Daily report for 14 November 2017

Fiji / Bonn Climate Change Conference - November 2017

フィジー/ボン気候変動会議は火曜も続けられ、COP、 APA、 SBSTA、 SBIの下、非公式協議やコンタクトグループの会合が一日を通して行われた。夕方からは実質的な議題の項目すべてを審議するため、APAコンタクトグループが行われた。また、SBSTA及びSBIの閉会プレナリーが開催され、数件の結論書や決定書が採択された。

COP

資金に関する問題: 長期気候資金 (LTF):非公式協議の共同進行役はZaheer Fakir (南アフリカ)が務めた。修正版の決定書草案の文言についての反応が寄せられた。途上国は、多国間開発銀行に関するパラグラフの削除、2017年会期中LTFワークショップの主要メッセージの記録、途上国のNDC関連のニーズと優先順位の評価における途上国支援を事務局に要請する文言の再挿入などを求めた。

先進国は、2020年目標に向けた進展を認識する必要性があるとし、これに関してその他の締約国の取組みを歓迎する文言を入れるよう主張した。

先進国と途上国は複数のパラグラフで意見が分かれた。“適応向けに公的資金および補助金ベースの資金を拠出する必要性を認識”という一文を公的な気候基金に関するパラグラフに記載する件、先進国に対して情報提供を通じた2020年の道筋に関する利用可能な定量・定性的な要素のさらなる強化を要請する件での相違がみられた。

また、2018年の気候資金に関するハイレベル閣僚対話へのインプットに間に合わせる形で先進国の隔年報告書を編纂・統合して提出するよう要請することが実現可能かという問題についても各国の意見は分かれた

決定書の修正草案をベースにした非公式協議が続けられる。

APA

適応報告書: Julio Cordano (チリ)が非公式協議の共同進行役を務めた。Cordano共同進行役は「非公式ノート第2版が作成されたものの、各国からのインプットの中から各見出しの下に詳細な情報を入れ込む作業は6番目の見出し以降進まなかった」と述べた上で、「それでも今回の作業によって、どのような種類の情報を照合できるか判明した」と指摘した。

いくつかの途上国は、非公式ノートは特に要素に関する締約国間の意見の収束を示すものではないことを反映した文言の挿入を要請した。2つの途上国グループの支持を受け、ある先進国が示唆したのは、今後可能な手段を下位の箇条書きで記す“手段に特化した指針(vehicle specific guidance)”や“特化しない(non-specific) 指針”というオプションを含め、適応指針向けの2つのオプションにNDCsを選び出すべきではないという意見だった。適応に関する世界目標を目指したデータの総計方法やアプローチに関するガイドライン作成をIPCCに要請する旨を非公式ノートに記載する案には多くの途上国が賛成した。

しかし、いくつかの締約国はこの提案の実現性を疑問視し、これは議題項目の範囲外だとの意見も出された。

数カ国の締約国は“アプローチ”に関する見出しを“基本原則”に関する見出しの下に入れることを提案したが、ある先進国が“基本原則”に関する見出しをつけること自体に合意が形成されていないと反対した。 Cordano共同進行役は、非公式ノート第3版に各国の見解を反映させると述べた。

GST: 非公式協議は Outi Honkatukia (フィンランド) 及び Richard Muyungi (タンザニア)が共同進行役を務めて続行した。ある途上国グループは、非公式ノートは主要な要素に関する共同進行役の理解を記録するもので、合意した文言を反映させるものではないと明確に記載するよう求めた。また、ある先進国グループは、非公式ノートは今後の議論で詳細を追加できることを明確に示さなければならないとした上でこれに賛同した。ある国は、現在の非公式ノートに記録された情報は今後の議論で表明される見解の有効性を予断するものではないと強調した。Muyungi進行役は、共同進行役が非公式ノートを修正し、APAコンタクトグループに送ると述べ、締約国がこれに同意した。

さらなる問題: 適応基金: Pieter Terpstra (オランダ)が共同進行役を務めた非公式協議では、非公式ノート修正版、添付書(annex) として盛り込む一部のグループが提案した決定書草案が議論された。一部の先進国は一つ意見が出されただけでそれを添付することに疑義を呈したが、ある途上国グループがこの意見は他に出された意見とは異なる法的立地にあると強調。Terpstra進行役は、修正版の非公式ノートには、適応基金に関係する以前の決定書すべてを含めたUNFCCCウェブページとのリンクを入れること、寄せられた意見すべてを添付すること、さらには寄せられた意見の法的立地に関しては見解が分かれている旨を記す提案し、締約国の合意を受けた。非公式ノートはAPAコンタクトグループに回された。

その他のさらなる問題: 非公式協議はSarah Baashan (サウジアラビア)が共同進行役を務め、2025年以前に資金に関する全体の数値目標を新たに設定する可能性について追加的な問題として意見交換を行った。意見が分かれた問題は次の通り:LTFに関するCOP小項目の下ですでに作業が行われ、新目標がこの小項目の範疇にあるか否かという問題や、本件がCMA1-2 議題の脚注にある関連する決定書1/CP.21 (パリ成果) パラグラフへの記載を通じてCMAの議題となっているのかという問題。

多くの途上国グループは、数値目標の設定作業を完了させるには時間がかかるとして、CMA 1-2での作業開始の必要性を主張した。また、できるだけ早くインプットを出せるようAPAでCMA手続きに関する決定書を勧告するよう要請する声があがった。

2つの途上国は、数値目標の設定時には“途上国のニーズと優先課題を考慮に入れる”ことに専念すべきだと主張した。ある途上国は、GSTで世界全体の新たな目標を議論することを提案した。

多くの先進国や途上国のあるグループは、現段階で準備作業を開始する必要はないと主張し、CMAで2025年までに、場合によっては2023年までに議論を開始することを提案した。また、別の途上国グループは、2020年の資金目標の実現するための教訓とタラノア対話やGSTからのインプットを統合する必要があると主張した。すると、新たな目標に関する議論を対話やGSTに情報として提供するべきだと2つの途上国が次々と提案した。

Baashan進行役は、共同進行役が非公式ノート最終版を作成すると伝えた。

コンタクトグループ議題項目3-8: Jo Tyndall共同進行役  (ニュージーランド) は議題項目3-8に関する非公式協議の共同進行役を招き、進捗状況について簡潔に報告を行うよう求め、その後コンタクトグループでAPA共同議長によって提案された結論書草案を審議するよう招請した。

議題項目3 (決定書1/CP.21緩和セクション)については、 Sin Liang Cheah (シンガポール)は、締約国の見解を予断することなく、実質的な要素を提示することが根本的な課題であると強調したが、予備資料文書は次回の会議の作業に向けた出発点として役立つだろうとの考えを示した。

議題項目4 (適応報告書) については、 Cordano進行役は良い進展があったと報告し、最終版の非公式ノートには見出しと小見出しが入るとの見通しを示した。

議題項目5 (透明性枠組の強化) については、 Xiang Gao (中国) は非公式ノートの内容は完璧ではないものの今後の作業の指針としてはまだ役立つと主張した。

議題項目 6 (GST) については、 Honkatukia進行役が、GSTでの実際の作業法に関する考え方を締約国が明示したとし、GSTとの関連で衡平性に関する意見交換のためだけに2時間を費やしたことを強調した。

議題項目7 (実施推進・遵守促進のための委員会) については、 Peter Horne (オーストラリア) は、ハイレベルの技術的関与について報告し、非公式ノートが来年の役務を遂行するためのグループを発足させることを伝えた。

適応基金については、 Terpstra進行役は、意見の相違は解消しないままだが、一部のガバナンスに関する要素をめぐるグループの見解がまとまったと述べた。

その他のさらなる問題については、 Baashan共同議長が、グループの議論はパリ協定の実施に関連して想定される追加5項目に専念したと報告する一方で、小項目8(b) (補助機関及び関連機関によるパリ協定作業計画関連作業の進展に関する中間見直し)については時間の制約上議論できなかったことが伝えられた。

Tyndall共同議長は結論書草案を提示し、10のパラグラフとともに、括弧書きの入った文章が付けられた4つのパラグラフ〔APA結論書に今次会議の非公式ノートを追加するか否かという問題 (パラグラフ4); 意見書の提出要請 (パラグラフ7);テクニカルペーパーの作成要請 (パラグラフ8); 2018年8月か9月にAPA追加会合を実施すべきだとの提言(パラグラフ9)〕が盛り込まれたことを示した。

パラグラフ4については、 ブラジル(ブラジル、 アルゼンチン、ウルグアイ代表)、エチオピア(LDCs 代表)、イラン(LMDCs 代表)、 EU、 スイス(EIG代表)が結論書に非公式ノートを追加する案を支持し、ジョージアとインドネシアも賛同したが、オーストラリア(アンブレラグループ代表)が反対した。 EIGは、ジョージアの支持を受け、 合意済みの作業分野に関する実質的な要素について次回会議でさらなる作業に集中することをAPAが合意したと追記することを提案したが、APAがすでに実質的な問題に関する作業を行っているとの意味合いを持たせてしまうとして中国が反対を唱えた。

南アフリカ(アフリカン・グループ)は、協定9条5項 (事前の資金透明性)に則った資金情報の報告手順に関する追加的な問題に付随する作業をいかに前進させるかという問題で、3つのオプションを含めるよう求めた。一方、オーストラリア、米国、EUは、この意見に反対しており、EUがAPA結論書は手続き的なものだが、この提案は実質的な内容に係ると主張した。アフリカン・グループは、同提案は今後の方針に関するもので、手続き的な特徴をもつとの見方を示した。

パラグラフ 5 (様々な機関の作業の成果を集結させるためのオプション検討に向けたCOP議長への提言) については、サウジアラビアがアラブグループの立場から、 成し遂げられた進展を説明する目的についての記載は重複しているとして削除を提案した。米国は、“集結(bringing together)”という言葉の曖昧さに懸念を示し、文章を合体させるべきではないと主張した。

パラグラフ6 (共同議長のリフレクション・ノート) については、 LMDCsがノート作成のスケジュールを要請した。ペルーは、AILACの立場から、アフリカン・グループの支持を受け、 共同議長のリフレクション・ノートは重複を排除し、非公式ノートの内容を改善することを目指していると示唆したが、インドはこれに反対した。

パラグラフ 7及び8については、 ブラジル、 アルゼンチン、ウルグアイ、アンブレラグループ、EU、米国が、意見書の提出やテクニカルペーパー作成を求めることに反対した。モルディブ(AOSIS)、 ペルー(AILAC)、 インドネシア、インドは、現時点では新たな意見書の提出は不要だと述べた。 EIGは、ジョージアとともに、全ての項目に関する意見書の提出は不要だと主張した上で、項目6 (GST)には意見書やテクニカルペーパーを求めることも可能だと示唆した。

パラグラフ8については、意見の整理は不要であり、事務局に過度の負担をかけるとLMDCsが述べた。中国は、どのように整理するかという点で明瞭性が欠如していると指摘し、編纂した原文に全ての見解を残す案を支持した。

LDCsは、作業の整理に関する原文案を盛り込んだ実質的な意見書の提出を支持した。

パラグラフ9については、 アンブレラグループは、いくつかの項目にターゲットを絞ったラウンドテーブル開催を求めて反対を唱え、APA 1-4で次回の会議の議論に様々な成果を投入するとの合意に至る必要があると主張した。EUは、追加会合は不要だと主張したが、実施が決定した場合は2018年10月に行うよう提案した。

LDCs、AOSIS インドネシア、中国は、追加会合の開催を支持した。

一時間半の休会後、 Tyndall共同議長はセッションを再開し、以下の原文の修正箇所を紹介した。〔非公式ノートの結論書への添付; パリ協定作業計画関連事項の全ての成果を集結し進展を説明するべくCOP議長に提言すると記す文言削除; 2018年4月上旬の共同議長リフレクション・ノート発行という文言明記; 意見書の提出及び統合文書に関するパラグラフ案を締約国による意見書提出を一般的な要請を想起させるパラグラフに置き換えること; 2018年に追加交渉を行う有用性〕

また、アフリカン・グループの提案に関するコンセンサスが得られなかったことを受け、Tyndall共同議長は、COPへの共同議長による口頭報告の中で同提案に触れ、COPの書面での報告にこれを盛り込むよう要請することを提案した。 さらに、同議長は、COPへの報告時に2018年の追加会合の必要性については意見が分かれていることを両共同議長が伝える予定だと述べた。

この提案がグループの懸念を取り上げていないことに留意し、 アフリカン・グループは、グループ内の協議後に本件を返す権利を留保した。EIGは、確実に次回APA会合で実質的な内容に集中することを求める同グループ提案を共同議長がどのように扱うのか明確にするよう要請した。

修正版の結論書草案は14日夕方に出来上がり、11月15日(水)のAPAプレナリーでも取り上げられる予定だと言及し、Tyndall議長はセッション閉会とした。

SBI

附属書I国からの報告とレビュー:2回隔年報告書の編纂・統合: プレナリーでは、本項目に関する協議で何の結論も出せなかったため、手続き規則案10(c) 及び16に則り本項目はSBI 48暫定議題に据えられることをSBI議長 Chruszczowが伝えた。

非附属書I国の報告: CGEの作業: SBIプレナリーで結論書(FCCC/SBI/2017/L.31)が採択された。

資金・技術の支援供与: SBIプレナリーで結論書(FCCC/SBI/2017/L.21)が採択された。

協定410項に記載されたNDCsのための共通期限: SBIプレナリーで結論書(FCCC/SBI/2017/L.20)が採択された。

協定412項に記載された公開登録簿の運用・利用のための手続手順の策定: SBIプレナリーで結論書(FCCC/SBI/2017/L.30)が採択された。

協定712項に記載された公開登録簿の運用・利用のための手続手順の策定: SBIプレナリーで結論書(FCCC/SBI/2017/L.33)が採択された。

制度的アレンジを含む途上国による森林部門の緩和活動の実施支援の調整:プレナリーにおいて、本項目に関する協議で何の結論も出せなかったため、手続き規則案10(c) 及び16が適用されることがSBI議長Chruszczowから告げられた。ノルウェーは、規則16は専門家の自主会合の資格に影響を及ぼすため、結論書なしでは会合は自動的に続行されなくなると指摘した。ブラジルは、自主会合を規定した決定書は終了年を明記していないため、そうした会合は事務局の主催で存続するはずだと指摘し、これをSBI最終報告書に反映させるよう求めた。

LDCSに関する問題: 非公式協議の共同進行役はMalcolm Ridout (英国)が務めた。締約国は修正なしで結論書草案に合意した。

NAPS: Ridoutが非公式協議の共同進行役を務めたが、ごく非公式の非公式折衝で意見の相違は解決したことを伝えられた。細かな文言の修正を経て、 結論書草案は締約国の合意を得た。

技術の開発・移転: 技術移転に関するポズナニ戦略計画:  SBIプレナリーで結論書 (FCCC/SBI/2017/L.23)が採択された。

気候資金に関する問題: SCFの機能に関するレビュー: 非公式協議で共同進行役のDelphine Eyraud (フランス) は、修正版の結論書草案と COP決定書草案への合意を締約国に呼びかけた。多くの途上国グループをはじめ多数が、SCFの交代メンバーの調整に関する文言が欠如しているとして反対を唱えた。また、気候資金の動員に係るSCFの作業強化策を検討することを奨励するパラグラフの再挿入を支持したが、これには多くの先進国が反対した。

文言に妥協がみられたことに留意し、多数の先進国がGCFへの指針案をもはやSCFが出しておらず、COPが代わりに指針を出しているとする文言の再挿入を支持した。ある先進国は、隔年よりも頻度を少なめにSCFフォーラムを開催するとの一文を再挿入する案を追加で支持した。

意見の一致は見られず、 Eyraud進行役は、締約国が指示したように共同進行役が文章を持ち帰り、これに括弧をつけてSBI議長へ送り、COP 23での審議に回すことを提案した。しかし、ある先進国が未だ合意されていない原文をCOPに付託することに反対した。今後の方針に関する合意欠如に留意し、 Eyraud進行役は、共同進行役が本件をSBI議長に通知することを告げた。

適応基金第3回レビュー: SBIプレナリーで決定書草案(FCCC/SBI/2017/L.32)が採択され、CMPの審議に回された。

条約のキャパシティビルディングに関する問題: 条約のキャパシティビルディング: SBIプレナリーで、途上国におけるキャパシティビルディングに関する結論書 (FCCC/SBI/2017/L.24)及び経済移行国におけるキャパシティビルディングに関する結論書 (FCCC/SBI/2017/L.25)ならびに決定書草案 (FCCC/SBI/2017/L.25/Add.1)が採択され、COPの審議に回されることとなった。 

PCCB年次技術進捗報告書: SBIプレナリーで、結論書及び決定書草案 (FCCC/SBI/2017/L.28)が採択され、COPの審議に回されることとなった。 

京都議定書のキャパシティビルディングに関する問題: SBIプレナリーでCMPの審議に回すための結論書(FCCC/SBI/2017/L.26、L.27)及び決定書草案(FCCC/SBI/2017/L.27/Add.1)が採択された。

パリ協定に基づく行動強化のための教育訓練・意識向上・市民参加・市民の情報アクセス等の実施強化策: SBIプレナリーで結論書(FCCC/SBI/2017/L.22)が採択された。

ジェンダーと気候変動: SBIはプレナリーで結論書(FCCC/SBI/2017/L.29)が採択された。コスタリカは、AILACの立場から、ジェンダーの問題はグローバル・サウスにおいて“死活問題”であると強調しつつ、ジェンダー(性別問題)に関するUNFCCC第1回行動計画の採択という歴史的なイベントに言及した。

SBSTA

技術の開発・移転: 協定104項の技術枠組作業: SBSTAプレナリーで結論書(FCCC/SBSTA/2017/L.22) が採択された。

農業: SBSTAプレナリーで結論書(FCCC/SBSTA/2017/L.24)及び決定書草案(FCCC/SBSTA/2017/L.24/Add.1) が採択され、COPの審議に回された。

研究及び系統的観測: SBSTAプレナリーで結論書(FCCC/SBSTA/2017/L.21) が採択された。

条約の方法論の問題: CO2換算GHGsに関する共通算定基準: SBSTAプレナリーで、結論書(FCCC/SBSTA/2017/L.19)が採択された。

バンカー燃料: SBSTAプレナリーで結論書(FCCC/SBSTA/2017/L.20) が採択された。

協定97項に則った公開登録簿を通じて供与・動員された資金の会計処理手順: SBSTAプレナリーで結論書(FCCC/SBSTA/2017/L.23)が採択された。

地域コミュニティ及び先住民プラットフォーム: 非公式協議はSBSTA議長 Carlos Fuller (ベリーズ)が共同進行役を務め、プラットフォームの目的と機能については締約国が合意したが、手順と構成については合意に至っていないことを伝えた。また、進行役は、非公式協議での進展と今後の大筋方針を記したパラグラフの追加を提案した。多数の締約国は、今次COPで同プラットフォームを稼働させることに意欲を示し、ごく非公式な非公式会合で作業を継続するための時間を要請した。

ある先進国グループは、プラットフォームを稼働させる交渉に長い時間枠を設定することに懸念を示した。非公式な非公式会合が終日行われた。

SBSTA/SBI

LDCSに関する問題: 適応委員会の報告書: Richard Merzian (オーストラリア) が進行役を務める本件に関する合同非公式協議で、適応委員会報告書のための合同結論書草案及びLDCs関連問題ならびに2つの非公式ノートについて検討した。いくつかの締約国は、非公式ノートは締約国からの全ての意見をバランス良く反映していなかったと指摘し、SB 48では手続き論よりも中身に関する議論を行うよう求めた。締約国は提示通りの結論書草案に合意し、2点の非公式ノートについては全ての締約国の見解を反映していないと記した文言を含める限り添付することで合意した。

合同プレナリー: SBSTA/SBIの合同プレナリーが開催され、ステートメントの発表が行われた。

EUは、特に、農業やジェンダー行動計画、研究及び系統的観測に関する結論書における海洋に関する記載の重点化などの進展を歓迎した。

オーストラリア、 アンブレラグループの立場から、ジェンダー行動計画の完成に満足感を示し、女性や気候にとって強力な成果であると指摘した。また、予算の承認に称賛を送った。

モルディブは、AOSISの立場から、 WIMが当初のビジョンを実現し、現場の人間の役に立つようWIMの運用開始を求めた。

エチオピアは、LDCsの立場から、包摂性と透明性の欠如、さらにはLDCs関連事項に関する交渉に参加する時間の欠如に憂慮を示し、結論書草案の文言が交渉の場で議論されていないのが遺憾だと述べた。

CANは、損失・被害に関する決定書草案には資金のための条項が不足していると述べ、 最も脆弱なところが損失・被害に関する資金供与の便益を享受するための明確な道筋を定めるようCOP議長が取り組んでほしいと期待を示した。 

CJN! は、炭素回収貯留(CCS)やバイオエネルギー、ゲオエンジニアリング及び協定6条の市場アプローチの様なアプローチは気温上昇幅1.5°C未満への抑制に“何ら寄与しない”と述べ、特に損失・被害対策に数値化した資金目標の導入を求めた。

農業団体は、資金メカニズムの運用機関は農業への優先順位をもっと高くする必要があると述べ、交渉における市民社会の参画、特に農業従事者や農業従事者によるNGOsの参画を担保するよう求めた。

LGMAは、今後も有権者の支持層は、適応基金理事会とともに、適応プロジェクトや地域や地方の諸基準を用いた適応影響評価のモニタリング改善に関する取り組みを継続すると述べた。

RINGOsは、研究者は交渉課題の底流にある価値を照らし出す手伝いができると述べ、同団体の人々はキャパシティビルディングや教育訓練に貢献するよう取り組んでいると言及した。

国連食糧農業機関 (FAO) は、SBI/SBSTA合同で農業関連問題に取り組むよう要請するCOP決定書草案を歓迎するとともに、FAOが技術面の情報や支援を提供すると述べた。

女性とジェンダーは、UNFCCCの下で第1回ジェンダー行動計画が採択されたことについて締約国への祝辞を述べ、地域コミュニティや 先住民プラットフォームへの支持を表明する一方で、CCSやゲオエンジニアリング、農業や森林ベースの炭素市場には反対した。

YOUNGOsは、特に農業や教育訓練、市民の意識向上、市民参加や情報へのアクセス(パブリック・アクセス)に関する決定書を歓迎し、COP 23議長が提唱した海洋に関するイニシアティブ “Ocean Pathways initiative”がUNFCCC 作業計画の一部になるよう期待すると述べた。

BINGOsは、 交渉の進展を歓迎しながらも、協定6条の明確化と企業の技術メカニズムへの幅広い取組みを求めた。

廊下にて

14日火曜日。ボン国際会議場には至るところに人垣ができて、非公式折衝の会場内から廊下の外まで人の群れが増殖した。 各国の政府交渉官らが妥協案をとりつけようと適切な言葉探しに走る中、議長や進行役は交渉の進展を切に願って働きかけた。スケジュールが絶えず変わるため、ある参加者などは部屋を間違えずに定刻に会場に辿り着くため会議場を歩き回ることに午前の大半を費やしたと話していた。とはいえ、SBI、SBSTAの両補助機関では矢継ぎ早に結論書および決定書の採択を告げる小槌が鳴らされ、APAコンタクトグループでは夕方も協議が行われて、今後数カ月にわたる作業の指針となる交渉テキストで仮合意が成立するなど、こうした寄り合いの効果は証明されたようだ。

ハイレベル会合に向けて各国の政府首脳や閣僚の到着が迫る中、パリ協定作業計画が軌道に乗っていると示さなければならないというプレッシャーは高まっている。しかし、その他の問題―特に損失・被害の問題への対応ぶりは、足元の実情と“ズレている”というのが多くのオブザーバーや途上国側の見方である。おそらく、そうした重要な問題は「技術的な問題とは違って、政治的な問題として、COPでハンドリングすべきではないのか?」と訝しむ向きもあっただろう。そうした意見が意味するところは、各国の大臣らがこれから腕まくりして交渉の舵取りに臨むということだろう。

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