Daily report for 5 December 2012

水曜日一日中、COP 18およびCMP 8のハイレベルセグメントが開催された。COP、CMP、ADP、AWG-LCA、AWG-KPの下では多様なコンタクトグループおよび非公式協議が開催された。夕方には、COP議長の非公式進捗状況報告プレナリーが開かれた。

COP議長の非公式進捗状況報告プレナリー

夕方の非公式進捗状況報告プレナリーで、COP 18議長のAl-Attiyahは、少数の保留事項の協議を終了させるよう各進行役に求めた。

SBSTA議長のMuyungiは、先進国のUNFCCC隔年報告書作成ガイドラインの共通タビュラーフォーマットに関する作業プログラムについて、表のフォーマットでは合意に達したが、条約の外での隔年報告作成ガイドラインの利用では合意に至らなかったと報告した。さらに同議長は、対応措置では合意に達しなかったと報告した。議長のMuyungiは、TEC報告書の作業は進められなかったと報告し、「極めて政治的なIPRsの問題」はSBI議長との二者協議でも解決できなかったと報告した。

SBI議長のChruszczowは、国別適応計画に関するCOP決定書案で合意したと報告した。同議長は、国際的な協議と分析の下での技術専門家チームの構成や法性、手順について、締約国は合意できなかったと報告し、この項目の審議を次回SBI会合に回すよう提案した。

専門家諮問グループ(CGE)に関し、同議長は、ギャップを避けるためCGEのマンデートが1年延長されたことを報告した。損失および損害に関し、議長のChruszczowは、締約国は文書の括弧書きを外すことができ、この文書は閣僚協議に送られると報告した。CTCNに関し、同議長は、CTCN諮問理事会の構成では未解決な問題が一つあると報告し、これを閣僚会議に回すよう提案した。

AWG-KP議長のDioufは、文書スリム化努力について報告し、これまでのオプションを取りまとめ、妥協案オプションを提案する提案の存在を指摘した。同議長は、閣僚協議のため、明確なオプションを示した改定文書を水曜日夜に発行し、コンタクトグループで検討すると述べた。同議長は、AWG-KPの閉会プレナリーは「夜遅くに」行われると指摘した。

AWG-LCA議長のTayebは、AWG-LCA議題項目ごとの議論の進捗状況を示す多様な文書が締約国に提供されており、これは締約国に議論の進捗状況の全体像を示すべく作成されたものだと述べた。同議長は、AWG-LCAが今晩中は一つの非公式グループでの作業を続け、木曜日までにさらにスリム化した文書を作成すべく進展を図ると説明した。

ADP共同議長のMauskarは、同共同議長と共同議長のDovlandがADP結論書草案およびCOP決定書草案を作成したと報告した。同共同議長は、水曜日に予定される非公式会議が諸国グループの要請で延期されたと述べ、ドーハで終了する予定の2つのAWGsが優先される必要があるとの理解を表明し、ADPは「独自の重要性を持つ」と指摘した。

Bard Solhjell (ノルウェー)は、次の問題に関し、Luis Machado Figueiredo (ブラジル)と共に開催した閣僚アウトリーチ会議後の最新の進捗状況を報告した:第2約束期間で約束をしない附属書I締約国の柔軟性メカニズムへのアクセス;徴収料の一部割当制度を共同実施および排出量取引へ拡大する問題。同代表は、協議後、異なる意見について「良い絵(good picture)」が出きてきているが、「最終解決策は出てきていない」と指摘した。

COP議長のAl-Attiyahは、一部の問題では依然困難があるとの観測を示し、閣僚のアウトリーチが必要な問題が特定されたと指摘し、Mariyam Shakeela (モルディブ)とBruno Oberley (スイス)が資金問題に関する閣僚アウトリーチのアシスタントとして任命されたと述べた。同議長は、閣僚アウトリーチはAWG-LCAでの作業やCOPの資金コンタクトグループの議論と重複するものではないと述べた。

これに加え、Fatou Gaye (ガンビア)とMark Dreyfus (オーストラリア)が報告作成ガイドラインについて非公式に協議する予定である;Edna Molewa (南アフリカ)は損失と損害に関する非公式協議の進行役を務める;Maria del Socorro (メキシコ)はCTCN諮問理事会の構成について協議する;FigueiredoとSolhjellは、必要があれば、京都議定書の非締約国の報告書作成について協議し、CMP議題の第4項目(AWG-KP報告書)に関する保留問題の解決を図る。

COP議長のAl-Attiyahは、締約国に対し、「地球規模の気候変動の脅威に対する対応では、大胆な発想をし、共通点や解決策を見出す努力を強める」よう奨励した。

COP

ハイレベルセグメント:COP 18とCMP 8のハイレベルセグメントが続けられ、閣僚および代表団長、グループ代表のステートメントが披露された。下記URLに、ステートメントのウェブキャストを掲載する:http://unfccc.int/meetings/doha_nov_2012/meeting/6815/php/view/webcasts.php

資金に関するコンタクトグループ:午後、資金に関するCOP コンタクトグループ会合で、共同議長のDjemouaiとAndrewsは、最新の進捗状況を報告し、AWG-LCAの下での資金の議論と同グループでの作業を調整すべく努めていると指摘した。

長期資金に関する作業プログラムについて、共同議長のAndrewsは、文書草案において作業プログラムの延長や資金の規模拡大を議論する閣僚ダイアログの開催が提案されていると説明した。改定文書案が作成される。

常任委員会報告書に関し、締約国は、決定書の作成作業を終了させようと、残された括弧書きに関し協議していると指摘された。

緑の気候基金(GCF)報告書および初期ガイダンスに関し、文書草案ではGCF報告書や基金の運用開始に向けた進展に留意し、文書を最終決定する「非公式な非公式協議(informal informals)」が開催されることが、参加者に告げられた。

AWG-KP

数値/テキスト:午前中、数値/テキストのスピンオフグループ会合で、締約国は、閣僚協議に回されるAWG-KP議長の改定文書に記載すべき明確なオプションの草案作成に焦点を当てた。

締約国は、議定書改定、柔軟性メカニズムに参加する適格性、余剰AAUsの繰越、徴収料の一部割当制度に関する文章について検討した。これらの問題の一部については新しい提案が提起され、これまでの提案を取りまとめた文書も提出された。締約国は、AWG-KP議長の改定文書への記載に向け、同議長にどの提案を回すべきかで合意し、スピンオフグループは作業を終了した。

AWG-LCA

合意成果:オブザーバーにも公開された午後の非公式協議で、AWG-LCA議長のTayebは、一部の問題は「結論が近い(close to conclusion)」が、他の問題は「堂々巡り(moving in circles)」をしているか、「後戻りさへ(even backwards)」していると報告した。同議長は、モルディブとスイスの閣僚が2013-2020年の期間の資金継続性に関する非公式協議で進行役を務めることに同意したと指摘した。

アルジェリアはG-77/中国の立場で発言し、AWG-LCAの下での全てのスピンオフグループの作業を終了するよう提案し、交渉状況の理解を助ける「中央フォーラム(central forum)」を求めた。同代表は、資金を優先するよう求めた。

フィリピン、バングラデシュ、その他は、資金に関する協議はオープンで参加性が高く、透明性あるものにする必要があると強調した。スワジランドはアフリカングループの立場で発言し、資金、緩和の規模拡大、適応への支援に関する決定書を求めた。スイスは、資金は「根幹の進行中の問題(core and ongoing issue)」であり、ドーハで結論を出せるものではなく、この作業の継続方法を定めるCOP決定書が必要だと述べた。EUは、その他の問題の中でも、共有ビジョンや多様な手法で進展がないことへの失望感を表明した。同代表は、閣僚のための明確なオプションを示した文書で意見を一致させるよう求めた。

ガンビアはLDCsの立場で発言し、今後の交渉の土台となる「バランスのとれた文章(balanced text)」を求めた。ボリビアは文章のバランスがとれていないことへの懸念を表明し、多様な手法やREDD+に関する文章に非市場手法を反映させる必要があると強調した。ベネズエラは、インターリンケージの関連性に焦点を当て、CDMの継続などAWG-KPおよびCMPの下での他のインターリンク問題と合わせて多様な手法の検討をするよう提案した。エジプトはアラブグループの立場で発言し、AWG-LCA議長による改定文書作成を推奨し、中国もこれを支持した。インドとアルゼンチンは、対応措置に関する文章には締約国の提出文書が適切に反映されていないと指摘した。

コロンビアは独立中南米カリビアン諸国連合(ASSOCIATION OF INDEPENDENT LATIN AMERICAN AND CARIBBEAN STATES (AILAC))の立場で発言し、資金に関するオープンな「インダバ(Indaba)」を求め、閣僚による二国間会議では十分でないと述べた。同代表は、適応とREDD+の問題では進捗がないと指摘し、より高いレベルで議論することを支持した。

多数の締約国は、作業手法や提出文書の立場について質問し、多数のものが議論される問題がどれか、会議時間はどれだけかに関する予測可能性を求めた。AWG-LCA議長のTayebは、AWG-LCAの合意成果に関する交渉は一つのオープンエンドグループで議論が続けられ、先進国の緩和、途上国の緩和、REDD+などまだ進展が可能とみられる分野の問題は分科会で再度議論すると明言した。

廊下にて

交渉担当者は、金曜日に成果をあげようとそれぞれの作業を続け、ハイレベルな議論は、非公式な閣僚ランドテーブルや「裏(behind-the-scenes)」協議の両方で続けられた。夜のCOP議長の非公式進捗状況報告プレナリーでは、主要問題での「非公式閣僚アウトリーチ」の概要が示された。また国連事務総長のBan Ki-moonも、多数の主要プレーヤーと会議したことが報じられ、閣僚ラウンドテーブルでのスピーチの中で、締約国がADP交渉を終了させる予定の2015年に向け政治的なモーメンタムを構築するため、2014年に世界の指導者会議を開催する計画であると発表した。ある経験を積んだ交渉担当者は、この種のハイレベルな参加で多くのものが成功と考えるカンクンやダーバンでの成果が挙げられたと指摘し、「ここでも閣僚の介入で、会議で成功を収めてほしいものだ」との意見を述べた。フィリピンを襲った台風ボーファ(Bopha)による死者や被災のニュースを受け、一部のものは、廊下で、課題の「明確な緊急性(evident urgency)」についてコメントした。

3つの作業部会での進捗状況に関し、G-77/中国の代表は、同時に行われるAWG-LCA非公式協議に出席するとの表向きの理由で、ADPで予定されていた会議を延期するよう求めた。このため、ADPの下での作業は AWG-LCAの非公式協議に道を譲る形になり、AWG-LCAの非公式協議が2晩続けて開催された。

夜遅く、廊下は、抑えた期待感と憂鬱感が混ざった雰囲気となった。疲れた表情の参加者は、時間をつぶす中、当初夕方の開催が予定されていたAWG-KPコンタクトグループ会合および閉会プレナリーが結局は深夜に延期される中、会議予定に関するライブ中継を常にスキャンしていた。「朝までここにいることにならないよう希望する」とある参加者はコメントし、「さもなければ、3晩続けて政府代表室で夜を過ごすことになる」と付け加えた。結局、閉会プレナリーが木曜日の午前11時という、より対処しやすい時間まで延期された時には、明らかにほっとしていた。

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