2008年1月 30日(水)会合ハイライト
第2回PEW鯨類シンポジウム“A change in climate for whales”(クジラ-未来への共通の解決策はあるのか?)は2008年1月30-31日、東京・国連大学本部に於いて開催された。
ピュー慈善財団・環境グループ(Pew Environment Group)常務取締役のヨシュア・ライハルト氏がシンポジウム開会の挨拶を行った。ひきつづき、国連大学コンラッド・オスターヴァルダー学長に代わって、国連大学(UNU) ・環境と持続可能な開発プログラム(ESD)のスリカーンタ・ヘーラト氏が歓迎の式辞を述べた。国際刑事裁判所の元判事、ツィロマ・ネロニ・スレイド氏が本シンポジウムの座長を務め、主要な論点を整理しつつ、捕鯨議論の現状について述べた。
“捕鯨論議の現状: 日本の視点”と題された第1部のセッションでは、森下丈二氏(水産庁)、粕谷俊雄氏(鯨類専門家)、星川淳氏(グリーンピース・ジャパン事務局長)によるプレゼンテーションが行われ、調査捕鯨の正当性と適法性、捕鯨の文化的側面、世論、クジラの致死的・非致死的利用の両立、捕鯨の経済価値などについて集中的な議論が行われた。
第2部 “コンフリクト・マネジメントと生物多様性:政府、NGO、民間セクターによる意見交換”では、森島昭夫氏(日本気候政策センター理事長)、ホワン・マヨール氏(コロンビア前環境大臣)、オリビエ・ドゥルーズ氏(UNEP)、および国連大学高等研究所(UNU-IAS)所長・国連ミレニアム生態系評価(MA)元共同議長のA.H. ザクリ氏に代わってサム・ジョンストン氏(国連大学高等研究所:UNU-IAS)氏によるプレゼンテーションが行われた。また、政治的判断の指針としての科学の役割、捕鯨論議とその他の国際交渉との類似点、高官級の交渉参加の重要性、IWCへの非国家主体の参加に関する対立意見などについて議論が行われた。ある参加者から生物多様性条約第10回締約国会議(CBD COP-10)が日本で開催される可能性があるとの発表があり、そこで国際捕鯨委員会(IWC)との合同会合開催が提案された。