Daily report for 30 November 2012

金曜日、参加者は、一日を通して、条約及び議定書の各組織のコンタクトグループ会合、非公式協議、その他の会合に集った。夕方、COP/CMPの進捗状況報告プレナリーが開催された。

非公式な COP/CMP進捗状況報告プレナリー

COP 18議長のAl-Attiyahは、進捗状況報告プレナリーを開会し、SBs議長およびAWGs議長に対し、それぞれの組織における作業の最新状況を報告するよう求めた。

SBSTA議長のRichard Muyungiは、SBSTAは土曜日午後の閉会に向け順調に進んでいると報告した。同議長は、対応措置、炭素回収貯留、HFCsに関する議題項目で結論が出されたと述べた。同議長は、研究と観測、報告作成ガイドラインでも議論が進んでいると報告し、農業とREDD+の手法論ガイダンスの議論は金曜日夜も続けられると述べた。

SBI議長のThomaz Chruszczowは、適応に関する議題項目の審議は終了したと報告した。同議長は、NAMAレジストリに関し、この作業を終了させるには締約国が明確なガイダンスを提供することが重要だと強調した。議長のChruszczowは、国別適応計画に関し、締約国は意見の違いを解消する方法で「暗礁に乗り上げた(stuck)」ようだと報告した。同議長は、損失と損害に関し、ドーハ会合ではどの項目で結論を出すべきか明らかにする必要があると述べた。さらに議長のChruszczowは、適応基金の初回レビューでは暫定的なアレンジで広範な意見の一致があると報告した。同議長は、TECに関し、IPRs問題の議論が進展を妨げているようだと述べた。

AWG-KP議長のMadeleine Dioufは、数値/文章に関するスピンオフグループはAAUsの繰越オプションを絞り込んでいると報告した。同議長は、保留されている主な問題は、2013年1月1日の第2約束期間開始と京都議定書の改定が発効するまでの期間に関する法律問題をどう扱うかであると述べた。同議長は、来週の水曜日までに文章ができるとの楽観的な見方を表明した。

AWG-LCA議長のAysar Tayebは、まだいくつかの分野で締約国の意見が分かれていると報告した。同議長は、このような問題の一部をどう議論するか、速やかな合意成果を得てAWG-LCAを終了させるにはどのような作業構成にするのが最善かを検討中であると述べた。同議長は、閣僚の参加を含めあらゆる可能性を探っていると指摘した。

ADP議長のJayant Mauskarは、2つのワークストリームごとに2回、合計 4回のラウンドテーブル会議が開催され、土曜日には非公式協議が開催されると報告した。同議長は、前向きな展開と評し、締約国の野心ギャップ解消方法の提案を称賛した。

その後、締約国は、各議長の報告や交渉の現状についてコメントを発表した。多数の締約国が、損失と損害、資金、緩和など、特定の問題で進展がないことを嘆いた。ある締約国は、問題を横断した意見集約を可能にするため、クロスカッティング・プロセスの採用を求めた。締約国数カ国は、閣僚による介入の必要性を強調し、来週閣僚クラスで議論できるだけの文書を作成するよう求めた。

COP議長のHamad Al-Attiyahは、締約国に対し、団結の精神の下で作業をし、想像力のある実際的な解決策の探求を求め、合意に達するのを金曜日の「最後の時間」まで待たないよう求めた。

コンタクトグループ会合、非公式協議

COP:資金に関するコンタクトグループ:長期資金:午後、資金に関する非公式協議で、締約国は、可能な決定書草案文書の範囲に焦点を当てて議論し、次の点を検討するよう求められた:資金の実施;ニーズの評価;実施可能な環境作り;資金の動員や資金規模の拡大;気候変動資金の追跡。一部の途上国は、次の点を強調した: 条約の下での資金供与プロセスは全て高い参加性をもち、透明を持つ必要がある;可能にする環境とは、民間部門の市場アクセスを超えた両方向プロセスである。先進国数カ国は、共同議長提案が不適切に解釈されて決定書案となることへの懸念を表明した。ある途上国の参加者は、資金面のギャップに対応する必要があると強調し、締約国の提案に基づいた議論にすべきであり、資金源や組織に焦点を当てて議論すべきだと提案した。別な参加者は、長期資金と技術移転との結び付きを指摘し、国際金融制度の資金決定手法を改革し、エネルギー効率化や低炭素集約型の技術に対する投資に投資資金を振り向けるよう提案した。協議が続けられる。

AWG-LCA:途上国の緩和:非公式協議で、進行役のGary Theseira (マレーシア)は、AWG-LCA議長が土曜日までに議長文書を作成すると締約国に伝えた。多数の締約国、特に先進国はこれに反対した。

その後、締約国は、AWG-LCAがドーハ会合で成功裡に成果を収めるため解決しておく必要がある問題を特定した。スイスはEIGの立場で発言し、オーストラリア、ニュージーランド、米国、カナダ、日本の立場を代弁して発言したノルウェー、EU、マーシャル諸島と共に、事務局が途上国提出NAMAsに記載されている全ての情報をまとめたテクニカルペーパーを作成するよう提案したが、中国はこれに反対した。さらにEIGとノルウェーは、提出されたNAMAsに対する理解を進めるため、SBSTAの下で作業計画を立ち上げるよう提案した。

マリはG-77/中国の立場で発言し、レジストリに関する作業終了を求めた。南アフリカはアフリカングループの立場で発言し、途上国はそれぞれの能力と国情に応じてNAMAsを実施できると述べた。同代表は、さらに次のことを行った:SBSTAに対し、支援の推進手法および支援のMRVを作成するよう要請することを提案した;SBI/SBSTA合同作業プログラムを支持した;途上国での実施およびキャパシティビルディングに焦点を当てるワークショップ開催を求めた。カナダは、レジストリに関する問題の審議に反対し、既にSBIで議論されていると指摘した。

進行役のTheseiraは、議論に基づく文書を作成し、意見が集約された分野と分かれている分野を特定する予定である。協議は続けられる。

先進国の緩和:午前中の非公式協議で、締約国は、2013年以降の作業の進め方について議論した。事務局が締約国提出文書を基に作成したテクニカルパーパーが議論の土台となった。ノルウェーは、ノルウェー、オーストラリア、ニュージーランド、日本、カナダ、米国の提案を提出した、この提案では締約国が緩和目標達成状況に関する報告書作成を開始する前に、それぞれのプレッジの基となる想定条件のさらなる明確化を図るため、作業プログラムを設定することを目指す。またEIGは、想定や条件、特に市場メカニズムおよびLULUCFに関する条件を明確化する作業プログラムについて文書案を提出した。

マリはG-77/中国の立場で発言し、目標の野心と緩和努力の比較可能性を確保する共通の算定枠組みの作成では、さらに作業する必要があると強調した。EUは、プレッジを明確化する作業プログラムを作成し、SBSTAの下で議論することを支持した。コロンビア、ドミニカ共和国、その他は、焦点を当て組織化された形でのSBsへの作業移行を支持した。ボリビアは、2013年向け作業計画は、京都議定書に基づく共通算定規則や手法論、ツールの作成を目指すべきたと述べた。ニュージーランドは、ドーハ会合で共通算定規則について同意するのは可能でないとし、実際的な手法を求めた。マーシャル諸島はAOSISの立場で発言し、長期目標の考えの下で野心を引き上げる行動をとるよう求めた。日本は、算定規則は締約国の緩和努力に対応し、これを最大限に拡大できるだけの柔軟性を持たせる必要があると強調した。同代表は、野心はADPのワークストリームの一つとして議論されると指摘した。

進行役のKranjcは、締約国の議論をまとめる文書草案を作成し、これをAWG-LCA議長に報告すると締約国に伝えた。

資金:非公式協議で、締約国は、2013年以降の資金の継続性に関する意見交換を行った。G-77/中国は、資金供与の正確な計算方法を含め、「資金のギャップ」に対応する提案を提出した。米国は、早期開始資金および2020年の資金目標での妥協案に言及し、AWG-LCAではこの問題に関する作業を終了させるため追加の決定を行う必要はないと強調した。日本は、ドーハ会合で資金に関する決定を行う必要はないと主張した。コロンビアは、現在から2020年までの間の資金目標は先進国による2020年目標達成を支援するプロセスとして必要だと強調した。グアテマラは、資金に関する決定書をパッケージに入れない限りドーハ会合の成功はおぼつかないと述べた。バルバドスはAOSISの立場で発言し、G-77/中国の提案は2020年の資金目標に対する進展状況の評価への貢献を意図していると強調した。議論は続けられる。

AWG-KP:第2約束期間関係の問題:午後の非公式協議で、締約国は、京都議定書改定のCMP決定書案について検討した。この文書は、締約国が提案した多様なオプションをまとめたもので、特に次の項目に関する提案が含まれた:約束期間の長さに関係する問題;京都議定書改定分の適用;柔軟性メカニズム参加の適格性;AWG-KPの作業の結論書。協議は続けられる。

ADP:ワークストリーム1のラウンドテーブル:ポスト2020年体制:締約国は、新しい合意における条約原則の適用方法など、ADP共同議長が提出した疑問点について議論した。

途上国数カ国は、次の点を強調した:透明性、共通の報告作成、算定、MRV;厳格な遵守規則。多数の締約国が、条約原則の継続に関する合意を指摘し、さらに:中国はCBDRを強調し;バルバドスとノルウェーは予防原則に注目し;米国は、原則を状況や能力の変化を反映させて進化させる必要があると述べた。さらに米国は、次の点を強調した:資金供与は何が実現できるかにより異なる;全てのものに適用される野心的な合意を成功させるには、「集団の適切性」を信頼できるものにするため、柔軟性や衡平性、透明性が必要である。スイスは、条約の原則を「各国が更なる努力をする力になる一方で、何もしない言い訳にはならない(empowers us to do more and not as an excuse to do nothing)」形で適用するよう締約国に求めた。ロシアは、決定書 1/CP.17において気候変動は「全ての締約国が緊急に対応(urgently addressed by all parties)」すべき問題と明確に認識していることを強調した。ボリビアは、緩和は貧困撲滅や持続可能な開発と合わせる形で執り行うべきだと強調した。中国は、途上国の再分類は条約の再解釈に相当すると強調した。日本は、統一したピアレビューなら参加へのインセンティブ・ツールになりうると述べた。

2つのワークストリームに関する非公式協議は土曜日に開始される。

SBI:京都議定書の適応基金の第1回レビュー:非公式協議で、締約国は、結論書草案について議論した。適応基金の資金の適切性や持続可能性、暫定理事会の任期延長の可能性に焦点があてられた。資金の適切性や持続可能性に関し、一部の先進国は、CMPの下での適応基金報告書に関する議題項目の下、またはCOPでの常任委員会報告書の議題項目の下で議論するよう提案した。多数の途上国は、時間的な厳しさで、このグループの問題の審議が妨げられることがあってはならないと述べ、文書中のパラグラフの保持を支持した。

暫定理事会の任期延長の可能性に関し、ある締約国は、公開入札プロセスを提案した。しかし、多数の先進締約国は、暫定理事会のアレンジを保持するという適応基金理事会の提案を支持した。議論が続けられる。

廊下にて

ドーハ会合第1週が終了されようとする中、締約国の議論や意見に基づき、土曜日に取りまとめ文書を作成して提出し、週末に参加者の検討に付すとのAWG-LCA議長の意図が話題の中心になった。一部の参加者は、今週初めに表明された懸念事項の中で再度浮上するものがあるかどうか疑問視し、ある参加者は、概要文書の改定版は単なる「改定された概要文書(revised overview text)」になるのかと尋ねた。

UNFCCC事務局長のChristiana Figueresは、記者会見で、現時点での交渉の現状をまとめ、「来週、合意に織り込まれる交渉の糸を見分け始めたところだ(we are now starting to see the strands that will be woven together into an agreement next week)」と述べた。閣僚がどの糸を織り込むことになるかは、まだ不明である。

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