Summary report, 14 March 2015

第3回国連防災世界会議(WCDRR)が2015年3月14-18日にかけて、日本の仙台市で開催された。参加者は、自然災害に対して安全な世界を作るための世界的な合意事項である兵庫行動枠組2005-2015の後継案の議論と採択を行った。本会議における後継案の詳細に関する政府間交渉のほかに、閣僚級ラウンドテーブル、ハイレベルな主要関係者(マルチ・ステークホルダー)によるパートナーシップ型の対話型議論、ワーキングセッションを含む各種イベントが、本会議会場である仙台国際センターおよび周辺会場において開催された。

ポスト2015年防災枠組に向けた交渉は、2014年の7月に協議を開始し、今回の国連防災世界会議において前進した。ほとんどは本会議の主要委員会からはずれた、非公式な協議の場で議論がなされた。活発な討論が実を結び、最終日の深夜12時に開催された最終会合の中で、仙台防災枠組2015-2030が採択された。

政府間組織の代表、国連諸機関、NGO、民間団体等を含むおよそ6,500名が会議に出席したことを、国連事務総長特別代表(防災担当)のMargareta Wahlström氏は「まさに主要関係者による会議であった」と評した。参加者には世界187の国・地域から、25の政府首脳、100の閣僚級代表、さらに上級幹部などが含まれていた。会議および関連イベントの参加者は推定40,000人であった。

数多くの表彰式が行われ、国連防災世界会議は防災活動、ドキュメンタリー映画、そして研究に関する貢献を表彰した。2015年の国連笹川防災賞はコスタリカのAllan Lavell氏が受賞し、防災に関する4つのドキュメンタリー映画が多彩な分野に渡る賞を受賞し、リスク対策計画における地域コミュニティを関与させた革新的な取組みを行った全インド地方自治体協会が「リスク部門賞」を受賞した。

国連防災世界会議の活動概略

洪水や干ばつといった災害や津波や地震による危機的状況は、頻度と激しさを増しており、人々や地域コミュニティに与える影響は壊滅的になっている。それらの状況に加え、計画不足、貧困、そして広範囲に渡る潜在的な要因により、脆弱な状況を招いた結果、自然災害に対した対策が不十分となっている。

災害リスクを減らすための活動はますます重要な国際的課題となっており、多くの関係者が持続可能な開発に向けた取組みのための防護措置と、ミレニアム開発目標の達成に必要と考えている。この活動はまた、ポスト2015年開発アジェンダにも重要な要素である。防災(DRR)の概念は政策、戦略、そして実行手段の全てを含み、人、都市、国に対する災害レジリエンスを高め、災害に対するリスクと脆弱性を低減させるものである。自然災害は人々を突如脅威にさらすとの前提にたち、国連国際防災戦略事務局(UNISDR)は各種パートナーシップに基づいて、防災に関するグローバルな取組みを行う。すなわち自然災害によってもたらされる人命の損失、社会経済の後退、環境破壊を減少させるという目標に向け、全ての人とコミュニティの関与を目指す。

国際防災の10年:1980年代に、自然災害による人的犠牲や物的損害が増加したことをうけ、国連総会(UNGA)は1989年に「1990年代の国際防災の10年(IDNDR)」(決議44/236)を宣言した。IDNDRの目的は、地震、暴風、津波、洪水、土砂災害、火山噴火、山火事、イナゴとバッタの大量発生、干ばつ、そして砂漠化といった広範囲に渡る災害を防止することであった。

1回国連防災世界会議:IDNDRの主要成果の1つは、1994年に横浜市で開催された第1回国連防災世界会議において採択された「より安全な世界へ向けた横浜戦略とその実行計画」である。この横浜戦略には災害リスクに対する予防、準備、軽減のための行動指針が設けられている。これら行動指針は、リスク評価、災害予防と準備、予防能力、災害軽減、そして早期警戒の重要性を強調するという原則に基づいている。また、この原則は、国際社会は災害を予防、軽減、緩和させる技術を共有し、防災分野における強い政治的決断力を示すべきであると記述されている。

国際防災戦略:1999年の第54回国連総会にて、UNGAはIDNDRにおいて実施されてきた防災や脆弱性軽減のための活動を継続することを決断し、ISDR (国際防災戦略) を設立した。ISDRを推進するため、機関横断(Inter-Agency)の事務局と、機関横断災害タスクフォース(IATF/DR)が同時に設立された(決議はそれぞれ54/219、56 /195)。IATF/DRは複数の役割の1つとして防災関連の問題に特化した専門会議を開催するよう命じられた。

2回国連防災会議:第2回国連防災会議は、日本の神戸市で2005年の1月18-22日に開催された。会議の目的は、防災に対する国際的な注目を高め、開発計画の実行を促進し、発展を阻害する災害の原因に立ち向かう地方と国の力を高めるものであった。168の参加国・地域が「災害に強い国・コミュニティづくり」と「兵庫宣言」を含む兵庫行動枠組(HFA)2005-2015を採択した。HFAは国連総会の60/195の決議によって承認され、各国政府に対し、5つの主要分野ごとに設定した優先行動を提出した。防災を国、地方の優先課題とし、実行のための強力な制度基盤を確保する;災害リスクを特定、評価、観測し、早期警戒を向上する;全てのレベルで防災文化を構築するため、知識、技術、教育を活用する;潜在的なリスク要因を軽減する;効果的な応急対応のための事前準備を強化する、である。

防災グローバル・プラットフォーム:2006年に、国連人権問題担当の事務次長は、各国政府のHFA実施に向けた誓約の実現へのサポートを強化すべく、 ISDR(国際防災戦略)制度を強化するための実践的な協議プロセスを立ち上げた。主な目的は、国連事務総長の報告においてISDR実現が強調されたことをうけ、政府と組織の関与を広げ、防災への関心を高め、防災活動のサポートのためにより一貫した国際的な努力をすることである。協議の結果、IATF/DRを拡大、改良するかたちで継承する、防災グローバル・プラットフォームの開催が提案された。グローバル・プラットフォームは、防災への関心を高めること、経験の共有、そして国際防災戦略をガイドすることを目的とした、防災に関連する全ての団体のための主要関係者協議会となることが想定された。

1回防災グローバル・プラットフォーム会合:第1回のグローバル・プラットフォーム会合は2007年6月5日-7日にスイスのジュネーヴで開催された。兵庫行動計画枠組の実施に向けた防災における課題と機会に関するハイレベルな議論と、防災に関する各種ワークショップにより、防災の議論を国際的優先事項として部門アジェンダに組み込むことと、兵庫行動枠組(HFA)の評価と実施に向けた会合が含まれた。会議の成果である議長総括は、UNGA向けの国連事務総長報告書に、ISDR(国際防災戦略)の推進として記載された。

2回防災グローバル・プラットフォーム会合:第2回のグローバル・プラットフォーム会合は2009年6月16日-19日にスイスのジュネーヴで開催された。参加者は第1回グローバル・プラットフォーム会合からの防災の進捗を確認し、防災に関する投資増額、気候変動による災害リスクの削減と予防行動による回復について議論した。会合の成果文書は2009年12月にコペンハーゲンで開催される国連の気候変動会合における国際防災コミュニティの議題の準備、および兵庫行動枠組(HFA)の中間報告となった。

65UNGA(国連総会) における防災に関する非公式な議論:この議論は、2011年2月9日に米国ニューヨークの国連本部にて開催された。UNGA総長室の配下に組織され、UNISDRの支援をうけた。議論は2つの公開討論からなり、1つは防災を促進するための投資に着目したもので、もう1つは都市部の防災に着目し、都市部にどうレジリエンスを構築するかに着目された。議論の結果は、第3回防災グローバル・プラットフォーム会合の議題に寄与した。

兵庫行動枠組(HFA)2005-2015の中間評価:中間評価は、2011年3月に発行され、防災の進捗が強調され、 兵庫行動枠組の実行策の進捗に関する客観的な分析がなされ、また各国とそのパートナー組織が誓約をより進めるための方法、今後の実施に向けた誓約、調達と取組みを促進することができるよう各国とそのパートナー組織をサポートする方法を特定した。中間報告によると、防災においては、とりわけ国の法律制定、早期警戒システムの確立、災害準備と対応の分野で進歩がみられた。報告による懸案は:社会経済を考慮に入れた制度的な複合災害リスクの評価と早期警戒システムの欠落;各国内および国際的な持続可能な開発政策と計画立案における防災の不十分な統合;地方レベルにおける兵庫行動枠組の不十分な実施である。

3回防災グローバル・プラットフォーム会合:第3回のグローバル・プラットフォーム会合は、「より安全な明日のために今こそ防災投資を—ローカルレベルでの防災投資の促進」をテーマに2011年5月8日-13日にスイスのジュネーヴで開催された。この会合は2009年に開催された第2回グローバル・プラットフォーム会合における調査結果と提言、および2011年の兵庫行動枠組(HFA)の中間評価および2011年の国連世界防災白書を発展させたものである。議題の中心は、再建と再生、防災の経済、そして世界的な気候変動と共通の開発アジェンダの相乗効果についてであった。

4回防災グローバル・プラットフォーム会合:第4回のグローバル・プラットフォーム会合は、2013年5月19日-23日にスイスのジュネーヴで開催された。この会合では兵庫行動枠組(HFA)の進行状況を評価する機会が設けられ、意思決定者、開発パートナー、専門家と実行者間での情報共有が促進された。また、防災の経済評価および投資に特化したツールと技法が提供された。会合の成果は、議長総括とハイレベルでの対話の公式声明が含まれた。

地域プラットフォーム:地域の政府間組織は、リスク削減活動およびHFA実行の促進において各自の責任を負うようになり、アフリカ、アジア太平洋地域、アラブ諸国、ヨーロッパ、南北アメリカにおいて主要関係者による防災プラットフォームを組織した。この地域プラットフォームは各国の関係者間での組織化された情報と知識の交換の場を提供する。

国連防災世界会議(WCDRR)への準備プロセス:2013年の第68回国連総会にて、第3回国連防災世界会議に向けた組織的そして実質的な準備をレビューするためのオープン・エンドな政府間準備会合が設立された(決議68/211)。準備会合はフィンランドとタイの共同議長のもと、10名の事務局メンバーで運営された。事務局は各地域の2名の代表を含み、会議開催国の日本は職権上のメンバーとなった。準備会合はアジェンダと手続き規則の提案の合意、会議のプログラムおよびポスト2015年防災枠組の草案を作成するため、2014年7月14日-15日、2014年11月17日-18日、および2015年3月13日の3回開催された。

WCDRRレポート

3月14日(土)に、潘基文国連事務総長が各代表の仙台来訪を歓迎し、各代表のポスト2015年防災枠組における重要な役割について強調した。

本会議の議長には、山谷えり子内閣府防災担当大臣が前回一致で選任された。この日の開会式にご臨席の天皇皇后両陛下のもとで、山谷大臣の挨拶を含む開会の挨拶が行われた。

山谷大臣は、前回の第2回国連防災会議において採択された兵庫行動枠組(HFA)2005-2015の過去10年の進捗を歓迎し、世界的な防災に関する行動指針としてのHFAの価値を強調し、今後理想とのギャップを解消するためのポスト2015年防災枠組の必要性を付け加えた。

潘基文事務総長は、国連防災世界会議における野心的な成果は、今後の持続可能な開発目標(SDGs)および有意義な気候変動に関する合意とあわせて、2015年の新しい持続可能な開発アジェンダの道標となると述べた。潘基文事務総長は、大型サイクロン・パムに直面したバヌアツの人々に対する本会議の団結を表明し、国とコミュニティの間に強い絆を確立することを通じて、真のレジリエンスを構築するよう各国代表に呼びかけた。

日本の安倍晋三総理大臣は、2011年の東日本大震災における国際的な援助に対して感謝の意を表明し、「より良い復興(ビルディング・バック・ベター)」の概念を強調し、参加各国に対して、強固なポスト2015年防災枠組の合意のために経験と教訓を共有することを呼びかけた。

第21回の気候変動に関する国際連合枠組条約締約国会議(UNFCCC COP 21)の次期議長であるLaurent Fabius氏は、防災と気候変動を兼ねた新しい行動の必要性を強調し、「気候災害警報」の機構において最も脆弱な立場にある人々を援助する旨の嘆願を述べた。Fabius氏はCOP21(第21回締約国会議) は普遍的で分化した条約、各国の貢献、財政手段、そして「解決課題」を包含した「パリ合意(Paris Climate Alliance)」に結びつくことを希望すると表明した。

他の発表者は「全体像」をふまえた草の根活動の必要性を念頭においた、レジリエンスを強化するために国際的な協力とパートナーシップの強化と、「具体的な成果物」を提供するための機会にWCDRRを含む2015年の国際的な取組みを活用することを呼びかけた。

組織関連事項:各国の代表は全会一致によって、本会議のアジェンダ(A/CONF.224/1/Rev.1)、計画表 (A/CONF.224/2)、その付録(A/CONF.224/2/Add.1)、そして手続き規則 A/CONF.224/3)を採択した。

代表は本会議の副議長を全会一致によって選任した。開催国の日本からは職制上の副議長、各地域グループからは2名の副議長を選任した:アジア太平洋地域からはバングラディシュとタイ、東ヨーロッパからはチェコ共和国とロシア連邦、 ラテンアメリカおよびカリブ海グループからはエクアドルとジャマイカ、西ヨーロッパおよび他グループからはフィンランドとスイス、アフリカからはエジプトと南スーダンである。統括報告者としてToni Frisch氏 (スイス)が選任された。

各国の代表はポスト2015年防災枠組の草案の更なる交渉のための主要委員会(Main Committee)の結成に合意した。各国の代表は政府間準備会合の共同議長であるPäivi Kairamo氏(フィンランド) とThani Thongphakdi 氏(タイ)が主要委員会の共同議長を継続して務めることを要請した。

代表は信任状委員会として、バングラディシュ、ブラジル、中国、デンマーク、ジャマイカ、ナミビア、セネガル、ロシア連邦および米国を選出した。

全般的な意見交換

各国の代表は会議を通じて、防災に対するそれぞれの活動を強調し、各国における災害復興の経験を述べ、2015年が複数の防災枠組を最終化するために重要な年になるべきであるという声明を発表した。

日本の安倍晋三首相は制度構築、物的支援、そして地域協力の推進に焦点を置いた「仙台防災協力イニシアチブ」として40億米ドルを拠出することを表明した。安倍首相は、防災は、ポスト2015年開発アジェンダとともに「必ず発展すべきである」と述べた。

バヌアツのBaldwin Lonsdale大統領は代表団に対し、大型サイクロン・パムの直撃による災害で26万人のバヌアツ国民が被災する可能性を述べ、これに対する支援を要請した。

韓昇洙国連水と災害リスク減少特使は早期警戒システムと災害準備の進歩について言及したが、開発途上国におけるそれらの能力不足が災害対策の限界を規定していると警告した。 洙国連水と災害リスク減少特使は過去30年間で、災害により発生した推定コストが3.5兆米ドルに上ることを述べ、「持続可能性はこの仙台で始まるべきである」と締めくくった。

WCDRRの期間中、全体の意見交換の場において、およそ144の国・地域、40の政府間組織、9の主要非政府メジャーグループが公式声明を発表した。

声明と動画配信は、http://www.wcdrr.org/conference/programme/statementsにて公開されている。

閣僚級ラウンドテーブル

災害復興 ―より良い復興:3月15日(日)に開催され、トルコのNuman Kurtulmuş 副首相が議長を務めた。各国は自国における災害後の復興の経験を述べ、多くの国が長期の開発計画と連携した復興の重要性を強調した。多くの参加者は「人間中心の」そして包括的なアプローチの重要性を認識した。また、国際協力の必要性、予測的な資金機構、保険部門とのパートナーシップも議論の主題であった。

ポスト2015年防災枠組をサポートする国際協力:3月15日(日)に開催され、インド内務省のRajnath Singh大臣が進行役を務めた。各国の代表が、国内および地域的な防災戦略の実行のための技術面・財政面での支援の必要性を強調した。本会合はまた防災の引き金となる要素、とりわけ気候変動に焦点を合わせた議論が行われた。各国の代表は2015年に今後開催される開発資金、ポスト2015年開発アジェンダおよび気候変動といった国際会合と防災の密接な連携を要請した。

日曜の閣僚級ラウンドテーブルの概要はhttp://enb.iisd.org/vol26/enb2612j.htmlで閲覧可能である。

災害リスク管理- 今後の課題:3月16日(月)に開催され、議長となったエクアドルのMaría del Pilar Cornejo 危機管理庁長官のもとで、各国は国家レベル、地方レベルでの災害への事前準備の促進のため、法制度および対策方針の経験共有を行った。各国は、あらゆるレベルでの能力強化の必要性、レジリエンスへ向けた宗教的・文化的な伝統の重要性、そして政府内における部門横断的なアプローチの重要性といった課題について議論した。

都市部における災害リスク軽減:3月16日(月)に開催され、議長となった南アフリカ共和国のPravin Jamnadas Gordhan協調統治・伝統業務大臣のもとで、都市化の傾向とそこから引き起こされる防災への課題に関する議論が行われた。多くの参加者が気候関連災害によって都市部にもたらされるリスクについて発言した。他の参加者からは、脆弱な立場にある都市居住に特化した要求と、エネルギーと社会基盤の解決策の観点から官民パートナーシップの必要性を求める発言があった。

月曜の閣僚級ラウンドテーブルの概要はhttp://enb.iisd.org/vol26/enb2613j.htmlで閲覧可能である。

防災における公共投資戦略:3月17日(火)に開催され、議長となったルーマニアの緊急事態省のRaed Arafat大臣のもとで、防災に関する国家的な財源機構を中心に議論が行われた。参加国によって提示された事例には、税収入の活用とインセンティブ、気候変動と防災を調和させた基金、社会基盤への投資促進、プロジェクト計画時の財務関係省庁の関与、そして建設産業における汚職対策等が含まれた。また多くの参加国によって、国際協力の重要性が強調された。

火曜の閣僚級ラウンドテーブルの概要はhttp://enb.iisd.org/vol26/enb2614e.htmlで閲覧可能である。

ハイレベルなパートナーシップの対話型議論

国連ハイレベル会合:3月14日(土)に開催され、国連機関の要人が出席し、国連環境計画(UNEP)のAchim Steiner事務局長が議事を進行した。国連の潘基文事務総長はこの仙台会議の成果を実施するための国連機構の誓約を強調した。各国の代表は、防災が人間中心の観点によってどう導かれるか、災害予防文化をどう促進するか、国連がどう「一丸となって」対応できるかを議論した。この議論の概要はhttp://enb.iisd.org/vol26/enb2611j.htmlで入手可能である。

防災における女性のリーダーシップの発揮:3月14日(土)に開催され、ジャーナリストのRiz Kahn氏がセッションを進行した。日本の安倍晋三首相は、消防士、避難所の運営、家庭における一時災害の対応といった女性の役割に言及し、女性が多くの場合、災害対策の最前線にいることを述べた。このセッションにより、非常時前後や非常時最中の意思決定に女性を参画させることは、女性、子ども、そして男性にとってより良い福祉を提供できることが強調され、防災の対象者に伝えるべき構成要素情報の必要性が訴えられた。この議論の概要はhttp://enb.iisd.org/vol26/enb2611j.htmlで入手可能である。

リスクを考慮した投資-官民パートナーシップ:3月16日(日) に開催され、トルコのFuat Oktay・AFAD総裁が議長を務めた。基調講演者であるアクサアジアのGaëlle Olivier氏が50年前と比べて現代の災害数は5倍に増え、その対応コストは10倍に増加していることを紹介した。議論を通じ、「より良い復興」に向けた官民パートナーシップ、予防措置、保険部門の関与、そして複数関係者間における信頼構築の重要性が強調された。この議論の概要はhttp://enb.iisd.org/vol26/enb2613j.htmlで入手可能である。

包括的な災害リスク管理政府、コミュニティ、グループの連携行動:3月17日(火)に開催され、ジャマイカのNoel Arscott 地方政府・コミュニティ開発大臣が議長を務め、メディア特派員のVeronica Pedrosa氏が議事を進行した。キリバスのAnote Tong 大統領が基調講演を行い、防災の法制定の必要性と、防災と気候変動における課題に向けた国際基金のアクセスに関する改善の必要性を述べた。このほか、防災を促進するうえでの地方自治体と若者の役割や、防災のための解決策の規模拡大、メディアとアカデミックな分野の関与を促進する必要があることについて議論が行われた。この議論の概要はhttp://enb.iisd.org/vol26/enb2614j.htmlで入手可能である。

ワーキングセッション

主要関係者による対話の一環で、会議期間を通じて既存の兵庫行動枠組の優先行動における進捗、新たなリスク、実行のための誓約、実行の促進という4つの主要テーマに基づく各種ワーキングセッションが開催された。

314():技術的脅威 - リスク削減から復旧まで:国際赤十字赤新月社連盟総長のElhadj As Sy氏がセッションを進行した。技術災害と原子力災害の管理における地方レベルでの関与の役割と重要性に関する検討と、いくつかの事例に基づく教訓を聴講した。

災害リスクの転嫁と保険:アジア開発銀行のArup Chatterjee氏がセッションを進行した。各国の代表は、政府高官と産業界代表者による防災課題における保険の役割の重要性、およびポスト2015年枠組において保険がより高い位置づけになるべきとの議論を聴講した。

安全な学校へのコミットメント:大韓赤十字社の金聖株総裁がセッションを進行した。復興と復旧、災害準備、対応、予防および軽減に焦点をあてた各国の主導権について議論が行われた。本セッションでは各国に対する 「安全な学校のための世界的イニシアチブ(Worldwide Initiative for Safe Schools)」に対する参加が呼びかけられ、早期警戒手段の必要性が強調された。

土曜日のワーキングセッションの概要はhttp://enb.iisd.org/vol26/enb2611j.htmlで入手可能である。

315():国家と地方レベルでのガバナンスと計画策定:経済協力開発機構(OECD)のRolf Alter氏が本セッションを進行した。ここでは変質する災害リスク・ガバナンスとガバナンスに対する投資機会が検討された。議論の対象になった方策には、建築基準やインセンティブによる防災への組み込み、人材育成に関する「ソフト面」の投資、そして実効性ある防災へ向けた法律と規範の機構強化が含まれた。

国際的なリスクの流れ:マレーシアの国連常駐調整官のMichelle Gyles-McDonnough氏が議長を務めた。ここでは 2015年版国連防災白書 (GAR 2015)の紹介に主軸がおかれた。本白書の結論は過去数十年において防災は進歩しているものの、気候変動を含む多くの潜在的なリスクは、実際大きくなっているというものであった。本白書では、防災と長期的な開発計画の連携強化が推奨された。

災害リスク削減の意思決定における科学技術の適用:土曜の午後に開催され、ブラジルの国立自然災害観測センター(Centro Nacional de Monitoramento e Alertas de Desastres Naturais)のCarlos Nobre氏が議長を務めた。ポスト2015年枠組における科学と技術の明確な役割と、効果的な防災行動を舵取りするために必要な費用対効果分析において、研究結果が果たすべき重要な役割が議論された。

伝染病および流行病のリスク削減:世界保健機関(WHO)のBruce Aylward氏がセッションを進行した。セッションでは伝染病、流行病および関連する災害リスクに焦点がおかれた。タイ、スウェーデン、リベリア、ラテンアメリカおよびカリブ海地域における経験が共有された。一部の参加者はエボラ熱の大規模流行を引き合いに出し、国際的な準備はいまだに限定されており、健康関連のリスクはポスト2015年防災枠組の中で取り組まれるべきであると認識した。

日曜日のワーキングセッションの概要はhttp://enb.iisd.org/vol26/enb2612j.htmlで入手可能である。

316():レジリエントな観光業界へ向けて:メディア特派員のVeronica Pedrosa氏がセッションを進行した。このセッションではポスト2015年防災枠組における観光業界の組込み、災害時におけるホテル業界の役割、そして災害に備えた監査可能なシステムである「ホテル・レジリエント・イニシアチブ」が検討された。参加者はとりわけ、テロに対する観光業のレジリエンス構築、レジリエンス促進に関する保険業との連携に関する質問を投げかけた。

災害がもたらす移転に関する備え:パキスタンの前国家災害委員長であるNadeem Ahmed中将が議長を務めた。このセッションではポスト2015年防災枠組における移動性および移転への注目、生活面の支援の重要性と、移転先における新たな社会経済的な脆弱性を生み出すべきでないこと、計画移転に関する国際的な指針の必要性、パキスタン、ラテンアメリカおよびカリブ海地域、シリア、および他地域における移転の体験などが取り上げられた。

月曜日のワーキングセッションの概要はhttp://enb.iisd.org/vol26/enb2613j.htmlで入手可能である。

317():食糧安全と災害レジリエントな農業と栄養:世界食糧計画(WFP)のAmir Abdulla事務局次長が本セッションを進行した。本セッションでは、農業分野における防災計画の強化の必要性が強調され、穀物の多様化、疫病への抵抗力、貯蔵システムを改善させるための国家的なレジリエンス構築、そして気象情報サービスの共有と提供に関する地域的な取組みが紹介された。

子ども達と若者 - 私たちの未来を勝手に決めないで:若者のための国連特使、Ahmad Alhendawi氏が本セッションを進行した。UNICEFのAnthony Lake事務局長は子どもと若者達における脆弱性が強大化していることを述べ、他の発表者とともに、防災の意思決定に子どもと若者達を関与させることの重要性を強調した。

全体の災害リスク削減における障害者の積極的参加:国連障害者権利委員会のMonthian Buntan氏がセッションを進行した。本セッションは障害を持つ人々と一体となった防災に対する取組みを促進するための方針や方策を進めることが中心となった。障害者に対応した早期警戒メッセージの促進手段としてのシナリオ実演、盲ろう者との意思伝達の必要性、そしてコミュニティの「ための」ではなくコミュニティと「ともに」計画することの重要性、等に主眼がおかれた。

火曜日のワーキングセッションの概要はhttp://enb.iisd.org/vol26/enb2614j.htmlで入手可能である。

主要委員会

主要委員会は3月14日(土)に公式に開催された。各国の代表は1月28日に発行されたポスト2015年防災枠組草案のより迅速な議論を行うことを期待し、会議の残期間に渡り、原則非公式な会合に参集することを合意した。この後の公式な主要委員会は3月18日(水)の夕方に開催された公式文書の採択を勧告するためのものだけであった。

各国の代表は、前文に焦点を合わせて、草案本文の見直しを開始した。2005年-2015年における災害数に関して、各国の代表は草案の「脆弱な集団」という記載を「脆弱な状況にある人々」に変更することに合意した。災害リスクを引き起こす潜在的な要因の表現に言及した記載で、「弱い統制」を「弱い制度設計」に改めることに合意し、これとは別個に、様々なレベルで「強化された統制」の必要性について記載することに合意した。リスクを促進させる要因となる技術への限定されたアクセスについて、ある国がそのような文言は知的財産の制度を損ないうるとの懸念を示したが、一方で他の国は、その記載は記述的であり、その懸案は見当違いであると発言した。さらにリスクの要因としての「紛争や他国による占領体制」という記載に関する議論では、紛争は政治問題であって他の会議の場で扱われるべきという立場の国と、これらの記載を欠くことはポスト2015年防災枠組の目的達成を困難にするという懸案を示す国があった。

土曜の議論の詳細については http://enb.iisd.org/vol26/enb2611j.html で参照可能である。

日曜の午前中に、各国の代表は国際的な協力について議論した。各国の代表の視点は「予測可能な追加の」財源が必要であるという点で相違が生じ、多くの開発途上国は、その表現の文脈は記述的であり、財源については言及されていないと主張した。多くの先進国は、財源に関する取組みがなされるべきであると強調し、異議を唱えた。一部の先進国は相互合意条件(MAT)に基づく技術移転の提供を支持し、一方で、一部の開発途上国が相互合意条件は技術移転の制約条件となるとの立場からこれに異議を表明した。国際協力の観点における財政と技術移転の議論は「さらなる非公式の」場に議論を移された。

各国の代表はさらに、共通だが差異ある責任(CBDR)を議題に取り上げた。議論の中心は、どの程度まで、気候変動がさらなる防災行動を必要としうるのかであった。一部の先進国はCBDRの原則は防災の文脈で想起されるべきではないと主張した。開発途上国はCBDRは持続可能な開発および国際法における中心的な柱であるとした。合意は形成されず、本件もまた「さらなる非公式の場の議論」に移された。

続いて各国の代表は、とりわけ「説明責任」と「他国統治下の」という表現、そして国際規範に関連した用語について議論した。特別な状況を認め、小島嶼開発途上国(SIDS)に表記されていた括弧を削除することで合意がなされた。

日曜午後の主要委員会では、Wayne McCook大使(ジャマイカ)の進行により、世界防災の目指す7つの目標について議論が継続された。2030年までに災害犠牲者を減少させるため、一部の代表が定量的で具体的な目標設定の重要性を繰り返し主張した反面で、他の国は定性的な表現を主張した。「一人当たりの」という用語が懸案となり、一部の国はその表現は開発途上国の国民にさらなる負担を課すものであると言及し、一方で一部の国は各国と世界共通の目標間で矛盾が発生する可能性について言及した。協議の結果、各国の代表は「2005年-2015年と比較した100,000人あたりの全世界平均死亡率を2020-2030年までに引き下げることを目指し、実質的に2030年までに世界の災害犠牲者を減少させる」という表現で合意した。

開発途上国が防災支援を実施できるよう支援する国際協力に関する目標の候補は合意に至らず、非公式の議論は夕方に継続された。

日曜の詳細な議論の詳細については http://enb.iisd.org/vol26/enb2612j.html で参照可能である。

月曜は、委員会全員が招集され、提案された政治宣言を火曜に議論するための時間を残すため、可能な限り本文を仕上げるべく、午後遅くまで議論が継続された本文に関する多くの修正は合意されたが、夕方の時点で国際協力、技術移転、人権に関する記載、発展に関する権利に対する問題、そして統治下の状況を表す表現の取り扱いとCBDR(共通だが差異ある責任)が未解決のままであった。本文に関する議論は深夜におよび、委員会は午前3時に閉会となった。

火曜の朝に、開催国の日本が、水曜の朝に予定されている最終会合においてポスト2015年防災枠組が採択されるように各国代表に対し「妥協の精神」を示すように促した。午前中の議論の中心は:ポスト2015年防災枠組の実行においてUNISDRに対し、特に他の持続可能な開発プロセスとの連携の面で大いに「行動的に」なることの要請と;他の国連機関と比べたUNISDRの限られた資源;国連総会による統合・強調的なフォロー・アップ・プロセスを含むポスト2015年防災枠組の見直しプロセスの候補;定期的な進捗確認の時期;防災の進捗を測定する実践的な指標を開発するための、オープン・エンドな政府間専門作業部会の設立であった。

火曜の正午に、共同議長が未解決の課題に集中した議論を行うため、2つのノン・ペーパーを配布した。一方は前文、国際協力、本枠組において期待される成果と目標の記載、および指導原則に関するもので、もう一方は技術移転に関するものであった。

委員会は午後に再開され、主要な未解決課題について議論すべく、それぞれ12の国からなる作業部会により再び「さらなる非公式の」交渉を継続することになった。一方の作業部会は気候変動と国際協力について、もう一方は技術移転およびその他の課題を議論した。二つの作業部会は深夜まで議論を継続した。

一部の国は、新しく結成された草案作成グループにおいて十分に配慮されていないことを示唆したが、大多数はより高い次元での信頼と善意を求める代表に従うことを受け入れていた。

火曜の議論の詳細については http://enb.iisd.org/vol26/enb2614j.html で参照可能である。

水曜の朝から終日にわたり、主要委員会が開催された。この日の正午に予定されていた防災世界会議の最終会合と閉会式は、最終成果文書の合意を待つべく何度も延期された。

作業部会によって議論された草案は、全体合意に向けて主要委員会に展開されたが、各国代表は引き続き技術移転、相互合意条件(MAT)、そして「紛争および他国統治下の」という表現について合意が難航した。

各国の代表は、前文における「紛争および他国統治下の」という表現は、リスクの潜在的要因という文脈から保持されるべきであるかについて議論した。多くの開発途上国は「他国統治下の」という表現を保持し、「紛争」の削除を支持したが、先進国の大多数は妥協策として両方の記載を削除すべきとする共同議長の提案を支持した。一部の国は紛争と他国統治は「政治的な問題」であり、UNISDRの管轄では無いと主張し、他の国連フォーラムで扱われるべきであると主張した。最終調整を経て、紛争と他国統治に関する記載は削除された。

各国の代表はまた、前文における「あらゆるレベルで」の「災害リスクの生成に関する説明責任」という表現を受け入れることに合意した。各国の代表は「国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)の管轄を尊重したうえで、災害リスクの一因である気候変動に取り組む」および「災害リスク統治の強化」という表現に合意した。

ポスト2015年防災枠組の「指導原則」の文脈の中で、各国の代表は「開発に関する権利」に言及することに合意した。

「さらなる非公式な」草案作成グループが用意した妥協案を受容した後、「期待される成果と目標」のセクションにおいて、各国の代表は国際的な協力について「十分で持続可能な支援を通じ、開発途上国が2030年までに本枠組を実行するための自国の取組みに向け、実質的に国際的な協力を強化する」という世界防災の目指す7つの目標を採択した。

「指導原則」の章の表現について、2つの先進国が引き続き、相互合意条件(MAT)の言及が無い状態での技術移転の記載に反対を表明した。開発途上国は、技術移転に関する記載は一般的な需要を記したものであり、相互合意条件への言及は、特定の商取引に関係するため適切でないとした。この観点に反対する形で、ある大きな先進国は「知的財産の保有者の権利を損ねるべきでない」と強調し、相互合意条件の記載を主張した。

「優先行動」のセクションに関して、技術移転を懸念していたある先進国は「災害リスクの理解」における優先事項1として、「技術移転を含む国際的な協力」を通じた、機密でないデータの共有と活用の考案を受け入れた。国際協力に関する本文で、各国の代表は「双方が合意した譲歩的で選択的な条件」に基づく適切な技術移転が、災害リスク軽減のために最も重要な手段であることに合意した。代表はまた、既存の国際的な機構を通じた基金と技術へのアクセス強化に関する記載の必要について合意した。

その他の技術移転に言及した議論は、作業部会が技術移転に関連した相互合意条件(MAT)の必要性と処理の手法に関する熟考の結論を導き出すまで延期された。作業部会の議論の後、本委員会に報告する際に、相互合意条件(MAT)の記載を主張する国と、国連持続可能な世界会議(リオ+20)の成果文書である「我々の求める未来」に準拠したより広範囲な記載を主張する国との双方の懸案に対応すべく、開発途上国は相互合意条件(MAT)の記載の削減と「双方が合意した譲歩的で選択的な条件」を提案した。ある先進国は「双方が合意した」という表現に強い支持を表明し、この段落に関する議論は交渉の後期に延期された。

また、「災害リスクに関する理解」の優先事項1として、いくつかの代表は沿岸や河川流域といった特定の地理的領域に関する記載を含めることに反対したが、一方で他の国は特定することの必要性を訴えた。各国の代表は最終的に「生態系」の保全の必要性に関する記載について合意した。

優先事項3である「レジリエンスに向けた防災への投資」について、各国の代表は「健康サービス」の替わりに「医療サービス」の表現を用いることに同意し、災害後の状況における提供サービスとして「食糧と栄養」を含めることに同意した。代表はまた、「各国の法と状況に応じ」、災害によってもたらされる人間の流動性に対応するためのポリシーとプログラムの採択を奨励することに合意した。

各国の代表はまた、コミュニティの関与、基本医療サービス、食糧の安全性と栄養との関連性を含む、包括的なポリシーとセーフティ・ネット機構を強化するための記載について議論し、合意した。

国際的な協力において、防災に関する国連機構の支援に関連し、各国の代表は長時間に渡り、本文が「付加的な、予測可能な、適度に自発的な」防災に関する国連信託基金への財政貢献を要求するかについて議論した。開発途上国の代表は、国連決議の第25段落 68/211から「増加された、時宜にかなった、安定してそして予測可能な」という文言を引用することを提案した。先進各国は、決議68/211は基金の移動性について支持するのではなく、必要性を訴える記載であるとして、この提案を拒否した。

各国の代表は続いて関係者、特に移住者および災害によって避難させられた人々の役割について検討を行った。ある開発途上国は、他国統治下にある人々を含む、全ての脆弱な集団に対応する必要性を強調し、移住の観点からそれらの人々を災害による「避難」ではなく「移転」と表現すべきと主張した。議論は長期化し、最終的な本文は他の関係者グループの中でも、防災による移住者の貢献を明確化することになったが、災害による人々の「避難」あるいは「移転」に関する記載は削除された。

Kairamo共同議長は続いて、各国代表に対してポスト2015年防災枠組の名称を検討するよう呼びかけた。開催国との事前協議を行っていた大きな開発途上国は「仙台防災枠組:全てのレジリエンス構築に向けた防災の主流化」を提案した。多くの代表はこれを支持し、2015-2030という時間軸を追加すべきという提案と、主流化に関する記載を削除する提案が出された。Kairamo共同議長は各国の提案に感謝の意を表明し、名称の最終決定は議論の中から選ぶことを示した。

午後4時30分に、共同議長は開催国の日本に対し、進行役を要請し、主要委員会において、主立った課題を解決し、延期されていた全体会議が午後7時から開始できるよう「議長国原案」を提案するよう求めた。開催国は各国の代表に対し、主立った課題に対する合意形成を嘆願した。一部の代表国は開催国に対して、既に合意された文章が新しい草案の中に保持されるよう要請した。他の国は、どこの段落が未解決であるのか、とりわけ、技術移転に関し、意見相違があり合意到達が不明確である部分を明確化することを求めた。代表団は午後5時10分に一時休止となり、開催国により提案された新たな枠組と政治宣言の草案に関する議論のため、午後5時55分に再開することになった。

長い遅延の後、開催国の進行役である、日本の菅沼健一防災世界会議担当大使が午後9時から開始される非公式な議論に用いるポスト2015年防災枠組の議長国案を紹介し、参加国に対し、意見一致に基づく合意と、これ以上の起草を避けるよう呼びかけた。

ある国は、他国占領下という状況に言及することの重要性を、これら状況のもとで生活する人々の脆弱性と、リオ+20の成果文書に他国占領状況に関する記載があるとの観点から主張したが、妥協の精神により議長国案による提案を支持することを表明した。参加国は事務局が文法・表記の修正を行うことを認め、草案の全文は意見一致により承認され、主要委員会に提出されてその判断を受けることに合意した。

各国の代表は続いて、日本の大菅岳史参事官の進行により、本会議の第二の成果物である政治宣言について審議した。大菅参事官は宣言の概要を紹介し、2005年の兵庫宣言および1994年のより安全な世界へ向けた横浜戦略とその実行計画に基づいて制定されたという4つの段落の背景について説明した。仙台政治宣言は意見一致により承認され、主要委員会に提出された。

代表はまた防災関係者の災害リスクを減少させるための自発的なコミットメント表明の決議を歓迎し、ポスト2015年防災枠組の実行へのパートナーシップ構築を呼びかける決議案をレビューし、採択に上げた。

非公式な会合の最後に、日本の大使が全体合意された議長国案を共同議長に引き渡し、主要委員会が午後10時8分に再開された。

主要委員会は午後10時16分に全会一致により仙台防災枠組2015-2030(A/CONF/224/CRP.1)を採択し、公式に最終会合へと提出した。

政府宣言と震災関係者の自発的なコミットメントを認識する決議も同様に採択された。

共同議長は関連した全ての人に感謝の意を表明し、国連事務総長特別代表(防災担当)のMargareta Wahlström氏はとりわけ会議を進行した日本の防災世界会議担当大使に感謝を述べた。

米国は仙台防災枠組における 開発に関する権利、技術移転、そして財政を含む特定領域に関する解釈を文書化するための機会を要求した。多くの国が共同議長、開催国、そして関連した各国の代表と関係者に感謝を表明した。エジプトは新しい枠組に関する支持を表明したが、災害リスクを引き起こす潜在的な要因の文脈での「他国占領下」の記載削減には同意していないことを強調した。本会議は最終会合の開始を待つため午後10時30分に一時休止となった。

最終会合

最終会合は防災世界会議の山谷議長の冒頭挨拶のもと、午後11時44分に開始された。山谷議長はアジェンダ12の閣僚級ラウンドテーブルの報告のため、エクアドルの国家危機管理庁のMaría del Pilar Cornejo長官を壇上に招いた。報告の結論において、Cornejo長官は防災は全ての国にとって持続可能な開発の中心柱であることを訴え、仙台防災枠組を実行するうえでの実行指標の必要性を強調した。続いてバングラディシュのShameemAhsan大使が信任状委員会からの報告を行い、会議は報告書を採択した(A.CONF.224/4)。

会議は続いて本会議の最終成果物の採択を行った。主要委員会のThongphakdi共同議長は会議成果物を発表し、主要委員会の推薦により仙台防災枠組 2015-2030 (A/CONF.224/L.1)、仙台宣言 (A/CONF.224/L.2)、そして震災関係者の自発的なコミットメントに関する決議(A/CONF.224/L.3)が最終会合において採択された。最終会合ではまた、77のグループと中国によって提案された、決議A/CONF.224/L.4を採択し、開催国である日本政府に感謝の意を表明した。 

会議の総括報告者であるToni Frisch大使(スイス)が、会議の後にいくつかの事項が記される可能性があるとの理解のもと、本委員会の報告書草案(A/CONF.224/L.5)を発表した。この報告書は採択された。

国連事務総長特別代表(防災担当)のMargareta Wahlström氏が閉会挨拶を行い、会議における各国のたゆまぬ努力、日本政府および国民のもてなし、会議の準備に貢献したスタッフおよび全ての人に感謝を述べた。Wahlström特別代表は第3回国連防災世界会議の4つの主要成果物として、地方の活動者への強い焦点;防災の実行における様々な関係者グループの重要性の認識;兵庫行動枠組ではみられなかった、健康関連のリスクに対する強い焦点;採択された仙台防災枠組に反映された防災における女性の突出と民間部門の防災活動者について強調した。Wahlström特別代表は25の政府首脳、100の閣僚級代表を含む6,500名が会議に参加したことと、この会議が、障害を持つ人々が国連会議に参加するための新たな標準を生み出したことを述べた。Wahlström氏特別代表は仙台防災枠組の実行における政府と関係者の課題について述べ、防災と仙台会議の結果をうけた2015年後半に開催される開発と気候変動に関する国連の会議との組込みの困難さを強調した。Wahlström特別代表は午前12時25分をもって会議閉会を宣言した。

成果文書

仙台防災枠組2015-2030仙台防災枠組は、持続可能な開発と貧困の根絶という文脈において各国の防災とレジリエンスの構築に対する新たに緊迫感をもって取組むという決意について述べた。)前文では環境と開発に関するリオ宣言の全ての原則を再認識し、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)の管轄を尊重したうえで、災害リスクの一因である気候変動に取り組み、意義のある一貫した手法で災害リスク削減のための機会を示している。

期待される成果と目標:仙台防災枠組は世界レベルでの進捗測定のため、7つの目標が設定されている。

2005年-2015年と比較した2020-2030年における100,000人あたりの全世界平均死亡率を引き下げることを目指し、実質的に2030年までに世界の災害死亡者数を減少させる

2005年-2015年と比較した2020-2030年における100,000人あたりの全世界平均被災者数を2020-2030年までに引き下げることを目指し、実質的に2030年までに世界の被災者数を減少させる

世界GDPに関連して、災害による経済損失を2030年までに減少させる

2030年までに各施設のレジリエンス構築を通じて、重要インフラの災害による損害および医療、教育機関を含む基本サービスの途絶を実質的に減少させる。

2020年までに国家的・地方的な防災戦略を採択する国家数を実質的に増加させる

十分で持続可能な支援を通じ、開発途上国が2030年までに本枠組を実行するための自国の取組みを補うべく、実質的に国際的な協力を強化する

2030年までに、人々が複合災害に対する早期警戒システムおよびリスク情報と評価を容易にアクセスできるようにする

指導指針:本枠組は、各国の情勢、各国法規、国際的な責任と誓約における一貫性を考慮して、より安全な世界へ向けた横浜戦略の自然災害の予防、準備、軽減の指針とその実行計画、および実行性を指針に組み込んだ兵庫行動枠組のそれぞれの指針を引き継いだものである。

13の指針は、以下を強調している。

すべての国は国際的、地域的、準地域的、越境的、そして二国間等の協力を含んだ、災害リスクの予防と削減における一義的な責任を持つ。

防災においては、中央政府および関連機関、各セクターおよび関係者の間で責任を共有すべきである。

災害リスクの管理は、人々とその財産、健康、生活、生産的資産、そして文化的で環境的な資産を保護するためであり、同時に開発への権利を含む人権を尊重し守るものである。

防災は、社会全体の関与、権限委譲、そして特に貧しい人々を含む、不均衡な被害を受ける人々に注意を向けた差別のない包括的でアクセスしやすい参加、および性別・世代・障害の有無・文化的な観点を必要とする。

防災と管理は、セクター内外および官民にまたがる関係者の責任を明確にすることを含むあらゆるレベルの関連ステークホルダとの調整機構に依存する。

災害リスクを削減するには地方自治体と地方コミュニティに権限を持たせることが必要である。

防災は、複合災害的なアプローチと、伝統的な知識によって補完される、性別、世代、障害の有無等を含む細分化されたデータに関しての開かれた意見交換や普及に基づく包括的でリスク・インフォームドな意思決定が必要である。

防災は持続可能な開発の達成には不可欠である。

災害リスクの要因の範囲は地方、国家、地域、世界的でありながら、災害リスク削減策の意思決定において災害リスクは各地で固有な特徴を持つことを理解するべきである。

災害リスク要因に事前に防災措置をとることは災害後の対応・復旧よりも費用対効果が高い。

災害後の復旧期において、「より良い復興(Building Back Better)」によって災害リスクを減らし、災害リスクの教育と周知を増やすことが重要である。

効果的な防災リスク管理のためには、先進国による公式な開発支援に関する各国の誓約の達成を含めた国際協力のさらなる強化が不可欠である

開発途上国、特に後発開発途上国、SIDS(小島嶼開発途上国)、内陸開発途上国そしてアフリカ諸国、さらに特定の災害リスク課題に直面している中間所得層の国およびその他の国は、先進国からの財政支援、技術移転および能力開発を含む、十分で持続可能でタイムリーな支援が必要である。

優先行動:仙台防災枠組は国家および地方、同様に国際・地域レベルにおける一連の重要な行動を述べた4つの「優先行動」を含む。

第1の優先行動は「災害の理解」である。この枠組は、ポリシーと災害リスク管理の実践は災害リスクの、脆弱性、能力、人と資産の暴露(exposure)、災害の特徴、そして環境という多面的な理解に基づくべきであると述べている。

国家および地方レベルにおいて、仙台防災枠組はとりわけ、信頼できる情報への即時アクセス;既存・新興・新規のリスク源を含む災害リスクの定期的な分析;そして公共教育と防災意識の向上に向けた国家戦略の促進の重要性を強調している。

国際的および地域レベルでは、仙台防災枠組は、国際協力を通じ、技術移転、非機密情報へのアクセスと共有・活用、必要に応じた情報通信、そして地理空間情報に基づいた技術と関連サービス等の促進と強化の重要性について述べている。

第2の優先行動は「災害リスク管理のための災害リスク・ガバナンス」であり、この枠組は予防、軽減、準備、対応、復旧、そして復興に向けた災害リスク統治の強化が重要であると強調している。

この枠組は国家と地方レベルでは、とりわけ、全てのセクター内外での防災の主流化と統合;複数の時間軸と目標、指標、そして時間枠にわたり、国家と地方の防災戦略と計画を採択し実行すること;国家的、地方的レベルで関係するステークホルダによって構成される政府との調整の場を開催、強化し、ポスト2015年防災枠組の実行に向けて国家的な焦点を合わせること;以上が重要であると述べている。

国際的および地域的なレベルでは、とりわけ、防災の実行と手段や方法の一貫性のために、国と地域の機構・組織を越えた共同活動を促進させることと、当該国間における自発的で自主的な相互評価を通じた相互学習と有効事例と情報の共有を促進することが重要であると述べている。

第3の優先行動は「レジリエンスに向けた防災への投資」であり、この枠組は建設および非建設(ハード・ソフト)対策を通じた災害リスク防止・軽減のための官民投資は、人々、コミュニティ、国家とそれらの資産および環境に対する、経済的、社会的、医療的そして文化的なレジリエンスの強化のために必要不可欠であると述べている。

国家および地方レベルではとりわけ、重要な施設、具体的には学校と病院および物的なインフラにおける災害リスクの予防と軽減対策の重要性と、防災を導入した環境と天然資源の管理のアプローチの必要性を述べている。

国際的および地域的なレベルでは災害リスクの転移の開発と強化と、関連ステークホルダと協力した機構と手段の共有の促進、そして、家庭とコミュニティにおけるレジリエンスを強化するための生活向上プログラムと連携、統合された防災手段として、社会的なセーフティ・ネット構築の促進と支援が重要であると述べている。

第4の優先行動は「効果的な応急対応に向けた準備の強化と『より良い復興(Build Back Better)』」であり、この枠組は災害前からの備えが必要となる復旧・復興・再建の段階は、防災の観点を開発基準に統合するといった取組みを通じてより良い復興を築くための最善の機会であり、国家とコミュニティにおける災害に対する強靱性を作り上げることができる、と述べている。

国家および地方レベルでは防災枠組は16の重要な行動を記している。これには、災害対策と緊急時対応ポリシー・計画・プログラムを用意、審査し、定期的に更新すること;人間中心で複合災害、セクター間にまたがる災害予報・早期警戒システムの開発;新規と既存の重要インフラにおける強靭性の導入等が含まれる。

国際的および地域的なレベルでは、8つの重要な行動を記している。これには、国家の対応能力を超過する事象に迅速で効果的な災害対応が可能になるよう、地方における組織的なアプローチおよび運営機構を構築し強化する;災害準備や対応における組織的な対応を支援するような基準やその他の指導手段といった手段の設立と散布をさらに促進する;効果的で、全国的に利用可能で、地域の複合災害に対する早期警戒機構へのさらなる開発と投資を促進し、各国にまたがった情報共有と交換の場を促進する、等が含まれる。

ステークホルダー(防災関係者)の役割:この枠組は、国家が防災の一義的責任を負うと記載されている反面で、その責任は各国政府と関連のあるステークホルダ間で共有されるものであるとしている。この枠組は各国に対して、市民社会、自発的およびコミュニティに根付いた組織、アカデミックな組織、産業界および財政界、慈善団体そしてマスコミといった組織による行動を推奨するよう要請している。仙台防災枠組はまたステークホルダに対し、UNISDRのウェブサイトを通じてそれぞれの防災支援活動における誓約を明確にして公表するよう推奨している。

国際協力とグローバル・パートナーシップ:この枠組は開発途上国に対し、災害リスクを減らすための活動強化を支援するための継続的な国際的支援を通じた、十分で持続可能でタイムリーな資源が必要であると認識している。とりわけ、災害の多い開発途上国に対する国際支援の差し迫った強化が呼びかけられており、小島嶼開発途上国行動モダリティ推進の道(SAMOA)の実行を通じた小島嶼開発途上国(SIDS)に対する一層の支援の必要性が強調されている。

この枠組では、実施手段として、開発途上国は、二国間および複数国間の経路において、技術的・財政的な支援の強化や、双方が合意した譲歩的で選択的な条件においての技術移転等を含む、防災に対する組織的で、継続的で、十分な国際支援の提供の強化が必要であると記載している。また防災の手段は貧困削減、持続可能な開発、天然資源管理、環境、都市開発、そして気候変動への適応といったそれぞれに見合った、全てのセクターにわたる開発支援プログラムとして組み込まれるべきであると記載されている。

国際的な組織からの支援について、この枠組は防災に関する戦略的な連携強化をすることを、国連組織、特にUNISDR、そして防災に関わる他の国際的・地域的な機関と組織に呼びかけている。開発途上国における防災を支援するため、「防災に関する国連信託基金」への増加した、タイムリーで、安定して、予測可能な貢献を含む複数の財源機構を通じ、また仙台防災枠組実行に関連した当該基金の役割強化を通じて、国連機関の全般にわたる能力の強化を求めている。特にUNISDRに対し、枠組の実行状況の進捗を測定するための指標開発を含む広範囲の措置を通じて枠組の実行、フォロー・アップ、そして見直しの支援を課している。

この枠組は、フォロー・アップ手段として、国連総会に対して、国連総会および先進国首脳会議への統合的・協調的なフォロー・アップ・プロセスの一環として、経済・社会委員会、ハイレベル・政治フォーラム、そして4年に1度の総合的な方針見直しと歩調を合わせる形で仙台防災枠組実行の世界的な進捗のレビューを組み込む可能性を検討することを依頼している。また、持続可能な開発の指標に関する専門家作業部会の作業と連携して、防災の進捗を測定する実践的な指標を開発するための、オープン・エンドな政府間作業部会の設立を推奨している。最終的に、この枠組では、この作業部会は、技術諮問グループによる2009年のUNISDRの防災に関する用語集の更新版における勧告を2016年12月まで検討し、その最終成果物を国連総会に協議と採択のために提出することを推奨している。

政治宣言:「仙台宣言」は仙台防災枠組2015-2030の実行において、将来に渡る防災の取組み強化におけるガイドとして使用する各政府首脳のコミットメントを表現しており、全てのステークホルダに対し、現在から将来の世代に渡って世界を災害のリスクからより安全なものにするための「不断の努力」を行うことを求めている。この宣言は会議開催国である日本政府に対する感謝の意が込められている。

震災関係者の自発的なコミットメントに関する決議:この決議(A/CONF.224/L.3)は災害リスクの削減に向けた震災関係者の自発的なコミットメントを歓迎している。この決議は今後これらのさらなるコミットメントと、仙台防災枠組2015-2030の実行に向けたパートナーシップ構築を勧めるものである。

防災世界会議に関する簡潔な分析

新しい仙台、新しい枠組

2011年に、東日本大震災が発生し、マグニチュード9.0(リヒター・スケール)の地震と、それによって引き起こされた強大な津波が仙台を含む東北地域に大損害をもたらし、数万人が命を奪われ、震源地から半径数百メートルにわたってインフラが破壊され、福島第一原発の3つの原子炉におけるメルトダウンを引き起こし、被災地から数十万の住民が避難する状況をもたらした。4年後、再建・再興され、ほとんど元通り回復した仙台の都市は、3回目の国連防災世界会議の開催地を引き受け、悲劇に直面した都市のレジリエンスを示した。

会議の冒頭で、各国の代表は、仙台と日本における震災への対応全般を賞賛した。開会式において、日本の安倍晋三首相は過去10年間の災害リスク管理の教訓からもたらされた国際的に認知された概念であり、本会議における非公式のスローガンとなった「より良い復興(Build Back Better)」に言及し、2011年の震災における仙台の取組みを評した。概して、防災世界会議は兵庫行動枠組2005-2015(HFA)の実行における経験と教訓を実務者達が共有するための場となった。また、ポスト2015年防災枠組の議論と採択の機会となった。この主要な目的は達成されたが、それは容易な道のりではなかった。長い交渉の末、各国の代表は、仙台防災枠組2015-2030と、枠組の実行を各政府首脳に呼びかける仙台宣言を採択した。

枠組の完成にむけた数多くの深夜に及ぶ議論を受け、交渉の行き詰まりに対して驚きを表明する一部の代表があったが、他の代表はただ「予想されていたことである」と受け止めた。この受け止め方の二極化が防災アジェンダにおける過剰な政治問題化に暗雲をもたらした。本分析は議論の交渉を確認し、新枠組採択において各国の代表が直面した障壁に言及し、兵庫行動枠組と比較して新しい枠組が防災の実行者にどういう意味をもたらすのか分析し、そして広義のポスト2015年持続可能な開発アジェンダにおける防災の考え方を位置づけるものである。

2つの会議の物語

ある経験豊富な会議立会人の表現によると、本会議においては「実務者による会議」と「交渉者による会議」という2つが平行開催されていた。UNISDRとパートナーは過去10年間における防災の実行における経験と成功事例の共有を行い、そしてポスト2015年防災枠組にむけた教訓を活用するための会議を企画した。この目的の達成のため、会議会場の大半は閣僚級ラウンドテーブル、ハイレベルなパートナーシップの対話型議論、そして各種ワーキングセッションが占めていた。このうちいくつかの会合は公平なジェンダー、障がいを持つ人々、子どもと若者に対して取り組むもので、防災における大きな一体感に向けた成果が実際に進行中であることから、会議に希望の光がもたらされた。

その一方で、主要委員会においては、ポスト2015年防災枠組のスコープと表現を巡った激烈な交渉が行われた。交渉の激しさと政治問題化した交渉は、防災分野における経験豊かな代表の一部にとっても驚きであり、多くの代表は、防災会議というよりもまるで気候変動締約国会議のようだと表現した。多くの実務会議の参加者は、議場における交渉を「表記を巡った議論」という表現を用い、防災は紙に書かれた言葉ではないと非難した。まさにサイクロン・パムがバヌアツ、ツバルおよびソロモン諸島に大きな被害をもたらしたときであり、意義ある実行誓約は必須であったと警告した。

他方では、ポスト2015年防災枠組の草案の合意がなされなかったジュネーヴにおける2つの閣僚級準備会合に参加し、仙台に来訪した各国の交渉担当者は、開発資金調達(FfD)、ポスト2015年開発アジェンダ(SDGsを含む)、そして気候変動に関する3つの関連した会議が今後控えていることを引き合いに出し、この2015年は国連にとって非常に「重要な年」であるとして、激烈な交渉に驚きを示さなかった。

この状況をふまえ、仙台における交渉は、単独のものとしては完全には理解されない。このことは、意見が分かれた問題のほとんど、すなわち資金調達・技術移転・紛争および占領地域に関する表現・移住・CBDR(共通だが差異ある責任)・目標・監視機構といった問題が、同一ではないにせよ、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)およびポスト2015年開発アジェンダのプロセスにおいて検討中のものであったことからも説明がつく。

CBDR(共通だが差異ある責任)に関しては、妥協案は最も困難な課題の1つとなった。多くの先進国は、気候変動のみが防災行動の強化を必要とさせる要因ではないとの点から、CBDRは防災の文脈で想起させるべきではないとした。その一方で一部の開発途上国は、気候に関連した災害の増加を強調し、CBDRの採用に固執した。最終的に、リオ宣言への間接的な参照を除き、仙台防災枠組におけるCBDRの記載を削除することで先進諸国の意見が通った。

資金調達については、一部の先進国代表は国連ポスト2015年持続可能な開発アジェンダにおける全ての重要な要求を満たす「十分な資金が用意されていない」と打ち明け、今やおなじみの言い回しである「国家および民間を含むあらゆる財源」を要請する段階にきているとした。対照的に発展途上国は、防災における「追加の」「予測可能な」財源という表現を主張し、これらはODA(政府開発援助)に加えた国際協力から拠出されるべきであると表明した。こういった議論があったものの、日本は公開会議において、自国が災害時に先進国と途上国の両方から支援を受けたという実体験を指摘し、災害は全ての国に影響を与えるものであり、資金の流れは必ずしも北半球から南半球へ向けた流れに限定されるものではないと、解説した。しかし、この手詰まりの状況は非公式の議論を通じて打破されることは無く、各国の代表は最終的に議長国案によって提示された「十分で持続可能でタイムリーな」資源という表現に合意した。

技術移転に関する大半の議論の中心は、技術移転を行う方法とタイミングであった。多くの先進国は技術の移転は個人所有の知的財産所有権でコントロールされているため、あらゆる技術移転は相互合意条件(MAT)に基づき行われるべきであると主張した。この意見は、「制限事項のない」技術移転は途上国のパートナーである先進国の道義的責任である、という観点を表明する開発途上国からの反論を受けた。主要委員会の非公式な会合における長い議論において対立は明確であった。すなわち先進国は「相互同意条件」が併記されない限り技術移転の記載に消極的であり、開発途上国は大原則ではなく、本文中の限定された特定の例としてのMATに関する記載を認めるという立場であった。夜間まで継続した18時間を超える休みの無い小グループにおける議論の末、水曜の朝に、ある2つの先進国が小グループの提案した表現は議論を引き起こす語句を含めていないため、合意できないと主張し、それをうけた多くの開発途上国が「極めて不快である」と表明し、仙台防災枠組における議論の緊張感は高まった。最終的に、MATに関する記載は、指導指針ではなく、開発途上国に対する技術の提供に言及した枠組のいくつかの箇所で言及されることとなった。最終会合において、米国の代表は、仙台防災枠組の採択に合意する前に、本枠組における技術または財源の扱いは2015年のこの先に予定される会議における先例を作るものではないとする声明を出す必要があると感じさせるとして、この問題に大いに懸案を表明した。

リスクの潜在要因としての「紛争および他国占領下の」という表現の採用を巡った議論は、当然のように二分化され、多くの先進国は「紛争」への言及を支持し、多くの開発途上国は「他国占領下の」という表現を支持した。2名の共同議長は妥協案として双方の削除を提案した。多くの代表はまた、「あまりに政治的である」という考えから両方の問題を記載することを躊躇し、一部の代表はこれらの問題はUNISDRの扱う範囲を超えていると発言した。多くが想像した通り、これらの表現は仙台防災枠組からは削除されたが、一部の代表は「紛争」という表現の削除は仙台防災枠組の目標達成をより困難にするものであると警告し、またある代表は「他国占領下の」という表現の削除により脆弱な状況にある集団の保護を欠くことになると強調した。

仙台:兵庫を基礎として

いくつかの未解決な問題に関する明確な意見相違があったものの、主要委員会は、障がいを持つ人々、そして移住者といった脆弱なコミュニティを受け身で脆弱な集団とするのではなく、防災における役割をもった能動的な参加者として扱うことで、これまで以上に包括的な枠組を作り出し、注目すべき成功を収めた。

仙台防災枠組は、数多くの主要な問題に対する野心的取り組みの点で、兵庫行動枠組を大いに超えたものである。とりわけ(1)女性活用の重要性を強調し、ただの災害被害者として扱うのではなく、防災戦略の立案における参加主体、リーダーとして認識している点、(2)災害後における医療サービスへのアクセス確保の必要性を強調し、より包括的な方法としてのレジリエンスに関連した健康関連リスクについて取り扱っている点、そして(3)地方レベルでの活動によりはっきりと焦点をあてている点である。

仙台防災枠組はまた、レジリエンスの構築に主眼をおき、事後の災害管理よりも、防災・長期開発計画・リスクの根本原因対策との間の連携に強く焦点を合わせるという、防災に関する近年の傾向を再認識している。リスクの根本原因への対策の進展不足は、本会議で発表された最新の2015年版国連防災白書でも言及されている通り、兵庫行動枠組の実行において1つの重要な弱点であると認識されている。仙台防災枠組は世界規模におけるレジリエンスの概念の位置付け向上と、リスクの根本原因に対応する必要性について貢献した。しかし、この枠組とUNISDRは、強い目標、権限委託、実行手順、そして財源なしに、そういったリスクに効果的に対処する準備ができているのかと疑問に思うものもいた。

明確な目標を欠いた兵庫行動枠組とは対照的に、仙台防災枠組では今後15年間に渡って、防災と災害リスク管理の指針となる7つの(強制力のない努力値ではあるものの、)重要な世界的目標が合意された。2020-2030年の間に起こる世界的な災害被害者の率と数を減少させること;レジリエンス構築を通じて2030年までに重要インフラの損害および医療、教育機関を含む基本サービスの途絶を減少させること;国家的・地方的な防災戦略を採択する国の数を増加させること;そして開発途上国に対する国際的な協力を強化すること、等である。これらの目標は激しい交渉の中心議題であり、多くの国の代表は明確なパーセンテージを伴う量的な目標を要求したが、主に先進国からなる他国の代表は定性的で一般的な表現による目標を主張した。譲歩により合意された枠組本文には、詳細レベルの記載が不足していると、一部の実行者やNGOは失望の意を表明したが、それでもなおこれらの目標は兵庫行動枠組からの前進を示すものであり、国連総会での承認をもって、防災世界会議において提案されたオープン・エンドな政府間作業部会によって策定される予定の測定指標のもとで、目標達成が支援されるものである。この枠組は、見直しプロセスについて合意がなされた点でも進展を見せたが、見直しの責任を国連のどの主体が負うかについて決定できなかったことは、一部の代表者の観点からみると、弱点であると見なされた。

実務者から認識されているそれ以外の弱点は、防災の実行におけるより強固な財源制度に合意できなかったことと、技術移転について具体的な取組みが出来なかったことである。多くの開発途上国とNGOは、枠組の期間が15年間であり、コミュニティ内にレジリエンスを構築する際に財源と技術面の保障が無いことで「最も被害を被るのは脆弱な国家における地方レベルの活動家である」と失望を表明した。この2つの課題は開発における資金提供、ポスト2015年開発アジェンダと気候変動の交渉においても火種だったため、ここでも火種となることは不思議ではない。

持続可能な開発は仙台で始まる:ポスト2015年アジェンダにおける防災

7月の開発における資金提供、9月のポスト2015年開発アジェンダ首脳会議、そして12月の気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC COP21)に先立つ、本年における最初の「大規模な」会議として、潘基文国連事務総長を含む要人による早期からの呼びかけは、「全世界の人々を持続可能な道へと導く行程の出発点にあてる」ための必要性を、仙台における野心的な成果に反映させるものであった。一部の交渉者は初めのうち、仙台における財政、技術移転、CBDRに関する合意は、後に続く会議にとって良い前兆となるだろうとの期待を寄せていた。

しかしながら、各国の代表が持続可能な開発アジェンダとの前向きな連携を成立させる機会に向けて焦点を合わせようとしたものの、気候変動とポスト2015年枠組における政治的な複雑性により、仙台における合意形成は予測されていた以上に難航した。一部の「徹底した防災実行者」はこの極度に政治家された状況に不意を突かれたと述べた。恐らく兵庫枠組における交渉はもう少し円滑だったのであろう。兵庫行動枠組が採択された2005年の1月は、世界は2004年12月に発生した、歴史上最悪の被害をもたらした津波災害であるスマトラ沖大地震の衝撃が尾を引いていたのである。15カ国にわたりおよそ300,000人が犠牲となり、何百万人という避難民が発生し、5つ以上の国においてインフラが破壊された。多くの代表が、この災害は将来における大規模災害の被害を軽減させるために一体となるという国際的な政治意思を生み出し、兵庫行動枠組における比較的容易な採択を可能にしたと述べた。

しかし、他のプロセスからの経験豊富な交渉者はこれらの課題に関する議論を通じた「大きな成果」は期待していなかったとし、2015年12月の気候変動に関する会議後に行われていたならば仙台は「より強力な成果を生み出し得た」とまで示唆した。実際、主要委員会の最終セッションにおいて、米国は仙台防災枠組における資金提供、技術移転およびその他の条項は、「今後行われる交渉のプロセスの前例」とすべきでないとし、また「UNFCCCの議論で生み出されることになる成果に早まった判断をすべきでない」と強調した。

主要委員会におけるいくつかの非公式な会合のなかで、国際的、国家的そして地方レベルでの開発計画を通じた災害リスク対策の緊急性と、世界的な持続可能な開発プロセスに対するUNISDRの取組みの間の食い違いが沸き起こった。防災と災害リスク管理の地位向上は誰もが抱いていることであり、UNISDRはポスト2015年開発アジェンダの交渉プロセスにおいてこれまで積極的でなかった、とするある程度の不満があった。9月に国連ポスト2015サミットが予定されていることをうけ、急速に都市化しているある中所得国の代表は、持続可能な開発目標において、すでにレジリエンスに関する多くの言及がなされているにもかかわらず、この状況は防災コミュニティにとってポスト2015年開発アジェンダに向けた強固な足掛かりを得るうえでの「好機を逃してしまった」かもしれないと打ち明けた。そうは言ったものの、一部の国の代表はUNISDRに対し戦略を実行計画に格上げすべきであると要請し、それにより、地域オフィスの設立を増やすことで現場から視認性を高められるとの認識を述べた。ある人物は、この提案は、国連の機構において考慮されている可能性を述べたが、同時にUNDPといった、既に国家的・地方的な活動を直接実行している他組織によって実行されうる可能性に言及した。

希望の春

各国の代表は、防災実行に向けた新しい枠組とそれ以上のものとともに、雨模様の仙台を木曜の早朝に後にした。彼らはまた、防災は単独の概念ではなく、国際的・国内・地方の開発努力の一部として実行される必要があり、特に今や、世界的に長期的な貧困削減と持続可能な開発を弱体化させうる潜在的な気候変動の危険性をはらんだ世界と密接に関わっているという理解を示した。

各国の代表は広範囲に渡る、民間部門、地方自治体、国会議員、市民社会、アカデミックな組織等を含む関係者の役割を認識した。実際、防災の実行におけるパートナーとして、それら関係者の重要性は仙台防災枠組における重要なメッセージとして反映されている。防災、災害リスク管理、レジリエンス構築に向けた行動のため、関係者から110を超える自発的なコミットメントが出され、主要委員会において採択された決議に盛り込まれ、多くの関係者は今後数年でさらなる多種多様な関与が増えることを予測した。財務、知識、経験、情報伝達、そして政治的意思等を含むこれらのセクターの貢献は、すべてに向けたレジリエンス構築において、真の意味での全体的なアプローチとして、枠組文書と同じくらい仙台会議において大きな位置付けを占める。

しかしながら、防災に関する新しい政治的な重みがより強力な組織の設立と十分な資金源の提供に反映されるかということは、時間が経てば分かる。これらの点から、会議における進捗の早さは、多くの会議参加者を開催地に送り届けた新幹線のスピードには及ばないものの、2015年に開催される開発資金、持続可能な開発、気候変動に関する国連の会議が今後何年間にもわたる国際的な組織的・財政的な機構の面における防災の認知度向上に役立つとの希望がある。

今後予定されている会合

ポスト2015年開発アジェンダ政府間交渉: 国連サミットに向けた、ポスト2015年開発アジェンダに関する政府間の交渉は3/23-27(持続可能な開発目標とターゲット)、4/20-24(実施手段と持続可能な開発のためのグローバル・パートナーシップ)、5/18-22(フォロー・アップとレビュー)、7/20-24、そして7/27-31(成果文書に係る政府間交渉)に開催される。場所: 米国、ニューヨーク、国連本部  連絡先: 国連持続可能な開発部  電話: +1-212-963-8102  fax: +1-212-963-4260  email: dsd@un.org ウェブサイト: https://sustainabledevelopment.un.org/post2015

ICLEI(持続可能性をめざす自治体協議会)世界会議: 2015年のICLEI世界会議は、国際的な議論に貢献し、各地方自治体の世界気候変動アジェンダを主要テーマにした提案を提示させる。この会合は地方自治体が持続可能な目標達成における主要な行動者であることを再認識するものである。日付:82015/4/8-12  場所: 韓国ソウル市 連絡先: ICLEI 世界事務局 電話: +49-228-97-62-99-93 email: world.congress@iclei.org ウェブサイト: http://worldcongress2015.iclei.org/

アフリカ環境・インフラサミット (ACRIS): ACRISは、気候変動の影響を受けやすく、それらの変動に対処しうるレジリエントなインフラを必要とするアフリカ大陸全土に渡り、情報通信技術、エネルギー、水、農業、食糧の安全性そして輸送インフラ産業における課題に取り組むための触媒的な行動を起こすための会合となる。日付: 2015/4/27-29  場所: エチオピア、アディスアベバ 連絡先: アフリカ連合委員会  電話: +251-115 18 24 06  email: ma@grvevents.com ウェブサイト: http://ie.au.int/en/content/africa-climate-resilient-infrastructure-summit-acris-addis-ababa-ethiopia

オセアニア21、持続可能な開発に関する第3回年次太平洋サミット: 2012年に設立された「オセアニア21」の継続プロセスの一部として、ニューカレドニア政府が22カ国の政府首脳および代表者を招き、持続可能な開発に関する3回目の年次太平洋サミットを開催する。日付: 28-30 April 2015  場所: ニューカレドニア、ヌメア 連絡先: ニューカレドニア政府Soumynie Kartadiwirja氏 email: soumynie.kartadiwirja@gouv.nc ウェブサイト: http://gouv.nc

ヨーロッパ市民保護フォーラム2015: ヨーロッパ市民保護フォーラムは、ヨーロッパの市民保護協力において最大の、継続開催されている公共イベントである。欧州委員会人道支援・市民保護局が隔年で開催している。このイベントはヨーロッパの市民保護コミュニティを団結させ、防災リスク管理分野における共通の達成を確認し、成功事例とアイデアを共有し、ともに新たな課題に立ち向かう方法を議論するものである。 日付: 2015/5/6-7 場所: ベルギー、ブリュッセル 連絡先: 欧州委員会人道援助市民保護局(ECHO)  email: ECHO-CIVIL-PROTECTION-FORUM@ec.europa.eu ウェブサイト: http://ec.europa.eu/echo/partnerships/civil-protection-partners/civil-protection-forum-2015_en

2回欧州気候変動適応会議:2015年の欧州気候変動適応会議(ECCA)は多くのヨーロッパの研究プロジェクトと「科学、ポリシー、実践、商業の側面からの統合された気候適応行動」のテーマに基づく各種ステークホルダによって開催され、リスク評価、インフラの耐気候性、スマートシティといった主題で議論をする。 日付: 2015/5/12-14  場所: デンマーク、コペンハーゲン 連絡先: 国会事務室 Søren Simonsen氏 電話: +45-4492-4492  email: sls@discongress.com ウェブサイト: http://www.ecca2015.eu/        

17回世界気象機関(WMO)会議: 第17回のWMOの世界気象会議は、2016-2019の戦略計画、ポスト2015年開発アジェンダ、航空気象学、防災そしてジェンダー主流化についての議論を行う。 日付: June 2015/5/12-6/12  場所: スイス、ジュネーヴ  連絡先: WMO事務局  電話: +41-22-7308111  fax: +41-22-7308181  email: wmo@wmo.int ウェブサイト:  http://cg-17.wmo.int/

国連/ドイツ地球観測に関する国際会議 –リスク下にある地域社会における持続可能な開発の課題に対する地球的な解決策: この会議は国連宇宙局(UNOOSA)により開催され、地球観測の専門家と意思決定者に存在するギャップを、既存のソリューションの実演と、将来における共同の課題解決の可能性を明確化することで埋めることを目的としている。この会議は防災にむけた宇宙ベースの情報活用を制度化しようと試みる国々が協力する土台を提供するものである。 日付: 2015/5/26-28  場所: ドイツ、ボン 連絡先: UNOOSA、Antje Hecheltjen氏 電話: +49-228-815-0677  fax: +49-228-815-0699  email: antje.hecheltjen@unoosa.org ウェブサイト: http://www.un-spider.org/post2015

環境緊急事態フォーラム:気候変動における環境緊急事態:脆弱性の削減とリスクの管理:環境緊急事態フォーラム (EEF) は環境緊急事態に対する改善、予防、準備、対応のための経験と工夫を紹介する場であり、環境に関する懸案事項を人道的な行動に統合することを支持するものである。ノルウェーの外務省およびノルウェー市民保護局が2015年のフォーラムを開催する。日付: 2015/6/1-3  場所: ノルウェー、オスロ 連絡先: UNEP/OCHA  共同環境ユニット email: ochaunep@un.org ウェブサイト: https://2015eef.eventbrite.com

42UNFCCC補助会議: 第42回UNFCCCの補助会議であり ADP(ADP2-9)の第2回会議の9度目の会合は2015年6月に開催される。 日付: 2015/6/1-11  場所: ドイツ、ボン  連絡先: UNFCCC事務局  電話: +49-228-815-1000  fax: +49-228-815-1999  email: secretariat@unfccc.int ウェブサイト: http://www.unfccc.int

3回持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラム(HLPF: 第3回のHLPFは「2015年以降のHLPFに関する統合強化、実行とレビュー」に焦点を合わせる。HLPFはECOSOC主導で毎年開催され、4年に1度、UN総会の主導のもと政府首脳レベルで開催される。日付:  2015/6/26-7/8  場所: ニューヨーク国連本部 連絡先: 国連持続可能な開発部  fax: +1-212-963-4260  email: dsd@un.org  ウェブサイト: http://sustainabledevelopment.un.org/index.php?menu=1838

気候変動に関するハイレベル会合: 国連総会議長がUNFCCCのもとで2015年における世界的な合意形成にむけ、方向付けを行い、推進力を与えるため、このハイレベル会合を開催する。日付: 2015/6/29  場所: ニューヨーク国連本部  連絡先: 国連総会議長室  ウェブサイト: http://www.un.org/pga/290615_hle-climate-change/

気候変動のもとにおける我々の共通の未来: 国際連合教育科学文化機関(UNESCO)、 国際科学会議(ICSU) そしてフューチャー・アースが、フランスの組織の協力をうけて、共同開催する。この科学に焦点を合わせた会合は、気候変動に関する最新の研究を確認する。ここでは、気候変動における知識の現状、気候変動課題に対する対応、そして共同行動と変革するソリューションが取り上げられる。日付: 2015/7/7-10  場所: フランス、パリ  連絡先: 会議事務局  email: science@commonfuture-paris2015.org  ウェブサイト: http://www.commonfuture-paris2015.org/

3回開発資金国際会議: 第3回開発資金国際会議は、政府首脳、財務担当、外交担当および開発協力の担当大臣、そして各種の特別代表が参加する。会議成果は、政府間交渉と合意に基づく成果物と、本会議の概要および各種会議の検討結果を予定している。日付:  2015/7/13-16  場所: エチオピア、アディスアベバ  連絡先: 国連開発資金調達室 電話: +1-212-963-4598  email: ffdoffice@un.org ウェブサイト: http://www.un.org/esa/ffd/ 

アジア太平洋レジリエンス・イノベーション・サミット&エキスポ: アジア太平洋レジリエンス・イノベーション・サミット&エキスポ(APRISE2015)は、エネルギー、農業、水、安全という世界のレジリエンスの中心柱におけるビジネス、技術、そして政策のリーダーシップを集結する。この複合イベントは気候変動の衝撃に直面している先進的なコミュニティのために新たな解決策を協力しあって探し出すものである。日付: August 2015/8/24-26  場所: ハワイ、ホノルル 連絡先: 運営バイスプレジデント Sarah Wenning氏 電話: +1-512-697-8849  email: wenning@techconnect.org ウェブサイト: http://resiliencesummit.com/about/

ADP 3: 3回目のダーバン・プラットフォーム特別作業部会は8月後半に開催を予定している。  日付: 2015/8/31-9/4  場所:ドイツ、ボン 連絡先: UNFCCC事務局  電話: +49-228-815-1000  fax: +49-228- 815-1999  email: secretariat@unfccc.int ウェブサイト: http://www.unfccc.int

持続可能な開発に関する特別サミット/ポスト2015年開発アジェンダ採択のための国連サミット: 国連総会期間中に開催される本サミットでは、宣言、一連の持続可能な開発目標・ターゲット・指標;それらの実行手段および新たな開発に向けたグローバル・パートナーシップ、そして実行のフォロー・アップとレビューの枠組、を含むポスト2015年開発アジェンダの採択が期待されている。 日付: 2015/9/25-27  場所: ニューヨーク国連本部  連絡先: 国連持続可能な開発部  fax: +1-212-963-4260  email: dsd@un.org ウェブサイト: https://sustainabledevelopment.un.org/post2015/summit

IPCC-42: IPCC(気候変動に関する政府間パネル)-42 は新議長と事務局の選出を予定している。 日付: 2015/10/5-8  場所: クロアチア、ドゥブロヴニク 連絡先: IPCC事務局  電話: +41-22-730-8208/54/84  fax: +41-22-730-8025/13  email: IPCC-Sec@wmo.int ウェブサイト: http://www.ipcc.ch

アイ・オン・アースサミット2015: この2015年のサミットは「持続可能な開発に向けたインフォームドな意思決定」を主題に開催され、環境、社会、そして経済的なデータへのさらなるアクセスと共有を可能にしようと努めるものである。第1回目のサミットは2011年に開催され、環境データと情報に関する閣僚レベルのアイ・オン・アース宣言を生み出した。日付: 2015/10/6-8  場所: アラブ首長国連邦、アブダビ  連絡先: アブダビ環境局 Larissa Owen氏 電話: +971-2-693-4436  ウェブサイト: http://www.eoesummit.org/summit-2015/

ADP 4: 4回目のダーバン・プラットフォーム特別作業部会は2015年10月に開催を予定している。 日付: 2015/10/19-10/23  場所: ドイツ、ボン  連絡先: UNFCCC 事務局  電話: +49-228-815-1000  fax: +49-228-815-1999  email: secretariat@unfccc.in ウェブサイト: http://www.unfccc.int

UNFCCC COP 2121回目の国連気候変動枠組に対する締約国の会議と、関連した会合はパリで開催される。日付: 2015/11/30-12/11  場所: フランス、パリ  連絡先: UNFCCC事務局  電話: +49-228-815-1000  fax: +49-228-815-1999  email: secretariat@unfccc.int ウェブサイト: http://www.unfccc.int

その他の会議については http://post2015.iisd.org/ and http://climate-l.iisd.org/  に掲載する。

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