Share on Facebook Share on Twitter Share on Google Plus

アース・ネゴシエーション・ブレティン (地球交渉速報)

第26巻第10号 - 2015年3月14日(土)


第3回国連防災世界会議

2015年3月14 ~18日 | 日本、仙台

英語 (HTML - PDF) | フランス語 (HTML - PDF) | スペイン語 (HTML - PDF) | アラビア語 (HTML - PDF) | 日本語 (HTML - PDF)

仙台(日本)からのIISD/ENB会議の報道については、下記のリンクをご参照ください: http://enb.iisd.org/isdr/wcdr3/


第3回国連防災世界会議(WCDRR)が本日から日本の仙台市にて開催される。前日の 3月13日には第3回政府間準備会合が開催された。本会議(WCDRR)ではポスト2015年防災枠組の採択および政治宣言が期待されている。本会議では5つの閣僚級ラウンドテーブル も実施される。災害リスク管理;ポスト2015年防災枠組をサポートする国際協力;都市部における災害リスク軽減;災害復興; 防災のための公的投資戦略である。ハイレベルのマルチステークホルダー(複数の関係者)との対話型議論の場として、次の3つのテーマの会合が開催される。「防災における女性のリーダーシップ」「リスクを考慮した投資:官民パートナーシップ」「災害リスク管理:政府、コミュニティ、グループの連携行動」 である。

本会議(WCDRR)の前日、準備会合の共同議長としてPäivi Kairamo氏(フィンランド)とThani Thangphakdi氏(タイ)がポスト2015年防災枠組の原案について議論し、目的、指標、実行手段、そしてフォローアップ活動といった問題を取り上げた。準備会合は括弧内のテキストを含む原案の継続審議をするための主要委員会の設立を勧告した。

防災に関する国連の活動概略

洪水、干ばつといった自然災害、および、地震や津波といった出来事はますます増加し、強大になっており、人々や地域社会に与える影響は壊滅的になっている。それらの状況に加え、計画不足、貧困、そして広範囲に渡る潜在的な要因により、脆弱な状況を招いた結果、自然災害に対した対策が不十分となっている。災害リスクを減らすための活動はますます重要な国際的課題となっており、多くの関係者が持続可能な開発に向けた取り組みのための防護措置と、ミレニアム開発目標の達成に必要と考えている。この活動はまた、ポスト2015の開発課題にも重要な要素である。

防災(DRR)は政策、戦略、そして実行手段の全てを含み、人、都市、国に対する災害からの回復力を高めて、災害に対するリスクと脆弱性の低減をもたらすものである。自然災害は人々を突如脅威にさらすとの前提にたち、 UNISDRはパートナーシップを構築し、防災に関するグローバルな取り組みを行う。すなわち自然災害によってもたらされる人命の損失、社会経済の後退、環境破壊を減少させるという目標に向け 、全ての人と地域社会の関与を目指している。

国際防災の10年:1980年代に、自然災害による人的犠牲や物的損害が増加したことをうけ、国連総会(UNGA)は1989年に「1990年代の国際防災の10年(IDNDR)」(決議44/236)を宣言した。IDNDRの目的は、地震、暴風、津波、洪水、土砂災害、火山噴火、山火事、イナゴとバッタの大量発生、干ばつ、そして砂漠化といった広範囲に渡る災害を防止 することにあった。

1回国連防災世界会議:IDNDRの主要成果の1つは「より安全な世界へ向けた横浜戦略とその実行計画」で、1994年に横浜市で開催された第1回国連防災世界会議において採択された。横浜戦略には災害リスクに対する予防、準備、軽減のための行動指針が設けられている。これらの指針は、リスク評価 、災害予防と準備、予防能力、災害軽減、そして早期警戒の重要性を強調するという原則に基づいている。また、この原則は、国際社会は技術を共有し、災害を予防、軽減させ、防災の分野における強い政治的決断力を示すべきと記述されている。

国際防災戦略:1999年の第54回 総会にて、UNGAはIDNDRにおいて実施されてきた防災や脆弱性軽減の活動を継続することを決断し、 ISDR(国際防災戦略)を設立した。ISDRを実行するため、機関横断(Inter-Agency)の事務局と機関横断災害タスクフォース(IATF/DR)が同時に設立された(決議はそれぞれ54/219、56 /195)。 IATF/DRは複数の役割の1つとして防災関連の問題に特化した専門会議を開催するよう命じられた。

2回国連防災会議:第2回国連防災会議は、日本の神戸市で2005年の1月18日から22日に開催された。この会議の目的は、DRR(防災)の国際的な注目を高め、開発計画の実行 を促進し、発展を阻害する災害の原因に立ち向かう地域と国家の力を高めるものであった。168の参加地域が「災害に強い国・コミュニティづくり」と「兵庫宣言」を含む兵庫行動枠組(HFA)2005-2015を採択した。HFAは国連総会の60/195の決議によって承認され、各国政府に対し、5つの主要分野ごとに設定した優先行動を提出した:防災が国、地方の優先課題とし、実行のための強力な制度基盤を確保する;災害リスクを特定、評価、観測し、早期警報を向上する;全てのレベルで防災文化を構築するため、知識、技術、教育を活用する;潜在的なリスク要因を軽減する;効果的な応急対応のための事前準備を強化する、である。

防災グローバル・プラットフォーム:2006年に、国連人権問題のための事務次長は、各国政府のHFA実施に向けた誓約の実現へのサポートを強化するため、 ISDR制度を強化するための実践的な協議プロセスを立ち上げた。国連事務総長の報告においてISDR実現が強調されたことにより、主な目的は政府と組織の関与を広げ、防災への関心を高め、防災活動のサポートのため 、より一貫した国際的な努力をすることである。協議の結果、IATF/DRを拡大、改良するかたちで継承した 防災グローバル・プラットフォームの開催が提案された。グローバル・プラットフォームは、防災に関係する全ての団体にとって、防災に関する関心を高めることと、経験の共有と国際防災戦略をガイドするために、 マルチステークホルダーの協議会となることが想定された。

1回防災グローバル・プラットフォーム会合:第1回のグローバル・プラットフォーム会合は2007年6月5日-7日にスイスのジュネーヴで開催された。兵庫行動計画枠組の実施に向けた防災における挑戦と機会についてのハイレベルな議論と、防災に関する各種ワークショップにより防災の議論を国際的優先事項として部門アジェンダに組み込むことと、兵庫行動枠組(HFA)の評価と実装に向けた総会が含まれた。議論の成果文書は、UNGA向けの国連事務総長報告書に、ISDRの実装として含まれた。

2回防災グローバル・プラットフォーム会合:第2回のグローバル・プラットフォーム会合は2009年6月16日-19日にスイスのジュネーヴで開催された。参加者は第1回グローバル・プラットフォーム会合からの防災の進捗を確認し、防災に関する投資増額、気候変動による災害リスクの削減と予防行動による回復について議論した。会合の成果文書は2009年12月にコペンハーゲンで開催される国連の気候変動会合における国際防災コミュニティの議題の準備、および兵庫行動枠組(HFA)の中間報告となった。

防災に関する第65UNGA(国連総会) への非公式な議論:この議論は、2011年2月9日に米国ニューヨークの国連本部にて開催された。UNGA総長室の配下に組織され、UNISDRの支援をうけた。議論は2つの公開討論からなり、1つは防災を促進するための投資に着目したもので、もう1つは都市部の防災に着目し、都市部にどう防災策を構築するかであった。議論の結果は、第3回防災グローバル・プラットフォーム会合の議題に寄与した。

兵庫行動枠組(HFA)2005-2015の中間評価:中間評価は、2011年3月に発行され、防災の進捗が強調され、 兵庫行動枠組のどの実行がどの程度進んだか、また各国とそのパートナー組織が誓約をより進めるための方法を特定し、今後の改善に向けた調達と努力について、客観的な分析がなされた。中間報告によると、防災においては、とりわけ国の法律制定、早期警戒システムの確立、災害準備と対応の分野で防災の進歩がみられた。報告による懸案は:社会経済を考慮に入れた制度的な多重災害リスクの評価と早期警告システムの欠落;各国内および国際的な持続可能な開発政策と計画立案における防災の不十分な統合;ローカルレベルにおける兵庫行動枠組の不十分な実装である。

3回防災グローバル・プラットフォーム会合:第3回のグローバル・プラットフォーム会合は、「より安全な明日のために今こそ防災投資を—ローカルレベルでの防災投資の促進」をテーマに2011年5月8日-13日にスイスのジュネーヴで開催された。この会合は2009年に開催された第2回グローバル・プラットフォーム会合における調査結果と提言、および2011年の兵庫行動枠組(HFA)の中間評価および2011年の国連世界防災白書を発展させたものである。議題の中心は、再建と再生、防災の経済、そして世界的な気候変動と共通の開発課題の相乗効果についてであった。

4回防災グローバル・プラットフォーム会合:第4回のグローバル・プラットフォーム会合は、2013年5月19日-23日にスイスのジュネーヴで開催された。この会合では兵庫行動枠組(HFA)の進行状況を評価する機会が設けられ、意思決定者、開発パートナー、専門家と実行者間での情報共有が推奨された。また、防災の経済評価および投資に特化したツールと技法が提供された。会合の成果は、成果文書とハイレベルでの対話の公式声明が含まれた。

地域プラットフォーム:地域の政府間組織は、リスク削減活動およびHFA実行の促進において各自の責任を負うようになり、アフリカ、アジア太平洋地域、アラブ諸国、ヨーロッパ、南北アメリカにおいてマルチステークホルダーによる防災プラットフォームを組織した。この地域プラットフォームは各国の関係者間での組織化された情報と知識の交換の場を提供し、多様な地域の関係者間に対し、 経験の共有、進捗の測定、投資機会の追求、それぞれの防災活動の更なる実装のための共同的な戦略決断と行動を可能にした。地域プラットフォームはまた、HFA実施観測の地域指標としても利用されている。各地域プラットフォームからの成果は、隔年のグローバルプラットフォーム会合に使用され、より効果的な国際的な行動を促進し、防災に向けられる政治的な領域を拡大する。

国連世界防災会議(WCDRR)への準備プロセス:2013年の第68回国連総会にて、第3回国連世界防災会議(決議68/211)に向けた組織的そして実質的な準備をレビューするための無期限の政府間準備会合が設立された。準備会合はフィンランドとタイの共同議長のもと、10名の事務局メンバーで運営される。事務局は各地域の2名の代表を含み、会議開催国の日本は職権上、メンバーとされた。

準備会合は2014年7月14日-15日および2014年11月17日-18日の2回開催され、アジェンダと手続き規則の提案の合意と、および会議のプログラムおよびポスト2015年防災枠組の草案を作成する。ポスト2015年防災枠組の第0版の草案はパブリックコメントに向け2014年10月21日に発行され、続いて第2回準備会合 が開催された。

準備会合は2015年3月13日に第3回が開催され、WCDRRに提出するためのポスト2015年防災枠組の改訂草案について議論がなされる。