Daily report for 6 November 2017
Fiji / Bonn Climate Change Conference - November 2017
フィジー/ボン気候変動会議は、午前中に開会、COP 23、CMP 13及びCMA 1-2が個別の開会プレナリーを開催したのに続き、合同プレナリーが開催された。午後、SBI及びSBSTAのプレナリーが並行して開催され、合同プレナリーも会合した。遵守及び決定書1/CP.21(パリ会議の成果)の緩和セクションに関係する更なるガイダンスのAPA会合期間中ラウンドテーブル、SBSTA及びSBIのコンタクトグループや非公式協議も午後に開催された。
開会式典
COP 22、CMP 12、CMA 1の議長であるSalaheddine MezouarがCOP 23の開会を宣言した。同議長は、過去一年間の自然災害の被害者を想起し、このような災害は行動しないことの痛みを思い知らせると述べた。その後、伝統的なフィジーの式典であるQaloqaloviが行われた。
UNFCCC事務局長のPatricia Espinosaは、COP 23の目標として次の項目を挙げた:パリ協定の組織構造の完成、その影響の強化、その目標の達成を確実なものにするため、必要不可欠な段階を踏む;プレ2020年の約束達成に向け前進する。
世界気象機関(WMO)事務局長のPetteri Taalasは、世界の気温、二酸化炭素濃度、海水温とも最高記録を更新、海洋の酸性化も進み、ハリケーンやモンスーン、干ばつの季節も強度を増していると報告した。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)議長のHoesung Leeは、「1.5℃の地球温暖化」に関する特別報告書は2018年の促進ダイアログに間に合うよう承認される予定であると報告した。
ドイツの環境・自然保全・建築・原子力安全省大臣のBarbara Hendricksは、今日、投資した金額は全て、クリーンな大気、健康の改善、新しい経済チャンスの形で戻ってくると述べた。同大臣は、ドイツは2017年、適応基金に5千万ユーロを追加拠出すると発表した。
ボン市長のAshok-Alexander Sridharan は、ドイツの「国連の町」に来た参加者を歓迎し、地方のそして地域の行動が世界の気候行動を推進すると強調した。
COPプレナリー
組織上の問題:役員の選出:フィジー首相のFrank Bainimaramaが拍手でCOP 23、CMP 13、CMA 1-2の議長に選出された。同議長は、野心、イノベーション、工夫、「真に一生懸命な努力」は世界の気温上昇を1.5℃以下に抑えることを可能にすると強調し、今後のTalanoaダイアログの重要性に注目した。
手順規則:締約国は、投票に関する規則草案の42項以外の手順規則書草案(FCCC/CP/1996/2)を適用することで合意した。議長は、フィジーが非公式協議を開催すると伝えた。
議題書の採択:COP23議長のBainimaramaは、暫定議題書(FCCC/CP/2017/1/Add.1/Rev.1及びAdd.2)に対し2件の追加提案を指摘した:イランは同志開発途上国(LMDCs)グループの立場で、プレ2020年の約束及び行動の実施加速化、並びにプレ2020年野心の引き上げを提案;コンゴ民主共和国は、モザンビークの支持を得て、非締約国組織の野心を奨励し、モニタリングし、報告し、検証し、計算に入れる道筋を提案した。同議長は、これらの項目を含めるかどうかの協議では意見の一致に至らなかったと報告し、この協議続行中は、これらの項目抜きで、暫定議題書を採択するよう提案した。さらに同議長は、緑の気候基金(GCF)及び気候技術センター・ネットワーク(CTCN)へのアクセスに関するトルコの提案についても協議が進行中であると指摘した。その後、COPは、議題書を提案されたとおり採択した。
トルコは、自国の提案に関するボンでのCOP決定を期待すると指摘した。
コンゴ民主共和国とLMDCsの立場で発言したイランは、追加提案項目抜きでの議題書の採択に反対した。コンゴ民主共和国は、既存の規則における提案であると強調した。LMDCsは、プレ2020年野心を進展させる必要性では広範な合意があるとし、その意味で新しい項目ではないと指摘した。中国は、インドとLMDCsを支持し、2012年に開始された2つのワークストリームを平等に扱うよう求め、ドーハ改定案がいまだに発効していない事実を嘆いた。
スイスは環境十全性グループ(EIG)の立場で発言し、プレ2020年野心の重要性及び議論に参加する用意があることを指摘し、二つの提案項目の扱いに関する議長提案を支持し、ジョージアもこれを支持した。
コンゴ民主共和国は、非締約国の利害関係者に関する議題書小項目の提案に関する協議がCOP決定に結びつくことを期待すると発言した。
議長以外の役員の選出:締約国は、候補指名の最終決定までCOP 23副議長のHelmut Hojesky(オーストリア)が協議を続けることで合意した。
オブザーバー組織の承認:COPは、文書FCCC/CP/2017/2にオブザーバーとして記載された組織を承認した。
作業構成書:締約国は、いくつかの項目をSBSTA及びSBIの議論に委ねることで合意した。
CMPプレナリー
組織上の問題:締約国は、議題書(FCCC/KP/CMP/2017/1)を採択し、京都議定書2.3条(対応措置)に関する問題の小項目をSBSTAでの議論に委ね、いくつかの項目をSBIでの議論にゆだねることで合意した。
役員の選出:CMP議長のBainimaramaは、協議を続けると述べた。
ドーハ改定案の批准状況:事務局は、2017年6月11日の時点で84の締約国が受諾書を提出したと報告した。議長のBainimaramaは、第2約束期間における附属書I締約国の割当量を確立するための情報、及び報告ガイドライン(FCCC/CMP/2017/INF.1)で要求される他の情報の報告に関し、附属書I締約国がとった行動を記載するノートを提示した。同議長は、非公式協議を開催すると報告した。
議長のBainimaramaは会合を中断した。
CMAプレナリー
組織上の問題:締約国は、議題書(FCCC/PA/CMA/2017/1)を採択し、作業構成書で合意した。議長のBainimaramaは、交代役員の選出に関する協議を続けると述べ、パリ協定の批准状況報告に関し、現在、169の締約国が批准していると述べた。同議長は、この会合を中断した。
COP/CMP/CMA合同プレナリー
合同プレナリーは、開会ステートメント発表のため会合した。
エクアドルはG-77/中国の立場で発言し、COP 23では特に次の項目で進展を達成する必要があると紹介した:2018年促進ダイアログの設計;損失と被害に関する議論;WIMへの資金援助;パリ協定において役割を果たす適応基金の成果;地球環境ファシリティ(GEF)及びGCFの適格性基準明確化。
EUは、次の優先策を紹介した:パリ協定作業プログラムの全ての分野に関する決定書草案または文章要素;Talanoaダイアログの実施方法明確化;地球規模気候行動アジェンダのモーメンタムに対する全てのものの貢献。
スイスはEIGの代表で発言し、ジョージアの支持を得て、COP 23において、パリ協定の実施ガイドライン作成作業、Talanoaダイアログの設計明確化、地球規模気候行動アジェンダの進展を求めた。
オーストラリアはアンブレラ・グループの立場で発言し、COP 23の作業構成の中心は強力で効果的な強化された透明性枠組であるべきだと述べた。
モルディブは小島嶼国連合(AOSIS)の立場で発言し、COP 23は損失と被害での進展を図るべきだとし、これには5か年作業計画の策定、WIMへの長期的な支援の常設議題化、小島嶼開発途上国(SIDS)への資金フローの加速化が含まれるべきだと強調した。
エチオピアはLDCsの立場で発言し、「行動のCOP」を求め、特に, LDCs基金(LDCF)及び適応基金など、資金供与が低下しているようだとして懸念を表明した。
マリはアフリカングループの立場で発言し、条約の約束実施の資金、ならびにパリ協定での進展を図ることの重要性を強調した。
コンゴ民主共和国は熱帯雨林連合(CfRN)の立場で発言し、REDD+の実施に対する官民の資金の調整を図る必要があると強調した。
イランはLMDCsの立場で発言し、この会議を資金、技術移転、キャパシティ・ビルディング、損失と被害に関する約束を議論する「実施のCOP」にするよう求めた。
ペルーは独立中南米カリビアン諸国連合(AILAC)の立場で発言し、特に次の項目での進展を求めた:2018年促進ダイアログの策定;性差別対応行動計画の採択;海洋、健康、先住民などの新しく登場した問題の議論支援。
ドミニカ共和国は、ボリバル同盟(ALBA)を代表して発言し、脆弱な諸国は資金面、技術面、あるいはキャパシティ・ビルディング面の便益を受けることが少なく、このため、「暮らしと希望(life and hope)」というパリ協定のメッセージが先延ばしにされていると述べた。同代表は、気候変動との闘いにおける国際的な努力は不十分であると強調し、この協定からの付属書I締約国の脱退は遺憾であると述べた。
ブラジルはBASIC諸国(ブラジル、南アフリカ、インド、中国)の立場で発言し、GCFの下での資金供与について先進国がユニラテラルに新しい基準を作成していることに懸念を表明し、このような方法には何の法的根拠もないと強調した。
米国は、パリ協定から脱退するとの同国の決定を想起したが、パリ協定実施ガイドラインの策定作業を含め、参画を継続する意図があると強調した。
COP議長のBainimaramaはこのプレナリー 会合を中断した。
SBSTAプレナリー
SBSTA議長のCarlos Fullerは会合を開会した。
組織上の問題:SBSTAは、議題書(FCCC/SBSTA/2017/5)を採択し、この会合の作業構成書で合意した。
役員の選出:議長のFullerは、協議が進行中であると告げた。
他の活動に関する報告:SBSTAは、他の活動に関する報告書(FCCC/SBSTA/2017/INF.4, INF.7及びINF.8)に留意した。
SBSTA議長のFullerは、SBSTAの議題の諸項目に関する報告の議論を開始した。
CTCNは、30件近くの技術支援要請を完了し、現在は他の11件について行動をとっていると報告した。
TECは、2017年に完了した作業を指摘し、これには適応に関する南―南及び三角協力が含まれるとし、水及び農業部門に焦点が当てられたと述べた。
IPCCは、第6次評価サイクルでの作業の注目点を指摘し、これには8件の成果文書作成が含まれると述べた。
WMOは、WMOと国連環境計画は各締約国の実施に向けた進捗状況追跡を推進する地球規模GHG情報統合システム構築に向け努力しているとの情報を伝えた。
地球観測人工衛星委員会(Committee on Earth Observation Satellites:CEOS)は、宇宙における気候モニタリング作業の最新情報を提供し、高品質のGHG情報はグローバル・ストックテイクにとり有用であろうと強調した。
地球規模気候観測システム(GCOS)は、WMOとGCOSは7つの気候指標に関する作業をしていると報告し、資源不足のため、気候センターの世界ネットワークの対象範囲にギャップがあることを嘆いた。
世界気候研究プログラム(WCRP)は、先進的なモデル研究及び気候データの地域規模への小規模化における同プログラムの作業を指摘した。
UNESCOの政府間海洋委員会は、気候変動が海洋の健全性に多数の脅威を与えると指摘した。
国際民間航空機関(ICAO)は、次の項目における進展について報告した:航空機技術;運行上の改善;持続可能な航空機燃料オプション;国際民間航空のカーボンオフセット及び削減スキーム(Carbon Offsetting and Reduction Scheme for International Aviation:CORSIA)。
国際海事機関(IMO)は、船舶のGHG排出量削減に関する包括戦略の策定に向けたロードマップがメンバの承認を受けたと報告した。
条約の下での手法論問題:バンカー燃料:EUは、環境十全性の確保及びCORSIAでの二重計上回避を求め、IMOでの行動を2023年まで遅らせるべきでないと述べた。マーシャル諸島は、各国に対し、IMO戦略が1.5℃以下にとどめることと合致するかどうか確保するよう求めた。
日本は、バンカー燃料の排出量についてICAOとIMOで議論を続けるべきだと発言した。サウジアラビアは、ICAO及びIMOに対し、UNFCCCの原則及び規定を考慮するよう求めた。SBSTA議長のFullerが協議する予定。
非公式協議では、次の項目及び小項目を検討する予定:
- 影響、脆弱性、適応(NWF)に関するナイロビ作業計画(NWP);
- 適応委員会の報告(SBIと合同で);
- WIM執行委員会報告(SBIと合同で);
- 技術開発及び技術移転:パリ協定10.4条の下での技術枠組;TEC及びCTCNの共同年次報告(SBIと合同で);
- 農業;
- 研究及び組織的観測;
- 条約の下での手法論問題:共通の計算方式;
- 地方共同体及び先住民のプラットフォーム;
次の項目はコンタクトグループで議論される予定:
- 対応措置:フォーラム及び作業計画の改善;対応措置実施の影響に関するフォーラムのパリ協定の下でのモダリティ、作業計画及び機能(SBIと合同で);
- パリ協定9.7条に則り提供され、公的干渉で導引された資金源の計算に関するモダリティー;
- パリ協定6条(協力的手法)関係の問題。
議長のFullerはプレナリーを中断した。
SBSTAコンタクトグループ
パリ協定6条:Kelley Kizzier (EU)及びHugh Sealy (モルディブ)が共同議長を務めた。共同議長のKizzierは、比較的進捗がないと指摘、各小項目について可能性ある要素や、サブ要素、更なる要素を説明するノンペーパーを、共同議長が作成すると提案し、締約国もこれに同意した。多数のものが第6条に関する会合前らうんとテーブルの価値を称賛した。一つの締約国を除く全てのものが、コンタクトグループ会合及び非公式会合へのオブザーバーの参加承認を支持した。協議が続けられる。
SBIプレナリー
SBI議長のTomasz Chruszczow(ポーランド)が会合を開会した。
組織上の問題:締約国は、非附属書I締約国の国別報告書(NCs)に記載される情報に関する小項目を留保した上で、議題書(FCCC/SBI/2017/8及びAdd.1)を採択した。SBIは、作業構成書を採択し、義務化イベントを進めることで合意した。
役員の選出:議長のChruszczowは、協議が行われる予定と報告した。
附属書I締約国の報告書及びそのレビュー:SBIは、附属書I締約国の第2回隔年報告書の提出状況及びレビュー(FCCC/SBI/2017/INF.1)、並びに1990年から2015年の期間に関する附属書I締約国の国別GHGインベントリデータの報告(FCCC/SBI/2017/18)に留意した。附属書I締約国の第2回隔年報告書のとりまとめ及び統合に関し、非公式協議が行われる予定。
パリ協定4.10条に規定するNDCsの共通時間枠:SBI議長のChruszczowは、可能であれば結論書を採択するとの観点から非公式協議が開催される予定と発言した。中国はLMDCsの立場で発言し、COP 22ではSBIは協議するが結論書の採択は義務付けないことで合意したと強調し、交渉の成果に予断を加えることに懸念を表明した。ブラジルは、成果を上げられるような建設的な交渉を希望すると表明した。
議長のChruszczowは、非公式協議はCOP 22のマンデートに従う予定と述べた。
協定7.12条に規定する公的登録簿の運用及び利用のモダリティ並びに手順:中国はLMDCsの立場で発言し、この項目は適応レジストリに関係していると指摘し、合同の非公式協議で進士することを提案した。非公式協議が開催される。
協定4.12条に規定する公的登録簿の運用及び利用のモダリティ並びに手順:中国はLMDCsの立場で発言し、合同の非公式協議でこの2つの項目を議論することに締約国が合意したかどうか、明確にするよう求めた。議長のChruszczowは、締約国はSBI 44においてこれらの項目は議題として区別されるべきと合意していたと指摘した。韓国はEIGの立場で発言し、機能も特製も異なると述べた。非公式協議が開催される。
LDCs関係問題:LDC専門家グループ(LEG)は、LEGの活動に関するプレゼンテーションを行った、これには次のものが含まれた:GEF事務局との提携及び国別適応計画(NAPs)に関する技術ガイダンスの拡張。この項目は非公式協議で議論される。
GEFの報告:GEFは、特に次の点を報告した:GEFは非附属書I締約国のNCs及び隔年更新報告書(BURs)への資源供与を継続する予定。非公式協議が続けられる。
適応委員会の報告:適応委員会は、LEGと共に締約国の適応行動に対し技術援助及びガイダンスを提供する努力を指摘した。この項目はLDCs関係問題と共に非公式協議で議論される予定。
WIM執行委員会の報告:WIM執行委員会は、進捗状況を報告、これには2つのパリマンデートの運用開始に関する次の項目が含まれる:リスク移転の情報交換所を設置する;退去に関するタスクフォースでの作業を進める。
バハマは、「執行委員会はWIMではない」と指摘し、メカニズムでの進展を求めた。AOSISは、この項目に関するCOP決定書に記載すること、会合期間外でも損失と被害を議論することをSBI及びSBSTAのマンデートに入れることを提案した。バハマとアフリカングループの立場で発言したスーダンは、予算の制約が執行委員会に影響していると嘆いた。
SBSTAと合同の非公式協議が開催される予定。
キャパシティ・ビルディング関係問題:キャパシティ・ビルディングに関するパリ委員会(PCCB)は、PCCBの技術的進捗状況の年次報告を行い、大きな進展を遂げたと指摘した。SBIは、条約及び京都議定書の下でのキャパシティ・ビルディングに関する非公式協議を背中合わせに開催することで合意した。
事務管理上、資金上、制度上の問題:2016-2017年の二年間予算実績:UNFCCC事務局次長のOvais Sarmadは、報告書を提出、主要な実績分野に焦点を当て、条約の下での支払率は90%であると指摘した。
2015年の緩和報告及び収支表:SBIは、2016年の監査報告及び収支表(FCCC/SBI/2017/INF.15及びAdd.1)に留意した、この議題項目における他の小項目と合わせ、コンタクトグループで議論される予定。
2018-2019の2年間のプログラム予算:Sarmadは、2018-2019年の2年間の作業プログラム改定案(FCCC/SBI/2017/INF.13、FCCC/SBI/2017/4/Add.1及びFCCC/SBI/2017/INF.8)を提示し、これは透明で明快な予算プロセスの策定に向けた第1段階であると述べた。
他の予算及び資金問題:議長は、予算作成プロセスの効率及び透明性を高められる方法を議論するため、SBI 47の直前、直後に技術ワークショップを開催する計画について説明した。
次の項目及び小項目は議論されることなく、コンタクトグループまたは非公式協議に回された:
- 非附属書I締約国のNCsに関する専門家諮問グループ(CGE)の作業;
- 非附属書I締約国のBURsの技術分析報告書のサマリー;
- 訓練、啓発、情報への公的アクセスの実施を強化しパリ要諦の下での行動を強化する方法;
- 性別と気候変動;
- 開発途上国による森林部門の緩和行動に関する活動実施に対する支援の協調;
- 技術開発及び技術移転:TEC/CTCN合同の年次報告(SBSTAと合同で)及び技術移転に関するポズナニ戦略計画;
- 気候資金関係問題;
- 国別適応計画(NAPs);
- 対応措置実施の影響(SBSTAと合同で)。
SBSTA/SBI合同プレナリー
SBI議長のChruszczow及びSBSTA議長のFullerが会議を開会した。
エクアドルはG-77/中国の立場で発言し、特に次の点を強調した:プレ2020年行動の喫緊の必要性;開発途上国にとっての優先課題としての適応;UNFCCCプロセスでの先住民の参画強化。
EUは特に次の点を強調した:性別行動計画を採択し、地方共同体及び先住民のためのプラットフォームを立ち上げる必要性;SBsにおける透明性ある議論;共通のNDCs時間枠に関する議論を開始し、パリ協定の下での訓練、啓発、参加、情報へのアクセス強化についても議論を開始する必要性。
マリはアフリカングループの立場で発言し、パリ協定作業計画では一貫性及びバランスを確保するよう求めた。同代表は、公的レジストリに関する理解を深め、支援の透明性に関するモダリティを推敲し、自主的な基金の利用において事務局に柔軟性を与えるよう求めた。
エチオピアはLDCsの立場で次のように発言した:損失と被害を常設議題とするよう求めた;LDC基金の資源不足を嘆いた;適応基金の運用における持続可能性を確保するよう求めた。
オーストラリアはアンブレラ・グループの立場で発言し、SBI 46において決定書草案で合意されたにもかかわらず、2018-2019年の2年間予算を議題に入れたことについて質問した。
モルディブはAOSISの立場で発言し、最近のSIDSでの気候災害はこれら諸国の特別な状況の証であると述べ、UNEPのギャップ報告書は「1.5℃の温暖化でとどめる道筋に戻る(us back on track to limit warming to 1.5°C)」には遅すぎないことを示していると述べた。
韓国はEIGの立場で発言し、ジョージアの支持を得て、市場手法及び非市場手法は透明性、環境十全性、二重計上回避の原則を指針とすべきであり、NDCsの多様性を考慮すべきだと発言した。
ペルーはAILACの立場で発言し、性別計画の採択はCOP 23で決定可能な重要項目であると強調した。
イランはLMDCsの立場で発言し、プレ2020年の実施加速化は相互信頼を確立する上で本質的なものであり、ポスト2020年野心の確固とした基礎になると強調した。
ボリビアはALBAの立場で発言し、気候変動は先進工業国の資本主義がもたらした歴史的な影響結果であると強調し、WIMの実施が急務であると述べた。
コンゴ民主共和国はCfRNの立場で発言し、森林をパリ協定6条の下での協力手法の一つとするよう求めた。
パナマは中米統合機構(SICA)の立場で発言し、WIM実施のための資源を確保し、6条メカニズムの透明性及び環境十全性を確保するよう求めた。
先住民グループは、緩和、適応、損失と被害、キャパシティ・ビルディングにおいて、独自のかつ重要な展望を提供できると述べた。
WOMEN AND GENDER(女性及び性別問題グループ)は、性の平等は総合的な目標及び明確な資金約束を必要とするクロスカッティング・イシューであると強調した。
YOUTH NGOs (YOUNGOs)は、若者の参加の場を開く農業作業プログラムを求めた。
BUSINESS AND INDUSTRY NGOs (BINGOs)は、対応措置に関する共同進行役に対し、コンタクトグループでのビジネス側の参加を積極的に探究するよう求めた。
気候行動ネットワーク(CAN)は、WIMに対し適切な資源を確保することで、最も脆弱な諸国に対するWIMのマンデートが達成可能にするよう、COP 23に求めた。
今、気候正義を! (CJN!)は、気候資金は民間の利益ではなく公益のためのものとすべきだと強調した。
FARMERSは、農業での改善を実現する要素を特定、これには資金及び技術移転が含まれる。
LOCAL GOVERNMENTS AND MUNICIPAL AUTHORITIES (LGMAs:地方政府及び行政当局)は、地方政府及び地域政府がNDCsの野心引上げにいかに貢献しているかを強調した。
RESEARCH AND INDEPENDENT NGOs (RINGOs)は、現在の能力と望まれる能力のギャップを定義づけ、ギャップを埋める方法を見出すことを待望した。
TRADE UNION NGOs (TUNGOs)は、対応措置に関する重要な会合前ワークショップがオブザーバーなしで計画されたのは遺憾であると述べた。
廊下にて
ボンの世界会議センターに到着した参加者は、COP 23が実際には太平洋のCOP議長であるFrank Bainimaramaの言葉「我々は皆、同じ船に乗っている(we are all in the same canoe)」を想起させるべく、模様替えされた会議場と無数の標語に迎えられ、一日中、小さなプレナリー・ルームに押し込められて、この言葉の現実味を味わっていた。
しかし、感傷はもっと深いものであった。プレナリーにおいて、発言者は、繰り返し2017年の一連の自然災害を想起し、より野心的な行動に向け締約国が共に漕ぎ出すことの緊急性を強調した。このメッセージを強調すべく、フィジーの伝統的なカヌーが会議場に立てられた。このメッセージに刺激されたためか、全ての組織は多忙でスムーズなスタートを切ったが、2つの新しいCOP議題項目提案では議論が噴出した。
5回のプレナリー以外では、参加者は会合前のAPAラウンドテーブルが役立ったと称賛し、一部のものは、この議論は「これまでで最も良かった」と述べた。一部のものは、ラウンドテーブルにおいて文章としての成果がなかったことに失望していたが、他のものは、自分たちの記憶は十分長時間持つとし、これからの進展に結びつくと指摘した。