アース・ネゴシエーション・ブレティン (地球交渉速報)

第12巻第700号 - 2017年5月18日(木)


ボン気候変動会議ハイライト

2017年5月17日(水) | ボン、ドイツ


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ボン、ドイツからのIISD/ENBレポートの リンク先: http://enb.iisd.org/climate/sb46/enb/

ボン気候変動会議は水曜日も続けられた。一日中、非公式協議、コンタクトグループ、義務化イベントが開催された。

SBSTA

パリ協定第6条(協力手法):共同進行役のHugh Sealy(モルディブ)は、結論書草案を検討するよう締約国に求めた。締約国は、SBSTAがラウンドテーブルでの議論に留意するとの共同進行役の提案に同意した。その後、締約国は、要素リスト及び文書提出の招請を含める非公式ノートをパッケージとして議論した。共同進行役のKelley Kizzier(EU)は、このパッケージの中で解決されるべき問題として次の3つの問題を特定した:オブザーバーによる文書提出;文書提出の指針;リストとのリンク付け。締約国は、文書提出の必要性では全体的に合意したが、提出文書が要素リストを指針とするかどうか、指針とする範囲はどのくらいかでは、意見が一致しなかった。オブザーバーからの文書提出の招請に関し、多数の締約国は、更なる意見表明を求める前に、議論での「成熟度(maturity)が一定水準以上に達している必要があると強調し、数か国の締約国はこれに反対した。議論の後、締約国は、文書提出の指針において要素リストに明確に言及するとの妥協案で合意した。

締約国の提出文書の統合ペーパーを作成するよう事務局に招請することに関し、多数の開発途上国は、一部の先進国の支持を得て、統合ペーパーを少人数の参加者に託すことの有用性を強調した。ある開発途上国グループは、意見の一致点、相違点、オプション、表明された意見をまとめたノンペーパーの作成をSBSTA議長の義務とすることを提案したが、別な締約国は反対した。

午後、締約国は、結論書草案の審議を続けた。締約国は、締約国の提出文書に基づき、統合文書を作成するようSBSTA議長に求めるかどうかで意見が分かれた。

ラウンドテーブル及び文書提出へのオブザーバーの参加でも意見は分かれた。ラウンドテーブルのアウトプットに関し、締約国は、だれが非公式ノートを作成するか、そのノートはどういう立場のものか、広く議論した。共同進行役のKizzierは、全ての項目に関するパッケージ合意を提案し、オブザーバーの参加は未解決問題としてSBSTA議長に回すことを提案した。審議は夕方も続けられた。

協定9.7条に則り公的干渉を通して提供され、動員される資金源の計算モダリティ:締約国は、特に次の項目の要請を記載する非公式ノート改定文書で合意した:目的のセクションでの透明性枠組への言及;報告書作成手法の締約国を横断する協調、損失と被害、及び9.5条(開発途上国への支援に関する隔年報告書)という3項目を追加審議項目に移動。この最後の2項目に関し、一部の先進国は、これはSBSTAのマンデートを超えるものだと指摘したが、一部の開発途上国グループは反対した。その後、コンタクトグループは、結論書草案で合意し、共同議長の非公式ノートのUNFCCCウェブサイトへのアップロードで合意すべく、会合した。

農業:共同進行役のEmmanuel Dlamini(スワジランド)は、共同進行役のノン・ペーパーを提示した。全ての締約国が、この文書を今後の議論の土台とすることを支持した。開発途上国は、実施に向け動くことの必要性を強調し、実施組織への助言が審議項目としてノンペーパーに入れられたことを歓迎し、一部のものは、UNFCCC組織及びそのプロセスのマンデートを尊重する必要性を指摘した。先進国は、実質的な議論と一歩前進を歓迎した。

共同進行役の招請で発言したCANは、実施、学習、及び知識のギャップの特定を可能にするSBSTA/SBI合同の作業計画を提案した。

SBI

非附属書I締約国の報告書作成:資金援助及び施術支援の提供:Helen Plume(ニュージーランド)が共同進行役を務めた。締約国は、結論書草案で合意に至ることができなかった。特にGEFの対応に関し、締約国の意見は分かれた。共同進行役は、SBI議長にこのことを伝え、交渉時間追加の可能性に関するさらなるガイダンスを待つ予定。

SBI/SBSTA

対応措置:共同進行役のAndrei Marcu(パナマ)は、G-77/中国、EU、アンブレラ・グループが前日夕方に作成した草案文書を提示、締約国はこの文書で合意した。SBI及びSBSTAの議長はコンタクトグループを開催、締約国は、結論書草案を採択した、この文書には会合前会議の開催での合意及び共同進行役によるボンTEGの報告書作成が含まれた。

APA

コンタクトグループで、共同議長のJo Tyndall(ニュージーランド)は、APA結論書草案の第2版を提示し、会合前の作業計画に関する3つのオプションの概要を説明した。非公式協議共同進行役は、その議論及び今後のステップについて報告した。

エクアドルはG-77/中国の立場で発言し、次の項目を横断する表現において一層の調和をはかるよう求めた:プレ2020年の作業への対応の明確化;リンクに更なる焦点を当てる。

緩和に関する追加ガイダンスについて、イランはLMDCsの立場で発言し、意見の相違及び一致がみられる分野を特定するための共同進行役のノンペーパー作成を支持した。EIGの立場で発言したスイス、LDCsの立場で発言したエチオピア、そしてアルゼンチンとウルグアィの立場も代表して発言したブラジルは、会合前ラウンドテーブル会議の開催を支持したが、LMDCsの立場で発言したイランは反対した。

適応報告書に関し、EIG、AOSISの立場で発言したモルディブ、LDCs、アフリカングループの立場で発言した南アフリカ、そしてアルゼンチン及びウルグアイの立場も代表して発言したブラジルは、焦点を絞った文書提出の招請を支持した。LDCs及びアルゼンチン及びウルグアイの立場も代表して発言したブラジルは、会合前のラウンドテーブル開催を求めたが、EIGは反対した。アフリカングループは、テクニカル・ペーパーは既に机上にあるものの繰り返しだと位置づけた。オーストラリアはアンブレラ・グループの立場で発言し、NDCs記載の適応関連情報をとりまとめるテクニカル・ペーパーの作成に反対した。

透明性に関し、LMDCsは、会合前ラウンドテーブルの開催を支持した。EIG及びEUは、2日間のワークショップを提案した。LDCsは、提出文書をとりまとめ、ラウンドテーブルへのインプットとすることを提案した。アフリカングループは、支援の透明性については他の要素ほど推敲されていないとして懸念を表明した。

GSTに関し、多数のものは、議論の結果に対する失望の念を表明した。LMDCs、EIG、アンブレラ・グループは、目標を絞った締約国の文書提出を支持し、AOSIS及びAILACの立場で発言したグアテマラは、意見の相違分野及び一致分野に関する文書提出を提案した。アフリカングループはラウンドテーブルを支持したが、LMDCs及びEIGは、反対した。多様な開発途上国グループは、共同進行役の非公式ノートへの言及を求めた。

遵守に関し、EIGは、ワークショップ開催の必要性について「納得していない(not convinced)」と述べた。AOSIS及びアンブレラ・グループは、焦点を絞った文書提出を求めた。LDCsは、ラウンドテーブルのための提出文書のとりまとめ及びテクニカル・ペーパーを求めた。

適応基金に関し、LDCs、アフリカングループ、米国は、結論書草案には進捗状況が捉えられていないと発言した。AOSISは、ブラジルの支持を得、さらにアルゼンチン及びウルグアイに代わり発言し、パリ協定において役割を果たす適応基金のガバナンス及び運用モダリティに関し深い議論をするダイアログが必要であると強調した。

アンブレラ・グループは、対応措置フォーラム及び適応努力の認識に関係するCMA 1決定書草案について、COP 23において手順の明確化を図る必要性があると記載するパラグラフに反対した。 米国は、これらのマンデートは明確になっていると強調した。

ラウンドテーブルの方式に関し、アフリカングループは、COP 23の前に作業が十分進んでいない問題を優先するよう求めた。LMDCsは、半日のイベントを支持し、関係する問題と作業を重複させない必要があると強調した。

EIG、LDCs、AILACは、ラウンドテーブルの成果の非公式ノートへの記載を支持したが、LMDCsは、反対した。

共同議長のTyndallは、一部の分野で締約国が「等しい及び反対の(equal and opposite)」意見を表明したと指摘し、締約国に対し、非公式に協議し、このあとの午後の進め方に関する解決策を提示するよう促した。

午後、共同議長のSarah Bashaan(サウジアラビア)は、共同議長の結論書草案の改定文書を提示した。

会合前ワークショップに関し、LMDCsは、議論が「遅れている(lagging behind)」問題に関する議論では会合前ラウンドテーブルに力点を置くべきであると強調し、議題項目3(緩和)のラウンドテーブルに反対し、代わりにノンペーパーを作成するよう要請した。

EIGは、アフリカングループ、LDCs、EU、ノルウェーの支持を得て、一日を緩和のため、透明性のために二日間とすることを提案し、ブラジルとウルグアイの立場でも発言したアルゼンチンと共に、一日を適応報告書のためとするよう求めた。アフリカングループは、AOSISとAILACの支持を得て、透明性のための一日のラウンドテーブルは支援の透明性に充当させるべきだと強調した。オーストラリアとニュージーランドは、支援に丸一日を当てることに疑問を呈し、これは追加の議論が必要な分野の一つにすぎないと指摘した。

中国は、透明性に関する一日のワークショップを提案し、これを半々に分けて支援と適応(の透明性)に関するものとするよう提案し、「NDCs」に関するラウンドテーブルに反対して、この問題には意見の一致がないと指摘した。同代表は、適応報告書に関するラウンドテーブルを支持した。

LDCsは、全ての項目に関するラウンドテーブルを求め、これには遵守に関する会合期間中ラウンドテーブルを含めるよう求め、ブラジル及びウルグアイの立場でも発言したアルゼンチン及びAOSISもこれを支持した。

LDCsは、他の全ての議題項目での意見の相違点及び一致点を記載するノン・ペーパーを求めた。アフリカングループは、適応報告書でのそのようなノンペーパーを支持し、米国、日本、ノルウェーは反対した。

適応基金に関し、ブラジルとウルグアイの立場でも発言したアルゼンチンは、「交渉(the negotiations)」ではなく、「意見交換及び情報交換(exchanging views and information)で達成された実質的な進展を歓迎するとの文章を提案した。

締約国間の広範な討論の後、共同議長のBaashanは、次の二つを提案した:透明性に関する二日間のラウンドテーブルとし、一日は支援の透明性、技術専門家のレビュー、多国間の審議促進に特化したラウンドテーブル、もう一日は緩和と適応を含める行動の透明性のラウンドテーブルとする;適応報告書に関する一日のラウンドテーブル及び一日のGSTに関するラウンドテーブルとする。同共同議長は、緩和及び遵守に関する会合期間中ラウンドテーブルを並行して行うことも提案した。

アフリカングループは、技術専門家レビュー及び多国間審議の促進は支援の透明性と結びつくものであると明記するよう求めた。LMDCsは、技術専門家レビュー及び多国間審議の促進への言及を削除するよう提案した。共同議長は結論書草案を改定する予定。

地域社会及び先住民プラットフォームの運用開始に関する多角的利害関係者ダイアログ

SBSTA議長のFullerは、2日目の会議を開会、このプラットフォームの3つの可能性ある機能に焦点を当てた:知識;気候変動政策及び行動;参加する能力。

参加者は、これらの機能に関し審議し、先住民の知識に則り構築する必要性、気候影響を伝える能力、政策改善に向け政策決定に参加する能力などに焦点を当てた。

組織構成に関し、気候変動に関する国際先住民フォーラム(INTERNATIONAL INDIGENOUS PEOPLES FORUM ON CLIMATE CHANGE)は、事務局の調整で全資金を供与される作業計画、及び一部の締約国と共に先住民及び地方政府代表の共同のリーダーシップを支援することを求めた。

カナダは、他の支持を得て、実務的な詳細をさらにつめるため、会合期間外の作業を先住民と共同で主導する意思があると表明し、COP 23において先住民及び締約国とで合意する必要があると指摘した。

本会合は、デン・ナショナル・エルダーズ・カウンシル(Dene Nation Elder’s Council)のFrancois Paulette議長の祈祷で閉会した。

廊下にて

SBSTA及びSBIのコンタクトグループが結論書草案で合意したことから、パリ作業計画に参画していたものは、これをかろうじて受け入れ、パリ協定の更なる議論に道を開くのは将来の会合次第であると受け止めたようだ。この点で、あるものは、「緩和に注目しすぎてパリを離れた三輪車のバランスを取り直す(re-balance this ‘three-wheeled vehicle’ that left Paris too mitigation focused)」必要があると指摘した。この代表は、「動きが鈍い部分(weaker moving parts)」、具体的には適応及び支援を改善する努力に建設的な形で参加するのを一部の締約国は躊躇していたと嘆いた。

他のものは、議論に費やした時間を分で数え、この会合では、支援の議論にかけた時間の方が緩和問題にかけられた時間より少ないとの考えを拒否した。何回のラウンドテーブルを、何の問題に関して開くのかを議論するため、コンタクトグループは大きな「ワルシャワのような」集まりに合体したことから、あるベテランの参加者は、「2018年のポーランドでの会議に戻る時、どうやって中身について合意することができるのか」疑問に感じていた。

ENBのサマリーと分析:ボン気候変動会議のアース・ネゴシエーション・ブレティンEarth Negotiations Bulletin )のサマリーと分析は、2017年5月22日月曜日に下記ウェブサイトに掲載予定:http://enb.iisd.org/climate/sb46/enb/

以上

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