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地球交渉速報 (ENB)

第12卷 第760号 | 2019年8月10日(土)


気候変動に関する政府間パネル第50回会合(IPCC-50)のサマリー

2019年8月2-7日 | ジュネーブ、スイス


言語: 英語 (HTML/PDF) 日本語 (HTML/PDF)
IISD/ENB ジュネーブ、スイス、会合レポートのリンク先:http://enb.iisd.org/climate/ipcc50/

2019年8月7日水曜日午後、気候変動に関する政府間パネルの第50回会合(IPCC-50)は、気候変動と土地に関する特別報告書(SRCCL)の政策決定者向けサマリー(SPM)を採択し、その基礎と成る報告書を承認した。SRCCLは、初めて、土地―気候系全体の包括的な展望を示す報告書であり、重要な資源としての土地、砂漠化及び土地の劣化、食糧安全保障、さらには土地と気候変動の反応を論じる。

今回の会議は当初8月6日火曜日に予定されていたが、参加者は、パネルでの採択用にSPMを送致する前に、国内温室効果ガス・インベントリに関するタスクフォースと協力し、3つのIPCC作業部会の第2回合同会合において、SPMに関する合意に至るため、徹夜で作業する必要があった。

さらにIPCC-50では:生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォームとIPCCとの協働関係を議論した;グローバルストックテイクの観点から、第6次評価報告書の統合報告書に関する口頭での進捗状況報告、並びにIPCCの将来作業の組織構成に関するタスクグループの口頭での進捗状況報告に留意した。

SCCRLの正式名称は、「気候変動と土地:気候変動、砂漠化、土地の劣化、持続可能な土地管理、食糧安全保障、陸上生態系における温室効果ガス・フラックスに関するIPCC特別報告書」である。当該報告書の作成では、52か国から107名の専門家が関わり、この中には、15名の調整役筆頭執筆者(CLAs)、71名の筆頭執筆者、21名の査読編集者が含まれた。この報告書は、IPCC報告書としては初めて、執筆者の過半数が開発途上国出身であり、このうちCLAsの40%を女性が占める。当該報告書には7000件を超える参照文献がある。執筆者チームは28,275件の専門家及び政府査読コメントを考察し、このうち3,043件は最終的な政府草案に関するものであった。

IPCC-50は、2019年8月2-7日、スイスのジュネーブで開催され、120を超える諸国から350名以上の参加者が集った。

IPCCの簡略史

IPCCは、1988年、世界気象機関(WMO)及び国連環境計画(UNEP)により設立された組織で、人為的な気候変動とその潜在的に可能な影響、適応及び緩和オプションを理解するための科学的、技術的、社会経済的な情報の、総合的、客観的、オープンで透明な形での評価を目的とする。IPCCは、195の加盟国を有する政府間の科学的組織である。新しい研究を行うことはなく、気候関係のデータをモニタリングすることもない、その代わり、公開されピアレビューを受けた科学的技術的文献に基づき、気候変動の知識の状況評価を行う。IPCC報告書は、政策関連的であろうとするが、政策規範的ではない。

IPCCは3つの作業部会(WGs)を有する:

  • 気候変動. 作業部会I (WG I)は、気候変動の自然科学的な根拠を扱う;
  • 作業部会II (WG II)は、気候変動の影響、適応、脆弱性を扱う;
  • 気候変動作業部会 III (WG III)は、温室効果ガス(GHG)排出量を削減し、気候変動を緩和するオプションを扱う。

各WGは、2名の共同議長及び7名の副議長を有するが、WG IIのみは8名の副議長を有する。共同議長は、テクニカルサポートユニット(TSUs)の支援を得てパネルから与えられたWGsの義務遂行を可能にすべく、指導する。

さらにIPCCは、国別温室効果ガス・インベントリに関するタスクフォース(TFI)を有し、その2名の共同議長は、TSUの支援を得て、IPCC国別GHGインベントリ・プログラムを監督する。このプログラムが目指すのは:国別GHG排出量及び除去量を計算し、報告することを目的とする国際的な合意を得た手法論及びソフトウェアを開発し、整備する;並びに国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の締約国に対し、その利用を奨励する。

パネルは、IPCC評価報告書の作成を含める一つの評価サイクルの全期間を担当する議長団を選出する、この評価サイクルは通常7年間かかる。この議長団は、IPCCの作業を計画し、調整し、監視する、そして全ての地域を代表する気候変動専門家で構成される。現在、議長団は34名で構成され、IPCC議長及び副議長、WG共同議長及び副議長、並びにTFI共同議長が含まれる。2011年、IPCCは、会合期間外の作業及びWGs相互の調整作業の支援を目的とする執行委員会(ExCom)を設立した。IPCCは、WMOが主催し、スイスのジュネーブをベースとする常設の事務局を有する。

IPCC制作物:IPCCは、その創立以降、気候変動に関する科学情報を国際社会に提供するため、一連の包括評価報告書、特別報告書(SRs)、テクニカルペーパーを作成してきた。

IPCCは、それぞれ1990年、1995年、2001年、2007年、2014年に完成した5つの評価報告書を作成した。第6次評報告書(AR6)は、2022年に完成予定である。評価報告書は、各作業部会に1つの3部構成をとっている。各作業部会の報告書は、政策決定者向けサマリー(SPM)、テクニカル・サマリー、及びその基礎となる評価報告書本文で構成される。各報告書は、専門家及び政府による徹底的で集中的な査読プロセスを経るが、これには次の3段階がある:専門家による第1回査読、専門家及び政府による第2回査読、及び政府による第3回査読である。

その後、各SPMは、担当WGによる行ごとの承認を受ける。評価報告書全体に関する統合報告書(SYR)が作成され、3つのWG報告書及び当該サイクルのSRsで最も関連性のある側面をとりまとめる。その上で、パネルは、SYRのSPMの行ごとに承認作業を行う。

IPCCは、気候変動関係の問題に関し、一連のSRs及びテクニカルペーパーを作成しており、これには下記が含まれる:

  • 土地利用、土地利用変化、森林 (2000年);
  • 二酸化炭素回収貯留 (2005年);
  • 気候変動と水 (2008年);
  • 再生可能エネルギー資源及び気候変動の緩和 (2011年);
  • 気候変動への適応推進のため、極端な現象及び災害のリスクを管理する (2011年)。

第6次評価報告書サイクルには次の3つの特別報告書が含まれる:

  • 1.5°Cの地球温暖化に関する特別報告書 (SR15)、これは2018年10月のIPCC-48で承認された;
  • 気候変動と土地に関する特別報告書 (SRCCL)、これは2019年8月のIPCC-50で承認された;
  • 変動する気候における海洋及び雪氷圏に関する特別報告書 (SROCC)、これは2019年9月のIPCC-51での承認が予想される。

加えてIPCCは、各国のGHG報告作成を支援する指針となる手法論報告書を作成する。パネルは、2000年及び2003年、グッドプラクティス・ガイダンス報告書を承認した。国別GHGインベントリに関するIPCCガイドラインは2006年に承認された。2013年、IPCCは、2006年IPCCガイドラインの補足書:湿地(湿地補足書)を採択したほか、京都議定書から派生する補足的手法論及びグッドプラクティス・ガイダンスの改訂版(KP補足書)も採択した。国別GHGインベントリに関する2006年ガイドラインの精緻版は、2019年5月のIPCC-49で採択された。

2007年、IPCCは、「人為的な気候変動に関する多くの知識を構築し、広め、そのような変化に対処する上で必要とされる基礎を築いた」その業務及び努力に対し、アル・ゴア元米国副大統領と共に、ノーベル平和賞を授与された。

6次評価サイクル

IPCC-41からIPCC-43IPCC-41(2015年2月24-27日、ケニア、ナイロビ)では、将来のIPCCの作業について議論し、第6次評価サイクルに関連する決定書を採択した。IPCC-42(2015年10月5-8日、クロアチア、ドブロブニク)では、第6次評価サイクルの議長団を選出した。IPCC-43(2016年4月11-13日、ケニア、ナイロビ)では、第6次評価サイクルにおいて、2件のSRs(SRCCL及びSROCC)、並びに2019年精緻版を作成することで合意した。加えて、IPCC-43は、産業革命前比1.5℃の地球温暖化の影響に関するSRを2018年に提供するようにとのUNFCCC第21回締約国会議(COP 21)の招請に応じ、1.5℃の地球温暖化に関する特別報告書(SR15)を作成することで合意した。

さらにパネルは、この時点で、都市に関するSRを第7次評価サイクルの一環として作成することでも合意した。

IPCC-44この会合(2016年10月17-21日、タイ、バンコク)において、パネルは、SR15及び2019年精緻版の概要を採択した。さらにIPCCは、特に次に関する決定書を採択した:緩和、持続可能性、気候安定化シナリオに関する専門家会議;コミュニケーション及びAR6スコーピング・プロセス;気候変動と都市に関する会議。

IPCC都市と気候変動の科学会議:この会議(2018年3月5-7日、カナダ、エドモントン)には、科学、政策、実施に関するコミュニティーの参加者が集まり、次を行った:現在及び将来の排出源を議論し;排出削減及び回復力戦略を追及する各都市の経路を明らかにする。この会議では、気候変動とその都市部への影響、気候の課題に対処する上で、地方当局が果たせる重要な役割について、理解を深めるという研究課題が策定された。

IPCC-45この会議(2017年3月28-31日、メキシコ、グアダラハラ)は、SRCCL及びSROCCの概要を承認し、特に次の項目を議論した:第6次評価サイクルの戦略計画スケジュール;短寿命気候強制力(SLCFs)を考察するとの提案;IPCCの資金調達オプション、この問題の議論から、IPCCの資金安定性に関する特別タスクグループ(ATG資金)の設立が決定された。

IPCC-46この会合(2017年9月6-10日、カナダ、モントリオール)において、パネルは特に、AR6における3つの作業部会報告書の各章概要を承認した。

IPCC-47この会合(2018年3月13-16日、フランス、パリ)において、パネルは特に次のことで合意した:

  • ジェンダーに関するタスクグループの設置;
  • パリ協定; パリ協定の下でのグローバルストックテイク(GST)に鑑みたIPCCの将来作業の構成に関するタスクグループに対する委任条件案;
  • IPCC奨学金プログラムを拡大し、各章の科学者に対する資金支援も含める;
  • IPCCの活動における開発途上国の参加を強化する。

フランス. この会議に先立ち、フランス政府主催でIPCC設立30周年記念の祝典が行われた。

IPCC-48この会合(2018年10月1-6日、韓国、Incheon)において、IPCCは、SR15及びそのテクニカル・サマリーを承認し、そのSPMを採択した。WGs合同の会合では、SPMを行ごとに審議し合意に至ったが、これは3つのWGsが学際的な形で、IPCC SRに関し協働を行った初めての機会となった。このSPMは、次の4つのセクションで構成される:

  • 1.5°Cの地球温暖化を理解する;
  • 予想される気候変動、影響可能性、これに伴うリスク;
  • 1.5°Cの地球温暖化と合致する排出経路及びシステム転換;
  • 持続可能な開発及び貧困撲滅努力の観点での地球規模対応の強化。

SPMは、特に次のように結論付けた:地球平均気温を1.5℃の上昇で抑えることは今でも可能である、しかしこのためには社会のあらゆる側面において、「前例のない」転換を行う必要がある。

IPCC-49この会合(2019年5月8-12日、日本、京都)において、IPCCは、2019年精緻版の概要の章を採択し、その基となる報告書を承認した。概要の小は、序、背景セクション、及び次に関するセクションで構成される: 2006年IPCCガイドライン以後、不変の主要概念;2019年精緻版の対象範囲;2006年IPCCガイドラインとの関係;2019年精緻版に特有の発展。

IPCC-49は、次に関する決定書も採択した:

  • ジェンダー政策及びジェンダー実施計画に関するタスクグループの委任条件;
  • IPCC奨学金プログラム基金の利用に関する理事会へのガイダンス;
  • 第7次評価サイクルにおいて完成させるべきSLCFsの手法論報告書について、第6次評価サイクルでの準備作業を開始する。

IPCC-50、及びTFIの協力を得た、WGs IIIIIIの第2回合同会合の報告

IPCC議長のHoesung Leeは、8月2日金曜日の朝、IPCC-50を開会し、参加者を歓迎し、SRCCLは3つのWGsがTFIの協力を得て作成する初めての報告書であり、国連の3つのリオ条約全てを論じると指摘した。同議長は、この3つのSRsと2019年精緻版は、科学知識と政策決定者や市民社会、消費者の橋渡しであると称した。

WMO事務局次長のElena Manaenkovaは、土地や大気、海洋及び水圏、雪氷圏、さらには生物圏を結びつける「地球系(Earth system)」全体を統合するという手法に全面的に舵を切ったWMOの最近の戦略決定を考えると、SRCCLはWMOの根幹の作業にとり極めて重要であると強調した。さらに同次長は、WMOではIPCCが特定した知識のギャップに対応する努力をしていると指摘し、さらに世界気候研究プログラムではWMO報告書との協調を改善し科学とサービスや政策決定との結びつきを改善していると指摘した。

UNEP専務理事のInger Andersenは、ビデオメッセージを通して、タイムリーなSRCCL発表を歓迎し、「我々の劣化しつつある惑星(our degraded planet)」を回復させるべく、科学を行動に換えていく必要があると強調した。同専務理事は、UNEPの業務には、気候スマートで、耐性のある土地利用を確保するため、生態系ベースの復旧手法を用いること、森林伐採や森林の劣化による排出量を削減することが含まれると述べた。

UNFCCC事務局のFlorin Vladuは、SRCCLは政策決定者及び実務担当者に対し、気候への適応及び緩和に向けた最善の対応措置に関する指針を示すと述べた。同氏は、2019年には気候変動行動を加速化する努力がなされると指摘、この中には2050年までにカーボン・ニュートラリティ―を達成するため、9月に国連事務総長が開催する気候行動サミットによるものも含まれると指摘した。同氏は、UNFCCC科学的技術的助言のための補助機関とIPCCとが科学政策インターフェースでの協力を続けることは、科学をUNFCCCにつぎ込む努力を強化する上で、有効であるとも指摘した。

スイス連邦環境庁長官のMarc Chardonnensは、土地は脆弱な特徴を有しており、破壊速度も速いと指摘し、「我々は土地を持続可能な形で用いていない」証拠があると指摘した。同長官は、2019年の熱波の影響、スイスの農業生産における水不足の影響に注目するよう求め、これらの影響で納涼生産量は既に通常の量の半分になっていると指摘した。同長官は、科学面で交渉しようとしたり、IPCCの報告書の信用を損なおうとする試みに警鐘を鳴らし、「事実をもてあそぶことはできない」として、「都合の悪い真実を忘れようとすること(selective amnesia)」に警告した。

暫定議題書の承認:金曜日朝、IPCC議長のLeeは、暫定議題書(IPCC-L/Doc.1)を採択のため提出した。フランスは、2019年精緻版における脚注挿入を招いた手順について懸念を表明した。少数の国は、この懸念に共鳴し、これはIPCCの実施方法としては異常なことだと感じたと述べた。フランスは、デンマーク、ドイツ、ルクセンブルグ、ノルウェー、英国、セントクリストファー・ネービスの支持を得て、この問題の更なる審議に向け、今回の会合で時間を割くよう提案し、この脚注に係わった国の名前を示すことも議論するよう提案した。サウジアラビアは、エジプト及びイランの支持を得て、これに反対し、脚注がなければ、自国の代表団は2019年精緻版を受け入れることができなかったと強調した。WGII副議長のTaha Zatariは、議論の再開に警告し、国の名前を挙げることには強く反対し、一部の国を狙い撃ちすることは極めて無用な措置であると述べた。

IPCC事務局の法律及びリエイゾン・オフィサーのSophie Schlingemannは、IPCCの作用を統治する原則の第10(b)項を適用するとしたIPCC-49の決議を想起した。同オフィサーは、多様な諸国の反対意見を記載する手順は正しいものだと明言した。IPCC議長のLeeは、2019年精緻版の採択及び承認に関するIPCC-49決定書は有効であると発言し、手順に関し疑問がある諸国はIPCC-50の期間中に事務局と会合し、合意されたについて、明解さや理解を深めるよう提案し、米国もこれを支持した。

スイスは、英国、ルクセンブルグ、デンマーク、ノルウェーの支持を得て、生物多様性と生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)とIPCCとの協力を議題項目に追加するよう提案した。インドは、そのような協力作業のモダリティを明確にするよう求めた。IPCC議長のLeeは、この問題は既に合意されている他のビジネスという議題項目の下で議論するよう提案した。

英国は、SYRの進捗について最新情報を要求し、これを合意済みの議題に加えるよう提案した。

その後、暫定議題書は採択された。

水曜日午後のIPCC閉会プレナリーにおいて。Schlingemannは、パネルはIPCC-52において政策及び手順を検討する予定であると指摘し、その時点でIPCC統治原則、特に第10(b)項を議論するよう提案し、パネルもこれに同意した。

IPCC-49報告書の採択:IPCC議長のLeeは、IPCC-49の報告書草案(IPCC-L/Doc. 2)を提出した。サウジアラビアは、2019年精緻版における石油ガスの漏洩排出量を扱う手法論に関する意見の不一致について、その原因に関するパラグラフは、反対意見の全てを正確に反映しているとは言えないと指摘し、このパラグラフの除去を求めた。米国は、各国の意見発表の詳細度はバランスがとれていないと指摘し、改定を求めた。議長のLeeは、IPCC-49報告書の承認延期を示唆した。

火曜日午後の再開プレナリーで、IPCC議長のHoesung Leeは、IPCC 49報告書に関する協議は成功裡に終わったと報告し、IPCCウェブ・ポータルに掲載した報告書改訂版(IPCC-L/Doc. 2, Rev.1)に対するコメントを求めた。

タンザニアとベルギーは、変更点を開示するよう求めた。ドイツ及びサウジアラビアは、今回の会議では時間がおしていると指摘し、スクリーン上での報告書の議論に対し警告した。

IPCC事務局書記のAbdalah Mokssitは、次の項目に関し、簡単に情報を紹介した:事務局は、一部の代表団から改定要請を受けた;事務局は、これらの代表団と接触し、協議した;非公式協議において、報告書に多少説明するメモを加えることで合意に達した。同氏は、特定の変更に関し、報告書草案の追加メモはIPCCの規則及び手順が適用され、これに従ったと説明するものだと告げた。その後、パネルは、改定されたIPCC-49報告書(IPCC-L/Doc. 2, Rev.1)を採択した。

IPCC-50の開会、及び議題書の採択の後、IPCCプレナリーは中断され、合同のWG/TFI会合が作業を開始できるようになった。IPCCプレナリーは、火曜日午後に短時間会合し、水曜日午後に再開して、SRCCL SPMを承認し、その基となる報告書が受理された。

SRCCL SPMの審議及び承認

TFIの協力を受けたWGs IIIIII合同の会合開会:金曜日朝、WG III共同議長のJim Skeaは、SRCCL SPM草案を提起、WGsとTFIが極めて密な協力をしたこと、初めて、先進国出身の執筆者より多い人数の開発途上国出身の執筆者が参加したという事実を強調した。その後、WG共同議長は、SPM草案の概要を説明した、これにはその内容のほか、構成やストーリー、さらには承認プロセスが含まれる。

参加者は、SPMの行ごとの承認に向け、金曜日から水曜日まで、プレナリー、コンタクトグループ、非公式なハドルでの会合を続け、意見の一致に至るよう努力した。参加者は、最終政府草案に関して受理した3000件以上の政府コメントを記載したSPMの最終案に基づき作業した。

SRCCL SPMには次の4つのセクションがある:

  • 温暖化する世界での人々、土地、気候;
  • 適応及び緩和の対応オプション;
  • 対応オプションを可能にするもの;
  • 近未来の行動

各サブセクションに関し、WG共同議長は当初、題目を提示し、これに続いて当該サブセクションのパラグラフについて議論した。多数のサブセクション及びパラグラフに関し、参加者は、コンタクトグループまたはハドルでの追加の議論及び改定のため文章を送る前にプレナリーで一般的なコメントを発表した。パラグラフで合意に達した後、参加者は、サブセクション全体を横断する一貫性を確保するため、題目の議論に戻った。

序:このセクションは、SRCCLの原点、及びSPMの構造の概要を示しており、金曜日朝、第1回の議論が行われた。WG I共同議長のValerie Masson-Delmotteは、少数の編集上の変更点を指摘し、さらにSRCCL草案の用語集に記載されるとおり、並びに他の関連する国際機関で用いられる通り、主要用語を定義づける脚注を追加したと指摘した。

他のIPCC報告書及び他の政府間組織の関連報告書を参照するSRCCLの文章について、エジプト、サウジアラビア、インドは、SR15を特定する引用を削除するよう提案した。ノルウェー、スイス、ルクセンブルグ、フランス、アイルランド、ドイツ、英国、コロンビア、チリ、ベルギー、カナダ、キューバ、トリニダードトバゴ、メキシコ、トルコ、ベネズエラ、インドネシア、フレンズ世界協議委員会(Friends World Committee for Consultation)、気候行動ネットワーク(CAN)、その他は異議を唱え、SRCCLはSR15を補足するものであり、SR15の引用は重要だと強調した。WG III共同議長のSkeaは、脚注に規定する他の関係報告書への参照を、SR15と共に、本文の中に移すことを提案し、参加者もこれに同意した、これらの関係報告書は次のとおり:土地の劣化及び回復に関するIPBES題目別評価;生物多様性及び生態系サービスに関するIPBESグローバル評価報告書;国連砂漠化防止条約(UNCCD)のグローバル土地アウトルック報告書。

参加者は、SPMの構成に関するパラグラフについて、残りのSPMの承認を待って、審議を延期した。その後、序文のセクションの最後となるこのパラグラフは、水曜日午後、承認された。

最終文書:序文のセクションは、SRCCLが何を論じているかを説明する、すなわち、気候変動への適応及び緩和、砂漠化、土地の劣化、食糧安全保障との関係における、土地ベースの生態系のGHGフラックス、土地利用、及び持続可能な土地管理である。さらに序のセクションは、 SRCCLの背景も説明し、第6次評価サイクルの期間中に3件の特別報告書を作成するようにとのIPCCの2016年決定書に応えるものであり、現在の知識の状況について最新の評価を提供すると指摘する。

A. 温暖化する世界での人々、土地、気候

金曜日午後、WG I共同議長のPanmao Zhaiは、このセクションについて説明し、その後会合期間中に議論され、水曜日に全文で合意した。Zhai共同議長は、この報告書、特にこのセクションは、土地が気候から影響を受けると同時に、気候に影響を与えることを示していると述べた。サウジアラビアは、多くの結論が自国の地域と顕著な関連性を有しており、たとえば砂嵐が激化、オアシス地域への影響などがあることについて懸念を表明し、これらをSPMに十分反映させるべきだと述べた。

A1.  このサブセクションは、初めプレナリーで議論され、その後、図SPM.1と共に、コンタクトグループで議論された。このサブセクションは、人間の生活及び福利における土地の重要性を議論しており、これには食料の供給、淡水、他の多数の生態系サービス、並びに生物多様性が含まれる。このサブセクションの題目は、人間による土地の利用が世界の凍っていない陸地表面の70%以上に影響を与えていること、土地は気候系において重要な役割を持つことを指摘する。

A1.1このパラグラフは、土地が人類に不可欠な多くの生態系サービス及び機能を提供していると論ずる。議論で焦点が当てられたのは、次の文章であった:人々は現在、食糧、飼料、繊維、材木、エネルギーの正味の一次生産(NPP)における陸上ポテンシャルの4分の1から3分の1を利用している(people currently use one-quarter to one-third of terrestrial potential net primary production (NPP) for food, feed, fiber, timber, and energy)。NPPを定義づける必要性、さらにはこのNPPのわずかな割合だけしか人間は利用できない可能性があると明記する必要性について、参加者の意見は分かれた。欧州連合(EU)は、人間以外の生命体もNPPを用いると説明した。

執筆者は、「人々に対する自然の貢献(nature’s contribution to people)」(NCP)という概念は生態系サービスを具現化するものとしてIPBESが用いると言及するよう提案し、スイスはこれを支持したが、米国は反対した。ボリビアは、キューバと共に、IPBESの生態系サービスへの言及と「機能(functions)」を主パラグラフに反映できるかどうか問うた。ドイツは、このパラグラフに文化的な生態系サービスへの言及を入れるよう求めた。参加者は、これらの改定案に同意し、さらに生態系の生産物及びサービスを含めるNCPを、IPBESの概念枠組の中で用いるとの脚注での言及で合意した。

世界の陸上生態系サービスを合計した年間の経済価値に関する文章でも長時間、議論が行われた。一部の参加者は、生態系サービスの社会的経済的価値を確固とした数字で示すよう求めた。ボリビアとインドは、陸上生態系の価値化には多様な手法があると指摘し、国内総生産(GDP)という経済的価値化はそのような手法のほんの一つに過ぎないと明言するよう提案した。執筆者によるさらなる明確化が行われた後、このグループは次で合意した:世界の陸上生態系サービスは、「一つの経済手法では(in one economic approach)」、世界の年間GDPに対する近似値換算で示されている;GDPは2011年では、2007年の米ドルベースで75兆米ドルと推計されるとの脚注を挿入する。

A1.2GHGsの排出源及び吸収源としての土地に関するパラグラフでは、参加者から一般的な意見が述べられ、続いて、土曜日の夜、改定文章が議論された。人為的な気候変動と特定するかどうかでは相当な議論が行われ、ロシア、ウクライナ、サウジアラビアは、脆弱性は全ての気候変動にあてはまると主張した。CLAs、モロッコ、ノルウェー、メキシコは、報告全体の題目ついて「人為的(anthropogenic)」気候変動の強調を希望し、 WG II共同議長のHans-Otto Pörtnerも同意した。IPCC副議長のKo Barrettは、極端な天候現象は必ずしも人為的な気候変動の結果ではないと指摘した。WG II共同議長のPörtnerは、次の表現を提案した「土地生態系及び生物多様性は、現在進行中の気候変動、及び極端な天候及び気候の事象に脆弱であるが、その程度は異なる(land ecosystems and biodiversity are vulnerable to ongoing climate change and weather and climate extremes, to different extents)」。この追加分をもって、このパラグラフは合意された。

A1.3:人口増及び一人当たり消費の変化は、世界の土地利用及び淡水利用を前例のない速度で増加する原因となっていると論じるパラグラフに関し、多数の参加者は、これらの文章及び気候変動の関係のさらなる明確化を求め、地域別の傾向と世界の動向を区別し、推進要素を明確に示すよう求めた。

インドは、特に、食糧生産、灌漑、人口増において、世界全体での違いを明確に記載することが重要であると強調し、他のものと共に、消費の意味合い、さらには人口増の影響とされる消費の役割を明らかにするよう求めた。

キューバは、他のIPCC報告書と同様、人口増のほか経済成長やGDPの伸びにも言及するよう求めた。ジンバブエは、一人当たり消費には何が含まれるか明らかにするよう求めた。ボリビアは、消費を過大に強調する一方、生産に十分な注目がなされていないと指摘し、ドイツ及び他のものと共に、「持続可能でない」消費及び生産への言及を提案した。

インド、ノルウェー、その他は、消費と食生活(diet)の定義づけ、さらには両者間で想定されるリンクについて、明確化を求めた。

スペインは、米国、インド、アイルランド、ノルウェー、その他の支持を得て、食品廃棄物も食品ロスに含まれているかどうか質問し、用語は一貫性を持たせて用いるよう求めた。インドは、技術及びインフラの欠乏による食品ロスと過剰生産や食品廃棄型文化による食品廃棄との違いに注目した。

アイルランド、米国、フランスは、過体重の人口で見られる増加には多数の原因があるとし、一つの原因に絞ることに警告した。米国及びブラジルは、農業集約化により、土地面積の拡大なしでの作物生産量を増加できるという事実に言及するよう求めた。インドネシアは、生息域破壊の原因として過剰な開発に言及するよう提案した。

CLAsは、改定文書を提出、これには生産対消費での比重をバランスよくするための変更、「灌漑(irrigation)」への言及を「農業(agriculture)」に変更することなどが含まれた。

インドは、これらの変化の期間を、1850-1900以降などと特定し、先進国と開発途上国との違い、あるいは地域変動に対処する際の開発度の変化への言及を追加するよう提案し、このグループも同意した。

月曜日午後、コンタクトグループでの審議後、この文章で合意した。

A1.4:植物油及び食肉の世界的な一人当たり供給量倍増に言及するパラグラフに関し、ドイツとインドは、植物油の消費と気候変動との明確な結びつきを示すよう提案し、このグループも同意した。

月曜日午後、コンタクトグループからの文章に基づき、このパラグラフでの合意がなされた。

A1.5:人為的な土地の劣化に関するパラグラフについて、ボツワナは、アフリカ南部地域の諸国における乾燥地情報を記載する必要があると強調した。気候変動の悪影響を受ける人々についての文章に関し、スペインとインドは、「物質的な貧困(material poverty)」または「人々の脆弱性(vulnerability of people)」など、貧困のタイプを特定するよう求めた。このパラグラフについてのCLAによる改定がなされた後、サウジアラビアは、影響を受ける人口に基づく地域リストの文章に反対した。

月曜日、この文章のさらなる改定の後、タンザニアとEUは、1961年以降、干ばつの影響により乾燥地面積は年1%強拡大する傾向にあるとの文章に懸念を表明した。これら諸国は、この文章は誤解を呼ぶ可能性があるとし、この増加量を1961-2018年の期間における合計変化量で表すことを提案した。砂漠化の影響を受ける人々に関する文章の中で、一部の参加者は、それぞれの地域への言及を求めた、この中には、南米での砂漠化の影響(ボリビア)、サヘル地域での砂漠化の影響(チャド及びナイジェリア)が含まれたが、これは受け入れられなかった。

火曜日午前中、このパラグラフは、追加の編集を経て、さらなるコメントなしで承認された。

SPM.1:土地利用及び観測された気候変動:この図は、初め、土曜日の午前中のA1.1に関するコンタクトグループ会合で議論され、月曜日に合意された。参加者は、この図の題名において、原案の「人為的な(anthropogenic)」気候変動ではなく、「観察された(observed)」気候変動と記載することで合意した。

GHG排出量に関するグラフについて、スイス及びEUは、このグラフを森林伐採や耕作地拡大など、特定の部門に分けて表示し、 政策決定者が1961年以後の開発状況をよりよく理解できるようにすることを求めた。これについては合意されなかった。

その後、参加者は、2015年のグローバルな土地利用に関する棒グラフについて議論した。ボリビア、米国、その他は、「その他の土地(other land)」という表現の細分化を求めた。EUは、一定期間の変化ではなく、一つの状態の静止画を示すだけの図を入れることに警告した。

農業生産を説明するグラフは、その草案に示されたとおりの土地利用の集約化はそれ自体が砂漠化や土地の劣化を進めるとのインドからの指摘を受け、変更された。

農業生産のグラフに関し、インド及びその他は、「食糧生産集約度(food production intensity)」を土地利用変化の指標として言及することに懸念を表明した。数名の参加者は、農業生産の増強には複数以上の推進要因があり、これには単なる土地利用の変化ではない集約化が含まれると認識するよう提案した。ブラジルは、土地面積単位当たりの生産性を指標とするよう提案した。

食糧需要のグラフに関し、インドは、肥満率(prevalence of obesity)と気候変動とのリンクが明確になっていないと指摘した。ブラジルは、ウクライナの支持を得て、肥満率ではなく食品ロス及び廃棄物の量を指標とするよう提案した。スペインは、栄養不足や栄養失調を指標とするよう提案した。

砂漠化及び土地の劣化のグラフについて、EU及び米国は、人口増と砂漠化面積は別々に説明するよう求めた。スイスは、砂漠化地域の人口は全体の人口より増加速度が速いと指摘した。

月曜日午後、参加者は、下記のものなど、図に関する修正案について、コンタクトグループで検討した:

  • 排出源の明示;
  • 土地の利用目的に関する分類の変更;
  • 食糧の生産ではなく需要を指標とする;
  • 一人当たりの「消費された食肉カロリー(meat calories consumed)」を「消費されたカロリー総量(total calories consumed)」に置換;
  • 土地利用集約化、食糧システム、砂漠化及び土地の劣化に関するグラフでは1961年を基本年とする。

図の数値及びラベルは、コンタクトグループに提示されたものに若干の修正を加えて、承認された。

A2:土地において観測された気候変動、及び関係する影響についてのサブセクションは、土曜日午後に最初の審議が行われ、その後、コンタクトグループで議論された。WG I共同議長のMasson-Delmotteは、改定案を提示、この中には、観測から得た予測を別にする再構成も含まれた。月曜日のプレナリーで、参加者は、このサブセクション及び冒頭の説明文にCLAsによる改定通りの若干の変更を加えて承認した。この冒頭の文章では、土地表面の大気温度は世界の平均気温の倍近く上昇しており、気候変動は食糧安全保障や陸上生態系に悪影響を及ぼすほか、多くの地域では砂漠化及び土地の劣化を招いていると指摘する。

インドの要請を受け、WG合同会合は、予測に関する3つのパラグラフをこのサブセクションからサブセクションA5というリスクを論じるパラグラフに移すことで合意した。

A2.1:世界の陸上及び海洋の表面平均気温と比較した陸上表面平均気温の上昇度の違いに関するパラグラフでは、長時間議論が行われた。ルクセンブルグは、フランス、ジンバブエ、ドイツ、インド、スペイン、その他と共に、明確さのためにはSR15の数値と一致させるよう求めたが、スイスは、2018年までと期間が多少異なるが最新のデータを引用してほしいと希望した。アイルランドは、ボリビア及び米国の支持を得て、政策決定者向けの重要なメッセージ発信に焦点を当て、数値の利用は避けるよう求めた。

コミュニケーションしやすさを改善するため、執筆者は多様な改定を加え、その後、参加者は、「観測された陸地表面平均気温(observed mean land surface air temperature)」は「世界の表面(陸地及び海洋)平均温度(global mean (land and ocean) surface temperature)」を「相当程度大きく上回って(considerably more)」上昇しているという表現で最終合意した。1850-1900年から2006-2015年までのこの違いを示す図は、SR15で用いられた期間に合わせる形で記載され、その後このパラグラフは合意された。

A2.2:高温(heat)に関連する現象の頻度、強度、期間の増加についてのパラグラフに関し、サウジアラビアは西アジア地域への言及を求め、アフガニスタンは中央アジア南部への言及を、ボリビア、チリ、ウルグアイは南米大陸全体、特にアマゾン流域(Amazonia)及びパタゴニア地域への言及を求めた。 

スペインは、熱波の頻度及び強度に加えて「期間(duration)」を含めると言及するよう求めた。アンティグアバービューダは、熱波を超える他の経験された現象と特定するよう求めた、たとえば「数か月にわたり高温が続く暑熱期(hot spells with amplified temperatures over several months)」さらには「乾燥期(dry spells)」という干ばつに至ることが多い現象も特定するよう求めた。

EUは、地域名や他の経験した現象、あるいは「期間(duration)」のような他の限定要素(qualifiers)の追加に対して警告し、これらは実地の経験では有効かもしれないが、現象自体は評価済み文献により裏付けられる必要があると説明した。

日曜日夜、参加者は、改定された文書について議論し、トリニダードトバゴは、熱波とは異常高温の期間と定義するIPCCで既に承認された表現を用いるとする脚注の挿入を提案、熱波と暑熱期の定義は重なると指摘した。

CLAsは、干ばつと熱波を定義づけし、熱波は異常高温現象が一定期間続くことを意味すると指摘し、熱波と暑熱期の定義は多様であり重複する場合もあると指摘する脚注の挿入を提案、参加者もこれに同意した。

CLAsは、トリニダードトバゴの質問に応え、現行の「干ばつ」の定義には乾燥期(dry spells)は含まれていないと発言、しかし土地の劣化に関係する極端な現象の評価に関するパラグラフには含まれていると述べた。一部の地域における干ばつの頻度及び強度の増加についての文章は、地中海地域、西アジア、南米の多数の地域、アフリカの大部分、北東アジアの影響を受ける地域と特定するよう修正された。これによりこのパラグラフは承認された。

A2.3:人工衛星の観測から過去30年間にわたる植生のさらなる緑化(greening)が示されたことに関するパラグラフについて、フランスは、現在観測されている褐色化(browning)も含めるよう促し、ドイツは、緑化の定量化を求めた。ある執筆者は、「緑化(greening)」は光合成が活発な緑地域において、反射光を用いて人工衛星で観測された植生の増加、「褐色化(browning)」は植生の減少を示すものであると説明した。

日曜日夜、参加者は、改定されたパラグラフについて議論し、タンザニアは、他の観測との関連性を明確にするよう要請した。アルジェリアは、実地に行われた観測の数値は人工衛星による観測の数値より正確であろうと述べた。

WG I副議長のCarolina Veraは、人工衛星と実地観測を組み合わせた研究は世界の全ての地域について利用できるわけではないことを想起した。スイスは、人工衛星と実地観測の組み合わせの価値を政策決定者に知らせる必要があると強調した。

CLAsは、人工衛星観測の解釈は地上での検証の不十分さに影響を受ける可能性があり、空間解像度は、小規模な変化の解像を困難にする可能性があることを、脚注において明示するよう提案し、参加者も同意した。これをもってこのパラグラフは承認された。

A2.4CLAsは、サウジアラビアの要請で追加された砂嵐の強度及び頻度の増加、及びそれが過去数十年間にわたり健康に与えてきた悪影響に関する新しいパラグラフを提示した。CLAsは、日曜日夜にグループに提示した。ドイツは、観測された傾向の期間を追加するよう要請し、CLAsも同意した。

インドは、健康だけでなく、他の分野及び部門への影響にも言及することを提案したが、CLAsは、入手可能な文献で傾向を示しているものは、このパラグラフに記載するとおり、アラビア半島と広範な中東地域、及び中央アジアにおける健康への影響を対象としたものだけであると説明した。

アルジェリアは、サヘル地域でのこの影響に関する文献も豊富に存在すると指摘し、既存の文献を参照するとともに、北アフリカ地域も含めるよう求めた。CLAsは、科学文献はこのパラグラフに記載する通りの地域のみを対象としているとの説明を繰り返し、WGI共同議長のMasson-Delmotteと共に、現時点では、評価を受けていない文献への言及を追加することはできないと説明した。フランスは、文献の欠如は証拠の欠如を意味するものではないと明記する文章の追加を提案した。CLAsはWGI共同議長のMasson-Delmotteと共に、他の地域での砂嵐と健康への影響に関する証拠はこの報告書で評価された文献の中では限定されていると記載する脚注を提案した。

A2.5:地表気温の上昇及び蒸発散量の増加、並びに一部乾燥地域における降水量の減少に関するパラグラフについて、イラン及びサウジアラビアは、気候の変動性と人間の活動の結果起こる砂漠化で影響を受ける地域のリストに西アジアを加えるよう要請した。CLAは、このリストには気候変動の影響を受けていない乾燥地域を含めるべきではないと説明し、この要請では合意されなかった。CLAsによる改定案をレビューした後、参加者は、このパラグラフを提示されたとおり承認した。

A2.6インドは、世界の多くの地域において気候帯のシフトを招く地球温暖化に関するパラグラフの追加価値を疑念視したが、ボツワナは反対した。スイスとボリビアは、山岳地帯への言及追加を提案し、コロンビアは、氷河の劣化を指摘した。ドイツ及びスウェーデンは、永久凍土の面積と延長の縮小への言及追加を求めた。

日曜日夜、改定文書のレビューにおいて、CLAは、永久凍土氷河及び高山地帯はSROCCで評価されており、このためSRCCLでは評価を行わないと指摘した。同CLAは、特定の気候帯及び生物種に関する適応能力の評価は行われていないと明言した。さらにあるCLAは、永久凍土で観測された変化の評価は行われていないが、永久凍土自体は土地の劣化に関する気候変動の影響についての文章で言及されていると述べた。

このパラグラフは、その後多少の変更を経て、合意された。

A2.7インド及びボツワナは、気候変動による土地の劣化プロセスの進行に関するパラグラフにおいて、より多くの地域を特定し、沿岸地帯の浸食率により多くの地域が影響を受けていることに言及するよう求めた。EUは、現地の人為的干渉が果たす役割についてより明確に示すよう求めた。

このパラグラフは、熱関連現象のリストにおける乾燥期間(dry spells)への言及、及び土地の劣化プロセスをリストアップする際の永久凍土の融解への言及を記載する上で適切な個所と指摘された。これらの変更及び他の改定をもって、このパラグラフは承認された。

A2.8アイルランドは、食糧安全保障に対する気候変動の影響に関するパラグラフの重要性を強調し、ルクセンブルグ及びその他の支持を得て、政策決定者にとってのこのメッセージの重要性を強調し、その内容を冒頭の文書に反映させるよう提案し、合意された。

インドは、収率への影響への言及で、政策決定者にとりさほど明確でない北緯45度以下の地域及び45度以上の地域と特定するのではなく、高緯度及び低緯度地域に言及することを希望した。さらに同代表は、先住民の知識及び現地社会の知識の情報源で示された影響に言及することを希望した。

先住民及び現地社会の知識に基づき、気候変動が乾燥地域の食糧安全保障に影響を与えるとする改定文書の文章に関し、ボリビアは、先住民及び現地コミュニティーの知識を反映する文章に修正するよう提案した。

月曜日午後、参加者は、徹夜のハドル(huddle:集団)協議の後、評価の対象は先住民及び現地コミュニティーのインタビューや調査を含める手法をとる文献であるとするCLAs提案の脚注で合意した。その後、このパラグラフで合意された。

A3このサブセクションは、農業、林業、他の土地利用(AFOLU)に関係するGHG排出量を扱うセクションであり、プレナリー、コンタクトグループ、ハドルで議論された。冒頭の文章は、このサブセクションのパラグラフにおける一貫性確保に向け、コンタクトグループで修正され、AFOLU関係の排出量、人為的な環境の変化に起因する土地の自然の反応を原因とする吸収量、世界の食料システムの生産活動の前後における排出量を論じている。

A3.1:土地は、人為的及び自然の両方の推進要素を原因として、二酸化炭素(CO2)の排出源と吸収源の両方に同時になるため、自然のフラックスからの人為的なフラックスの分離を困難にするというパラグラフは、日曜日の朝に議論された。カナダは、自然のフラックスから人為的なものを分離する先進的な手法を反映する文章に変更するよう提案したが、サウジアラビアは反対した。CLAは、新しい手法論及び概念論にも拘わらず、そのようなフラックスを分離する客観的な方法は存在しないと説明した。この文章は、提示された通りで承認された。

土地利用変化による排出量の世界全体での推計値に関する文章について、インドは、サウジアラビアの支持を得て、AFOLUからのCO2排出量は、グローバル・カーボン・プロジェクト(Global Carbon Project)に記載する通り。「過去10年間の観測で明確な傾向が出ておらず(with no clear trend observed in the last decade)」、「高い不確実性(highly uncertain)」があると追加するよう提案した。IPCC副議長のThelma Krugは、この点の確認を求めた。CLAsは、一定の不確実性及び不明確な傾向を反映する表現の追加で合意した。

土地利用及び土地利用変化によるフラックスは、主に森林伐採が原因であるとする文章について、米国は、森林伐採からのフラックスに加えて「他のフラックス(other fluxes)」にも言及するよう求めた。フランス及びルクセンブルグは、サウジアラビアの反対を受けたが、土地利用及び土地利用変化によるCO2フラックスを詳述する脚注を本文に移すよう提案した、これには森林伐採及び新規植林/再植林以外の多様な推進要素への言及も含まれる。

韓国は、EU、英国、米国の支持を得て、推進要素ではなく「活動」という表現を提案した。このパラグラフは、CLAsの提示通りで合意された。

A3.2このパラグラフは、人為的な環境変化に対する土地の自然の反応を論じる。これにはCO2大気濃度の上昇、窒素沈降(nitrogen deposition)、及び気候変動が含まれ、結果としてCO2の正味の除去をもたらすと記述する文章に関し、TFI共同議長のEduardo Calvoは、CO2は植物の生長を促進することから、これら3つの減少はCO2を除去するのが通常であると説明した。参加者は、人が「誘起する()」と特定するとのトルコの提案に同意した。CO2除去量の量、期間、範囲に関するニュージーランド、インド、EU、それぞれの意見に対し、あるCLAは、2007-2016年の期間における年11.2 Gt CO2, +/- 2.6の世界の正味除去量が生じると明記するよう提案した。同CLAは、イタリアからの質問に応え、この数字には自然に発生するCO2が一定量含まれるとの認識を示した。

CO2による肥沃化及び成長時期の長期化を原因とする吸収量の増加に対し、気候変動がこれを打ち消すように作用することから、植生及び土壌からのCO2排出量は将来増加するとの文章に関し、参加者は、この表現の数値化を図り、「予想される(projected)」CO2排出量の将来の増加は吸収量の増加を相殺する「であろう(would)」と読める表現にすることで合意した。

高緯度、高高度の永久凍土融解は、土壌有機炭素の喪失を加速すると予想されるとの文章に関し、明確化を求める要請及び少数のコメントがなされた。サウジアラビアは、このパラグラフには全てのGHGsが含まれているかどうかを問うた。執筆者は、他のGHGsに関する文献の欠如を指摘したが、永久凍土の融解は必然的にメタンの排出を伴う可能性があると述べた。長時間の議論の後、参加者は、関連のパラグラフにおいて、他のGHGsに関する文献の欠如を論じることで合意した。

このパラグラフは、さらなるコンタクトグループでの議論及び修正を経て合意された。

A3.3このパラグラフは、土地部門における人為的なCO2排出量及び除去量の推計のためグローバル・モデル及び国別GHGインベントリが用いる手法を比較する。議論の中で、EUは、国別インベントリではモデルより広い森林地面積を考慮し、環境の変化の影響により管理された土地の現在の世界の正味吸収量は「大半の場合(in most cases)」人為的であるとする表現を要請した。日本は、IPCC手法論の限界を指摘したが、インドは、米国及びサウジアラビアの支持を得て、データの種類の多様性及びその質の多様性を指摘した。米国は、計測方法が異なれば違った結果が得られると強調したが、研究者はモデル研究やインベントリ・コミュニティにおける違いを既に認識しているとも述べた。WG II共同議長のPörtnerは、このような不一致は、個別のインベントリよりもインベントリの総計にあてはまると指摘した。ハドル議論及び改定が行われた後、このパラグラフで合意された。

SPM.1この表は、AFOLU及び非AFOLUに起因する人為的な正味の排出量を示すパネル1及び世界の食料システム(2007年から2016年の平均)に関するパネル2で構成される。参加者は、最初、日曜日午後のプレナリーでこの表について議論し、スイスは、部門別及びガスの種類別にデータを分けるよう要請した。

スペインは、人為的な環境の変化に対する「土地の反応(land response)」の意味合いを特定するよう求め、ルクセンブルグ及び英国と共に、適切な場合は正味のフラックスに関する表現など、用語での一貫性を求めた。

数名の参加者は、表での食料システムへの言及に関する困惑を表明し、スペインは、全ての食料が土地から得られるわけではないとし、農業ではたばこや繊維、薬品など非食品生産物も生産すると指摘した。数か国は、貯留、加工、輸送、包装、小売部門での化石燃料及び産業に起因する排出量に関し、表のさらなる明確化を求めた、中国は、提示された数字をめぐる不確実性を指摘した。EUは、どの排出量がAFOLUに起因し、どの排出量が非AFOLU部門に起因するかを説明する脚注を追加し、農業作業前及び作業後の排出量について、政策決定者に明確性を示すよう提案した。

英国は、この表はAFOLU排出量のサブセットであり、非CO2排出量は食料システムからのものだけを表示している、これはたとえば森林部門からの排出量のデータが欠如しているためであると明示するよう提案した。カナダとアイルランドは、提示されたデータの比較をしやすくし、理解しやすくするため、人為的なGHG排出量の合計を記載する列を追加するよう提案した。

火曜日朝、参加者は、CLAsが提出した改定後の表、及び表に伴う脚注について審議した。アイルランドは、CO2換算値のほかに、本来の数値を用いるよう求めた。インドは、食品システムが人為的な排出量の合計の割合で示されているとして反対し、部門別の排出量を明確に示すよう求めた。CLAsは、スコーピング・プロセスで承認されたSRCCLのマンデートに言及、これには次のものが含まれると述べた:食料及び栄養安全保障の観点から枠づけを行う;貿易及び市場を含めるものとしての食料システム;枠づけシステム。

追加のハドル協議の後、参加者は、CLAsが提示した表の改訂版を承認した。

A3.4日曜日、メタン濃度上昇に関するパラグラフについて、EUは、アイルランド及びフランスの支持を得て、メタン排出量に関する詳細を報告書本文から引用し、SPMに追加するよう提案した。ニュージーランドは、AFOLUからのメタン排出量を特定するよう求めた。EUは、メタン濃度をCO2換算で表現するよう求めた。

執筆者は、2007年から2016年の期間における世界のAFOLU排出量を特定する文章でこのパラグラフを始めるよう提案し、参加者も同意した。

その後、参加者は、メタン濃度上昇に特化した傾向を政策決定者に伝える方法について、長時間の議論に入った。

成長率を特定するようにとのインドの要請に対し、執筆者は、成長率は年ごとに大きく変化すると述べた。執筆者の説明では、この変動性は2000年から2006年の間に見られた成長率の停止にも拘わらず、メタンの大気濃度は上昇しているとの記述に反映されている。

スペインは、他のものと共に、排出量の成長率における停止について明確にするよう要請した。アイルランド及びイタリアは、排出量のみに焦点を当て、成長率の停止への言及を削除するよう提案したが、サウジアラビアは反対した。執筆者は、これはアクティブな科学分野の話であり、この停止の原因を特定の排出源や吸収源に起因させることは不可能であると説明した。

長時間の議論の後、参加者は、次のような表現で合意した:1990年代半ばからメタン大気濃度は安定的に増加;1999年までは緩やかな伸び;1999年から2006年は成長なしの期間;2007年に成長が再開。

その後の文章に関し、ボリビアは、インドの支持を得て、このパラグラフは人為的排出量と自然の排出量を混同していると指摘し、他のものと共に、湿地を農業部門から切り離しておくことを希望した。インドとEUは、活動の貢献度の違いを数字で明示するよう要請した。メキシコは、このパラグラフは生物的な排出源及び他の排出源など、メタンの全体排出量に焦点を当てていると想起し、メタン排出量の重要性とそれが自然系に与える影響から、「全体像を俯瞰する(keeping the whole picture in mind)」よう促した。アイルランドは、濃度よりも排出量に言及するよう提案した。ブラジル及びインドは、食糧安全保障への言及追加を提案した。コンタクトグループでの議論及びプレナリーでのコメントに基づく改定を受け、パラグラフの改訂版で合意された。

A3.5AFOLUからの人為的な亜酸化窒素排出に関するパラグラフについて、EU及びアイルランドは、全体的な傾向及び2007-2016年の期間に関する行を追加するよう要請し、このグループも同意した。

インド及びブラジルは、言及されている放牧地は管理されたものであることを示す表現を提案し、ブラジルは、持続可能でない管理への言及を追加するよう提案した。CLAは、現時点では持続可能な管理の放牧地と持続可能でない管理の放牧地とを区別できるデータではないと説明したが、管理された放牧地への言及の受け入れ可能性には賛成した。米国は、管理された放牧地及び牧場に放牧されている家畜から生じる排出量の増加を特定するよう提案し、このグループも同意した。

CLAは、ウルグアイの質問に応え、管理された放牧地で用いられる肥沃化は含まれていないが、これは別に報告されているためであることを明らかにした。

その後、このパラグラフは合意された。

A3.6このパラグラフは、AFOLUからのGHGの正味合計排出量に焦点を当てるほか、グローバル食料システムなど他の手法からの農業での排出量と土地利用にも焦点を当てる。一般のコメント発表で、スイス、英国、サウジアラビアは、グローバル食料システム全体からの全排出量を含めるよう促した。EUは、グローバル食料システムからのエネルギー排出における肥料製造を含めるよう求めた。インドは、中国の支持を得て、このパラグラフの削除を求め、その理由として使われている国連食糧農業機関(FAO)のライフサイクル分析に疑義があるためだと述べた。中国は、このパラグラフにエネルギー排出を含めることは二重計算を招きかねないと述べた。

原文の構成にある文章に関し、ドイツは、政策干渉がなければ食料システムからの排出量は2050年までに約30-40%増加すると予想されると述べ;この排出量の増加は、単なる所得の増加や食生活の変化というよりも、GHG排出量の多い食生活への転換が原因であると特定するよう求めた。ボリビアは、供給側の生産の動向が排出量の増加にどう影響するか、文章で説明するよう求めた。インドは、ブラジルと共に、この文章は最も貧困で栄養不足の人々が世界規模での将来の排出量に責任があるかのごとく暗示しているとして拒否した。

アルジェリアは、工業生産は生成排出量の観点からすると非工業生産とは大きく異なると指摘した。スイスは、グローバル食料システムからの排出量に関するいかなる文章においても、全ての要素、特に地域間の違い及び全ての国における所得階層化を含めるよう求めた。タンザニア及びインドネシアは、このパラグラフの削除を求めた。サウジアラビアは、途上国の農業補助金が排出量を悪化させている方法を示す文章を要請した。Rutgers Universityは、循環系での食料廃棄物を論じる情報を求めた。

このパラグラフは、プレナリーで受けたコメントに基づき、コンタクトグループが改定した通りで合意された。

A4このサブセクションは、土地の状況の変化を論じるもので、最初は月曜日の朝に提起された。コンタクトグループでの議論の後、このサブセクションと冒頭の文章は、火曜日の朝に合意された。冒頭の文章は、土地利用または気候変動による土地の状況の変化は、地球の及び地域の気候に影響を与えるとし、地域規模では、土地の状況の変化は、温暖化を軽減または強化する可能性があり、極端な現象の強度、頻度、期間に影響を与える可能性があると述べる。

A4.1:人間の活動を原因とする土地表面の変化に関するパラグラフは、CLAsによる次の改定を受け、承認された。

A4.2参加者は、極端な現象の可能性、強度、期間が土地の状況変化で大きく変わることに関するパラグラフを短時間審議した。トリニダードトバゴは、熱波は多数の熱関係現象の一つに過ぎないことを強調するよう求め、文章はこれを反映させるべく修正された。その後、このパラグラフで合意された。

A4.3:気候変動による土地の状況の変化と地域の気候へのフィードバックに関するパラグラフは提示された通りで承認された。

A4.4:砂漠化による地球温暖化の進行に関するパラグラフについて、スウェーデンは、乾燥地におけるアルベドの増加が常に表面の冷却を招くのか、それとも他の効果を単に強めるだけなのか質問した。あるCLAは、乾燥地のアルベドの増加は冷却効果を伴うと、全ての文献が指摘していると述べた。これらプロセスの地域への影響は推計されていないと指摘する文章が削除された後、このパラグラフは承認された。

A4.5:新規植林、再植林、非森林化に由来する森林面積の変化が水とエネルギーの交換により地域の表面気温に直接影響を及ぼすことに関するパラグラフは長時間の議論の的となり、ドイツはこので「持続可能な」森林管理に言及すべきことを支持したが、インドは反対した、このパラグラフで管理に言及すべきかどうかも議論され、ニュージーランド、EU、コンゴ共和国は、このパラグラフは削除可能だと述べた。Friends World Committee for Consultation及びエルサルバドルは、森林の回復への言及を提案し、インド及びボリビアは、森林面積の増加を反映する表現を提案した。一人のCLAは、「管理(management)」への言及を全て外すよう提案し、参加者は、例えば新規植林、再植林、非森林化など、森林面積の変化に言及することで合意した。

A4.5:森林面積の変化が水とエネルギーの交換により地域の地表温度に直接影響を与えることに関するパラグラフは、「持続可能な」森林管理に言及すべきかどうかについての長時間の議論(ドイツ及びコンゴ共和国は支持、インドは反対)をもたらし、管理に全く言及しないかどうか(ニュージーランド、EU、コンゴ共和国の提案)、森林の回復(Friends World Committee for Consultation及びエルサルバドルが言及)、あるいは「森林面積の拡大(increase in forest cover)」(イタリア及びボリビアが支持)も議論された。一人のCLAは、「管理(management)」への言及の全削除を提案、「新規植林及び再植林を含める森林面積の拡大(increase in forest cover, including afforestation and reforestation)への言及を提案した。参加者は、「森林面積の拡大(changes in forest cover)」で合意した。

積雪期の地表アルベドの減少による冷却効果は温暖化効果で相殺されるとする文章に関し、フィンランドは、エアロゾルの影響について質問し、ウルグアイは、ウクライナと共に、全ての寒帯及び温帯地域で積雪があるわけではないと論じた。

ハドルでの議論の後、参加者は、火曜日の朝、追加コメントをすることなく、このパラグラフの改訂版及び関連の脚注をレビューし、承認した。

A4.6:温暖化及び都市化の傾向を論じるパラグラフに関し、アイルランド及び米国は、評価されたのは過去の傾向のみであり、将来の展望に関する文章は回避されるべきだと警告した。この文章はそれに合わせて改定された。

スウェーデン、ウクライナ、アイルランド、インドは、都市化に関し、よりニュアンスを持たせた文章を求め、都市化のプラスの面と共に自然資源に対する圧力の高まりも論じるよう求めた。WG II共同議長のDebra Robertsは、このパラグラフは主にヒート・アイランド効果という都市化のほんの一面に焦点を当てていると説明した。同共同議長は、この報告書では他の側面は評価されていないと強調し、都市と気候変動に関する特別報告書で作業が進行中であると指摘した。インドは、都市化に関係する自然資源への圧力について知識のギャップがあることを記載するよう求めた。その後、このパラグラフは改定され、合意された。

SPM.2:世界の気候変動、社会経済の発展、陸上生態系における緩和のための選択を起因とする人間のシステム及び生態系における土地関連のリスク:参加者は、この図に関する議論を月曜日の午後から開始し、多数のものがこの図の情報及び表示方法について懸念を表明した。コンタクトグループでさらなる議論が行われた。

気候変動の結果として土地ベースプロセスでおきる変化が人類及び生態系にもたらすリスクに関するパネルAについて、ロシアは、米国、EU、カナダの支持を得て、「損害(burning embers)」の棒グラフは元となる報告書の結論を反映していないとして警告した。

気候関連リスクの水準に影響を与える多様な社会経済経路に関するパネルBについて、ノルウェーは、ドイツ、ケニア、英国、米国、タンザニア、トリニダードトバゴ、ルクセンブルグ、インドと共に、共有社会経済経路1(Shared Socio-economic Pathway 1 (SSP1))という高い適応能力を想定した条件においても3℃の気温上昇は多数の自然系を害すると強調した。ケニアと英国は、この図には地域による違いが捕捉されていないとし、たとえばサブサハラ・アフリカと小島嶼開発途上国(SIDS)での違いなどであると指摘した。米国は、炎上フォーマットではそのトピックでの既存の情報の量がどのくらいかが反映されていないと指摘した。ボリビアは、人口増にストレスをかけることに警告し、ブータン及びブラジルと共に、食肉の生産及び消費の影響を評価するよう求めた。

土地をバイオエネルギー専用に転換するリスクという当初この図に記載されていたパネルについて、オランダは、バイオエネルギー用の土地利用が食糧安全保障に与える特定の影響について質問し、スイスは、このパネルは「まったく使えない(fully unusable)」パネルと評した。

ブラジルはこのパネルについて次のように主張した:

  • バイオエネルギーの生産を一つのリスクとして抽出している(EUが支持)、しかも他の緩和オプションのリスク、あるいは繊維作物やたばこのような他の土地利用が食糧安全保障にもたらすリスクは議論してない;
  • リスクを議論する一方、便益は「おざなり(token)」にしか認識しない(スウェーデンが支持);
  • 緩和オプションとしてバイオエネルギーを用いない場合のリスクについては議論を省略している;
  • バイオエネルギー用の土地利用面積の拡大予測は、基となる報告書の最も極端な数字をも超えており、過大に推計している;
  • バイオエネルギー用の作物と他の作物という多品種耕作の可能性を無視しており、バイオエネルギーの生産に向けられる有機廃棄物の量も無視している。

スウェーデンの支持を得たブラジルは、このパネルを削除し、SPMの異なるセクションにある後述の図に情報を入れるべく作業しなおすよう求め、このグループもこれに同意した。さらにブラジルは、バイオエネルギーと他の作物や土地利用とのシナジーを促進する方法に関し、表を作成するよう求めた。

EUは、ルクセンブルグ及びインドの支持を得て、他の可能な緩和オプションから生じる現実味のあるリスク及び便益を記載するなら、政策決定者に対し、一層、有用な情報を提供できると付言した。

火曜日夜、CLAsは、参加者のコメントに基づき変更した点について説明した、この中には、バイオエネルギーのリスクに関するパネルの代りに、食糧の安全が保障されないこと、さらには土地の劣化が何を意味するか、その例を具体的に示すことが含まれる。

ロシアは、ダイアログの作成方法と基礎文献との関係に透明性が欠如しているとして懸念を表明し、IPCC-50の報告書に自分のステートメントを入れるよう求めた。

図SPM.2は、編集上の変更を追加し、承認された。

ボックスSPM.1:共有の社会経済経路(SSPs)このボックスは、SRCCLで用いた5件のSSPsを示す、これらのSSPsは、気候変動の適応及び緩和における広範な課題を網羅する。

米国このボックスでは、「適応」ではなく「適応能力」に言及するとの米国の提案を受け、CLAsは、各SSPにおける適応能力の水準について説明するよう提案し、このグループも同意した。

このグループは、フランス及びアルジェリアの要請に応じ、特に各SSPにおける農業及び土地管理の扱いを明らかにする更なる情報を追加することで合意した、これは報告書との関連性を考慮してのものだが、ルクセンブルグの提案通り、将来、別なところでもSSPボックスの使用が可能な形で行われる。を使えるような形で行う。

ボリビアは、消費に対しアンバランスな焦点が当てられていると指摘し、SSPsでは、生産と消費の両方のパターンに言及するよう求めた。CLAは、生産は「技術的進捗状況」の下で扱われていると説明したが、ボリビアは、生産面の問題は、単なる技術的な進捗状況の問題そして/または非効率の問題ではなく、持続可能でない生産パターンの問題でもあると指摘した。CLAsは、SSPsにおける技術的進捗状況、生産、消費パターンへの言及を提案し、このグループも同意した。

適応及び緩和に対する「中度(medium)」の課題と「中くらいの(moderate)」課題という表現について多少議論し、高度な(high)経路と低い(low)経路の比較可能性の意味で、「中度(medium)」とし、SSPの説明の中で、これが他の経路との対比だと記載するというCLAの提案で同意した。

参加者は、これらの修正をもって、SSP1、SSP2、SSP3、SSP4に関する文章を承認した。

SSP5に関し、アルジェリアは、文章の中でGHG集約型のライフスタイル及び家畜の需要に焦点を当てることに疑問を呈した。CLAsは、資源集約型(resource intensive)ライフスタイルへの言及を提案したが、これにはスイスが反対し、家畜への言及削除も提案したが、ノルウェーとドイツが反対した。 

ボックスSPM.1の最後のパラグラフに関し、異なる緩和レベルを意味する代表的濃度経路(Representative Concentration Pathways (RCPs))とSSPsは並列で扱えるとの文章では意見が分かれた。ドイツは、異なるRCPsと結びつくような実際の緩和レベルを特定するよう提案した。このグループは、 SSPsはRCPsという異なる緩和レベルを意味する経路との組み合わせが可能であるとの文章で合意した。

SSP5及び最後の結論パラグラフに関する追加協議が行われた後、ボックスSPM.1は承認された。

A5このサブセクションは、気候変動によるリスクを論じるもので、初め、月曜日の午後に議論された。プレナリー及びコンタクトグループでの議論で一般的なコメントが発表されたのに続き、参加者は、3つのパラグラフをサブセクションA2からこのサブセクションに移すことで合意した。

冒頭の文章では、気候変動は土地に対し追加のストレスを加え、生き物や生物多様性、人間の健康及び生態系の健全性、インフラ、食料システムに対する既存のリスクを悪化させると指摘する。

多数の参加者は、EU、エストニア、米国、ルクセンブルグ、ボツワナ、その他を含め、このサブセクションの土地及び気候における加速的な変化がGDPに与える影響の推計についてのパラグラフは数字に問題があり、推計値は明確さにかけるとして、その削除を提案した。ドイツ、ボリビア、サウジアラビアは数値に問題があることには同意したが、GDPへの影響への言及は保持し、経済的な詳細を加えるよう提案した。サウジアラビアは、この数字の出典である基礎報告書で、リスク管理及び持続可能な開発と関係する政策決定を記述した章について、懸念を表明した。

A5.121世紀中の熱波を含める高温関連現象の頻度、強度、期間の増加予測に関するパラグラフは、サブセクションA2から移された。当初の議論において、タンザニア、スペイン、インドは、干ばつの「頻度及び強度(frequency and intensity)」の追加を提案した。フランスは、土壌の浸食及び土地の劣化への言及を入れるよう提案し、カナダは、極端な現象自体が土地の劣化プロセスを推進する要素であるとのメッセージを強調するよう提案した。

米国は、文章の時間枠を特定するよう求め、特に予測を扱う場合にはそうするよう求めた、さらにトルコは、シナリオへの言及挿入を提案した。インドは、極端な現象の影響について実例を挙げるよう促した。サウジアラビアは、イランの支持を得て、干ばつの影響を受ける地域に西アジアも含めるよう求めたが、これは受け入れられなかった。

A5.2:中緯度及び高緯度の気候帯における極地方向への移動予測、及び温暖化による寒帯森林のかく乱増加に関するパラグラフは、サブセクションA2から移されたもので、一つのパラグラフにまとめられた。EUは、当初のコメント発表において、変革の速度へも言及するよう求めた。

このパラグラフは、コンタクトグループの議論での修正通りで合意された。

A5.31.5°C2°C3°Cの温暖化でのリスクを特定するパラグラフに関し、トリニダードトバゴは、セントクリストファー・ネービスの支持を得て、熱帯サイクロンの強度の変化への言及、及びSIDSへの言及を求めた。フランスは、水文学及び水資源への影響の記載を支持した。

ブータン、セントクリストファー・ネービス、インド、カナダ、タンザニア、その他は、1.5ºC温暖化の影響を含めるよう求め、日本とカナダは、1.5ºCでの永久凍土での被害を強調した。

インドは、タンザニアの支持を得て、地域の側面が適正に示されていないとし、農業及び食糧安全保障のリスクに特化したパラグラフを提案した。

ノルウェーは、スウェーデン及び米国と共に、「食糧システムの不安定性(food system instability)」を明らかにするよう求め、この言及は結局削除された。ノルウェーは、多部門のリスクに対する世界の曝露量は1.5℃と3℃の温暖化では4倍になるとの文章を冒頭の文章に移すよう提案したが、結局、この文章は削除された。

A5.4:食糧チェーンを乱すような極端な天候現象の強度及び頻度の増加と共に、食糧供給の安定性が低下していくことに関するパラグラフについて、EU及びインドは、世界の作物及び経済モデルの予測に則った穀物価格への影響割合を占めす数字について疑問を呈した。「低所得国(low-income countries)」に代わり「最も脆弱な(most vulnerable)」人々という表現を含めるなど、コンタクトグループで修正が行われた後、このパラグラフは合意された。

A5.5:気候変動及び乾燥地帯砂漠化の影響に関するパラグラフについて、日本は、脆弱な人々の人数予測を明確にするよう求め、スペインは、人口の脆弱性に関する文章に付された確信度の低さについて疑問を呈した。米国は、予測に用いたシナリオを明確にする必要があると強調し、インドは、SR15との一貫性を強調した。予測人数が明らかにされた後、このパラグラフは、多少の修正を経て合意された。

A5.6:地域影響に関するパラグラフについて、ボリビア、ドイツ、その他は、文章に付されるべき確信度について質問した。スウェーデンは、寒帯への言及を提案し、スリランカは、豪雨による土地の劣化、トリニダードトバゴは、熱帯サイクロンへの言及を提案した。このパラグラフは、提示された通りで承認された。

A5.7:各国内及び越境の両方において気候変動が環境を誘引とする緩和を倍増させることに関するパラグラフは、多少の修正と共に、受け入れられた。

A5.8このサブセクションでは、持続可能でない土地管理は経済にマイナスの影響をもたらすと記述するパラグラフが追加された、これは気候変動によりさらに悪化するとみられる。

A6:気候変動がもたらすリスク水準は多様な要素に依存するとのサブセクションは、最初、月曜日午後のプレナリーで審議され、コンタクトグループでの議論の後、水曜日の朝に合意された。フランス及び韓国が共同議長を務めるコンタクトグループでは、一般コメント発表の後、このサブセクションの追加議論が行われた。冒頭の文章は、リスク水準は温暖化水準、並びに人口、消費、生産、技術開発、土地管理パターンがどう進化するかで異なると記述する。

A6.1月曜日、人口増及び所得の増加は消費パターンの変化と合わせ、食糧や飼料、水の需要増を生むと記述するパラグラフについて、ボリビアは、食糧安全保障の欠如、水不足、GHG排出量の増加に影響を与えるような消費意思決定への言及に加え「生産(production)」にも言及するよう求めた。インドは、所得が増加し、土地転換需要が削減されるような開発経路は食料安全保障の低下に結び付く可能性があるとの記述に対し、懸念を表明した。このパラグラフは、コンタクトグループによる多少の修正を受けた後、合意された。

A6.2-4リスクに関するこれらのパラグラフは、コンタクトグループから送られてきた通りで承認されたが、これらのパラグラフは次に関係する:乾燥地帯での水不足;気候変動で促進された土地の劣化;食糧安全保障。

A6.5:都市部の拡大は耕作地の転換を招き、食糧生産の損失を呼ぶとする新しいパラグラフに関し、インドは、都市部拡大のいくつかの面が考慮されていないとして嘆き、都市化が土地及び水資源に与える影響への言及の欠如に懸念を表明し、この報告では都市での居住が資源、特に土地資源に与える影響を考慮していないとの文章を要求した。米国は、土地利用全体に関する都市部の土地の影響を考慮することが重要だと強調した。

ハドルでの議論の後、参加者は、このパラグラフ及びその脚注の改定文章を検討した。この文章は、コメントされることなく承認されたが、提案された脚注はインドが提起した懸念を議論した。承認された脚注は、この報告書で考察した土地システムには都市部の生態系の詳細なダイナミックスは含まれていないと述べる。

SPMの最終文章:セクションAは、温暖化する世界における人間、土地、気候を論じる。

サブセクションA1は、いかに土地が人間の暮らしや福利の主要な土台を提供しているかを論じており、下記を強調する:

  • 土地は、他の多くの生態系の機能及びサービスの基礎を提供しており、この中には文化的なサービス及び規制サービスが含まれる;
  • 土地は、l GHGsの排出源でもあれば吸収源でもあり、エネルギーや水、エアロゾルの陸地表面と大気との交換において重要な役割を果たす;
  • 地球の氷の無い土地面積の約4分の1は、人為的な劣化の対象である;
  • 農業及び林業面積の拡大は、増加する人口の消費及び食料の利用可能性をサポートしてきた、さらに大きな地域変動性はあるが、正味のGHG排出量の増加に寄与している;
  • 植物性の油や食肉の一人当たりの供給量、及び一人当たりの食事のカロリーは増加してきたが、生産された食料の25-30%はロスとなるか廃棄されており、その両方に排出量の追加が伴う。

サブセクションA1にはSPM.1が含まれる、この図は特定の土地利用の現状及び動向を示しているほか、この報告書に記載する主要題目の多くを表す気候変動用をも示す。

サブセクションA2 は、いかにして気候変動が食糧安全保障及び陸上生態系に悪影響を与えるか、さらには多くの地域での砂漠化及び土地の劣化に寄与してきたかを論じる。このサブセクションは下記を強調する;

  • 産業革命前以後、観測された土地表面の平均気温は、地球表面(土地及び海洋)全体の平均気温を大きく上回って上昇している;
  • 温暖化は、高温に関係する事象の頻度、強度、期間の増加を生む結果となっており、この中には、大半の陸地域における熱波が含まれる;
  • 世界的に見れば、緑の植生は、褐色の植生より広い面積を占める;
  • 塵芥ストームの頻度及び強度は過去数十年の間に増加したが、これは多くの乾燥地帯における土地利用及び土地表面の変化並びに気候に関係する要素が原因であり、この結果人間の健康への悪影響が増している;
  • 一部の乾燥地帯では、地表温度や蒸発散量が増加し、降水量が減少、これらが気候変動要素及び人間の活動と相互に作用することで、砂漠化に寄与してきた;;
  • 地球温暖化は、多くの地域で気候帯の移動を招いている、この中には、乾燥気候帯の拡大、局地気候帯の縮小が含まれ、さらにその結果として多数の植物種及び動物種が生息範囲の変化、豊饒性の違い、季節活動の移動を経験してきた;
  • 気候変動は、土地の劣化プロセスを悪化させる可能性がある、この中には豪雨、洪水、干ばつの頻度及び強度、高温ストレス、乾燥期、風、海水面の上昇、波の作用、永久凍土の融解によるものが含まれる;
  • 気候変動は、既に食糧安全保障に影響を与えている、その原因は、温暖化、降水パターンの変化、一部の極端な現象の更なる増加

サブセクションA3は、いかにAFOLU活動が2007-2016年に世界中の人間活動から生じたGHG排出量において役割を果たしてきたかを論じており、下記を強調する:

  • 土地は、人為的及び自然の両方の推進要素を原因とするCO2排出源であると同時にその吸収源でもあり、人為的なものを自然のフラックスから分離することは困難である;
  • 気候変動を原因として植生及び土壌から発生する正味のCO2排出量の将来の増加は、CO2肥沃化及び成長期の長期化による除去量の増加と相殺すると予想され、これらのプロセスのバランスは、土地の炭素吸収量を決定する上での主な不確実性の原因であり、予想される永久凍土の融解は、土壌カーボンのロスを増加することが予想される;
  • 土地部門での人為的なCO2排出量及び除去量の推計では、世界モデルと各国のGHGインベントリで手法が異なる、両方とも森林(例、伐採、新規植林)を含める土地利用では推計値がほぼ一致しているが、管理された森林では異なる:
  • 世界モデルでは、管理された森林というのは伐採の対象となる土地を考察するが、国別GHGインベントリでは、IPCCのガイドラインに合わせ、管理された森林を広範に定義しており、手法の違いの考察は、土地部門での正味の排出推計量やその応用に対する理解を深めることができる;
  • メタンの大気濃度の世界平均値は、1980年代半ばから1990年代初めにかけての安定成長、その後1999年までの成長の鈍化、1999-2006年の成長停滞、続いて2007年からの再度の成長期を示す、さらに生物起源の排出量が占める割合は、2000年以前より大きくなっている;
  • 人為的なAFOLU起源の亜酸化窒素(N2O)排出量は増加しており、土壌からの人為的なN2O排出量は、主に、非効率なものも含める窒素の利用が原因である;
  • AFOLU排出量を起源とする正味のGHG合計排出量は、正味の人為的な合計排出量の23%を占める;
  • 世界の食料システムなどの他のアプローチには、農業の排出量及び土地利用変化(例、森林伐採、ピートの土地劣化)が含まれるほか、食糧生産のためのエネルギー、輸送、産業部門からの排出量という農場の門外の排出量も含まれる、さらに食料システムの多様性からすると、食糧システムの多様な構成部分がどれだけ寄与するかでも、大きな地域差がある;
  • 農業生産を起源とする排出量は増加すると予測される。

サブセクションA3にもSPM.1が含まれ、AFOLU起源及び非AFOLU起源の正味の人為的排出量、及び世界の食料システムを示す。

サブセクションA4は、いかに土地の状況の変化が世界の及び地域の気候に影響するかを論じるほか、これらの変化の規模及び方向性が場所や季節でどう変化するかを論じる。このサブセクションは下記を強調する:

  • 人間の活動を原因とする土地表面の変化は、地球温暖化に寄与するCO2の正味の放出、並びに表面の冷却化の原因となる世界の土地のアルベド増加の両方を招いてきた;
  • 多数の極端な現象の発生可能性、強度、及び期間は、土地の状況の変化で大きく修正される可能性がある;
  • 気候変動は、土地の状況を変化させると共に、地域の気候にフィードバックを与えると予想される;
  • 砂漠化は、植生面積の縮小とリンクするCO2の放出で、地球温暖化を増幅する;
  • たとえば新規植林、再植林、伐採などによる森林面積の変化は、水及びエネルギーの交換を通して、地域の地表温度に直接影響を与える;
  • 地球温暖化と都市化の両方は、都市及びその周辺での温暖化を強める可能性がある(ヒート・アイランド効果)、特に熱波など高温に関係する現象が起きている場合に温暖化を強める。

サブセクションA5は、どのようにして気候変動は、土地に対する追加のストレスを作るのか、生活、生物多様性、人間及び生態系の健康、インフラ、食糧システムでの既存のリスクを悪化させるのかを論じる。このサブセクションは、下記を強調する:

  • 温暖化の進行に伴い、熱波を含む高温関係の減少の頻度、強度、期間は、21世紀中、増加を続けると予想される;
  • 高緯度地帯では、温暖化は、寒帯林のかく乱を増やすと予想されており、これには干ばつ、山火事、害虫の大発生が含まれる、さらに熱帯地域では、温暖化の結果として、前例のない気候状況が生じると予想される;
  • 現在の地球温暖化の水準は、乾燥地での水不足、土壌の浸食、植生の喪失、山火事による被害、永久凍土の融解、沿岸部の劣化、熱帯の作物の収率低下における中程度のリスクと結びつけられる;
  • 食糧供給の安定性は、食糧チェーンをかく乱する極端な天候現象の規模及び頻度が増加するにつれ、減少すると予想されており、大気中のCO2濃度の上昇も作物の栄養面での質を低下する可能性があり、最も脆弱な人々は、より深刻な影響を受けるとみられる;
  • 乾燥地においては、気候変動及び砂漠化が、作物の減少及び家畜の生産性の減少の原因となると予想される;
  • アジア及びアフリカは、砂漠化の拡大の影響を受けやすい人口が最も多いと予想される;
  • 北米、南米、地中海、アフリカ南部、中央アジアは、山火事の影響が増す可能性がある;
  • 熱帯および亜熱帯は、作物の収率低下で最も影響を受けやすいと予想される;
  • 海水面の上昇及びサイクロンの強度増大の組み合わせの結果生じる土地の劣化で。サイクロンに弱い地域の生命及び暮らしが危うくなると予想される;
  • 人口構成では、女性や子供、高齢者、貧困者のリスクが最も高い;
  • 気候の変化は、各国内及び越境で、環境を誘引とする移住を何倍にも増やす可能性がある、これらはモビリティの多数の推進要素、及び利用可能な適応措置を反映しており、さらに極端な天候、気候、あるいは緩慢に発生する現象は、移転の増加、食糧チェーンの中断、暮らしの脅威を呼ぶ可能性がある;
  • 持続可能でない土地管理は、経済にマイナスの影響を与えることに結び付き、さらに気候変動は、このような経済へのマイナスの影響を悪化させると予想される。

サブセクションA6は、なぜ気候変動で生じるリスクの程度が、温暖化の程度及び人口や消費、生産、技術開発及び土地管理パターンの進化の両方により異なるのかを論じる。このサブセクションは下記の点を強調する:

  • 予想される人口及び所得の増加は、消費パターンの変化も合わせ、2050年の食料、飼料、水の需要増を生むことになり、これらの変化と土地管理の実施方法との組み合わせは、土地利用変化、食糧の安全保障なし、水不足、陸上のGHG排出、炭素隔離ポテンシャル、生物多様性に影響を与える;
  • 乾燥地の水不足関連リスクは、人口成長率が低く、水の需要増が低い、さらに適応能力が高い経路では低くなる;
  • 気候変動で推進される土地の劣化に関係するリスクは、人口が多く、土地利用変化が増加し、適応能力が低く、適応に対し他の障壁がある経路では高くなる;
  • 食糧安全保障関係のリスクは、低所得、食糧需要が増加、土地の競争の結果として食料価格が上昇、貿易が限定的、適応に対し他の課題がある経路では、大きくなる;
  • 都市の拡大は、耕作地の転換、それによる食料生産の喪失、さらには食料システムへの追加リスクを生む結果となる可能性があると予想される。

セクションAには、SPM.2も含まれるが、この図は、世界の気候変動、社会経済の発展、陸上生態系における緩和の選択による土地関連の人間社会及び生態系へのリスクがあることを示している。この報告書では、気候変動の緩和、適応、土地利用に関する将来の社会経済の発展が与える影響を探求、SSPsを用いた図で示される。SSPsは、 RCPsと組み合わせることが可能であり、このRCPsは、異なるレベルの緩和を意味し、適応にも影響を及ぼす。

ボックスSPM.1は、5件のSSPsを提起する、これらはSRCCLにおいて、将来の社会経済の発展が気候変動の緩和、適応、土地利用に与える影響を探求する目的で用いられた。SSPsは、気候変動の適応及び緩和の一連の課題範囲に広がる。

B:適応及び緩和対応オプション

このセクションは、月曜日の午後に提起された。韓国は、アンゴラ、ウズベキスタン、フランス、南アフリ、コロンビア、タンザニアと共に、土地の劣化のニュートラリティ(LDN)が重要であり、関連性もあると強調し、この概念及び用語を再度導入するよう求めた。

B1このサブセクションは、気候変動の適応及び緩和に寄与し、さらに砂漠化や土地の劣化を防止し、食糧安全保障を高めることが可能な土地関連の対応策を論じる。

冒頭の文章に関し、インドは、最も脆弱な人口に含まれる世界の人口の大半での適応負担を認識するよう求めた。CLAsは、文献及び作業の焦点は、適応に関する対応オプションに注目が集まっていると説明し、この点での各国の状況の比較を困難なものにしていると説明した。インドは、土地関連の対応策、特に適応と緩和のバランスからみたそのポテンシャル、さらに特性は、特定のコミュニティー及び地域の脆弱性の程度や適応能力により異なると記載する文章を提案した。あるCLAは、このセクションは緩和と適応の両方に関係するものであり、評価では対応オプションにより人々がどれだけ適応できるかその程度に焦点を当てたと述べた。全てではないが場合によっては、これは脆弱性に関係するとそのCLAは述べた。

非公式な議論の後、参加者は、土地関連の対応策のもつポテンシャル及び適応と緩和において相対的な重点の置き方をどうするかは、コミュニティー及び地域の適応能力など、内容により異なると強調する文章で、執筆者に同意した。冒頭の文章も、適応に対する障壁及び土地関連対応策が緩和にどれだけの寄与を行えるかその限度に関する文章を含める。

B1.1:気候変動への適応、緩和、持続可能な開発に寄与すべく既に取られている行動に関するパラグラフについて、インド及びEUは、この文章の詳細を説明する必要があると指摘した。英国及びニュージーランドは、例を挙げること、並びに行動の規模について詳細を追加するよう提案した。南アフリカ、ジャマイカ、トリニダードトバゴは、不適応及び適応の限界について警告した。

ノルウェー及び気候行動ネットワーク・インターナショナルは、自然の生態系の保全への言及を加えるよう提案し、このグループも同意した。

一貫性を強調したボリビア、ポーランド、ニカラグア、ペルー、エストニアは、「改善された(improved)」森林管理ではなく持続可能な森林管理と表現することを希望した。CLAsは、この変更に同意した。

中国は、新規植林及び再植林の追加を求めたが、CLAsは、これらは大規模に行われるならマイナスの影響を及ぼす可能性があり、適応、緩和、持続可能な開発への寄与に関するパラグラフにはふさわしくないと説明した。

スウェーデンは、エネルギー利用を目的とする残滓及び消費者による消費後の廃棄分への言及を求めたが、これは受け入れられなかった。ハドルでの議論の後、このパラグラフは、若干の修正を経て合意された。

B1.2このパラグラフは、一部の対応オプションは直ちに影響を及ぼすが、他のものは計測可能な結果を出すのに数十年かかると説明しており、イタリアは、前向きなメッセージを送る必要性を強調し、原文では注目されていないが、一部のオプションは短期間で結果を出せると記述するよう提案した。フランスは、再植林及び新規植林は短期間の便益を提供できると説明した。当該CLAは、イタリアの提案を反映する文章を提案し、これが承認された。

インドは、適応と緩和の両方のオプションを議論する文章は両方を組み合わせることで「緩和の負担を誤った方向に導く(misdirect the burden of mitigation)」可能性があるとして懸念を表明した。他の者は、この二つはSR15では合同で扱われていると指摘し、別に扱うことはそれぞれが独立して動くとの印象を与えると指摘した。メキシコは、新規植林及び再植林は両方に関係すると繰り返した。スウェーデンは、参加者に対し、適応と緩和は、時には合わさるが、いつもではないと想起した。フランスは、イタリアの支持を得て、このパラグラフの順序を整理し、最初に短期オプションを説明し、その後に長期にわたるものを説明するよう提案した。

CLAsは、このパラグラフを分けて対応オプションの例を示すこととし、最初に即時の影響があるものを、その後、時間のかかるものを示すよう提案した。ウルグアイ及びボリビアが多少の追加を加えた上で、このパラグラフは承認された。

B1.3:対応オプションの実施成功は地方及び社会経済的な条件で異なることに関するパラグラフについて、トルコは、アンゴラと共に、またUNCCDの支持を得て、LDNへの言及を求めた。参加者は、LDNの達成は多数の規模及び部門を横断する多数の対応の統合にかかっていることを反映する表現で合意した。

B1.4:土壌及び植生での炭素隔離を実現する土地ベース・オプションに関するパラグラフについて、参加者は、新規植林、再植林、森林農業(agroforestry)、鉱物質土壌の土壌カーボン管理または伐採木材製品での炭素貯蔵などの土地ベース・オプションは、炭素を無限に隔離するわけではないと明言することで合意した。EUの要請を受け、参加者は、ピートランドであれば何世紀も炭素を隔離できると明記した。炭素貯蔵量は年数が経つにつれ増加する、しかし炭素吸収力は低下していくとCLAは明言し、それを受け、参加者は、植生が成熟した時点、あるいは土壌カーボンの貯蔵地が飽和に達した時点で、大気からの毎年の正味CO2除去量はゼロへと向かい減少していくが、炭素貯蔵量は維持可能であると記述する文章で合意した。このパラグラフは、これらの変更をしたのち、承認された。

B2このサブセクションは、評価した対応オプションは持続可能な開発及び他の社会目標にプラスの貢献をすることに注目する。一般コメント発表後、このサブセクションは、サブセクションB3及び図SPM.3と共に、コンタクトグループで更に議論された。

B2.1:土地利用変化を必要としない、または土地転換需要を開拓する土地管理オプションに関するパラグラフは、追加コメントなしで、コンタクトグループに提示された通り、承認された。

B2.2:適応及び緩和の広範な対応策の範囲を扱うパラグラフに関し、ノルウェーは、自然の生態系の回復、さらには保全に言及するよう提案した。さらなる議論の後、生態系の機能及びサービスの強化に関する表現についてのボリビアの提案が、受け入れられ、このパラグラフは承認された。

B2.3:土地をめぐる競争を激化することなく、貧困撲滅及び飢餓の根絶に貢献できる土地管理ベースの対応オプションに関するパラグラフについて、インドは、「バリューチェーン管理(value chain management)」という言葉が市場の側面を表している場合には懸念があると表明した。サウジアラビアは、多数の緩和「及び適応(and adaptation)」の対応オプションは土地をめぐる競争がない場合にも適用可能であるとするボリビアの提案について、これは受け入れられないと述べた。このパラグラフは、提示された通りで承認された。

B3このサブセクションは、対応オプション及び土地をめぐる競争を論じており、会場からの一般コメントが出された後、サブセクションB2及び図SPM.3と共にコンタクトグループでさらに議論された。冒頭の文章及びサブセクションは、水曜日に合意された。

B3.1炭素回収貯留あり、なしでの、新規植林、再植林、土地の利用者によるバイオエネルギー原料の提供、あるいはバイオチャーの原料提供は、土地転換の需要を大幅に増加させると記述するパラグラフに関し、スウェーデンは、ルクセンブルグ、フランス、ノルウェーと共に、廃棄物からのバイオエネルギー抽出ポテンシャルに注目した。このパラグラフは、コンタクトグループが提示した通りで合意された。

B3.2:バイオエネルギー作物の限界に関するパラグラフについて、ブラジルは、数百万平方キロメートルの範囲のバイオエネルギーのリスク、または炭素回収貯留付きのバイオエネルギー(BECCS)のリスクに関する言及を削除するよう提案した。このパラグラフは、コンタクトグループが提示した通りで合意された。

B3.3:バイオエネルギー用のバイオマスの生産及び利用は、共同便益も悪い副作用もあり、土地の劣化、食糧安全保障なし、GHG排出、他の環境目標及び持続可能な開発目標に対しリスクももたらす可能性があると記述する新しいパラグラフは、コンタクトグループに提示された通りで合意された。

B3.4:食糧安全保障、土地の劣化、乾燥地での水不足のリスクは、低いリスクから中程度のリスクへと移行を論じるパラグラフは、コンタクトグループに提示された通りで合意された。

B4このサブセクションの冒頭文では一定の論争があった、この文章は、砂漠化防止に寄与すると同時に緩和にも貢献する活動に関するもの。砂漠化防止の共同便益としては緩和のみを引用するとインドが提案した後、この文章は、そのように修正された。WG II共同議長のPörtnerは、エルサルバドルからの質問に応え、残ったリスク及び不適応な成果に関する表現は、適応の限界をカバーするものだと説明した。その後、冒頭の文章は承認された。

B4.1:気候変動への適応を助け、気候変動を緩和させると同時に、砂漠化の防止にも寄与する解決策に関するパラグラフについて、インドは、「地方の(local)」解決策、及び「原生種の(native)」植物の過大視に反対したが、メキシコは、地方の解決策は持続可能な適応の定義の一つであると指摘した。インドネシアは、侵略的外来種への懸念を表明し、原生種に特に言及することを希望したが、エルサルバドルは、「各地に適した植物種(locally suitable plants)」を提案した。サウジアラビアは、このパラグラフは砂漠化に適応する方法は論じていないと述べ、淡水化など他の措置も含めるよう提案した。ベルギーは、自国の土地の特殊性に鑑み、不耕起(zero-tillage)手法の効力への言及に疑問を呈した。

ハドルでの議論が続けられ、その後、IPCC副議長のBarrettは、ハドルでは次の必要性で合意したと報告した:現地及び地域の特殊性;地方の適切性の表現:解決策のリストから環境保全型農業(conservation agriculture)を削除。

ルクセンブルグは、環境保全型農業は砂漠化防止により土壌炭素の隔離を推進するとの対応策に関するパラグラフからも削除されているとして、このパラグラフからも削除することに反対した。ベルギーは、環境保全型農業は炭素排出を招く場合もありうると指摘した。EUは、どのようなことが行われてもそれは常に現場固有、地域固有のものであるが、環境保全型農業はどの場合でも炭素を隔離しないとして警告した。ベルギーは、単なる炭素隔離の問題ではなく、気候緩和の問題でもあると指摘した、ボリビアは、環境保全型農業は緩和を助けない可能性もあるが、適応には有用であると付言した。

あるCLAは、乾燥地域における隔離率は若干のプラスであったと指摘した。林業農業への言及、及び他のエコ農業及び生態系ベースの適応手法を削除し、地方の解決策リストから環境保全型農業を外した上で、このパラグラフは受け入れられた。

B4.2参加者は、砂丘の移動及び砂塵の嵐の削減は風食の悪影響を軽減し、大気の質や健康を改善できると記述するパラグラフについて、短時間議論した。この点での新規植林の役割について、ボリビアは、新規植林は砂嵐の影響を削減できることには賛成したが、新規植林では他の問題は解決できない可能性があると指摘した。サウジアラビアは、新規植林は自国にとっては実際的な政策オプションではないと述べ、参加者は、「水の入手可能性及び土壌の状況により(depending on water availability and soil conditions)」、新規植林、植林、生態系回復プログラムは砂嵐を削減し、風食を回避し、炭素吸収に寄与すると同時に、ミクロな気候、土壌の栄養分、保水力を改善すると規定することで合意した。このパラグラフは、コンタクトグループで修正した通りで合意された。

B4.3:砂漠化防止策は土壌の炭素隔離を促進できると記述するパラグラフは、若干の修正を経て、受け入れられた。

B4.4:貧困撲滅及び食糧安全保障の確保はLDN促進策の適用が有益となりうると記述するパラグラフにおいて、サウジアラビアは、インド及びタンザニアと共に、貧困撲滅は他のしのぐ優先度を有するもので、単なる共同便益ではないとし、この点を反映させる文章に変更すべきだと強調した。インドは、さらに、LDNでは土地の劣化の回避、軽減、逆転にも関連すると特記するよう要請した。参加者は、これに従ったパラグラフの修正で合意し、このパラグラフは受け入れられた。

B4.5このパラグラフは、新たなまたは強化された適応オプションがない場合、残滓リスクの可能性及び不適応な成果となる可能性が高いと指摘する。この文章の原案の構成に関する一般コメントにおいて、オランダは、「適応の限界(limits to adaptation)」への言及を希望した。インドは、残滓リスクへの言及について説明を求めた。スイスは、インドの支持を得て、この概念は「損失及び損害(loss and damage)」という用語の利用を避けるべく作成されたことを想起し、適応の限界は存在することを認め、限界を超えた場合には残滓リスクが生じると指摘した。

参加者は、適応限界に関する知識の欠如、及び気候変動と砂漠化の組み合わせ効果に対する不適応の可能性を認識すると改定されたパラグラフについて、考察した。さらに解決策が利用可能な場合でも社会的、経済的、制度的な抑制要素によりコストが増加し、実施に障壁をきたす可能性があると記述する文章を追加することで合意した。その後、このパラグラフで合意された。

B4.6:伝統的なバイオマスのエネルギー用途での使用を減少させることでクリーンなエネルギー資源へのアクセスを可能にするとのパラグラフについて、ノルウェーは、これは森林の劣化防止にも役立ち、砂漠化の防止にも貢献すると示唆した。

モロッコは、砂塵嵐は北アフリカにおける風力エネルギー及び太陽光エネルギーのインフラ設置及び保全作業の課題であるとの記述を希望した。ジンバブエは、クリーンエネルギー技術へのアクセスが必要だと強調した。CLAsは、両方のコメントを反映させることに同意した。

ドイツ及びベルギーは、再生可能エネルギーを「よりクリーンなエネルギー(cleaner energies)」の傘の下に入れて記載するよう提案し、サウジアラビア、インド、イランはこれに反対した。この問題はハドルでも更に議論され、続いて、よりクリーンなエネルギー資源は適応及び緩和に貢献でき、砂漠化の防止及び森林劣化の防止にも役立てると記述する文章が提示され、参加者はこれを受け入れた。

参加者は、伝統的なバイオマスの利用減少による社会経済的及び健康面の利益を受けるものとして「若者(youth)」ではなく女性と「子供(children)」を強調するとのインドの提案に同意し、その後、このパラグラフは承認された。

B5このサブセクションは、いかにして持続可能な土地管理が土地の劣化を防止し、削減できるか、土地の生産性を保持し、時には土地の劣化に対する気候変動の悪影響を逆転できるかを論じる。参加者は、ベリーズからの要請を受け、持続可能な土地管理がある場合でさえ、一部の状況では適応の限界を超える可能性があると指摘する文章を追加した。参加者は、冒頭の文章に持続可能な土地管理及び持続可能な森林管理に関する2つの脚注を付けるかどうかを議論し、これに同意した。

B5.1:持続可能な土地管理を通した農業システムでの土地の劣化を議論するパラグラフは、緩和ポテンシャルも有するオプションを強調するため、二つに分けられた。CLAsは、コロンビアの支持を得たボリビアの提案に応え、「エコ農業原則(agroecological principles)」への言及を提案した。スイス及び米国は、持続可能な土地管理に関係する構成で生態系の機能に注目することを希望した。このグループは、生態系及び社会経済的要素の両方に注目することで合意した。

B5.2:緩和共同便益も有する管理オプションについての新しいパラグラフは、多少の修正を経て合意された。

B5.3:森林伐採及び森林劣化の削減の緩和ポテンシャルに関するパラグラフについて、スペイン及びインドは、これらのオプションの緩和ポテンシャルは極めて広い範囲に及ぶとして、更なる詳細を記載するよう提案した。CLAsは、推計ポテンシャルを細分化するには長時間の推敲が求められると説明し、これは多数の研究で異なる条件下での調査が行われたためだと説明した。これらのCLAsは、推計値はその基となる本文の章に記載されていると述べた。

CLAsは、スウェーデンの提案に応えて、エネルギー生産目的に使用された木材残滓は速やかに炭素を放出するとし、化石燃料エネルギーの代替品となりうると説明する文章の追加を提案した。サウジアラビアは、化石燃料の代替品に言及する表現に反対した。

B5.4火曜日夜、参加者は、持続可能な森林管理は森林の炭素貯蔵量を保持もしくは強化でき、森林の炭素吸収量も保持できるとし、これにより吸収量飽和問題にも対応するとのパラグラフに関し、コンタクトグループで改定された文章を議論した。あるCLAは、インドに対し応えて、「吸収量飽和(sink saturation)」とは持続可能な森林管理における炭素貯蔵量の増加及び吸収量の減少の問題を統合する表現だと説明した。このパラグラフは承認された。

B5.5このサブセクションには、土地の劣化の回避、削減、逆転を意図する措置を実施した場合でも土地の劣化を招く気候変動に関するパラグラフも含まれる。一般コメントにおいて、スペインは、米国と共に、原文通りのメッセージは気候変動を原因とする土地の劣化は措置の実施にも拘わらず不可避であると記述するが、これはマイナスのように聞こえると指摘した。このグループは、ボリビアが土地の劣化は「不可避(unavoidable)」との表現を保持するよう希望したにも関わらず、この定量化の表現の削除を決定した。

適応の限界は動的で、立地条件に特有のもので、生物地球学的変化と社会経済的及び制度上の条件の相互作用で決定されるとの文章に関し、ベリーズは、場合によっては、限界は純粋に生物地球学的変化に依存すると強調するよう求めた。しかしCLAsは、文献にはそのような例はないと指摘した。

適応の限界を超えることは、損失の加速的な増大を引き起こす、あるいは移住の強制や紛争、貧困など望ましくない変化をもたらすと記載する文章について、米国は、ルクセンブルグの支持を得て、適応限界を超えたときにこれら三つの結果が起きるかどうか、文献では意見が一致していないと指摘した。CLAsは、適応限界の超越は望ましくない変化の「きっかけとなりうる(can trigger)」ことを示すような文章の改定を提案した。

トリニダードトバゴ、ボリビア、インドは、そのような変更に反対した。ベリーズは、結果には望ましくない変化だけでなく「改質的(transformational)」変化も含まれると付言するよう求めた。トリニダードトバゴは、SIDSの提起する懸念に十分配慮するよう求めた。

各国のコメントに基づきCLAが改定を行った後、ベリーズは、セントクリストファー・ネービスの支持を得て、基となる報告書との一貫性を指摘し、望ましくない改質的な変化という表現で文章の定量化を図ることを提案、それで合意がなされた。

B6このサブセクションは、食料システム全体にわたる対応オプションを論じる。冒頭の文章は、コメントなしで合意された。

B6.1:耕作地における適応及び緩和に寄与する実施方法に関するパラグラフについて、インドは、途上国における小規模農場主及び牧畜業者への言及がないこと、あるいは開発レベルの違いによる差異化の感覚があることで、不安が増していると表明した。この問題への対応に関するボリビア、米国、その他の多様な試みやハドルでの議論が行われた後、このグループは、異なる農場経営システムや牧場経営システム、及び開発水準に言及し、多数の牧畜関連オプションは農村部共同社会、特に小規模農場主や牧畜業者の適応能力を高めることができるとの文章を追加することで合意した。

遺伝子改良への言及についても一定の議論がなされ、ボリビア、フランス、ドイツの意見発表から「高温及び干ばつの許容量を高めるため多様な種や遺伝子改良を利用する(use of varieties and genetic improvements for heat and draught tolerance)」への言及での合意に結び付いた。このパラグラフは、修正された通りで受け入れられた。

B6.2数名の参加者は、食料システムの多角化は気候変動によるリスクを軽減できる と記述するパラグラフについて、文章案を提示した。これらの提案は、(玄米など)粗粒穀物、豆類、果物、ナッツや種といった植物ベースの食品に富んだ食事、及びGHG低排出量システムで生産された動物起源の食品を含む食事は、適応及び緩和の主要な機会を提供すると共に、人間の健康という共同便益も生まれるとの文章に注目した。ノルウェー、ドイツ、フランスは、食肉及び乳製品などの消費削減など、食事内容の変更がもたらす特定の緩和ポテンシャルに注目するよう求めた。

ボリビアは、「耐性のある(resilient)」、GHG排出量の低いシステムに焦点が当てられると述べ、この点が文章に反映された。フランスは、GHG低排出量システムで生産された動物起源の食品の例を求めた。CLAsは、栄養及び過剰摂取の削減という意味での人間の健康という目的と、排出削減の目的をバランスさせた上で、地域間の差異化を反映させる必要があると強調した。米国は、タンザニアの支持を得て、「バランスのとれた(balanced)」食事に言及するという妥協案を提示、参加者も同意した。

GHG低排出の食事を志向する転換は、現地の生産手法やこれに伴う生活習慣、文化的な慣習などで制約を受ける可能性があるとの文章に関し、タンザニアは、文化的な慣習への言及に疑問を呈した。インドは、技術面、資金面の障壁に目を向けることへの言及を求め、参加者はこれに同意した。

ノルウェーは、食生活の変更による技術的な緩和ポテンシャルは年当たりCO2換算で0.7-8.0ギガトンと推計されると特定するよう求めた。中国は、そのような広範囲の数字の確信度を疑問視した。CLAsは、文献ではこの範囲の確信度の高さが確認されていると確言した。米国は、食品への炭素価格の導入に異議を唱えた。

B6.3:食品ロスの削減及び廃棄物の削減はGHG排出量を低下させ、適応に寄与するとのパラグラフに関し、スペイン、フランス、ルクセンブルグ、その他は、食品ロス及び廃棄物に関する緩和ポテンシャルの数字を入れるよう提案した。ハドルでの議論の後、このパラグラフは承認された。

B7このサブセクションは、将来の土地利用は、部分的には望ましい気候結果が得られるかどうか、及び展開された対応オプションのポートフォリオにより異なることに注目しており、図SPM.4と共に、ハドルで議論された。モデルに追加の対応オプションを入れることは、予想される二酸化炭素除去(CDR)の必要量を削減できる可能性があると明記する冒頭の文章において、参加者は、インドの要請に応じ「予想されるバイオエネルギーの必要量(projected need for bioenergy)」への言及を追加した。参加者は、冒頭の文章を追加コメントなしで承認した。

B7.1:地球温暖化を1.5℃で制限するモデル経路は、より温暖化水準の高い経路よりも、多くの土地ベースの緩和が含まれるとのパラグラフは、以前の報告書と一貫性のある経路水準であることが明確にされた上で、承認された。

B7.2-5このサブセクションの残りのパラグラフは、ハドルでの議論の後、合意された。これらのパラグラフは、特に次に関係している:地球温暖化を1.5°C及び2ºCで制限し、森林面積は200万平方キロの減少から1200万平方キロの増大を予想する経路;バイオエネルギーに必要な土地面積;バイオエネルギー技術の相当規模での展開を含む経路。

SPM.3:緩和、適応、砂漠化防止及び土地の劣化防止、並びに食糧安全保障の強化のための対応オプションの地球規模貢献ポテンシャル:あるCLAは、この図の構造を説明し、これには3つのグループの対応オプション(土地管理ベース、バリューチェーン管理、リスク管理)が「行」で示され、それぞれ緩和、適応、砂漠化、土地の劣化、食糧安全保障という5つのタイプの対応のいずれかに入れられ、さらにはコストとも合わされる。同CLAは、セルの色は各オプションがどの対応に寄与しているか、その程度を示していると指摘した。

ブラジル及びスウェーデンは、バイオエネルギーとBECCSが高いコスト及び「低い技術ポテンシャル(low technological potential)」を有する一つの項目として扱われていると嘆き、これは全ての現実を反映していないと指摘した。

この図は、土地管理ベースの対応オプションを示すパネル、及び追加の土地利用変化に依存するオプションを示すパネルに分ける改定が行われた、後者のオプションは影響が大きい可能性がある。あるCLAは、コスト範囲を示す注意書きを文章や図、表題に配していると指摘した。参加者は、この図を提示されたとおり承認した。

SPM文章の最終版:セクションBは、適応及び緩和の対応オプションを論じる。

サブセクションB1は、気候変動に貢献するほか、砂漠化防止及び土地の劣化対策にも役立つ可能性があり、食糧安全保障を強化する土地関係の対応を論じており、これらのポテンシャルはコミュニティー及び地域の適応能力など、条件により異なると指摘し、さらに適応に対する障壁及び地球規模緩和への貢献の限度について説明する。このサブセクションには下記も含まれる:

  • 適応、緩和、砂漠化防止、土地の劣化対策、食糧安全保障、持続可能な開発に貢献する土地関連の行動は、既に実施されている;
  • 行動には、持続可能な食料生産、森林管理の改善及び持続可能な森林管理、土壌有機炭素分の管理、生態系の保全及び土地の回復、森林伐採の削減及び森林劣化の削減、食品ロス及び廃棄物量の削減が含まれる;
  • 一部の対応オプションは、直近の影響があるが、他の対応オプションは、継続可能な成果の実現に数十年かかる;
  • 対応オプションの実施が成功するかどうかは、現地の環境及び社会経済的状況への配慮次第である;
  • 土壌または植生における炭素隔離を実現するような土地ベースのオプションは、無限に炭素の隔離を続けるわけではない、しかしピートランドは、数世紀にわたり炭素を隔離し続けることができる;
  • 植生及び土壌カーボンでの貯蔵可能量が飽和状態に達した場合、毎年の大気からのCO2除去量は、ゼロに向かい低下している;
  • 炭素貯蔵量は、維持可能であるが、植生及び土壌の中に蓄積された炭素は、将来失われるリスクがある。

サブセクションB2は、土地利用変化を必要とせず、更なる土地転換の需要を生じさせない土地管理オプションに焦点を当てる。このサブセクションは次のように記載する:

  • 多数の対応オプションが、土地転換需要を削減できる;
  • 広範な適応及び緩和対応策は、持続可能な開発にプラスの貢献をし、生態系の機能及びサービスを強化し、他の社会目標にもプラスの貢献をするポテンシャルを有する;
  • 大半の土地管理ベースの対応オプション、及びバリューチェーン管理やリスク管理に基づくオプションは、貧困撲滅及び飢餓の廃絶に貢献可能であり、同時に、健康を促進し、清浄な水や衛生環境、気候行動を推進するとともに陸地の生命にも役立つ。

サブセクションB3は、一部の対応オプションは土地転換の需要を高める可能性があり、これは 適応、砂漠化、土地の劣化、食糧安全保障に副次的な悪影響をもたらす可能性があると強調する。このサブセクションには次のように記述するパラグラフが含まれる:

  • 大気中からのCO2除去を目的に、新規植林、再植林を大規模に展開する、及び炭素回収貯留を付設するまたは付設しない形のバイオエネルギー生産用、もしくはバイオチャー用の原材料供給目的での土地利用を大規模に展開するなら、土地転換需要は大きく増加する可能性がある;
  • 世界的に数百万平方キロを超える広範な面積での土地ベース緩和対策の利用は、砂漠化、土地の劣化、食糧安全保障、持続可能な開発に対し、リスクを増大させる可能性がある;
  • バイオエネルギー目的でのバイオマスの生産及び利用は、共同便益も与えうるが、副次的な悪影響、及び土地の劣化、食糧の安全保障悪化、GHG排出量、他の環境目標及び持続可能な開発目標へのリスクとなる可能性がある;
  • バイオエネルギー原材料としての残滓及び有機廃棄物の利用は、バイオエネルギー展開に伴う土地利用変化への圧力を緩和する可能性があるが、残滓量は限られており、利用しないなら土壌に残される可能性がある残滓の除去は、土壌の劣化を招く可能性がある;
  • 人口成長率の低下、効果的な土地利用規制、低いGHG排出システムでの食品生産、食品ロス及び廃棄物の低下(SSP1)を伴うSSPs予測では、100万平方キロから400万平方キロのバイオエネルギーまたはBECCS用の土地利用の場合、食糧安全保障や土地の劣化及び乾燥地での水不足のリスクが低リスクから中程度のリスクへ移行する;
  • 人口成長率が高く、所得が低く、技術変革率が遅い経路(SSP3)では、低リスクから中程度リスクへの移行は、10万から100万平方キロにおいて発生する。

サブセクションB4は、砂漠化防止のための活動の多くが気候変動への適応に貢献可能であり、これには緩和共同便益も伴うと説明、さらに生物多様性喪失を中止し、持続可能な開発という共同便益を社会に提供できると説明する。このサブセクションは次のように記述する:

  • 気候変動への適応を支援し、気候変動を緩和すると同時に砂漠化防止にも役立つ解決策は、現地及び地域的に固有のものである;
  • 砂塵の嵐及び砂丘の移動を減らすことは、風食の悪影響を軽減し、大気の質及び健康を改善できる;
  • 水の利用可能性及び土壌の状況にもよるが、新規植林、植林、生態系回復プログラムは、砂嵐を削減し、風食を回避し、炭素吸収にも貢献できるほか、ミクロな気候、土壌栄養分、保水力も改善する;
  • 砂漠化防止策は、土壌での炭素隔離も促進できる;
  • 乾燥地で保全農業方法が採用されたに続く、炭素隔離のモデル化率は、現地の状況により異なる;
  • 貧困の撲滅及び食糧安全保障の確保では、LDN促進策の採用が有益となる可能性がある;
  • 気候変動及び砂漠化の両方を合わせた影響に対する適応の限界及び不適応の可能性については、現在、知識が不足している;
  • 一部の適応オプションは、その環境への影響により不適応なものとなる可能性がある;
  • クリーンなエネルギー資源及び技術の開発、利用可能化、アクセス促進は、エネルギー目的での伝統的なバイオマスの利用を削減し、エネルギー供給の多角化を進めることで、気候変動への適応に貢献し、緩和を進め、砂漠化及び森林の劣化を防止できる、社会経済的にも、健康にも有益となり、特に女性や子供に利益をもたらす可能性がある。

サブセクションB5は、持続可能な土地管理による土地の劣化の防止及び削減、土地の生産性の保持、気候変動の土地の劣化への悪影響の逆転を論じる。このサブセクションは、持続可能な土地管理の実施にも拘わらず、状況によっては適応の限界を超える可能性があると説明する。

このサブセクションのパラグラフは次のように記述する:

  • 緩和共同便益を有するオプションには、森林農業(agroforestry)、通年放牧フェーズ、四季播き穀物の利用、特定のバイオチャーの応用が含まれる;
  • 森林の伐採及び劣化の削減はGHG排出量を低下させる;
  • 持続可能な森林管理は、地域社会に長期の生活手段を提供し、非森林用途に転換される森林面積の削減を可能にし、GHGs排出量を低下させ、適応に貢献することも可能にする;
  • 持続可能な森林管理は、森林の炭素貯蔵量の保持または増強を可能にし、炭素の木材への転換などで、森林の炭素吸収量の保持も可能にする;
  • 気候変動は、土地の劣化を招く可能性があり、これは場合によっては強制移住や対立、貧困など、望ましくない変革をもたらしたり、あるいは損失拡大の引き金となったりする可能性がある。

セクションB6は、食料システム全体を通しての対応オプションの展開が可能であり、適応及び緩和の推進努力の規模を拡大できるとしてその詳細を説明する。このセクションは次のように記載する:

  • 異なる農場経営システム及び牧場経営システムは、家畜生産品の排出原単位の削減を達成でき、GHG排出量の絶対削減に結び付く可能性があるほか、適応能力を強化し、農村部社会を強化する可能性がある;
  • 食料システムでの多角化は、気候変動によるリスクを削減できるほか、人間の健康という意味で顕著な共同便益をもたらす;
  • 食品ロス及び廃棄物の削減は、GHG排出量を低下させ、食糧生産に必要な土地面積を減らして適応に貢献できるようにする。

セクションB7は、将来の土地利用は、部分的には望ましい気候成果や展開された対応オプションのポートフォリオにより異なると記述する。このセクションは、下記の点を強調する:

  • 評価されモデル化された経路で温暖化を1.5℃までと限定したもの、あるいは2℃を大幅に下回るとしたものは全て、土地ベースの緩和及び土地利用変化を必要とする;
  • 少数のモデル化された経路は、土地の転換を削減することで1.5℃(の気温上昇での抑制)を達成する、またこれにより、砂漠化、土地の劣化、食糧安全保障面での(影響結果結末を軽減できる;
  • 地球温暖化を1.5°Cから2ºCで抑制するモデル化経路は、2050年で2010年比200万平方キロから1200万平方キロ、森林面積が増加すると予測する;
  • 3ºC経路は、これより狭い森林面積を予測、面積の増加は400万平方キロから600万平方キロの範囲と予測する;
  • バイオエネルギー生産に必要な土地面積は、SSPや温暖化水準、並びに利用するフィードストック及び生産システムにより、異なる;
  • 土地転換が高水準の経路は、副次的な悪影響を及ぼす可能性があるが、ベストプラクティスであれば共同便益を提供できる;
  • 大半の緩和経路には、バイオエネルギー技術の大規模展開が含まれる;
  • 少数のモデル化経路は、バイオエネルギーやBECCSへの依存を減らし、他のCDRへの依存も減らしつつ、温暖化を1.5℃で抑制する;
  • これらの経路は、他の1.5℃経路と比べ、エネルギー、土地、都市システム及びインフラ、さらには行動や生活様式における変革を急速かつ極めて広範囲に行えるかどうかに依存する;
  • モデルに追加対応オプションを含めるなら、土地への需要増となるバイオエネルギーまたはCDRの予想必要量を削減できる。

セクションBには、対応オプションによる緩和、適応、砂漠化防止、土地の劣化防止、食糧安全保障の強化に対する世界的な貢献度を示すSPM.3が含まれる。この図には、次を図示する2つのパネルがある;一つは、土地需要を削減する可能性のあるものなど、土地をめぐる限定的な競合の有無にかかわらず実施可能な対応オプションを示す;もう一つは、追加的な土地利用変化に依存し、異なる実施内容における土地の課題を3つ以上横断して影響を及ぼす可能性がある対応オプションを示す。

C     対応を可能にする

このセクションは、水曜日早朝のプレナリーで取り上げられた。

C1.  このサブセクションは、適切に策定された政策、制度、統治システムは、土地に関係する適応及び緩和に貢献できると記す。冒頭の文章は、提示された通りで合意された。

C1.1:土地利用のゾーニング、空間利用計画、統合景観計画、規制、インセンティブ、自主的または説得力のある制度による、適応及び緩和のプラスの成果達成に関するパラグラフについて、ボリビアは、現地及び先住民の知識並びに集団での行動への言及を追加し、LDNに関係する適応にも言及するよう提案した、このグループも同意した。さらにこのグループは、科学知識も追加するとのスイスの提案に賛成した。

C1.2参加者は、不安定な土地の所有権により、適応及び緩和を推進できるような変化を土地にもたらそうとする人々や地域社会及び組織の能力及びモチベーションに影響が及ぶとするパラグラフを、コメントすることなく承認した。

C1.3コロンビアは、アンゴラ、タンザニア、韓国の支持を得て、このサブセクションの中へのLDNに関するパラグラフの挿入を提案した。同代表は、これは他の多国間環境協定に言及するもので、気候変動の緩和におけるLDN促進のシナジーを強化し、生物多様性に対するプラスの効果を高めると説明した。韓国は、持続可能な土地利用及びLDNの最適化で食料安全保障を強化するのは、政策ミックスの優れた実例の一つだと強調した。米国は、LDNへの言及を既存のパラグラフに入れ込むことを希望した。ドイツは、LDNは別なパラグラフにする価値があると述べた。

米国がLDN達成には対策のバランスが「かかわるだろう(will involve)」との表現に提案を変更したのを受け、このパラグラフは承認された。

C2このサブセクションは、食料システムを横断して運用される政策を考えるもので、この中には、食品ロスや廃棄物を削減し食事内容の選択に影響を与える政策、及び更なる持続可能な土地利用管理、食糧安全保障の強化、低排出経路を可能にする政策が含まれる。冒頭の文章に関し、このグループは、「地方及び地域社会の集団行動(local and community collective actions)」を追加するとのボリビアの提案、及び貧困削減ではなく貧困撲滅に言及するとのタンザニア及びインドの提案に同意した。その上で、冒頭の文章は合意された。

C2.1:持続可能な土地管理を可能にし、インセンティブを提供する政策に関するパラグラフについて、このグループは、 「地方及び地域社会の集団行動(local and community collective actions)」に言及するとのボリビアの提案、及びノルウェーの提案した気候変動とのリンクを強めるとの提案に同意した。イランは、「統治レベル(levels of governance)」への言及削除、及び国際的な面の追加を希望した。このグループは、 「国際レベルを含める統治レベル(levels of governance, including at the international level)」で合意した。その後、このパラグラフは合意された。

C2.2:土地を劣化させる農業手法の環境コストは、さらなる持続可能な土地管理へのインセンティブとなりうると記述するパラグラフについて、インドは、タンザニアの支持を得て、開発途上国への言及の追加を求めたが、英国は反対した。EUは、土地保全手法は環境を利し、このためインセンティブとなるとの実際的で前向きな考えを持つよう求めた。参加者は、この最初の文章を変更することなく合意した。

さらに参加者は、次の二つの文章の削除で合意した:関連政策の例、具体的には:排出量の価格化及びGHG低排出で持続可能性の高い食料生産に対する市場の成長支援;及び気候への対応強化、並びに一連の持続可能な開発目標(SDGs)への副次的な悪影響の可能性、特に飢餓や貧困、エネルギーへのアクセスにおける悪影響の可能性の解決を目的とする炭素価格化収入の再配分。

その後、このパラグラフは合意された。

C2.3食料システムに影響を与えるような極端な現象に対する適応を推進し、回復力を強化する総合リスク管理についてのパラグラフに関し、このグループは、インドの提案したインデックス・ベースの天候保険への言及削除で合意した。

C2.4食糧需要に影響し、医療コストを削減し、GHG排出量削減に貢献する公共健康政策に関するパラグラフについて、ボリビアは、適応能力強化への言及も加えるよう提案し、このグループも同意した。

C3:土地及び食糧政策の策定時の共同便益及びトレードオフは、実施の障壁を克服できると説明する。冒頭の文章は、多少の編集を経て合意された。

C3.1:砂漠化、土地の劣化、食糧安全保障を統合的、調整された一貫性のある形で論じるパラグラフは提示された通りで合意された。

C3.2:土地ベースの対応オプションの採用を制限する可能性がある障壁で、技術的、生物科学的、社会経済的なものに関するパラグラフは、ボリビアの提案した1か所の変更を経て、承認された。同代表は、多数の持続可能な土地管理方法が広範に採用されていない理由に注目した文章で、理由のリストに「不均等な官民のインセンティブ(unequal private and public incentives)」を加えるよう提案した。

C3.3このパラグラフは、他の部門と協調する土地及び食糧部門は、共同便益を増やせると記述する。スイスは、環境部門への言及を、ボリビアは水部門への言及も含めるよう求め、合意された。

C3.4このパラグラフは、一部の対応オプション及び政策はトレードオフをもたらす可能性があると記述する。ボリビアは、インドの支持を得て、「生態系サービスのトレードオフ」への言及削除を要請した。参加者は、この削除及び2か所の編集上の変更を経て、このパラグラフで合意した。

C4このサブセクションは、政策決定及び統治の効果性は現地の利害関係者(特に先住民や地域社会、女性、貧困者及び限界生活者など、気候変動に最も脆弱な利害関係者)の参画で強化されることを論じる。冒頭の文章に関し、このグループは、ボリビア及びインドがそれぞれ提案した通り、最も脆弱なものと特定された利害関係者に、地域社会及び貧困者と限界生活者を追加することで合意した。

C4.1:地方の環境及び社会経済状況を計算に入れるよう要請する持続可能な土地管理方法の実施成功に関するパラグラフは、多少の修正を経て承認された。

C4.2:持続可能な土地管理を支援する政策手段の実績の計測、報告、検証 に関するパラグラフは、提示された通りで合意された。

C4.3:先住民及び地域社会を含める農業手法に関するパラグラフは、カナダにより、先住民の知識は発明がないことを意味するものではないことなどをよりよく表現するようカナダにより改定され、 ノルウェーもこれを支持した。その後、このパラグラフは、合意された。

C4.4:女性のエンパワーメント及び持続可能な土地管理での女性の参加に対する障壁に対応可能な政策に関するパラグラフについて、タンザニアは、宗教上の慣習が女性の土地の権利を妨げているとの言及に懸念を表明し、この情報は、単独の研究から引用されたものだと指摘した。サウジアラビアは、エジプト、タンザニア、アルジェリア、モロッコの支持を得て、この文章の削除を求め、これは政策規範的過ぎると指摘した。

英国、ルクセンブルグ、ノルウェー、フランス、スウェーデン、ニュージーランド、オランダ、カナダは、この言及の保持を支持した。ボリビアは、妥協点を見出そうと、この情報が1件のみの研究から引用されたと文章中に記載することを提案し、サウジアラビアもこれを支持した。米国は、女性の土地の権利促進は持続可能な土地管理への女性の参加に対する障壁に対応する政策の一つであると記載する表現を追加するよう提案し、もはや意見対立のあるフレーズを入れる必要はないと指摘した。その後、このパラグラフは合意された。

SPM.4:社会経済的な発展、緩和対応、及び土地をリンクさせる経路:この図には3つのグラフが含まれる、持続可能性に焦点を当てた経路、中間経路、及び資源集約型経路を示すグラフであり、さらにSSPsにおける土地利用及び土地利用変化を示す表も含まれる。この図は、本来は持続可能性に焦点を当てる1.5℃及び3℃経路、及び資源集約型の1.5℃及び3℃経路の4つのグラフを含んでいた。しかし、議論の中で、トリニダードトバゴは、1.5℃経路の必要性について「世界が声を挙げた(the world has spoken)」ときでも3℃経路を示すというこの図全体に関する懸念を表明した。同代表は、3°Cでの食糧への影響結果という意味では一定の利益があるだろうと指摘する一方、そのような気温上昇となれば、3°Cの利益を享受する人間はだれも残っていないだろう、特にSIDSではと述べた。この図は、このようなコメント及び他のコメントに配慮して再構成され、合意された。

SPM最終文書: セクションCは、可能にする対応オプションを論じる。

サブセクション C1は、政策や制度及び統治システムを全規模で適切に策定することが土地に関係する適応及び緩和にいかに貢献できるか、同時に気候に適応する開発経路の追及を容易にするかを論じる。このサブセクションは下記を強調する: 

  • LDN目標を推進する政策は、食糧安全保障、人々の福利、気候変動への適応及び緩和も支援できる;
  • 土地政策は、気候変動の対応において安全性及び柔軟性の両方を提供可能である、これらの政策には、慣習的な土地保有権の認識、コミュニティ・マッピング、再配分、地方分権化、共同管理、レンタル市場の規制が含まれる;
  • LDNを追及することは、土地の劣化及び気候変動に同時に対応するきっかけを提供する;
  • 政策ミックスは、気候変動に対する人類及び自然系の脆弱性及び曝露を、強力に削減できる。

サブセクション C2は、食料システム全体に作用する政策、たとえば食品ロスや廃棄物を削減する政策、食事の選択に影響する政策が、いかに持続可能性の高い土地利用管理、食糧安全保障の強化、低排出経路を可能にするかを論じる。このサブセクションでは、市場へのアクセス改善、土地保有権の確保、環境コスト分を食品に組み込み、生態系サービス分の支払い、地方及びコミュニティーの集団行動により、持続可能な土地管理及び貧困撲滅の採用が可能になると説明する。

このサブセクションは下記を強調する: 

  • 気候変動への適応及び緩和のための持続可能な土地管理を可能にし、インセンティブを提供する政策には、インプット、アウトプット、金融サービスに対する市場アクセスの改善、女性及び先住民のエンパワーメント、地方及びコミュニティーの集団行動強化、助成金制度の改革、可能にする取引システムの推進が含まれる;
  • 土地を劣化させる農業手法の環境コストを(費用負担に)反映させれば、より持続可能な土地管理を進めるインセンティブになりうる;
  • 食料システムに影響する極端な現象への適応及び耐性の強化は、リスク共有及び移転メカニズムなど、包括的なリスク管理で推進できる;
  • 農業の多角化、市場アクセスの拡大、供給チェーン中断の増加に備えることは、食料システムにおける適応の規模拡大をサポートできる;
  • 栄養状況を改善する公共健康政策は、食品需要に影響する可能性があり、健康保全コストを削減し、GHG排出量の低下に貢献し、適応能力を強化できる;
  • 公的な健康ガイドラインに基づく食事を推進することで食品需要に影響力を与えれば、より持続可能な土地管理が可能になり、多数のSDGs達成にも貢献する。

サブセクション C3は、土地及び食糧政策の策定時に共同便益及びトレードオフを認識すれば、実施に向けた障壁をいかに克服できるかを論じる。このサブセクションは、次を強調した:

  • 砂漠化、土地の劣化、食糧安全保障を総合的で協調された一貫性のある形で対応するなら、気候耐性の発展を助け、多数の共同便益の可能性を提供することができる;
  • 技術的、生物科学的、社会経済的、資金面、文化面の障壁は、多数の土地ベースの対応オプションの採用を制限する可能性がある、この点は、利益面の不確実性も同様である;
  • 土地及び食糧部門は、特に制度の細分化で課題に直面し、異なる規模の利害関係者の不参加、及び焦点を絞りすぎた政策目的でも苦しむ場合が多い:
  • 一部の対応オプション及び政策は、トレードオフを生む可能性がある、このトレードオフには社会的な影響や生態系機能及びサービスの損害が含まれ、これらは制度面でのベストプラクティスがあっても十分に管理できない、しかしそのようなトレードオフに対応するなら、不適応の回避に役立つ。

サブセクション C4は、現地の利害関係者の参加があれば、気候変動への適応及び緩和の政策手段の選択、評価、実施、及びモニタリングにおける意思決定及びガバナンスの効果を高めることを論じる。このサブセクションは、次を強調する:

  • 気候変動の観点における持続可能な土地管理は、土地利用圧力及び影響を特定するとともに、土地の劣化を防止し、劣化した土地の縮小及び回復するなら、全ての関連する利害関係者の参加を得ることで、推進できる;
  • 政策手段の実績の計測、報告、検証への参画性向上は、持続可能な土地管理をサポートできる;
  • 指標の選択、気候のデータ収集、土地のモデル化、土地利用の計画策定への利害関係者の参画は、総合的な景観計画策定及び政策の選択を調整し、推進する;
  • 先住民及び現地の知識を取り込む農業手法は、気候変動、食糧安全保障、生物多様性の保全、砂漠化防止及び土地の劣化を組み合わせた課題の克服に貢献できる;
  • ビジネスや生産者、消費者、土地管理者、政策決定者など一連の行動者と、先住民や地域社会とでパートナーシップを組み、全体での行動を協調させるなら、対応オプションの採用可能性が改善される;
  • 女性のエンパワーメントは、家庭での食糧安全保障及び持続可能な土地管理にシナジー及び共同便益をもたらすことができる。

セクションCにはSPM.4も含まれる、この図は、SSPsにおいて社会経済の発展、緩和対応策及び土地、土地利用及び土地表面の変化の結びつきを示している。

D:近未来の行動

このセクションは、最初、火曜日の朝に議論された。

D1このサブセクションは、砂漠化、土地の劣化、食糧安全保障への対応策として近未来に行える行動、及び適応及び緩和を可能にする長期の対応をサポートする行動を論じている。冒頭の文章に関し、ジンバブエ、インド、ボリビアは、資金供与の必要性を強調した。スイスは、チリと共に、この文章におけるガバナンスの関連性を強調したが、インドは、ガバナンスなどの概念はその後に続くサブセクションのパラグラフには言及しておらず、そのような概念の冒頭の文章での導入に反対した。EUは、近未来のキャパシティビルディング、技術移転及び展開、さらには資金メカニズムを可能にするという、既に交渉され合意された文章への言及を提案し、合意された。これらの変更及びCLAによる可能な行動のリストの改定案を取り入れた上で、この冒頭の文章は合意された。

D1.1このパラグラフは、近未来のキャパシティビルディング努力、技術移転及び展開、資金メカニズムを可能にすることによる土地部門の適応及び緩和の強化を論じる。参加者は、このパラグラフを練り上げるため、CLAsと共に努力した、この中には、インドが要請した食糧安全保障のための天然資源の「持続可能な」利用への言及追加も含まれた。このパラグラフに関し更なる非公式協議が行われた後、合意に達した。

D1.2:土地の劣化及び砂漠化など土地利用変化の計測及びモニタリングに関するパラグラフは長時間の議論をよんだ。砂漠化及び気候に起因する土地の劣化への対応の進捗状況を測るという原案の表現は、継続しての動向のモニタリングへの言及を求めた米国の発言に応じて、変更された。CLAsは、インドからの技術の拡大利用に関する質問を受け、この文章に新技術のリストを括弧書きで加えた。

インドは、このパラグラフをこれに続くパラグラフで、季節予測及び早期警戒システムが極めて重要な現象及びイベントのリストに関するものと合体させるよう提案し、参加者も同意した。このリストに対するコメントでは、対象の要素を追加するよう求め、さらに早期警戒システムを必要とするものと、単に季節予測を必要とするものとを区別するよう求めた。

インド、マダガスカル、EUは、食糧安全保障及び生物多様性は早期警戒システムを必要とするとの表現を入れることに疑問を呈したが、ニュージーランドはこの文章を支持し、害虫類の繁殖を指摘した。ノルウェー及びボリビアは、災害リスク管理を入れるよう求めた。

参加者は、このリストを早期警戒システムに関するリストと、季節予測に関するリストに分け、参加者の提案する多様な修正を加えるとのCLAの提案に同意した。これらのリストには次が含まれた:早期警戒システムは、生命や財産を守る上で極めて重要であり、災害のリスク軽減及びリスク管理を強化する;季節予測及び早期警戒システムは、食糧安全保障、干ばつ、砂漠化、並びに生物多様性のモニタリングにとり極めて重要である。このパラグラフで合意された。

D1.3:土地管理をリスク管理で枠づけることは適応で重要な役割を果たすと記述するパラグラフに関し、タンザニアとインドは、「インデックス―ベース(index-based)」の天候保険のみを取り上げることが有用性を疑問視し、参加者はこの言及を削除することで合意した。さらに参加者は、気候関係リスクに関する情報の提供は土地管理者の能力を向上させることができ、タイムリーな意思決定を可能にすると記述する文章の修正で合意した。タンザニアは、ただ単に情報を提供するだけでは十分でなく、キャパシティビルディングも同様に必要であるとして保留を表明した。この点の理解に留意した上で、このパラグラフは合意された。

D1.4このパラグラフは、データ及び情報の入手可能性及びアクセス可能性を高めることで持続可能な土地管理を改善することを論じる。一部の対応オプションの規模拡大及び広範な展開における知識のギャップの存在に関する文章は、EU及びインドの提案を受け、制度面及び資金面のギャップ及び課題にも言及するよう修正された。土壌カーボン管理が一つの対応オプションの例として追加された。

D2このサブセクションは、近未来の行動がもたらす社会、生態系、経済、開発面での共同便益を論じる。冒頭の文章は、若干の修正を経て合意された。

D2.1このパラグラフは、持続可能な土地管理を促進する近未来行動を論じる。インドは、近未来行動の利益のリストから「食糧安全保障」を削除するよう要請し、これは「食糧の脆弱性(food vulnerabilities)」の下でカバーされていると指摘した。タンザニア及びCLAのそれぞれからの更なる提案を受け、このパラグラフは、持続可能な土地管理を刺激するよりも、近未来の「行動」の「促進」に注目するよう修正された。

日本は、伐採焼畑農業がこのパラグラフに含まれていない理由を質問した。あるCLAは、このフレーズは政府コメント期間中に多数の反対意見を受けていると指摘し、この表現に代わり、近未来行動からの共同便益の可能性という表現がとられたと述べた。あるCLAは、インドからの質問を受け、貧困の「削減」を「撲滅(eradication)」に置換することを提案した。

インドは、市場アクセスの増大に関する表現に疑問を呈し、非市場便益に関する表現を求めた。非公式協議の後、参加者は、生態系の「機能及び(functions and)」サービスという表現の追加を求めたボリビアの要請を受け入れ、このパラグラフを承認した。

D2.2水曜日朝、土地の回復に対する投資に関するパラグラフについて、参加者は、あるCLAの提案に同意した、その提案は、乾燥地の土地の回復に対し投資することで得られる生態系サービスの回復の経済的な価値範囲を推計するというもの。持続可能な土地管理技術及び実施方法の多くは、3-10年以内に利益を出すと記述する文章、及び持続可能な土地管理を確保する行動は作物の収率を改善し、放牧地の経済価値を高めると記述する文章について一定の議論を行った後、このパラグラフは承認された。

D2.3このパラグラフは、持続可能な土地管理技術における先行投資を議論する。このパラグラフの原案にある文章で、食事の変更は栄養不足を原因とする不健康の経済負担を緩和でき、持続可能な集約及び持続可能な土地管理手法に向けたインセンティブを提供し、歳入の方向転換を可能にすると記述する文章についても、長時間議論された。 ドイツは、ルクセンブルグの支持を得て、GHG排出量との明確なリンクを求め、ドイツは、これに代わりGHG低排出の食事に言及するよう提案した。米国、EU、インド、タンザニア、アルジェリア、サウジアラビアは、この文章の削除を希望した。このパラグラフは、バランスのとれた食事への近未来の変更は土地に対する圧力を削減し、栄養の改善で顕著な健康面の共同便益をもたらすと記述する文章に再構成した上で、合意された。

D3このサブセクションは、地球温暖化を2℃を大きく下回る範囲で保持する人為的GHG排出量の急速な削減は、陸地の生態系及び食糧システムに対する気候変動の悪影響を制限すると論じる。冒頭の文章に関し、ルクセンブルグは、ドイツ、英国、アイルランド、ジャマイカ、フランス、チャド、EUの支持を得て、以前の草案にあった「地球温暖化を2℃を大きく下回る範囲で保持する(that hold global warming to well below 2°C)」人為的なGHG排出量の急速な削減という表現が、「野心的な緩和経路に続き(following ambitious mitigation pathway)」に置き換えられた理由を質問し、前のバージョンに書き直すよう主張した。

米国は、野心的な緩和経路への言及は2℃を大きく下回ることの「近似値化(approximating)」あるいは「その線に沿うもの(along the lines of)」と示唆した。あるCLAは、野心的な緩和経路に関する文献は少ししかないと指摘したが、 AR6では議論されることになり、特に短期の経路や影響がどれだけ早く感じられるかが論じられると述べた。

サウジアラビアは、執筆者の草案からこれ以上かい離することは自分には受け入れられないと述べた。フランスは、自国では2019年に既に地球温暖化の影響を感じている事実に基づき、草案の以前のフレーズの利用を訴えた。WG II共同議長のPörtnerは、この件に関しては新しい科学を取り入れるべきであり、最近のIPCC評価にも沿うものとすべきだと繰り返した。このパラグラフは、以前の草案の文章に戻すことなく、提示されたとおりで承認された。

D3.1このパラグラフは、部門を横断して行動を遅らせるなら、土地ベースの適応及び緩和オプションを広範に展開する必要性が増大することに結びつくことに焦点を当てる。インドは、今行動すればリスク及び損害を回避したり、削減する可能性があり、社会にも利益をもたらすとする文章から「投資に対するプラスのリターン(positive returns on investment)」 への言及削除を提案し、参加者も同意した。

持続可能な土地管理及び持続可能な開発に沿う気候緩和及び適応の即時の行動は、大半の国に直ちに利益をもたらす可能性があり、極端な気候や砂漠化、土地の劣化、食糧及び生活上の安全保障が失われることに対する何百万もの人々の脆弱性を削減できると記述する文章では、意見が分かれた。 

参加者は、極端な気候現象に対する何百万の人々の脆弱性ではなく、リスクを軽減するとの言及で合意した。ボリビアは、南アフリカの支持を得て、気候の緩和及び適応に対する即時の行動「及びそのための支援(and support for)」はと明記するよう提案したが、他のものはこの追加を支持しなかった。インドは、サウジアラビアの支持を得て、多様なSPMのセクションで合意されたとおり、適応はその内容及び地域により異なり、行動には資金、技術、キャパシティビルディングという意味での支援が必要であると明記するよう促した。CLAは、「気候の緩和及び適応の行動は地域により異なる(climate mitigation and adaptation actions depended on the region)」との記述での差異化を提案したが、米国は強く反対した。

ノルウェーは、フィンランド、日本、ウクライナ、スウェーデンの支持を得て、SLCFsへの言及を求めた。ノルウェーは、SLCFsの排出削減は作物の収率や食糧安全保障及び人間の健康における大きな共同便益を伴う形で、近未来の世界規模、地域規模の気候の緩和を提供できると記述する表現を提案した。インドは、これだけ遅い時点でのこの問題の導入に反対し、IPCCは別な箇所でこれらのガスを扱っていると述べた。サウジアラビア及びウクライナは、時間の制約で、この文章を適正に検討できないとして嘆いた。CLAは、SLCFsはこの報告書では十分に議論されていないが、AR6のWG I及びWG II評価報告書では議論される予定だと指摘した。参加者は、ノルウェーの提案を除いたパラグラフで合意した。

D3.2このパラグラフは、GHG排出削減の遅れは高いコストとリスクに結びつくトレードオフを暗示するとの記述どおり、コメントなしで承認された。

D3.3このパラグラフの記述では、全ての部門の排出量削減の遅延はトレードオフを意味する、これには食糧、健康、生活できる居住場所、生産に必要とされる陸上生態系の機能及びサービスの不可逆的な損失が含まれ、多くの地域の多くの国において顕著な経済的影響の一層の増大を招く。英国、EU、ルクセンブルグは、全ての行動遅延シナリオでの行動の必要性を強調した。ボリビアの要請した生態系「機能(functions)」への言及追加など、他の修正を経て、このパラグラフは承認された。

SPMの最終文書: セクションDは近未来の行動を論じており、これには下記が含まれる:

  • 近未来行動は、いかにして、社会、生態系、経済、開発面での共同便益をもたらすことができるのか、貧困撲滅に貢献し、脆弱な人々の暮らしを耐性可能にする共同便益をもたらせるのか;
  • 野心的な緩和経路に従う、全部門横断の人為的GHG排出量の急速な削減は、マイナスの影響を削減する;
  • 気候緩和及び適応の対応を部門横断で遅らせるなら、土地におけるマイナスの影響の増大、持続可能な開発の展望の減少を招く。

サブセクションD1は、砂漠化、土地の劣化、食糧安全保障に対応するため、既存の知識に基づき近未来に実行可能な行動、及び気候変動に対する適応及び緩和を可能にする長期の対応をサポートする行動について論じる。冒頭の文章では次を行う行動をリストする:

  • 個別の及び組織の能力構築;
  • 知識の移転を加速する;
  • 技術移転及び展開を強化する;
  • 資金メカニズムを可能にする;
  • 早期警戒システムを実施する;
  • リスク管理を行う;
  • 実施及びギャップのレベルアップに対応する。

このサブセクションは、次に注目する: 

  • 近未来のキャパシティビルディング、技術移転及び展開、資金メカニズムの運用は、土地部門における適応及び緩和を強めることができる;
  • 知識及び技術移転は、変動する気候においても、食糧安全保障目的での天然資源の持続可能な利用の強化に役立てられる;
  • 持続可能な土地管理方法、農業の拡大延長及び助言サービス、生産者及び土地利用者に対する農業サービスへのアクセス拡大について、意識の向上やキャパシティビルディング、教育を行うなら、土地の劣化に効果的に対応できる;
  • 土地利用変化の計測及びモニタリングは、新規の情報及びコミュニケーション技術の利用拡大でサポートされる;
  • 極端な天候及び気候現象に対する早期警戒システムは、生命や財産を守る上で極めて重要であり、災害のリスク軽減及び管理を強化する;
  • 土地に固有の形で、リスク管理の意味で、土地固有の土地管理を枠づけるなら、景観手法、害虫及び病気の発生、リスクの共有及び移転メカニズムの改善により、適応で重要な役割を果たすことができる;
  • 持続可能な土地管理は、登場しつつある対応オプションの効果性、共同便益、リスクに関係するデータ及び情報の利用可能性並びにアクセス性を高め、土地利用の効率を高めることで、改善できる。

サブセクションD2は、近未来の行動が、いかにして社会、生態系、経済、開発面での共同便益をもたらすかを議論し、下記を強調する:

  • 持続可能な土地管理を促進する近未来の行動は、土地及び食糧に関係する脆弱性の削減に役立ち、より耐性のある暮らしを実現し、土地の劣化、砂漠化、生物多様性の喪失を削減できる;
  • 持続可能な土地管理、貧困撲滅努力、市場及び非市場メカニズムへのアクセス、低生産性手法の排除の間にある既存のシナジーを最大限引き上げるなら、適応、緩和、開発の共同便益に結びつく可能性がある;
  • 土地の回復への投資は、地球規模での利益を生む結果となる可能性があり、乾燥地では回復した生態系サービスで推計される経済価値から見て、利益対費用率が3から6の間になる可能性がある;
  • 持続可能な土地管理方法及び技術への先行投資は、1ヘクタール当たり米ドル20から5000の範囲となる可能性があり、推計される中間値は1ヘクタール当たり約500ドルである;
  • 政府の支援及びクレジットへのアクセス改善は、クレジット採用に対する障壁克服に役立つ可能性がある、特に貧しい小規模農家が直面する障壁の克服を助ける。

サブセクション D3は、部門横断して気候緩和及び適応を遅らせることが、いかにして土地でのマイナスの影響増大、及び持続可能な開発への展望縮小に結びつくかを論じる. このサブセクションは次を強調する: 

  • 地域により異なる持続可能な土地管理及び持続可能な開発に沿う形での気候の緩和及び適応に関する行動を即時とることは、気候の極端な現象や砂漠化、土地の劣化、食糧及び生活の安全保障の無さが何百万もの人々にもたらすリスクを軽減できる;
  • 将来シナリオにおける、GHG排出削減の遅延は、トレードオフの発生を意味し、気温の上昇に伴うコスト及びリスクを相当程度高めることに結びつく;
  • 土壌有機炭素の増加など、一部の対応オプションのポテンシャルは、気候変動の強まりに伴い減少する、これは、高い気温では土壌が炭素隔離の吸収源として作用する能力を削減するためである;
  • 全部門のGHG排出量削減の遅延は、トレードオフの発生を意味する、これには食糧や健康、居住可能地、生産に必要とされる陸上生態系の機能及びサービスの不可逆的な喪失が含まれ、これにより多くの地域の多数の国において相当程度の経済的影響をもたらす;
  • 高排出シナリオで想定される通りの行動の遅延は、一部の生態系に一種の不可逆的な影響を与える結果となる可能性があり、これは長期的には、生態系からの相当量の追加的GHG排出量をもたらすポテンシャルがある。

2WGs IIIIIIの合同会合の閉会

水曜日午後、WGsは、このSPMを承認し、その基礎となる報告書を受け入れ、全てをIPCCプレナリーに送った。合同会合は、午後12時20分、閉会した。

グローバルストックテイクの観点におけるIPCCの将来作業の構成に関するタスクグループの進捗状況報告

この議題は、金曜日朝のIPCCプレナリーで議論された。GSTの観点におけるIPCCの将来作業の構成に関するタスクグループ共同議長のÉric Brunは、このタスクグループの作業に関する進捗状況報告を口頭で行った。同共同議長は、将来のIPCCの作業について次の2つの代案を特定したと報告した:IPCCの将来作業について7つのオプションの更なる開発を行い、IPCC-52に提示する;または、2020年にレビューを立ち上げ、将来作業に関する決定が行われる前に、IPCC及びUNFCCCに情報を提供する。同共同議長は、詳細な基準を策定し、両案の間での選択に情報を提供すると指摘し、各国政府に対し、拡大案の是非を明らかにするよう招請すると述べた。ある政府代表は、提案をし、その提案は、改定された構成文書の中に組み込まれた。

パネルはこのタスクグループの報告に留意した。

AR6 SYRに関する進捗状況報告

火曜日午後のIPCCプレナリーにおいて、IPCC議長のHoesung Leeは、AR6 SYRに関する自身の「哲学(philosophy)」を共有し、この報告書はIPCCの歴史における他のどの報告書よりも、集中的精査を受けるとの期待感を示した。同議長は、2022年4月という発表期日の重要性に注目し、GSTにおけるAR6の有用性を強調した。しかし同議長は、懸念されるのはこの報告書が発表される時点において、世界は排出削減量において巨大な赤字となり、世界経済は停滞し、ナショナリズムにあふれていることだと述べた。同議長は、AR6が活用されるかどうかは即時の気候行動の引き金になるかどうか、気候行動は雇用増加及び貧困削減に役立つとの理解が深まるかどうかにかかっていると強調した。

IPCC事務局次長のKerstin Stendahlは、SYR作成の慎重状況に関する最新情報を提供し、特に、2019年10月20-23日にシンガポールでスコーピング会議が開催されると指摘、さらにこの会議には546名の指名を受け取ったが、その32%は女性であったと指摘した。

英国、ノルウェー、ドイツは、可能な限り早期にTSUを設置するよう促し、科学運営委員会はSYRのスコーピング及び作成で役割を果たすべきだと述べた。米国は、SYRのレビュー及び承認プロセスが他のWGsの作業と重ならないことを確保するのが重要だと強調した。同代表は、SYRはWGの報告書をバランスのとれた形で「合成し(synthesize)」、「統合(integrate)」すべきであり、TSUsはWGsと密接に作業すべきだとも強調した。同代表は、SYRでは執筆者チームにWG執筆者が入り、WG共同議長も加わるべきと推奨した。サウジアラビアは、WGs間での一貫性を強調した。 フランスは、WGs間では現在、前例のないほどの協力関係があるとして称賛した。

パネルは、口頭で発表されたSYR進捗状況報告に留意した。

WGs I、II、IIIの第2回合同会合においてTFIと協力し出された行動の承認

水曜日午後、IPCC-50が再開された際、IPCC議長のHoesung Leeは、WGs/TFI合同の行動をレビューし、パネルに対し、SPMを承認し、その基となる報告書を受け入れるよう招請した。同議長は、その後、会場からのコメントを求めた。

ロシアは、パネルに対し、損害(burning embers)ダイアグラム(図 SPM.2)に関する、合同WG会合での自身の発言を想起し、この図の作成手法は不適正に用いられたと述べた。同代表は、自身の発言をIPCC-50報告書に記録するよう求めた。

ジャマイカは、この報告書は小島嶼国にとり極めて重要なものと称したが、会議のプロセスには深刻な懸念があると表明し、一部のセクションに費やす時間配分で、一部の国が不利な立場に追い込まれているとし、このため他のセクションの議論が急がせられたと述べて、これをIPCCの標準的なやり方にすることに警告した。

ジンバブエは、同感であるとし、IPCC-50の作業モードは小さな開発途上国の代表にとり、SPMをレビューする全ての議論への参加を困難にしていると指摘し、今後の会合ではこの問題を議論するよう求めた。同代表は、さらにIPCC報告書の主要な問題に関し、開発途上国向けの特別ブリーフィングを行うことを提案した。

IPCC議長のLeeは、承認プロセスを改善する必要があるとの認識を示した。

数か国の代表が提案を行った。ノルウェーは、レビューでは全ての国がコメントを提出し、執筆者が準備できるようにし、将来のSPMsにおける過剰な脚注を回避するよう提案した。キューバは、今後の報告書では途上国出身の執筆者の人数を増やすよう提案した。

サウジアラビア、インド、ブラジル、ナイジェリアは、全ての参加者、特に執筆者に感謝し、それぞれの国にとってのSRCCLの重要性を強調し、アイルランドは、この報告書の結論が意味することを完全に理解するには、一定の時間が必要だろうと指摘した。

メキシコは、インドと共に、IPCC議長のLeeに対し、SYRに関する進捗状況報告での世界の現状分析に感謝し、これは環境、経済、政治の現実に焦点を当てるとともに、世界の異なる意見にも目を向け、議論の対立点の克服に役立ったとし、議論をする上で極めて有用であったと称賛した。

ベルギー、日本、オーストリアは、会議中に表明した懸念を再度述べ、SPMsを短くするよう求めた。

EUは:IPCCの厳格さを称賛し、証拠に基づく科学を優先し続けるよう強調し;SPMsは政策決定者及び一般にもわかりやすい平明な表現で記述するよう促し;科学者に対し、政策決定者が答えを必要とする重要質問への回答を求めた。

フランスは、IPCC-50の結果は、パリ協定の実施に不可欠であると述べた。デンマークは、WGを横断する協力、及びWGs/TFI会合のやり方に感謝の意を表した。

米国は、明確なメッセージをというEUの呼びかけに呼応し、資料の作成ではこの点に焦点を当てるよう推奨した。同代表は、気候変動という人類の既存の脅威に対応するため、各国政府及び世界の専門家を集結させているとしてIPCCへの感謝を表明した。

チャドは、サヘルなど特定地域の問題を反映させるため、IPCCの科学者はフランス語の文献も評価対象に入れるよう求めた。議長のLeeは、この提案はIPCC-50の報告書に記録されることになると確認した。

カナダは、IPCCの作業の価値はIPCC文書の影響及びそれが国際政策に与える影響で測られるとの見方を示した。

その後、IPCCは、 WGs/TFI合同会合で取られた行動を認め、SPMを承認し、その基となる報告書を受け入れた。

米国は公式声明を読み上げ、IPCCによるSPMの承認は米国がその報告書及び結論を支持していると誤解されるものではないと述べた。

その他のビジネス

IPBESIPCCの協力:この議題は、これを議題書に追加するようにとの開会プレナリーでの要請を受け、水曜日午後のIPCCプレナリーで議論された。IPCC事務局次長のStendahlは、生物多様性及び気候変動に関するテクニカルペーパーの作成を、2020年の生物多様性条約COP 15で最終決定することを承認し、これに関し、IPCCと合同で活動する可能性の探求を希望したと報告した。同次長は、IPBES及びIPCCの両方の事務局、及びWG II共同議長は2019年6月にドイツのボンで開催された最近のUNFCCC補助機関会合でこれに関し議論したと報告した。Stendahl次長は、協力関係の強化には大きな関心と視野が寄せられていると報告したが、IPCCの作業量の多さやスケジュールからすると、現時点でそのような協力を行うには課題があると述べた。

スイスは、柔軟性を求め、さらに、効率よく知識のギャップを狭め、気候変動と生物多様性との相互リンクに関し政策関連性のある情報を得るため、IPCCによる合同の国際会議、もしくはワークショップの開催を検討するよう提案した。同代表は、ジュネーブでそのようなワークショップが計画されるなら資金を提供する用意があると述べた。ノルウェーは、前進を図る方法としてこのアイデアを支持し、タイムラインを検討する際にはこれを反映させるよう求め、そのような協力はAR6に有用であると述べた。

WGII共同議長のPörtnerは、共同開催の会議に向け進める方法が発見されることへの希望を表明し、両方の条約組織で積極的に活動している政府代表に対し、この点で努力するよう奨励した。 

ドイツ及び米国は、この問題は長時間の議論を必要としていると述べ、米国は、第3者の組織やプロセスの創設に警告し、手順での効率、明確性、一貫性を強調した。

サウジアラビアは、IPCC議長団でこの問題を議論し、パネルでの進め方について助言を提供することを提案した。

気候行動ネットワーク・インターナショナルは、「官僚主義的な縦割り(bureaucratic compartmentalization)」を克服し、IPBESとIPCCが共に作業できるようにすることを促した。

事務局次長のStendhalは、IPCC事務局がIPBES事務局と協力して、マンデートを含む背景ノートを作成し、異なるオプションに焦点を当て、2019年11月にシンガポールで開催されるIPCC議長団の次回会合の審議にかけ、IPCC-52に提出することを提案した。パネルは、この提案に留意した。

閉会プレナリー: IPCC事務局長のAbdalah Mokssitは、IPCC-51は2019年9月20-23日にモナコで開催され、SROCCの承認に専念すると発表した。

閉会にあたり、IPCC議長のLeeは、IPCC-50は「科学と政策決定の最善を尽くす記念すべき6日間(six momentous days of the best of science and policymaking)」であったとし、これにより気候変動と土地との関係について最新の理解を得るに至ったと述べた。同議長は、このSRCCLが政策決定者による国内政策の策定や国際的な議論を助けるものとなってほしいとの希望を表明した。同議長は、国連事務総長のGuterresの最近の言葉である、「気候の乱れを防止することは我々の生命をかけた競争である」を想起し、IPCC-50で最終決定されたこの特別報告書は、この競争に打ち勝つエネルギーをもたらすであろうと述べた。

議長のLeeは、8月7日水曜日、午後3時16分、会合閉会の槌を打った。

IPCC-50の簡易分析

孤立は不可能

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第50回会合出席のため、参加者、科学者、オブザーバがジュネーブに集まる中、2019年7月は世界中で最も暑い7月であったことが確認された。7月の新記録は、気温の機器観測が開始されて以後、いかなる6月をも容易に上回る最高気温を記録した6月に続いての記録達成である。

その一方、ジュネーブから60 km離れたところでは、35か国以上の市民団体メンバー440名ほどが1週間の会議に集まった。Fridays for the FutureというGreta Thunbergに触発されたムーブメントが企画したもので、欧州ローザンヌでの夏の会議(Summer Meeting in Lausanne Europe (SMILE))と呼ばれるこの会議では、このムーブメントが力を付けており、世界的な広がりを見せる一方で、複雑さを増していることもあり、気候変動への認識を向上させ、組織化するための戦略を議論した。

この概念に基づき、IPCCは、気候変動と土地に関する特別報告書(SRCCL)を採択し、行ごとのレビューを経て、その政策決定者向けサマリー(SPM)を承認すべく、会合した。

農業、林業、他の土地利用部門は、正味の人為的なGHG排出量合計の約23%を占めており、地球温暖化を1.5°Cまたは2°Cで留める機会がある場合には、CO2の除去で極めて重要な役割を果たす。持続可能な土地管理も、全ての場所で気候変動の影響に適応する上で、極めて重要である。しかし土地部門を超える政策こそ大きな違いをもたらす、これは温暖化の進展と共に、土地部門という重要部門の緩和ポテンシャルが削減されるためである。この結果、早期の行動が最も費用効果の高いものとなる。しかし、この課題に取り組むには、協調しての対応が求められる。SRCCLで明らかにされたとおり、オプションの多角化や協調努力、統合がカギとなる。

この多角化及び協調は、ジュネーブにおいて多様な形で全て披露されており、SRCCLは統合の基礎を築いた。この特別報告書は、リオの3つ全ての条約―気候変動(UNFCCC)、生物多様性(CBD)、砂漠化(UNCCD)―の排出量を網羅する初めてのIPCC特別報告書である。さらにIPCCの全ての組織―3つの作業部会(WGs)及び国別GHGインベントリのタスクフォース―が合同で作成した、この種のものでは初めてとなる報告書でもある。加えて、一つの部門あるいは分野、この場合は食料システムに対し、体系的な手法をとった初めての特別報告書とも呼べる。そして、開発途上国出身の執筆者が先進国出身の執筆者を人数で上回った最初のものでもある。

この分析では、ジュネーブで行われた交渉を、SRCCLに注目し、IPCCの制作物におけるその重要性や承認プロセスに焦点を当てて、概括する。

SRCCL:全てのものを統合

SRCCLには、世界の全ての地域を横断する52か国から107名の指導的科学者が参加したほか、93名の寄稿執筆者も参加し、7000件を超えるピアレビューされた論文を評価した。専門査読家及び各国政府からは合計28,275件のコメントが寄せられ、執筆者チームの議論に付された。195か国のIPCC加盟国政府の全てが、この報告書にコメントし、そのSPMを行ごとに承認するよう招請された。

この驚異的ともいえる2年間の努力は、世界の全ての地域の陸地表面システム全体の包括的イメージを伝えようと、異なる分野の結論を統合する必要があったことで、さらに大きな課題となった。気候変動は、システムの問題であり、システム化された解決策が必要であるというのが長年の認識であった。気候変動と土地の関係は、このような相互依存や相互コネクションの最も重要な例である:ある分野でのプラスの影響は他の分野にもカスケード効果をもたらすが、残念なことに、マイナスの影響も同様である。

このため、SRCCLは、持続可能性に焦点を当てて四つに取り組むこととなった、この報告書では、社会的、経済的な不平等による有害な影響、たとえば、女性が土地へのアクセス権を持たないことの影響を指摘する。しかし、この報告書では解決策を強調する:小規模農家から大企業まで、全ての規模、全ての行動者に対し、広範な解決策がある。この点、SRCCLは、IPCC報告書の中でもユニークなもので、個人、少なくとも先進国に住む個人のためのオプションが示される、この中には食品の廃棄を回避することや、毎日消費する食品にもっと注意を振り向けることなどが含まれる。

全てのIPCC評価報告書では、統合の必要性を常に認識してきた、3つのWGsの結論を提示するIPCC統合報告書は、パネルの作業の大黒柱である。しかし統合というものは、課題でもあり、各評価サイクル終了後のWGs間の協調が求められてきた。

ジュネーブでは、多数の参加者が、WG共同議長間の協力の度合いの高さを称賛した、このような協調は報告書自体が証明しており、影響や緩和及び適応を合わせて検討しなければならない必然性がある場合である:アグロエコロジカル及び土壌肥沃化の森林農業システムは、より多くの炭素を吸収するだけでなく、土地の劣化を防ぎ、脆弱性を改善するが、土地の劣化は気候変動とその影響を悪化させ、砂漠化や食糧安全保障の欠如、人間及び他の生物種の生息場所の喪失に対する脆弱性を高める。

専門分野及び他の垣根を超えて、多レベルでの統合を追及する動きは、IPCC-50でも見られ、他の組織との将来の協力に向け、開放度を増している。数名の参加者は、特にIPBESに言及し、IPBESプロセスにおける「人々に対する自然の貢献(nature’s contribution to people)」といった概念が議論されたほか、受け入れられてもいた。IPCCは、IPBESの生物多様性と生態系サービスに関するグローバル評価報告書、及び土地の劣化と回復などの題目別評価報告を参照した。

UNCCDの作業も、この会議の参加者の頭の中にあった、土地の劣化ニュートラリティ(LDN)という概念は頻繁に言われ、UNCCDのグローバルな土地のアウトルックも参照された。このことは、近々2019年9月開催のUNCCD COPにおいても重要であり、この会議ではSRCCL及びIPBES土地及びグローバルな評価に示される通りの、単に政策関連性があるだけの科学的結論が提示されるだけでなく、これらの結論に基づく政策提言も提示される。

SRCCL SPM承認プロセス

SRCCL SPMは、30時間近くの連続審議を経て、最終承認されたが、これはある参加者に言わせると「5日間の会議の6日目(on the sixth day of the five-day meeting)」のことであった。このプロセスは、激論と焦燥感にあふれるプロセスであったため、特に少人数の代表団―その多くは開発途上国のものーは、全ての議論についていくことができなかった、さらに、報告書のある部分にはかなりの時間を費やしたが、他のセクションは深夜に急ぎ通されたり、多数の並行して行われるハドルやコンタクトグループ会合で、急ぎ通されたりし、これらの代表団は失望していた。SPMの長さも、早い段階から問題であると指摘されており、このことは、全てのものが自国や自国の土地、国益に関する報告書のセクションについて何か言うことを持っていたことで、一層大きな問題となった。しかし、プレナリーに長時間を費やしたにも拘わらず、多数の参加者は、この承認プロセスは驚くほど建設的であったと指摘した。

別な困難としては、全ての地域の正確な描画の提供があげられる、これはIPCCにおいては、特に地域面の観察を担う作業部会IIでは、よく知られた課題である。IPCC報告書は、既存のピアレビューされた文献のみを評価の対象としているため、文献がなければ、明白な観測結果であっても記載するわけにいかない。このことは、特に開発途上国を戸惑わせている、自国の地域では明々白々な問題であっても、「確信度が低い(ow confidence)」記述とみなされたり、完全に脇に追いやられたりしたためである。幸い、IPCCプロセスでは、知識のギャップを指摘することが認められ、これに続く報告書でこれらのギャップを埋めるよう、科学者に直接招請することができる。

楽観主義の余地?

SRCCLは、異論はあっても、IPCCから期待されるものとしては、最も楽観的な評価報告である。この報告書は、食糧安全保障から人間の健康や生物多様性、さらには水資源に至るまで、多数の分野を横断し、多様な水準において多くの共同便益を伴う行動ポテンシャルに関し、文字通り、量(volumes)がどのくらいかを述べている。この報告書の主なメッセージは明白である:土地部門には一連の解決策が存在する;その大部分はよく知られたものであり、容易に利用できる;内容が大きな問題である;これらの解決策を共に展開することで、巨大なパワーが得られる。課題は、最も破壊的でなく、最も安価なコストで目標を達成するために必要なシステマチックな転換に向け、政策枠組を統合することである。

閉会プレナリーで、IPCC議長のHoesung Leeは、近未来に関する自分の見解を共有した、すなわち、世界経済の減速と同時に気候変動の影響が顕示し、各国は自分たちを救おうと、国内に目を向けるという絶望的な動きに走る可能性である。同議長は、プレナリーにはさらに課題の多い時代が控えているとの警告として、このシナリオを提示した。しかし、WG II共同議長のHans-Otto PörtnerがSRCCLの記者会見で言った通り、世界の若者の間のムーブメントが政策決定者を驚かせたことにある程度の安ど感を得る可能性がある。若者はつかんでいて、行動をとっているのだ。

その一方、ローザンヌで、Greta Thunbergは、IPCC SRCCLがメディアにより広く共有されてほしいとの希望を表明した。このことに関し、多数の参加者は、SPMをより明確な表現に改善することは可能だと指摘した。IPCCは、近く、SPMを短くし、明確な表現のものにするための別な機会を有している、それは変動する気候における海洋及び雪氷圏に関する特別報告書を承認する目的で、4週間以内にモナコで開催される会議である。

Greta Thunbergが、ローザンヌで述べたとおり、「人々は状況がわかれば、目を覚ますだろう。私はこの事実を提示し続ける(When people understand the situation, they will wake up. I will continue to present the facts)」。多くのものは、IPCCも同じことをし続けると信じている。IPCCの関連性はそのことにかかっている。さらに、ジュネーブで指摘されたとおり、IPCCもより明確に行うことができたら、良いことだろう、Gretaがしているように。

今後の会議予定

中南米・カリビアン気候週間2019年:中南米・カリビアン気候週間2019年(LACCW) 2019は、LAC諸国での地域の気候行動を推進し、UNFCCCの下での国家決定貢献(NDCs)の実施を支援し、SDGsを実現する行動を支援する。このイベントは、9月の国連気候行動サミットに向けた踏み石となるとみられる。LACCWは、アフリカ・LAC・アジア太平洋で毎年開催されている地域気候週間の一環である。地域気候週間は、ナイロビ枠組パートナーシップ(NFP)が開催するもので、開発途上国によるNDCsの作成及び実施を支援する。  日付:2019年8月19-23日  場所:ブラジル、サルバドル  wwwhttps://www.regionalclimateweeks.org/

IPCC WG I AR63回筆頭執筆者会議:IPCC作業部会Iの第3回筆頭執筆者会議が開催され、第6次評価報告書の作成作業を続ける。  日付:2019年8月26-30日  場所:フランス、トゥールーズ  www: http://www.ipcc.ch/calendar

ポスト2020年世界生物多様性枠組に関する第1CBDオープン・エンド作業部会会議:この会議では、ポスト2020年プロセス、ポスト2020年世界生物多様性枠組の構成及び範囲の可能性ある要素、オープン・エンド作業部会の将来の作業プログラム、及び他の会合期間外組織及びプロセスに対する課題の配分についての協議及び他の貢献の報告を検討する予定。 日付:2019年8月27-30日  場所:ケニア、ナイロビ  wwwhttps://www.cbd.int/conferences/post2020/wg2020-01/documents

UNCCD COP 14国連砂漠化防止条約の第14回締約国会議は、砂漠化による生産性のある土地の更なる喪失、土地の劣化、干ばつを制御し、逆転する努力の進捗状況をレビューする予定。 日付:2019年9月2-13日  場所:インド、ニューデリー  wwwhttps://www.unccd.int/

アジア太平洋気候週間2019年:アジア太平洋気候週間(APCW) 2019は、地域の気候行動を推進し、アジア太平洋諸国のNDCの実施推進を支援し、さらにSDGs実現行動を推進する目的のもの。APCWは、9月の国連気候行動サミットの飛び石になるとみられる。地域気候週間は、はNFPが開催するもので、途上国によるNDCsの作成及び実施を支援する。 日付:2019年9月2-6日  場所:タイ、バンコク  wwwhttps://www.regionalclimateweeks.org/

2019:年国際山岳会議:この会議は山岳システム、その気候変動に対する脆弱性、適応戦略について、新たな理解を得るべく詳細な学際的議論を奨励しようとするものである。この会議は、(インスブルック大学)が、UNESCO大学、持続可能な山岳開発のTwinning and Networking Programme議長、英国のUniversity of Highlands and Islands、山岳研究イニシアティブ(Mountain Research Initiative)などの組織と共に開催する。  日付:2019年9月8-12日  場所:オーストリア、インスブルック   www:  https://www.uibk.ac.at/congress/imc2019/index.html.en

19回技術執行委員会会議(TEC 19)2010年に創設された技術執行委員会は、 Executive 委員会, the policy arm of the UNFCCC技術メカニズムの政策手段であり、低排出及び気候耐性技術の開発及び移転を加速化できる政策の特定に焦点を当てる。  日付:2019年9月16-19日  場所:ドイツ、ボン  wwwhttps://unfccc.int/ttclear/tec/meetings.html

SROCCの草案執筆者によるIPCC WG I/II準備会合:変動する気候における海洋及び雪氷圏に関する特別報告書の草案執筆者による準備会合は、WG IIが開催する。  日付:2019年9月17-18日  場所:モナコ  wwwhttp://www.ipcc.ch/calendar

IPCC-51IPCCの第51回会合は、変動する気候における海洋及び雪氷圏に関する特別報告書のSPMを承認する予定。  日付:2019年9月20-23日  場所:モナコ  wwwhttps://www.ipcc.ch/meeting-doc/2nd-joint-plenary-wgi-ii-ipcc51/

国連2019年気候サミット:国連事務総長のAntónio Guterresは、国連気候行動サミットを開催する、テーマは「我々が勝てる競争。勝たねばならない競争(A Race We Can Win. A Race We Must Win)」で、最高レベルの政治的経済的エネルギーを結集し、SDGsの多くの実施を可能にする気候行動を推進する。このサミットは、州や国、地域、都市、企業、投資家、市民に対し、次の9つの分野での行動をステップアップするよう求める:緩和;社会的及び政治的推進要素;若者と一般人の動員;エネルギー転換;気候資金及び炭素価格化;産業の転換;自然ベースの解決策;インフラ、都市、地方の行動;耐性(resilience)及び適応。  日付:2019年9月23日  場所:ニューヨーク、国連本部  www: https://www.un.org/en/climatechange/

SDGサミット:国連総会の権限下の持続可能な開発のハイレベル政治フォーラム(HLPF)は、2015年9月の2030年アジェンダ採択以後、これまでに達成できた進捗状況を報告し、2030年アジェンダ及びSDGsの実施加速化を助ける今後の進め方について、指導力を発揮し、ガイダンスを提供する。  日付:2019年9月24-25日  場所:ニューヨーク、国連本部  www: https://sustainabledevelopment.un.org/sdgsummit

IPCC WG III AR62回筆頭執筆者会議:IPCC作業部会IIIの第2回筆頭執筆者会議が開催され、第6次評価報告書の作成を続ける。  日付:2019年9月30日から10月6日  場所:未定  www: http://www.ipcc.ch/calendar

アフリカ気候リスク会議2019年:アフリカ気候リスク会議2019年は、「緊急の気候適応行動の障壁打破(Dismantling Barriers to Urgent Climate Adaptation Actions)」 をテーマに開催される。これと並行して第8回アフリカでの気候変動及び開発に関する会議も開催される。 日付:2019年10月7-9日  場所:エチオピア、アジスアベバ  wwwhttps://www.africanclimaterisksconference2019.org

34回適応基金理事会会議:適応基金(AF)は京都議定書の下で設立された組織、開発途上国の脆弱な共同体による気候変動適応プロジェクト及びプログラムに資金を提供する。この基金は、16名のメンバー及び16名のメンバー代理で構成され、一年を通して会議を開催する、同基金は適応基金理事会の監督を受け、管理される。世界銀行は、AFの暫定的管理者の役割を担う。 日付:2019年10月7-11日  場所:ドイツ、ボン wwwhttps://www.adaptation-fund.org/event/34th-adaptation-fund-board-meeting/?instance_id=165

世界食糧安全保障委員会(CFS 46): CFSの第46回会合は、2019年の世界の食糧安全保障及び栄養の状況報告、及びSDGsの観点におけるCFSの政策の影響、その他の問題を議論する。 日付:2019年10月14-18日  場所:イタリア、ローマ、FAO本部  wwwhttp://www.fao.org/cfs/cfs-home/en

SYRスコーピング会議:IPCC第6次評価報告書のSYRに関するスコーピング会議は、シンガポールで開催される。これに続き、IPCC議長団の第57回会合も開催される。 日付:2019年10月20-23日  場所:シンガポール  wwwhttp://www.ipcc.ch/

損失及び損害に関するワルシャワ国際メカニズムの第10回執行委員会会議:気候変動の影響に伴う損失及び損害のワルシャワ国際メカニズム第10回執行委員会(ExCom)会議は、ドイツのボンで開催される。 日付:: 23-25 October 2019年10月23-25日  場所:ドイツ、Nordrhein-Westfalen州、ボン www: https://unfccc.int/wim-excom

31回モントリオール議定書締約国会議(MOP31)MOP31は、ハイドロフルオロカーボンの管理、実施、他の問題を検討する。日付:2019年11月4-8日 場所:イタリア、ローマ  www: http://conf.montreal-protocol.org/meeting/mop/mop-31/SitePages/Home.aspx

サンチャゴ気候変動会議(UNFCCC COP 25)サンチャゴ気候変動会議ではUNFCCCの第25回締約国会議(COP 25)、第15回京都議定書締約国会議(CMP 15)、第2回パリ協定締約国会議(CMA 2)と共に、UNFCCCの補助機関会合も開催される。会合前期間は、2019年11月26日から12月1日である。日付:2019年12月2-13日  場所:チリ、サンチャゴ  wwwhttps://unfccc.int/santiago

他の会合については右記参照:http://sdg.iisd.org

 

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