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地球交渉速報 (ENB)

第12卷 第703号 | 2017年11月6日(月)


ボン気候変動会議

2017年11月6-17日 | ボン、ドイツ


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IISD/ENB ドイツ・ボン会合レポートのリンク先: http://enb.iisd.org/climate/cop23/enb/

ボン気候変動会議が本日開幕。フィジーを議長国として、11月6日から11月17日までの日程で開催される。同会議では、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC) 第23回締約国会議(COP 23)、京都議定書第13回締約国会合(CMP 13)、パリ協定第1回締約国会合第2部 (CMA 1.2)が行われる。また、科学的・技術的助言に関する補助機関第47回会合(SBSTA 47) 及び実施に関する補助機関第47回会合 (SBI 47)、パリ協定第1回特別作業部会第4部 (APA 1-4) も開催される。

今次会議は、2018年のCOP 24で作業完了予定となっているパリ協定の運用開始に関する各種問題の作業を進めることになる。この“パリ協定作業計画”には、APA 1-4、 SBI 47、 SBSTA 47、 COP 23、及び CMA 1-2の下で取り上げられる議題項目が盛り込まれている。APA 1-4の議題項目は、決定書1/CP.21の緩和セクション(パリの成果); 適応の報告(communucations); 行動・支援に向けた透明性枠組; グローバルストックテイク; 実施の促進及び遵守の促進メカニズムである。 また、APA 1-4では、適応基金に関する問題の検討を続けるとともに、その他の問題も取り上げる。資金や適応、損失・被害に関する通常項目については、COPにおいて、パリ協定の実施準備に係る諸問題の検討が継続し、おそらくは2018年促進ダイアログについても審議される予定だ。

UNFCCC 及び 京都議定書のこれまでの経緯

気候変動に対する国際政治の対応は、1992年の国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の採択に始まる。UNFCCCは、気候系に対する「危険な人為的干渉」を回避するため、大気中の温室効果ガス(GHGs)の濃度安定化を目指し、その枠組みを規定した条約であり、1994年3月21日に発効、現在197の締約国を有する。1997年12月、日本の京都で開催された第3回締約国会議(COP 3)に参加した各国の政府代表は、先進工業国及び市場経済移行国に排出削減目標の達成を義務付けるUNFCCCの議定書に合意。UNFCCCの下で「附属書Ⅰ国」と呼ばれる国々が、2008-2012年(第一約束期間)の間に、6種の温室効果ガス(GHG)の排出量を1990年と比較して全体で平均5%削減し、各国ごとに異なる個別目標を担うことを約束し、合意が成立した。京都議定書は2005年2月16日に発効し、現在192の締約国を有する。2015年にフランス・パリで行われたCOP 21では、締約国の合意を受けて、全ての締約国に各国ごとに決定した貢献量(NDCs)-約束草案-の提出が義務付けられ、グローバルストックテイクを通じて緩和・適応・実施手段 (MOI)に関する全体の進捗状況を5年毎に点検することを定めたパリ協定が成立した。パリ協定は2016年11月4日に発効、2017年11月5日現在、署名国195ヶ国のうち169ヶ国の締約国が批准している。

2005-2009年の長期交渉:カナダ・モントリオールで2005年に開催された京都議定書の第1回締約国会合(CMP 1)は、議定書3.9条に則り、京都議定書の下での附属書Ⅰ国の更なる約束に関する特別作業部会(AWG-KP)の設立を決定し、第一約束期間が終了する少なくとも7年前までに附属書Ⅰ国の更なる約束を検討することをその役割として定めた。

2007年12月、インドネシア・バリで開催されたCOP 13及び CMP 3では、長期的な問題に関するバリ・ロードマップの合意に至った。COP 13は「バリ行動計画」(BAP)を採択するとともに、「条約の下での長期的協力の行動のための特別作業部会」(AWG-LCA)を設立し、緩和、適応、資金、技術、キャパシティビルディング、長期協力行動の共有ビジョンを中心に討議することをその役割と定めた。また、AWG-KPの下では、附属書Ⅰ国の更なる約束に関する交渉が続けられた。さらに、2つの交渉トラックが結論を出す交渉期限については、2009年のコペンハーゲン会議までと定められた。

コペンハーゲン: 2009年12月の国連気候変動会議は、デンマーク・コペンハーゲンで開催された。世間の大きな注目を集めた同会議は、透明性の問題やプロセスをめぐる論争が目立った。12月18日深夜、会議の成果として政治合意である「コペンハーゲン・アコード」が成立し、その後、COPプレナリーでの採択に向けて提出された。長丁場の議論の末、各国の政府代表がコペンハーゲン合意に「留意する(take note)」ことで最終的に合意。さらに、AWG交渉グループの期限をそれぞれ 2010年のCOP 16及びCMP 6まで延長することで合意した。2010年には140カ国を超える締約国がこの合意への支持を表明し、80カ国以上が国家の緩和目標または行動に関する情報を提出した。

カンクン: 2010年12月の国連気候変動会議はメキシコ・カンクンで開催され、「カンクン合意」を採択し、2013年-2015年のレビュー期間に世界の長期目標の妥当性について検討することでも合意した。また、カンクン合意によって新たな制度やプロセスがいくつか創設された。緑の気候基金 (GCF)やカンクン適応枠組、適応委員会、技術メカニズムが新設され、技術メカニズムの下に技術執行委員会(TEC)と気候技術センター・ネットワーク(CTCN)が設立された。

ダーバン: 2011年11月28日-12月11日、南アフリカ・ダーバンで国連気候変動会議が開催された。ダーバン会議では、「条約の下で全ての締約国に適用可能な、議定書・法的文書・もしくは法的効力を有する合意成果の形成」を2015年までに成立させることを目的とする新組織、「強化された行動のためのダーバン・プラットフォーム特別作業部会」(ADP)を設置することで合意。また、2020年までの合意発効を目指すことが定められた。さらに、ADPには、2℃目標との関連で2020年までの野心ギャップを埋める行動を模索するという役割も託された。

ドーハ: 2012年11月26日-12月8日、国連気候変動会議はカタール・ドーハで開催され、その成果として「ドーハ気候ゲートウェイ」と称される一連の決定書がまとめられた。この決定書パッケージには京都議定書の第二約束期間(2013-2020年)を定めるための議定書の改正やAWG-KP やAWG-LCAの作業完了、BAPの交渉終了についての合意事項も盛り込まれた。  

ワルシャワ: 2013年11月11日-23日、国連気候変動会議はポーランド・ワルシャワで開催され、ADPで各国の約束草案(INDCs)作成に向けた国内準備の開始や強化を締約国に招請する決定書が採択された。また、気候変動の影響に係る「損失・被害に関するワルシャワ国際メカニズム(WIM)」や「ワルシャワREDD+枠組み」の設立を定める決定書が採択された。

リマ: 2014年12月1-14日、ペルー・リマで国連気候変動会議を開催。このCOP 20では「気候行動のためのリマ声明 (Lima Call for Climate Action)」を採択。プレ2020年の野心の強化に取り組む一方、2015年合意の交渉を加速させるべく、2015年合意の交渉原案文の要素やINDCsの提出や合成のプロセス等の細目を詰める作業を実施することが定められた。また、計19件の決定書が採択され、WIMの運用推進や「ジェンダーに関するリマ作業計画」の策定が定められ、「教育や啓発に関するリマ閣僚宣言」が採択された。

パリ: 2015年11月29日から12月13日にかけてフランス・パリで気候変動会議が開催され、気候変動に関するパリ協定の採択という成果を上げた。パリ協定は各国が達成を目指す一連のNDCs提出を規定し、2025年までという期限をNDCに盛り込んだ締約国には2020年までに新たなNDCの通達を、2030年までという期限を盛り込んだ締約国には貢献についての連絡や更新を義務づけた。また、2023年からグローバルストックテイクにおいて緩和や適応、MOIに関する集団的な取組みの進捗を5年毎に点検することとなった。

マラケシュ: 2016年11月7-18日、モロッコ・マラケシュで開催された国連気候変動会議ではCMA 1(パリ協定第1回締約国会議)も開催。パリ協定の作業計画に関連した数点の決定書を含め計35点の決定書が採択され、2018年の作業完了や適応基金がパリ協定に資すること、キャパシティビルディングに関するパリ委員会への付託条件やパリ協定9条5項 (先進国による資金に関する隔年報告)に則り提供する情報を定めるプロセスの開始等が決まった。また、COP 22でも、WIMに関する 5カ年作業計画の承認や技術メカニズムの強化、ジェンダーに関するリマ作業計画の継続及び強化等を定めた決定書が採択された。

SBSTA 46・SBI 46、APA 1-3: 2017年5月8-18日、ドイツ・ボンで開催。APAでは、実質的な各議題項目の下で会期と会期の間に行われる会議や会議前の作業内容をまとめた結論書を採択。また、SBIの結論書では、NDCs向けの公開登録簿や適応報告書、パリ協定の支援に係る技術メカニズムの定期評価の範囲と手順、適応基金の第3回レビュー等が取り上げられた。さらに、SBSTAで採択された結論書で、パリ協定の技術枠組や農業、パリ協定第6条(協力的アプローチ)に関する問題、協定9条7項に基づく公的介入を通じて提供・動員された資金に関する会計処理の手順等が定められた。その他、対応措置に関する合同結論書も採択され、条約に基づく長期目標の次回定期点検(レビュー)の範囲や目標達成に向けた進捗状況等についての規定やCOP決定書も盛り込まれた。

直近の関連会合ハイライト

IPCC-46:IPCC第46回総会は2017年9月6-10日、カナダ・モントリオールで開催。第6次評価報告書 (AR6)を構成する3つの作業部会の報告書の章立てが統合報告書とともに承認を受けた他、UNFCCCに基づくグローバルストックテイクとIPCCの評価報告書のサイクルを調整するためのタスクグループの発足も合意を受けるなど、様々な決定が行われた。

短寿命気候汚染物質削減のための気候と大気浄化の国際パートナーシップ(CCAC:Climate and Clean Air Coalition to Reduce Short-Lived Climate Pollutants) 第21回作業部会会合: 2017年9月25-26日、フランス・パリでCCAC第21回作業部会会合が開催。2017年11月にUNFCCC COP 23と平行して開催されるCCAC閣僚級会合(HLA)の準備作業を行い、“大規模な資金活用”というCCACの目的をクローズアップするとともに、 CCAC資金戦略案の検討 や短寿命気候汚染物質(SLCPs)削減に向けて提案されている“Pathway Approach”の取組みの今後のステップについて検討、討議する。

対応措置ワークショップ: 2017年11月4-5日、ドイツ・ボンにて開催された同ワークショップではフォーラムの役割、手順、作業計画について討議された。

適応報告書に関するAPA ラウンドテーブル: 2017年11月4日、ドイツ・ボンにて開催。適応報告書の中で最も重要な目的やギャップ、“オプトイン”、“オプトアウト”の要素を伴う共通要素の有無、交通手段の選択に伴う指針の必要性、その他の議題項目で考えうる成果やリンケージの効果、さらには柔軟性や選択性、裁量性を担保するために盛り込む可能性がある条項等について、参加者は分科会に分かれて討議した。

透明性枠組の強化に関するAPA ラウンドテーブル: ドイツ・ボンにて、同ラウンドテーブルは2017年11月4日に支援の透明性について、翌11月5日に適応と緩和に焦点を当てつつ行動の透明性について議論した。支援の透明性については、資金、技術移転、キャパシティビルディング支援に関して途上国が必要として提供、受け取られる情報ならびに技術専門家レビュー及び進捗状況に関する促進的な多国間の検討について議論した。適応に関する行動の透明性については、適応報告書との関連や柔軟性の運用法が議論された。緩和に関する行動の透明性については、各国のGHGインベントリ報告書やNDCsの実施や達成のための進捗状況の追跡に必要な情報が議論のテーマとなった。

グローバルストックテイクに関するAPAラウンドテーブル: 本ワークショップは2017年11月5日、ドイツ・ボンにて開催。分科会ではグローバルストックテイクに関する組織のシミュレーションを行い、全体の進捗状況の評価や設計に関するオプション、多様なテーマに対するアプローチ等について検討した。

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