Report of main proceedings for 10 June 2015

ボン気候変動会議は、6月10日水曜日も続けられた。次の問題に関するADP進捗グループ会議が開催された:午前中は、ワークストリーム2(プレ2020年野心)、全般/目的、実施及び遵守;午後は緩和及び資金;夕方は手順条項及び制度条項、ワークストリーム2。

SBI及びSBSTAでは、一日を通し、コンタクトグループ及び非公式協議が開催された。

ADP

進捗グループ:全般/目的:共同進行役のDiann Black-Layneは、この会合の進行役を務め、各セクションの題目及びパラグラフを示した共同進行役の表「セクション・マッピング」に関するコメントを求めた。

米国は、オーストラリアと共に、一部の締約国はこのセクションの必要性を認めていないと記載することを提案した。

多数の締約国は、このセクションは簡潔なものであるべきだと述べた。ブラジルは、このセクションでは法的な義務を規定し、詳細については別なセクションで明確にすべきだと付言した。ツバルは、全般目的のセクションと他のセクションでの目的の規定を主唱した。

多数の締約国は、ジュネーブ文書の中に他のセクションとのリンクを示すコラムを入れ、小パラグラフ参照事項も含めるよう要請した。

多数の締約国は、強化された適応行動及びMOIを含める、バランスのとれた手法を求め、ツバルは、GHG濃度及び気温安定化に関する短期及び長期の目標を規定するよう求めた。

EUは、このには、低GHG経済への正しい転換が含まれていないと指摘し、インドと共に、性の平等が含まれていないと指摘した。中国は、「差異化された約束/貢献(differentiated commitments/contributions)」という表現の使用を提案した。米国は、「約束/貢献/行動(commitments/contributions/action)」と言う表現の保持を希望した。

一般原則に関し、スーダンは、CBDR、先進国によるリーダーシップ、特別な事情を強調した。マレーシアとインドは、衡平性及び歴史責任の考えにおけるMOIを強調した。ボリビアは、非国家行動者に責任を転嫁する暗示に警告し、地球規模のカーボンバジェット及び母なる大地への言及を求めた。

共同進行役は、締約国のインプットを確保し、議論についてADP共同議長に情報を伝える。

実施及び遵守:共同進行役のSarah Baashanは、6月4日のスリム化統合化文書に基づき、各セクションを開梱(unpack)するための締約国の提案をまとめた表を提示した。

多数の締約国は、共同進行役の努力に感謝し、EU及び米国は、共同進行役が提案を一つのコラムにまとめることを提案した。ニュージーランドは、この表は文書の議論を進められる余地のありかを示す共通事項を表わしていると指摘した。

EU、AILACの立場で発言したコロンビア、及びノルウェーは、スリム化統合化文書の6月8日版を用いて、議論を進めることを提案した。ベネズエラは、法的形式を最初に議論するよう求めた。

締約国は、2015年合意に含めるべき要素に対する決定書に含めるべき要素について 議論し、運用開始及び差異化についても議論した。

多数の国は、基本合意の要素として遵守アレンジ/委員会/組織の設置を指摘し、このセクションは短いものでありうると付言した。

米国、EU、ニュージーランド、カナダ、AILACは、全てのものに適用される促進遵守メカニズムを支持した。ノルウェーは、法的義務と法的拘束力のない要素を対象とする2つのブランチ(部)を持つメカニズムを提案した。

アフリカングループの立場で発言したスーダン、及び中国、マレーシア、インドは、このセクションでの差異化を支持し、中国は、先進国には遵守アレンジ、途上国には実施促進を求めた。

締約国は、共同進行役が統合表を作成することで合意した。

ワークストリーム2共同進行役のAya Yoshidaは、この会合の開会を宣言し、6月9日火曜日の夕方に配布された共同進行役のインプット文書に関する締約国の意見を求めた。

マリはG-77/中国の立場で発言し、文書の再構成を求め、セクションを次の順序にするよう求めた:序文;実施推進プロセス;TEP;レビュー。

G-77/中国、AILACの立場で発言したコロンビア、及びLDCsの立場で発言したバングラデシュは、先住民の知識や慣習、経済多角化の共同便益、対応措置など記載されていない要素を指摘した。中国は、南アフリカと共に、ワークストリーム2の下での行動はポスト2020年合意の基礎となるものだと述べた。

米国、EU、オーストラリアは、ワークストリーム2に関するG-77/中国及びEIGの最近の提出文書に留意し、これらを十分に議論するだけの時間を求めた。多数の途上国は、作業を進める基礎としてインプット文書の使用を支持し、夕方の会合の前に締約国のインプットに基づく改定を行うよう求めた。

EUは、米国、ニュージーランド、ノルウェー、オーストラリア、カナダと共に、インプット文書を更なる議論の基礎として用いることに反対し、その要素の多くはワークストリーム2のマンデートの枠外であると述べた。多数の途上国締約国は、プレ2020年の気候変動野心を強化する要素は全てマンデートの枠内に入ると強調した。

夕方の進捗グループ会合でも議論が続けられた。

緩和:共同進行役のFranz Perrezは、このセクションを明確化するための最新の「テクニカルツール(technical tool)」についてコメントを求めた。

締約国数カ国は、このツールを前進の一歩であるとして歓迎し、文書の他のセクションとのリンクを指摘した。多数の参加者は、一部の問題は複数以上の題目の下に入りうると指摘した。大多数の締約国は、差異化に関するオプションを明確化するというブラジルの提案を支持した。

インドは、共同進行役の提案をADP共同議長に送る前に、再度繰り返すことを求めた。Perrez共同進行役は、締約国のコメントは共同議長に報告されると説明した。

同共同進行役は、その後、参加者に対し、決定書及び合意にそれぞれ入れられる文書の要素を特定するよう求めた。

中国、アラブグループの立場で発言したサウジアラビア、南アフリカ、AILACの立場で発言したチリなどの締約国数カ国は、要素の置き場所を議論するのは時期尚早であると指摘した。中国は、要素の置き場所問題の議論に用いられる多様な基準に対し、懸念を表明した。AILACは、合意には特に次を含めるべきだと強調した:原則、長期の気温目標、約束。

多数の締約国は、進化する要素を記載するパラグラフはCOP決定書に入れるべきことで合意した。ツバルは、合意の発効前に議論すべきCOP決定書と発効後で良い決定書とを区別する必要があると指摘した。

スイスは、合意の運用開始には決定書が必要であり、合意の発効前に取り組むべき問題に対応する決定書が必要であると述べた。オーストラリアも、暫定的なアレンジ及びそれを決定書にどう組み込むかを議論するよう提案した。

ノルウェーとブラジルは、市場は合意に基礎をおくこととし、市場の詳細は決定書に示すことを提案した。多数の参加者は、合意を運用開始するための決定書採択の作業計画を立ち上げるよう提案した。EUは、緩和約束は合意の中に記載すべきだと強調した。

米国は、カーボン・ニュートラリティー、低排出開発戦略、長期気温目標は決定書で扱うべきだと述べた。セントルシアはAILACの支持を受けて、これに反対し、長期今目標は合意の中に記載すべきと強調した。

ニュージーランドは、締約国が永続可能な合意を望むかどうかはともかく、永続する要素は合意に記載する必要があると強調した。同代表は、全ての締約国は信頼構築のため自国の約束の実現に関する報告には透明性が必要と理解していることを強調した。

Perrez共同進行役は、アウトプット文書として共同進行役の提案書が発効されるとし、締約国からのインプットは全てADP共同議長に伝えられると説明した。

時間枠:共同進行役のGeorge Wamukoyaは、共同進行役の技術提案を提示した、これはこのセクションの議論ツールを求める締約国の声に応じて開発された。同共同進行役は、締約国はこのセクションの題目や小表題の概念に関し「極めて有用な(very useful)」意見交換を行い、これが技術提案の基礎となったと強調した。

同共同進行役は、統合文書に記載される2つのオプションのパラグラフを紹介し、締約国は、これを次回のADP会合の前にスリム化文書を作成するためのインプットとして、ADP共同議長に送ることで合意した。

資金:共同進行役のGeorg Børstingは、6月9日火曜日の議論に基づき改定されたスリム化文書を提出した。同共同進行役は、これをADP共同議長に送ることを提案し、締約国もそれに同意した。締約国は、その後、ボリビアがG-77/中国の立場で提案したとおり、共同議長への追加のインプットを提供するための概念の議論に参加した。

G-77/中国、LMDCsの立場で発言したエクアドル、及び他の諸国は、資金は野心を可能にするものであると説明し、G-77/中国は、条約 4.7条(途上国の約束の実施)はCBDRを論じるカギになると述べた。ブラジルは、合意は現在の義務を強化すべきであり、同時に「だれもが行動をとることを示す想像力のある方法(creative ways to indicate that there will be actions from everyone)」を見つけるべきだと述べた。

ニュージーランドは、効果的な成果の実現を確実にする合意を求めた。EUは、資金文書は条約に則り作成されると同時に、「世界の現状を把握する(capturing the world as it is)」 べきと述べた。

資金の規模及び資金源に関し、G-77/中国は、途上国が合意にいかに貢献できるかを見極めるには資金規模を明確にする必要があると述べた。ベリーズはAOSISの立場で発言し、気温上昇を1.5°C以下で抑える気候資金目標を求めた。多数の途上国は、適切かつ予見可能な支援を求めた。

EUは、低炭素で気候回復力のある開発に「何兆(ドル)も投入(shift the trillions)」する必要があるというシグナルの民間部門への発信を強調した。ナウル は、全ての締約国に国内行動への資源を供与するという基本約束を提案した。カナダは、世界的な資金の流れを最大限にする必要があると強調し、規模及び資金源に関する議論の前に、貢献及び行動に関する議論をすべきだと指摘した。

インド、及びアラブグループの立場で発言したサウジアラビアは、主な資金源としての公共資金を強調した。メキシコは、全ての資金源が必要であると指摘した。スイスはEIGの立場で発言し、状況が異なれば異なる制度や資金源が必要になると指摘した。

LDCsの立場で発言したマラウィ、及びニュージーランド、米国を含める多数の国は、直接アクセスや準備体制支援などによるものも含め、SIDS及びLDCsの特殊事情を認識することを支持した。

補助機関

コンタクトグループ:2013-2015年レビュー(SBI/SBSTA)このコンタクトグループではLeon Charles (グレナダ)が議長を務め、結論書草案の要素について議論した、特に次の点が指摘された:IPCC及び他の専門家による第4回SED会合への貢献; 2013-2015年レビューの結論の審議開始;締約国の提出文書;’ SED共同進行役及び事務局への感謝;SEDの最終事実報告書;締約国に対し、ADPへの参加において、2013-2015年レビューに留意し続けるよう推奨する。

サウジアラビアと中国は、非手順条項のパラグラフに反対した。満場一致がなかったことから、締約国は、SBsがSED報告書及び締約国提出文書の審議を開始していることに留意して2つのパラグラフについて合意し、SB 43においてこの問題の審議を継続することで合意した。締約国は、これらの結論書をSBI及びSBSTAでの審議のため両SBsに送ることで合意した。

対応措置(SBI/SBSTA)共同進行役のEduardo Calvoは、非公式協議で結論書草案を推奨するとの結論が出てきたと参加者に伝えた。SBI議長のAmena Yauvoliは、この結果、締約国はこの問題を勧めることができると指摘した。SBSTA議長のLidia Wojtalは、柔軟性と妥協の精神が続くことを希望すると表明した。締約国は、結論書草案をSBI及びSBSTAの審議にかけるため両SBsに送ることで合意した。

廊下にて

ボンの空は晴れ渡っていたが、この日の会議は、午前中、多様な交渉グループのマンデートに関する不透明な議論で始まった。参加者は、2013-2015年レビューのマンデートにCOPに対する実質提案が含まれるかどうか長時間議論し、プレ2020年の野心に関するADP交渉もこのグループの作業範囲に関する意見対立に足をとられていた。

新しい合意に関するADPの交渉は、文書のスリム化クラスター化の議論がスローペースながら進められ、夕方には、一部のものが進捗状況についてある程度楽観的な見通しを示した。とはいえ、他の多くのものは、9日間の厳しい作業の後でも、オプションの明確化も文書の交渉もあまり達成できていないことを嘆いた。

残りは一日のみとなり、あるベテランのオブザーバーは、ボン会議の成果がどのようなものになるか、それ以上に重要なことに、この会議の成果をどのように評価されるべきか、疑問に感じていた。大半のものは、評価の尺度は「頁数ではありえない(could not be page numbers)」ことで意見を一致させていたが、ジュネーブ文書をパリ合意にしていく道のりはまだ遠いと感じていた。

ENBサマリーと分析:アース・ネゴシエーション・ブレティンのボン気候変動会議のサマリーと分析は、2015年6月14日日曜日にオンライン掲載予定: http://enb.iisd.org/climate/sb42/

(IGES-GISPRI仮訳)

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