場で発言し、SBIは2017年にREDD+に関する行動をとることが期待されていると、締約国に想起した。

ウクライナは、1990–2014年の国別GHGインベントリ・データに関する報告書(FCCC/SBI/2016/19)は二重計算の問題を扱っていないと発言し、この発言を記録するよう求めた。

インドネシアは他の多くのものと共に、損失と被害に対応する行動及び支援を強化するWIMの機能の実施指導という戦略的なワークストリームを歓迎した。

TUNGOsは、持続可能で正当な移行の構成要素を特定する情報源としての労働組合の役割を強調した。Women And Genderは、性別問題の行動計画を歓迎し、性の平等がなければパリ協定の目標は達成できないと指摘した。YOUNGOsは、全ての締約国に対し、ACEの窓口を特定し、ACEをNDCsに組み入れるよう促した。

CANは、公開レジストリは「極めて重要な構造基盤(crucial infrastructure)」であると位置づけ、これはNDCsの変更履歴を追跡できるように設計されるべきだと述べた。CJN!は、利益相反の懸念からオブザーバーのアクセスが限定されてきたと指摘し、利益相反の可能性がある組織、あるいはそう受け止められた組織は交渉プロセスへの入場を拒否するというガイドラインの採択を求めた。

FARMERSは、技術移転及び野心的な資金枠組、特に開発途上国の農業従事者に対するものを求めた。Indigenous Peoplesは、先住民の参加を強化する完璧なプログラムを主唱した。

会合の閉会及び報告: 事務局は、今回の会合でこれまでに採択された決定が予算や事務管理に与える影響について報告し、2017年の性別関連の活動実施には€320,000の追加費用が必要になると指摘した。

SBSTA閉会プレナリー

SBSTA議長のCarlos Fullerはこのプレナリーの開会を宣言した。

NWP: SBSTAは、結論書(FCCC/SBSTA/2016/L.22)を採択した。

適応委員会の報告: SBSTAは、結論書(FCCC/SB/2016/L.4)を採択した。

技術開発及び移転、並びに技術メカニズムの実施: TEC及びCTCNの合同報告: SBSTAは、結論書(FCCC/SB/2016/L.5)を採択した。

パリ協定10.4条の下の技術枠組: SBSTAは、結論書(FCCC/SB/2016/L.21)を採択した。

農業に関係する問題: SBSTAは、結論書(FCCC/SBSTA/2016/L.23)を採択した。

科学及びレビューに関係する問題: 研究及び体系観測: SBSTAは、結論書を若干変更した後、採択し、決定書草案(FCCC/SBSTA/2016/L.26 and Add.1)をCOPでの審議及び採択のためCOPに回した。

IPCCの評価報告がパリ協定14条に規定するグローバル・ストックテイクに情報を提供できる方法に関する助言:  SBSTAは、結論書(FCCC/SBSTA/2016/L.24)を採択した。

対応措置実施の影響: フォーラム及び作業プログラム: SBSTAは、結論書(FCCC/SB/2016/L.6)を採択した。

対応措置実施の影響に関するフォーラムのパリ協定の下でのモダリティ、作業プログラム、機能: SBSTAは、結論書(FCCC/SB/2016/L.7)を採択した。

議定書2.3条に関係する問題: SBSTAは、この小項目での結論に至らず、この小項目はSBSTA 46において審議される。

条約の下での手法論問題: GHGデータ・インターフェース: SBSTAは、この項目で合意に至らず、SBSTA 46で審議される。

バンカー燃料: SBSTAは、結論書(FCCC/SBSTA/2016/L.25)を採択した。

京都議定書の下での手法論問題: LULUCF: SBSTAは、結論書(FCCC/SBSTA/2016/L.20)を採択した。

CDMプロジェクト活動としての地層貯留のCCS: SBSTAは、結論書を採択し、CMP決定書草案(FCCC/SBSTA/2016/L.19及びAdd.1)をCMPでの審議と採択に回した。

パリ協定6条に関係する問題: 協力的手法に関するガイダンス: SBSTAは、結論書(FCCC/SBSTA/2016/L.28)を採択した。

メカニズムの規則、モダリティ、手順: SBSTAは、結論書(FCCC/SBSTA/2016/L.29)を採択した。

非市場手法の枠組における作業プログラム: SBSTAは、結論書(FCCC/SBSTA/2016/L.30)を採択した。

パリ協定9.7条に基づき、公的な干渉を通して供与され、動員される資金源の計算モダリティ: SBSTAは、結論書(FCCC/SBSTA/2016/L.27)を採択した。

閉会ステートメント: タイはG-77/中国の立場で発言し、緩和共同便益を含める適応は、開発途上国の重要な優先策であり続けると強調した。

メキシコはEIGの立場で発言し、技術枠組は転換をもたらす戦略的な役割があるとの共通の理解を認識し、資金メカニズムとのリンクに関する作業など、TEC及びCTCNの作業を称賛した。

オーストラリアはアンブレラグループの立場で発言し、民間部門に対し投資の方向性転換に向けた信号を発信するには、協力的手法に関する作業を完成させることが重要だと強調した。パナマはCfRNの立場で発言し、民間部門を含める全ての行動者に対し、環境十全性を確保するため、UNFCCCの実施方法に従うよう求めた。

モルディブはAOSISの立場で発言し、パリ協定の市場メカニズムは全体の緩和に貢献するため、単なるオフセットを超える動きをすべきで、その収入は適応に振り向けるべきだと述べ、他方、非市場メカニズムは化石燃料への補助金の改革、非効率な技術や汚染する技術の段階的廃止から開始すべきだと述べた。

EUは、IPCCの評価(報告)がグローバル・ストックテイクに情報を提供できる方法に関する結論書に焦点を当てた。

アフリカングループの立場で発言したマリ、LDCs の立場で発言したコンゴ民主共和国、そしてフィリピン及びスリランカは、農業における気候変動の影響に対する対応方法について締約国が合意に達せなかったとして、失望感を表明し、食糧安全保障及び人間の生活、さらには貧困や飢餓の撲滅における農業の重要性を強調した。

グアテマラはAILACの立場で発言し、資金と技術はパリ協定の二つの基本的な柱であると称し、これらの分野での進展を強調した。

多数の(諸国)グループは、WIMの結論書は建設的な作業を進める道を開くものだと強調した。

Research And Independent NGOsは、パートナーシップを構築し、これを保持する必要があると強調し、科学と政策のインターフェース改善の必要性も強調した。

TUNGOsは、気候を保護することと、生活を守ることの結びつきを強調した。

Women And Genderは、カーボンオフセット及び市場ベース手法は女性や高齢者、その他のグループを一層追い込むことに結びつくとして懸念を表明した。

YOUNGOsは、コミュニケーションをさらに4年間待つわけにはいかないと強調し、適応への資金供与、損失と被害への資金供与に対応するよう促した。

BINGOsは、技術メカニズムには簡潔で、バランスがとれ、包括的な手法が必要だと強調した。

CANは、技術枠組での進展を歓迎したが、資金計算モダリティでの進展の欠如には失望感を表明した。CJN!は、「1.5℃目標達成(achieving the 1.5°C target)」にはカーボン・オフセット・メカニズムが機能する余裕は残されていないと強調した。

FARMERSは、農業では中身のある成果がなかったとして嘆いた。Indigenous Peoplesは、先住民はGCFの下での全ての資金へのアクセスを持つべきだと強調した

COPコンタクトグループ及び非公式協議

技術開発及び移転: 条約の下の技術メカニズムと資金メカニズムのリンク: 非公式協議では、共同進行役作成の決定書草案に焦点が当てられた。開発途上国に対し、技術行動計画を実施するためのGCFの準備支援プログラム(Readiness and Support Programme)からの支援を利用するよう招請するとの表現では、見解が異なっていた。多数の締約国は、技術移転に関するポズナニ戦略計画の全資金は既に配分済みであるとして、この計画への言及を削除することに同意したが、他のものは反対した。

午後、GCFの代表は、技術行動計画の実施に関係する問題は「GCFの下での準備よりも他のモダリティに向けるべき(should be oriented to other modalities rather than readiness under the GCF)」と明言した。

その後、締約国は、技術サイクルの全段階での行動に対する開発途上国の資金源へのアクセスが重要であると強調するパラグラフ、並びにGCFに対しガイダンスを提供する。特にCTCNが支援するプロジェクトを優先するとのパラグラフについて、意見交換を行った。

多数の先進国は、GCFへのガイダンスは該当するCOPの議題小項目において議論すべきだと指摘し、後者のパラグラフの削除を提案したが、大きな開発途上国グループは反対した。一部の先進国は妥協案(橋渡し案)を示した。

非公式な非公式協議は午後も続けられた。

資金に関係する問題: 資金メカニズムの第6回レビュー: 締約国は、レビューのための最新のガイドラインの改定文書についてコメントし、一部のものは情報源及び基準に関する文章の追加に反対した。その他のグループは作業を終了させ、「レビューを行う(have a review)」ため、基準のリストの最初に「特に(inter alia)」と付け加え、追加分の全てではないが一部を削除することを提案したが、ある締約国はこれに反対した。締約国間では非公式な非公式協議が続けられた。

長期気候資金: 締約国は、改定された決定書草案の文章について議論した。

会合期間中ワークショップに関し、特にワークショップの主題に関する意見が異なっており、さらに開発途上国のニーズ評価プログラムの遂行を事務局に要請する文章についても意見は異なっていた。ワークショップの主題に関し、一部のものは、開発途上国の気候資金へのアクセス、及び新たな資金金額目標の設定に焦点を当てることを希望したが、他のものは、政策の役割及び大規模な資金動員を可能にする環境に焦点を当てることを支持した。非公式協議は夜に入っても続けられた。

GEFCOPへの報告及びGEFに対するガイダンス: ガイダンスに関するスリム化された共同議長の文章が検討されたが、提案された文章に対する締約国の意見は異なっていた、これには次の項目が含まれた: GEFは、第7回資金募集の戦略の議論では、「全てのCMA決定書(any CMA decisions)」を考慮に入れる; 「GEFの注目分野の戦略及び基準に合致する資金供与要請は全て、滞りなく、タイムリーに調査され、回答される」。締約国は、非公式に協議することが求められた。

パリ協定9.5条に則り、締約国が提供すべき情報を特定するプロセスの開始: 次の項目に関するセクションでのオプション付きの非限定的要素リストに関し、締約国の意見は異なっていた: 目的とスコープ; プロセスの基礎となる既存のアレンジ; リンク; 次のステップ; タイムライン及び他のアレンジ。

締約国は、COP 23までの進め方を含め、今後の進め方でも意見が異なっていた。共同議長は文章を作り直す。

CMPコンタクトグループ及び非公式協議

CDMに関係する問題: Hlobsile Sikhosana-Shongwe (スワジランド)及びKaroliina Anttonen (フィンランド)は非公式協議の共同進行役を務め、決定書草案全体の締約国の審議を指導したが、ほぼ全てのパラグラフが括弧書きとされた。序文のパラグラフに関し、一部の締約国は、CERsの需要の欠如、ドーハ改定文書の批准など、CDMにおける懸念事項を強調し、SBSTAは「CDMの結果に満足の意を表する」ではなく、留意すると変更することを提案した。締約国は、パリ協定への言及削除で合意した。非公式協議が続けられる。

APAコンタクトグループ及び非公式協議

パリ協定実施に関係する更なる問題: 非公式協議において、締約国は、決定書1/CP.21のパリ協定作業プログラムの下で議論されていない9件の可能性ある問題のリストを検討した。

締約国は、これらの問題を取り上げる方法もしくはどこで議論するかについて、COPに提案を行うかどうか審議した。ブラジルは、EU及び米国の支持を得て、4.10条(共通の時間枠)をSBIの下におき、12条(教育、訓練、啓発)をSBIまたはSBSTAの下におくことを提案した。

中国、アフリカングループの立場で発言したケニア、フィリピン、サウジアラビア、ツバルは、「孤児となっている問題(orphan issues)」の表に記載される全ての項目を扱う包括的アレンジを求めた。

オーストラリアは、これらの項目はCMAを「ホーム」にしていると強調し、必要な準備作業を行おうとして、重複する(結果になる)ことに警告した。

適応基金に関し、G-77/中国の決定書草案をCOPに回すべきかどうかで意見が分かれた。一定の議論が行われた後、締約国は、この決定書草案をAPA共同議長のリフレクション・ノートの付属書とし、この文書では合意されていないと明示することで合意した。

グローバル・ストックテイクに関係する問題: 非公式協議において、締約国は、IPCCの評価(報告書)がグローバル・ストックテイクに情報を提供する方法に関し、SBSTAの助言を歓迎するとのパラグラフを、APA結論書に入れることで合意した。

文書提出での疑問点を指導する可能性に関し、南アフリカは、質問事項草案では「何をだれに(what and who)」が質問しているところを、「どのように(how)」とするとのモダリティを強調した。

リンクと内容に関係する質問について、ニュージーランド、米国、日本、EUは、野心引上げに関する質問からグローバル・ストックテイクの内容を分けるよう主唱した。

インプットの情報源に関し、LDCsの立場で発言したソロモン諸島、及びニュージーランドは、「全ての要素(all elements)」の定義を柔軟にし、適応、緩和、MOIに限定しないよう求めた。

成果/アウトプットに関し、EUは、長期目標及びグローバル・ストックテイクの目的にまつわる質問を枠に入れるよう提案した。コロンビア及びアラブグループの立場で発言したサウジアラビアは、成果は何であるべきかという質問を提案した。

共同進行役のNagmeldin Elhassan (スーダン)は、質問リストは若干の変更後、APA結論書の一部として採択されると述べた。

行動と支援のための透明性枠組のMPGs: 共同進行役のXiang Gao (中国)は、共同進行役(複数)作成の非公式ノートに多少の修正を加えた後、コメントを求めた。多数の締約国は、このノートを支持すると表明し、技術的な作業を始める用意があると表明した。EU、サウジアラビア、ニュージーランドなど、数名の代表は、APAコンタクトグループでこの文書の再交渉が行われないと確認することを支持した。

決定書1/CP.21の緩和セクションに関係する追加ガイダンス: 非公式協議で、共同進行役のSin Liang Cheah (シンガポール)は、締約国のNDCsの計算及び次のステップへのガイダンスについて、締約国の意見を求めた。

インドを含める多数の国は、次の項目を強調した: 計算方法は透明性のカギである; 既存のアレンジに基づき構築することの重要性; NDCsの多岐性全般に対応するためには差異化と柔軟性が必要である; 共通の計算方式の必要性。米国は、ガイダンスでは、締約国が異なる開始点から異なるペースで共通の道を進むと認識する必要があると強調した。

次のステップに関し、各国は、AILACの立場で発言したコロンビアとLMDCsの立場で発言した中国が提案する通り、ワークショップではなくラウンドテーブルを開催することで合意した。このラウンドテーブルを次回会合の直前に開催するのか、次回会合期間中に開催するのか、それとも会合期間外に開催するのかで、意見は分かれ、さらに成果を出すべきかどうかでも意見が分かれた。

適応報告(コミュニケーション)に関係する追加ガイダンス、これには特にNDCsの構成部分としてのものも含める: 共同進行役のRichard Muyungi (タンザニア)は、共同進行役のノート草案を提出した。

アルゼンチンはG-77/中国の立場で発言し、特に次の点を要請した: グローバル・ストックテイクとの結びつきを認識する; 締約国はコミュニケーションのための適切な手段を選択できるとの考えを反映する; 附属書の表の位置づけを明確にする。

締約国は、その後、今後の進め方の作業計画を議論した。エクアドルはLMDCsの立場で発言し、アラブグループの立場で発言したサウジアラビアの支持を受け、締約国の提出文書に基づき、NDCsの一部としての適応報告に関する統合報告書作成を提案した。ニュージーランドは反対した。

締約国は、結局、事務局に対し、情報ノートを作成するよう要請することで合意した、このノートでは、適応報告に利用可能な情報を特定し、パリ協定7.11条(適応報告の提出及び更新)に言及する異なる報告手段のガイドラインについて考察し、さらに締約国の提出文書及び付属の表に捕捉された要素についても考察する。

締約国は、この情報ノートに続き次の項目を行うことで合意した: 新たな提出文書; 提出文書の統合報告書; 会合期間中もしくは会合に合わせて開催されるワークショップ。

議題項目3-8に関するコンタクトグループ: APA共同議長のSarah Baashanは、共同進行役の報告を求め、同共同進行役は、更なる作業に関する合意を結論書草案の改訂版に盛り込んだと指摘した。

APA共同議長のJo Tyndallは、結論書草案文書を提出、これまでのコンタクトグループ会合での締約国のインプットを考慮に入れていると指摘した。

大多数の締約国は、今回の会合期間中の共同議長及び共同進行役の作業を称賛した。さらにこれらの締約国は、特に、パリ協定においても役割を果たす適応基金に関するG-77/中国提案の決定書草案を、十分認識するよう求めた。共同議長のBaashanは、決定書草案に言及する結論書草案で、他の締約国からそのような決定は時期尚早との見解が示しされた結論書草案には、そのことを反映する表現を追加するよう提案した。

LDCsの立場で発言したツバル、及びその他のものは、2017年5月以後のAPAの作業進展方法を明らかにするよう主張した。APA議長のTyndallは、一般的な文書提出要請を提案した。締約国は同意した。

APA閉会プレナリー

APA共同議長のBaashanは、結論書草案(FCCC/APA/2016/L.4及びAdd.1)を提出し、締約国はこれを採択した。同共同議長は、APA共同議長は今回の会合に対して締約国が提出した意見、提出文書を通して表明した意見に基づき、今回の再開会合の成果の概要を付した共同議長の非公式なリフレクション・ノートを発表するつもりであると説明した。

会合の閉会と報告: 事務局は、次の行動が事務管理及び予算に与える影響の暫定的な計算について報告し、次の情報を提供した: 項目3 (決定書1/CP.21の緩和セクションに関係する追加ガイダンス)の行動には€65,000が必要; 項目4 (適応報告に関係する追加ガイダンス)の行動では€65,000が必要; 項目5 (行動と支援の透明性枠組のMPGs)の行動には€427,000が必要; その他の義務化された活動には€557,000の追加資金が必要。

APA報告官のAnna Serzysko (ポーランド)は、APA 1-2 会合(FCCC/APA/2016/L.5)の報告書を提出し、締約国はこれを採択した。

閉会ステートメント: タイはG-77/中国の立場で発言し、パリ協定の早期発効においても作業は進展していると実証することが重要だと強調し、プレ2020年の行動実施の加速化、MOI規定の強化を求めた。

スイスはEIGの立場で発言し、「逆走(backsliding)」しないよう促し、第2週において「必須の作業を進める(move on essential work)」ことで合意がなかったと嘆いた。

オーストラリアはアンブレラグループの立場で発言し、進展の遅いペースに対し、懸念を表明し、同グループは自分たちの専門家に対し、非公式な議論継続を奨励していると指摘した。

EUは、各項目での進め方が明確にされたことを歓迎した。同代表は、パリ協定でも役割を果たす適応基金の多数の締約国にとっての重要性を認識し、EUは適応資金に対する主要な寄付者であり続けると約束すると表明した。

モルディブはAOSISの立場で発言し、特に、NDCsの特性、情報、計算に関するガイダンスが地球の気温上昇を1.5℃までで抑えるための努力を加速化できることを確保する重要な作業が控えていることを強調した。

コンゴ民主共和国はLDCsの立場で発言し、実際の進展が必要であると繰り返し、更なる進展がされていないことへの失望感を表明した。

サウジアラビアはアラブグループの立場で発言し、今後の作業ではバランスをとるべきであると再確認し、文書提出への指針となる質問事項は締約国が他の問題について意見を提出する能力を制限するものではないと強調した。

ボリビアはLMDCsの立場で発言し、全ての議題項目において、差異化などのクロスカッティングな問題に対応する必要があると強調した。

コスタリカはAILACの立場で発言し、気候行動を推進する必要があり、「それをそれぞれの管轄権において実証する(domesticate it in our jurisdictions)」必要があると強調し、将来の作業に関する明確なタイムラインを求めた。

マリはアフリカングループの立場で発言し、特にパリ協定でも役割を果たす適応基金の役割を強調し、プレ2020年の野心は、「極めて重要なもの(critical importance)」であり続けると強調した。

APA共同議長のTyndallは、午後11時23分、APA 1-2を中断し、2017年5月にボンでAPA 1-3を再開することを提案し、締約国も同意した。

廊下にて

参加者が第2週の交渉を開始する中、その頭上では、各国の閣僚及び首脳をマラケシュのMenara空港に運ぶ航空機の轟音が響いていた。多くの会議用テントでは航空機の音が意見陳述を掻き消し、一部の締約国は、「自分たちの声を聴いてもらうのに苦労(struggling to have their voices heard)」していた。

数名のものは、午後遅くまで続くとの感覚を持ち、この日の夕方に行われる3つの閉会プレナリーは、夜遅くまで長時間続けられるのではと懸念していた。プレナリーはどれもスムーズに進められ、比較的良い時間に結論書が採択されたことから、あるオブザーバーは、多少慰めを得たようで、「あまり中身のない手順上の結論書を採択するのは容易だ、違うか」とコメントした。

おそらくは一番遅くまで続けられたのはコンタクトグループの会合、というより一連のコンタクトグループの会合であった。資金に注目する参加者は、月曜日の今、合意に向けこれほど強力な圧力がかかっている理由は何か、不思議に思うこともあったようだが、頭上で最後の到着便の音が続いていることで、(これまでの)技術的な作業から、多くのオブザーバーが気候変動への対応で世界の団結を示してほしいと希望するハイレベルな意見交換へと、「高度の変更(switch in altitude)」が迫っているのを想起させたようであった。