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地球交渉速報 (ENB)

第12卷 第726号 | 2018年5月13日(日)


ボン気候変動会議サマリー

2018年4月30日―5月10日 | ボン、ドイツ


言語: 英語 (HTML/PDF) フランス語 (HTML/PDF) アラビア語 (HTML/PDF) 日本語 (HTML/PDF)
IISD/ENB ドイツ・ボン会合レポートのリンク先: http://enb.iisd.org/climate/sb48/

ボン気候変動会議は、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の3つの補助機関全てが会議を開催した。実施に関する補助機関の第48回会合(SBI 48)、科学的技術的助言のための補助機関の第48回会合(SBSTA 48)、及びパリ協定特別作業部会の第1回会合の第5部(APA 1-5)である。この会議には、3400名を超える参加者が出席、この中には2000名近くの政府高官、1400名ほどの国連組織及び機関、政府間組織及び市民社会組織の代表、38名のメディア関係者が含まれた。

会議の大半では、パリ協定作業計画 (PAWP)の作業の進展に焦点があてられた、この計画は、パリ協定の運用を開始し、実施を促進するための一連の決定書で構成される。ボンで会合を開催した3つの補助機関全てが、それぞれ異なるPAWP問題を審議した。PAWP終了の期限が2018年12月であることから、多数のものは進捗が必要だとの見解を示した。

PAWPに関しては多数の結論に達し、議論内容を決定書にまとめられた、特に今会合での締約国の提案及びインプットがまとめられたほか、締約国がこの問題に関する審議を続けるとの合意も含まれた。PAWPの審議で得られた主な成果は、次に示す今後の交渉のマンデートであった:

  • SBSTA、SBI、APAの共同議長は、全項目を議論し、今後の進め方を提案するノートを作成する;
  • APA共同議長は、締約国による「交渉のための合意されたたたき台(agreed basis for negotiations)」の作成を助ける「ツール(tool)」を作成する;
  • 2018年9月3-8日に、タイのバンコクで追加の交渉会合を行う、この会合は、SBI 48-2、SBSTA 48-2、APA 1-6の各再開会合で構成される:

今回の会合を特徴づけたのはタラノア・ダイアログであった。「我々はどこにいるのか(Where are we?)」、「どこへ行きたいのか(Where do we want to go?)、「どうやってそこへ行くのか(How do we get there?)」という質問を中心に設計されたプロセスで、締約国及び利害関係者は、2018年12月のカトヴィセでの気候変動会議提出の統合報告書に情報を提供する、ストーリーを共有した。

SBI及びSBSTAは、現在進められているUNFCCC及び京都議定書の実施に関係する問題の審議を続けた。これらの問題に関する主要な決定には下記が含まれる:

  • SBI及びSBSTAは、農業に関するコロニビア共同作業に関する決定書を採択した、これにはこの問題、イベント、作業に対するインプットのロードマップが含まれる;
  • SBIは、気候技術センター・ネットワークの効果ある実施のレビューに関する決定書を、締約国会議(COP)に提案した;
  • さらにSBIは、開発途上国による森林部門での緩和行動に関する活動の実施支援の調整に関する審議の結論を出すようCOPに推奨した、これには制度アレンジも含まれる。

国連気候変動プロセスの簡略史

気候変動に対する国際政治の対応は、1992年の国連気候変動枠組条約の採択に始まる、この条約は、「気候系に対する危険な人為的干渉」を回避するため、温室効果ガス(GHGs)の大気濃度を安定化することを目指し、国際的な気候変動での協力のための法的な基本枠組及び原則を規定する。この条約は1994年3月21日に発効、197の締約国を有する。

UNFCCCの効果性を高めるため、1997年12月に京都議定書が採択された。この議定書において、先進工業国及び市場経済移行国は、6つのGHGs全体の量的排出削減目標を達成すると約束する。京都議定書は、2005年2月16日に発効、192の締約国を有する。その第一約束期間は2008年から2012年であった。2012年ドーハ改定文書は、第二約束期間を2013年から2020年と設定した。この改定文書は、144か国が批准を達成した後に発効する予定である。これまでに111の締約国がドーハ改定文書を批准した。

2015年12月、締約国はパリ協定を採択した。パリ協定の規定の下、全ての国は国家決定貢献(NDCs)を提出し、緩和、適応、実施手段の集約された進捗状況を、5年ごとのグローバル・ストックテイクでレビューする予定である。パリ協定は、2016年11月4日に発効、2018年4月29日現在、175の締約国がこの協定を批准した。

重要な転換点

ダーバン・マンデート:パリ協定の交渉マンデートは、2011年、南アフリカ、ダーバンでの国連気候変動会議で採択された。締約国は、強化された行動のためのダーバン・プラットフォームに関する特別作業部会(ADP)の立ち上げで合意し、2020年に発効すべく、2015年より遅くない時期に、「条約の下で、全ての締約国に適用可能な議定書、他の法的文書、もしくは法的効力を有する合意成果を作成する(to develop a protocol, another legal instrument or an agreed outcome with legal force under the Convention applicable to all Parties)」ことをマンデートとした。加えて、ADPは、2℃目標に関係するプレ2020年の野心のギャップを埋めるための行動を探究することもマンデートとした。

リマ: The UN 2014年のペルー、リマでの国連気候変動会議は、「リマ気候行動提案」を採択した、これはパリ協定に向け交渉のさらなる進捗を図った。この提案は、交渉文書草案の要素、及び国家決定貢献(INDCs)の提出及び統合のプロセスを推敲し、同時にプレ2020年野心も議論した。

パリ:2015年国連気候変動会議は、フランスのパリで開催され、12月12日、パリ協定を採択するに至った。パリ協定には、 世界の平均気温を産業革命前の水準より2℃以下の上昇に制限し、1.5℃までの上昇に制限する努力を追及することが含まれる。さらに同協定は、気候変動の悪影響に適応すべく締約国の能力を高め、資金フローを、低いGHG排出量及び気候に強靭な開発に向けた道筋に合致させることも目指す。協定は、異なる国情に鑑み、衡平性、及び共通するが差異のある責任及びそれぞれの能力の原則を反映する形で実施される。

パリ協定の下、各締約国は、5年ごとに、より野心を高めたNDCsを伝達すべきである。NDCsに2025年までの時間枠を含める国は、2020年までに新しいNDCを伝達し、2030年までの時間枠を有する締約国は、自国の貢献分について、2020年までに伝達する、もしくは更新することが要求される。

パリ協定の重要な特徴には透明性枠組があり、さらにはグローバル・ストックテイクと称されるプロセスがある。締約国は、2023年からこのプロセスを開始し、5年ごとに緩和、適応、実施手段の全体的な進捗状況をレビューする。協定には、適応、資金、技術、損失と損害、遵守に関する条項も含まれる。

パリ協定の採択時、締約国は、APA、SBI、SBSTAによるものも含め、この協定の運用上の細則を定めるPAWPを立ち上げた。締約国は、パリ協定の長期目標に向けた全体の進捗状況の最新情報を調査する促進ダイアログを開催することでも合意した。このプロセスはタラノア・ダイアログと称される。

パリで、締約国は、全ての締約国及び非締約国利害関係者によるパリ協定目標達成に向け、さらに強力で野心的な気候行動を動員する必要があることでも合意した。非締約国利害関係者数名は、リマ・パリ行動アジェンダに則り、パリにおいて、ユニラテラルな緩和約束を行い、1万件以上の行動が登録された。非締約国利害関係者による行動に対する関心は、2016年に立ち上げられたグローバルな気候行動のためのマラケシュ・パートナーシップでも続いている。

マラケシュ:マラケシュでの国連気候変動会議は、2016年11月7-18日で開催され、これには第1回のパリ協定締約国会議(CMA 1)も含まれた。締約国は、PAWPに関係する数件の決定書を採択した、これには次のものが含まれた:作業は2018年までに結論を出すべきこと;キャパシティビルディングに関するパリ委員会の委任条件;協定9.5条(先進国による隔年の事前資金連絡)に則り提供されるべき情報を特定するプロセスの開始。他に採択された決定書に含まれたのは:損失と損害のためのワルシャワ国際メカニズム(WIM)の5年作業計画の承認;ジェンダーに関するリマ作業計画の継続及び強化。

フィジー/ボン:フィジー/ボン気候変動会議は、2017年11月6-17日、フィジーのCOP議長職の下、ドイツのボンで開催された。このCOPでは、タラノア・ダイアログが開始され、「実施のためのフィジー・モーメンタム(Fiji Momentum for Implementation)」 が設立された、後者は、プレ2020年の実施及び野心に高い優先度を提供する決定書である。さらにCOPは、PAWPの完成に関するガイダンスも提供し、適応基金については、CMA 1-3での決議を前提条件に、パリ協定でも役割を果たすと決定した。締約国は、さらに地方コミュニティ及び先住民プラットフォーム(Local Communities and Indigenous Peoples Platform)、WIMの執行委員会、資金の常任委員会、適応基金を、一層発展させること、もしくは指針を提供することとした。

会議報告書

4月30日月曜日、ボン気候変動会議は、SBI 48、SBSTA 48、APA 1-5の開会プレナリーを開催した。締約国は、合同プレナリーで開会ステートメントを発表する機会も提供した。これらステートメントのサマリーは、右記参照:http://enb.iisd.org/vol12/enb12717e.html

実施に関する補助機関

SBI議長のEmmanuel Dlamini (スワジランド)は、4月30日月曜日、会合を開会した。締約国は、一つの議題項目の題名を「パリ協定の実施支援に関係する技術メカニズムの定期的な評価の範囲及びモダリティ(Scope and modalities of the periodic assessment of the Technological Mechanism in relation to supporting the implementation of the Paris Agreement)」と変更することで合意、修正通りの議題書(FCCC/SBI/2018/1)を採択した。東チモールは、損失と損害に関する議題項目を支持すると表明した。

技術専門家会議:SBI及びSBSTAは、5月2日の火曜日及び5月3日の水曜日、循環型経済の実施及び産業廃棄物の再利用と防止策をテーマに、緩和に関する技術専門家会議を開催した。

適応に関する技術専門家会議(TEM-A)は、5月9日水曜日及び5月10日木曜日、脆弱なグループ、コミュニティ、生態系のための適応計画策定をテーマに、開催された。

促進的な意見交換:非附属書I締約国が隔年更新報告書を提出し、締約国間での質疑応答が行われるワークショップである促進的な意見交換の場で、チリとシンガポールは、5月5日土曜日にプレゼンテーションを行った。

附属書I報告作成:7回国別報告書及び第3隔年報告書の提出状況及びレビュー:SBIは、第7回国別報告書及び第3回隔年報告書の提出状況及びレビュー(FCCC/SBI/2018/INF.7)に留意した。

2隔年報告書のとりまとめ及び統合:この項目は、プレナリーで第1回の審議が行われ、その後、Helen Plume (ニュージーランド)とAnne Rasmussen (サモア)を共同進行役とする非公式協議で議論された。

閉会プレナリーにおいて、SBIは、協議では結論書を作成するに至らなかったと指摘、このことは、手順規則案の規則10(c)及び規則16に則り、この問題がSBI 49の暫定議題に送られることを意味すると述べた。ガボンはアフリカングループの立場で発言し、規則16は進展を妨げるために用いられているとして懸念を表明した。

非附属書I報告書作成:国別報告書記載の情報:この項目は保留された。

専門家諮問グループ(CGE)の委任条件のレビュー:この項目は、プレナリーで最初の審議が行われ、その後Helen Plume (ニュージーランド)及びAnne Rasmussen (サモア)を共同進行役とする非公式協議で議論された。

SBIは、結論書草案を採択した。エジプトはG77及び中国(G-77/中国)の立場で発言し、CGEでは実質的な結論に達しなかったとして懸念を表明し、このグループの委任条件をCOP 24で更新することが重要だと強調した。

ガボンはアフリカングループの立場で発言し、サウジアラビア、中国、インド、イラン、バングラデシュ、そしてアルゼンチン、ブラジル、ウルグアイの立場で発言したブラジルの支持を得て、CGEの委任条件に関する合意がないことへの失望感及び懸念を表明し、開発途上国が国別報告書及び隔年更新報告書を作成する能力を向上させることが重要だと指摘した。サウジアラビアは、2018年に意見の一致がなければ、CGEのマンデートは2020年までに終わりを迎えることになると指摘した。数か国の締約国は、報告作成に対する技術支援と新しく出てきた透明性枠組とのリンクに注目し、イランは、SBIのプレ2020年透明性項目とAPAのポスト2020年項目は関連の担当オフィサーが共同議長を務めるよう求めた。

SBI結論書:結論書(FCCC/SBI/2018/L.14)において、SBIは、SBI 49でこの問題の審議を続けることで合意する。

資金的、技術的支援の提供:この項目は、プレナリーで最初に審議され、その後、Helen Plume (ニュージーランド)とAnne Rasmussen (サモア)を共同進行役とする非公式協議で議論された。

SBIは、結論書を採択した。エジプトはG-77/中国の立場で発言し、開発途上国が国別報告書及び隔年更新報告書に対する支援など、支援にアクセス可能なことを確保するという、「満足のゆく成果(satisfactory outcome)」を求めた。

SBI結論書:結論書(FCCC/SBI/2018/L.10)において、SBIは、SBI 49においてこの問題の審議を続けることで合意する。

隔年更新報告書のサマリー報告:SBIは、情報に留意した。

ICAのモダリティ及び指針の改定:SBIは、この問題の審議をSBI 50まで延期することで合意した。

共通時間枠:この項目の議論では、締約国がNDCsを更新または伝達する共通頻度に焦点があてられた。現在、5年間のNDCを有する締約国は、2020年までに新しいNDCの伝達が要求されており、10年のNDCを有する締約国は、2020年までにNDCの伝達または更新を行うことが要求されている。パリ協定の4.10条は、NDCsの共通時間枠の検討を要請する。

この項目は開会プレナリーで提起され、続いてMarianne Karlsen (ノルウェー)及びGeorge Wamukoya (ケニア)を共同進行役とする非公式協議で議論された。

結論書草案の議論で、一部のものは、本会合での進捗が結論書または非公式ノートに記載されない場合は、進捗が失われるとして懸念を表明したが、他の者は、非公式ノートまたは会議室ペーパー(CRPs)意見を記載されるのであれば、さらなるインプットを提供したいとの希望を指摘した。

締約国は、結局、CRPsには公式の立場はなく、次回会合におけるいかなる議論にも予断を加えないとの保証を受け、締約国提出の文書及びCRPsの両方をSBIは歓迎するとの言及を、脚注に記載することで合意した。締約国数か国は、次回会合においては締約国間に共通する立場をよりよく捉え、実質的な議論により多くの時間を割くよう求めた。ある締約国は、SBIにおいてCMA 1での審議及び採択を目指す提案を作成すると提案したが、締約国間の意見は一致しなかった。

5月10日木曜日、プレナリーは結論書を採択した。

SBI結論書:結論書(FCCC/SBI/2018/L.4)において、SBIは特に:

  • 関連問題における締約国間の豊かで建設的な意見交換に留意する、これは共通の時間枠に対する適用可能な期間、有用性、オプションに限定されず、さらにこれらのオプションの利点と欠点を含める;
  • SB 48-2でこの問題の審議を継続し、CMAでの審議及び採択にかける提案を行うことで合意する。

パリ協定4.12条(NDC登録簿)に記載する公開登録簿の運用及び利用のモダリティ並びに手順の策定:この項目は、4月30日月曜日、プレナリーで提起され、続いてMadeleine Diouf Sarr (セネガル)及びPeer Stiansen (ノルウェー)を共同進行役とする非公式協議で議論された。

 締約国は、SBI 47からの非公式ノートを議論した。締約国は、2回目の会合の後、共同進行役が非公式ノート草案及び結論書草案を作成すべきことで合意した。

暫定NDC登録簿に関し、一部の締約国は、検索機能の特色を指摘、各国のNDCsを横断する検索キーワードは「介入的(intrusive)」である可能性があるとし、登録簿のマンデートを逸脱していると述べた。他の者はこれに異論を唱え、情報の比較可能性を高めると強調した。

さらに締約国は、NDC登録簿を協定7.12条(適応報告書)の下の公開登録簿の議論と合同で議論するかどうかでも意見が分かれ、一部の開発途上国は、この二つの項目の技術的な類似性に注目した。最終会議で、先進国数か国は、適応報告書公開登録簿との分画を示す結論書草案の確保に対し、躊躇すると表明し、あるものは、このことは二つの項目同士の「追加的な親和性(additional affinity)」を意味するものではないと指摘した。

5月10日木曜日、SBIプレナリーは結論書を採択した。

SBI結論書:結論書(FCCC/SBI/2018/L.7)において、SBIは、SB 48-2においてこの問題の審議を続けることで合意する。

パリ協定7.12 (適応報告書登録簿)に規定する公開登録簿の運用及び利用のモダリティ並びに手順の策定:この項目はプレナリーで提起され、続いてMadeleine Diouf Sarr (セネガル)及びPeer Stiansen (ノルウェー)を共同進行役とする非公式協議で議論した。

5月10日木曜日、SBIプレナリーは、この項目をSBI 48の再開会合で議論するとの口頭での改定を付した結論書を採択した。

SBI結論書:結論書(FCCC/SBI/2018/L.8)において、SBIは、SB 48-2でのこの問題の審議継続で合意する。

クリーン開発メカニズム (CDM)のモダリティ及び手順のレビュー:開会プレナリーで、SBI議長は、この項目の審議はSBI 49まで延期すると指摘した。

開発途上国の森林部門における緩和行動に関係する活動実施に向けた支援の協調、制度アレンジも含める:この項目は、最初SBIプレナリーで議論され、続いてKeith Anderson (スイス)及びTrevor Thompson (グレナダ)を共同進行役とする非公式協議で議論された。

プレナリーにおいて、多数の国は、決定書10/CP.19に則った非森林化及び森林劣化による排出量削減(REDD+)専門家会合が今年行われなかったことを嘆いた。他の者は、COP 23で追加会合開催の合意がなかったため、開催されなかったと指摘した。非公式協議で、締約国は、決定書10/CP.19に則ったREDD+専門家会合を将来開催する必要があるかどうかで意見が分かれた。多数の締約国は、期間を限る形での会議の継続を提案、COPが後日この問題を再検討するよう提案した。他の締約国は反対した。

非公式協議で、締約国数か国は、この問題のSBIの審議を終了するよう提案した。あるグループは、反対した。

SBIは閉会プレナリーにおいて結論書を採択した。

SBI結論書:結論書(FCCC/SBI/2018/L.9)において、SBIは、既存の制度アレンジあるいはREDD+への支援を調整するための別なガバナンスの可能性について審議し、その後この項目の審議を終了することで、合意する。さらに結論書では、COPはこの問題のSBIでの審議終了で合意することを提案した。

農業に関するコロニビア共同作業:この項目は、最初プレナリーで取り上げられ、Heikki Granholm (フィンランド)及びMilagros Sandoval (ペルー)を共同進行役とする非公式協議へ送られた。

非公式協議で、多数の締約国は、農業に関するコロニビア共同作業の指針となるロードマップをSB 48で作成するよう求めた。多数の締約国は、「農業従事者が地に足を(farmers on the ground)」つけ続けることを作業の中心にする必要があると強調した。

ある先進締約国は、SB 48からSB 53までのスケジュールを記載するロードマップ草案を提案した、これには会合期間中ワークショップに加え、UNFCCC以外の国際的な場でのワークショップが含まれた。ある開発途上国グループは、対案を提出、これが議論のたたき台として使われた。その後に合意されたロードマップには、決定書4/CP.23に記載する6つの題目のそれぞれを議論する会合期間中ワークショップが含まれるほか、ワークショップの成果に関する締約国及びオブザーバーの提出文書、並びに事務局の報告も含まれる。さらにこのロードマップは、SB 53は可能性ある将来の題目を含め、作業の進捗状況及び成果に関し、COPに報告すると規定した。

5月10日木曜日、SBI及びSBSTAは結論書を採択した。

SBI/SBSTA結論書:結論書(FCCC/SB/2018/L.1)において、SBI及びSBSTAは特に:

事務局に対し、結論書草案の附属書に記載される会合に合わせ、同じく附属書に記載されるワークショップを開催するよう要請し、認可されたオブザーバーによるこれらのワークショップへの参加を奨励した;

  • 農業従事者、ジェンダー、若者、地方コミュニティ、先住民に限らないものにとっての問題の重要性に留意し、締約国に対し、提出文書作成時、及びワークショップにおいては、これらの者を考慮に入れることを奨励する;
  • 事務局に対し、附属書に言及する各ワークショップに関し、報告書を作成し、当該ワークショップが行われたのに合わせ開催された会合に続くSBI及びSBSTAの会合で、審議にかけるよう要請する;
  • 事務局に対し、条約の構成組織の代表を招請し、作業に寄与するとともに、ワークショップ、特に会合期間中ワークショップの成果を実施するモダリティに関する第1回ワークショップに参加するよう求めることを要請する;
  • 締約国及びオブザーバーに対し、附属書に記載するワークショップごとに、当該ワークショップの題目に関するそれぞれの意見を、附属書に規定する締切日までに、提出するよう招請する;
  • SBI 49及びSBSTA 49においても、この議題項目の審議を継続することで合意する。

適応委員会の報告:後発開発途上国(LDCs)に関係する問題:これらの項目は、Patience Damptey (ガーナ)及びGabriela Fischerova (スロバキア)が共同進行役を務める適応委員会に関するSBI/SBSTA合同の非公式協議、並びにMamadou Honadia (ブルキナファソ)及びMalcolm Ridout (英国)が共同進行役を務めるLDCs関係問題(FCCC/SBI/2018/4)に関するSBI/SBSTA合同非公式協議で、議論された。

SBIプレナリーにおいて、LDC専門家グループ(LEG)副議長のFernandes Santanaは、COP 23以後の進捗状況を報告、特に国別適応計画(NAPs)、NAP EXPOの成功、将来のEXPOs主催に関する2件の招請に焦点を当てた。

LDCs関係問題に関する非公式協議において、決定書文書に関する追加の議論を条件に、括弧書きのない結論書草案を採択できるかどうかで、意見は分かれた。先進国は、手順上でいえば結論書と決定書を切り離すことはできないと論じ、開発途上国は、決定書を後日送るなら、結論書を採択できると論じた。

5月10日木曜日、プレナリーは、2つの項目に関する別個の結論書を採択した。

SBI及びSBSTA結論書結論書(FCCC/SB/2018/L.2)において、SBI及びSBSTAは:

  • 共同進行役の非公式ノート改訂版に示されるとおり、適応委員会の作業及びLEGの作業に関する議論が進められているという状況を歓迎する;
  • CMA 1での審議及び採択に向けCOP 24から送られるべき提案を作成するとの観点から、SB 48-2において、非公式ノート改訂版をたたき台にこれらの問題の審議を続けることで合意する。

SBI結論書結論書(FCCC/SBI/2018/L.17 andAdd.1)において、SBIは:

  • LEGに対し、報告書の要素を審議するよう要請する、これらの要素には、パリ協定及び決定書1/CP.21から派生する適応関係のニーズで、将来の作業計画で取り上げられるものを含める;
  • LDC作業計画更新の必要性に関するLEGの審議に役立てるため、締約国が提出した情報を歓迎する;
  • SBI 49 (2018年12月)においてもLDC作業計画の更新の審議を続けることで合意する。

国別適応計画:この項目は、当初、SBIプレナリーで取り上げられ、次の報告書について審議した:NAPsの策定及び実施のプロセスにおける進捗状況、経験、ベストプラクティス、学習事項、ギャップ、ニーズ及び供与され、受理された支援(FCCC/SBI/2018/INF.1);適応のための緑の気候基金の用意及び準備支援計画へのアクセスに関する適応委員会ワークショップ(SB48.AC.1);NAPsの策定及び実施プロセスにおける進捗状況のサマリー (FCCC/SBI/2018/6)。その後、この問題はPepetua Latasi (ツバル)及びMalcolm Ridout (英国)が共同進行役を務める非公式協議で議論された。

締約国は、NAPsの策定及び実施においてなされた進捗状況は「一定の(some)」であるか、それとも「注目すべき(noteworthy)」であるか、それを反映する表現について議論した。次の項目に関する報告書について、「留意する(note)」のか、それとも「歓迎する(welcome)」のかについても意見は分かれた:NAPsの策定及び実施の進捗状況;プロセスの進捗状況、経験、学習事項、ギャップ、ニーズ、支援;.緑の気候基金の用意及び準備支援計画へのアクセスに関する適応委員会ワークショップ。

5月10日木曜日、SBIは結論書を採択した。

SBI結論書:結論書(FCCC/SBI/2018/L.16)において、SBIは特に:

  • 次の項目を作成するにあたってのLEG、適応委員会及び事務局の努力を歓迎する:NAPsの策定及び実施プロセスにおける進捗状況のサマリー;NAPsの策定及び実施プロセスにおける進捗状況、経験、ベストプラクティス、学習事項、ギャップ、ニーズ及び供与され、受理された支援の報告書;適応のための緑の気候基金の用意及び準備支援へのアクセスに関する適応委員会ワークショップに関する報告書;
  • SBI会合期間中にサイドイベントを開催したLEGの努力を歓迎する、並びにLEGに対しては、COP 24において国別適応計画策定の実例を提示するよう開発途上締約国への招聘拡大を検討するよう招請する;
  • SBI 49においても、非公式協議の共同進行役が提案した決定書草案文書に基づき、この問題の議論を続けることで合意する。

技術の開発及び移転:パリ協定の支援との関係における技術メカニズムの定期的評価の範囲及びモダリティ:この項目は、初め、プレナリーで取り上げられ、技術メカニズムの定期評価に関連し、条約及び京都議定書の下で多様なアレンジをレビューした経験、学習事項及びベストプラクティスに関する報告書が議論された、続いてIan Lloyd (米国)及びClaudia Octaviano (メキシコ)を共同進行役とする非公式協議で議論された。

非公式協議において、事務局は、技術メカニズムの定期評価(FCCC/TP/2017/5)に関連して行われる、条約及び京都議定書の多様なアレンジのレビューにおける経験、学習事項、ベストプラクティスに関するテクニカルペーパーを提示した。締約国は、共同進行役の非公式ノートに基づき議論することで合意した。一部の先進締約国は、範囲(scope)に関する議論に異議を唱え、これはSB 44で解決していると指摘した。少数の開発途上国グループ及び締約国は、強調されている点のバランスがとれていないこと、メカニズムの効果性に焦点を当てすぎており、支援の適切性という関連の主題への注目が不十分であることから、この理解について再検討する必要があると応じた。

5月10日木曜日の閉会プレナリーにおいて、SBIは結論書を採択した。

SBI結論書:結論書(FCCC/SBI/2018/L.2)において、SBIは特に:

  • 定期的評価に関連し、条約及び京都議定書の多様なアレンジのレビューを行う上での経験、学習事項、ベストプラクティス、に関する事務局のテクニカルペーパーを歓迎する;
  • 決定書1/CP.23の2項及び附属書Iを考慮し、定期的評価のための範囲及びモダリティの推敲作業を加速化する;
  • 今回及び前回のSBIにおける締約国のこの議題小項目に関する審議内容及び締約国提出の見解に基づき、非公式協議の共同進行役が作成した非公式ノートに留意する;
  • 次回のSBI会合においては、この非公式ノートを念頭に、定期的評価の範囲及びモダリティの推敲を続けると合意する。

気候技術センター・ネットワーク(CTCN)の効果ある実施のレビュー:この項目は、初めプレナリーで議論され、続いてStella Gama (マラウィ)及びIan Lloyd (米国)を共同進行役とする非公式協議で議論された。

非公式協議において、締約国は、 CTCNの効果ある実施の第三者レビュー、及び国連環境計画 (UNEP)による当該レビューに対する管理対応(FCCC/SBI/2018/INF.5)の両方に基づき、結論書草案を審議した。一部の開発途上締約国及びグループは、この提案ではCTCNのキャパシティビルディングに対する支援、及び開発途上国の国家指定法人に対する支援を増加する必要性が指摘されていると強調した。先進国数か国は、バランスを主訴し、支援というのは第3者レビューで出てきた提案の多数の要素の一つに過ぎないと述べた。ある締約国は、第3者レビューでは経済移行国の困難さを考慮に入れていないとして、このレビューでの提案に異議を唱えた。

5月10日木曜日の閉会プレナリーにおいて、SBIは、結論書並びにCOPへ送られるべき決定書草案を採択した。ベラルーシは、経済移行国の場合に関するステートメントを発表、SBI報告書に正式に添付されることとなった。

SBI結論書:結論書草案(FCCC/SBI/2018/L.15)において、SBIは、CTCNの効果ある実施の第3者レビューにおける結論及び提案、さらにはこれらの結論及び提案に対するUNEPの管理対応を議論し、この問題に関する決定書草案(FCCC/SBI/2018/L.15/Add.1)を、COP 24における審議及び採択にかけるため、提案した。

気候資金関係問題:パリ協定9.5条に則り締約国が提供すべき情報の特定:この項目は、初め、SBIプレナリーで取り上げられ、その場ではUNEP管理対応(FCCC/SBI/2018/INF.5)が提起された。Peter Horne (オーストラリア)及びSeyni Nafo (マリ)を共同進行役とする非公式協議で議論が続けられた。

非公式協議において、ある開発途上国グループは、他の者の支持を得て、議論のためのCRPを提示した。共同進行役が非公式ノート改訂版を作成することから、この提案は他の提出文書と共に考慮に入れることで合意した。改定された非公式ノートにおいて、共同進行役は、強化された情報に関する文章を5つのセクションに分ける構成を提案した:異なる資金源からの気候資金の供与及び動員で期待される水準のさらなる明確化;政策、プログラム、優先度;広範な資金源からの追加資金を動員する行動及び計画について;適応と緩和のバランス;可能にする環境。一部のものは、内容に予断を加えないよう各セクションの題目を短くするよう提案し、あるグループは、決定書のスリム化及び要素の特定を提案した。

共同進行役は、非公式ノートの第2版を作成、締約国はこれを歓迎した。一部の締約国は、先進国は情報を提供「すること(shall)」とし、他の者はそれをするよう「奨励される(encouraged)」と表現を明確にするよう提案した。他のものは、この段階での文章の編集に警告を発した。締約国は、結論書草案で合意し、非公式ノートに基づく議論を続けることで合意した。

プレナリーで、SBIは、結論書を採択した。

SBI結論書:結論書(FCCC/SBI/2018/L.13)において、SBIは:共同進行役作成の非公式ノートを歓迎する;SBI議長に対し、APA共同議長と協議し、この項目に関する一貫性及び協調を確保するよう要請する;SB 48-2においても非公式ノートに基づき、この問題の審議を続けることで合意する。

キャパシティビルディングに関係する問題:この小項目は、初め、SBIプレナリーで取り上げられ、条約及び京都議定書の下で設立された組織のキャパシティビルディング努力に関するとりまとめ統合報告書(FCCC/SBI/2018/3 and Add.1)、及びキャパシティビルディング枠組の実施に関する統合報告書(FCCC/SBI/2018/5)が提起された。SBIは、両方の小項目を、Jeniffer Collado (ドミニカ共和国)及びMakoto Kato (日本)を共同進行役とする非公式協議で議論することで合意した。

5月3日木曜日、キャパシティビルディングに関するダーバンフォーラムの第7回会合が開催された。ここでの議論は、右記にまとめられている:http://enb.iisd.org/vol12/enb12720e.html

キャパシティビルディングに関するパリ委員会:キャパシティビルディングに関するパリ委員会(PCCB)の第2回会合は、5月3日木曜日から5日土曜日にかけて会合した。土曜日、PCCBは一連の成果を採択した。

PCCBの成果:5月3-5日に開催された第2回会合で、PCCBは、特に次の項目で合意する:

  • 2017-2019年のローリング作業計画の実施:アウトリーチ、利害関係者の参加、資源動員に向けての戦略を作成する;各作業部会のビジョン及び行動計画を、明確な時間枠内で設定する;非締約国利害関係者との協力関係を続ける;COPに対し、特定の提案を行う;
  • 2018年のPCCBの焦点分野/テーマ:資金メカニズムの運用組織、並びに条約構成機関、他の関連する組織及びイニシアティブと、PCCBとの協力関係を強化する;クロスカッティング・イシューに関係するキャパシティビルディングのギャップへの対応を続ける;COP 24において、人権と気候変動の問題に関する活動を組織する;気候変動計画におけるクロスカッティング・イシューの統合に特化した分野をキャパシティビルディングのポータルに創設する;
  • 2019年のPCCBの焦点分野/テーマは、2018年の焦点分野の継続、またはパリ協定の下でのNDCs実施を目的とするキャパシティビルディング活動をテーマとし、PCCBの会議に招聘すべき代表に関する議論もテーマとする;
  • PCCBの技術的進捗状況に関する年次報告書の概要に関するCOPへの報告、報告書は2018年8月に最終決定される。

条約の下でのキャパシティビルディング:提案された結論書草案に関する非公式協議において、締約国は、キャパシティビルディングに関するダーバンフォーラムの作業にどう言及するか、キャパシティビルディングの重要性をどう特徴づけるか、実施の進捗状況について議論した。

進捗状況に関し、開発途上国は、キャパシティビルディング枠組の実施では進捗があったとし、この進捗状況は評価されたが、ギャップは依然存在すると、結論書草案に反映させるよう提案したが、先進国は、このような評価は不必要だと論じた。

キャパシティビルディングに関するダーバンフォーラムに関し、開発途上国数か国は、フォーラムは意見交換の場を提供するが、不十分であり、(このフォーラムには)より多くの時間を割くべきだと述べた。

条約の実施におけるキャパシティビルディングの重要性に関し、 一部の締約国は、実施を「強化する(enhancing)」上で重要だと提案したが、他の者は、実施を「効果的で持続的なものにさせる(enabling the effective and sustained)」上で重要だと述べた。結局、締約国は、「条約の効果的な実施を強化する(enhancing the effective implementation of the Convention)」という表現で合意した。

5月10日木曜日、SBIは、結論書を採択した。

SBI結論書:結論書(FCCC/SBI/2018/L.5)において、SBIは特に:

  • 事務局が作成した統合報告書及びキャパシティビルディングに関するダーバンフォーラム第6回のサマリー報告書を歓迎する;
  • 決定書2/CP.7に記載する開発途上国でのキャパシティビルディングの目的及び範囲の価値を再度述べ、開発途上国におけるキャパシティビルディング枠組の実施では、制度やシステム、個別のレベルで一定の進捗があったと指摘する;
  • 条約の効果ある実施を強化する上でのキャパシティビルディングの重要性を指摘し、条約及びパリ協定の内容における現在の、及び新しく登場する分野でも、開発途上国におけるキャパシティビルディング枠組のさらなる実施を考慮に入れるべきと指摘する;
  • キャパシティビルディングに関するダーバンフォーラムの価値を認識し、このフォーラムは、条約の下での及びその外部での広範な利害関係者の間で、情報、グッドプラクティス、学習事項を継続的に交換する手段という役割を果たすほか、キャパシティビルディングの効果性のモニタリング及びレビューにインプットを提供すると指摘する;
  • PCCBがこれまでに果たした進捗を感謝の念と共に指摘する;
  • キャパシティビルディングに関するダーバンフォーラムの第7回会合、及び本会合で開催されたPCCBの第2回会議における、国家決定貢献の実施に向けたキャパシティビルディングという共通のテーマを歓迎する;
  • 能力では、たとえばNDCs、NAPs、計測・報告・検証、気候資金へのアクセス、及び統合報告書に概要を示す他のものに関し、ギャップやニーズ及び制約条件が登場していることに留意し、締約国及び利害関係者がこれらの問題に取り組む努力を強めていることを歓迎する;
  • 開発途上国におけるキャパシティビルディング枠組の実施継続では、小国内、国内、地域内レベルで多様な利害関係者が参加することが有用であり、重要であることに留意する。

議定書の下でのキャパシティビルディング:合同非公式協議での議論は、上記、条約の下でのキャパシティビルディングに関する小項目の下でまとめられている。

5月10日木曜日、SBIは結論書を採択した。

SBI結論書:結論書(FCCC/SBI/2018/L.6)において、SBIは特に:

  • 事務局の作成した統合報告書及びキャパシティビルディングに関するダーバンフォーラムの第6回会議のサマリー報告書を歓迎する;
  • 決定書2/CP.7に記載する開発途上国でのキャパシティビルディングの目的及び範囲の価値を再度述べ、開発途上国におけるキャパシティビルディング枠組の実施では、制度やシステム、個別のレベルで一定の進捗があったと指摘する;
  • 京都議定書の効果ある実施を強化する上でのキャパシティビルディングの重要性を指摘し、京都議定書の内容における現在の、及び新しく登場する分野でも、開発途上国におけるキャパシティビルディング枠組のさらなる実施を考慮に入れるべきと指摘する;
  • キャパシティビルディングに関するダーバンフォーラムの価値を認識し、このフォーラムは、条約の下での及びその外部での広範な利害関係者の間で、情報、グッドプラクティス、学習事項を継続的に交換する手段という役割を果たすほか、キャパシティビルディングの効果性のモニタリング及びレビューにインプットを提供すると指摘する;
  • 能力では、たとえばNDCs、NAPs、計測・報告・検証、気候資金へのアクセス、及び統合報告書に概要を示す他のものに関し、ギャップやニーズ及び制約条件が登場していることに留意し、締約国及び利害関係者がこれらの問題に取り組む努力を強めていることを歓迎する;
  • 開発途上国におけるキャパシティビルディング枠組の実施継続では、小国内、国内、地域内レベルで多様な利害関係者が参加することが有用であり、重要であることに留意する

対応措置実施の影響:改善されたフォーラム及び作業プログラム:この項目は、初めプレナリーで取り上げられ、続いてAndrei Marcu (パナマ)及びNataliya Kushko (ウクライナ)を共同進行役とするコンタクトグループ及び合同の非公式協議で議論された。これらの非公式協議では、京都議定書3.14条に関係する問題、決定書1/CP.10(適応及び対応措置に関するブエノスアイレス作業プログラム)の実施進捗状況を含める、全ての小項目を検討した。

4月30日から5月1日、締約国は、改善されたフォーラムの作業プログラムに関係する経済モデル化ツールの利用に関するフォーラム内訓練ワークショップに参加した。全ての締約国は、このイベントに対する感謝の意を表し、一部のものは、次のような結果を得られたと強調した:データの限界が重要である;先進国と開発途上国では専門性が不均衡である;定性的な評価も重要である;境界を横断する研究が少数である。一部の締約国は、このワークショップは多くの交渉担当者にとり技術的すぎたと指摘した。続いて行われた非公式協議で、締約国は、改善されたフォーラムのレビュー範囲を議論した、これはCOP 24までにまとめることが求められている。

5月10日木曜日の閉会プレナリーで、SBIは結論書を採択した。

SBI/SBSTA結論書結論書(FCCC/SB/2018/L.4)において、SBI及びSBSTAは特に:

  • 事務局に対し、フォーラム内訓練ワークショップに関する報告書を作成し、SBSTA 49/SBI 49の審議にかけるよう要請する;
  • レビュー範囲(結論書の附属書に記載するとおり)で合意する;
  • 締約国及びオブザーバーに対し、改善されたフォーラムの作業に関するそれぞれの意見を、9月21日までに、文書提出用ポータルを通し提出するよう招請し、事務局に対し、提出文書に基づき統合報告書を作成するよう要請する;
  • SBSTA 49/SBI 49に合わせ、改善されたフォーラムの作業に関する一日レビューを行い、レビューの結論を出すことで合意する;
  • パリ協定においても役割を果たすフォーラムに関する決定は、PAWPの一部として、CMA 1-3(2018年12月)で行われ、その時点で、このフォーラムはパリ協定での役割を開始することになると指摘する;
  • 改善されたフォーラムのレビュー結果は、条約、京都議定書、パリ協定で役割を果たすフォーラムの作業プログラム及びモダリティに情報を提供すると指摘する。

対応措置の実施影響に関するフォーラムのパリ協定の下でのモダリティ、作業プログラム、機能:この項目は、初めプレナリーで議論され、続いてAndrei Marcu (パナマ)及びNataliya Kushko (ウクライナ)を共同進行役とするコンタクトグループ、及びSBSTA議長とSBI議長による合同の非公式協議で議論された。共同進行役は、2018年3月16日付のSBSTA議長及びSBI議長の非公式ノートに対する非公式な改訂版を作成し、フォーラムのモダリティ、作業プログラム、機能の要素案の概要を示した。機能に関し、一部の締約国は、詳細なリストを希望したが、他の者はそのようなリストは作業プログラムを超えるものだと異議を唱え、経済多角化及び正当な移行に焦点を当てる、より一般的な指針を希望した。一部の先進国は、機能の中の監督及びモニタリングという業務機能に異議を唱えた。一部の先進国は、動的な作業プログラムを反映する文章を主唱したが、一部の開発途上国及びグループは反対した。

5月10日木曜日の閉会プレナリーで、SBI及びSBSTAは結論書を採択した。

SBI/SBSTA結論書:結論書(FCCC/SB/2018/L.3)において、SBI及びSBSTAは合同で、特に:

  • 再会会合においては、コンタクトグループ共同議長が作成した、SBSTA及びSBIの議長の非公式文書に対する改訂版に基づき、この問題での審議を続けることで合意する;
  • 共同議長の改定された非公式文書の内容は、締約国間での一致した意見を示してはいないと指摘する;
  • CMA 1での審議及び採択に向け、これらの議題小項目の下で作成された提案には、CMAは、決定書1/CP.21の33項及び34項のとおり、このフォーラムがパリ協定でも役割を果たせるために必要な手順上の段階を踏むとする表現が含まれることで合意する。

パリ協定の下での行動強化を目的とする、教育、訓練、啓発、一般の参加、情報への公的アクセスの実施を強化する方法:この項目は、初めSBIプレナリーで取り上げられ、その後、Albert Magalang (フィリピン)を進行役とする非公式協議で議論された。

教育、訓練、啓発、一般の参加、情報への公的アクセスを強化する方法に関する気候エンパワーメント行動(ACE)のワークショップは、5月1日火曜日に開催された、そのサマリーは下記参照: http://enb.iisd.org/vol12/enb12718e.html

気候エンパワーメント行動の第6回ダイアログは、5月9日水曜日に開催され、非締約国利害関係者の参加を一層強化する機会について議論した、このサマリーは下記参照: http://enb.iisd.org/vol12/enb12725e.html

5月10日木曜日、SBIは結論書を採択した。

SBI結論書:結論書(FCCC/SBI/2018/L.3)において、SBIは特に:

  • ACE若者フォーラム及びACEワークショップの成果を認めると共に歓迎する;
  • 締約国及びオブザーバーに対し、第7回会合期間中ACEダイアログの議題について、それぞれの意見を2019年3月10日までに提出するよう招請する;
  • 条約6条に関するドーハ作業計画のレビューに対する委託条件作成プロセスに関し、COP 24での審議及び採択のため、結論書草案(FCCC/SBI/2018/L.3/Add.1)を推奨する;
  • CMA 1での審議及び採択に向けACEに関する決定書草案(FCCC/SBI/2018/L.3/Add.2)を推奨する。

ジェンダー:この項目は、初めSBIプレナリーで取り上げられた。SBIは、ジェンダーに対する配慮をUNFCCCワークストリームの中に取り込むためのきっかけに関し事務局が作成した技術報告書 (FCCC/TP/2018/1)に留意し、これを、SB 48においてジェンダーに関係して義務化されていたイベントに関する報告書と共に、COP 24での審議に向け送致する。

ジェンダー及び気候変動に関する会合期間中ワークショップは、2部に分かれた開催された。第1部は、5月2日水曜日に開催され、第2部は5月9日水曜日に開催された。第1部のサマリーは下記参照:http://enb.iisd.org/vol12/enb12719e.html

第2部のサマリーは次を参照: http://enb.iisd.org/vol12/enb12725e.html

構成組織及びジェンダーへの配慮の組み込みに関する会合期間中ダイアログは、5月5日土曜日に開催された、そのサマリーは右記参照:http://enb.iisd.org/vol12/enb12722e.html

政府間会議:この問題(FCCC/SBI/2018/7)は、初めSBIプレナリーで取り上げられ、続いてDeo Saran (フィジー)を共同進行役とする非公式協議で議論された。

2つのオブザーバー組織は、UNFCCC及びそれに関連する制度の目的とは相反する商業上の利益を有する組織に対し、オブザーバーの地位を否定する利益相反政策を求めた。別なものは、全ての非締約国利害関係者の参加継続を求め、気候変動の対応においては、ビジネスは重要な役割を果たすと主張した。締約国数か国は、参加性は価値あるものだが、利益相反がある場合はオブザーバーの参加に制約を加えるべきことで合意した。参加性に関する広範な問題に関し、ある締約国は、実施への参加と規則策定プロセスへの参加を区別するよう提案し、後者については限界を設けるべきと述べた。

2020年以後の会合の頻度について議論する必要があるとの意見が出てきた。一部の締約国は、重要な政治的機会に合わせて会議するよう求めたが、他の者は、そのような議論は時期尚早だとした。他の者は、会議場所の検討を提案した。締約国は、SBI 50においてこの問題を審議することで合意したが、議論について情報を提供すべく事務局が事前に、テクニカルペーパーを作成すべきか、それともSB 50での議論から情報を得て、事後にすべきかでは、意見が分かれた。さらに締約国は、非締約国利害関係者の参加を推進する最善の方法でも意見が分かれ、多数の締約国は、アクセスの制限は利害関係者間の差別となる可能性があるとして警告した。

5月10日木曜日、SBIプレナリーは結論書を採択した。

SBI結論書: 結論書(FCCC/SBI/2018/L.12)において、SBIは特に:

  • ポーランド政府に対し、COP 24の準備状況に関し、追加情報を提供し続けるよう招請する;
  • 開放性、透明性、参加性の原則に従うことの重要性を強調し、COP 24に向けての手配に関する意志決定では、確立された手順を守ることが重要であると強調する;
  • タラノア・ダイアログの政治段階、気候資金に関する第3回ハイレベル閣僚ダイアログ、気候行動強化に関するハイレベルイベント、プレ2020年の実施及び野心に関するストックテイクのCOP 24結論書が重要であると強調する;
  • 締約国に対し、COP 25及びCOP 26主催を申し出るよう招請する;
  • 2020年以後に行われるこの条約の最高機関の会合を開催する頻度及び場所に関し、本会合で表明された締約国の意見に留意し、SBI 50におけるこの問題の追加審議で合意する;
  • 事務局に対し、締約国の提出文書に関する統合報告書を作成し、これら提出文書に記載される多様な提案が予算その他に与える影響に関する情報ペーパーも作成するよう要請する;
  • r政府間プロセスにおける非締約国利害関係者の参加強化が重要であると再度表明し、これに関し、締約国が賛否両論の意見を表明したことに、留意する。

事務管理、資金、制度上の問題:事務局の機能及び運営の継続レビュー:事務局は、次の二つのイニシアティブについて報告した:3つの補助機関を横断する事務局の役務の調整、これには実際のオフィス統合、及び最近開始された事務局の長期的構造レビューを含める。

予算上の問題:開会プレナリーで、この問題を初めて審議した、これには次の問題が含まれた:2017年の事務局の活動、プログラム実施の注目点、資金実績(FCCC/SBI/2018/INF.3);決定書の優先順位付けで可能な手法及び予算への影響(FCCC/SBI/2018/INF.2);2020-2021年の2年間予算および作業計画(FCCC/SBI/2018/INF.4 and Add.1)のプレゼンテーションを強化する可能性;2018年4月13日時点での貢献の状況(FCCC/SBI/2018/INF.6);予算プロセスの効率及び透明性を高める方法に関するテクニカル・ワークショップ(FCCC/SBI/2018/2)。

SBIは、結論書を採択した。ガボンはアフリカングループの立場で発言し、本項目に関する文書に非公式な「国連気候変動」という名称を用いることに異議を唱えた。

SBI結論書:結論書(FCCC/SBI/2018/L.11)において、SBIは:

  • 現在及び前回の2か年基本予算に対する寄付の未納が多額であることに関し、懸念を表明し、関係の締約国に対し、これ以上遅れることなく寄付を納付するよう強く要請する;
  • 事務局長に対し、基本予算への寄付の未納問題について二国間及び多国間の会議で締約国代表同士の意識啓発を行うよう要請する;
  • SBI 49において、寄付のレベルを高めるためのオプションの探求を続ける必要があると指摘する;
  • UNFCCCプロセスへの参加を目的とする信託基金、及び補助的活動への信託基金に対し、自主的に寄付を行った締約国に対し、感謝の意を表する;
  • 締約国に対し、2018年に可能な限り広範囲の参加を確保するよう、UNFCCCプロセスへの参加を目的とする信託基金に寄付を行うよう促し、UNFCCC作業計画の高度な実施を確保するため、補助的活動のための信託基金にも寄付を行うよう促す;
  • 2017年の年次報告書に留意し、年次報告書ではCOP 23要請のマンデートに対応しようと試みたが、将来の報告書は強化する必要があり、これはSBI 49で審議されるべきと指摘した。

会合報告書:SBIは、この報告書(FCCC/SBI/2018/L.1)を採択した。

科学的技術的助言のための補助機関

SBSTAは、4月30日月曜日に開会、議題書(FCCC/SBSTA/2018/1)を採択し、作業構成書で合意した。

SBSTA議長のPaul Watkinson (フランス)は、SBSTA副議長及び報告官に関し、協議が行われていると指摘した。副議長のAnnela Anger-Kraavi (エストニア)及び報告官のAderito Manuel Fernandes Santana (サントメプリンシペ)は、新しい候補者の指名があるまで、職にとどまる予定。

ナイロビ作業計画(NWP)この項目は、初めプレナリーで取り上げられ、SBSTA議長は次の項目を提示した:2016年5月以降、NWPの下で行われた作業の成果(FCCC/SBSTA/2018.2);NWPの下での実施進捗状況(FCCC/SBSTA/2018/INF.1);人間の居住における適応、主要な結果、今後の進め方(FCCC/SBSTA/2018/3)。その後の議論は、Julio Cordano (チリ)及びBeth Lavender (カナダ)を共同進行役とする非公式協議で行われた。

議論の焦点となったのは、次を行う方法に関し、BSTA 47で合意された3つの質問に基づく、NWPの効果性のレビューであった:パートナー組織の参加を強化して、これら組織の作業計画とNWPのテーマとのリンクを改善する;NWPによるマンデートの実現を確実にし、適応委員会及びLEGの作業に対するNWPの関連性を強化する。ある締約国グループは、適応のワークストリームを横断する活動の重複を回避するのが重要であると強調した。

条約とパリ協定の関係に関する意見は分かれた。一部の締約国は、「条約及びそのパリ協定(the Convention and its Paris Agreement)」というフレーズを希望し、この協定は条約の下のものだと論じたが、他のものは「条約及びパリ協定(the Convention and the )」という表現を希望した。

5月10日木曜日、SBSTAプレナリーは、結論書を採択した。

SBSTA結論書結論書(FCCC/SBSTA/2018/L.8)において、SBSTAは特に:

  • リマ適応知識イニシアティブのパイロット・フェースの一環として6つの小地域における優先度の高い知識のギャップを特定し、通知し、橋渡しをするため、世界の及び地域のパートナーを動員したことを歓迎する;
  • NWPは、そのマンデートへの対応を成功させたと結論付け、NWPに対し、適応及び回復力のための行動のための知識のハブとして、役割の強化を続けるよう奨励し、パリ協定に鑑み、NWPの関連性及び効果性の一層の改善を図るよう奨励する;
  • 事務局に対し、主要な題目分野において、NWPパートナー組織の現在の参画を一層推進するよう要請し、これにより、有用な知識製品を生み出し、特定された知識上のニーズに対応する行動との連携を図るよう奨励する;
  • 適応委員会に対し、決定書2/CP.17に則り、モダリティを通した協調を推進し、構成組織の作業計画に関連するNWPのマンデートの実現に向け助言を提供するよう招請する;
  • 事務局に対し、専門家ガイダンスの提供を可能にするため、関連のNWPパートナー組織及び他の組織との継続的な参加の機会を探求し続けるよう要請する;
  • 将来のNWPの題目分野は、気候変動に関係して新しく登場しつつある問題に焦点をあてるべきと結論づける、これには特に次を含める:極端な天候現象;海洋、沿岸地帯、生態系;農業及び食糧安全保障;緩慢に発生する現象;農村のシステム及びコミュニティ;生活及び社会経済的側面;
  • 今後は、NWPに関係する問題は各年度の最初の定期会合において審議すると結論付ける;
  • SBSTA 56において、NWPの運用上及び制度上のモダリティについて進捗状況を調査し、パリ協定の実施に関連する知識の議論におけるNWPの実績及び効果性を評価すると結論付ける。

適応委員会報告書:この項目は、SBIの下、4頁にサマリーを示す。

技術の開発及び移転:パリ協定10.4条の下の技術枠組:この項目は、初めプレナリーで取り上げられ、続いてCarlos Fuller (ベリーズ)及びMette Møglestue (ノルウェー)を共同進行役とする非公式協議で議論された。

非公式協議で、締約国は、 SBSTA 47の要請を受けSBSTA議長が作成した技術枠組み草案を審議した。一部の開発途上国及び締約国は、協定9.5条の要素を反映させる必要があると論じ、技術移転を成功させるための適切な支援が重要であると強調した。締約国は、他のプロセスとのリンク、特に透明性枠組とのリンクをどう扱うかで意見が分かれた、これはこれらの分野での成果はまだ不明なためである。締約国2か国は、この文書での「各国の国情、ジェンダーの観点、内在的な側面、先住民の側面(national circumstances, gender perspective, and endogenous and indigenous aspects.)」に配慮した支援という表現を称賛した。一部の開発途上締約国は、この枠組の運用を開始するための制度アレンジを、より明確な表現にするよう要請した。共同議長は、今後の議論の土台として、この枠組の最新の提案を更新するとのマンデートを負った。

5月10日木曜日の閉会プレナリーで、SBSTAは結論書を採択した。

SBSTA結論書:結論書(FCCC/SBSTA/2018/L.7)で、SBSTAは、SBSTA議長が作成した技術枠組草案の初版を感謝と共に歓迎し、今会合での締約国間の議論及び進捗状況を指摘した。SBSTAは、SBSTA 48-2において、技術枠組の構造を含め、その推敲を続けることで合意する。

研究及び組織観測:この項目は、プレナリーで初め取り上げられ、続いてFred Kossam (マラウィ)及びChristiane Textor (ドイツ)を共同進行役とする非公式協議で議論した。

非公式協議で、多数の開発途上締約国及び先進締約国とグループは、気候変動に関する政府間パネル (IPCC)で進められている作業に対し、感謝の意を表し、特に近く発表予定の1.5°C(温暖化)に関する特別報告書は、タラノア・ダイアログへのインプットとして有用であろうと指摘する。ある開発途上国グループは、他の締約国の支持を得て、1.5℃特別報告書を含める第6次評価報告書サイクルの制作品については、完成していないこと、まだ承認されていないことを理由に、明確な言及をすることに反対した。非公式協議では合意できなかったことから、この文章は現状のまま、SBSTAプレナリーに送られた。

5月10日木曜日の閉会プレナリーで、SBSTAは結論書を採択した。

SBSTA結論書結論書(FCCC/SBSTA/2018/L.11)において、SBSTAは特に:

  • IPCCの第6次評価報告書サイクル(脚注に、1.5℃特別報告書、第6次評価報告書、及び2件の他の制作努力に言及)で進められている努力を認める;
  • 特に開発途上国における研究能力の向上など、気候変動の研究に対する支援の継続及び強化を認識する;
  • 科学的データ及び研究の関連分野、並びに科学と政策のインターフェースでのコミュニケーションにおける、先住民の及び伝統的な知識の重要性を指摘する;
  • 2018年5月3日に開催された第10回研究ダイアログを、科学と政策のインターフェースでの議論を推進するというその目的と共に歓迎し、このダイアログのテーマの下では、科学者社会及びIPCCの作業が重要であると指摘し、締約国及び関連の組織に対し、多数の研究分野におけるギャップに対応すると共に、そのニーズにも応え、議長に対し、サマリー報告書を作成するよう要請する;
  • 締約国に対し、SBSTA 50及び以後のSBSTA会合に合わせ開催される研究ダイアログ会議で考えられる題目及び審議について、それぞれの意見を提出するよう招請する。

地方コミュニティ及び先住民(LCIP)プラットフォーム:この項目は、プレナリーで取り上げられ、続いてAnnela Anger-Kraavi (エストニア)及びCarlos Fuller (ベリーズ)を共同進行役とする非公式協議で議論された。5月1日火曜日に開催された会合期間中ワークショップのサマリーは、下記参照: http://enb.iisd.org/vol12/enb12718e.html

非公式協議において、締約国は、促進的作業部会、国家主権の役割対先住民について議論した。さらに「地方コミュニティ(local communities)」の意味についても議論した。

促進的作業部会においては、この作業部会の目的はLCIPプラットフォームのさらなる運用を図り、その機能の実施を進めることで意見の一致が出てきたが、この二つが別個の目的であるのか、それとも一つのリンクする目的の一部であるのかという点では意見が分かれた。この部会のマンデートに関し、はモダリティを、促進的作業部会を設立するCOP決定書において作成すべきか、それとも作業部会自体で作成すべきかで意見が分かれた。締約国は、先住民からのインプットを得て、先住民代表をこの作業部会に選任する方法、その代表者の任期をどうするか、その他の項目を議論した。

LCIPプラットフォーム及び作業部会の活動は、国家の領域面の統合性あるいは政治的な統一を「分断、もしくは損なう(dismember or impair)」 ような行動について、これを容認または奨励するものと解釈されないとの規定を入れるよう、ある開発途上国が提案したが、これについて広範な議論が行われた。数か国の先進国及び開発途上国は反対した。

SBSTAの閉会プレナリーにおいて、締約国は結論書の採択で合意した。(FCCC/SBSTA/2018/L.10) 議長のWatkinsonは、締約国はSBSTA 49においても、決定書草案の文書に基づき、この項目の審議を続ける予定と指摘した。

エジプトはG-77/中国の立場で発言し、中国及びエクアドルと共に、この項目での意見の一致がなかったのは遺憾であると述べた。オーストラリアは、COP 24での合意に向け「さらに倍の努力(redoubling efforts)」をするよう促した。カナダは、この項目に関するモーメンタムを続けていく必要があると強調した。欧州連合(EU)は、次のステップを待望した。ニュージーランドは、「共に前へ進む(moving forward together)」よう促した。ノルウェーは、「単純な(simple)」ガバナンス構造を求め、地方コミュニティ及び先住民は国家の主権に対する「脅威(threat)」ではないと述べた。

SBSTA結論書:結論書(FCCC/SBSTA/2018/L.10)において、SBSTAは、会合期間中の高く利害関係者ワークショップで、有意義な意見交換があったことを認めた。SBSTAは、SBSTA 49 (2018年12月)でも、非公式協議の共同進行役が提案する決定書草案文書に基づき、この問題の審議を続けることで合意した。

農業に関するコロニビア共同作業:この項目は、SBIの4頁にとりまとめられた。

対応措置:この項目は、SBIの7頁にとりまとめられた。

条約の下での手法論問題:附属書I締約国の年次インベントリ報告作成のUNFCCCガイドラインの改定::この問題は、プレナリーから始まり、続いてRiitta Pipatti (フィンランド)及びWashington Zhakata (ジンバブエ)を共同進行役とする非公式協議で議論された。

SBSTAは、閉会プレナリーで結論書を採択した。

SBSTA結論書結論書(FCCC/SBSTA/2018/L.4)で、SBSTAは:

  • 2006年IPCC国別GHGインベントリに対するIPCCの2013年補足文書:湿地について、これを自国のGHG報告に利用した経験に関し、締約国が提出した更新情報を歓迎する、さらに締約国に対し、この補足文書の利用で更なる経験を重ね続けるよう勧める;
  • 伐採木材製品に関係する二酸化炭素排出量及び除去量の報告作成について議論する、これにはこれらの推計値の報告における締約国の経験、及びこれらの数値を森林地排出量とリンクさせる経験も含める、さらに2006年IPCC国別GHGインベントリのガイドラインに規定する異なる手法の理解を進める上でも、また異なる手法を用いることで、伐採木材製品からの排出量もしくは除去量が過剰または過少に推計されることの影響可能性を指摘した;
  • SBSTA 51 (2019年11月)においても、この問題の審議を続けることで合意する。

附属書I締約国のGHGインベントリ、隔年報告書、国別報告書に関係して報告される情報の技術レビュー・ガイドライン:この問題は、プレナリーで議論を開始し、続いてRiitta Pipatti (フィンランド)及びWashington Zhakata (ジンバブエ)を共同進行役とする非公式協議で議論された。

SBSTAは、閉会プレナリーで結論書を採択した。

SBSTA結論書結論書(FCCC/SBSTA/2018/L.5)において、SBSTAは:

  • GHGインベントリ代表レビュアーの第15回会合からの結論書に留意する;
  • 机上のレビュー実施の改善点に関する情報を歓迎し、机上レビューの専門家を十分な人数確保することは、事務局にとり課題になっていると認識する;
  • 締約国に対し、机上レビューで候補指名した専門家の参加を奨励し、容易に参加できるようにすることを招請する;
  • 代表レビュアーの会議の結論は、机上レビューの組織はこれらの結論で提案されている行動から利益を得ていると指摘し、GHGインベントリの代表レビュアーに対し、机上レビュー実施の経験について会議で審議を続け、レビューの運用を改善する方法について提案するよう招請する;
  • SBSTA 51 (2019年11月)において、この問題の審議を続けることで合意する。

バンカー燃料:この問題は、プレナリーで議論が開始され、SBSTA議長が協議を行った。

プレナリーにおいて、国際民間航空機関(ICAO)は、持続可能な航空燃料推進の努力について報告し、UNFCCCとICAOの相互補完的な役割に注目した。国際海事機関(IMO)は、国際船舶輸送からのGHG排出量を2050年までに2008年比で少なくとも50%削減するという「初期戦略(initial strategy)」について報告した。

サウジアラビアは、自国はIMO戦略の総意には加わっていないと強調した。

閉会プレナリーでは、採択に向け結論書草案(FCCC/SBSTA/2018/L.6)が提示された。多数の締約国は、 ICAO及びIMOの報告を歓迎した。

ガボンはアフリカングループの立場で発言し、インドの支持を得て、ICAO及びIMOに対し、開発途上国に供与された支援に関し報告するよう要求するとの表現を追加する、口頭での改定を提案した。EU、チリ、オーストラリア、ニュージーランド、日本、ロシアは、口頭での改定を拒否した。

EUは、ICAO及びIMOから、さらに多くの情報がつまった総合的な報告の受理を期待すると指摘した。チリ及び環境十全性グループ(EIG)の立場で発言したスイスは、二重計算を回避し、環境の十全性を守るには、UNFCCC、ICAO、IMO間の協力体制を改善する必要があると強調した。

オーストラリアは、 said the UNFCCCにはICAO及びIMOの内容を判断する義務はないと述べた。ロシアは、締約国に対し、平行プロセスを尊重し、それぞれの努力に代わるものにしないよう促した。

SBSTA議長のWatkinsonは、意見の一致がなかったと指摘し、規則16を適用、この問題の審議をSBSTA 49に回した。SBSTA議長のWatkinsonは、関心のある締約国同士、及びICAOやIMOとの直接の意見交換を進めるため、SBSTA 24での非公式イベントの開催を提案したが、サウジアラビアからの異議を受けて、この提案を撤回した。

京都議定書の下での手法論問題:議定書3.3条及び3.4条、並びにCDMの下での土地利用、土地利用変化、森林(LULUCF)この問題は、最初、プレナリーで取り上げられ、続いてPaula Perälä (フィンランド)及びWalter Oyhantcabal (ウルグアイ)を共同進行役とする非公式協議で議論された。5月10日木曜日の閉会プレナリーで、SBSTAは結論書を採択した。

SBSTA結論書:結論書(FCCC/SBSTA/2018/L.2)において、SBSTAは、SBSTA 50 (2019年6月)において、この議題項目の審議を続けることで合意する、これは、決定書2/CMP.7の6項(CDMの下で可能性ある追加的LULUCF活動のモダリティ及び手順)、7項(非永久性のリスクに対応する代案のモダリティ及び手順)、10項(追加性の概念を適用するモダリティ及び手順)に言及する作業プログラムとの関係で、この問題に関する決定書草案を提案し、京都議定書締約国会議(CMP)の第15回会合(2019年11月)の審議及び採択にかけるとの観点に基づいており、さらに決定書2/CMP.7の5項(LULUCF活動による排出源からの人為的な排出量及び除去量の総合的な計算方法を探求する作業プログラム)に言及する作業プログラムの成果に関し、CMP 15に報告するとの観点に基づく。

パリ協定の下での6条関係問題:この問題は、初め、SBSTAプレナリーで取り上げられ、続いてKelley Kizzier (EU)及びHugh Sealy (モルディブ)を共同進行役とする非公式協議で議論された。

締約国は、SBSTA 47においてSBSTA議長に委託された6条の3つ全ての項目に関する要素案を記載した同議長の非公式文書を歓迎した。この非公式文書の第1回の全3項目に関する読み合わせで、共同進行役は、明確化のための質問を集めた。

第2回の読み合わせで、共同進行役は、SBSTA 47からの第3版の内容に鑑み、議長の非公式文書での誤謬、抜け、不正確な表現に関し、コメントを集めた。6条の3つの部分における特定の問題については、下記の関連セクションで論じられている。

共同進行役は、読み合わせで出された質問やコメントを反映する非公式ノートの改訂版を発行した。多数の締約国は、それぞれの立場が共同進行役の非公式ノートに正しく反映されていないとして懸念を表明した。

今後の進め方に関し、次が必要かどうかで締約国の意見は分かれた:テクニカルペーパー;提出文書;インプットを取り入れた新しいバージョンの文書作成に関する共同議長のマンデート。

さらに締約国は、SBSTA 48-2に合わせ、ラウンドテーブル会議開催を計画する必要があるかどうかでも意見が一致しなかった。広範な議論が行われた後、SBSTA議長は、ラウンドテーブルを括弧書きとし、APAで合意された作業モードに則った文書の調整をSBSTA議長に委任した上で、結論書草案で合意するよう締約国に提案した。多数の締約国は、APAとのそのようなリンクに異議を唱え、この項目は別個に議論されるべきだと発言した。さらなる非公式協議の後、締約国は、ラウンドテーブルなしで進めることで合意した。

6.2(ITMOs)に言及する協力的手法のガイダンス:締約国は、このセクションの2回の読み合わせを行い、次の問題などを提起した:全体的な緩和と協力的手法の環境十全性との違い;収入の一部徴収;多国間ガバナンス及び規則に基づくシステムにリストされた要素。締約国は、最終的な計算と協定4.13条(緩和の計算)とのリンクを反映させる最善の方法について議論した。文書の構成に関し、共同進行役は、要素の時系列での記載を目的に、SBSTA議長はノートの3版を次のように再構成したと説明した:すなわち、事前の締約国の報告及びレビュー;これに応じた調整;事後の締約国の報告及びレビュー。締約国は、原則、序文、範囲、目的など、このノートの要素に関しコメントした。締約国は、原則に関するセクションが必要かどうかで意見が分かれた。

SBSTAプレナリーは、5月10日木曜日、結論書を採択した。

SBSTA結論書結論書(FCCC/SBSTA/2018/L.12)において、SBSTAは:

  • 協定6.2条の協力的手法に関するガイダンスの推敲を続けると指摘する;
  • SBSTA議長作成の協力的手法に関するガイダンスの要素案を記載する非公式ノート、及びコンタクトグループ共同議長が作成した非公式ノート改訂版に留意する;
  • SBSTA 48-2においても非公式ノート改訂版に基づく審議継続で合意すると同時に、このノートは全員の意見の一致を示すものではないと指摘する。

協定6.4条により設置されたメカニズムの規則、モダリティ、手順:締約国は、このセクションに関し、2回の読み合わせを行った。締約国は、次の問題などを議論した:協定6.2条及び6.4条の非公式文書で、原則、序文、参加必要条件、資格などの要素が異なる理由;監督組織のガバナンス機能に関する推敲の根拠;共同進行役の非公式ノート3版とSBSTA議長文書の違い。監督組織に関し、締約国は特に次の項目について議論した:協定15条の下での実施及び遵守を促進するための委員会など既存のモデルの利用、及びPCCB;LDCs及び小島嶼途上国を代表するための代替モデル、及びこれら諸国の参加を図る方法;手順規則、これにはクリーン開発メカニズム執行理事会の規則の応用及びCMAとのリンクを含める;収入の一部徴収分の移動制度。適格な緩和活動に関し、締約国は、メカニズムの範囲に関し合意がないことを文書にどう反映させるか議論した。ホスト締約国の参加、便益、責任に関し、締約国は、人権と社会経済的にマイナスの影響との関係性、並びに協定6.2条と6.4条のリンクに関し、意見交換を行った。

SBSTAプレナリーは、5月10日木曜日、結論書を採択した。

SBSTA結論書結論書(FCCC/SBSTA/2018/L.13)において、SBSTAは:

  • 協定6.4条メカニズムの規則、モダリティ、手順の推敲を続けると指摘する;
  • SBSTA議長が作成した、メカニズムの規則、モダリティ、手順の要素案を記載する非公式文書、及びコンタクトグループ共同議長が作成した非公式ノート改訂版に留意する;
  • SBSTA 48-2においても非公式ノート改訂版に基づく審議継続で合意すると同時に、このノートは全員の意見の一致を示すものではないと指摘する。

6.8条に言及する非市場手法の枠組の下での作業プログラム:締約国は、このセクションの2回の読み合わせを行った。締約国は、次の項目などを議論した:序文が必要かどうか、原則が必要かどうか。原則を含める序文とすることが提案されたが、他の者は反対した。締約国は、対応措置による社会経済への負の影響の関連性についても議論したほか、官民の行動者の参加についても議論した。ガバナンス枠組のオプションに関し、締約国は、恒久的なフォーラムというのは、必ずしもタスクフォースや既存の委員会及び組織構成と相互に排除しあうものではないと指摘した。さらに締約国は、この小項目の作業プログラムの範囲についても議論した。

SBSTAプレナリーは、5月10日木曜日、結論書を採択した。

SBSTA結論書結論書(FCCC/SBSTA/2018/L.14)において、SBSTAは:

  • 協定6.8条に規定する非市場手法枠組の下での作業プログラムに関する決定書草案の推敲を続けると指摘する;
  • SBSTA議長が作成した作業プログラムに関する決定書草案の要素案を記載する非公式文書、及びコンタクトグループ共同議長が作成した非公式ノート改訂版に留意する;
  • SBSTA 48-2においても、非公式ノート改訂版に基づく審議継続で合意すると同時に、このノートは全員の意見の一致を示すものではないと指摘する。

協定9.7条の下での公的干渉により供与され、動員された資金源の計算モダリティ:この項目は、最初、プレナリーで取りあげられ、その後Delphine Eyraud (フランス) and Seyni Nafo (マリ)を共同進行役とする非公式協議で議論された。

非公式協議において、締約国は、共同進行役が作成した非公式ノートについて検討した。共同進行役は、会合期間中の議論に基づき、目的と原則;一般的な考察;クロスカッティングな考察を中心に構成される第2版を作成した、後者は共通の表形式報告フォーマットで提案される要素で構成された。締約国は特に次の定義方法について議論した:新規及び追加的な資金、気候専用資金。多国間基金からのアウトフローに関し、一部のものは、資金常任委員会の隔年報告書でまとめて報告することを提案した、これはそのようなアウトフローに個別のシェアを振り分けることには問題があるためである。一部のものは、多国間基金から直接気候資金に供与するフローと、支援が結果として気候の共通便益を生み出すフローとを区別するよう提案した。締約国は、透明性枠組に時期を得たインプットを提供する必要があることで合意した。

5月10日木曜日の閉会プレナリーで、SBSTAは結論書を採択した。

SBSTA結論書結論書(FCCC/SBSTA/2018/L.9)において、SBSTAは:

  • 共同議長の非公式ノートに反映された作業を歓迎する;
  • SBSTA 48-2においても、この非公式ノートや、提出された意見及び文書に基づくと同時に、これに限定されることなく、この問題に関する作業を継続することで合意し、その成果をCOP 24に送り、CMA 1での審議及び採択を目指し提案することで合意する;
  • SBSTA議長に対し、APA共同議長との協議を続け、透明性枠組の下でのモダリティでは重複を回避するとともに、その時機を得た統合を図るよう要請する。

他の国際機関との協力:この項目(FCCC/SBSTA/2018/INF.2)は、4月30日月曜日のプレナリーで審議された。SBSTA議長のWatkinsonは、協議を行った。

プレナリーで、IPCCは、IPCC作業プログラムの進捗状況に焦点を当てた、今後発表予定の特別報告書に関するものも含まれた。世界気象機関は、締約国に対し、気候サービスの国内枠組を設置するよう奨めた。世界気候研究プログラムは、近く制定が予定される10か年戦略計画に関し、情報交換を行った。地球気候観測システムは、今後予定される一連の地域別ワークショップに焦点を当てた。

国連教育科学文化機関(UNESCO)の国際海洋委員会(IOC)は、海洋系で起きている変化について理解を深める必要があると指摘し、さらに開発途上国での海洋学研究能力を高める必要があると指摘した。国連海洋会議は、海洋と気候変動耐性とのシナジーを強化することが重要だと強調し、UNFCCCのメンバー入りを奨励した。

国連食糧農業機関(FAO)は、農業に関するコロニビア共同作業の採択を称賛した。

閉会プレナリーで、SBSTAは結論書を採択した。

SBSTA結論書:結論書(FCCC/SBSTA/2018/L.3)において、SBSTAは、SBSTA 46以後の他の政府間組織と事務局の協力的活動のサマリーを歓迎する。

会合報告書:SBSTAはこの報告書(FCCC/SBSTA/2018/L.1)を採択した。

パリ協定特別作業部会

4月30日月曜日、APA共同議長のJo Tyndall (ニュージーランド)及びSarah Baashan (サウジアラビア)は、この会合を開会し、締約国は、APA 1議題書(FCCC/APA/2018/1)での審議を続け、非公式協議を通して作業を行う単一のコンタクトグループでの作業継続で合意した。第1週において、APAは、代表団長会議も開催した。さらにAPAは、適応報告書及び透明性枠組を議論すべく、合同の「パイロット(pilot)」非公式協議を開催した。

決定書1/CP.21 (パリの成果)の緩和セクションに関する追加ガイダンス:この項目は、初め、Sin Liang Cheah (シンガポール)及びGertraud Wollansky (オーストリア)を共同進行役とする非公式協議のプレナリーで議論された。締約国は、APA 1-4で共同進行役が作成した180頁の非公式ノートについて検討した、このノートは、次の3つの議題小項目を議論するように構成されている:NDCsの特性、NDCsの明確性、透明性、理解を進めるための情報、締約国のNDCsの計算方法。ある開発途上国グループは、他のグループ及び締約国の支持を得て、次を提案した:

  • このガイダンスは、規範的であろうとするものではない;
  • それぞれの能力を反映し、二分化されるべき;
  • 緩和、適応、実施手段を対象とすべき;
  • 開発途上国は、報告書作成を助けるキャパシティビルディングを必要としている。

ある先進締約国は、他の者の支持を得て、このガイダンスは緩和のみに焦点を当てるべきだとし、全ての締約国に共通のものとする一方、NDCの義務が厳格でない締約国に対しては異なる適用可能性とすべきだと論じた。別な先進締約国は、国内総生産(GDP)または排出量の水準に基づき、ガイダンスを差異化するよう提案したが、一部の開発途上締約国は反対した。締約国数か国は、伐採製品及び自然の錯乱に特化した土地利用計算ガイダンスが必要となる可能性があると示唆した。多くのものは、協力的手法に関する議論と調整するほか、透明性枠組の策定とも調整する必要があると強調した。用いるべき特化性の水準では意見が分かれ、一部の開発途上締約国は、NDCsの国家主導の特性及び締約国固有の能力に合わせる必要があると指摘し、他の者は、多様な約束のタイプを横断して、NDCsの緩和影響を理解できるよう、十分な詳細を示すガイダンスが必要であると論じた。

共同進行役は、議論及び提出文書に基づき、非公式ノートを補足する34頁の「ナビゲーション・ツール(navigation tool)」を作成、締約国はこの文書は議論のたたき台に追加的なものとして歓迎し、議論の土台としては、非公式ノートを超越するまたは置き換えるものではないと強調した。

適応報告書:この項目は、Julio Cordano (チリ)及びBeth Lavender (カナダ)を共同進行役とする非公式協議で議論された。

議論の焦点は、決定書草案文書の構成であり、ある開発途上国グループは、構成フォーマットを提案した。参加者は、この提案の示唆する題目はいかなる成果にも予断を加えるものではなく、全ての実質的なオプションは保持されるとの理解に基づき、APA 1-4の非公式ノートからの文章を提案されている構成に移す作業を共同進行役に委任することで合意した。

提案されている附属書に関し、ある締約国グループは、適応報告書の要素のうち共通するものとオプションのものに関するセクション間で、附属書Iの分け方を保持する必要があると強調した。別なものは、これらのセクションの合体を支持し、適応報告書に関し義務となっているガイダンスは存在しないと指摘した。締約国は、NDCsのガイダンスに関する2つ目の附属書の必要性で意見が分かれ、一部のものは、この疑問は議題項目のマンデートの一端と論じたが、他の者は、適応報告書のビーヒクルの選択における柔軟性が重要と強調した。

序文に関し、締約国は、UNFCCC及びパリ協定、それぞれの全体を網羅する規定の差異化でも意見が分かれた。さらにガイダンスの序文における協定の他の条項への言及を追加する、たとえばグローバル・ストックテイク及び透明性枠組、さらには国別報告書、隔年報告書、NAPsへの言及追加でも議論した。

最後の非公式協議において、締約国は、共同進行役非公式ノート第2版に対し、本会合での締約国からのインプットを反映させるかどうか、反省させる場合は、どのように反映させるか議論した。一部のものは、この協議の場では全てのインプットが議論されたわけではないとして懸念を表明し、参加者は今後の進め方に関し合意することができなかった。

APA項目3-8に関するコンタクトグループの続いての会合で、締約国は、このノートの最終版には締約国からの提案及び提出文書を記載する付随文書をつけ、次回会合で参加者がこの議題項目の議論を始められるようにするというAPA共同議長のBaashanが提案した提言で合意した。

5月9日水曜日、共同進行役は、改定された非公式ノートを発表した。

行動及び支援のための透明性枠組に対するモダリティ、手順、ガイドライン:この項目は、Xiang Gao (中国)及びAndrew Rakestraw (米国)を共同進行役とする非公式協議で議論された。締約国は、特に次の方法について議論した:

  • 技術専門家レビュー;
  • 進捗状況の促進型多国間考察;
  • 実施手段に関する情報;
  • GHGsの排出源からの人為的排出量及び吸収源からの除去量に関する国別インベントリ報告;
  • 気候変動の影響及び適応に関する情報;
  • 全体にわたる考察及び指針となる原則。

技術専門家レビューに関し、一部の締約国は、このレビューの範囲について次の項目に焦点を当てた:

  • 協定にあるものに限定すべき;
  • 「レビューされるべき情報(information to be reviewed)」と共に検討されるべき;
  • キャパシティビルディングのニーズは、当該締約国と共に決定されるべき;
  • 「既存のガイドラインに則り構築(building on existing guidelines)」という方法が含まれるべき。

レビューの頻度に関し、一部のものは、これは柔軟なものとし、次のように述べた:締約国の能力と結びつけるべき;報告は2年ごとに、隔年報告書と時期を合わせて提出されるべき; LDCs及び小島嶼開発途上国は、頻度に関しそれぞれの裁量を発揮できるべき。多様な締約国は、レビューのフォーマット用に提示されている方法の中には、さらなる明確化が必要なものがあると指摘した。

進捗状況の促進型多国間考察に関し、多数の締約国は、対面式の会議とオンライン構成との組み合わせについて検討する意志があると表明したが、少数の締約国は、参加に向けての技術的な課題や障害に対し、懸念を表明した。非締約国利害関係者の役割については、意見が分かれ、ある締約国は、これらのものの会議出席は認めるが、質問はしないことを提案した。このプロセスの頻度について、締約国の意見は、2年から5年と多様であった。

実施手段の情報に関し、多数の締約国は、協定9.7条に則り公的干渉を通して供与され、動員される資金源の計算方法は、SBSTAで策定されたものであるとして、これを組み込むことを支持した。あるグループは、ある締約国の支持を得て、作業を継続すると同時に、SBSTAでの成果に期待するよう提案したが、別なグループは、これらの資金計算モダリティからのインプットを、報告書作成ガイドラインに置き換えるにはさらなる作業が必要になるだろうと指摘した。

排出源からの人為的排出量及び吸収源での除去量の国別インベントリ報告に関し、締約国は、次に対する異なる方法を希望すると表明した:手法論、パラメター、データ;部門及びガス;報告フォーマット。多数の国は、これらの問題について、先進国の「遡及なし(no backsliding)」原則が反映されるのを確保する必要があると強調する一方、開発途上国、もしくはその中の少数のグループに対しては柔軟性が必要であると指摘した。この柔軟性をどのように運用可能にするかでは、意見が分かれた。

On 情報 on 気候変動の影響及び適応に関する情報について、締約国は、損失及び損害に関する情報を含めるべきかどうかで意見が一致せず、先進国は、これは13条(透明性枠組)の範囲外に当たると論じ、開発途上国は、損失及び損害は「気候影響(climate impacts)」の重要な要素の一つであると位置づけた。一部の締約国は、損失と損害に関する情報の追加はオプショナルとなりうると示唆した。

全体の考察及び指針となる原則に関し、締約国は、次の項目に含めることが最も適切な要素はなにか、意見発表を行った:モダリティ、手順、ガイドライン(MPGs);COP/CMA決定書;MPGs策定の指針となる全体の考察。締約国は、MPGsを採択するCOPそして/またはCMAの決定書において、可能な要素のリストを議論し、一部の国は、この議論は時期尚早だと評した。

5月9日水曜日、共同進行役は非公式ノート改訂版を発表した。

グローバル・ストックテイクに関係する問題:非公式協議の共同進行役は、Outi Honkatukia (フィンランド)及びXolisa Ngwadla (南アフリカ)が務めた。締約国は、APA 1-4の非公式ノートに記載されていない要素を特定し。次の項目の追加の明確化を探求した:ガバナンス構造;緩和、適応、実施手段と支援の3つのワークストリームの技術段階;パリ協定の他の要素とのリンク;ストックテイクの3つの段階のタイミング。

活動A(準備段階)に関し、締約国は、このタイミングでは活動の特性及び活動B(技術段階)との関係を考慮するよう提案し、関連組織に対し、活動Bより「相当前に(well in advance)」インプットを作成するとの明確な招請を含める。活動Bに関し、締約国は次を提案した:

  • SBSTA/SBI合同コンタクトグループの下での技術ダイアログ;
  • SB議長の責任の下でのワークストリームごとに分かれた技術ダイアログ、専任の共同進行役を有する;
  • 透明性を高めるため、並行での会合ではなく、オープンフォーラム方式の会合;
  • タラノア・ダイアログからのガイダンス。

活動C(政治段階)に関し、あるグループは、政治的な約束を宣言の形にするのに専念する閣僚セグメントを提案した。

締約国は、共同進行役のノートの最終版で合意した。締約国数か国は、グローバル・ストックテイクのための指針となる特定の質問をリストアップする附属書はこれに限定されるものではないことの確認を求めた。共同進行役は、第1回のグローバル・ストックテイクに向けた進捗状況を図示する「行程図(illustrative timeline)」を提示し、締約国は、準備段階、技術段階、政治段階を経るための適切な時間的余裕を確保するため、ストックテイクをいつ開始すべきか、意見交換を行った。締約国は、ストックテイク・プロセスは、次のものであるべきと強調した:ストックテイク用の柔軟性には、時間の経過と共に異なるものになりうる;インプットを統合するため、適切な時間的余裕を与える;IPCC報告書など、他の可能性あるインプットも考慮に入れる;交渉されていないアウトプットにも注意を払う。タイミングに関する締約国の提案には、インプットのリストは2021年に完成すべき、制度上の組織は2022年中にインプットを完成すべき、ストックテイク・プロセスは少なくとも1年は要すべきというものが含まれていた。

共同進行役は、予備的な資料文書をAPAコンタクトグループによる審議のため、同グループに送った。

実施を推進し遵守を促進する委員会の効果ある運営のモダリティ及び手順:この項目は、Janine Coye-Felson (ベリーズ)及びPeter Horne (オーストラリア)を共同進行役とする非公式協議で議論された。協議は、APA 1-4で共同進行役が提供した非公式ノートに基づき、進められた。締約国は、非公式ノートを実質的な文章要素を用いて推敲し、重複箇所を排除し、類似のオプションを統合する作業を行った。締約国は次の項目を議論した:初期設定(initiation)、措置(measures)、範囲(scope);行動とアウトプット;体系的問題。

初期設定、措置、範囲に関し、一部の締約国は、措置と範囲は初期設定の枠を通して検討されるべきだと考えたが、他の者は、パッケージの別個の要素だと述べた。範囲に関し、法的拘束力のある条項と法的拘束力のない条項とを区別するかどうか、客観的に検証可能な(binary)法的拘束力のある義務と、そうではない(non-binary)法的拘束力のある義務とを区別するかどうかでも、締約国の意見は分かれた。締約国は、範囲を初期設定とは違うものとして、要素草案の独自のセクションで議論する必要があるかどうかでも、意見が一致しなかった。

締約国は、共同進行役が示した次の3つの疑問点について考察した:問題を委員会に到達させる方法;委員会が審議でとるステップ;委員会が出し得る行動及びアウトプット。

初期設定モードに関し、全ての締約国は、自国参照(self-referral)をオプションとすべきことで合意し、一部の締約国は、特にNDC登録簿とのリンクを経由して提供される情報に基づく、binaryで法的拘束力のある義務の「客観的な(objective)」トリガーも支持した。この委員会のプロセスに関し、特に次の点で意見の集約が見られた:当該締約国とのダイアログの重要性、当該締約国が全面的に参加するダイアログの重要性;委員会では各国の能力及び状況を考慮に入れる必要性。

行動とアウトプットに関し、委員会がとりうるアウトプット及び措置のための多数のオプションを伴う「ツールボックス(toolbox)」手法、及び特定の事例で適用される措置に関する委員会の「限定的な裁量(bounded discretion)」では意見の集約が見られた。さらに多数の締約国は、特定の事例において措置及びアウトプットを決定する場合は、国の能力や状況を考慮に入れることが重要だと強調した。

体系的問題に関し、次の点で意見の集約が見られた:体系的問題に関するプロセスは、CMAもしくはこの委員会自体で開始される、さらにあるグループは締約国グループによる合同の照合を提案する;委員会は、他の関連組織から情報を取得するマンデートを負う;委員会のアウトプットは、委員会がCMAに対し行う年次報告書の中に記載される。

このあとの非公式協議で、締約国は、非公式ノートのスリム化に向け共同進行役が提供したツールを歓迎した。締約国は、このツールに関する考えを披露した、これには次に関するものが含まれた:

  • 定足数の要件;
  • 委員会のメンバーの個人的な能力及び専門家としての能力;
  • 体系的問題の定義;
  • CMAにおいて、委員会の手順規則を採択する期限;
  • 委員会は事務局(bureau)を持つべきかどうか;
  • 電子式の意思決定。

委員会の作業範囲及びその議事進行の開始は、グループにまとめられるべきか、それとも範囲に関する別個のセクションとすべきかどうかでは、意見が分かれた。締約国は、資金へのアクセスを容易にすることが、委員会のアウトプットとすべきかどうかでも意見が分かれ、一部のものは、これは「逆インセンティブ(perverse incentives)」を生む可能性があると論じた。

一部の締約国は、決定書には委員会が機能するのに必要な最小限の文章のみを記載し、手順規則は委員会自体の採択に残す必要があると述べた。

非公式ノートは、ツールの結果や提起された提案を含めるよう改定され、APAコンタクトグループに送られた。

パリ協定の実施に関係するさらなる問題:適応基金:非公式協議の共同進行役は、María del Pilar Bueno (アルゼンチン)及びPieter Terpstra (オランダ)が務めた。締約国は、協定9.5条 (事前の気候資金)に関係する追加的問題で、CMAでの審議が求められるものがあるかどうか、さらには適応基金がパリ協定でも役割を果たすにはどのような制度アレンジが必要か、議論した。

協定においても役割を果たすための適応基金の制度アレンジに関し、事務局は、この基金がCMPとCMAの両方で役割を果たすというシナリオ、並びにCMAのみで役割を果たすというシナリオにおける暫定的なアレンジについて明確な説明を提供した。締約国は、次の項目に関し、さらなる明確化を求めた:

  • 適応基金理事会(AFB)に対し、事務局及び評議会の制度アレンジを調整するよう委任できるのはどの組織か;
  • CMAは、この基金に対するCMPの権限を改定できるのかどうか;
  • 条約の資金メカニズム運用組織としてのこの基金の地位;
  • AFBの構成に関するマンデート;
  • この基金の運用が停止しないことを確保するため、決定を行うタイミング。

事務局は、関連するCMP決定書において、CMA専属で役割を果たす基金に発展するとの方向性が示されていることを確認し、AFBが制度アレンジを調整できるよう、暫定の移行期間(の設定)を提案した。

一部の締約国は、作業の優先度について議論し、COP 24の決定書では制度アレンジ、適応基金がCMAに対しても役割を果たすようになる開始日、CMAのみで役割を果たせるようになる最初の日について議論すべきと述べた。

改定された非公式ノートは、APAコンタクトグループに送られた。

適応基金を除く、さらなる問題:この項目は、APA共同議長のBaashan及びTyndallを共同進行役とする非公式協議で議論され、これまでのSB会議で議論されていない5件の追加可能性問題に焦点があてられた:

  • 資金に関し、新しい集団的数値目標を設定するプロセス;
  • 資金メカニズムの運用組織に対するCMAの初期ガイダンス;
  • 後発開発途上国基金及び特別気候変動基金に対するCMAの初期ガイダンス;
  • 既存のNDCsの調整に関するCMAの初期ガイダンス;
  • パリ協定9.5条に則った開発途上国への公的資金の供与に関する隔年資金情報報告書のモダリティ。

協定9.5条に関し、締約国は、パリ協定がこの条項のモダリティ拡大をPAWPに委任したかどうかでも意見が一致しなかった。2つの開発途上国グループは、どの情報を取りまとめるべきかを推敲するというSBIのタスクと、情報伝達義務の運用を開始するというCMAが行うべきタスクとを区別した。先進国数か国は、SBI議題項目は資金のコミュニケーションに関し、必要とされる明確な説明を提供していると論じた。

資金に関する新しい集団の数量目標を設定する件に関し、全ての締約国は、「2025年以前(prior to 2025)」に目標を設定するとのマンデートの重要性を認識した。CMA 1において、この問題に関する作業を開始するようCMAに求めるかどうかでは意見が分かれた。多数の開発途上国グループ及び締約国は、協議やニーズの評価を含める参加性の高いプロセスが必要だと論じ、「最後の瞬間に随意の(last-minute arbitrary)」目標となるのを回避しようとするなら、早々に開始する必要があると指摘した。数か国の先進国は、早すぎだと応じ、2020年目標、及び長期資金で現在進行中のプロセスで学んだ教訓に習う必要があると論じ、CMA 1の議題は既に野心的なものになっていると指摘した。

PAWPに関する各補助機関の作業での進捗状況の調査に関し、ある締約国は、特に次を提案した:全ての関連ある議長職合同のリフレクション・ノートを含める;全ての関連ある進行役による合同のストックテイク;多様なPAWP関係議題項目に対し割り当てられた審議時間に関する事務局の報告。数か国の締約国は、時間割の計算はあまり有用でないと感じ、あるものは、各項目にどれだけの時間が必要かの方に関心があると述べた。

ある開発途上締約国は、協定8.3条及び8.4条に則り、損失と損害に対する理解、行動、支援を強化するため。モダリティ、手順、ガイドラインを検討する余裕が欲しいと求める会合期間中提出文書を提示した。

共同進行役は、続いて、非公式ノートの最終版を作成、この中で協定9.5条に則った隔年に報告する情報のモダリティという1項目において、前進を図るため、2つの締約国が提出したオプションを附属書に記載した。さらにこのノートは、項目8(b)での進捗状況もまとめている。

APAコンタクトグループ:APAコンタクトグループは、作業モードを確立し、実質的な議題項目のそれぞれについて報告を聴き、結論書草案を採択するため、4月30日月曜日及び5月9日水曜日の2回、非公式協議で会合した。

結論書に関し、共同議長のBaashanは、初版の概要を提示した、この初版には、特に共同議長の非公式文書用の3つのオプションが記載された、これらは:APA 1-5の成果をスリム化するための共同議長の提案(オプション1);締約国による文書の要素草案または交渉用の合意された土台の作成に向け、一層の進捗ができるようにする方法についての共同議長提案(オプション2);または、文書の要素草案(オプション3)。同共同議長は、結論書は締約国に対し、注意を払う必要がある分野に関するそれぞれの意見を提出し、APA 1-6の前に、一日のラウンドテーブル会議を開催し、APAの項目同士の実質的なリンクに焦点を当てるよう招請すると指摘した。

締約国は、最初、結論書草案に関する考察を行い、その後文章案を議論した。少数のグループは、APA、SBI、SBSTA議長及び共同議長の合同リフレクション・ノートの提案を歓迎した。

非公式文書のオプションに関し、有志途上国グループ(LMDCs)の立場で発言したイラン、及びインドネシアは、PAWPの交渉は締約国国主導のままであるべきだと強調し、オプションの1を支持した。

アフリカングループの立場で発言したガボン、アルゼンチン、ブラジル、ウルグアイを代表して発言したアルゼンチンは、オプション2を希望し、共同議長の非公式文書は文書の成果案の作成に向け、更なる進捗ができると述べた。

小島嶼国連合(AOSIS)の立場で発言したモルディブ、LDCsの立場で発言したエチオピアはオプション3を支持した。

EUは、3つのオプションにおける質の違いを指摘し、EIGの立場で発言したスイスと共に、この文書には、プションで概要を説明する全要素の記載が可能だと述べた。チリは独立中南米カリビアン諸国連合(AILAC)の立場で発言し、柔軟性を表明し、オプション3の要素と合わせたオプション1を提案した。オーストラリアはアンブレラ・グループの立場で発言し、既存の非公式ノートでの作業を希望し、単一の進捗文書にするだけ議論が熟した項目が少なすぎると述べた。

ラウンドテーブルの提案に関し、少数のグループは、支持を表明した。EU及びアンブレラ・グループは、少数のAPA議題項目を横断するリンクに焦点を当てるとの提案を支持した。EIGは、たとえば協力的手法など、APAの項目ではないものとのリンクも議論すべきと提案した。AOSISは、どのラウンドテーブルも焦点を持つよう求めた。アラブグループの立場で発言したサウジアラビア及びアフリカングループは、全てのPAWP項目同士の相互リンクに焦点を当てるべきだと述べた。

時間の管理について、エジプトはG-77/中国の立場で発言し、追加会合では3つの組織全てにおけるPAWP項目を対象としてほしいとの希望を表明した。アフリカングループは、資金と適応にもっと時間を割くよう求めた。中国は、技術開発と移転などにより多くの時間を求めた。EIG、EU、アンブレラ・グループは、複雑な課題であればあるほど、より多くの時間を与えるよう提案した。

提出文書を求めることに関し、少数のグループは反対し、締約国の意見は明確になっており、インプットを追加する必要はないと述べ、一部のものは、締約国はいついかなる時でも文書を提出する自由があると指摘した。

アフリカングループは、締約国の提出文書は共同議長の非公式ノートに付されるとの確証を求め、文書提出を支持した。LMDCsは、APA 1-6以前に提出された文書を共同議長の非公式文書に載せるよう提案し、これは締約国の意見を省略、再解釈、または予断の加えることなく、さらにPAWPの成果に予断を加えることなく作成されなければならないとも述べた。ブラジルは、締約国には文書を提出する権利があることを結論書に反映させることを提案した。

APAコンタクトグループは、5月10日木曜日のAPA閉会プレナリーで採択された結論書草案に合意した。

APA結論書:結論書(FCCC/APA/2018/L.2)において、APAは特にAPA共同議長に対し、次のことを行うよう要請する:

  • 附属書に記載する非公式ノートに基づき、それぞれの責任において、追加のツールを作成、これに今回の会合におけるAPAの成果をスリム化する提案、さらには2018年8月1日までに交渉のたたき台での合意に向けさらなる進捗ができるような例を付する;
  • 8月中旬までに、これまでの進捗に関する合同のリフレクション・ノートを作成し、SBIおよびSBSTA議長と協議の上、今後の進め方を提案することを検討する;
  • 全てのPAWP項目の進捗における比較可能な水準について、SBI及びSBSTAの議長と協調を図る;
  • 適応報告書、資金関連問題、行動及び支援のための透明性枠組のための審議時間が不十分であるとの懸念を考慮に入れる。

APAは、APA 1-6までの会合期間の間隙に一日のラウンドテーブル会議を行うことでも合意する。さらにAPAは、このラウンドテーブルの範囲にはAPAのマンデートの枠外にあるPAWP関連問題を含めることでも合意し、APA共同議長に対し、この問題についてSBSTA及びSBIの議長と協議するよう要請する。APAは、事務局に対しても、PAWPの下での作業の概要を示すオンライン・プラットフォームを更新するよう要請する。

会合報告書: APAは報告書(FCCC/APA/2018.L.1)を採択した。

閉会プレナリー

SBI、SBSTA、APAは、5月10日木曜日に、合同のプレナリーを開催し、閉会ステートメントを聞いた。

UNFCCC事務局長のPatricia Espinosaは、引退するUNFCCC事務局員のHalldór Thorgeirssonに対する感謝の意を表明、多数の締約国がこれを支持した。

多数の締約国は、PAWPでは進捗が見られたが、さらに多くのことが残されていると述べた。多数のものは農業のロードマップも歓迎した。

エジプトはG-77/中国の立場で発言し、将来の会合におけるPAWPでのバランス良い成果を求め、プレ2020年の野心の強化及び支援の提供が必要だと強調した。同代表は、資金関連問題に関し進捗が必要だと強調し、透明性に更なる時間を割り当てるよう求めた。

EUは、カトヴィセではPAWPの結論を出すことがUNFCCCプロセスの信頼性の上で、極めて重要であると述べた。同代表は、タラノア・ダイアログの政治段階には、IPCCの1.5°C特別報告書から情報を得るべきであり、2020年までのNDCs作成にも情報を提供すべきだと強調した。

オーストラリアはアンブレラ・グループの立場で発言し、特に次を求めた:透明性枠組に関する作業速度を速める;ITMOsの利用における確固とした計算方法のリンクを認識する;より技術的に複雑な項目により多くの時間を割り当てる。

内容に焦点を当てるよう促し、共通の理解を強化するよう求めたスイスはEIGの立場で発言し、次の項目の審議により多くの時間を求めた:行動及び支援の透明性;協定6条(協力的手法);適応報告書;APA項目3の下での計算方法。

韓国もEIGの立場で発言し、促進的な意見交換を通して学んだことはパリ協定の下での透明性作業に情報を与えやすくするほか、締約国の参加も奨励すると述べた。

エチオピアはLDCsの立場で発言し、多くの問題が依然として「概念的な()」段階に留まっていると嘆き、移送の緊急性を強調した。

モルディブはAOSISの立場で発言し、COPの前に、1.5°C特別報告書の議論に特化した時空間を作るよう求め、適応基金の議論は、バンコクでのAPA 1-6での結論づけと、COP 24での決定を提案した。

イランはLMDCsの立場で発言し、特に次のものなど進捗のための重要要素を強調した:NDCの報告作成、及び緩和、適応、実施手段を横断する透明性における必要条件の差異化;;協力的メカニズムの将来のオプションに制限を加える過去の手法は認めないことが必要;対応措置の影響では国別の影響を考える必要がある。

ガボンはアフリカングループの立場で発言し、更なる進捗のためのAPA共同議長作成のツールを待望した。同代表は、多様な交渉項目を通し、進捗レベルが不均一であることに懸念を表明し、特に進捗が遅れているものとして次を挙げた:適応報告書;透明性枠組;協定9.5条。

キューバは米州ボリバル同盟(ALBA)の立場で発言し、2025年資金目標を含める資金関連問題での進捗の無さに懸念を表明した。同代表は、PAWPに限らず全項目で結果を出すことが、COP 24の成功を意味すると述べた。

サウジアラビアはアラブグループの立場で発言し、次を求めた:衡平性及び共通するが差異のある責任という条約の原則を約束する;全ての項目に関する文章案で同等の進捗;COP 24での最終成果は単一のパッケージにする。

コンゴ民主共和国は熱帯雨林諸国連合の立場で発言し、REDD+決定書を歓迎し、熱帯雨林諸国に対する官民資金による支援の増加を求めた。

アルゼンチンはアルゼンチン、ブラジル、ウルグアイを代表して発言し、バンコク会合でのラウンドテーブルではリンクに焦点を当てることを提案し、PAWPの全ての項目を横断してバランスのとれた進捗にするよう促した。

南アフリカはBASIC(ブラジル、南アフリカ、インド、中国)の立場で発言し、資金、適応、透明性に関する審議に更なる時間を求め、包括的で締約国主導の交渉文書に向け動く必要があり、プレ2020年の野心引上げに向けても動く必要があると強調した。

チリはAILACの立場で発言し、次を強調した:野心に関する共通の理解を進めるというタラノア・ダイアログの役割;科学的証拠と一致する規則体系の必要性;国際航空輸送のカーボン・オフセットスキーム(CORSIA)に関し、ICAOと緊急に協力する必要性。

トルコは、進捗の達成を歓迎したが、まだ多くのするべき作業が残っていると警告した。インドネシアは、REDD+の全面実施を待望し、YOUNGOs及びメキシコの支持を得て、LCIPの重要性を強調し、メキシコは、進捗の無さを嘆いた。フィリピンは、PAWPで出てきた最初の決定書であるCAEを歓迎し、新しい資金源の必要性を強調した。

COP 24議長のMichal Kurtykaは、カトヴィセで成功達成に向け机上での作業を進める必要があると強調し、前進に向けたAPAとSB議長との協力を称賛した。

YOUNGOsと気候行動ネットワークは、強力な利益相反政策を求め、Climate Justice Now!は、化石燃料の利用を終わらせるため供給側の政策を求め、現在からバンコクまでの時間を使って「行きづまりを解決する(clear blockages)」必要があると強調した。

先住民は気候危機の解決に貢献できると指摘した先住民グループは、LCIPプラットフォームの運用開始が必要だと強調した。

地方政府及び市町村当局(Local Governments and Municipal Authorities)は、NDCs及びNAPsを実施し、透明性を高める上での地方政府の努力を強調し、PCCBへの感謝の意を評した。

研究及び独立(Research and Independent)NGOsは、世界中の声に焦点を当てるなど、自分たちのメンバーが気候変動とその影響への対応に助力できる多様な方法を指摘した、

女性及びジェンダー(Women and Gender)は、パリ協定の序文に表明された原則に注目し、性の平等とは両性のバランス以上のことを意味すると強調した。

SBI、SBSTA、APAは午後7時41分に中断された。

ボン気候変動会議の簡易分析

ボン気候変動会議は、カトヴィセでの成功に向けステージを作るものと目されてきたが、パリ協定作業計画 (PAWP)の採択という大きな見せ場を用意するにはまだほど遠い段階にある。12月にポーランドで採択されるべきパッケージディールに向け、交渉自体は進んでいるが、多様な重要問題に関する締約国の意見は、いまだ集約されていない。

記念すべきパリ協定の「運用マニュアル(operating manual)」の作成に向けた進捗が必要であることに加え、ボン会議には、2018年のタラノア・ダイアログの一環としてUNFCCCj利害関係者も集められた。太平洋の物語伝説にちなんで築かれた、この「包括的で、透明、参加性の高い(inclusive, transparent, and participatory)」ダイアログは、パリ協定の長期緩和目標達成に向けた世界的努力を評価しようとするもので、締約国の将来的な国家決定貢献(NDCs)への情報提供を意図している。ボンで日曜日に行われた7回の「タラノア」では、気候変動への対応とその影響に関する、締約国、UNFCCC構成組織、政府関係者の物語に焦点が当てられた。

「日曜日のタラノア」では、疑問点を指針として気候変動対応の世界的努力を検討するよう、参加者は招請されが、同様に、ダイアログの中心となる3つの疑問点、すなわち「我々はどこにいるのか(Where are we?)」、「どこに行きたいのか(Where do we want to go?)」、「どうやってそこに行きつくのか(How do we get there?)」もまた、ボンで達成された進捗状況を理解し、カトヴィセまでの道筋で解決しなければならないものとして何が残されているかを理解する上で役立つ。

我々はどこにいるのか?

「我々は共通の使命でここにいる(We are all here on a common mission)。非難を応酬しあうのではなく、話を共にしようではないか(Let’s stop finger pointing and share our stories)。」― フィジー

ボンでの締約国の課題は、PAWPの重要要素に関するオープンエンドの議論を交渉文書草案に近づけていることであった。参加者は、2017年12月に残してきたところから開始、異なる議題項目を横断し共同進行役が作成した、長く厄介な場合が多い「非公式ノート」の議論を再開した。

Given the PAWの複雑さ、及びこの段階ではノートからいかなる要素も取り除かない、またはまとめたくないという締約国の望みがあることから、多数のものは、ボンでの「満足のいく(satisfactory)」成果という事務局長の評価は公平な評価であると考えた。しかし、締約国は満足してボンを離れるかもしれないが、9月のバンコクでの交渉に追加の時間を割り当てるという締約国の決定は、その底にある緊急性の感覚を表している。熟練の交渉担当者は、カトヴィセでのパッケージの採択に向けた道筋に残ろうとするなら、締約国はバンコク会議から交渉文書草案を得て登場する必要があると確信する。

PAWPの作業を前進させる上での課題の中には、多くの構成要素を横断して衡平な進捗を遂げる必要性がある。開会プレナリーを通し、締約国は、COP 24へ「バランスのとれた包括的なパッケージ(balanced and comprehensive package)」を届けるとの提案を繰り返していたが、実際、これが何を現実に意味するかについては、意見が異なっていた。適応や資金よりも緩和が前へいくのではないかと恐れる開発途上国は、「いかなる項目も残さない(no item left behind)」を共通のフレーズとして出してきた。逆に、先進国は、透明性枠組のような技術的に複雑な問題ほど、多くの作業時間を必要とするのが自然であると論じ、環境十全性グループは、「クローズ同士の機械的な分画(mechanical parity between clauses)」を追求することに警告した。締約国により異なる優先策同士のバランスをとる必要があることに加え、バンコクでの交渉担当者は、技術的な詳細と項目を横断する政治的な操作の余地とのバランスを見出す必要もある。

PAWP項目の相互リンクという特性は、別な課題を示している。NDCs、適応報告書、透明性、グローバル・ストックテイクのガイドラインを作成するには、各項目の詳細に稠密な注意を払うだけでなく、それぞれが相互にどう関係するかについても、慎重に検討する必要がある。締約国は平行した交渉を行うことから、タイミングも扱いにくい問題になる;一部のものは、要素の関係がどうなるか不確実な中、一つの項目の詳細を肉付けすることに躊躇した。ボンでは、APA共同議長が、このような相互リンクに対応すべく努力し、数回の代表団長会議を開催したほか、適応報告書及び強化された透明性枠組に関する「パイロット(pilot)」合同協議を開催し、より大きな観点から検討しようとした。バンコクでの追加会合に先立ち、APA、SBI、SBSTAの議長たちによる合同のリフレクション・ノートを作成するとのマンデートも、PAWPの要素同士の相互リンクの理解を進める機会を締約国に提供するほか、今後の進め方を考える機会も提供する。

カトヴィセで採択されるパッケージは、いかなるものでも当面は最後のものとなるとの集約的な意識も、このような動的要素を高めている。締約国は、パッケージから外された要素は協定の運用開始時にはわきに追いやられる可能性があること、さらには損失と損害のような懸念事項の位置を高め、資金が将来も流れることを確保するには、これは最後の大きな機会となる可能性があると恐れている。

どこへ行きたいと思うのか?

「2030年までに排出量のギャップを埋めるには3倍の野心が必要だ」-国連環境計画

タラノア・ダイアログにおける非締約国利害関係者の貢献は多くのものが歓迎したが、フィジーとポーランドの議長国にとり重要な課題は、この700件ものストーリーの「交響曲(orchestra)」から出てくる、進捗状況についての一貫性のあるメッセージの構築である。報告官は、報告書における重要なメッセージに焦点を当てる一方、自分たちはこれらのストーリーから「意見の一致(consensus)」を捉えようとはしていないと、慎重ながら強調した。ストーリーで示された豊富な経験は気候変動及びその影響における多方面での現実を知らしめたほか、これらの新しい現実への世界的な対応方法も示していることから、意見の一致を捉えるというのは、不可能であり、おそらくは望ましくないものと論じられよう。

 ボンでのタラノア・ダイアログは、PAWPに入れる必要があるものについてのビジョンの多様性が特徴であった。2015年のパリでの締約国会議は、世界的な意見の一致に達するため、さらにはCOP 21の政治的なモーメンタムで押し上げられたこともあり、緩和、適応、差異化、資金の予測可能性、技術、損失及び損害といった問題での奥深い違いを「文書でごまかした(papered over)」。PAWPの採択における2018年という期限は、締約国に対し、これらの違いについて再検討し、協定全体に亘る原則を、誰もが受け入れられる詳細なガイダンスに置き直していく「落としどころ(landing ground)」を見出すよう要請する。

とはいえ、「中間点(middle ground)」を見出すのは容易なことではない。あるオブザーバーは、各国は可能性ある妥協に向けた紆余曲折が始まるはずとはいえ、全てのオプションを机上に残したいと希望していることから、ボン会議はPAWPの交渉における「最も困難な段階(the most difficult stage)」を代表する可能性があると指摘した。しかし、タラノア・ダイアログのフォーマットや雰囲気は、インスピレーションを与える可能性がある。多くのものは、このダイアログの格式ばっておらず、対決構造でないことを歓迎し、この方式なら参加者は、「交渉相手ではなく人として(not as negotiators, but as human beings)」お互いに関わりあえると述べた。「相互の信頼(mutual trust)」、「惑星への忠誠(loyalty to the planet)」といった価値観に焦点を当てることで、(ダイアログでの)会話は、重要な時に、各国の方向性を、ほぼすべてのものが合意する大きな絵図に向け再修正する機会を提供した:パリ協定で設定されたビジョンを達成する必要性という大きな絵図である。

どうやってそこへたどり着けるのか?

「共にそこへたどり着くか、どこへもたどりつけないかだ」―アイルランド

しかし、どうやったらこのビジョンを達成できるのか?ボン気候変動会議では、特定の問題はさらなる技術的な審議の有用性が明らかになり、APAに対しては、バンコクでの再開会議において適応報告書や資金関係問題、透明性の審議により多くの時間を費やすことが提案された。多くのものは、複雑な議論が控えているとの展望から、各国の作業を推進させる追加の「ツール」を作成するようにとのAPA共同議長に対するマンデートを歓迎した、これには、ボンで作成された非公式ノートをスリム化する提案、及び交渉文書の作成に向け締約国が進展を図れる方法の例が含まれる。

時には、交渉を進めるには、より高い政治レベルでの議論を必要とする問題があるかもしれない。COP 23であったように、カトヴィセでのどのようなパッケージであれ、資金は「成否を左右する可能性がある(possible make-or-break)」政治的問題として出てきた。アフリカングループを中心とする開発途上国は、先進国による、協定9.5条の下での気候資金隔年表示(事前)報告書を一層明確なものにするモダリティの推進を続けるほか、協定9.7条の下で供与され(事後に)動員された支援に関しても更なる明確化を求めた。先進国は、9.5条のモダリティは選挙や予算のサイクルからして「問題外(out of the question)」だと主張した。この問題については、2020年までに1千億米ドルを動員するとの先進国の約束が実現の道筋にたっていないと、多数の開発途上国が受け止めていることで、その敏感さが一層高まった。開発途上国は、資金約束が実現するまで、PAWPを進めるのに必要な信頼性を現実のものにすることはできないと主張する。

NDCsの範囲、並びにNDCsに入れるべき情報も、技術面以上の約束が要求される可能性がある。ボンで合意された「航行ツール(navigation tool)」 はAPA 1-4で出てきた非公式ノートでの交渉に役立つだろうが、各国は、自国の計画する国家決定特性を保全する一方、パリ協定のボトムアップ方式の「プレッジアンドレビュー(pledge and review)」システムの信用を保持するに足るだけの信頼性及び比較可能性水準を確保し、この後に続くNDCsでより多くのことをするのに必要な信頼を築くにはどうするかという疑問にとらわれていることから、180頁のノートは机上に残ることになる。カトヴィセでは、特に緩和の進捗状況を考える場合、多数の開発途上国が適応及び資金でも比較可能な進捗を確保することを重要視しており、これを考慮に入れる必要があるだとう。

タラノア・ダイアログを、COP 24で始まる「政治段階(political phase)」に進めるには、ハイレベルな参加も極めて重要である、しかしボンを離れるにあたり、締約国及び非締約国利害関係者とも、この政治段階がどのようなものか、これは気候行動での世界の野心強化及びNDCsの規模拡大にどのように役立つのか、明確にするよう求めた。他方、多くの利害関係者は、気候変動に関する政府間パネルの1.5℃温暖化特別報告書を、客観的で科学に基づくインプットとして注視し、行動を高めることの緊急性に焦点を当てるだろうと述べた。ある参加者が強調した通り、これは国際社会にとりパリ協定の下で2023年に行われるグローバル・ストックテイクの前に気候行動の進捗を評価する最後の機会であることから、このような弾みがつくことは、極めて重要である。

カトヴィセへの道の先頭にたつのはだれか?

ボンを離れると、我々がどこにいるのか、どこへ行きたいのか、どうやってCOP 24を成功させるのかが、段々に明らかになってくる。それでも、カトヴィセが近づくにつれ、一部の締約国からは、更なる疑問点を憶測する声が聞こえてくる可能性がある:信頼ができ、バランスのとれたPAWPパッケージ、そしてタラノア・ダイアログが予想するNDCsの強化を実現するため、先頭にたつのはだれか?である。京都やカンクン、ダーバン、パリでのこれまでの合意では、米国やEU、中国などの主要国、AOSISやLDCsのような諸国連合の明確な指導力に、伝統的な分断を横断する連合を作ろうとする意志との組み合わせが有益であった。パリ以後の多国間の風景の再編成は、カトヴィセではだれが指導的立場に上り、指導者となるのかという疑問が残る。バンコクでの次のステップを展望する中、タラノア・ダイアログでは気候行動のための共通の包括的なビジョン促進が強調されており、このダイアログは「パリで開始されたことを終了させる(finish what was started in Paris)」よう、主要締約国を鼓舞してほしいと希望するものがいた。

今後の会議予定

GEF6回総会及び関連の会議:地球環境ファシリティ(GEF)総会は、GEFの統治組織で、全ての加盟国183か国で構成される。4年ごとに閣僚級会合を行い、一般的な政策を再検討するほか、GEFの運用について、カウンシル提出の報告書に基づきレビューし、評価する;ファシリティのメンバーシップについてレビューする;カウンシルの提案に基づき、構造改革されたGEFの設立文書に対する改定について審議し、満場の意見の一致をもって承認する。 日付;2018年6月23-29日  場所;ベトナム、ダナン  連絡先:GEF事務局  電話: +1-202-473-0508  ファクシミリ: +1-202-522-3240/3245  emailsecretariat@thegef.org  www http://assembly.thegef.org/

EUタラノア:タラノア・ダイアログへのEUの貢献の一環として、国際的に組織化されたハイレベルイベント、その目的は次のとおり:パリ協定の実施、並びに次期NDCsの作成に関係する議論を推進する;EUは、そのタラノア・ダイアログ提出の技術的文書に基づき、気候目標を実現し、低排出への移行を加速化しているか、その方法を示す;気候変動との闘いにおける全ての官民行動者の参加を支援する。 日付:2018年6月13日  場所:ベルギー、ブリュッセル  wwwhttps://ec.europa.eu/clima/events/eu-talanoa_en

持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラム(HLPF) 2018年:HLPF 2018のテーマは、 will be “「持続可能で強靭な社会に向けた転換(Transformation towards sustainable and resilient societies)の予定。一連の持続可能な開発目標(SDGs)で詳細なレビューが行われるのは、SDG 6 (水と公衆衛生)、7 (エネルギー)、11 (持続可能な都市)、12 (持続可能な消費及び生産パターン、15 (陸上の生命)、17 (パートナーシップ)。 日付: 2018年7月9-18日  場所:ニューヨーク、国連本部  連絡先:UN Division for Sustainable Development  emailhttps://sustainabledevelopment.un.org/連絡先/  wwwhttps://sustainabledevelopment.un.org/hlpf/2018

バンコク気候変動会議:この会議は、APA 1-5、SBSTA 48、SBI 48の再開会合、パリ協定作業計画に関係する問題を議論する。  日付:2018年9月3-8日   場所:タイのバンコク  連絡先:UNFCCC事務局  電話:+49-228-815-1000  ファクシミリ:+49-228-815-1999  email: secretariat@unfccc.int  www: http://unfccc.int/

グローバル気候行動サミット:カリフォルニア州知事のJerry Brownと米国のカリフォルニア州が開催するグローバル気候行動サミットは、政府やビジネス、国際社会のリーダーが集まり、気候変動の行動における世界の野心引上げを奨励する。このサミットの共同議長は、Governor Brown知事とUNFCCC事務局長のPatricia Espinosa、国連事務総長の気候行動特別大使のMichael Bloomberg、そしてMahindra GroupのAnand Mahindra議長が務める。 日付:2018年9月12-14日  場所:米国カリフォルニア州サンフランシスコ  wwwhttps://globalclimateactionsummit.org/

IPCC48回総会:IPCCの第48回総会は、1.5 ºCの地球温暖化に関する特別報告書を承認するため、会合する。 日付:2018年10月1-5日  場所:韓国、Incheon  連絡先:IPCC事務局  電話:+41-22-730-8208/54/84  ファクシミリ: +41-22-730-8025/13  email:IPCC-Sec@wmo.int  wwwhttp://www.ipcc.ch

カトヴィセ気候変動会議:カトヴィセ気候変動会議は、UNFCCC第24回締約国会議(COP 24)を含めるほか、合わせて、京都議定書締約国会議、科学的技術的助言のための補助機関会合、実施に関する補助機関会合、パリ協定締約項会議が開催される。 日付:2018年12月3-14日  場所:ポーランド、カトヴィセ  連絡先: UNFCCC事務局  電話:+49- 228-815-1000  ファクシミリ: +49-228-815-1999  emailsecretariat@unfccc.int  wwwhttp://unfccc.int/ and http://cop24.katowice.eu/

更なる会議の情報は右記を参照:http://sdg.iisd.org/

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