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Summary report, 8 May 2019

49th Session of the Intergovernmental Panel on Climate Change (IPCC-49)

2019年5月12日、日曜日の夕方、気候変動に関する政府間パネル第49回会合 (IPCC-49)は、国別温室効果ガス2006年IPCCガイドライン2019年改訂版(2019年改訂版)の概要の章を採択し、根拠となる報告書を承認した。少数の代表は、この報告では、一方では石油及びガスの漏洩排出量、他方ではサンゴの採掘からの漏洩排出量の扱いで一貫性がないことへの反対意見を指摘した。決定書において意見の一致が無かったことをどう反映するかに関し長時間の議論が行われた後、パネルは、意見が異なり意見の一致に至ることができない場合の原則を示した原則10(b)に言及することで合意し、さらに脚注に原則の文章を記載することで合意した。

IPCC-49は、下記に関する決定書も採択した:

  • ジェンダー政策及びジェンダー実施計画に関するタスクグループの委託条件:
  • IPCC奨学金プログラム基金の利用に関する評議理事会へのガイダンス:
  • 短寿命気候強制力の報告手法論を第7次評価サイクルの期間中に完成させるべく、第6次評価サイクルにおいて準備作業を開始する;
  • 信託基金プログラム及び予算

IPCC-49において、パネルは、特にグローバルストックテイクに鑑みたIPCCの将来作業の構成に関するタスクグループの進捗状況、並びに国別温室効果ガス・インベントリ及び三つのIPCC作業部会における進捗状況に関する報告に留意した。

IPCC-49は、2019年5月8-12日、日本の京都で開催され、125を超える諸国から380名の参加者が集まった。

IPCCの簡略史

IPCCは、1988年、世界気象機関(WMO)及び国連環境計画(UNEP)により設立された組織で、人為的な気候変動とその潜在的に可能な影響、適応及び緩和オプションを理解するための科学的、技術的、社会経済的な情報、さらには総合的、客観的、オープンで透明な形で評価することを目的とする。IPCCは、195の加盟国を有する政府間の科学的組織である。新しい研究を行うことはなく、気候県警のデータをモニターすることもない、代わりに、公開されピアレビューを受けた科学的技術的文献に基づく気候変動の知識状況の評価を行う。IPCC報告書は、政策関連的であろうとするが、政策規範的ではない。

IPCCは3つの作業部会(WGs)を有する:

  • 作業部会I (WG I)は、気候変動の自然科学的な根拠を扱う.
  • 作業部会 II (WG II)は、気候変動の影響、適応、脆弱性を扱う
  • 作業部会 III (WG III)は、温室効果ガス(GHG)排出量を削減し、気候変動を緩和するオプションを扱う

各WGは、2名の共同議長及び7名の副議長を有するが、WG IIのみは8名の副議長を有する。共同議長は、テクニカルサポートユニット(TSUs)の支援を得て、WGsがパネルから与えられた義務を遂行できるよう指導する。

さらにIPCCは、国別温室効果ガス・インベントリに関するタスクフォース(TFI)を有し、その2名の共同議長は、IPCC国別GHGインベントリ・プログラムのTSUの支援を得て、当該プログラムを監督する。このプログラムは、国別GHG排出量及び除去量を計算し、報告することを目的とする国際的な合意を得た手法論及びソフトウェアを開発し、整備し、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の締約国に対し、その利用を奨励することを目指す。

パネルは、IPCC評価報告書の作成を含める、一つの評価サイクルの全期間における議長団を選出する。この議長団は、IPCCの作業を計画し、調整し、監視するもので、全ての地域を代表する気候変動専門家で構成される。現在、議長団は34名で構成され、IPCC議長及び副議長、WG共同議長及び副議長、並びにTFI共同議長が含まれる。2011年、IPCCは、会合期間外の作業及びWGs環の調整を支援すべく、執行委員会(ExCom)を設立した。IPCCには常設の事務局があり、スイスのジュネーブに本部を置き、WMOがホストとなっている。

IPCC制作物:IPCCは、その創立以来、一連の包括的評価報告書、特別報告書(SRs)、テクニカルペーパーを作成、気候変動に関する科学情報を国際社会に提供し続けてきた。

IPCCは、5つの評価報告書を、それぞれ1990年、1995年、2001年、2007年、2014に完成させている。第6次評価報告書(AR6)は、2022年に完成予定である。評価報告書は、作業部会ごとの3部構成である。各作業部会の報告書は、政策立案者向けサマリー(SPM)、テクニカル・サマリー、及びその元となる評価報告書本文で構成される。各報告書は、専門家及び政府による徹底かつ集中した査読プロセスを経るが、これには3段階がある:専門家による第1回査読、専門家及び政府による第2回査読、及び政府による第3回査読である。

その後、各SPMは、対応するWGによる行ごとの承認を受ける。評価報告書全体に関する統合報告書(SYR)が作成され、3つのWG報告書及び当該サイクルのSRsと関連する大半の側面をとりまとめる。その上で、パネルは、SYRのSPMの行ごと承認を行う。

IPCCは、第5次評価報告サイクルを通して、気候変動に関係する問題で、一連のSRs及びテクニカルペーパーを作成しており、これには下記が含まれる:

  • 土地利用、土地利用変化、森林(2000年);
  • 二酸化炭素回収及び貯留(2005年);
  • 気候変動及び水(2008年);
  • 再生可能エネルギー資源及び気候変動の緩和(2011年);
  • 極端な現象及び災害のリスク管理による気候変動への適応の進展(2011年)。

第6次評価報告サイクルには、次の3件の特別報告書が含まれる:

  • 1.5°Cの地球温暖化(SR15)、これは2018年10月、IPCC-48において承認された;
  • 気候変動及び土地(SRCCL)、これは2019年8月、IPCC-50での承認が期待される;
  • 変動する気候における海洋及び雪氷圏(SROCC)、これは2019年9月、IPCC-51での承認が期待される。

加えて、IPCCは、手法論報告書を作成、各国によるGHG報告を支援するガイドラインを示す。グッドプラクティス・ガイダンス報告書は、2000年及び2003年にパネルの承認を受けた。国別GHGインベントリに関するIPCCガイドラインの最新版は2006年に承認された。加えて、2013年に、IPCCは、2006年IPCCガイドラインの補足書:湿地(湿地補足書)を採択、京都議定書から派生する補足的手法論及びグッドプラクティス・ガイダンスの改訂版(KP補足書)も採択した。2006年ガイドラインの精緻版は京都でのIPCC-49で採択された。

2007年、IPCCは、「人為的な気候変動に関する多くの知識を構築し、広め、そのような変化への対応に必要とされる土台を築いた」としてアル・ゴア元米国副大統領と共に、ノーベル平和賞を授与された。

第6次評価報告サイクル

IPCC-41からIPCC-43IPCC-41(2015年2月24-27日、ケニア、ナイロビ)は、将来のIPCCの業務について議論し、IPCC及びTFI議長団の規模、組織構造、構成に関する決定を行い、第6次評価サイクルに関連する決定書を採択した。IPCC-43(2016年4月11-13日、ケニア、ナイロビ)では、第6次評価サイクルの期間中、2件のSRs(SRCCL及びSROCC)、並びにGHGインベントリの2006年ガイドラインに対する2019年精緻版の作業を行うことで合意した。加えて、IPCC-43は、産業革命前比1.5℃の地球温暖化の影響に関するSRを2018年に提供するようにとのUNFCCC第21回締約国会議(COP 21)の招請に応じ、SR15を作成することで合意した。

さらにパネルは、この時点で、都市に関するSRを第7次評価サイクルの一環として作成することでも合意した。

IPCC-44この会合(2016年10月17-21日、タイ、バンコク)において、パネルは、SR15及び2019年精緻版の概要を採択した。さらにIPCCは、特に次に関する決定書を採択した:緩和、持続可能性、気候安定化シナリオに関する専門家会議;コミュニケーションズ、及びAR6スコーピングプロセス;気候変動と都市に関する会議。

IPCC-45この会議(2017年3月28-31日、メキシコ、グアダラハラ)は、SRCCL及びSROCCの概要を承認し、特に次の項目を議論した:第6次評価サイクルの戦略計画スケジュール;短寿命気候強制力(SLCFs)を考察するとの提案;IPCCの資金調達オプション、この問題の議論から、IPCCの資金安定性に関する特別タスクグループ(ATG資金)を設立するとの決定に至った。

IPCC-46この会合(2017年9月6-10日、カナダ、モントリオール)において、パネルは特に、AR6における3つの作業部会報告書の各章概要を承認した。

IPCC都市と気候変動の科学会議:この会議(2018年3月5-7日、カナダ、エドモントン)には、科学、政策、実施コミュニティーから参加者が集まり、現在及び将来の排出源を議論し、都市における排出削減及び回復力戦略を追及するための経路を明らかにした。この会議では、気候変動とその都市部への影響、気候の課題への対応において、地方当局が果たせる重要な役割について、理解を深めるための研究課題が策定された。

IPCC-47この会合(2018年3月13-16日、フランス、パリ)において、パネルは特に次のことで合意した:

  • ジェンダーに関するタスクグループの設置;
  • パリ協定の下でのグローバルストックテイク(GST)に鑑みたIPCCの将来作業の構成に関するタスクグループの委託条件案作成;
  • IPCC奨学金プログラムを拡大し、各章の科学者への資金支援も含める;
  • IPCCの活動における開発途上国の参加を強化する。

さらにパネルは、WG議長団からの報告に関し、WG共同議長のプレゼンテーションを受けた。この会議に先立ち、フランス政府の主催でIPCCの設立30周年記念の祝典が行われた。

IPCC-48この会合(2018年10月1-6日、韓国、Incheon)において、IPCCは、SR15及びそのテクニカル・サマリーを承認し、SPMを採択した。WGs合同の会合では、SPMを行ごとに審議し合意に達した、これは3つのWGsが学際的な形で、IPCC SRに関する共同協力を行う最初の機会となった。このSPMは、次の4つのセクションで構成される:

  • 1.5°Cの地球温暖化を理解する;
  • 予想される気候変動、影響可能性、これに伴うリスク;
  • 1.5°Cの地球温暖化と合致する排出経路及びシステム変換;
  • 持続可能な開発及び貧困撲滅努力の観点における地球規模の対応強化。

SPMは、特に次のように結論付けた:地球平均気温を1.5℃の上昇で抑えることは今も可能である、しかしこのためには社会のあらゆる側面において、「前例のない」変換を行うことが求められる。

IPCC-49報告

2019年5月8日水曜日の午前中、IPCC議長のHoesung Leeは会合の開会を宣言、地球環境戦略研究機関(IGES)においてTFI TSUを主催する日本の指導力に注目した。同議長は、国別温室効果ガス・インベントリの2006年ガイドラインに対する2019年精緻版の承認が期待されていることを歓迎し、これにより、国別インベントリのとりまとめに用いられる手法論が最新の科学に基づくものになると指摘した。

日本の環境大臣である原田義昭は、ビデオメッセージを通し、日本政府に代わり参加者を歓迎した。同大臣は、IPCCによる科学的な根拠の構築が、UNFCCC、京都議定書、パリ協定、さらには2018年パリ規則書に結び付いたと想起した。同大臣は、環境と成長の「優れたサイクル(virtuous cycle)」のモデルを作り上げる一方、生活の質と、持続可能な社会を確保するという日本の目標を指摘、ポスト2050年での脱炭素社会の早期達成という日本における現在の議論を指摘した。

UNEPの主任科学者のJian Liuは、気候変動との闘いにおける日本のリーダーシップに感謝し、京都議定書が生まれた京都市の重要性を指摘、今回は2019年精緻版の形で新たな道標の本拠地となることへの熱意を表明した。同氏は、パリ協定の目標達成にはさらなる野心が必要だと指摘し、この時点における政治的及び科学的なリーダーシップの重要性を強調した。

UNFCCC事務局のFlorin Vladuは、2019年は協力を強化する新たな機会を示すと指摘し、透明性を高め、多国間主義への信頼を強化する上で、2019年精緻版は重要であると強調した。同氏は、SR15への感謝を表明、IPCCの今後の作業による制作品への期待感をにじませ、これらは共に、パリ協定に規定された目標達成に必要な野心レベルに達するための重要なインプットになると指摘した。

その後、IPCC議長のLeeは、採択用の暫定議題書(IPCC-XLIX/Doc.1, Rev.1)を提示した。フランスは、生物多様性及び生態系サービスの政府間プラットフォームの第7回プレナリー(IPBES-7)が最近、生物多様性及び気候変動に関するIPBESとIPCC合同の技術報告書を提案して閉会したと指摘、この項目をIPCC-49議題書のその他の業務の中に挿入するよう提案した。

この暫定議題書は、フランスの改定案を入れて、採択された。

IPCC-48の報告書草案(IPCC-XLIX/Doc.4, Rev.1)は、多少の修正を加えて採択された。

国別温室効果ガス・インベントリの2006年IPCCガイドラインに対する2019年精緻版(2019年精緻版)の採択及び受理 

2019年精緻版の概要の章は、5日間の会議期間中を通し、TFIプレナリー会合、コンタクトグループ、非公式協議で議論された。水曜日、TFI共同議長のEduardo Calvoは、概要の章及びその元となる報告書、並びに関連の文書(IPCC-XLIX/Doc.3a, Rev.1; IPCC-XLIX/Doc.3b, Rev.1; IPCC-XLIX/INF.1, Rev. 2)を提示した。概要の章は、セクションごとに議論された。

1. 序:水曜日、TFI共同議長のKiyoto Tanabeは、このセクションを提示した、当該のセクションでは、この報告書の目的及び特性を記載する。インドは、この2019年精緻版を開発途上国が利用できるかどうか、その実施可能性への懸念を表明した。サウジアラビアは、エジプトの支持を得て、2019年精緻版の利用にあたり、キャパシティ・ビルディング及び資金的必要性があるとの言及を挿入するよう提案した。ニュージーランドは、英国、米国、ノルウェー、スイスの支持を得て、これに反対し、次の点を指摘した:そのような言及は精緻版の範囲を超えている;パネルは、そのような言及が真実であると明らかになるかどうか、まだわかっていない;2019年精緻版は、インベントリ・コンパイラーのためのもので、政策立案者用ではない。

英国は、UNFCCCなど、他の組織が2019年精緻版の利用の影響について決定を行うだろうと発言したが、ノルウェーは、UNFCCCとIPCCの守備範囲は分けておき、IPCCの十全性を保護する必要があると強調した。代案として、TFI共同議長のCalvoは、2019年精緻版の利用の影響は、評価されなかったとする表現の挿入を提案したが、この提案は受理されなかった。

TFI共同議長のTanabeは、主要な概念に関するセクション3の表現に注意するよう求めた、この箇所では、2019年精緻版は全ての国及びインベントリ・コンパイラー向けであり、これには過去の経験を持たないものも含まれると記載する。スイスは、この表現を序に持ってくるよう提案した。

この問題に関する非公式協議の後、TFI共同議長のCalvoは、会合報告書に文章を挿入することで合意がなされたと報告し、これが受け入れられた。この文章は次のように記載する:

  • ある諸国グループは、2019年精緻版の実施に必要な資源は、策定プロセスでは評価されておらず、一部の国、特に開発途上国においては、キャパシティ・ビルディング支援が必要となる可能性があるとの懸念が表明された;
  • 別な諸国グループは、次を指摘した:2019年精緻版の範囲には必要な資源の評価が含まれていない;そのようなニーズの評価は、GHGインベントリの技術ガイドラインの執筆者にとり、適切なタスクとは言えない;資源の必要性及びキャパシティ・ビルディングの必要性に関する議論は、他の多国間組織で行う方が適切であろう。

2. 背景:このセクションは水曜日に議論された。タンザニアは、新規の科学及び実験上の知識を説明するための「豊富な(abundant)」という定性的形容の削除を提案、この用語は主観的であると述べた。この表現を削除し、このセクションは承認された。

3. 2006IPCCガイドラインから変更されていない主要概念:本会合では、水曜日に議論された。サウジアラビアは、更新されたガイドラインの実施が資金及びキャパシティ・ビルディングに与える影響に関する注意書き、もしくは2019年精緻版ではそのような影響を評価していないとする注意書きを挿入するよう要請した。米国は、資金面またはキャパシティ・ビルディング面への影響に関する表現に反対した。明確さのため、多数の文章上の変更が提案された。TFI共同議長は、関心のある参加者が非公式協議においてこの問題の解決に努力するよう求めた。(この問題の解決策については、セクション1、序の項を参照)

4. 2019年精緻版の対象範囲:このセクションは水曜日の午後に議論され、提示されたとおりで採択された。

5. 2006IPCCガイドラインとの関係:このセクションは水曜日に議論された。インドは、このガイドラインは国内小地域、企業、あるいはプロジェクトレベルにおいても関連する可能性があると指摘するパラグラフを入れることを疑問視し、国別GHGインベントリのガイドラインというのが委任事項であると指摘した。このパラグラフを削除した後、このセクションで合意がなされた。

6. 2019年精緻版特有の発展事項:1巻(一般的なガイダンス及び報告作成):参加者は、GHG排出推計値と大気計測との比較に関するパラグラフを水曜日及び木曜日に議論した。米国、ドイツ、フランス、英国のコメントの後、この文章は、大気計測及びインバース・モデルをインベントリ排出量推計値に対するインプットとして、または推計値との比較を目的に用いる場合の主要な構成要素及びとるべき段階に焦点を当てることを示唆するよう修正された。

間接的GHG排出量に関するパラグラフについて、TFI 共同議長のCalvoは、執筆者に対し、メタンなどCO2の前駆体を論じるときは、二酸化炭素(CO2)への言及を省略するとのカナダの提案に応じ、表現を工夫するよう要請した。間接的なGHG排出量は、既にGHG排出量として計算に入れられていない炭素含有化合物の排出から生じる可能性もあると説明する新しい表現を導入、その後、参加者は、GHGインベントリの「計算に入れられていない(accounted for)」という表現を「報告されていない(reported in)」と変更するというドイツの要請について合意した。さらに、説明のための脚注を追加し、これらの化合物には人為的な活動で排出された未酸化カーボンが含まれていること、CO2はこれらの活動から直接放出されないが、一定時間後に大気中で形成されることが記載された。その後、この文章は受け入れられた。

ドイツは、植物性バイオマスCO2は他のCO2とは異なると主張、フィンランドの支持を得て、概要の章においては、報告のガイダンス及び表に関し、報告書主文の第8章を反映させるよう提案した。調整役代表執筆者(CLAs)は、新しいパラグラフの作成に同意し、木曜日にそのパラグラフを提示した。国別GHGインベントリの対象範囲に関するパラグラフ案は、報告の観点におけるCO2回収の取り扱い方、及びバイオ炭の生産による排出量、並びに浸水域からの排出量の取り扱い方を論ずる。新しいパラグラフは受け入れられた。

2(エネルギー)この文章は、初め水曜日に議論された。燃料転換による漏洩排出量に関し、ドイツは、フランス及び米国の支持を得て、エネルギー部門における非燃焼型非CO2排出量について全て報告することを提案した。エネルギー及び農業、林業、他の土地利用(AFOLU)に関するCLAsは、バイオ炭は燃料転換プロセスからきたものではなく、エネルギー・コンパイラーにはわからないことから、2006年ガイドラインとの一貫性に鑑み、発生場所で排出量を報告するのが原則であると答えた。参加者は、バイオ炭はその目的が異なっており、この第2巻の対象とすべきか、それとも第4巻(AFOLU)の対象とすべきか議論した。フランス及びドイツは、農業用の肥料として用いる場合はAFOLUに入れることを希望した。この問題はクロスカッティング・イシューと考えられ、執筆者間の追加協議に回された。非公式協議のあと、バイオ炭は、この部門における燃料転換からの漏洩排出量排出源リストに加えられた。ロシアの懸念に応じ、第3巻(産業プロセス及び製品の利用)と第4巻(AFOLU)との漏洩排出量手法論の議論とも相互に参照しあうことが、このパラグラフの最後に加えられた。

一つの国の唯一の情報源またはデータから派生する排出係数に関する、サウジアラビアからの質問に応え、CLAは、ティア1の技術または実施方法に固有の排出係数を作成するのがマンデートであると回答した。ティア1は、必要な情報の量、並びに分析上の複雑さの度合いからして、IPCCの手法論アプローチ分類の中でも、最も複雑さが少ないものであり、最も複雑なのはティア3である。

サウジアラビアは、掘削活動からの漏洩排出量に対する新しいガイダンスについて、別な質問を提起、CLAは、このガイダンスは多数の報告オプションを提供する一方、対象範囲は拡大されておらず、報告作成の負担が増すわけではないと明言した。

土曜日午後、このセクションの全体が審議された後、サウジアラビアは、イランとアルジェリアの支持を得得て、第2巻の石油及びガスの掘削、並びに石炭の採掘では扱いに一貫性がないと反対意見を述べ、石炭は石油やガスよりもはるかに多い量を排出すると述べた。

CLAは、一連の生産タイプを通して公的に利用可能なデータがあるエネルギー源のみが、ガイドライン本文の指示の対象であると回答した。排出量そして/または除去量の理解が進んでいない場合、不十分な情報しかない場合、2006年のガイドラインに従い、当該排出源に関する情報は付録の中に記載されることになる。別なCLAは、石炭、石油、ガスでは存在する深さが異なり、石炭の場合、漏洩排出量の計測に使用可能なガスの噴出がみられないと指摘した。

サウジアラビアは、石油及びガスの科学的文献に記載される確信度は低いと主張、精緻版にある石油とガスに関する新しいセクションは付録に置くべきだと述べた。

ノルウェーは、米国、英国、中国、アイルランド、ルクセンブルグ、スイス、カナダの支持を得て、参加者に対し、これらのエネルギー・タイプについての科学的理解の程度に関する執筆者の判断を尊重するよう促したが、サウジアラビアは、執筆者を尊重するからといって、精緻版の他のセクションで執筆者が表明した意見の変更を求めるという参加者の行為が防げられるものではないと指摘した。同代表は、石炭に関するガイドラインを扱う特別な報告を提案した。

TFI共同議長のCalvoは、関心のある諸国及び執筆者に対し、この問題の非公式な議論を重ねるよう求めた。

土曜日午後及び日曜日午前中の非公式協議の後、TFI共同議長のCalvoは、日曜日午後にも議論を再開し、石油掘削に関する一部の関連情報は、付録から報告書本体の主文に移されたが、執筆者は、石油及びガスに関する文章を変更する必要はないと感じていると指摘した。

サウジアラビアから引き続き反対意見が出されたのに応え、TFI共同議長のCalvoは、IPCC原則及び手順により意見の一致に至らなかった場合には、次の二つのオプションが認められていると指摘した:該当する文書の中の科学的、技術的、または社会経済的問題での意見の違いを示す;または会合報告書の中に政策または手順の問題における意見の違いを記録する。同共同議長は、参加者に対し、異なる意見を全て書面で提出するよう招請した。

サウジアラビアは、イラク、アルジェリア、シリア、エジプト、イラン、イラクの支持を得て、IPCC原則及び手順の適用に強い異論を唱え、自分たちの反対意見は科学的な特徴を持つと指摘し、偏見を受けたと嘆いた。TFI共同議長のCalvoは、この意見対立は報告書本文に関するものであり、執筆者が最終決定すると強調した。

タンザニアは、トーゴ及び南アフリカの支持を得て、妥協に達するための更なる時間を求めた。

一人のCLAは、石炭掘削からの漏洩排出量の計算に関する文章及び数式は、報告書本文に追加されたと確認、しかし石炭採掘からの漏洩排出量に関する文献はあまりにも少なく、したがって排出係数は専門家の意見の問題に過ぎないと指摘した。

TFIの両共同議長は、さらなる非公式協議を提案し、これにあわせ会合を延長するよう求めたが、ニュージーランドは、夜遅くに最終決定を行うことは定足数の不足のリスクがあるかもしれないと警告した。

追加の非公式協議では、石油及びガスの漏洩排出量に関するセクションを、全体的または部分的に、付録に移すことで合意がなされず、CLAsは、石油及びガスに関する科学研究は本文に入れるだけ豊富にあると再度述べた。TFI共同議長のCalvoは、参加者に対し、基礎となっている報告書の交渉は行うことができず、また科学も尊重しなければならないと想起した。

カナダは、ギャップもしくは誤謬を発見したIPCC加盟国は、評価のための修正案を提出できるとする公式の誤謬回避プロトコルの存在を指摘した。

ノルウェーは、フランス、英国、カナダ、スイス、中国の支持を得て、参加者に対し、IPCCの十全性を守り、意見の一致がない状況を対象とする原則及び手順を用いるよう促した。TFI共同議長のCalvoは、いかなる国も、異なる意見を有する国は、書面で異なる意見を提出し、原則10(b)項に則り、記録してもらうことができると再度述べた。サウジアラビアは、自国の反対意見が記録されるよう進めることに同意した。この条件に基づき、このセクションで合意がなされた。

3巻(工業プロセス及びその製品の利用):インドは、鉄鋼生産からの排出量の報告について、本来の第1ティアの手法論が適当ではなく、第3ティアは実施可能になっていない場合のガイダンスを要請した。CLAは、第1ティアは世界全体の一般的な平均に関する情報を提供しており、最も精密なオプションとは言えないという点に同意し、TFI共同議長のCalvoと共に、各国が自国の状況により適している数値を見出せる排出係数データベース(Emission Factor Database)を指摘し、これを第2ティアに適用するよう指摘した。このセクションは、変更なしで合意された。

4巻(農業、林業、他の土地利用):この第4巻に関する議論は、木曜日のプレナリーで開始され、この週を通し、コンタクトグループ及び非公式協議でも続けられた。

経年変動性(IAV)に関し、ロシアは、自然のかく乱による分散(disaggregating)排出量及び除去量について提案されている新しい手法に対し、懸念を表明し、自然の及び人為的な排出量や除去量を差異化するのは不可能ではないが、極めて複雑であり、誤った結論に結びつく可能性があると指摘した。同代表は、このような限界があることから、自然のかく乱の基礎水準という現在の利用を維持し、人為的な排出量及び除去量の推計には管理された土地での近似値を用いることが、完璧ではないが、少なくとも透明性を可能にするとして、この方法が望ましいと述べた。

フィンランドは、この提案を支持し、一部の土地利用に自然の影響を排除する一方で、他の土地利用では排除しないというのは、アンバランスであると付け加えた。米国は、同様に、この方法の付加価値に疑問を呈し、国別の定義は比較可能性に課題を突き付けるものであり、一貫性の無さや抜け道につながる可能性があるとして警鐘を鳴らした。同代表は、各国の合計量の報告は維持する必要があると強調した。

イタリアは、完全性及び比較可能性を確保することが重要であると強調し、インベントリのとりまとめ作業者が作業を行えるようにするには、自然のかく乱を明確に定義する必要があるだろうと述べた。

これと対照的に、カナダ及びオーストラリアは、2019年精緻版にあるガイダンスは、2006年ガイドラインを大きく改善するものであり、二次的な近似値としては、大きな自然攪乱のあった国が、排出量及び除去量の推進要素を明らかにし、分散させることが可能になり、これにより、政策立案者はより良い決定を行うのを助けると述べた。

CLAは、自然の影響と人工的な影響とを明確に区別する困難さを認識し、そのような区分に関するガイダンスは、二次的手法として各国が自主的に利用できるよう提案されているもので、一次的手法は依然として管理された土地の近似値であると説明した。同CLAは、米国に対し、各国の合計値は依然として報告されるものであり、このガイダンスは、報告作成をさらに進めたいと希望する各国のためのものだと強調し、これは推計目的のもので、計算のためのものではないと付言し、計算方法は、UNFCCCの決定に依存すると再度確言した。ロシアは、報告書が計算の土台を形成しており、このため両者の関係を無視できないと指摘した。

米国、ロシア、フィンランドは、自然のかく乱に関するセクションを付録に移す可能性を提案し、これが適用されるのは少数の国にすぎないと述べた。CLAは、これは検討可能であると同意した。

議論はコンタクトグループでも続けられ、会合期間を通して無数のコンタクトグループ会合がもたれた。土曜日午後、コンタクトグループ報告官のRiitta Pipatti (フィンランド)は、同グループでは表明された懸念について議論したと報告した。同報告官は、概要の章のパラグラフを修正し、各国の合計量に関し報告する必要性を明確にしたと説明した。同報告官は、この文章は自然攪乱現象のためIAVが高い値となっている諸国に対し自然攪乱の分散化された寄与分を報告するため、高次の手法ではなく、追加の報告オプションとして、一般的な手法論が提供されていることを明らかにしていると述べた。

土壌カーボンに関し、ドイツは、バイオ炭の長期安定性を推計するため、第1ティアの手法論を用いることへの懸念を表明した。CLAは、これに応えて、多くの国では、第2ティアの手法を用いるための特別な手段が利用可能ではなく、バイオ炭の長期安定性に関し何らかの情報を得るには、第1ティアレベルでの正確さでは劣る温度計測を用いることができると述べた。

インドは、土壌鉱物(mineral soil)にバイオ炭を加えた場合の効果には不確実性が残り、科学知識の現状を一層進展させていかなければならないと指摘した。

CLAは、バイオ炭に第1ティアの手法論を使う資格を与えるには、当該物質は低温の熱分解(限定酸素下での加熱)で生産されなければならないと説明した。同CLAは、他の製法で生産されたバイオ炭を含めるようバイオ炭の定義を拡大する、または耕作地や草原以外の生態系におけるバイオ炭にも第1ティアの手法を用いるとの提案を拒否した、しかし同CLAは、他の生態系におけるバイオ炭の影響を扱う場合、第2ティアまたは第3ティアの手法を用いることは可能だと指摘した。

ドイツは、バイオ炭の永続性について、特にバイオ炭が適用される土壌タイプの多様性の影響を考えると、疑問であると述べ、その長期安定性に関する大きな不確実性を扱うため、定期的な検証を手法論に入れるよう求めた。

CLAは、バイオ炭は、温度制御がなされない、または特に規定されない音戸で生産されたバイオ炭は、第1ティアレベルの分析には適していないという点に同意した。同CLAは、方向書本文におけるFperm𝐩 (100年後も残余しているバイオ炭カーボンの割合)に関するデフォルト値について、これは温度が制御されていないまたは特定されていない熱分解の温度で生産されたバイオ炭を指すようなデフォルト値の行を、表から除去することに同意した。

CLAは、ドイツ及びフランスの懸念に対応し、バイオ炭は本来独自の小分類を与えられており、第1ティア手法は土壌ミネラルのみに適しているもので、有機土壌のためのものではないと指摘した。同CLAは、既に炭素を含んでいる土壌にバイオ炭を追加した場合のプライミング効果を認めたが、このような効果はより高度なティアレベルでのみ計測可能であると述べた。

非公式協議の後、CLAは、報告書本文にあるバイオ炭の第1ティア手法に関する情報及びガイダンスは付録に移行されると報告した。TFI共同議長のTanabeは、報告書本文における変更が概要の章に影響を与えることはないと指摘した。

金曜日にこの問題に立ち返った際、耕作地及び草原における土壌ミネラルの中の土壌カーボン貯蔵分をバイオ炭で変更した場合の影響を推計する「デフォルトの」手法に関する精緻版への参照は、第2ティア及び第3ティアの精緻版であると特定するよう変更された。

浸水地に関し、ロシア、米国、フランス、イタリア、フィンランドは、「土地が管理されないまま残された場合に起こりうる排出量の排除」に関係する新しい手法について懸念を提起した。これら諸国は、この手法は他の土地利用に対するガイドライン及び主要なIPCCの概念と合致していないとし、この手法の導入は深刻な問題をひきおこすと指摘、米国は、「そうでなければどうなったか(would have occurred otherwise)」を考えることは仮設という特性を持ち、報告書に含めるべきでないと述べた。

ロシアは、人為的な排出量と自然の排出量を区別する必要があると強調し、それが不可能なら、2006年IPCCガイドラインに対する湿地補足版に規定する現在の手法を続けることが望ましいと提案した。

CLAは、表明された懸念は理解できるが、手法論はIPCC-44の委託事項への対応で策定されたもので、この委託事項では「土地が転換されなかった場合に起きることを除外する(factoring out what would happen if the land had not been converted)」よう求めていたと述べた。TFI共同議長のCalvoは、TFI共同議長の仕事は委託事項に従うのを確保することだと指摘した。WGII副議長のSergei Semenovは異論を唱え、IPCCは科学組織として事務方の誤りを科学的な問題より優先することはできないと述べ、「そうでなければおきたはずの排出量」への言及を、排出量及び除去量の自然界の部分を排除するとの言及に置き換えることを提案した。米国は、第4巻及び概要の章にある「排除する(factoring out)」との全ての言及を削除するよう求めた。

フィンランドは、手法は付録に置く方が良いと提案した。

CLAは、概要の章でのこれらの言及を削除することの問題点は概要の章が報告書本文の手法論を全面的に対応していないものになると述べた。

ノルウェーは、表現を変えることや文章を付録に移行することに反対し、執筆者への信頼、さらには手法について科学的な根拠があるとの保証を信頼するよう求めた。ブラジルは、この主題に関する研究件数に注目するよう求め、委託事項を変更するという前例を作ることに警鐘を鳴らした。

コンタクトグループでの議論が続けられ、この週のうちに多数回の会合がもたれた。土曜日午後、コンタクトグループ報告官のRob Sturgiss (オーストラリア)は、表明された懸念に対応するため、執筆者及び参加者は、変更を行うことで合意したと報告した。その後、プレナリーは、概要の章のパラグラフに対するこのグループの提案する変更で合意した。洪水地に関するパラグラフにおいて、本来は「土地が管理されないまま残された場合に起こりうる排出量を排除する方法を含める手法(methods include approaches for factoring out emissions that would have occurred otherwise if the land remained unmanaged)」とされていた箇所の文章を、「手法に含まれるのは、管理された土地の代用後の合計排出量の推計値、及び土地が管理されないまま残った場合に起こりうる排出量を排除するための合計手法の人為的な部分を推計する暗示的推計値を作成するオプショナル手法である(methods include estimation of total emissions following the managed land proxy and an optional method to develop indicative estimates of the anthropogenic component of total approaches for factoring out emissions that would have occurred otherwise if the land remained unmanaged)」を反映するよう変更された。

これをもって、このパラグラフは合意された。

5()このセクションは提示された通りで承認された。

IPCCプレナリー及び2019年精緻版の採択:日曜日夜、IPCC議長のLeeは、IPCCプレナリーを再開、2019年ガイドラインに関する決定書(決定書IPCC-XLIX-9)を採択した、この決定書には、一部の国が保留しているとの言及が含まれた。サウジアラビアは、石油、ガス、石炭の採掘からの漏洩排出量の報告書上の扱いに対する自国の強力な反対意見をよりよく反映する決定書の表現に変更するよう求めた。スイスは、ドイツと共に、提案された表現は一つの問題だけでなく2019年ガイドライン全体について意見の一致がないような印象を受けるとして、懸念を表明した。南アフリカは、会合において異なる決定が採択されたかに関する不一致を指摘し、決定が採択された方法を明確にするよう求めた。

さらなる協議が行われた後、IPCC事務局の法律及びリエイゾン。オフィサーであるSophie Schlingemannは、加盟国が意見の一致に至らなかった場合に発揮されるIPCC原則10(b)項への言及を含める、決定書文章の改定を発表した。

サウジアラビアは、イラン及びイラクの支持を得て、自分たちの反対意見を反映するより明確な表現を希望した。ドイツは、ニュージーランド、IPCC副議長及び科学理事会議長のKo Barrett、英国、ノルウェー、米国、スイス、日本、フランス、スウェーデン、ベルギー、スペインの,支持を得て、IPCC原則及び手順を理由として挙げ、これに従うべきとし、決定書の文章に「反対意見(objections)」という表現を挿入することに反対し、特定の反対意見は会議報告書において記録されると再度述べた。

その後、サウジアラビアは、原則10(b)項の全文を決定書に直接挿入することを提案したが、スイス及び他の諸国は反対した。IPCC副議長のBarrettは、原則10(b)項の文章を脚注に入れるよう提案し、オランダ、ロシア、フランス、米国、アイルランド、アルジェリア、ノルウェーはこれを支持した。ドイツは、ノルウェーの支持を得て、バランスを確保するために決定書で言及された他の原則の全文も脚注に入れるよう求めた。サウジアラビアは、これに反対し、議論されている問題は意見の一致が無い場合を議論する原則10(b)だけであると指摘した。IPCC議長のLeeは、原則10(b)項を含める必要性を取り巻く例外的な状況を指摘し、ドイツに対し、修正された文章を受け入れるよう懇願した。ドイツは、前例を作ることに警鐘を鳴らし、このプロセスの展開方法は「ひどいものだ(outrageous)」と称した。しかし同代表は、遅い時間を考え、原則10(b)項を脚注に入れると言う決定を受け入れる柔軟性を示した。これにより、この決定書は, 採択された。

採択の後、ドイツは、TFI共同議長、執筆者、査読編集者、各章の科学者、ならびに他の多くのものに対し、何か月にもわたる激務への心底からの感謝を表明した。TFI共同議長のTanabeは、2019年ガイドラインを、PCCを含め、大いなる努力と献身の生涯を送った英国のJim Penman氏に対する追憶に捧げるとのパネルの合意を想起した。英国は、Penman氏の科学者としての長年にわたる優れた業績を称賛するとともに、人としての温かさや親切な心もたたえた。

最終決定:決定書(Decision IPCC-XLIX-9)において、パネルは、特にIPCCの作業を統治する原則の原則10(b)項に則り、概要の章を採択し、その根拠となった手法論報告書を承認した。脚注には原則10(b)項の全文が記載される。

概要の章には6つのセクションが含まれる。セクション1はであり、2019年精緻版は下記を提供すると記載する:

  • GHG排出源及び吸収源に関する補足手法論、ただし現在ギャップが存在している場合、または新しい技術及び生産プロセスが登場し手法論の推敲が必要になった場合、さらには、2006年のIPCCガイドラインでは十分にカバーされていなかった排出源及び吸収源の場合のみ;
  • 最新の利用可能な科学情報に基づく排出係数及び他のパラメタ―のデフォルト値の更新、ただし、2006年IPCCガイドラインに提示されたデフォルト値と比較し大きな差異が明らかにされた場合のみ;
  • 追加もしくは別な最新の情報及び可能な場合はガイダンス、ただし2006年IPCCガイドラインにある既存のガイダンスの明確化または推敲として。

セクション2は、2019年精緻版に関する背景情報を示す、これにはそのマンデート及び作成作業も含まれる。

セクション3は、2019年精緻版を用いる場合に、留意すべき2006年ガイドラインから変更されていない主要概念を明示する。

セクション4は、2019年精緻版の対象範囲を論じ、精緻版には2006年以降、科学的に進展があったと考えられる分類、または新しいもしくは追加のガイダンスが必要になったと考えられる分類のみが含まれる。

セクション5は、2006年ガイドラインとの関係を説明する。このセクションでは2019年精緻版は2006年IPCCガイドラインを改定するものではなく、ギャップが存在するまたは時代遅れの科学が認められた場合、2006年ガイドラインを更新、補足、そして/または推敲するものであると説明する。加えて、精緻版は、ガイドラインに代わるものではなく、むしろガイドラインと結びつけて用いる、さらに指摘された場合は、湿地補足書とも結びつけて用いるものである。

セクション6は, 2019年精緻版に特有の発展に関するもので、5つの巻(volumes)を含める。第1巻は、一般的なガイダンス及び報告に関するもので次のパラグラフを含める:

  • 国別GHGインベントリのアレンジ及び運用ツール:
  • データ収集戦略;
  • インベントリにおける施設レベルのデータの利用;
  • 不確実性分析;
  • 主要分類分析;
  • 非線形補間法(non-linear interpolation);
  • GHG排出推計値と大気計測の比較;
  • モデルの利用及び報告;
  • 間接的GHG排出量。

第2巻はエネルギーに関するもので、2019年精緻版における手法論の更新が行われたのは全て漏洩排出量分類のものであると説明する。これには、次に関するパラグラフが含まれる:石炭の採掘、加工、貯蔵及び輸送からの漏洩メタン(CH4)及びCO2排出量;石油及び天然ガスのシステムからの漏洩排出量;燃料転換からの漏洩排出量。

第3巻は、産業プロセス及び製品の使用に関するもので、新しい分類及び新しいガスを論じ、2006年ガイドラインの範囲を拡大し、GHGの排出源であることが明らかになったより多くの製造部門を含める、この中には水素、希土類メタル(rare earth metals)及びアルミナの生産、配電盤の防水が含まれる。加えて、繊維、カーペット、レザー、紙類のフッ化処理における将来的な手法論発展の根拠も提供する。

精緻版は、次の部門でのガイダンスの更新も行う:硝酸、フッ化化学品、鉄鋼、アルミニウム、電子製品の生産、冷蔵及びエアコン機器の生産と利用。

第4巻は AFOLUに関するもので下記のパラグラフを含める:

  • ティア3のモデル;
  • IAV;
  • バイオマスの推計値;
  • 土壌カーボン;
  • 米作;
  • 洪水地;
  • 家畜及び肥料管理;
  • 土壌N2O;
  • 伐採木材製品。

第5巻は廃棄物に関するもので下記のパラグラフを含める:

  • 廃棄物の発生、構成、管理;
  • 埋立地からのCH4排出量の推計;
  • 焼却及び廃棄物の戸外での燃焼;
  • 排水処理からのCH4排出量;
  • 排水処理からのN2O排出量;
  • 排水処理及び放出からの非生物性(化石)CO2排出量;
  • 水生環境への放水。

IPCC信託基金プログラム及び予算

この議題項目は、初めに水曜日に議論され(IPCC-XLIX/Doc.2)、資金タスクチーム(FiTT)のその後の会議でも議論された。

韓国は、2020年まで、約CHF120,000の信託基金への毎年の寄付を続けると指摘し、さらにAR6 SYR TSUを支援するため、2019年から毎年CHF 445,000の寄付を追加で提供すると指摘した。

2019年、2020年、2021年、2022年の予算:日曜日午後、FiTT共同議長のHelen Plumeは、FiTTはIPCC-49の期間中、数回会合し、参加者に最新の予算案を提示したと指摘した。同共同議長は、SLCFの決定書の結果として行われる新しい活動も考慮に入れられていると指摘した。この予算は承認された。

最終決定:決定書(IPCC-XLIX-8)において、パネルは、FiTTの提案に基づき、特に下記を行った:

  • 2019年及び2020年の予算改定案を承認し、2021年で予想される予算及び2022年の見込み予算を指摘する;
  • 加盟国、特に開発途上国及び国際機関からの寄付及びプレッジに対し、感謝の念と共に歓迎し、全加盟国に対し、IPCCの長期的資金安定性のため、それぞれの資金支援を維持する、もしくは増額することを奨励する;
  • 加盟国に対し、IPCC信託基金に対する最初の寄付を行い、寄付者の基盤拡大を図るよう奨励する;
  • 加盟国に対し、実施可能な限り早期に、資金の移転を行うよう奨励する;
  • WMO、UNEP、UNFCCCに対し、その資金援助に対する感謝を表明する;
  • 作業部会を横断するリンクを支援するため、代表執筆者会議に参加する旅行回数を追加できるだけの柔軟性をもたせるべく、予算割当額の20%まで、資金の再配分を行う権限を事務局に授与する。

資源動員;IPCC事務局長のAbdalah Mokssitは、この議題項目(IPCC-XLIX/INF.5, Rev.1)について報告し、IPCCは軌道にのってはいるが、更なる資源動員が求められると述べた。同氏は、特に2013年以後では寄付の件数が24から39に増加し、これには開発途上国及び経済移行国からのものも含まれ、プレナリーのホスト国から翻訳に関し、多額の支援があったことを強調した。

ドイツは、FiTTに対し、資源動員の必要性の現実的な評価を示す予算に改定するよう求めた。パネルはこの文書に留意した。

運転資本予備費:事務局は、この議題項目(IPCC-XLIX/INF.3)について報告し、予備費はIPCCの資金がとん挫する、または一時的な現金不足に陥る場合でも、運用可能であり続けることを確保するためのものだと指摘した。同事務局代表は、最低200万スイスフランの運用資金レベルの運転資本予備費を設置し、この金額を定期的に見直すとの提案を示した。この提案により、FiTTは、プレナリー会合中の資金引き出しに向け、パネルに提案を提出し、執行委員会は必要な場合、会合期間外での資金引き出しを承認する権限をゆだねられ、資本予備費は資金引き出し後12か月で補てんされる。

事務局は、オランダ及び英国の質問に応え、運転資本予備費は既存の一般予備費から出され、信託基金の中から一般予備費から補てんされることを明言した。

WG III共同議長のJim Skeaは、執行委員会の立場で発言し、資金引き出しの承認に関係する受託責任に執行委員会メンバーの科学者の一部における不安感を表明した。IPCC議長のLeeは、執行委員会の業務の中には会合期間外での緊急の行動が求められるような、新たに生じる問題に取り組むことが含まれると述べた。

パネルは、この文書に留意した。

IPCCの資金安定性:IPCC事務局次長のKerstin Stendhalは、IPCCの資金的安定性を評価する外部コンサルタントの委託条件案(ToR) (IPCC-XLIX/Doc.6, Rev.1)を提示した。参加者からのコンサルティングに対する質問は、業務範囲、その必要性、適切な資金源に及んだ。

IPCC副議長のThelma Krugは、短期の安定性と長期の不確実性の違いを強調した。IPCC副議長のYouba Sokonaは、IPCCの科学者は資金調達者ではなく、資金動員者でもないと指摘した。米国、スウェーデン、スイスは、IPCCの資金は各国政府の責任であるべきで、パネルの成果に影響を及ぼす可能性がある他の組織の責務ではないと警告した。

Stendhal次長は、事務局は、コンサルタントの必要性は現在のところ急務ではないと見ていると答え、FiTTにおいてさらなる議論を重ねるよう提案、合意された。

2017年決算書の監査:事務局は、2017年決算書の監査(IPCC-XLVI/INF.2)について報告した。同代表は、この決算書には何の問題もなかったとし、2018年の決算書については完成次第、配布されると述べた。パネルは、この報告に留意した。

IPCCジェンダーに関するタスクグループの報告

水曜日、プレナリーではIPCCジェンダーに関するタスクグループ報告書(IPCC-XLIX/Doc.10)の審議が行われた。同タスクグループ共同議長のPatricia Nying’uro (ケニア)は、同タスクグループは、IPCCにおけるジェンダー・バランスを改善し、ジェンダー関連の問題を議論するため、目標及び行動の枠組を策定しようとしたと述べ、同タスクグループの報告概要を紹介した。

タスクグループ共同議長のDiana Liverman (米国)は、性の偏見の経験や認識に関するIPCC参加者間の調査に533件の回答があり、その大多数は、前向きなものであったが、女性は一貫して前向きな回答をする割合が少なかったと報告した。同共同議長は、回答した女性の8%は、セクシャルハラスメントの経験を指摘、16%は受けたことがあると報告した。

タスクグループ共同議長のMarkku Rummukainen (スウェーデン)は、IPCCのジェンダー・バランスは、これまでのところ、改善されてきたが、さらなる行動と前進が必要だと述べた。同共同議長は、この報告の下記の提案に注目するよう求めた:

  • 候補指名においては、国レベルでジェンダー・バランスを主流にする;
  • 訓練及びガイドライン;
  • IPCC会議への出席に関係する旅行の安全性や女性の健康への配慮;
  • ジェンダー政策、実施計画、行動委員会の開発;

議論において、参加者は、報告書やその提案、さらには実施を進めるプロセスについて、支持を表明した。オランダは、ノルウェー、スイス、中国、ニカラグアの支持を得て、定期的な進捗報告を提案した。ノルウェーは、実施を支援するジェンダー委員会のToRを策定し、IPCCプレナリーに定期的に進捗報告を行うよう求めた。ルクセンブルグは、そのようなToRの議論に関心を表明した。

カナダは、同様の委員会設立での経験を指摘、フランス、EU、英国、中国、ウクライナは、そのような委員会への参加に関心を示した。

オーストラリアは、ノルウェーの支持を得て、第7次評価報告書(AR7)にジェンダーに関する推奨案を統合するよう求めた。ノルウェーは、適応及びマイクロファイナンスにおけるジェンダーの違いに注目した。ジンバブエ及びエクアドルは、ジェンダーと他の項目、たとえばIPCC奨学金プログラム、気候科学における開発途上国及び女性の参加などとをリンク付けし、IPCCの質が損なわれないようにするよう提案した。

WG III副議長のRamon Pichs-Madrugaは、IPCCの報告書ではジェンダー問題に対応する行動を評価するためのシステムを開発すべきだと付け加えた。WG I共同議長のPanmao Zhaiは、ジェンダーの偏見は執筆者の候補者指名から始まっていると指摘した。ルクセンブルグは、候補者指名においてジェンダー・バランスを達成する上で小国が直面する困難を強調した。

ボリビアは、UNFCCCにはジェンダー・チームがあると想起し、ジェンダー・バランスを強化するため、各地の窓口を支援するよう求めた。

WG II副議長のAndreas Fischlinは、女性のCLAs任命における困難を指摘し、将来のIPCC報告書では女性の参加に関する統計データを含めるよう提案した。

WG I共同議長のValérie Masson-Delmotteは、女性の科学者がCLAsに応募することを奨励するよう求めた。タスクグループ共同議長のLivermanは、ジェンダー・バランスに関し、一貫して報告を行っているのは、国連教育科学文化機関(UNESCO)だけであると指摘した。

タスクグループ共同議長のNying’uroは、受けたコメントに対応し、ジェンダー問題はIPCC報告書で議論されるべきことに同意した。ドイツは、ジェンダー問題は、ジェンダー委員会よりもスコーピング会議で取り上げるよう求めた。

共同議長のRummukainenは、ジェンダー・バランス及び関係問題の考察を指名プロセスに本流に入れるべきだと述べ、たとえIPCCがそれ自体の「ジェンダー窓口」の指名を希望しない可能性がある場合でも、そのプロセスは少なくとも透明なものにすべきだと述べた。IPCC事務局次長のStendahlは、窓口としての女性の指名割合は議論されることになると述べた。

IPCC議長のLeeは、タスクグループ共同議長に対し、タスクグループの推奨案に関する決定書草案を作成するよう招請した。事務局次長のStendhalは、コンタクトグループにおいて、提案されている委員会のToRを策定することを提案した。

土曜日午後、タスクグループ共同議長のNying’uroは、ジェンダー及びジェンダー関係問題に関するタスクグループからの決定書草案(IPCC-XLIX/Doc.10, Rev.1)、及びジェンダー政策と実施計画の草案作成に関する文書に、オープンエンドなジェンダー政策及びジェンダー実施計画に関するタスクグループ(TGジェンダー)の作業遂行のToRを含む附属書を付して、プレナリーでの審議のため、提起した。

日本は、この問題の重要性を指摘すると同時に、ジェンダーの懸念はIPCCのみのものではなく、社会の全てのものにとっての問題であり、このため、IPCCとその事務局、あるいはメンバーには、このような現実とバランスを取る形で負荷を課す必要があると警告した。

この決定書は採択された。

最終決定:最終決定書(IPCC-XLIX-5)において、IPCCは、特に次を決定する:IPCC-52での審議にかけるためのジェンダー政策及び実施計画の草案を作成するTGジェンダーを設立し、附属書に記載するこのタスクグループのToRを採択する。

ToRは、特に次のとおり記載する:

  • TGジェンダーは、IPCCメンバー、議長団メンバー、TSUのスタッフに開かれたものとし、その議長はIPCC副議長のKo Barrettが務める;
  • 適切な場合、外部の専門家を招くことができる;
  • TGジェンダーは、IPCCのジェンダー政策及びジェンダー実施計画の草案を作成する;
  • この実施計画では、行動、タスク、役割、責任が明示されるほか、計画実行の進捗状況をモニタリングし、報告するためのモダリティや、レビュー、将来の実施計画の更新を明らかにし、これには予算への影響を含める。

進捗状況報告

Ad Hoc 資金安定性に関する特別タスクグループ:金曜日、IPCC副議長でATG-資金の共同議長でもあるYouba Sokonaは、IPCCの資金安定性に関する当該議題項目においては、コンサルタントのToRに関する議論以外、さらなる作業はなされていないと報告した。パネルは、同副議長の口頭での報告に留意した。

グローバルストックテイクの観点からみたIPCCの将来作業の構成に関するタスクグループ:水曜日、グローバルストックテイクの観点からみたIPCCの将来作業の構成に関するタスクグループ(TG-FWLGST)共同議長のÉric Brun (フランス)は、同タスクグループの進捗状況報告書を提出、これまでの進捗状況は同タスクグループの行動計画(IPCC-XLIX-INF.6)に沿っていると指摘した。タスクグループは、IPCCの将来作業の構成に関する意見を募り、20件の提出文書を受け取った。

共同議長のBrunは、将来作業のオプションについては木曜日のTG-FWLGST会合でより詳細な議論を行うと述べ、この会議の結果はプレナリーに提示されると述べた。サウジアラビアは、IPCC-49はこの問題に関する決定を行わないことの確認を求めた。コンタクトグループは会合し、進捗報告書において提案されたオプションについて、追加の議論を行った。

土曜日午後、タスクグループ共同議長のMaría Amparo Martínez Arroyo (メキシコ)は、コンタクトグループの成果について報告し、タスクグループは将来のIPCC作業に関する多様な代案の是非を判断するための33件の基準を策定しており、これには特に関連性及びタイムライン、科学的な十全性、気候変動の指導的権限を有する組織としてのIPCCの役割、予算と作業量、政府、TSUs及び執筆者の参加可能性などが含まれると説明した。

IPCC-52に対するTG-FWLGSTの報告書作成の進捗状況について、共同議長のBrunは、パネルの審議にかける2件の代案を想起した:一つは、既に特定されている7件のオプションに基づき、将来作業に関する決定を行う;または、決定を行う前に、IPCC及びUNFCCCからさらなる情報を集めて検討するである。同共同議長は、コンタクトグループでは次の第3の代案が提案されたと述べた:UNFCCCの要請があればGST用のペーパーを作成する。

共同議長のBrunは、IPCC-52への報告に関しては、まだ多くの作業を行わなければならないと指摘し、これには異なるオプションの是非に関し、意見を集め分析すること、ならびに決定をIPCC-52で行うべきかどうかの検討が含まれると述べた。

ベルギーは、分析しやすいよう、書面での意見発表に数字のコード付けをして補うよう提案した。

パネルは、タスクグループの報告に留意した。

SROCCCWG II共同議長のHans-Otto Pörtnerは、進捗報告書(IPCC-XLIX-INF.7)を提出、現在、2次草案に対するコメントを受け付けており、最終草案の各国政府への配布及びSPM草案の最終的政府査読は2019年6月から8月の間に行われると指摘した。 さらに同共同議長は、報告書草案の査読における経験の浅い科学者の参加を奨励し、訓練する努力を協調した。パネルはこの報告書に留意した。

SRCCLWG III共同議長のJim Skeaは、進捗状況報告書(IPCC-XLIX/INF.10)を提出し、3回の執筆者会合に焦点を当て、最終草案とSPMは2019年4月29日、最終政府査読用に提示されたと指摘した。さらに同共同議長は、IPCC-47以降の積極的なアウトリーチ・プログラムに焦点を当てた。パネルは、この報告書に留意した。

AR6WG I報告書:WG I共同議長のPanmao Zhaiは、進捗状況報告書(IPCC-XLIX/INF.12)を提出し、クロスカッティング・イシューに関する作業部会を横断する協力に焦点を当てた、これには適応、地域問題、シナリオ、及び多様性と参画性に関するWG Iの訓練、並びに地域アウトリーチが含まれる。パネルは報告書に留意した。

AR6WG II報告書:WG II共同議長のDebra Robertsは、進捗報告書(IPCC-XLIX/INF.8)を提出、AR6のWG II執筆者の52%が新しくIPCCに参加したものだと指摘した。同共同議長は、章を横断するペーパーやプロジェクト、訓練に焦点を当て、ネパールのカトマンズでの第2回代表執筆者会議は、2019年7月14-19日に開催され、地域統合に焦点を当てると述べた。

ベルギー及び英国は、AR6において開発されたツール、グッドプラクティス、資料に関する全ての関連情報及び実務情報を保存し、AR7の作業の即時開始を助けるよう求めた。IPCC議長のLeeは、この分野での気候変動の評価を目的とするデータ支援のタスクグループ(TG-Data)の責任を強調した。パネルは報告書に留意した。

AR6WG III報告書:WG III共同議長のJim Skeaは、この報告書(IPCC-XLIX/INF.11)を提出、2019年4月、スコットランドのエジンバラにおける第1回代表執筆者会議におけるアウトリーチに焦点を当て、この会議には、スコットランド首相のNicola Sturgeonの参加を得たほか、執筆者の訓練及び支援を目的とする他の多くのアウトリーチイベントやウェブネアが開催されたと強調した。パネルは報告書に留意した。

AR6 SYRIPCC議長のLeeは、SYR作成の進捗状況について最新情報を示した。同議長は、2019年10月21-23日にシンガポールでスコーピング会議が開催される予定だが、モントリオールのIPCC-46で議論された予備的な概要及び要素は、スコーピング会議に議論の開始点を提供するだろうと述べた。同議長は、SYR作成で取り上げるべき質問について、インプットを提出するよう各国に求める書状の発送を指摘し、スコーピング会議出席者の指名は2019年6月2日が締め切りであると発表した。

議長のLeeは、SRsやWG報告書、TFIの作業での結論を、政策関連性を有するが政策規範的ではない形で統合し、合成するため、広範な学際経験を有する専門家を指名するよう求めた。同議長は、韓国はSYR TSUを主催し、資金を提供すると述べた。

WG III共同議長のJim Skeaは、スコーピング会議参加者の大半はSRs及びWG報告書に係わったものとなるだろうと指摘する一方で、重要な外部の観点を得るには、政策立案の背景を有するもの、及び他のグローバルな評価を行うものなど、IPCCプロセスを超える専門家の参加を得ることが重要だと強調した。

フランスは、AR6の全執筆者に広く呼びかけ、指名候補者を募るよう提案した。ノルウェーは、SYRの作業完了の正確な期限を問うた。サウジアラビアは、SYRがその基となった科学を表していると確かめるよう求めた。米国は、基となる報告書が正しく反映されており、プロセスの全段階におけるWG共同議長及びTSUsの関与を確かめることが重要であると強調した。

TFITFI共同議長のKiyoto Tanabeは、進捗状況報告書(IPCC-XLIX/INF.4)を提示し、2019年精緻版の作成プロセス及び他のTFIの活動について、詳細を説明した、特に、下記の点に焦点を当てた:

  • ティア2の家畜分類を伴うソフトウェアのバージョンは、2019年6月にリリースされる;
  • 土地利用、土地利用変化及び林業 (LULUCF)に関する作業は、2019年後半の完成が予想されている;
  • TFIは、排出係数データベースの(EFDB)維持、改善、促進の作業を継続する;
  • TFIは、2018年12月のカトヴィチェ気候変動会議において、3件のサイドイベントを開催した;
  • TFIは、 インベントリ・コンパイラーが、TFIの制作物をよく理解し、利用できるよう、UNFCCCとの協力を継続する。

共同議長のTanabeは、TFI議長団メンバーのSabin Guendehou (ベニン)が2019年6月初めに辞任し、UNFCCC事務局での業務を開始すると発表した。アフリカ地域からの後任の選出に関し、IPCC事務局長のMokssitは、アフリカの加盟国に書状を送ると述べ、新しい議長団メンバーの選出はIPCC-52で行われると述べた。

パネルはTFI報告書に留意した。

コミュニケーション及びアウトリーチ活動:木曜日、IPCC事務局のJonathan Lynnは、IPCC-48以後のコミュニケーション及びアウトリーチ活動、並びに将来計画(IPCC-XLIX/INF.9)について報告した。同氏は、SR15の完成と刊行を取り巻く活動に焦点を当て、UNFCCC COP 24におけるWMO/IPCCパビリオンなど、多数のイノベーションがあったと指摘した。

コメントと回答の時間がもたれ、参加者は、これまでの作業への感謝を表明し、多数の提案を行った。

Lynn氏は、スイスがフランス及び中国の支持を得て出した提案に応え、IPCCのホームページには他の国連プロセス及び制作物とのリンクがはられていると指摘したが、これらをより分かりやすいものにすると述べた。

WG I副議長のEdvin Aldrianは、持続可能な開発目標(SDGs)及びジェンダーに関する情報を、特に窓口に対し伝えるよう求めた。アウトリーチのイベントのビデオ制作という同副議長の提案に関し、Lynn氏は、一部はすでにライブ配信されていると指摘したが、この努力を一層進めるべきことに同意した。

フランスはベルギーと共に、SR15の他の国連用語への翻訳がまだウェブサイトに掲載されていないとして嘆いた。Lynn氏は、執筆者及び議長団メンバーに翻訳の正確さ確保の機会を提供する必要があることから、複雑な問題があると述べた。ベルギーは、多くのフランス語圏の国ではWalloon IPCC e-news bulletin(電子ニュース誌)が利用可能であると指摘し、SR15の発刊直後に特別号が出されたと述べた。WG I共同議長のValérie Masson-Delmotteは、SR15のフランス語版及びポルトガル語版の発刊における市民のイニシアティブを紹介し、国連用語を母国語とする者に対し、窓口として、翻訳の正確さ及び科学的な質を検討し、速やかな発刊を確保するよう求めた。

Lynn氏は、ベルギー及び中国の意見発表に応え、SROCCの承認は、米国のニューヨークで開催される2019年国連気候サミットと同じ日に行われることが期待され、この報告書はサミット期間中に公表されるであろうと述べた。 

サウジアラビアは、各代表が正確、明確、一貫性をもってコミュニケートするのを確保するため、コミュニケーション及びアウトリーチのToRを求めた。Lynn氏は、既存のアウトリーチ・コミュニケーション戦略を指摘し、これは継続的にレビューされると指摘し、スピーカーは、承認されたIPCCの結論の範囲に、自らを律すべきだと述べた。その後、サウジアラビアは、詳細かつ透明性のあるIPCCの情報公開政策を求めた。

スウェーデンへの回答として、Lynn氏は、窓口とより熱のこもった作業をしたいと熱望し、SR15をめぐって現在行われているアウトリーチには、政府間組織における結論、地域フォーラムにおける結論のプレゼンテーションが含まれると指摘した。同氏は、韓国と共に、ソーシャルメディアをIPCCの「武器(armory.)」の一部として利用することを支持した。

Lynn氏は、ウェブネアの数を増やすというノルウェーの提案に賛成した。さらにTSUレベルでのコミュニケーションに特化した専門家を提案した。

プレナリーはこの報告書に留意し、IPCC議長のLeeは、コミュニケーションチームは提案及びガイダンスを考慮に入れると述べた。

オブザーバー組織の認可

木曜日、事務局は、議題項目(IPCC-XLIX/Doc.5)を提示し、IPCC-47以降、8件のオブザーバー組織がIPCCのオブザーバーの立場を要求してきたと指摘した。同氏は、国連人権高等弁務官オフィスもIPCCオブザーバーの立場を要求、IPCC参加組織としての国連機関及び国連組織のリストに追加されたと付言した。

パネルは、8件の組織をIPCCオブザーバー組織として認めると決定した。

最終決定:決定書(IPCC-XLIX-3)において、パネルは、次の8つの組織にIPCCオブザーバーの地位を与えると決定する:

  • European Space Agency;
  • UN Foundation;
  • Iuventum (ドイツ);
  • Task Group on Earth Observations;
  • Greenplanet (インド及びカナダ);
  • Green Climate Fund (GCF);
  • Scientific Committee on Oceanic Research;
  • Instituto Bem Ambiental.

IPCC奨学金プログラム

金曜日午前中、IPCC副議長で科学理事会議長のKo Barrettは、IPCC奨学金プログラムの最新情報(IPCC-XLIX/Doc.9, Rev.1)を提示し、奨学金授与者の第5回募集での最終選考結果をIPCC-50に提出する予定だと指摘した。同議長は、新しい評議員会は今後数か月のうちに第1回の会合を開催すると述べ、奨学金プログラムはた。同議長は、IPCC-47でのパネルの決議に則り、博士課程及びポストドクトラル課程の学生支援に加え、開発途上国出身の各章の科学者への支援も検討すると再度述べた。

IPCC議長のLee及びBarrettは、奨学金プログラム信託基金で利用可能な資金額が限定されていると強調し、パネルに対し、資金を最も効率よく配分する方法に関し、理事会にガイダンスを提供するよう求め、各章の科学者による代表執筆者会議出席の場合、費用効果のある旅費奨学金の可能性を指摘した。

WG I副議長のCarolina Veraは、奨学金プログラムの目標、業務遂行方法、参加者はIPCCの目標達成にどのように貢献するかが期待されるかなど、その特異性が重要であると強調した。

ガーナは、タンザニア、インド、ケニア、アンゴラ、ナイジェリア、南アフリカ、ベルギー、アルジェリア、コモロ諸島、ボツワナ、ジンバブエ、ブルキナ・ファソ、ボリビアの支持を得て、各章の科学者への支援で信託基金の限りある資金が枯渇し、このために博士課程及びポストドク課程の学生支援の効果が薄れるのではないかとの懸念を表明,し、プログラムの持続可能性を確保し、IPCCにおける開発途上国の有意な参加を推進するため、直ちに資金動員を行うよう求めた。これらの代表は、各章の科学者が重要な役割を果たしていることに感謝の意を表明すると同時に、学生たちを犠牲にしてまでこれら科学者を支援することに慎重さを求めた。タンザニアは、信託基金が緊急に必要な資金動員を促進するため、どのような計画をしているか、具体的な計画が欠乏しているとして、懸念を指摘した。

サウジアラビアは、南アフリカ、フランス、ベルギー、アルジェリア、ブルキナ・ファソ、ボリビアの支持を得て、このプログラム全般、特に各章の科学者を支援する資金は追加的な組織に求めることを提案した。ナイジェリアは、コモロ諸島、ブルキナ・ファソの支持を得て、資金貢献を求めて、GCFに手を伸ばすよう提案した。

WG I共同議長のValérie Masson-Delmotteは、WG III副議長のDiana Ürge-Vorsatz、中国、ジャマイカ、セントキッツ・ネービス、ドイツ、英国、バハマの支持を得て、開発途上国出身の各章の科学者を有することは重要であると強調し、キャリアの浅い研究者としてのこれらの科学者の立場を指摘、さらに彼らのIPCCへの参加を推進することで重要なキャパシティ・ビルディングが可能になると指摘した。チャドは、修士レベルの学生による奨学金プログラムへの応募を認めるよう提案した。

参加者からのフィードバックをまとめたIPCC副議長のBarrettは、このプログラムは次のとおりであることで意見が一致していると指摘した:

  • 博士課程及びポストドク課程の学生への支援優先を続ける;
  • 信託基金を枯渇させることなく、各章の科学者を支援する方法について、模索する;
  • 喫緊に、顕著な資金源の動員を求める。

IPCC議長のLeeは、このガイダンスは評議員会に伝えられるほか、参加者にも書面で提供されると指摘した。

土曜日午後、IPCC副議長のBarrettは、IPCC奨学金プログラムの評議員会に対するガイダンスとなる最新の表現を提示した、これは金曜日のプレナリーでの議論で参加者が表明した意見を反映させるものである。

ベルギーは、タンザニア、インド、ベニン、アルジェリア、チャド、コンゴ、イラク、WG I副議長のFatima Driouechの支持を得て、修士課程の学生支援への言及を加えるよう求めた。

ガーナは、タンザニア、インド、ベニン、ナイジェリア、アルジェリア、ジンバブエ、トーゴ、コンゴ、ケニア、ボリビア、WG I副議長のDriouechの支持を得て、各章の科学者に対する資金援助はこのプログラムの追加基金が募集され、IPCC議長のLeeが資金調達努力を先導することを前提条件にすべきと、明記する文章に改定するよう求めた。WG I副議長のNoureddine Yassaaは、追加資金を求め、IPCCオブザーバー組織にアプローチすることを提案した。

WG I副議長のCarolina Veraは、各章の科学者が資金を受ける資格を有することを反映した表現への支持を表明した。セントキッツ・ネービス、ジャマイカ、バハマは、これに同意し、各章の科学者は図成果停及びポストドク課程の学生と同等の立場で、資金供与を検討されるべきだと付け加えた。

WG I共同議長のValérie Masson-Delmotteは、バハマの支持を得て、これまでの奨学金プログラムの成功を分析し、各章の科学者の経験に関するデータを集めるため、これらの科学者と直接コンタクトするよう提案した。同共同議長は、そのようなデータなしでは、限られた資金を効果的に用いるための決定を行うのは困難であると指摘した。

副議長のBarrettは、参加者の異なる立場を調整する課題を指摘し、パネルに対し、奨学金理事会には、資金をどのように使うかについて、最終決定する権限があると想起した。さらに同副議長は、IPCC-48において、パネルは、各章の科学者を支援するため、奨学金基金を用いると決定したと再度指摘した。IPCC議長のLeeは、サウジアラビアのコメントに応じ、奨学金理事会の委任事項は、資金源を動員し、自身の議長を選出することだと指摘した、しかし同議長は資金動員を議長個人としても手伝うと述べた。追加の意見発表があり、さらに会合報告書に参加者の懸念事項が反映されていることを明らかにした上で、この文章はBarrett副議長の提案どおり承認された。

最終決定:決定書(IPCC-XLIX-4)において、パネルは、評議員会に対するガイダンスを提供し、下記を強調した:

  • 開発途上国の科学者、特に後発開発途上国出身の科学者に対する卒業後の資金向けの奨学金を優先し続ける必要性;
  • 開発途上国出身の各章科学者によるIPCC作業への参加支援という便益、ただしAR6の期間内では奨学金基金から出す支援を旅費または謝礼などの控えめなレベルのものにとどめる可能性など、奨学金基金からの卒業後の活動支援の継続を損なわないようにする;
  • 気候科学の進展に寄与し、IPCCの作業に参加するための開発途上国の科学者の能力を拡大するため、このプログラムの活動における追加の資源を動員する必要性。

気候変動の評価のデータ支援に関するタスクグループ

木曜日午後、IPCC事務局長のMokssitは、TG-Dataのメンバーの選任及びTG-DataのToR改定案(IPCC-XLIX/Doc.7, Corr.1)について報告した。Mokssit事務局長は、15名のメンバーが選出されたが、1名は辞退したとし、専門分野におけるギャップが明らかになったと指摘した上で、メンバーの人数を15名から20名に増員し、IPCC議長団メンバーはTG-Dataメンバーを指名しても良いことを反映するようToRを改定することを提案した。

フランス、スイス、日本、その他は、提案された改定を支持した。ケニアは、カナダ、ボツワナ、ジンバブエ、タンザニア、その他の支持を得て、両方の改定案に対する懸念を表明し、20名のメンバーの必要性、さらには議長団メンバーが, TG-Dataメンバーを指名し、認定するという両方を行う場合の利益相反の可能性について、明確さに欠けていると指摘した。参加者は、専門分野のギャップに関する詳細な情報が明らかになり、WG II共同議長のHans-Otto PörtnerがTG-Dataの追加メンバーを提案したのを受け、TG-Dataのメンバーの人数を15から20に増員することで合意した。

IPCC議長のLeeは、WG II共同議長のHans-Otto Pörtner及びIPCC副議長のYouba Sokonaの支持を得て、「利益相反(conflict of interest)」という用語に疑問を呈し、IPCC議長団メンバーが執筆者を指名し、専任するのは標準的な方法であると指摘した。WG II副議長のAndreas Fischlin及びWG I 副議長のEdvin Aldrianはこれに賛同し、コンタクトグループを開催してケニア及び他の代表が提起した懸念に、適切に対処することを提案した。議長団メンバーによるTG-Dataメンバーの指名を認めるという改定案について議論するため、日本及びタンザニアが共同進行役を務めるコンタクトグループが設立された。

土曜日 午後、コンタクトグループ共同進行役のLadislaus Chang’a (タンザニア)は、議長団メンバーによる専門家の指名を認めるというコンタクトグループで達成された合意を示した。提案された表現は、多少の編集上の改定と共に、提示された通りで採択された。

最終決定:TG-Dataメンバーの選任に関する決定書(IPCC-XLIX-6)において、パネルは:

  • 既に選任されている14人のメンバーを指摘し
  • TG-DataのToRを改定し、IPCC事務局、各国政府、オブザーバー組織による候補者指名に加え、IPCC議長団メンバーも、適切な場合は、追加の専門家を指名可能であると付け加える
  • TG-DataのTORを改定し、TG-Dataメンバーの人数の上限を15名から20名に増やす。

TG-DataのToR及び委託条件は、この決定書の付属書に記載される。

IPCC利益相反委員会の報告

利益相反委員会会議の議長であるYouba Sokonaは、同委員会はパネルに提出された最近のメンバーの最新情報が全て正常であることを見出したと報告した。同議長は、同委員会は下記を推奨したと述べた::

  • IPCC議長団メンバーが国内窓口の役割も務める場合、国内窓口をIPCC会合に招待する招待状には利益相反の可能性に関する表現を挿入すべきである
  • TSUsは、そのメンバーに対し、利益相反の可能性を想起する。

パネルは同議長による口頭での報告書に留意した。

短寿命気候強制力

金曜日午後、TFI共同議長のKiyoto Tanabe及びEduardo Calvoは、SLCFsの将来作業に関する2019年5月の専門家会議の成果 (IPCC-XLIX/Doc. 8)を提出した、この文書は、SLCFsに関するIPCCの作業の目的は既存の手法論におけるギャップを埋め、手法論ガイダンスを作成し、これを普及させることであると合意する。両共同議長は、LCFsに関するIPCCの作業を進める目的でパネルが審議する2件のオプションを提示した:オプションAは、次回の評価サイクル用の補足資料を作成する;オプションBは、 2022年または2023年の発刊をめざし手法論報告書を作成する。2つのオプションのタイムライン及び人的資源及び資金の大きな違いを指摘したTFI共同議長及びIPCC議長のLeeは、パネルに対し、今後の進め方を決定するよう求めた。

第6次評価サイクルは既に思い作業量を抱えていると指摘し、オプションBの高いコストと実施可能性への懸念を提起した上で、ニュージーランド、デンマーク、日本、ノルウェー、英国、米国、ルクセンブルグ、スウェーデン、カナダ、中国、インド、オランダ、ガーナ、フランス、ベルギー、アルゼンチン、トルコ、インドネシア、韓国は、オプションAへの志向を表明した。一部の参加者は、オプションAの選択は、後日の手法論報告書作成に予断を加えるものではないと指摘した。

サウジアラビア、ニカラグア、エクアドル、アルジェリア、UNEPは、気候変動との闘いでは緊急の行動が必要であると指摘し、オプションBを希望すると表明、サウジアラビアは、2022年までの報告書作成を支持すると表明した。

多数の参加者は、どのオプションを選択するかに関わりなく、可能な限り早期に、作業を始めるよう提案し、多くのものは、今回の評価サイクルでも作業を開始し、次の評価サイクルで終了することができると指摘した。フランスは、作業は評価サイクルの間隙でも継続すべきだと提案した。パラグアイは、第3のオプションで二つのオプションの要素を組みあわせることがおそらくできるだろうと指摘した。

TFI共同議長のTanabe及びCalvoは、補足資料及び手法論報告書のいずれかを選択する場合の質への影響など、両方の違いに関する質問に応え、補足資料は専門家会議から作成されるもので、パネルの承認は受けない、むしろインベントリとりまとめ者が用いるIPCCの公式文書であることを明らかにした。両共同議長は、二つのオプションには質的な面の違いはないと議長団は決定していると述べた。

参加者は、二つの評価サイクルを横断して執筆作業を分ける、あるいは第6次評価サイクルで決定を行い、第7次評価サイクルで作業を開始することを含め、二つの評価サイクルを横断してSLCFの作業を分ける可能性など、多様な提案が出された。ドイツ及びノルウェーは、第6次評価サイクルでスコーピングを行い、作業のさらなる迅速化を図るよう提案した。

共同議長のCalvoは、オプションBは課題が多く、困難で費用もかかるが、オプションAに配分された金額は作品から得られる価値と比べて少額であると指摘した。ガーナとカナダが共同進行役を務めるコンタクトグループが設立され、SLCFsを扱うオプション、その資金的影響、資金調達手段、さらにはタイミング及び締切日を議論した。

コンタクトグループ共同進行役のJacqueline Gonçalves (カナダ)は、土曜日午後、コンタクトグループでの協議について報告し、SLCFsの作業を可能な限り早期に開始すると同時に、第6次評価サイクルにおける作業量の大きさを考慮に入れるという新設のオプションCについて説明した。同共同進行役は、SLCF手法論報告書の概要の採択など、準備作業は第6次評価サイクルで行われ、さらなる手法論作業は第7次評価サイクルで行われると指摘した。

コンタクトグループ共同進行役のNana Ama Browne Klutse (ガーナ)は、コンタクトグループでは詳細な資金の評価は議論しなかったが、オプションCの資金面の影響は、オプションA及びBで提案されているコストを超えないと思うと指摘した。

共同進行役のGonçalvesは、IPCC副議長のKo Barrettからの質問に応え、TFIは、この作業努力を指導する責任を有すると述べた。TFI共同議長のCalvoは、TFIはこの作業を進め、パネルに提供するための詳しい活動内容及び予算への影響を推敲すると指摘した。パネルは、今後の進め方としてオプションCを承認した。

日曜日午後、パネルは、SLCFsに関する決定書について議論した。タンザニアは、準備作業を可能な限り早期に終わらせるとする文章について明確化を求めた。コンタクトグループ共同進行役のGonçalvesは、この表現は柔軟性を与えるため、意図的にあいまいにしてあると答えた。中国は、これに賛同し、全ての準備作業を第6次評価サイクルで終了させるかどうかは将来のプレナリーにかかっていると指摘した。明確さを高めるため多少の改定を行った後、この決定書は採択された。

最終決定:決定書(IPCC-XLIX-7)において、パネルは、TFIがSLCFsに関する手法論報告書を作成すると決定する。さらにパネルはい、報告書作成のモダリティを承認し、これを決定書の付属書に記載する、この決定書には下記を記載する:

  • 手法論の報告書(補足資料とスコーピングを含める)の作成作業は、第6次評価サイクルから開始し、可能な限り早期に終了させる;
  • さらなる手法論の作成は第7次評価サイクルで行われる;
  • 3回から4回の専門家会議では、各会議の後に、遅くとも2022年までに、発表すべき一連の補足資料を作成する;
  • これらの補足資料は、SLCFsの手法論作業のスコーピングに情報を提供するため、用いられる;
  • スコーピング会議は、WG I (2021年4月)及びWG III (2021年7月)の作業を検討する;
  • 報告書の概要は、スコーピング会議の直後に、パネルの承認を受けるため、提出される。

UNFCCC及び他の国際機関に関係する問題

日曜日午後、UNFCCC事務局のFlorin Vladuは、UNFCCCとIPCCの協力関係の概要を説明した。同氏は、特に次の点を指摘した:第1回GST向けの作業成果は 将来のIPCCの作業計画策定に情報を提供する可能性がある;GSTモダリティは、各GSTの後、改定される可能性があり、これもAR7の計画に情報を提供する可能性がある。

同氏は、科学的技術的助言のための補助機関(SBSTA)とIPCCの合同作業部会はIPCCとUNFCCC間のさらなる相互作用と協力を推進するためのアイデアを提案したと述べた。パネルは口頭での報告に留意した。

他の全ての問題

日曜日夕方、IPCC事務局次長のStendahlは、IPCCとIPBESとの協力関係について報告し、IPBESから合同技術報告書での協力の招請があったと指摘した。同次長は、執行委員会はこの招請について検討した、しかし現在のところ、そして予測可能な未来ではIPCCの作業スケジュールは多忙を極めていることから、両者合同の技術論文作成は、現段階では困難であると結論づけえたと説明した。

WG II共同議長のHans-Otto Pörtnerは、生物多様性条約とは将来協力する可能性があると強調し、生物多様性の問題はSR15においても検討されたことがあり、SRCCL及びSROCCにも言及されるであろうと指摘した。

フランスは、IPBESとIPCCとの書簡に関する情報をIPCC-50に提出するよう求めた。ノルウェーは、協調関係は専門家会議とサイドイベントの形で行われる可能性を提案した。パネルは、IPCC/IPBESの協力に関する口頭での報告に留意した。

閉会プレナリー

日曜日夕方、事務局長のMokssitは、IPCC-50は2019年8月2-6日、スイスのジュネーブで行われると発表した。

閉会にあたり、IPCC議長のLeeは、2019年瀬地番の承認は各国が国際プロセスへの信頼構築を助け、各国の報告作成の一貫性及び比較可能性を確保すると述べた。同議長は、TFI TSUの長であるAndrej Kranjcが引退されると述べ、2019年精緻版は「その抜群の職歴の最高峰(crowning achievement of a distinguished career)」であると述べた。同議長は、午後11時15分、閉会の槌を打った。

IPCC-49の簡易分析

「京都をした?」

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、京都国際会議場で第49回プレナリー会合を開催し、参加者は、気候変動ととめるべき多国間の合意が策定されたというこの都市の歴史的な役割を想起された。京都議定書は、そのメリットと功罪はともあれ、希望に満ちた時であったとスピーカーが思いをはせていた。主催国の日本は、挨拶の中で、「京都してますか(Do you Kyoto?)」と呼びかけたが、これは「何か環境に良いことしてますか(Are you doing something good for the environment?)」という意味だと述べた。

京都議定書の採択から22年、世界の排出量は緩和されることなく増加し続け、楽観的な見方を想起するのは難しい、それでも全てのレベルにおいて、驚くほど多くの合意やプロセス、モビリゼーションがある。国際気候体制は、大きく拡大し、これまでになく多くの国や組織、個人が、気候変動と戦う世界的な努力に、積極的に参加している。

このような努力の成功(あるいは失敗)を決定づける鍵は、温室効果ガス(GHG)排出量及び除去量を評価する共通の手法論を持つことである。これが京都におけるIPCCの主要な課題であった:科学者が、IPCCの原則及び手順に則り作成した国別GHGインベントリの2006年ガイドラインの2019年精緻版を採択することであった。

この分析は、この会合の背景の一部を示し、主要な決定事項をレビューし、その成果を、気候変動行動の大きな概念の中に位置づける。

「計測できないものを削減することなどできない」

国別GHGインベントリのとりまとめ及びレビューの手法論及びガイダンスを作成するというIPCCの作業は、最も重要な作業の一つでるが、パネルの課題でも見過ごされる場合が多い作業である。これら共通合意がなされた手法論は、GHG排出量及び除去量の全ての計測、報告、検証の根拠を形成する。ガイドラインは、各国政府が自国の排出量及び除去量の情報とりまとめに利用するだけでなく、企業を含める非政府組織、さらには自主的なGHG削減及び炭素市場に関わる全て絵のものが利用する。GHG InstituteのMichael Gillenwaterが指摘するとおり、「今日のGHGプログラム、方法、政策の全てがIPCCガイドラインに根差したものである(All modern-day GHG programmes, methods and policies have their roots in the IPCC guidelines)」。

最初のIPCCインベントリ・ガイドラインは、IPCC第二次評価サイクルの期間中、1994年に作成された。これらのガイドラインは、1996年、2000年、2003年に他の報告書において、改定そして/または補足された。現在のガイドラインは、2005年の間、行われた科学的な作業に基づき、2006年に発表された。それ以後、特定の問題に関する数件の補足書(湿地に関する2013年補足書、京都議定書から派生する補足手法及びグッドプラクティス・ガイダンスの2013年改訂版)が作成されたが、ガイダンスに最新の科学技術知識を反映させるには、一部の分野での精緻化が有用であるのは明らかであった。2016年、ナイロビでのIPCC-43は、ガイドラインを精緻化する手法論報告書作成の提案を承認し、バンコクでのIPCC-44は、精緻化の概要を承認した。その後、280名を超える科学者及び専門家が、2年以上にわたり、この2019年精緻化版の作成作業を行い、最終的に京都で完成させた。

しかし、このプロセスの科学的な十全性が損なわれるのではないかと、真に懸念された時もあった。報告書本文は、各章の科学者及び執筆者(各国政府は概要の章を承認するだけの予定である)の作業範囲であるが、京都の議論では、報告書本文及び概要の章の改定が行われた。変更が行われた項目には、新規植林、林業、土地利用に関係するもの、具体的には自然のかく乱の影響の報告、湿地の排出量を推計する場合に人間の影響と自然の影響を仕分ける方法、及びバイオ炭を含める。しかし、執筆者は、変更で合意する一方、報告書本文への責任は保持する。

懸念されたのは、少数の参加者が執筆者の誠実に疑問を呈し、石油及びガスを一方とし、石炭を他方とすると、双方の漏洩排出量の扱いに一貫性がないと異議を唱えたことである、執筆者は全てのオプションを検討してきたとし、他の方法は全て科学的な合理性をもっていないと保証したのであるが。これら異議を唱えた諸国は、2019年精緻版を採択する決定書に対する異議を記録するよう求め、それによりこの会合を成功裡に終わらせられるかどうかが脅かされた。幸い、IPCC原則及び手順には、意見の一致に至れなかった場合のステップが含まれている。議論や協議が長引いたが、その後、これらの手順が採用され、異議が記録されたが、ドラマが無かったわけではない。IPCC-49が本来終了する予定だった時間を5時間以上過ぎて、パネルは、2019年精緻版を採択するに至った。

他の継続的な改善

2019年精緻版のほか、IPCC-49は、他にもIPCCのプロセス及び実施方法を改善しようとする現行の努力に関係する問題も取り上げたが、これには、IPCCプロセスでのジェンダー・バランスを監督し、強化するためのジェンダー政策及びジェンダー実施計画に関するタスクグループの委託条件に関する決定書が含まれた。

IPCCは、その作業を国連気候変動枠組条約(UNFCCC)のパリ協定の下でのグローバルストックテイク(GST)プロセスと同調させる方法を探っており、IPCC-52までにこの問題に関する決定を行うことが期待される。

さらにインベントリに関するタスクフォースは、2019年精緻版の作業を終わらせたばかりだが、亜酸化窒素や微粒子など、大気中では数日間から数十年と多様な寿命を持ち、大気汚染物質であることが多い、短寿命強制力の排出量を計算する手法論の報告書の作成を可能な限り早期に開始するとパネルが合意したことから、このタスクフォースは手法論の作業を真に継続する。

パネルは、IPCC奨学金プログラムの資金管理を改善する方法についての議論にも長時間を費やしたが、これには開発途上国の科学者に対する奨学金基金の利用についてのガイダンスで、評議員会に提出する決定書の議論も含まれた。IPCCプロセスの全ての側面で開発途上国の参加を強化するのは、重要な課題であるのが常である。

この会合期間を通して指摘されてきたとおり、2006年版ガイドライン、及び理想的には2019年精緻版の利用には、パリ協定作業計画に則り、キャパシティ・ビルディングに対する追加の資金供与が求められる可能性が高い。ガイドラインの政治的影響、または資金面での影響への対処は、IPCCの対象範囲ではなく、他のプロセス及び組織の範囲だが、キャパシティ・ビルディングの必要性が発生するのは当然である。

IPCC副議長のThelma KrugがIPCC-49の記者会見で指摘したとおり、開発途上国が最も能力を必要としているのは、ガイドラインの利用ではなく、基となるデータ及び知識のギャップの関係である、ガイドラインは柔軟性があり豊富な指針も含まれている。たとえば、2019年精緻版にはデータ収集戦略や制度アレンジに関する章が含まれる。Krug副議長の指摘どおり、各国にとり、報告作成ガイドラインで最も有用な部分の一つは排出量の主要な分類及び排出源の識別である、これにより、各国は自国の排出量を効果的に削減する関連政策を特定することが可能になる。したがって、国別GHGインベントリのガイドラインは、資源、能力、知識を優先し、最大の影響を及ぼすことができる政策立案を目標にする、極めて重要なツールなのである。

科学、政策と合致する

IPCCにおいては、2019年精緻版の承認作業は、IPCCの3つの作業部会が合同で作成した1.5℃地球温暖化特別報告書(SR15)採択から正に6か月後のこととなった。今後3か月以内には、パネルは、気候変動と土地に関する特別報告書を承認する予定であり、さらにその50日後、9月半ばに、パネルは、変動する気候における海洋及び雪氷圏に関する特別報告書を検討する予定である。2019年は、IPCCにとり多くの予定がつまった一年であるが、2020年と2021年も同様に多忙となる予定で、パネル及びその作業部会は、AR6となる報告書の作成及び採択を行う予定である。

全てのIPCCの作業は、結局、UNFCCCで議論されることになる。インベントリ・ガイドラインの共通利用に基づく報告作成及び改定プロセスは、パリ協定の強化された透明性枠海の実施に必要な信頼性のカギである。2019年精緻版をGHG報告の技術的な根拠として利用するかどうかを決定するのはUNFCCC締約国である。残念ながら、報告本文における石炭からの漏洩排出量の扱いと比較した石油及びガスの採掘による漏洩排出量の扱いに対する少数の国の反対は、UNFCCCで2019年精緻版を議論する際に問題となる可能性がある。一部の参加者が指摘したとおり、意見の一致が無かったことは、交渉を遅らせ、COPが報告の共通の基礎として2019年精緻版を採択するのを遅らせるために用いられる可能性がある。

多国間ガバナンスの領域での遅れの可能性にもかかわらず、巨大で加速化する影響があるという圧倒的な証拠を前に、気候変動に対処する努力が弱まることはない。IPCCは、そのような努力のモチベーションを高める上で重要な役割を果たしてきた。SR15は、気候変動の議論を転換し、サンライズ運動(Sunrise Movement)という気候のための国際的な学校ストライキの運動への一般の参加及び動員のきっかけやモチベーションを与えており、これと気候変動に関する非暴力直接行動(Extinction Rebellion)は、良く知られた例である。同様に、パネルが実施し、京都で採択された詳細な技術的作業は、全てのレベルにおける気候政策の根本を成すものであり、気候変動との闘いで我々がどこに立たされているか理解すうのを助けるはずである。全ての努力が、GHG排出量を削減し、気候変動の最悪の影響を回避するという究極の目的の達成に役立ってほしいと希望しつつ、努力を結集するしかないのである。

今後の会議予定

気候行動に関する国際会議 – ICCA2019この会議には全ての関連する利害関係者が集合、2019年国連気候サミットに向けた準備作業を行う。ICCA2019は、各国政府の全てのレベルに対し、バーティカルなダイアログ及び協力の機会を提供する。  日付:2019年5月22-23日  場所:ドイツ、ハイデルベルグ  wwwhttps://www.icca2019.org/

第50回UNFCCC補助機関会合:第50回UNFCCC 補助機関会合は、2019年6月に会合する。  日付: 2019年6月17-27日  場所:ドイツ、ボン  連絡先:UNFCCC事務局  電話:+49-228-815-1000  ファクシミリ:+49-228-815-1999  emailSecretariat@unfccc.int  wwwhttps://unfccc.int/event/first-会合al-period-sb-50  

耐性型都市2019年:耐性型都市(Resilient Cities)は、都市の耐性及び適応に関するグローバルな年次フォーラムで、2016年に発足、地方政府の指導者と気候変動に対する適応の専門家との連携をはかり、世界中の都市環境が直面する適応の課題の議論、及び都市に永続的な影響を与えうるパートナーシップの育成を目指す。  日付: 2019年6月26-28日  場所:ドイツ、ボン  連絡先:ICLEI –持続可能性のための地方政府 電話:+49-228 / 976299-28  emailresilient.cities@iclei.org  www: https://resilientcities2019.iclei.org/

2019年持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラム(HLPF):HLPF 2019は、「人々にパワーを、参加性と平等を確保(Empowering people and ensuring inclusiveness and equality)」というテーマで行われる。f昨年も考察したSDG 17 (目標に向けてのパートナーシップ)に加え、SDG 4 (質の高い教育)、SDG 8 (働きがいと経済成長)、SDG 10 (不平等削減)、SDG 13 (気候行動)、SDG 16 (平和、公正、強力な制度)の詳細な考察を行う。  日付: 2019年7月9-18日  場所:ニューヨーク、国連本部  連絡先:国連持続可能な開発目標部門  ファクシミリ:+1-212-963-4260  emailhttps://sustainabledevelopment.un.org/contact/  www https://sustainabledevelopment.un.org/hlpf/2019  

IPCC WG II AR6第2回代表執筆者会議:IPCC作業部会IIの第2回代表執筆者会議が開催され、第6次評価報告書の作成作業を続ける。  日付:2019年7月14-19日  場所:ネパール、カトマンズ  電話:+41-22-730-8208/54/84  ファクシミリ:+41-22-730-8025/13  emailIPCC-Sec@wmo.int  wwwhttp://www.ipcc.ch/calendar/

SRCCL草案執筆者のIPCC WG I/II/III準備会合:気候変動と土地に関する特別報告書の草案執筆者による準備会合は、WG IIIにより開催される。  日付:2019年7月30-31日  場所:スイス、ジュネーブ  電話:+41-22-730-8208/54/84  ファクシミリ:+41-22-730-8025/13  emailIPCC-Sec@wmo.int  www: http://www.ipcc.ch/calendar/

IPCC-50IPCCの第50回会合は、気候変動と土地に関する特別報告書の政策立案者向けサマリーを承認する予定。  日付:2019年8月2-6日  場所:スイス、ジュネーブ  電話:+41-22-730-8208/54/84  ファクシミリ:+41-22-730-8025/13  emailIPCC-Sec@wmo.int  wwwhttp://www.ipcc.ch/calendar  

IPCC WG I AR6第3回代表執筆者会議:IPCC作業部会Iの第3回代表執筆者会議が開催され、第6次評価報告書の作成を続ける。  日付:2019年8月26-30日  場所:フランス、ツールーズ  電話:+41-22-730-8208/54/84  ファクシミリ:+41-22-730-8025/13  emailIPCC-Sec@wmo.int  wwwhttp://www.ipcc.ch/calendar

SROCCの草案作成執筆者によるIPCC WG I/II準備会議:変動する気候における海洋及び雪氷圏に関する特別報告書の草案作成執筆者の準備会議は、WG IIが開催する。  日付:2019年8月17-18日  場所:モナコ  電話:+41-22-730-8208/54/84  ファクシミリ:+41-22-730-8025/13  emailIPCC-Sec@wmo.int  wwwhttp://www.ipcc.ch/calendar

IPCC-51IPCCの第51回会合では、変動する気候における海洋及び雪氷圏に関する特別報告書の政策立案者向けサマリーの承認が予定される。  日付:2019年9月20-23日  場所:モナコ  電話:+41-22-730- 8208/54/84  ファクシミリ:+41-22-730-8025/13  emailIPCC-Sec@wmo.int  wwwhttp://www.ipcc.ch/calendar  

2019年国連気候サミット:国連事務総長のAntónio Guterresは、「勝てる競争。勝たなければならない競争(A Race We Can Win. A Race We Must Win)」というテーマの下、国連気候サミットを開催し、多くの持続可能な開発目標の実施を可能にする気候行動を推進する政治的経済的なエネルギーを最高度に高める。目的は、国家、地域、都市、企業、投資家、市民に対し、次の9つの分野における行動を一段引き上げるようチャレンジすることである:緩和;社会的政治的推進要素;若者や一般の動員;エネルギー転換;気候資金及びカーボン・プライシング;産業の転換;自然に基づく解決策;インフラ、都市、地方の行動;回復力及び適応。  日付:2019年9月23日  場所:ニューヨーク、国連本部  www http://www.un.org/climatechange/  

SDGサミット:HLPFは、国連総会の下の組織で、2015年9月の2030年アジェンダの採択以降、これまでの進展を評価し、2030年アジェンダ及びSDGsの実施加速のリーダーシップをとるほか、今後の推進方法に向けたガイダンスを提供する。  日付:2019年9月24-25日  場所:ニューヨーク、国連本部  連絡先:国連持続可能な開発目標部門  ファクシミリ:+1-212-963-4260  emailhttps://sustainabledevelopment.un.org/contact/  www: https://sustainabledevelopment.un.org/sdgsummit

IPCC WG III AR6第2回代表執筆者会議:IPCC作業部会IIIの第2回代表執筆者会議は、第6次評価報告書の作成を続けるため開催される。  日付:32019年10月3-6日  場所:未定  電話:+41-22-730-8208/54/84  ファクシミリ:+41-22-730-8025/13  emailIPCC-Sec@wmo.int  wwwhttp://www.ipcc.ch/calendar

2019年アフリカ気候リスク会議:2019年アフリカ気候リスク会議は、「緊急の気候適応行動に対する障壁の排除(Dismantling Barriers to Urgent Climate Adaptation Action).」というテーマで開催される。この会議は、アフリカで行われている新しい進行中の気候科学及び適応研究で得られた結果を広め、識見を共有し、アフリカの発展のための気候研究における共通優先分野を特定するアフリカ人主導の議論の場を提供し、現在行われている研究プログラムが大きな影響を与えるようにし、研究を政策及び実施方法に移す上で有用な行動者と研究者を結びつける。この会議は第8回アフリカ気候変動開発会議と並行して開催される。  日付:2019年10月7-9日  場所:エチオピア、アジスアベバ  連絡先:会議主催者  emailinfo@acrc2019.org  wwwhttps://www.african気候risksconference2019.org

SYRスコーピング会議:SYRのスコーピング会議はシンガポールで開催される。  日付:2019年10月21-23 (予定)  場所:シンガポール(予定)  電話:+41-22-730-8208/54/84  ファクシミリ:+41-22-730-8025/13  email: IPCC-Sec@wmo.int  www: http://www.ipcc.ch/

2019年国連気候変動会議(UNFCCC COP 25):第25回締約国 会議(COP 25)、第15回京都議定書締約国会議(CMP)、第2回パリ協定締約国会議(CMA)が開催され、パリ協定及び条約の実施をレビューする。 日付:2019年12月2-13日 場所:チリ、サンチャゴ 連絡先:UNFCCC事務局 電話:+49-228-815-1000 ファクシミリ:+49-228-815-1999 email: Secretariat@unfccc.int  www: https://unfccc.int  

追加会合の方法は右記参照:http://sdg.iisd.org

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Participants

Negotiating blocs
European Union