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地球交渉速報 (ENB)

第12卷 第755号 | 2019年6月24日(月)


ボン気候変動会議ハイライト

2019年6月22日 | ボン、ドイツ


言語: 英語 (HTML/PDF) 日本語 (HTML/PDF)
IISD/ENB ドイツ・ボン会合レポートのリンク先:http://enb.iisd.org/climate/sb50/

ボン気候変動会議は土曜日も続けられた。一日中、技術交渉が続いた。

SBI

共通時間枠:Grégoire Baribeau (カナダ)を共同進行役とする非公式協議で、締約国は結論書草案を審議した。多数の先進国及び開発途上国は、文書提出の招請、及びこれら提出文書の統合報告書の作成を提案したが、2つのグループは反対した。数名のものは、2019年での決定書を求め、将来のNDCsを計画し、策定する上での決定書の重要性を指摘した。2つの開発途上国グループは、決定書の日付を特定することに反対した。共同進行役は、締約国が合意に至る日付で意見が一致しなかったこと、及び統合報告書及び提出文書の提案でも意見が一致しなかったと、SBI議長に報告する。

気候変動の影響に伴う損失と損害のワルシャワ国際メカニズム(WIM)の2019年レビューの委任条件(ToR):締約国は、レビュー範囲の要素に関し、非公式協議を行った。多数のものは、WIMの次の3つの機能を満たしているかどうか、その実績を評価する必要があると強調した:包括的なリスク管理アプローチの知識及び理解を高める;関連する利害関係者間のダイアログ、協力、協調、シナジーを強化する;行動及び支援を強化する。一部の締約国は、最も脆弱な諸国、ジェンダー、脆弱な共同体の特別なニーズを考慮に入れるよう提案した。この点、あるグループは、国レベルでの支援アクセスへの対応を強調した。

多数のものは、WIMの時間枠を、WIM設立時から現在まででレビューすることで合意した。

数か国の締約国は、レビューからは成果よりもアウトプットとするよう提案し、これには情報を得た決定を行うための、報告書及びWIMを強化し向上させる方法についての提案が含まれる。効果性に関し、ある締約国は、タイムライン、アウトプットの質、締約国がこれらを利用するかどうかについて検討することを強調した。他のものは、科学技術機関からのアウトプットなど、実質的なアウトプットが各国にとり有益なものであったかどうか、検討することを提案した。

午後、インプットの情報源に関する締約国の意見はまとまり始めていた、この中には次のものにまつわるレビュー準備文書が含まれた:事務局のテクニカル・ペーパー;WIM執行委員会の年次報告書(ExCom);締約国の提出文書;関連のCOP決定書;執行委員会作業計画。’締約国は、レビューに有用な情報源を多数認識した、この中には国際報告書、国内及び地域の報告書、構成機関及び関連するUNFCCCイベントのアウトプットが含まれた。さらに締約国は、インプットの情報源としての科学報告書の必要性で合意した。協定第8条8 (損失と損害)に言及する必要があるかどうかでは意見が分かれた。共同進行役は、月曜日、非公式ペーパーを作成する。

適応基金理事会のメンバーシップ:Fiona Gilbert (オーストラリア)を共同進行役とする非公式協議では、結論書草案に関し、意見が大きく分かれた。締約国は、 共同進行役の非公式ノートを用いるか、結論書草案の中でこれに言及するか、あるいはこの会合で表明された意見を記載する付録を付けるかで合意することができなかった。

提案された決定書草案の文章に関し、締約国は、京都議定書及びパリ協定の締約国が理事会で役割を果たせる資格を有すると、SBIが決定するのか、それとも確認するのかで合意しなかった。

締約国は、適応基金がパリ協定のみで役割を果たし始めた時点で、理事会のメンバーシップのモダリティを検討するようCMAに招請するとのパラグラフに関し、反対意見を表明した。

ジェンダー:Penda Kante Thiam (セネガル)及びColin O’Hehir (アイルランド)を共同進行役とする非公式協議で、参加者は、COP 25向けの締約国の提出文書に情報を提供すべく共同進行役が作成した非公式ノートを採択した。締約国は、次のものなどについて議論した:ジェンダー行動計画の優先分野;ジェンダーに関するリマ作業計画;締約国からの他の提案;次のステップ。ジェンダーに関する議論は、COP 25において続けられる。

政府間会合のアレンジ:非公式協議では、会合の頻度、並びに進行役Una May Gordon (ジャマイカ)が提出した「要素(elements)」ペーパーに記載された非締約国利害関係者の参加に焦点を当てて議論した。一部のものは、頻度に関する議論継続を希望、他のものは議論の延期を希望した。一部の先進国は、コストその他の影響に関する事務局のペーパーを求めた。

非締約国利害関係者に関し、ある開発途上国グループは、全てのオブザーバーが条約及びパリ協定の目標を推進するため努力し続けることを確保する政策または枠組を提案した。ある国は、これに反対し、他のものは、このプロセスの政府間という特性を指摘した。あるグループは議題項目の下でグローバルな気候行動アジェンダの将来を検討するマンデートを求めた。非公式協議では月曜日、結論書草案を議論する。

SBSTA

ナイロビ作業計画:Monika Antosik (ポーランド)及びMajid Shafipour (イラン)は、共同進行役の結論書草案の最新バージョンを提出し、数か国の締約国は、この文書について大枠では同意すると述べた。ある締約国は、文章の変更箇所を検討するため、更なる時間を求めた。共同進行役は、最新文書草案を配布する。議論は続けられる。

科学研究及び組織的観測に関係する問題:共同進行役のRichard Muyungi (タンザニア)は結論書草案を提案した。意見が分かれた項目には、次が含まれた:2018年の世界の気候の状況に関するWMOのステートメント及び2018年温室効果ガス速報で報告された情報に「懸念と共に留意する(note with concern)」のかどうか;研究ダイアログの第10-回会合のサマリー報告書に「留意する(note)」か、それとも「歓迎する(welcome)」か。

共同進行役は、新しい理解を反映する草案を作成する。議論は続けられる。

気候変動に関する政府間パネルの1.5℃地球温暖化特別報告書:締約国数か国は、前回の会議の成果に失望感を表明し、結論書草案を作成するには共同進行役の文書草案を用いる必要があると主張したが、あるものは反対した。

ある締約国は、次の項目などにかなりの気がかりを示した:特別報告書から受けた知識のギャップ;執筆者の地域分布。多くのものが不同意を示し、次の表現を提案した:自国の国内政策に情報を提供するためこの報告書を利用するとの記述;この報告書は「自分たちの理解を深めた(enhanced their understanding)」;科学者社会に対し、現在の知識上のギャップを埋める努力を続けるよう奨める。

大半の締約国は、次回会合での結論書草案の提出を求め、懸念を表明した締約国は反対した。議論が続けられる。

パリ協定の下での手法論問題:NDCsの実施及び達成における進捗状況の追跡に必要な情報に関する共通箇条書きフォーマット(CTFs):非公式協議では、組織化されたサマリーに焦点が当てられた。全ての締約国は、これが「するものとする(shall)」という必要条件であると再確認し、異なるタイプのNDCsに合わせる必要性を想起した。数か国の先進国、及び2.3の開発途上国は、組織化サマリーは表だけのものと想定したが、一部の開発途上国は、表、説明文、またはその両方の必要性を指摘した。一部の開発途上国は、組織化サマリーのフォーマットは国家決定のものとなる可能性を示唆した。議論が続けられる。

第6条:締約国は、ベースラインと追加性に関する議論を再開した。ベースラインの設定について、締約国は、利用可能な最善の技術を反映する実績ベースのアプローチと、ビジネスアズユージャル/歴史アプローチのどれを希望するかで異なる志向を表明した。後者のアプローチを希望するものは、開発途上国を制約するアプローチの回避を促した。締約国は、開発途上国も緩和目標を有するとの概念の反映方法で意見が分かれた。一部の締約国は、NDCレベル以下の場合にクレジットを発行するよう提案したが、他のものはそのようなアプローチは制約しすぎだと述べた。締約国は、ベースラインは全体的な緩和の地球規模排出量(overall mitigation global emissions (OMGE))を運用可能にする基礎を提供するかどうかで、意見が一致しなかった。さらに締約国は、附属書B諸国(京都議定書の下で目標を有する先進国)が約束を有しない場合でも、クレジットの発行が可能かどうかに関して、意見が一致しなかった、

第6.2条及び第6.4条のリンク及び第6.4c条及び第6.5条(二重計算)の運用開始に関し、多数の締約国は、第6.4条ユニットが国際的に移動された場合、相応の調整を適用することを支持した。ある締約国グループは、移動時ではなく発行時に相応の調整を行うよう提案した。多数の締約国は、クレジットの発生数の二重計算のリスクを回避するため、NDCの範囲外でのクレジットの発生を支持した。締約国は、このグループが第6.4条の下での計算ガイダンスを策定するというマンデートを有しているかどうかで意見が分かれた。2つの締約国は、各国のNDCsの範囲内で活動が行われるよう、各国にキャパシティ・ビルディング支援を行うよう求めた。

セーフガードと限界に関し、締約国は、最善の作業構成方法を議論した。一部の締約国は、第6条のガイダンスで合意された後に、セーフガードを議論するという順序立てたアプローチを提案した。他のものは、これに反対し、セーフガードはパッケージ全体に不可欠だと指摘した。多数の締約国は、妥協案を提示、これには、排出量の増加回避の原則で合意すると同時に、決定書の付属書にセーフガードをリストし、将来の運用開始に向け作業計画を策定することが含まれた。締約国は、ユニラテラルな措置、及びクレジット価格の流動といった特定のセーフガードについて意見が分かれた。

午後、収入の一部に関する議論が開始された。 締約国は、収入の一部が第6.2条に適用できるかどうかで合意しなかった。一部のグループは、第6.2条及び第6.4条おいて「同じ土俵に置く(levelling the playing field)」よう促した。他のものは、これに反対した。多数の締約国は、発行時の5%聴衆を提案したが、他のものは、ニーズをベースにした提案作成を監督委員会に課することを支持した。収入の一部が利用可能になる前の暫定期間に関し、ある締約国グループは、CDM信託基金の利用を提案したが、他のものは反対した。

OMGEの実現に関し、締約国は、第6.2条と第6.4条の両方に対する適用可能性など、その運用可能性に関し、意見が分かれた。数か国の締約国hs、保守的なベースライン及び排出目標を支持したが、他のものは反対した。あるグループは、「ゼロサム(zero sum)」と称されるオフセット・アプローチを超えるよう提案した。多数の締約国は、ユニットの取り消しを希望した。

対応措置に関し、2つのグループは、第6.2条及び第6.4条の実施で生じる影響に関する情報を、対応措置の組織に送るプロセスを求めた。一部のものは、対応措置フォーラム及び委員会を用いて対応措置を議論することを希望した。締約国は、次に算定方式と移行問題を議論する。

SBSTA/SBI

条約の下での長期世界目標(LTGG)の次回定期レビューの範囲及び目標達成に向けた全体の進捗状況の次回定期レビューの範囲:共同進行役のLeon Charles (グレナダ)は、意見発表を招請、あるグループは、審議用の橋渡し案を提示した。LTGGに向けての進捗状況の評価に関し、定期レビューとグローバル・ストックテイクとの間で重複となる可能性に関する意見の対立が続いた。一部の締約国は、例えば利用可能な限り最善の科学を用いることの重要性という表現を要求した。数か国の締約国は、定期レビューの終了を含め、全ての可能性ある結果を反映させる文章という要求を再度述べた。一部の締約国は、非公式協議及び非公式な非公式協議のための更なる時間を求めた。議論が続けられる。

廊下にて

この週の交渉も終わりに近づき、第6条の密な議論が近くのフェスティバルからの音楽でかき乱される中、一部の参加者は、楽観主義をゆらがせて1週間を振り返っていた。あるものは、「進捗は進捗だ(Progress is progress)」とし、「それでもとどまるわけにはいかない(but we can’t afford to get stuck)」と述べた。

多様な文章での速やかな解決という希望は、一部のものの言う「花火(fireworks)」で燃え上がってしまった。長年の緊張関係や爆弾発言で、適応基金、定期レビュー、1.5℃の地球温暖化に関するIPCC特別報告書の議論は、ゆがめられた。IPCC報告書に関し、ある参加者は、SBSTAが注意深く作成した「紳士協定(gentleperson’s agreement)」の破棄を宣言しようとしていた。

議論に進展があった会合、議論が終了した会合のムードは高まっていた。しかし、言葉に出せない懸念は残った:これらの問題は重要ではあっても、最も緊急性のあるものからは程遠い。それでも、休みを切に願う参加者が会場を離れる中、一部のものは、これらの問題が片付いたことで、次週の議論はセンシティブな分野での意見対立の橋渡しや、プロセスのマンデート達成に焦点を当てるだろうと希望した。

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