Summary report, 1 June 2015

国連気候変動枠組条約(UNFCCC)のボン気候変動会議は、2015年6月1-11日、ドイツのボンで開催され、この中で実施に関する補助機関(SBI)及び科学及び技術上の助言に関する補助機関(SABSTA)の第42回会合も開催された。強化された行動のためのダーバン・プラットフォ-ム特別作業部会の第2回会合第9部(ADP 2-9)も開催された。この会議には、締約国、オブザーバー国、国際機関、非政府組織(NGOs)、メディアなどから4000名近くの参加者が集まった。

ADP 2-9は、交渉グループ及び進捗グループで会合し、ジュネーブ交渉文書(FCCC/ADP/2015/1)のスリム化、取りまとめ、クラスター化及び概念の議論を行った、これには次の項目が含まれる:総論/目的;適応及び損失と被害;緩和;資金;技術開発と移転;キャパシティビルディング;透明性;序文;定義;時間枠;実施及び遵守;手順及び制度条項。さらにADPではワークストリーム2についても議論した。

各グループは、文書中のオプション及びパラグラフのスリム化そして/または統合を行い、オプションのクラスター化プロセスを開始し、概念の議論を行った。ワークストリーム2においては、都市環境のエネルギー効率化及び再生可能エネルギー供給に関する技術専門家会合(TEMs)が開催された。

SBI 42は、特に京都議定書メカニズム、キャパシティビルディング、条約6条(教育、訓練、啓発)、及び事務管理・資金・制度上の関連問題で進展があった。SBIは、UNFCCC第21回締約国会議(COP 21)及び第11回京都議定書締約国会議(CMP 11)の審議にかけるため、次の項目に関する決定書草案をこれらの会議に送った:後発開発途上国(LDCs);条約6条;2016-2017年の二カ年プログラム予算。

SBSTA 42でも作業は進捗し、途上国における森林減少・劣化に由来する排出の削減並びに森林保全の役割、森林の持続可能な管理及び炭素貯留量の増加(REDD+)に関する議題項目の審議を終了、対応措置に関する結論書を採択し、実質的な決定書草案を、2015年12月フランスのパリで開催されるCOP 21に送った。

COPの下での長期資金に関するワークショップは、6月4-5日の木曜日と金曜日に開催された。このワークショップのサマリーについては右記参照:http://enb.iisd.org/climate/sb42/enbots/4jun.html#event1及びhttp://enb.iisd.org/climate/sb42/enbots/5jun.html#event1

UNFCCC 及び 京都議定書のこれまでの経緯

気候変動に対する国際政治の対応は、1992年の国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の採択に始まる。UNFCCCは、気候系に対する「危険な人為的干渉」を回避するため、大気中の温室効果ガス(GHG)の濃度安定化を目指して、その枠組みを規定した条約であり、1994年3月21日に発効し、現在は196の締約国を有する。

1997年12月、日本の京都で開催された第3回締約国会議(COP 3)に参加した各国の政府代表は、先進工業国および市場経済移行国に排出削減目標の達成を義務付けるUNFCCCの議定書に合意。UNFCCCの下で附属書Ⅰ国と呼ばれる国々が、2008-2012年(第一約束期間)の間に、6種の温室効果ガス(GHG)の排出量を1990年と比較して全体で平均5%削減し、各国ごとに異なる個別目標を担うことで合意した。京都議定書は、2005年2月16日に発効し、現在192の締約国を有する。

2005-2009年の長期交渉: カナダ・モントリオールで2005年に開催された京都議定書の第1回締約国会合(CMP1)では、議定書3.9条に則り、京都議定書の下での附属書Ⅰ国の更なる約束に関する特別作業部会(AWG-KP)の設立を決定し、第一約束期間が終了する少なくとも7年前までに附属書Ⅰ国の更なる約束を検討することを役割として定めた。

インドネシア・バリで2007年12月に開催されたCOP 13及び CMP 3では、長期的な問題に関するバリ・ロードマップについて合意に至った。COP 13は、「バリ行動計画」(BAP)を採択するとともに、「条約の下での長期的協力の行動のための特別作業部会」(AWG-LCA)を設立し、緩和、適応、資金、技術、キャパシティビルディング、長期協力行動の共有ビジョンを中心に討議することを役割付けた。また、AWG-KPの下では、附属書Ⅰ国の更なる約束に関する交渉が続けられた。さらに、2つの交渉トラックが結論を出す期限について、2009年のコペンハーゲン会議と定められた。

コペンハーゲン:2009年12月の国連気候変動会議は、デンマーク・コペンハーゲンで開催された。世間の大きな注目を浴びることとなった同会議では、透明性の問題やプロセスをめぐる論争が目立った。

12月18日深夜、会議の成果として政治合意である「コペンハーゲン・アコード」が成立し、その後、COPプレナリーでの採択に向けて提出された。それから13時間にわたる議論の末、各国の政府代表は、コペンハーゲン合意に「留意する」ことで最終的に合意。また、AWG交渉グループの期限をそれぞれ 2010年のCOP6及びCMP 6まで延長することで合意した。 2010年には140カ国を超える締約国がこの合意への支持を表明し、80カ国以上が国家の緩和目標または行動に関する情報を提出した。

カンクン:メキシコ・カンクンでの国連気候変動会議は2010年12月に開催され、締約国は「カンクン合意」を成立させた。また、2つのAWGの期限をさらに一年延長することで合意した。 条約の交渉トラックでは、決定書 1/CP.16(カンクン合意)の中で、世界の平均気温の上昇を産業革命以前と比べて2℃以内に抑えるには世界の排出量を大幅に削減する必要があると認識した。また、2013年-2015年のレビュー期間中に、世界の長期目標の妥当性について検討することで締約国が合意。また、その際に気温上昇の幅を1.5℃以内とする目標案を含めて、世界の長期目標の更なる強化を検討するということでも合意した。さらに、決定書1/CP.16には、MRV (測定・報告・検証)やREDD+等、緩和に係わるその他の側面についても記載された。

また、カンクン合意で、いくつかの新たな制度やプロセスも創設された。例えば、カンクン適応枠組み、適応委員会、技術メカニズムがあり、技術メカニズムの下で技術執行委員会(TEC)と気候技術センター・ネットワーク(CTCN)が設立された。また、緑の気候基金 (GCF)が新設され、条約の資金メカニズムの運用機関と指定された。

議定書の交渉トラックでは、CMPが、附属書Ⅰ国に総排出削減量を達成するべく野心レベルを引き上げるよう促し、土地利用・土地利用変化・林業(LULUCF)に関する決定書 2/CMP.6を採択した。

ダーバン:2011年11月28日-12月11日、南アフリカ・ダーバンにて、国連気候変動会議が開催された。ダーバン会議の成果として、広範なトピックが網羅されたが、特に京都議定書の第二約束期間(2013年-2020年)の制定や、条約の長期的協力行動に関する決定、GCFの運用開始に関する合意などが盛り込まれた。さらに、締約国は、「条約の下で、全ての締約国に適用可能な、議定書、法的文書、もしくは法的効力を有する合意成果の形成」を目的とする新たな組織として、ADP(強化された行動のためのダーバン・プラットフォーム特別作業部会)を発足させることでも合意した。ADPでの交渉は、2015年中に完了させることとし、2020年には新合意の発効を目指すこととした。さらに、ADPは2℃目標との関連で、2020年までの野心ギャップを埋めるための行動を模索する役割も課された。

ドーハ: 2012年11月26日-12月8日、カタール・ドーハにて、国連気候変動会議は開催。「ドーハ気候ゲートウェイ」と称される一連の決定書パッケージが作成され、京都議定書の第二約束期間を定めるための議定書改正や、AWG-KPの作業を最終的にドーハで完了させるための合意等が盛り込まれた。   また、AWG-LCAの作業完了やBAPの下での交渉終了についても合意が成立した。一方、世界目標の2013-15年のレビューや、先進国と途上国の緩和、京都議定書の柔軟性メカニズム、国別適応計画(NAPs)、MRV、市場及び市場以外のメカニズム、REDD+等、さらなる議論が必要とされる多くの問題については、SBIとSBSTAに付託されることとなった。

ワルシャワ: 国連気候変動会議は、2013年11月11日-23日、ポーランド・ワルシャワにて開催された。ADPの作業続行を含め、これまでの会議で成立した合意項目の実施が交渉の焦点となった。この会議では、「各国の約束草案」(INDCs)に向けた国内準備の開始や強化を締約国に招請すること等を盛り込んだADP決定書が採択された。また、「損失・被害に関するワルシャワ国際メカニズム」の設立を定めた決定書や「ワルシャワREDD+枠組み」としてREDD+資金や制度的アレンジ、方法論の問題等について定めた一連の7つの決定書が採択された。

リマ: 2014年12月1-14日、国連気候変動会議がペルー・リマで開催された。リマ交渉の焦点は、2015年にパリで開催されるCOP 21の合意に向けた進展を図るために必要なADPでの成果であり、2015年の出来るだけ早い時期にINDCs提出に向けた情報やプロセスを明確化し、交渉文書草案の要素に関する進展を図ること等であった。COP 20では、長丁場の交渉の末、「気候行動のためのリマ声明」(Lima C全てのfor 気候 行動)が採択されたが、これは2015年合意に向けた交渉をスタートさせ、INDCsの提出やレビューのプロセス、プレ2020年野心の強化の取組みを始動させるものであった。

また、19件の決定書も採択されたが、そのうち17件がCOP、2件がCMPのものであり、「損失と被害のためのワルシャワ国際メカニズム」の運用の推進、「性差別(ジェンダー)に関するリマ作業計画」の設置、「教育や啓発に関するリマ閣僚宣言」の採択を定めるものであった。

リマ気候変動会議では、2015年合意の交渉文書草案の要素の細目を詰める作業での進捗を把握し、INDCsの範囲(スコープ)や必要な事前情報、及びINDCs提出後に事務局がとるべき行動などのINDCs関連の決定書を採択したことで、パリ会議に向けた基礎固めを行うことができた。

ADP 2-8: 2015年2月8日-13日、スイス・ジュネーブで行われたADP2-8の目的は、COP 20で定められた通り、決定書1/CP.20(気候行動のためのリマ声明)に付属する交渉テキスト草案の要素に基づいた交渉テキストを作ることであった。ADP 2-8では、2015年合意に関する交渉の土台となる、「ジュネーブ交渉テキスト」(FCCC/ADP/2015/1)が採択された。

ボン気候変動会議レポート

ボン気候変動会議は、 6月1日(月)午前に開幕した。UNFCCC事務局長のChristiana Figueresは、今次会議について、両補助機関とADPにとっては、2015年合意に向けた道筋をつけるための「建設現場」であると認識すべきだと述べた。

COP 20/CMP 10議長を務めた、ペルーのManuel Pulgar-Vidal環境大臣は、ビデオメッセージの中で、パリ会議の成果について、法的拘束力がある基幹文書や、炭素中立(カーボン・ニュートラリティー)の目標、NDCsに関する定期的な連絡プロセス、適応に関する長期の質的目標、気候資金における実質的な進展、損失と被害に関する規定、技術とキャパシティビルディングの拡充に向けた地球規模の取組みの開始、等の内容を盛り込めるはずだと述べた。

次期COP 21/CMP 11議長となる、フランスのLaurent Fabius外務大臣は、COP決定書ではなく新合意に盛り込むべき内容の区別、各国閣僚が下すべき重要な政治課題に関する決定、パリでの採択を目指す“プレ2020年の行動”に関する決定書準備などの作業で進展を図るよう要請した。

以下、ADP 2-9、SBSTA 42、SBI 42での交渉について、概要を記す。

強化された行動のためのダーバン・プラットフォームに関する特別作業部会

ADP 2-9は6月1日(月)、ADP 共同議長 Daniel Reifsnyder (米国) の下で開会した。フランスとペルーは、2015年3月と5月に開催されたオープンエンド型非公式対話について報告した。ドイツは、2015年5月に開催されたペータースベルク気候対話VIについて報告した。

開会プレナリー後のADPでは、2つの交渉グループ会合が行われた。Reifsnyder共同議長が議長を務めた交渉グループ会合では、総則/目的、適応および損失・被害、技術の開発・移転、行動・支援の透明性、実施と遵守、序文についての審議を行った。また、ADP共同議長のAhmed Djoghlaf (アルジェリア) が議長を務めた交渉グループ会合では、緩和、資金、キャパシティビルディング、時間枠、手続き・制度に関する規定、定義についての審議を行った。

両交渉グループ会合は、ジュネーブ交渉テキスト (FCCC/ADP/2015/1)の上記セクションについて最初の読み合わせを行い、文章の整理・統合が可能なパラグラフについて検討した。その後、テキストの統合作業は座長の下での非公式な討論会で行われた。

6月4日(木)、ADPコンタクトグループ会合で進捗評価が行われた。会合中、Djoghlaf共同議長は、審議のペースの遅さや、進捗グループの作業方式の不透明性、締約国グループでの調整時間の不足等に対する締約国の懸念ついて言及した上で、“メカニズム”は機能しており、進展も見られていると強調し、進捗グループでの作業継続を提案した。

さらに、ジュネーブ交渉テキストが唯一の公式文書であり、その他に発行される文書はノンペーパーという位置づけであると改めて強調した。 文書のセクションの違いによって不均等な進行ペースをめぐる議論やボン会議の残りの交渉時間を最大限活用するための方策に関する議論の後、進捗グループでの交渉を継続することで締約国が合意した。進捗グループでは、共同進行役からの意見をベースに議論を行い、共同進行役は各会合後に文書を発表した。テキストの個別パラグラフに関する議論の成果をまとめた報告文書は定期的に発行された。交渉グループや座長の下での非公式な討論会で実施された作業内容をとりまとめて簡略化した統合テキストは、 今後の交渉の指針とするべく、6月4日に発表された。

その後、多くの進捗グループでは、クラスター化や棚卸し作業、作表等のサポートを受けながらの文書挿入位置の検討等が行われた。さらに、文章のスリム化や統合化を実施するための手段についての議論を続ける進捗グループと概念的な議論を行うグループに分かれて議論が進められた。

6月8日(月)のコンタクトグループ会合で、第1週目の進捗グループの作業の成果についての評価を行った。議論の中心になったのは、進捗グループ間の整合性の問題や作業方式に対する明確な指針の必要性、合意文書または決定書に盛り込むべきテキストの特定法やその是非をめぐる問題だ。締約国の意見や進捗グループの作業をとりまとめ、交渉の土台として役立てられるよう、明確な選択肢を併記した簡潔で一貫性あるテキストをADP共同議長が作成することを多くの参加者が希望した。

また、コンタクトグループ会合では、決定書草案1/CP.21 (「パリ・パッケージ」)の構成に関する審議も行われ、決定書に盛り込むべき要素として、2015年合意の採択; 暫定協定; NDCs;合意の実施に関する指針; 2015-2020年の期間の作業計画; 予算や事務管理の問題; MRVと会計制度等が指摘された。また、締約国は、ワークストリーム 2での進展も求めた。

進捗グループでの交渉継続について締約国の合意が得られ、ADP共同議長の Djoghlafは、締約国の要請通り、簡略化されたテキストの作成法を議論するため、共同議長が事務局や共同進行役との会談後に会合結果を報告すると述べた。

6月8日(月)、進捗グループでの作業を統合してスリム化された統合テキストの第2版が発表された。さらに6月9日(火)には、交渉を円滑に進めるため、ジュネーブ交渉テキストのナンバリングを比較した文書とスリム化された統合文書が発行された。

第2週目は、進捗グループによって様々な概念的な問題が取り上げられ、文書のスリム化・統合化の作業を進め、これらの問題をクラスター分類する方法や関連づける方法について検討された。

また、ジュネーブ交渉テキストの個別のセクションに関する議論も交渉グループや進捗グループの中で行われたが(下記の総括)、その後で行われたADPコンタクトグループ最終会合において今後のADPの作業の進め方等の成果が見られた。また、6月11日(月)に、スリム化された統合テキストの新版と編纂された報告文書が発行され、テキストのセクションに関する成果の説明が行われた。

序文:ジュネーブ交渉テキストのうち、41のパラグラフから成るセクションA (序文)の初回読み合わせが6月3日(水)から開始された。 カナダ、米国は、このセクションは後の段階で検討すべきだと主張したが、これはパキスタンとインドの反対に遭った。中国は、 テクニカルな文書のスリム化、ならびに“機は熟した”として序文のパラグラフに関する議論の開始を提案した。

事務局が指摘した統合化の機会について検討が行われたが、文書のスリム化・統合化に向けて、5つのパラグラフをGeorge Wamukoya (ケニア)と Aya Yoshida (日本)を共同進行役とする非公式討論会に送ることで合意がなされた。 個別パラグラフに関する議論の概要は下記サイトを参照: http://enb.iisd.org/vol12/enb12631e.html

6月8日(月)、事務局が提示した表についての検討が行われ、多くの問題をめぐってクラスター化されたパラグラフについて議論した。 クラスターについては、中国が、対応措置や持続可能な開発、健康、「条約法に関するウィーン条約」、ダーバン・マンデート、UNFCCCの実施等の観点が表から欠如していると指摘した。ボリビアは、母なる地球と先住民というテーマを盛り込むよう求めた。 EUは、低炭素社会への移行と土地利用というテーマが欠如していると指摘した。

序文は簡潔にすべきだといくつかの締約国が強調し、京都議定書の序文の形式を使用することに対しては、支持と反対が分かれた。サウジアラビアは、序文について、簡潔であるか包括的であるか、どちらかにする必要があると言及した。アルゼンチンは、いくつかのパラグラフは、総則/目的の欄に入れた方が良いと指摘した。もっと合意の中身とかたちが明確になった段階で改めて序文に関する議論に戻るべきだと多くの締約国が指摘した。

共同進行役は、表は進行役がきちんと“整理”して、締約国の見解を反映させると述べ、序文に関する議論の時期について考えを示した。

定義: 今次交渉会合では、セクション B (定義)のテーマは取り上げられなかった。

総則/目的: 6月1日(月)、ジュネーブ交渉テキストのうち、16のパラグラフを占める、セクション C (総則/目的)の 第1回読み合わせが交渉グループ会合内で開始された。セクションの統合化とスリム化のため、“手が届きやすい成果”を特定してから議論に着手することで締約国の意見がまとまった。

Reifsnyder共同議長は、このセクション自体がそもそも存在すべきか否かという“メタ”な疑問点を取り上げる必要があると指摘した。サウジアラビア、マレーシア(LMDC途上国グループ)は、同セクションは不要だと主張した。

ペルー(独立中南米カリビアン諸国連合:AILAC)、 ツバル(LDCs)、 メキシコ、 トリニダード・トバゴ、ウルグアイ、ロシアは、同セクションは合意の目的を概念化していると強調した。

 Diann Black-Layne (アンティグア・バーブーダ) とArtur Runge-Metzger (EU)が共同進行役を務める非公式の討論会で、機械的に文章をスリム化、整理する4つのパラグラフが特定された。個別パラグラフの議論の概要は下記サイトを参照: http://enb.iisd.org/vol12/enb12629e.html

6月9日(水)、共同進行役のBlack-Layneから、様々なトピックやパラグラフがどこで取り上げられるのかを示す、共同進行役作成の“セクションのマッピング(“ mapping the section)についての紹介があった。

多くの締約国は、ジュネーブ交渉テキストの他のセクションとの関連を示す欄を表に設け、サブパラグラフの参照情報を入れることを要請した。欧州連合(EU) は、この表が低GHG経済への移行について記載していないことを指摘し、インドとともに、ジェンダーの平等にも触れていないと述べた。中国が“差別化された約束/貢献”という用語の利用を提案する一方で、米国は、“約束/貢献/行動”という表現を残す方が良いと主張した。

多くの締約国が、適応行動や実施手段 (MOI)の強化を含めた、バランスの取れたアプローチを求め、LDC諸国はGHG濃度や気温安定化のために短期と長期の目標を設定するよう呼びかけた。また、多くの締約国が、このセクションは簡潔にすべきだと述べた。ブラジルは、他のセクションで、法的な義務について詳細に定めるべきだと補足した。

全体の原則論については、 スーダンが、共通するが差異ある責任 (CBDR)、先進国のリーダーシップ、特殊事情を強調した。マレーシアとインドは、衡平性と歴史的責任の観点からMOIについて強調した。ボリビアは、国家以外の主体への責任転嫁をほのめかす表現をすることに警戒感を示し、国際炭素収支と母なる地球について言及するよう求めた。

共同進行役は、締約国からの意見を修正版の表に反映させ、共同議長に議論の内容を伝えると報告した。

緩和: ジュネーブ交渉テキストのうち33パラグラフを占めるセクション D (緩和)の第1回読み合わせは、Djoghlaf共同議長が議長を務める交渉グループで、6月1日(月)に行われた。

締約国はいくつかのパラグラフについて機械的に文章の簡略化・統合化の作業を行い、Franz Perrez (スイス) と Fook Seng Kwok (シンガポール)が共同進行役を務める非公式討論会でも議論が続けられた。 個別パラグラフに関する議論の概要は下記URL参照: http://enb.iisd.org/vol12/enb12629e.html

6月4日(木)、進行役の下でのグループ会合で、他のセクションtの関連性を特定する“パラグラフの分解作業”が行われた。会計処理や土地利用、市場の活用や市場制度に関する取り決めなどについて集中的な議論が行われた。また、合意の全体的な規則についても取り上げられたが、詳細は決定書にゆだねられた。

 EUは、全体的な会計原則についての提案を行った。ケニアは、 アフリカン・グループの立場から、透明性の項目のところに記載する方が良いとして、ここで会計(アカウンティング)について検討することに異を唱えた。ブラジルは、会計と市場の諸問題をクラスター化することに釘を刺し、会計は透明性や遵守に係わる問題であると示唆した。 チリは、 AILACの立場から、市場メカニズムの活用の欄にある下位の問題について、後の段階で議論の順序を “シャッフル”して検討することを提案した。サウジアラビアとベネズエラは、現段階で市場について議論することに反対し、ボリビアとともに、市場以外のアプローチを含めることを求めた。

セントルシアは、小島嶼国諸国連合 (AOSIS)の立場から、利用される市場間の関係や、遵守制度、正味の便益と環境十全性を確保するための適格性ルールについて言及し、市場メカニズムの目的と利用原則;市場の移転に関する会計; 今後のルールの詳細; 推計方法の一貫性ある利用、調整、共通算定基準などが、今後クラスター分類が可能な分野だとの認識を示した。

6月6日(土)、6月9日(火)、 6月10日(水)には、テキストをさらに明確にするべく、共同進行役による度重なる修正を経て様々な概念を表形式で記載した“技術的なツール”の助けを得て、クラスター化したパラグラフの検討が行われた。

アフリカン・グループは、緩和に関する世界の長期目標; 個々の約束; 特徴; 協定/メカニズム; 執行機関の役割/権限等をめぐるセクション構成案を提起した。ボリビアは、1.5°C、または2°C目標を盛り込むことを求め、市場や土地利用について取り上げることを反対した。ブラジルは、 REDD+交渉の再開に対して警戒感を示し、これは資金のセクションに係わることだとの見解を示した。サウジアラビアは、衡平性の問題を盛り込むことを求めた。

いくつかの問題は複数の見出し項目と合致するとの指摘が幾つかの締約国から持ちあがり、差別化に関する選択肢を明確にすべきだとするブラジル提案への支持の声があり、中核を成す合意文書または決定書のどちらにテキストを入れるべきかという議論が行われた。中国、 サウジアラビア(アラブ・グループ)、 南アフリカ、 AILACをはじめとするいくつかの締約国は、テキストの位置づけについて議論するのは時期尚早だと主張した。

 今後の変化が予想される要素を含むパラグラフについては、COP決定書の中に含めるべきだとの点で多くの締約国の見解が一致した。ツバルは、合意を批准する前に成立させるべき決定書と批准後に成立させる決定書と区別する必要があると言及した。合意を運用可能にするため決定書の採択に向けた作業計画に着手すべきだと多くの国が提案した。

オーストラリアは、暫定的な取り決めでの対応を提案するとともに、どのように決定書と適合するのか示唆した。 EUは、緩和の約束を合意に盛り込むべきだと強調した。ノルウェー、ブラジルは、合意には市場についてしっかりと定め、市場の詳細については決定書に記載することを提案した。

米国は、決定書の中で、炭素中立、 低排出型の開発戦略、長期気温目標を取り扱うことを提案した。セントルシアは、AILACの支持を受け、長期気温目標は合意に盛り込むべき内容だと反対を唱えた。

ニュージーランドは、 永続的な要素は合意の中で取り扱う必要があるとし、全ての締約国は、信頼醸成のため、約束の実現を透明な形で報告すべきだと強調した。

Perrez共同進行役は、共同進行役がクラスター化(分類)を推進するために導入した“技術的なツール”に関する議論について説明し、締約国からの意見は全てADP共同議長に連絡すると伝えた。

適応と損失・被害: ジュネーブ交渉テキストのうち27のパラグラフから成るセクションE (適応 and 損失・被害)に関する第1回の読み合わせは、Reifsnyder共同議長が共同議長を務める交渉グループで6月1日(月)から開始された。

第1読会では、文書のスリム化に対するアプローチについて討議された。多くの締約国は、テーマ別に扱っていく案を支持し、ボリビア (G-77/中国)やジャマイカ(AOSIS)とともに、手始めにモニタリングと評価に関する文章から作業することが提案された。EUは、約束に関するテキストから始めることを提案した。

東ティモールは、損失・被害に関するセクションのスリム化を提案した。 AOSISは、損失・被害と切り離して適応について検討することを求めた。

適応に関するテキストのスリム化を行うための選択肢については、Andrea Guerrero (コロンビア) と Georg Børsting (ノルウェー)が共同で進行役を務める非公式討論会で検討することで合意し、まずは、適応の報告; 約束; モニタリング・評価に関するテキストから作業することとなった。

クラスター化(分類)に関する作業は6月4日(木)の進捗グループから開始された。 Guerrero共同進行役は、課題をクラスター化する手法について提案し、テーマやパラグラフ、テキストの項目欄を設けた表を提示した。クラスター分類が可能なテーマについて意見を出しつつ、締約国はこの方法論について議論した。

この表によって、放置されてしまう締約国の意見が出る一方で、締約国の見解として解釈される意見が出ることにもつながるのではないかという懸念を受けて、Guerrero共同進行役は、表はあくまでも進捗状況をチェックするための内部的なツールであると強調した。この表に基づいて作業を行い、各国は意見を提出するということで、締約国が合意した。

6月6日(土)の進捗グループでは、G-77/中国、EU、そして、オーストラリア・カナダ・日本・ニュージーランド・ノルウェー・米国から提起された3つのクラスター化に関する提案について重点的に討議した。

該当する数セクションのパラグラフのテーマをどのように分類(命名)するかという点については、米国が、 3つのクラスター化提案には大きな違いがあると指摘し、全てのパラグラフを一括して“支援”という題目で分類することを提案した。

全ての締約国が参加した非公式協議の後、  G-77/中国は、れら3つの提案や議論を踏まえて共同進行役がセクションの再構成を行うことを提案し、締約国の承諾を得た。

タンザニア、エジプトは、進捗グループ間のペースの違いや方法の違いが矛盾を招くのではないかとの危惧を示した。チリは、 AILACの立場から、進捗グループごとにスピードは違ってもジュネーブ交渉テキストの実効性を高めたいという目的は共有しているのだと述べ、米国の支持を得た。

6月11日(木)、進捗グループの最終会合で共同進行役の報告文書が検討され、合意が得られた統合化やクラスター化提案について審議が行われた。各種テーマや利用された分類、省略または変更が行われたとみられる選択肢等について意見交換が行われた。

アルゼンチンは、以前のテキストの方がもっと有効だったとし、次回のADP会合では前のバージョンと現在のバージョンの両方を交渉の土台として活用可能だと述べたが、EUがこれに反対を唱えた。 多くの締約国が、同文書は“正しい方向に向かう一歩”であると述べた。

ツバルは、 LDCsの立場から、損失・被害と別個のセクションを立てるべきだとの見解が明確に反映されているか尋ねた。EUは、損失・被害を合意に盛り込むべきではないと明記した選択肢を別途記載することを求めた。 

共同進行役が損失・被害に関するセクションを入れるかどうかという選択肢や提案された他の意見なども反映させた文書に改訂するということで締約国の同意が得られた。さらに、“議論を円滑に進めるため(facilitating discussion)” とか“いかなる成果を予断しない(not prejudging any outcomes)”といった注釈を入れて文書のステータスを示すという案が合意された。

適応と損失・被害に関するセクションの今後の交渉についての情報は、6月11日(木)付け成果文書に記される。

資金: ジュネーブ交渉テキストのうち50のパラグラフを占めるセクションF (資金)は、Djoghlaf共同議長が議長を務めた6月2日(火)の交渉グループで最初に取り上げられた。議論の中心になったのは、基本理念や法的合意に基づく制度の定着に関するサブセクションについてのG-77/中国のテキスト統合案である。

6月2日(火)、3日(水)もGeorg Børsting (ノルウェー) と Diann Black-Layne (アンティグア・バーブーダ)を進行役とした非公式な討論会で続けられた。個別パラグラフに関する交渉グループの概要は以下の通り:http://enb.iisd.org/vol12/enb12630e.html

文書のスリム化・統合化の作業は6月5日(金)もBørstingとBlack-Layne共同進行役が座長を務める進捗グループの会合で続けられた。個別パラグラフの議論は次のURL参照: http://enb.iisd.org/vol12/enb12633e.html

また、文書の再構成やクラスター分類についても議論が行われた。EUは、ジュネーブ交渉テキストの資金に関するセクションの最後に提示された構成案によるパラグラフのクラスター分類を提案した。米国は、 オーストラリア・カナダ・日本・ ニュージーランド・米国が行ったクラスターに関する提案を紹介し、基本理念; 貢献/約束/行動; 制度;透明性と報告のプロセスに関する分類を示した。 スイスは、環境十全性グループ (EIG)の立場から、透明性と報告に関するパラグラフを統合したパラグラフにする案を支持した。G-77/中国は、後で自然にクラスター分類はできるとし、実質交渉を始める方が良いと主張した。

6月6日(土)、Børsting共同進行役の下で、パラグラフごとの議論が行われ、今後パラグラフをどのように再構築、分類、統合していくか意見を募った。この会合で出された締約国の意見を考慮に入れた上で、文書の分量を減らす作業を共同進行役に託すということで締約国が合意した。

6月9日(火)午前、Børsting共同進行役は、2つの修正テキストを会合後に公表すると発表。全ての締約国は、共同進行役と事務局が行った文書のスリム化を歓迎し、共同進行役に今後もスリム化作業を続行してほしいとの声が多くの国から寄せられた。その他、 セクションの“流れ”や、決定書または合意のパラグラフの位置、他のセクションにある資金の取り扱い等について議論が行われた。

テキストの論理的な流れについては、 オーストラリアが、カナダ、ニュージーランド、米国、EIGの支持を受け、「貢献」に関するパラグラフを「資金源の規模」に関するパラグラフの前にある法的合意の下に挿入することを提案した。  ブラジルは、行動強化というADPの役割を全うすることが、途上国にとっては最も明白な手段であると述べ、反対した。

決定書の文の特定に関しては、 ボリビアが、 G-77/中国の立場から、 この作業は、内容に関する議論の前に実施しなければならないと述べた。エクアドルは、LMDCsの立場から、最初に「位置」について議論すれば交渉の結果を予断すると強調した。

EUは、様々な決定書のためのパラグラフを特定することを提案した。EIGは、 “分類”に関する議論は時期尚早だとしながらも、合意は永続的な内容にすべきだと述べた。ニュージーランド は、合意の要素は永続的かつ未来志向で、全ての締約国に適用できる内容にすべきだと述べた。

文章のつながりについては、 G-77/中国が、資金の問題を文中の関連セクション全てに記載されなければならないと述べた。ボリビアは、自国の見解を示し、2015年合意の中では資金こそ最重要課題であると述べた。

米国は、資金に関するパラグラフは資金のセクションに入れるべきだと述べた。EUは、資金に関する運用面の詳細は他のセクションに記載すべきでないと主張した。EIGは、内容を変更することなく、全ての資金関連パラグラフをに関する概念的な議論を行うことを提案した。

修正文書の配布後、進捗グループの会合が6月9日(火)に行われ、文書の更なるスリム化についての議論がなされた。

Børsting共同進行役は、各国の要望に沿って、ジュネーブ交渉テキストのパラグラフやサブパラグラフをどのように統合・再構成・分解したか説明するとともに、2つのパラグラフが新たに追加されたことを伝えた。修正点に関して締約国から意見が出され、さらにセクション内の文章のスリム化・再構成・分解を行うよう追加提案が出された。また、進展の遅さを指摘して、 米国は、概念上の議論を行うか、収斂できる要素の特定を目指すべきだと提案した。南アフリカは、各国の提案のベースにあるものに関する議論を行うべきだと示唆した。G-77/中国は、実質的な議論の開始を主張し、これにより、テキストを合意に入れるべきか、決定書に入れるべきか判断することができると述べた。

6月10日(水)の進捗グループによる最終会合で、Børsting議長はスリム化した修正版テキストを提示した。議長は、ADP共同議長に同テキストを紹介すると述べ、締約国が合意した。その後、共同議長に追加情報を与えるための概念的な議論に入った。

多くの途上国が、資金は野心を実現させる手段だと述べた。ブラジルは、合意によって現在の義務を強化すべきだが、“全員が行動すると明示するための独創的な手段を模索しなければならない”と述べた。ニュージーランドは、実効性ある成果を出せるような合意を求めた。EUは、資金に関するテキストはUNFCCCに立脚しなければならないが、その一方で“世界の現状も捉える”べきだと述べた。

資金の規模と資金源については、  G-77/中国が、合意に対して途上国がどのように貢献できるか決定するために資金の規模を明確にすることが求められると述べた。ベリーズは、 AOSISの立場から、  気温上昇を1.5°C未満に抑制するため、気候資金の目標を掲げるよう求めた。多くの途上国は、十分かつ予測可能な支援を求めた。

EUは、低炭素型の気候レジリエントな気候に対する回復力をもつ)開発に対して“数兆規模の巨額資金をシフト”するよう民間部門にシグナルを送る必要があると主張した。ナウルは、国内行動のための資金を供与するべく全ての締約国が基本的な約束を掲げることを提案した。カナダは、資金の規模や資金源の議論をする前に、貢献と行動について議論しなければならないとした上で、世界の資金の流れを最大化する必要があると強調した。

インド、サウジアラビア(アラブ・グループ)は、公的資金を資金の柱とすべきだと主張した。メキシコは、全ての資金源が必要だと述べた。EIGは、状況が異なれば、必要なツールや資源も異なると指摘した。

マラウィ(LDCsの立場)、 ニュージーランド、米国をはじめとする多くの国が、支援に対する直接的なアクセスや支援の即応体制を通じて、小島嶼開発途上国(SIDS) や LDCsの特殊事情を認識することを支持した。

技術: ジュネーブ交渉テキストのうち、6つのパラグラフから成る、セクションG (技術 開発・移転)に関する第1回読み合わせがReifsnyder共同議長が議長を務める交渉グループで、6月2日(火)に始まった。

パラグラフの統合が検討され、Tosi Mpanu Mpanu (コンゴ民主共和国) とArtur Runge-Metzger (EU)が共同で進行役を務める非公式討論会では、全般的な規定や、約束、制度的なアレンジに関するテキストの統合に関して若干の進展が見られた。個別パラグラフの議論は下記参照: http://enb.iisd.org/vol12/enb12630e.html

6月5日(金)、共同進行役による文書スリム化提案をベースに進捗グループで文書のセクションに関する検討が続けられた。

議論の中心となったのは、先進国が講じるステップとして、民間部門の途上国向け技術の開発・移転に対する支援強化策、技術やノウハウ利用への障害対策、公共部門の技術の利用促進と途上国に対する技術の開発・移転等のテーマであった。

メキシコは、米国、オーストラリアの支持を受け、先進国と途上国が共に技術移転の障害に対処する必要があるとし、“先進国締約国”という文言を“全ての締約国”という文言に変更することを提案したが、南アフリカ、 中国、アラブ首長国連邦(UAE) が反対した。

また、文章を再構成すべきテーマとして指摘されたのは、技術に関する約束の実行開始と実現に向けた支援、他の機関との協力やシナジーの強化、妥当性および実効性に関する点検等であった。

ツバルは、“会計に関する規定を盛り込む”ことや“アフリカ、LDCs 、 SIDSにおいて特殊な事情を抱える国々の個別のニーズ”は全テーマに該当することだと言及した。アルゼンチンは、文章のコンテキストを移し替えることに対して警戒感を示した。インドは、全ての要素に適用可能だと締約国が考えるテキストについて留意することを提案した。

中核合意あるいは決定書の文章の配置について議論が行われた。ノルウェー とオーストラリアの支持を受け、 EUは、技術メカニズムの強化に関する文言について、この問題が現在COPで審議中であることを指摘し、決定書に移すことを提案したが、インド、 UAE、 中国、 ベリーズ、ツバルが反対を唱えた。

文章の配置に関する議論は継続され、6月6日(土)に開始された概念的なアイディアに関する検討は8日(月)、9日(火)にも行われた。

国際協力の問題については、合意の中に盛り込むべきだとの点で多くの締約国が合意した。ツバルは、インドともに、合意の中に既存の機関を規定すべきだとの意見を支持したが、 これにはオーストラリアが反対した。スーダンは、  アフリカン・グループの立場から、技術の開発・移転を拡充するための枠組みに関する文章を提案し、それが技術メカニズムの指針となる戦略を提示するものだと説明した。

オーストラリアは、重複や時間の経過とともに進展する“固定する”詳細に対する警戒感を示した。アラブ首長国連邦(UAE) 、アルゼンチンは、既存の取り決めを強化することが重要であると主張した。インドは、知的所有権によって生じる障害への対応を求めた。

意見の相違を指摘しつつ、 米国、インドは、知的所有権(IPR)や長期の技術目標に関するテキストに関して懇談した。 中国は、そうした目標は技術の“流通プロセス”の動機づけと発展に役立つとともに、支援の供与と技術ニーズとの格差を点検できるようにするものだと説明した。

米国、EU、ニュージーランドは、この提案に対する懸念を示した。米国は、移転準備ができている技術に関する定期点検に関する提案の文言を明確にするよう求めた。

日本は、民間部門にインセンティブを与える方がより効果的だと強調し、締約国に新たな義務を課すことに対する警戒感を表明した。

6月9日(水)に行われた同項目に関する最終審議で、 ノルウェー、米国は、概念的な議論に入ることを提案したが、 G-77/中国と南アフリカが反対した。米国、ノルウェー、オーストラリアは、技術メカニズム/制度的な取り決めの強化については、決定書のテキストとして扱うべきだと提案した。G-77/中国、南アフリカは、どんな文言を決定書に記載すべきかという議論は、部会に託された業務の範疇を超えるものだと述べた。

Mpanu Mpanu共同進行役は、締約国から寄せられた意見はすべて共同議長に伝えることを説明した。

キャパシティビルディング: ジュネーブ交渉テキストのうち6つのパラグラフから成るセクション H (キャパシティビルディング)の第1回読み合わせは、Djoghlaf共同議長が議長を務める交渉グループで 6月2日(火)に行われた。

事務局が提案した、3パラグラフを1つの文章にまとめるという統合案についての議論が行われた。Artur Runge-Metzger (EU) とTosi Mpanu Mpanu (コンゴ民主共和国)が共同進行役を務め、非公式な討論会が行われ、この統合案が合意を受けた。個別パラグラフに関する議論の総括は下記URLで参照可能: http://enb.iisd.org/vol12/enb12630e.html

第2回読み合わせは、6月4日、5日の進捗グループで行われた。セクションのパラグラフごとに審議が進められ、整理すべきパラグラフと詳細に述べるべきパラグラフを特定した。また、キャパシティビルディングのための制度的な取り決めに関する概念的な議論に入った。

6月5日(金)、Runge-Metzger共同進行役は、このセクションの整理と構成の作業については出来る限りの進展が成されたと説明した。既存のメカニズムのギャップと新たなキャパシティビルディングに関する制度の必要性について各国の意見を明確にするための概念的な議論が開始された。

6月8 日(月)、9日(火)も、既存の機関の強化、改善における作業の格差や、ャパシティビルディングのメカニズムの体制や機能、また、メカニズム設置の根拠など概念についての議論が続けられた。

ジャマイカは、 キャパシティビルディング活動の報告における格差について特定し、CTCNの取組みがCTCNに参加するための能力向上に特化していると述べた。ブルンジは、UNFCCCの諸機関とキャパシティビルディングの構成要素との間の調整が欠如していると指摘した。マレーシアは、報告要件に関する点を中心に途上国の能力が強化されたことを示唆した。

米国は、TEC、CTCN、気候技術イニシアティブ民間融資諮問ネットワークが、キャパシティビルディングの機関であるとの認識を示した。セントルシア をはじめとする国々が、キャパシティビルディングは技術的な観点を超えていると述べた。 スワジランドは、カンクン技術メカニズムの役割は文章で提案されているものと合致していないと指摘した。オーストラリアは、各国のニーズを明確化するための各国の気候変動キャパシティビルディング計画を提案した。

EUは、既存の機関がキャパシティビルディングを “実行できていない”理由や既存の諸機関の連携強化策、キャパシティビルディングに関するダーバン・フォーラムの強化策などを模索するよう求めた。

サウジアラビア、南アフリカ、ブルンジ、セネガルは、 キャパシティビルディングの取組みを調整するための執行機関を求め、セネガルとともに、途上国向けの支援のMRVについて強調した。EUは、そうした機関が格差解消を実現できるのか疑問視した。

中国は、 G-77/中国の立場から、多くの途上国とともに、 キャパシティビルディングの機関あるいはセンターを求めたが、特にキャパシティビルディングに対する体系立った包括的アプローチや格差の分析、活動に関する支援の実施、実施のモニタリング、活動ごとの一貫性と相乗効果の向上、融資の機会のPR、LDCsの気候レジリエンス構築支援、国家主導の行動に対する支援が必要だと指摘した。

米国は、そうした機関で世界の全てのキャパシティビルディング活動を調整することが可能か疑問を呈し、支援のMRVに関するこれまでのに関する議論がキャパシティビルディング支援の測定がいかに困難か示していると指摘した。

また、キャパシティビルディング枠組みの実施に関する第3回包括見直し等、SBIの関連作業との関係についても検証が行われ、キャパシティビルディングをパリ合意の中核に据える必要があるとの点で締約国が合意した。

進捗グループの最後の会合で、今後のステップとして、文中のオプションに関する締約国の意見の明確化やテキストに関する第3反復、ワークショップ開催、キャパシティビルディングに取り組む既存の機関に関する事務局作成のリスト等についての提案が出された。

透明性: ジュネーブ交渉テキストで20のパラグラフから構成されるセクション I (行動・支援の透明性)の第1回読み合わせが6月2日(火)、Reifsnyder共同議長が議長を務める交渉グループ内で実施された。 

議長は、ジュネーブ交渉テキストの“難しい”セクションと称される部分の概要を説明した。締約国は4つのパラグラフの文章をまとめるという事務局提案について議論し、Franz Perrez (スイス) と Fook Seng Kwok (シンガポール)が共同で進行を行う非公式討論会で、統合・整理すべき一連のサブパラグラフを確認していった。個別パラグラフ に関する議論の総括は下記URL参照: http://enb.iisd.org/vol12/enb12630e.html

そうした文章のとりまとめ作業を受け、 6月5日(金)の進捗グループでは今後の方策について議論を行い、共同進行役には締約国からの提案を元に、セクションの概念図の作成を依頼した。

6月6日(土)、進捗グループで共同進行役が作成した概念図について検討した。6月8日(月)の進捗グループでは、概念図を手掛かりに多様な概念とオプションを分解していくため、改めて透明性の枠組みに関するパラグラフ 141の概念を系統化して明確にするための方策が検討された。

このパラグラフに関して長時間の議論が行われたが結論には至らず、内容を一切失うことなく、また締約国の見解を保持しながら、締約国の明快な方式でオプションを紹介するための事例として透明性の枠組みに関するパラグラフ 145は共同進行役に改めて分解作業を依頼することとなった。 また、6月11日(木)には、“分解”と“再構築”の図例についてグループの検討が行われた。同グループは、共同進行役の作業に謝意を表し、 この作業はセクション全体の“分解”と“再構築”を行うための意義深い“案内役”として役立つと言及した。中国、EU、サウジアラビアは、改めてパラグラフの体裁を整えるための具体的な提案を行った。

また、パラグラフ 145の例を使って、合意あるいはCOP決定書に盛り込むテキストの配置についても審議が行われたが、この作業は有益だとする見方と現段階では時期尚早だとする見方に分かれた。締約国の提案やこの作業で得た教訓については、共同議長に連絡することが決定した。

時間枠: ジュネーブ交渉テキストで33パラグラフを占めるセクション J (約束/貢献/実施に関する時間枠とプロセス/他の野心に関する問題) の第1回読み合わせが、Djoghlaf共同議長が議長となる交渉グループで6月3日(水)から開始された。ニュージーランドは、このセクションの構成は明確にできるはずだとの見方を示し、EUとともに、時間枠のセクションと緩和のセクションのつながりについて言及した。

Djoghlaf共同議長の提案を受けて、いくつかのパラグラフについては、機械的な整理作業と統合作業が集中的に行われた。この作業はRoberto Dondisch (メキシコ) とGeorge Wamukoya (ケニア)が共同進行役を務める非公式討論会で続けられた。個別パラグラフの議論の概要は下記参照。http://enb.iisd.org/vol12/enb12631e.html

6月5日(金)の進捗グループの議論では、 LMDCs が提起した文章整理案について検討し、合意文書あるいは決定書のいずれかに論点を記載するかという問題についての意見交換や差別化の問題についての議論を行った。また、 EU やLMDCs、AILACは、概念や構成を明確にするため文章の分類をどのようにすべきか提案内容を発表した。

テキストの配置については、マーシャル諸島が、ツバル(LDCs)、米国とともに、総量としての野心の評価を合意の一部とすべきだと強調する一方で、具体的な様式については将来の決定書の中で確定可能だと主張した。インドは、実施に関するレビューはパリ会議後の決定書の中で取り上げることが出来ると述べたが、これについて中国は、検討課題として残すよう求めた。また、中国は、配置に関する決定は、ADPで審議される全ての要素の合意次第であると主張した。

レビュー/評価/メカニズムの目的については、EUが、合意の中で規定するのが最も望ましいと主張した。 ツバルは、 レビューのメカニズムは、緩和とMOIの両方に適用すべきだと強調した。

時間枠という文脈における差別化の適用については、ブラジルが、 インドの支持を受けつつ、これは総量あるいは各国ごとのレビュー/評価の状況次第だと述べた上で、総量のレビューの中ですらCBDRには「差別化」のニュアンスを伴うと主張した。さらに、中国は、紋切型で「非差別的な」方式で、 “全ての締約国に適用可能”として扱うことに反対を唱えた。

オーストラリアは、「差別化」についての理解を明確にするべく、EUとともに、偽りのない、総量レビューは全ての締約国を対象とすべきだと言及し、各国の状況を勘案しつつ、更新期間中は締約国の貢献について一斉に通報(連絡)するよう要請した。また、事前審議には多くの時間がかかることを示唆し、世界における排出比率の高い国に対して優先順位をつけて差別化を行うことを提案した。

クラスター化(分類)の問題については6月8日(月)、“セクションを明瞭にするためのツール”として共同進行役の技術的な提案の助けを受けて、集中的な議論が行われた。EUは、韓国の支持を受け、[科学の文脈における実施に関する戦略レビュー; NDCs提出に係わる通報(コミュニケーション)と約束; 気温目標に関するNDCsの総量という意味合いを獲得するための事前のプロセス; NDCsの公式化]という順序をつけて、緩和サイクルの概要を説明した。 

コロンビアは、AILACの立場から、[通報; 事前評価; 公式化; レビュー; 約束/貢献の更新]という順序をつけて、概要を説明した。マーシャル諸島は、スコープと性質; 約束期間と時間枠; 準備と更新プロセス; 記入;戦略レビューに関するセクションを紹介した。

米国は、適応と緩和のサイクルは異なる可能性があると述べた。中国は、ブラジル、サウジアラビアとともに、“緩和中心”アプローチに反対した。EUは、緩和セクションの緩和サイクルに取り組み、適応と資金のサイクルをそれぞれのセクションで検討することを提案したが、LDCsがこれに反対した。

いくつかの締約国は、合意と約束の継続期間の違いを指摘した。インドと中国は、まず合意の継続期間について集中することを求めた。ニュージーランドは、合意の継続期間に関するパラグラフを発効に関するセクションに移動させることを提案した。コロンビアは、永続性と時間枠とうい小見出しをつくる案を支持した。

通報(コミュニケーション)については、ツバルが、通報間のリンク、事前審査、最終的な通報という順序で並べるべきだと述べた。ブラジルは、NDCsの通報と更新の違いについて言及した。オーストラリアは、第1回と最終回の通報までの間の約束の維持を巡る問題について強調した。

マーシャル諸島は、初回とその後の通報サイクルについて、初回の通報についてはCOP決定書に記し、その後の通報については合意で定めるべきだと述べた。 ノルウェーはこれに異議を唱え、詳細なタイムラインや事前情報をCOP決定書に盛り込むことを示唆した。

6月8日(月)夕方、 中国は、“サイクル”という文言が交渉の成果を予断しうると示唆したが、ニュージーランドが“サイクル”とは目新しい用語ではないと述べた。  EUは、サイクルやプロセスの目的は長期的な野心の強化だと説明した。

6月10日(水)に本項目の最終審議が行われ、共同進行役の技術に関する修正提案を共同議長に送付することで合意が成立した。

実施と遵守: ジュネーブ交渉テキストで8つのパラグラフから成り、3つのオプション (I、 II、 III)を含むセクション K (実施と遵守の促進)の第1回読み合わせは6月3日(水)、Reifsnyder共同議長が議長を務める交渉グループで行われた。

EUは、オプション I のパラグラフに関する統合案を作成したが、同じパラグラフの事務局提案と一緒に整理しつつ、検討することで参加者は同意した。

Sarah Baashan (サウジアラビア) とAya Yoshida (日本)が共同進行役を務める非公式討論会が同日開催され、前述の提案について検討し、一部については合意が成された。個別パラグラフに関する交渉グループの議論の総括は次のURL参照: http://enb.iisd.org/vol12/enb12631e.html

このセクションに関する議論は6月5日(金)の進捗グループでも続けられ、中国、カナダ、サウジアラビアを含む多くの国が遵守に関する細かい議論に入る前に合意の法的形態についてコンセンサスを形成するよう求めた。

EUは、COP 21までに今後の遵守のモデルづくりをすることが有用だと言及し、セクション中に盛り込まれた代替“モデル”を土台にセクションを再構成することを提案し、締約国の合意を得た。

オーストラリアは、パラグラフの題目をつける際、すなわち、目的や設置、ツール、構成、作業方式等の問題があることを指摘し、問題の“バスケット”をさらに特定することを提案した。 EUは、設置と目的、役割・スコープ・体制、協定の様式について示唆した。“バスケット”に関する合意を目指して、非公式会合を行うことが決まった。

6月6日(土)、Baashan共同進行役の下でグループ討論が行われ、オーストラリア、 EU 、 コロンビア(AILAC)、中国(LMDCs)からの提案について、解釈が進められた。多くの締約国が、共同進行役が会合中に各国から出された意見と提案内容をまとめた文書を作成するよう提案した。さらに、AILACは、共同進行役が各種提案の共通点を探り、これらをまとめるよう提案した。

6月10日(水)、Baashan共同進行役がセクションを分解するため各国の提案をまとめた表について紹介。締約国からは、共同進行役がさらに表をまとめるよう要請した。

2015年合意または決定書に盛り込むべき要素や運用開始、差別化等について議論が行われた。多くの国が、遵守の協定/委員会/機関の設立を中核合意の一要素であるとし、セクションは短くすることも可能だと補足した。

米国、EU 、ニュージーランド、カナダ、AILACは、全ての国に適用可能な、促進的な遵守メカニズムを支持した。ノルウェーは、法的な義務と法的拘束力をもたない要素をカバーする2部門を有するメカニズムを提案した。

スーダン(アフリカン・グループ)と LMDCsは、セクションの中に差別化を入れることを支持し、LMDCsは先進国向けの遵守協定や途上国向けの促進的な実施を求めた。

6月11日(木)の最終グループ会合で Baashan共同進行役から5つのオプションと4つの“バスケット”及び上記セクションの議論による重要な成果を箇条書きにした表の紹介があった。また、文書のスリム化に向けた共同進行役の提案を紹介し、この表については単に文書を簡略化するためのツールとして役立てたものだと説明した。この表を会合の審議に関する情報として共同議長に提出する案については締約国の合意がまとまらず、差別化や意見集約、遵守に対する意見に関する省察等に関する提案は時期尚早だとされた。さらに、テキストに関する提案も出された。

最終的には、共同進行役のテキストについて、最終会合において口頭で発表があった締約国からの意見と合わせて、共同議長に提出することが合意された。

手続き・制度に関する規定: ジュネーブ交渉テキストのうち23のパラグラフから成るセクション L (手続き・制度に関する規定)に関する第1回読み合わせはDjoghlaf共同議長が議長を務める会合で 6月3日(水)に行われた。

文章の統合のために出した事務局が提案について集中的な議論が行われ、パラグラフを1つにまとめることで締約国が合意し、さらなる統合案と一緒に、Sarah Baashan (サウジアラビア) と Roberto Dondisch (メキシコ)が共同で進行役を務める非公式討論会に対して、これを送ることとなった。個別パラグラフの議論の総括は下記URL参照: http://enb.iisd.org/vol12/enb12631e.html

6月10日(水)の進捗グループの2回目と最後の会合で、同セクションが取り上げられた。Baashan共同進行役は、ジュネーブ交渉テキストの中で言及されている全ての機関と枠組みについて記載したリストを紹介し、2015年合意に既存の機関を定着させることに対する意見を募った。

ほとんどの締約国は、既存の制度に関する取り決めを基礎にする必要があるとの見方で一致し、どのようにすれば2015年合意に“定着”させられるか議論した。ツバルは、 LDCsの立場から、メキシコとともに、“この合意において役割を果たす( “…shall serve in this agreement”)”というフレーズを使えば“定着”させられると述べた。

コロンビアは、 AILACの立場から、 UNFCCCの下で設立された機関と決定書によって設立された機関を区別することを提案した。ブラジルは、テキストの各セクションにおける関連機関について言及することを提案した。

オーストラリアは、サウジアラビアとともに、“現在、保有しているものを活用”する必要があるとし、COP及びCMP決定書を通じて、既存の機関を定着・強化するための“ライトタッチのアプローチ”を提案した。マレーシアは、既存法の議定書または条文により、その法規に定められた既存の機関は全て採択することが慣習となっていると指摘した。

ほとんどの締約国は、COP、SBI、SBSTA、事務局などの主要機関を合意に定着させる一般規定に合意した。インドは、新たな機関を創設することに柔軟性を持たせながらも、既存の機関を定着させるための統一的なアプローチを求めた。AOSIS、LDCs、マレーシア、EUは、分野別の機関や決定書で定められた機関を“一括規定によって” 定着させる案に反対を唱えた。

執行機関については、多くの締約国がCOPを新合意の執行機関と認識していた。また、COPが2015年合意.の執行機関となった場合、京都議定書の下で設立された諸機関をどのように移管すべきかという問題についての議論も行われた。 オーストラリアは、本件については、UNFCCCの締約国が全て京都議定書の締約国とは限らない状況を考慮に入れ、きちんと対応しなければならないと主張した。

LDCsは、適応基金やクリーン開発メカニズム(CDM)等、京都議定書の下で設立された諸機関をCOP決定書により新合意に移管することは可能だと示唆したが、米国がこれに反対した。

共同進行役は、議論の内容を共同議長に報告すると述べた。

ワークストリーム 2 (プレ2020年の野心): Aya Yoshida (日本) と George Wamukoya (ケニア)が進行役を務めた進捗グループで審議が行われた。

ワークストリーム 2 に関する決定書草案の要素を策定する必要があるとの考え方で幅広くコンセンサスができた。G-77/中国や EU等、いくつかの地域グループが、要素に関する素案を提案することに前向きであると表明した。

また、実施の加速や特に技術審査プロセス (TEP)等に対するハイレベルの関与、非国家主体の役割、UNFCCCの諸機関の調整についても議論が及んだ。

6月5日(金)、決定書草案に対する様々な提案内容についての議論が行われた。EUは、TEPの推進という目的を中心とするEUの提案について紹介。ハイレベルセグメントやUNFCCCの機関やその他の主体等の関与という要素が盛り込まれていると述べた。

マリは、 G-77/中国の立場から、 同グループの提案内容について概要を説明し、プレ2020年の野心に関する作業計画、実施加速のプロセス、適応 TEP、ハイレベルの関与等の構成要素から成るものだと述べた。

オーストラリアは、アンブレラ・グループの立場から、決定書の目的はTEPの強化策を勧告することにあると示唆し、既存の制度体系の活用やTEMの評価プロセスの構築など初期的な意見を示した。

モルジブは、 AOSISの立場から、行動に関するプラットフォームやUNFCCC機関代表者の定例会合の実施を役割として定めることを提案した。

今後の方策については、 文章の編集を求める国もあったが、限られた交渉時間を考えると、それが今後のステップとして適切なのか疑問視する国もあった。Yoshida共同進行役は、今後の方策について、共同議長と共同進行役が協議すると述べた。

6月9日(火)、Yoshida共同進行役は、TEPやUNFCCCと京都議定書に基づく実施の促進に関する議論を導く上での課題について発表した。

 G-77/中国は、TEMの主眼と体制の改善、技術文書の作成とMOI条項の中のギャップの分析、資金の透明性向上、多国間協力の強化等を提案した。

 TEPを現場の効果的な行動に変換するという問題については、 米国が、 EU  オーストラリアとともに、 TEPは変化を遂げるべきであり、定期的なレビューを実施して改善するべきと述べた。

ハイレベルの関与については、 日本が、EU、ノルウェー、バングラデシュとともに、政策決定者向けにTEMの成果をタイムリーに提供するという案を支援した。

実施については、EUが、既存の機関やプロセスの活用が必要だと強調した。

インドは、ブラジルの支持の一方で米国の反対を受けたが、決定書草案のたたき台として締約国から提出された文書を編集することを提案した。

6月10日(水)、Yoshida共同進行役は、共同進行役が編纂した情報文書に関する意見を出すよう参加者に求めた。

多くの途上国は、情報文書を今後の作業の土台として活用するとの案を支持したが、[序文; 実施加速のプロセス; TEP;レビュー]という順序で文書の再構成を行うよう要請した。

EUは、米国、 ニュージーランド、 ノルウェー、 オーストラリア、カナダとともに、文書に記載された緩和とTEP以外の多くの要素はワークストリーム 2の管轄外事項だとして情報文書を使うことに反対した。多くの途上国は、プレ2020年の野心を強化しうる要素は全て管轄事項であると主張した。

6月10日(水)夕方の進捗グループの討議で、G-77/中国、およびEIGから提出された案について意見交換を行ったが、ワークストリーム 2の管轄事項に対する一般的な解釈が異なる状況が続いた。共同進行役のWamukoya および Yoshidaは、6月11日に各種提案ならびに意見が一致している分野と意見の隔たりがある分野について記載した成果文書を発表した。

技術専門家会合(TEM: 再生可能エネルギー供給:再生可能エネルギー供給に関するTEMは 6月3日(水)に開催。 TEMの概要については下記参照: http://enb.iisd.org/vol12/enb12631e.html

都市環境における省エネ行動の加速化: 都市環境における省エネ行動の加速化に関するTEMは6月5日(金)と6月6日(土)に開催。TEMの概要については下記参照:

http://enb.iisd.org/vol12/enb12633e.html

http://enb.iisd.org/vol12/enb12634e.html

ADPコンタクトグループ (焦点:8/9月会合の構成) 6月11日に行われたコンタクトグループ最終会合で、 ADPのReifsnyder共同議長から今後の方策についての共同議長案に関する紹介があり、進捗グループの成果についてはオンラインで公開しており、6月11日付で、ノンペーパー形式の成果文書ならびにノンペーパー形式の簡略化した統合テキスト修正版が発行される旨の説明があった。 また、締約国の要望どおり、共同議長が追加ツールを発表し、そこにジュネーブ交渉テキストを完全に短縮し、簡潔明瞭にまとめたテキスト、ならびに決定書または合意文書に相応しいパラグラフの提案を盛り込むことが示された。また、議長は、今後の方策に関する意見を募った。

作業様式については、モルジブが、 AOSISの立場から、交渉を順調に進めるために成果文書は役立つと述べ、今後2回のADP会合で期待される成果文書について明確にするよう求めた。

スーダンは、 アフリカン・グループの立場から、世界がこのプロセスをどのように見ているのかという評価について言及し、 今次ボン会議で唯一の成果が正式文書の資格に満たない「ノンペーパー」である点を指摘した。

マレーシアは、LMDCsの立場から、「透明で全員参加による締約国主導型プロセスを確保する必要がある」と指摘しつつ、次回以降のADP会合への付託条件について、「全員参加と透明性を常に反映し、決定書に付随する要素の検討が成果を予断するものではなく、文言を改めて反復する場合は少なくとも各会合の3週間前にこれを配布するものとし、交渉テキストは各提案に関する情報源に関する注釈をつけるとともに、同時に複数の交渉会合が開催されることのないように担保する」等を提案した。

追加ツールについては、いかなる提案も各国の見解も削除すべきではないとの意見があがった。韓国は、EIGの立場から、全ての締約国のアイディアを議論の俎上に載せる統合文書を支持した。

LMDCsは、文書の構成法や何部構成か、共同議長が決定書または合意文書に盛り込む要素の基準について、もっと明確にするよう求めた。

アンゴラは、 LDCsの立場から、7月初旬には追加ツールが入手できるようにすべきだと述べ、次回のADP会合までに十分な準備時間を設ける必要があると強調した。AILACは、7月にパリで開催される閣僚会合までに公表するよう求めた。

キューバは、米州ボリバル同盟 (ALBA)の立場から、共同議長テキストについて、交渉中の項目を何一つ漏らすことなくADP2-9での作業内容を把握し、ダーバン・プラットフォームの全要素の均衡や整合性を保つようにすべきだと述べた。

作業ペースについては、オーストラリアが、アンブレラ・グループの立場から“ギアチェンジ“をするか、もっと機能的なテキストを作成する必要があると強調した。 南アフリカは、 G-77/中国の立場から、建設的なムードを歓迎し、交渉の進展度は慎ましいものであったが、今後は交渉が加速していくと確信していると述べた。

EUは、これまでの交渉の歩みは遅すぎると述べた上で、実質的な議論が始まったばかりで、それも僅かなセクションに限られていることを指摘し、次回会合から本気で実質交渉を進めるようを求めた。 コロンビアは、 AILACの立場から、会合の進行は遅いものの締約国間の信頼を築くことができ、良好な作業方式を確立できたと述べた。

ワークストリーム 2については、G-77/中国とLMDCsが、2つのワークストリームをバランス良く扱うよう要請した。 AOSISは、共同議長がボン会議のワークストリーム 2に献身的に尽くしたと謝意を表明した。

アンブレラ・グループは、決定書に関する議論の開始を歓迎した。G-77/中国は、各国の提案と意見書ならびに会合間に共同進行役が作成した成果文書や提出文書をベースに、次回のADP会合までに、共同議長が草案ペーパーを作成・公表することを提案した。

Reifsnyder共同議長は、締約国にとって追加ツール編集作業は非常に重要であると強調した上で、各国が抱く懸念に対しては、2015年7月24日に発行予定の「共同議長シナリオノート」の付属書として公開される旨を再確認した。さらに、共同議長は、各国の意見を十分に考慮に入れ、いかなる提案やオプションを漏らすことなく、また合意文書の最終的な構成を予断することなく、締約国が意のままに改正または利用できる文書であると強調した。

ADP閉会プレナリー: Djoghlaf共同議長がプレナリー(全体会合)の開幕の辞を述べ、ADP 2-9はパリ会議の成功とタイムリーな成果を促すような“仕掛け”をつくり、交渉の進展が可能になったと述べた上で、今次会議の成功の目安は「信頼醸成のレベルと“誰も置き去りにしない”という事実であると指摘した。

UNFCCC事務局長代行のRichard Kinleyは、様々な締約国が宣言した最新の公約について言及しつつ、8月/9月、10月にADP追加会合を実施する場合は資金不足が発生すると報告した。

また、今後の方策に関する合意内容を総括しながら、Djoghlaf共同議長は、今なお「ジュネーブ交渉テキスト」が唯一の公式文書であり、一切オプションや締約国の見解を省略・削除することなく共同議長が追加ツールを作成することを改めて強調した。

COP 20議長国ペルーを代表して、 Jorge Voto-Bernalesは、集中協議を執り行ったADP共同議長に賛辞を送り、締約国には交渉テキストの各セクションのオプションを絞るよう促した。

また、次期議長国フランスでCOP 21議長の代理で、Laurence Tubianaは、各政府代表の激務を褒め称え、信頼こそ成功の条件であると強調した上で、8月/9月、10月のADP追加会合に対する明確なロードマップを求めた。

ADP連絡係のYang Liuは、今次会合の報告書(FCCC/ADP/2015/L.2) について紹介し、締約国によって採択された。午後4時46分、Djoghlaf共同議長 はADPの一時休会を宣言した。

実施に関する補助機関

6月1日月曜日、SBI議長のAmena Yauvoli (フィジー)は、会合の開会を宣言し、2013-2015年レビュー及び対応措置の影響など重要問題に関し、ADPに情報を与える結果を出す必要があると指摘した。

締約国は、非附属書I諸国の国別報告書記載情報の議題項目を保留とした上で、議題書(FCCC/SBI/2015/1)を採択し、提示された作業構成書で合意した。開会ステートメントのサマリーについては、下記参照:

http://enb.iisd.org/vol12/enb12629e.html

国際的評価及びレビュー(IAR)プロセスにおける多国間評価作業部会会合:本項目は、最初、6月1日月曜日のプレナリーで議論され、締約国は、2日間の多国間評価の会合で議長を務めるSBI議長Yauvoliの提示した情報に留意した。

6月4日木曜日、オーストラリア、ベルギー、ブルガリア、カナダ、チェコ、エストニア、ドイツ、ハンガリー、アイスランド、アイルランドについて、評価が行われた。議論のサマリーは下記参照:

http://enb.iisd.org/vol12/enb12632e.html

6月5日金曜日、リヒテンシュタイン、リトアニア、マルタ、モナコ、ノルウェー、ポーランド、ルーマニア、ロシア、スロバキア、スロベニア、ウクライナ、英国が評価された。議論のサマリーは下記参照:

http://enb.iisd.org/vol12/enb12633e.html

条約附属書I締約国の報告及びレビュー:第6回国別報告書及び第1回隔年報告書の提出状況とレビュー:この小項目(FCCC/SBI/2015/INF.3)は、最初、6月1日月曜日に議論された。SBI議長のYauvoliは、文書FCCC/SBI/2015/INF.3に示された情報に留意するよう提案し、締約国もこれに同意した。

6回国別報告書及び第1回隔年報告書の編集と統合:この小項目は、最初、6月1日月曜日に議論された。SBI議長Yauvoliの提案を受け、締約国は、Fatuma Mohamed Hussein (ケニア)及びHelen Plume (ニュージーランド)を共同進行役とする非公式協議開催で合意した。6月11日木曜日、SBIは、閉会プレナリーにおいて、結論書を採択した。

成果:結論書 (FCCC/SBI/2015/L.9)において、SBIは、SBI 44においてもこの項目の審議を続行することで合意する。

「附属書I締約国による国別報告書作成ガイドライン、第II部:国別報告書に関するUNFCCC報告ガイドライン」の改定:この小項目は、最初、6月1日月曜日に議論された。SBI議長Yauvoliの提案を受け、締約国は、Fatuma Mohamed Hussein (ケニア)とHelen Plume (ニュージーランド)を共同進行役とする非公式協議開催で合意した。6月11日木曜日のSBI閉会プレナリーにおいて、SBIは結論書を採択した。

成果:結論書(FCCC/SBI/2015/L.10)において、SBIは特に:

•   改定範囲に関する進捗状況及び国別報告書のUNFCCC報告害ガイドラインのパラグラフ37に記載する予測期間の改定に関する議論の進捗状況に留意する;

• 締約国に対し、2015年9月1日までにガイドライン改定に関する追加意見を提出するよう求める;

• 事務局に対し、ガイドライン改定に関するテクニカルペーパーを更新するよう要請する;

• COP 21でのガイドライン改訂版採択を目指し、SBI 43でも作業を続けることで合意し、SBI 43以後も追加審議をする時間が必要な場合、SBIは、事務局に対し、SBI 44会合の前に会合前ワークショップの開催を計画するよう要請する。

IARプロセス第1回ラウンド(2014-2015)の成果:この項目は、最初、6月1日月曜日のプレナリーで議論された。Fatuma Mohamed Hussein (ケニア)とHelen Plume (ニュージーランド)が非公式協議の共同進行役を務めた。SBI議長Yauvoliは、意見の一致に至らなかったことを報告し、SBIは、SBI 43においてもこの項目の審議を続けることで合意した。

中国は、合意の欠如に遺憾の意を表し、「相互の信頼関係が損なわれるのを防ぐ(avoid damaging mutual trust)」ため、交渉を加速化し、SBI 43において結論書で合意を達成するため、締約国に文書提出を求めるよう提案した。

ブラジルは、実質的な結論に至らなかった締約国の無能力に対する失望感を表明し、確固としたIAR枠組は透明性を高めると強調した。 同代表は、途上国は建設的な参加をしていると述べ、先進国に対し、提供する情報の「強化(enhance)」を図るよう求め、市民社会に対し、IARプロセスへの参加を深め、情報を精査するよう求めた。結論書は採択されなかった。

条約非附属書I締約国からの報告:資金援助及び技術支援の供与:6月1日月曜日、SBIは、地球環境ファシリティー(GEF)報告書(FCCC/SBI/2015/INF.7)記載の情報について審議し、続いて開催されたAnn Gann (シンガポール)とHelen Plume (ニュージーランド)を共同進行役とする非公式協議においても審議した。6月11日木曜日、SBI閉会プレナリーで、SBIは結論書を採択した。

成果:結論書(FCCC/SBI/2015/L.8)において、SBIは特に:

• 非附属書I締約国13カ国は、2015年6月8日までに隔年更新報告書(BURs)を提出済みであり、2015年12月31日までにさらに18か国からBURsが提出される見込みであると指摘する;

• 非附属書I締約国に対し、自国の国別報告書及びBURsを作成する際はGEFのGlobal Support Programme(世界支援計画)で利用可能な技術支援や援助を受ける機会を活用するよう奨励する;

• 気候変動政府間パネル(IPCC)の2006年版GHGインベントリ―・ガイドライン利用の訓練、非附属書I締約国の国内GHGインベントリ管理システムの構築、国内MRVシステム設定のため、最善の実施方法(best practices)の理解を進め、これを適用することで、非附属書I締約国に課せられた報告書作成要件を満たし続けるには、自国の能力向上に対する技術支援が必要という、非附属書I締約国の要請に留意する。

京都議定書メカニズム関係問題:CDMの手法論及び手順のレビュー:6月1日月曜日、議長のYauvoliは、Karoliina Anttonen (フィンランド)とGerald Lindo (ジャマイカ)を共同進行役とする非公式協議を提案し、締約国も同意した。6月11日木曜日、SBI閉会プレナリーにおいて、議長のYauvoliは、締約国はこの問題で意見の一致に至らなかったと報告し、この小項目はSBI 43の暫定議題書に記載されると報告した。

共同実施ガイドラインのレビュー:この項目(FCCC/SBI/2015/5 and INF.1, and FCCC/TP/2015/1)は、最初、6月1日月曜日に審議された。議長のYauvoliは、Dimitar Nikov (フランス)とYaw Osafo (ガーナ)を共同進行役とする非公式協議を提案し、締約国も同意した。6月11日木曜日、SBI閉会プレナリーにおいて、SBIは結論書を採択した。

成果:結論書(FCCC/SBI/2015/L.5)において、SBIは特に、SBI 43においても、付属書に記載する非公式協議共同進行役提案の決定書草案に基づき、この問題の審議を続行することで合意する。

共同実施排出削減単位の継続発行、移転、取得の迅速化の手法:この項目は、最初、6月1日月曜日に審議された。議長のYauvoliは、Dimitar Nikov (フランス)とYaw Osafo (ガーナ) を共同進行役とする非公式協議を提案し、締約国も同意した。6月11日木曜日、SBI閉会プレナリーにおいて、SBIは結論書を採択した。

成果:結論書(FCCC/SBI/2015/L.2)において、SBIは、SBI 43においても、付属の決定書草案に基づき、この項目の審議を続行することで合意する。

CDM理事会の決定に対する上訴の手順、メカニズム、制度アレンジ:6月1日月曜日、議長のYauvoliは、Kunihiko Shimada (日本)とYaw Osafo (ガーナ)を共同進行役とする非公式協議を提案し、締約国も同意した。6月11日木曜日、SBI閉会プレナリーにおいて、SBIは結論書を採択した、

成果:結論書(FCCC/SBI/2015/L.12)において、SBIは、次を記載する: SBI 44においても、特に共同進行役の文書草案(FCCC/SBI/2012/33/Add.1)に基づき、本項目の審議を続行することで合意する;締約国及びオブザーバーに対し、CDM理事会の決定に対する上訴メカニズムの範囲に関するそれぞれの意見をまとめ、2016年3月1日までに事務局に提出するよう求める。

国際取引ログ(ITL)に関係する問題:この項目(FCCC/SBI/2015/INF.2)は、最初、6月1日月曜日に審議された。議長のYauvoliは、Yuji Mizuno (日本) を進行役とする非公式協議を提案し、締約国も同意した。6月11日木曜日、SBI閉会プレナリーにおいて、SBIは、結論書を採択した。

成果:結論書(FCCC/SBI/2015/L.3)において、SBIは特に:京都議定書の排出量取引支援システムの情報セキュリティー管理に関する審議を終了する;ITL管理者並びに登録システム管理フォーラムの下で設置されたセキュリティー作業部会作成の文書を歓迎する;ITL管理者に対し、レジストリ・システムの情報セキュリティー実施に関して数種類の行動をとるよう要請する。

LDCSに関係する問題:この項目は、最初、6月1日月曜日のプレナリーで審議され、その際、LDCs専門家グループ(LEG)議長のBatu Krishna Uprety (ネパール)は、LEGの作業に関し、口頭で報告した。(FCCC/SBI/2015/6-8 and MISC.2) 非公式協議では、Mamadou Honadia (ブルキナファソ)とJens Fugl (EU)が共同進行役を務めた。

SBI閉会プレナリーにおいて、SBIは、結論書を採択し、LEGのマンデート延長に関する決定書草案を、COP 21での審議と採択のため、COP 21に提出することで合意した。

成果:結論書(FCCC/SBI/2015/L.13 and Add.1)において、SBIは特に:

• LEG第27回会議の報告書、ならびにLEGの作業進捗状況報告会議に関する報告書を歓迎する;

• 2015年4月14-15日、ボンで開催されたNAP博を歓迎し、2015年4月16-17日、ボンで開催されたNAPsの作成と実施のプロセスにおける経験、グッドプラクティス、学習事項、ギャップ及びニーズに関するワークショップ(FCCC/SBI/2015/INF.6)、さらにはLEGsの進捗状況、継続する必要性、委任事項に関する統合報告書を歓迎する;

• LDCs5か国において、各国で少なくとも1件の国別適応行動計画(NAPAs)プロジェクトが実施され、50か国のNAPAsプロジェクト完成に対しLDCs基金(LDCF)から支援が継続され、161件のプロジェクトに対する9億564万ドルの資金に49か国からアクセスがあったことを指摘する;

• 一部締約国からのLDCFへの資金供与、LDCsでの進展、NAPsの作成及び実施プロセスに関する支援プログラム及びネットワーク提供のための技術支援を指摘する;

• LDCFの資金不足に対する懸念を指摘し、締約国に対し、同基金への資金供与を促す;

• LEGに対し、事務局の支援を得て、NAP博、並びに2015年後半に開催されるNAPs地域訓練ワークショップに関する情報ペーパー作成を要請する。

国別適応計画:6月1日月曜日、適応委員会共同議長のJuan Hoffmeister (ボリビア)は、NAPsの作成及び実施の経験に関するワークショップについて報告した。(FCCC/SBI/2015/INF.6) この議題項目の非公式協議では、Mamadou Honadia (ブルキナファソ)及びBeth Lavender (カナダ)が共同進行役を務める。

SBI閉会プレナリーにおいて、SBIは結論書を採択した。

成果:結論書(FCCC/SBI/2015/L.14)において、SBIは特に:

• LEG及び適応委員会に対し、NAPsの作成及び実施プロセス向けのGCF資金に対するアクセスについて最善の途上国支援方法を論じるGCFの議論に参加したことへの感謝の意を表し、GCFとの協力体制継続を求める;

• LDCF及び特別気候変動基金への資金供与不足を懸念し留意する;

• LDCs及び他の途上国は、NAPs関係活動のためのGCF準備プログラムを利用して資金にアクセスできると指摘する;

• SBIは、NAPs関係の報告書作成を強化するため、オプションの検討を開始したと指摘し、SBI 44においても審議を続行することで合意する;

• SBIは、NAPsのモニタリング及び評価に関し検討を始めたと指摘し、COP 21における決定書草案の審議及び採択を推奨するとの観点から、SBI 43においても検討作業を続行することで合意する。

技術移転に関するポズナニ戦略計画:6月1日月曜日、議長のYauvoliは、締約国に対し、技術移転に関するポズナニ戦略計画遂行の進捗状況を報告するGEF報告書(FCCC/SBI/2015/INF.4)、並びにこのプログラムの評価に関するTECの中間報告書(FCCC/SBI/2015/INF.5)について議論するよう求めた。議長のYauvoliは、Carlos Fuller (ベリーズ)とElfriede More (オーストリア)を共同進行役とする非公式協議を提案し、締約国も同意した。

SBI閉会プレナリーにおいて、SBIは結論書を採択した。

成果:結論書(FCCC/SBI/2015/L.7)において、SBIは特に:

• ポズナニ戦略計画の下でGEFの支援を受ける技術移転及び資金移転の地域センターとCTCNとの協力関係を歓迎し、GEFに対し、現在行われているCTCNとの協力について将来の報告書の中に詳細を記載するよう求める;

• GEFに対し、非附属書I締約国による技術ニーズ評価(TNAs)の実施に対し資金を援助し、TNAsの結果実行に支援を提供するよう求める;

• ポズナニ戦略計画の評価にインプットを提供するものに対し、適応技術を支援できる方法、及び性別への対応に留意する方法を検討するよう推奨する;

• TECに対し、このプログラムの評価においては、技術メカニズムの効果を高める方法について、締約国、GCF、GEFの実施機関、その他関連ある組織との協議を続けるよう推奨する;

キャパシティビルディング:この項目(FCCC/SBI/2015/4 and Add.1, 9, and MISC.1)は、最初、6月1日に議論された。議長のYauvoliの提案に関し、締約国は、条約及び京都議定書の下でのキャパシティビルディングに関する小項目の非公式協議を背中合わせで開催し、Bubu Jallow (ガンビア)とKunihiko Shimada (日本)を共同進行役とすることで合意した。

条約の下でのキャパシティビルディング:6月11日木曜日のSBI閉会プレナリーにおいて、SBIは、結論書で合意した。

成果:結論書(FCCC/SBI/2015/L.15)において、SBIは特に:

• 途上国におけるキャパシティビルディング枠組の実施に関する第3回総合レビューの委託条件について、結論書附属書Iに記載する文書案に基づき、SBI 43においても審議を続行することで合意する;

• COP 21に決定書草案を提案するとの観点において、結論書附属書IIに記載する決定書文書案に基づき、条約の下での途上国のキャパシティビルディングについて、SBI 43においても審議を続行することで合意する;

• 事務局に対し、キャパシティビルディング活動を強化できる方法について、更なる議論を重ねるため、ADP会合に続けて、ワークショップを開催し、報告書を作成して、SBI 43の審議にかけるよう要請する。

京都議定書の下でのキャパシティビルディング:6月11日木曜日のSBIプレナリーにおいて、SBIは結論書で合意した。

成果:結論書(FCCC/SBI/2015/L.16)において、SBIは特に:

• 途上国におけるキャパシティビルディング枠組の実施に関する第3回総合レビューの委託条件について、結論書の附属書Iに記載する文書案に基づき、SBI 43においても審議を続行することで合意する;

• CMP 11に決定書草案を提案するとの観点において、京都議定書の下での途上国のキャパシティビルディングに関する審議を、SBI 43においても続行することで合意する;

• 事務局に対し、キャパシティビルディング活動を強化できる方法について、更なる議論を重ねるため、ADP会合に続けて、ワークショップを開催し、報告書を作成して、SBI 43の審議にかけるよう要請する。

キャパシティビルディングに関する第4回ダーバン・フォーラム:このイベントは、6月3日水曜日と6月8日月曜日に開催された。議論のサマリーは次を参照:http://enb.iisd.org/vol12/enb12631e.html 及び http://enb.iisd.org/vol12/enb12635e.html

条約第6条:この議題項目は、最初、6月1日月曜日にSBIで議論された。議長のYauvoliは、Albert Magalang (フィリピン) を進行役とする非公式協議を提案し、締約国も同意した。

6月11日木曜日のSBI閉会プレナリーにおいて、ドミニカ共和国は、条約6条に関するドーハ作業計画の実施に関する中間レビューは条約の実施における第6条の重要な役割を実証していると述べ、効果の高い実施には資源が必要であると強調した。同代表は、COP 21において、第6条に関するハイレベルイベントを開催し、ベストプラクティスを統括する文書を発表するよう提案し、第6条の窓口に資金を供与できる立場にある締約国に対し、資金供与を行うよう求めた。

ボリビアは、COP決定書案は「自主的な形の資金供与(voluntary forms of financing)」を勧めているに過ぎないとして、懸念を表明し、決定書を条約の資金約束と一貫性のあるものにすべく努力すると述べた。

SBIは、結論書を採択し、ドーハ作業プログラム実施の中間レビューに関する決定書草案を、COP 21に提出することで合意した、この草案にはレビューの委託条件も記載され、COP 21での審議と採択を目指す。

成果:結論書(FCCC/SBI/2015/L.11 and Add.1)において、SBIは特に:

• 第6条に関する第3回会合期間中ダイアログの成功を賞し;

• 第6条の国内窓口の認定を行っていない締約国に対し、認定を行うよう求め;

• 締約国、オブザーバー組織、その他の利害関係者に対し、第6条に関する会合期間中ダイアログの第三回の構成に関するフィードバック、及び第4回の議題に関する意見を、2016年2月18日までに事務局に提出するよう求め;

• 第6条に関するドーハ作業プログラム実施の中間レビューに関する提案を歓迎し、締約国、認定組織及び利害関係者に対し、作業計画の実施に向け執り行ったステップの情報並びに実施改善に向けた提案を、2016年2月19日までに事務局に提出するよう求める。

条約第6条に関する第3回ダイアログ:このイベントは、6月2日火曜日及び6月3日水曜日に開催された。ダイアログのサマリーについては次を参照:http://enb.iisd.org/vol12/enb12630e.html 及びhttp://enb.iisd.org/vol12/enb12631e.html

対応措置の実施の影響:フォーラム及び作業計画:この項目は、最初、6月1日月曜日に議論され、SBSTA議長のLidia Wojtal (ポーランド)とSBI議長のYauvoliを共同議長とするコンタクトグループは6月2日火曜日及び6月10日水曜日に会合した。

6月2日のSBI/SBSTA合同コンタクトグループ会合において、アルゼンチンはG-77/中国の立場で発言し、対応措置に関するフォーラムの継続を提案し、対応措置に関する強化された行動について更なる審議を求めた。同代表は、特に、持続可能な開発の概念に基づく対応措置の議論;さらなる技術的、実質的作業の実施;経済移行国に特有のニーズを明らかにすることを強調した。

EUは、UNFCCCプロセスに対する付加価値の必要性を指摘し、全ての懸念に皆で対応することを求めた。米国は、オーストラリアと共に、リマから回された決定書草案に限定しない議論を提案した。サウジアラビアは、特に、対応措置の影響を報告するプラットフォームを求めた。シンガポールは、対応措置を組織的に議論するためのメカニズムの制度化が必要だと強調した。

SBI議長のYauvoliは、Eduardo Calvo (ペルー)、Delano Ruben Verwey (オランダ)、Crispin D’Auvergne (セントルシア) を共同進行役とする非公式協議を提案し、締約国もこれに同意した。

6月11日木曜日のSBI閉会プレナリーにおいて、SBIは結論書を採択した。

成果:結論書(FCCC/SB/2015/L.2)において、SBIとSBSTAは、特に:

• 決定書20/CP.20 (対応措置実施の影響に関するフォーラム及び作業計画)の附属書に記載する決定書草案について、COP 21での採択を目指す決定書草案作成の観点から、これを検討する;

• 締約国に対し、附属書記載の決定書草案に詳述するとおり、作業計画の更なる推敲及びその実施の法性に関する意見を、2015年9月21日までに事務局に提出するよう求める;

• COP 21での採択を目指し、決定書草案を提案するとの観点から、SB 43において、附属書記載の決定書草案を議論すると決定する。

議定書3.14条(悪影響)関連問題及び決定書1/CP.10 (ブエノスアイレス作業計画)の実施における進展状況:この小項目は、最初、6月1日月曜日に議論された。

6月11日木曜日のSBI閉会プレナリーにおいて、SBI議長のYauvoliは、この問題をどう議論するか、関心ある締約国と行った非公式協議は終了できなかったとし、SBI 43でも審議を続行すると報告した。SBIは、この小項目をSBI 43においても議論することで合意した。

2013-2015年レビュー:この項目は、2013-2015年レビューに関するSBSTAの議題項目においてサマリーが掲載されている。18頁参照。

性別と気候変動:この項目は、6月1日月曜日のSBI開会プレナリーで議論された。事務局は、性別に関係する政策に関し、口頭で報告した。

性別対応型気候政策に関する会合期間中ワークショップ:このワークショップは、6月8-9日に開催された、サマリーは次を参照:http://enb.iisd.org/vol12/enb12635e.html 及び http://enb.iisd.org/vol12/enb12636e.html

政府間会合のアレンジ:この項目(FCCC/SBI/2015/2)は、最初、6月1日月曜日のプレナリーで議論された。次期COP 21/CMP 11議長国のフランスは、このCOP21/CMP 11はフランスで開催された外交交渉会議の中でも最大規模のものになるだろうと述べた。

6月8日月曜日、フランスのLaurence Tubianaは、オープンエンドの非公式協議において、COP 21/CMP 11のロジスチック情報を披露した。この項目は、議長のYauvoliが議長役を務めるコンタクトグループで議論された。

SBI閉会プレナリーにおいて、将来のCOP 22/CMP 12のホスト国であるモロッコは、パリ会議の成功はマラケシュ会議の成功に結び付くと発言、「マラケシュにおいて新しい世界秩序を達成し、そのために必要なメカニズムを設置することを希望する」と述べた。

SBIは、結論書を採択した。

成果:結論書(FCCC/SBI/2015/L.6)において、SBIは特に:

• COP 21/CMP 11の構成では柔軟性が必要であることに留意し、次期COP 21/CMP 11議長に対し、事務局及び議長団と協議して、COP 21/CMP 11のアレンジの詳細を最終決定するよう求め、事務局に対し、その情報を可能な限り早期に入手可能にするよう要請する;

• 非国家行動者の行動を示すリマ・パリ行動アジェンダに留意する;

• COP 21/CMP 11におけるハイレベルな参加のアレンジでは、開放性、透明性、参加性の原則が重要であると強調する;

• マラケシュでのCOP 22/CMP 12開催計画の現状について、モロッコ政府が提供する情報に留意する;

• アジア太平洋の締約国に対し、COP 23/CMP 13の開催を申し出るよう求める;

• 事務局に対し、SBI 44において、政府間プロセスの計画に関する10年間カレンダーを議論するため、情報を提供するよう求める;

• 会合の計画及び頻度の問題、さらには議長(大統領?)選挙のタイミングとの調整について、SBI 44において議論することで合意する。

事務管理、資金、制度上の問題:2014-2015年の2か年予算実績:この小項目(FCCC/SBI/2015/INF.8)は、最初、6月1日月曜日に議論された。議長のYauvoliは、事務局の支援を受け、関心ある締約国と協議した上で、議長自身が結論書草案を作成することを提案し、SBIもこれに同意した。

 6月11日木曜日のSBI閉会プレナリーにおいて、ボリビアは、COP 21会議に至るプロセスに途上国が参加する場合の援助金が不十分であるとして懸念を表明し、先進国に対し、適切な資金供与を行うよう求めた。SBIは、結論書を採択した。

成果:結論書(FCCC/SBI/2015/L.17)において、SBIは:

• 2015年5月15日時点での資金供与状況に関する情報に留意する;

• 期日までに、基幹予算に対する提示した供与額を支払い、ITL料金を支払った締約国、特に自主的にこれを行った締約国に対する感謝の意を表する;

• 留保された供与金への懸念を表明し、未払いの締約国に対し、可能な限り早期に支払うよう求める;

• COP 21/CMP 11に至る期間において、全ての途上国締約国による効果的かつ参加性の高い参加を推進するため、UNFCCCプロセス参加のための信託基金、及び補足活動のための信託基金に資金を提供するよう、締約国に要請する。

2016-2017年の2か年プログラム予算:6月1日月曜日、UNFCCC事務局長のChristiana Figueresは、この小項目(FCCC/SBI/2015/3 and Adds. 1-3)を提出した。同事務局長は、特にMRVの実施及び適応の制度支援から生じる追加要求額、及びUNFCCCプロセス参加のための信託基金における資源要求額に注目するよう求めた。

議長のYauvoliは、この小項目に関するコンタクトグループの議長を務めることを提案し、締約国もこれに同意した。さらに締約国は、Dimitar Nikov (フランス)を進行役とするスピンオフグループを結成し、ITL関連問題を議論することで合意した。

6月11日木曜日のSBI閉会プレナリーにおいて、SBIは、結論書を採択し、2つの決定書草案の脚注に多少の改定を加えた上で、3つの決定書草案をCOP 21/CMP 11に提出することで合意した。

メキシコは、締約国の作業を指揮したた議長Yauvoliの優れた指導方法を祝し、その成果を支持すると表明した。

成果:結論書(FCCC/SBI/2015/L.18)の中で、SBIは特に、5460万ユーロの2016-2017年2か年基幹プログラム予算のCOP 21での承認を推奨した。さらにSBIは、次の項目に関する決定書草案を推奨する:COP 21での審議と採択を目指す2016-2017年の2か年プログラム予算 (FCCC/SBI/2015/L.18/Add.1);CMP 11での審議と採択を目指す京都議定書適用の2016-2017年の2か年プログラム予算及びITLの予算(FCCC/SBI/2015/L.18/Add.2);CMP 11での審議と採択を目指すITLの料金徴収手法論(FCCC/SBI/2015/L.18/Add.3)。

事務局の機能及び運営の継続レビュー:6月1日月曜日、SBI議長のYauvoliは、本小項目に関しては、審議を必要とする報告書はなく、提出文書も受け取っていないと指摘した。締約国は、この項目をSBI 44においても議論することで合意した。

本部協定の実施:6月1日月曜日、UNFCCCホスト国政府の代表は、ボンにおけるUNFCCCの新しい会議場施設についてプレゼンテーションを行った。議長のYauvoliは、事務局の支援を受け、関心のある締約国と協議し、この問題に関する結論書草案を作成することを提案し、締約国もこれに同意した。

6月11日木曜日のSBI閉会プレナリーにおいて、ボリビアは、ホスト国政府に対し、途上国からのUNFCCC会議参加者に対する査証プロセスの更なる迅速化を要請した。SBIは、結論書を採択した。

成果:結論書(FCCC/SBI/2015/L.4)において、SBIは特に:ボンの新しい世界会議センターに対する満足の意を表し;事務局に対し、UNFCCC会合及び会議用に、事務局のオフィス関連施設及び会議場を最大限組み合わせて利用するよう要請し;国連大学別館の設計における進捗報告書に留意し;事務局に対し、本部協定の実施に関し、UNFCCCのウェブサイトに最新情報の掲載を続けるよう要請し;ホスト国政府及びUNFCCC事務局長に対し、SBI 46において、進捗状況を報告するよう求める。

その他の問題:6月1日月曜日、パラオは、損失と被害のワルシャワ国際メカニズム執行委員会のメンバー候補者の指名状況に関する進捗報告書、及び適応基金理事会の第3回レビューに関する進捗報告書を求め、これらの項目がSBI 42の議題になかったことを嘆いた。

議長のYauvoliは、これらの問題に関し、関心のある締約国と協議することを提案し、締約国もこれに同意した。

6月11日木曜日のSBI閉会プレナリーにおいて、議長のYauvoliは、損失と被害に関するワルシャワ国際メカニズム執行理事会の候補者指名では全ての候補者指名が提出されていると報告した。同議長は、決定書2/CMP.10 (適応基金の第2回レビュー)では、SBI 44において、決定書2/CMP.9 (適応基金の第2回レビュー)附属書記載の委託条件、もしくはその後に改定された可能性がある委託条件に則り、適応基金第3回レビューを開始するよう求めていると説明した。

閉会プレナリー:6月11日木曜日、事務局は、SBIの採択した結論書が予算に与える影響について締約国に説明した。SBI報告官のSidat Yaffa (ガンビア)は、本会合報告書(FCCC/SBI/2015/L.1)を提出し、締約国はこれを採択した。

スイスはEIGの立場で発言し、特に性別対応型気候政策に関する会合期間中ワークショップの成果を歓迎し、多国間評価プロセスは締約国の約束に関する理解を深める上で有用であるとし、CDMの法性に関する進展の無さに遺憾の意を表した。

南アフリカはG-77/中国の立場で発言し、特に次の点を強調した:COP 21までに対応措置での決定に至ることの重要性;途上国にとり緊急の優先性を持つ適応面の進展;キャパシティビルディングでの進展の無さに対する失望感;途上国の全面的かつ効果的な会議出席を可能にするため、支援を提供する必要性。

オーストラリアはアンブレラグループの立場で発言し、建設的な雰囲気を指摘し、パリ会議までに、国際的な協議と分析(ICA)で前向きな意見交換を始める必要があると強調した。同代表は、LEGのマンデート延長の合意を歓迎し、ワルシャワ国際メカニズム執行委員会における附属書I締約国候補者の指名を歓迎した。

モルディブはAOSISの立場で発言し、キャパシティビルディングに関するSED報告書の考察における進展が無さ、京都柔軟性メカニズムの環境十全性改善での進展の無さを嘆いた、同代表は、技術に関する結論書を歓迎した。

アンゴラはLDCsの立場で発言し、新しい合意では長期の世界気温上昇限度を1.5℃以下に設定するよう求め、LDCsの特殊事情を強調し、LDCsのための資源の無さを嘆いた。

EUは、特に、多国間評価プロセスを歓迎し、これは透明性を高め、信頼感を築いたと述べた。同代表は、適応問題での進展を歓迎し、さらに技術開発及び移転での建設的な議論も歓迎した。

スーダンはアフリカングループの立場で発言し、次の問題に関する進展を歓迎した:ポズナニ戦略作業計画;LDCs;条約第6条;NAPs。同代表は、基金の不適切さを嘆き、NAPsの策定及び実施に対する直接の資金援助に途上国がアクセスできる方法について、明確なガイダンスが無いことを嘆き、さらにキャパシティビルディング問題での進展の無さを嘆いた。

先住民グループは、2015年合意に先住民の土地や領域、支援に対する権利を記載し、先住民の人権を尊重するよう求めた。

Climate Justice Now!(今、気候正義を!)は環境NGOs(ENGOs)として発言し、途上国は資金援助、義技術支援なしでは衡平な野心規模を拡大できないと述べた。

Climate Action Network(気候行動ネットワーク)はENGOsとして発言し、多国間評価は相互学習や透明性に関する貴重な機会を提供したとし、1.5℃以下の気温上昇で抑えるには、国際社会全体の野心にギャップがあることに焦点を当てたと述べた。

Women and Gender(女性及び性別問題)グループは、性別対応気候政策に関する会合期間中ワークショップで途上国のみを取り上げたことへの失望感を表明し、パリ会議における公正かつ性別対応の合意を求めた。

Business and Industry(ビジネス及び産業) NGOsは、ビジネスと締約国、グループ、事務局との協力作業に関する優れたチャンネルを構築するための効果のある制度アレンジを求め、ビジネスは公共資金による民間資本へのテコ入れ方法について、識見を示せると述べた。

Youth(若者)NGOsは、INDCsの最初の「バッチ」は野心的ではないとし、「2050年に世界がどうなっているかを決めるのは皆さんだ」と述べた。同代表は、人権、性別、先住民の権利、教育は「ジュネーブ文書のセクションC(総論/目的)に盛り込む以上に大きい問題」であると強調した。

SBI 42では、午後5時13分、閉会の槌が打たれた。

科学及び技術上の助言に関する補助機関

6月1日月曜日、SBSTA議長のLidia Wojtal (ポーランド)はプレナリー会合の開会を宣言した。締約国は、議題書(FCCC/SBSTA/2015/1)を採択し、会合の作業構成で合意した。開会ステートメントのサマリーは次を参照:http://enb.iisd.org/vol12/enb12629e.html

議長以外の役員選出:6月1日、議長のWojtalは、COP/CMP議長の下で、SBSTA副議長及び報告官の候補者指名協議を開催すると発表した。6月11日木曜日の閉会プレナリーにおいて、議長のWojtalは、候補者指名書を受理していないと指摘し、現在の役員が役職にとどまると述べた。

ナイロビ作業計画(NWP)この項目(FCCC/SBSTA/2015/INF.2)は、最初、6月1日月曜日に審議された。6月11日木曜日のSBSTA閉会プレナリーで、SBSTAは結論書を採択した。

成果:結論書(FCCC/SBSTA/2015/L.7)において、SBSTAは、NWP、他の関連するワークストリーム、条約の組織との間の協力及び連携を強化することが重要であると認識し、SBSTA 43における第9回NWP窓口フォーラムに期待する。

REDD+関係活動の手法論ガイダンス:この項目は、最初、6月1日月曜日に審議された。Robert Bamfo (ガーナ)とHeikki Granholm (フィンランド)が共同議長を務めるコンタクトグループでは、この議題項目における全ての問題を議論した:セーフガード情報システムに関する追加ガイダンス;非市場ベース手法に関するガイダンス;非炭素便益に関するガイダンス。

6月2日火曜日、ボリビアは、非市場ベースアプローチに関する提出文書を発表し、ガーナはアフリカングループの立場で発言し、非市場便益に関する提出文書を発表した。ノルウェーは米国及びEUと共に、セーフガード情報システムに関する追加ガイダンスの重要性を強調した。締約国は、本議題項目における全ての問題に関する非公式協議を開始することで合意した。

6月9日火曜日、締約国は、SBSTA結論書草案及び3つの決定書草案を(COPに)提出することで合意した。6月11日木曜日のSBSTA閉会プレナリーで、SBSTAは結論書を採択し、3つの決定書草案をCOP21での審議と考察のため、COP21 に提出することで合意し、この議題項目の審議を終了することで合意した。

成果:結論書(FCCC/SBSTA/2015/L.5)において、SBSTAは、COPでの審議及び採択を目指す次の3つの決定書草案を推奨する:セーフガード情報システムに関する追加ガイダンス(FCCC/SBSTA/2015/L.5/Add.1);森林の完全かつ持続可能な管理のための代替政策アプローチに関するガイダンス(FCCC/SBSTA/2015/L.5/Add.2);非市場便益に関係する手法論問題(FCCC/SBSTA/2015/L.5/Add.3)。

農業関係問題:本項目(FCCC/SBSTA/2015/MISC.1 and Add.1, and MISC.2)は、最初、6月1日月曜日に審議された。本項目に関するSBSTA非公式協議では、Emmanuel Dumisani Dlamini (スワジランド)とPeter Iversen (デンマーク)が共同進行役を務めた。6月11日木曜日のSBSTA閉会プレナリーで、SBSTAは結論書を採択した。

成果:結論書(FCCC/SBSTA/2014/L.2)において、SBSTAは、SBSTA 42及びSBSTA 43で開催された会合期間中ワークショップの報告書について審議することで合意する。

砂漠化、干ばつ、洪水、土砂崩れ、高潮、土壌の浸食、鹹水の流入など極端な天候現象に対する早期警戒システム及び緊急時対処計画の開発、及びその効果に関するSBSTAワークショップ:このワークショップは、6月2日火曜日に開催された。議論のサマリーは次を参照:http://enb.iisd.org/vol12/enb12630e.html

地域、国家、地方レベルでの異なる気候変動シナリオに対する農業システムのリスク及び脆弱性の評価に関するSBSTAワークショップ:このワークショップは、6月3日水曜日に開催された。議論のサマリーは次を参照:http://enb.iisd.org/vol12/enb12631e.html

科学及びレビューに関係する問題:研究及び組織的観測:この議題小項目(FCCC/SBSTA/2015/INF.1)は、最初、6月1日月曜日のプレナリーで議論された。世界気象機関(WMO)は、UNFCCC事務局及びIPCCと協力し、2015年2月10-12日にボンで開催した地球気候観測システム(GCOS)ワークショップの成果を報告した。さらにWMOは、世界気候研究計画(World Climate Research Programme)の活動についても論じ、気候サービスのための世界枠組(Global Framework for Climate Services)の実施の進捗状況についても中間報告書を提出した。UN-Oceansは、気候変動及び海洋の酸性化が海洋環境及び海洋生態系に与える悪影響を論じた。IPCCは、最近の活動に関する情報を提供した、この中には次の評価サイクルに向けた同パネルの準備状況も含まれる。

その後、Christiane Textor (ドイツ)とChris Moseki (南アフリカ)を共同議長とするコンタクトグループが3回会合し、この問題を議論した。共同議長は、6月3日水曜日の第1回コンタクトグループ会合における締約国の意見発表に基づき、結論書草案を作成、締約国は、6月5日金曜日、この草案について議論した。これら結論書の改定版は、6月8日月曜日に審議され、合意された。閉会プレナリーで、SBSTAは結論書を採択した。

成果:結論書(FCCC/SBSTA/2015/L.4)において、SBSTAは特に:

• IPCC第5次評価報告書はUNFCCCプロセスにとり重要であると指摘し、その結論の普及を図るIPCCのアウトリーチ努力を歓迎する;

• 研究ダイアログの第7回会合に対し、締約国、研究計画及び組織が提出した情報に留意する;

• 事務局に対し、科学情報の利用可能性及び可視性を高める努力の継続を要請する;

• 科学者社会に対し、研究ダイアログにおいて指摘された情報及び研究でのギャップの問題に対応することを奨励する、これには、温暖化を産業革命前比で1.5℃以下に抑えるシナリオ及びこれらのシナリオに伴う地域及び地方での影響範囲が含まれる;

• 締約国に対し、SBSTA 44及び、その後2016年3月9日までに開催される研究ダイアログで議論可能な題目に関する意見、及び2016年3月9日までにSBSTAと合わせて開催される可能性がある研究ワークショップの題目に関する意見を提出し、SBSTA 44の審議にかけるよう求める。

7SBSTA研究ダイアログ:第7回SBSTA研究ダイアログは、6月4日木曜日に、2部構成で開催された。第1部は、IPCCからのものも含めたデータ及び情報のギャップに焦点が当てられ、次の組織がプレゼンテーションを行った:IPCC、他の研究組織の立場で発言した世界気候研究計画、国連砂漠化防止条約(UNCCD);日本;EURO-CORDEX;オランダ気象研究所。

第2部は、途上国における知識及び研究能力構築のための学習事項とグッドプラクティスに焦点を当てた。プレゼンテーションは次の組織が行った:ドイツ;欧州委員会;GCOS;アジア太平洋地球変動研究ネットワーク;カリブ海地域気候変動センター。第7回SBSTA研究ダイアログのインターネット放送(ウェブキャスト)及び発表されたプレゼンテーションは次を参照:http://unfccc.int/6793.php

2013-2015年レビュー:この項目(FCCC/SB/2015/INF.1)は、最初、6月1日月曜日のSBSTAプレナリーで議論され、その後は、Gertraud Wollansky (オーストリア)とLeon Charles (グレナダ)が共同議長を務めるSBI/SBSTA合同コンタクトグループ及び非公式協議で議論された。

6月2日火曜日、合同コンタクトグループにおいて、大半の締約国は、実質的な問題を対象とする結論書及び決定書草案の作成を支持した。中国及びサウジアラビアは、手順に関する成果を求めた。

さらに多数の締約国は、SEDの最終事実報告書を歓迎し、この報告書への言及を提案した。トリニダードトバゴはAOSISの立場で発言し、LDCsの立場で発言したソロモン諸島及びボツワナと共に、長期目標を1.5°Cまで強化するよう求めた。インドは、ボツワナとブータンの支持を得て、情報面のギャップに対応する必要があると指摘した。サウジアラビア、ブラジル、中国は、SED報告書からの「いいとこどり(cherry picking)」に警告した。大多数の締約国は、SB 42でのこの項目の審議終了を支持した。

数回の非公式協議を経て、締約国は、オプションを含めるノンペーパーの各バージョンについて議論し、 締約国は、2013-2015年レビューのマンデートにCOPに対する実質的提案を行うことが含まれるかどうか、議論した。

6月10日水曜日の非公式協議において、締約国は、結論書草案の要素について議論した、この結論書は特に次を指摘する:第4回SED会合へのIPCC及び他の専門家の貢献;2013-2015年レビューの結論に関する審議開始;締約国の意見提出;SED共同進行役及び事務局への感謝;SEDの最終事実報告書;締約国に対し、ADPへの参加において2013-2015年レビューに留意し続けるよう推奨。共同議長のCharlesが議長を務める合同コンタクトグループで交渉が続けられた。サウジアラビアと中国は、非手順パラグラフに反対した。意見の一致がなかったことから、締約国は、SB 43でもこの問題の議論を続けることで合意した。

6月11日木曜日のSBSTA閉会プレナリーで、議長のWojtalは、締約国に対し、この重要な議題項目で合意に達するよう推奨したことを想起した。SED共同進行役のAndreas Fischlin (スイス)は、SEDの4回の会合において、専門家及び締約国は、「驚くほど実のある(remarkably fruitful)」ダイアログに参加したと述べた。同共同進行役は、議題項目の交渉での「多少のつまずき(despite hiccups)にも拘わらず」、SED報告書は関連する科学について締約国に情報を提供することには自信があると表明した。SBSTAは結論書を採択した。

成果:結論書(FCCC/SB/2015/L.1)において、SBSTA及びSBIは、SED報告書(FCCC/SB/2015/INF.1)の審議開始を指摘し、SB 43でのこの問題の審議続行で合意する。

SBSTA/SBI2013-2015年レビューに関する特別行事:この行事は、6月2日火曜日に開催された。議論のサマリーは次を参照:http://enb.iisd.org/vol12/enb12630e.html

対応措置実施の影響:これらの項目の議論は、フォーラムと作業計画及び議定書2.3条に関係する問題に関する小項目を含め、対応措置の実施影響に関するSBIの議題項目の下で取りまとめられる(15頁参照)

条約の下での手法論問題:条約附属書I締約国による資金情報報告の手法論:この項目(FCCC/SBSTA/2015/MISC.3 and FCCC/TP/2015/2)は、最初、6月1日月曜日に議論された。議長のWojtalは、議長自身が関心ある締約国と共に非公式協議を行い、結論書草案を作成すると提案し、締約国も同意した。

6月11日木曜日のSBSTA閉会プレナリーで、SBSTAは結論書を採択した。

成果:結論書(FCCC/SBSTA/2015/L.14)において、SBSTAは:

• 締約国及びオブザーバー組織の意見提出、既存の国際的手法をまとめたテクニカルペーパー、SBI/SBSTA/資金に関する常設委員会(SCF)合同の会合期間中ワークショップを歓迎する;

• SCFに対しワークショップの成果に留意するよう求めたCOP 20の要請を指摘し、隔年評価を超える支援のMRVに関するSCFの作業の最新情報、並びに気候資金のフローの概要の受理を待望する、特に決定書6/CP.20及び11/CP.20に則り、SBSTA 43で審議するため作成される資金情報報告の手法論に関する提案書の受理を待望する;

• SBIに対し、附属書I締約国による資金情報の報告に関係する作業では、テクニカルペーパー、提出文書、ワークショップの成果に留意するよう求める;

• COP 21での審議及び採択にかける決定書草案提出を目指し、SBSTA 43においてこの問題を審議し、SCFの提案、テクニカルペーパー、ワークショップのサマリー及び提出文書を考察することで合意する。

条約附属書I締約国の資金情報報告のための手法論に関するSBI/SBSTA/SCF合同ワークショップ:このワークショップは、6月6日土曜日に開催された。議論のサマリーは次を参照:http://enb.iisd.org/vol12/enb12634e.html

GHGsCO2換算量を計算する共通計算方式:6月1日月曜日、議長のWojtalは、Takeshi Enoki (日本)を進行役とする非公式協議を提案し、締約国も同意した。6月11日木曜日のSBSTA閉会プレナリーで、SBSTAは結論書を採択した。

成果:結論書(FCCC/SBSTA/2015/L.8)において、SBSTAは、6月7日にボンで開催された共通計算方式に関する特別行事を歓迎し、IPCCに対し、第5次評価報告書の内容における共通計算方式に関する作業及び結論の情報を提供したことに感謝の意を表し、SBSTA 44においてもこの問題の審議を続行することで合意する。

バンカー燃料:この項目(FCCC/SBSTA/2015/MISC.4)は、最初、6月1日月曜日に議論された。国際民間航空機関(ICAO)は、航空機の排出量緩和のための基準及びガイドラインの作成、地域ワークショップを含める関連キャパシティビルディング活動について、進捗状況を報告した。国際海事機関(IMO)は、海洋環境保護委員会が採択したエネルギー効率ガイドライン改定に焦点を当てた。同代表は、船舶のエネルギー効率における現在の改善状況を指摘した。

アルゼンチンは多数の途上国を代表して発言し、貿易における航空輸送及び海上輸送の役割を強調した。同代表は、京都議定書の気候変動対応策はCBDR原則を尊重すべきと述べ、偽装した貿易制限やユニラテラルな措置に反対した。

日本は、国際航空輸送にCBDR原則を適用するのは適切でないと述べた。EUは、航空輸送の排出量に対応する確固として世界的なメカニズムへの支持を表明した。

6月11日木曜日、SBSTAは結論書を採択した。

成果:結論書(FCCC/SBSTA/2015/L.3)において、SBSTAは、IMO及びICAOから受理した情報に留意し、ICAO及びIMOに対し、この問題での関連作業に関し報告を続けるよう求める。

京都議定書の手法論問題:決定書2/CMP.7から4/CMP.7及び決定書1/CMP.8の実施の影響:この項目(FCCC/KP/CMP/2014/L.6 Annex)は、最初、6月1日月曜日に審議された。議長のWojtalは、Anke Herold (ドイツ)とGuilherme do Prado Lima (ブラジル)を共同議長とするコンタクトグループを提案し、締約国も同意した。

6月2日火曜日のコンタクトグループ会合で、参加者は次の3つの優先分野に焦点を当てることで合意した:決定書草案(FCCC/KP/CMP/2014/L.6)に記載する経済移行国の京都議定書第2約束期間の割当量に関するパラグラフを明確化するための括弧書き;第2約束期間での専門家レビューチームの訓練プログラムの更新;京都議定書レビューに関する報告遅れの影響。

最初の項目に関し、ウクライナは、括弧を外すことに同意したが、カザフスタンとベラルーシは、更なる協議時間を求めた。第2項目に関し、EUは、事務局に対し必要な更新を行うよう要請する文書の草案を作成する予定だと参加者グループに伝えた。これらの項目に関する作業は、非公式協議の場で続けられた。

6月9日火曜日のコンタクトグループ会合で、共同議長のHeroldは、結論書草案を提出し、締約国のインプットを求めた。コンタクトグループは、ロシアの提案に基づき、この小項目とQELRCs(数量目標)とのリンクへの言及を含めた後、この結論書草案をSBSTAの審議に向け提出することで合意した。

6月11日木曜日のSBSTA閉会プレナリーで、ロシアは、過去の3回の会合において未解決であった少数の問題の解決に満足の意を表し、これらの決定を第2約束期間での義務を負わない締約国にも適用されることを明確にする必要があると強調した。

同代表は、将来のこの項目の議論では、次を考慮に入れるよう提案した:体制の総合的な特性;体制の信頼性、永続性を確保する必要性;この体制においては、欠く国家で必要な課題の全てが満たされることを確保する必要がある。SBSTAは結論書を採択し、附属書III記載の、京都議定書8条の下での毎年のレビューに参加する専門家レビューチームの訓練プログラムに関する決定書草案を、CMP 11での審議及び採択に向け提出することで合意した。

成果:結論書(FCCC/SBSTA/2015/L.13)において、SBSTAは特に:

• 附属書I及びIIに記載する決定書草案をCMP 11での審議及び採択に向け提出するとの観点から、これら決定書草案を基に、SBSTA 43においてもこの項目の審議を続行することで合意する;

• この小項目とQELRCs無しに関する項目との相互関係を確認し、第2約束期間のQELRCを持たない附属書I締約国に対する要求事項は、事務局がまとめた利用者に優しい文書の中の計算、報告、レビュー、調整を扱う適切なセクションのQELRCsなしの項目の結論文の後に盛り込まれると指摘する;

• 京都議定書の下でのGHGインベントリ提出文書のレビューは、最も早くて2016年に開始できると指摘し、2016年には他のレビュープロセスも同時に行われることから、2016年初めの開始は、締約国、事務局及び専門家レビューワ―に過剰な負担をかける可能性があると認識し、第2約束期間のGHGインベントリ提出文書の第1回レビューは、2016年GHGインベントリ提出文書のレビューの後に続けて行われる可能性があると指摘する。

2約束期間にQELRCを持たない附属書I締約国に対する計算、報告、レビューの必要事項:この項目(FCCC/TP/2014/6)は、最初、6月1日月曜日に議論された。議長のWojtalは、Anke Herold (ドイツ)及びGuilherme do Prado Lima (ブラジル)を共同議長とするコンタクトグループを提案し、締約国も同意した。

6月2日のコンタクトグループ会合で、事務局は、この項目に関するテクニカルペーパー(FCCC/TP/2014/6)を提出し、セクションG (第2約束期間のQELRCを持たない附属書I締約国に対する必要事項報告の明確化)は、2014年11月の時点で、CMP決定書により明確にされた項目、もしくは締約国による更なる審議及び明確化を必要とする可能性がある項目を明記すると説明した。締約国はこれらの問題を非公式協議に差し戻した。

6月9日のコンタクトグループ会合で、共同議長のdo Prado Limaは、結論書草案を提出し、SBSTA 43においても締約国提出の文書案に基づき、この協議が続行されると指摘した。コンタクトグループはこの結論書草案をSBSTAに提出した。

6月11日木曜日のSBSTA閉会プレナリーで、SBSTAは結論書を採択した。

成果:結論書(FCCC/SBSTA/2015/L.10)において、SBSTAは、QELRCs無しの締約国の計算、報告、レビューに関係する問題に関する議論は進行したが、結論は出せなかったと指摘し、SBSTA 43においても、附属書記載の文章に留意し、これらの問題の審議を続行することで合意する。

京都議定書ドーハ改定文書のセクションG (3.7ter) の明確化:この項目(FCCC/KP/CMP/2013/7及びFCCC/SBSTA/2014/L.25 Annex)は、最初、6月1日月曜日に議論された。議長のWojtalは、Anke Herold (ドイツ)とGuilherme do Prado Lima (ブラジル)を共同議長とするコンタクトグループを提案し、締約国も同意した。

6月2日のコンタクトグループ会合で、共同議長のHeroldは、「前約束期間の最初の3年間の年平均排出量(average annual emissions for the first three years of the preceding commitment period)」と言う表現を明確化するため、文書FCCC/SBSTA/2014/L.25に記載される5つのオプションをレビューした。

南アフリカは、3.7ter条は当該締約国の前約束期間に言及するものだとして、オプション4の削除を提案し、ブラジルとセントルシアはこれを支持したが、カザフスタンとベラルーシは反対した。

セントルシアは、3.7ter条は第1約束期間にQELRCsを持っていない締約国の第2約束期間には適用されないとするオプション1の削除を提案したが、トルコ、ベラルーシ、カザフスタンは反対した。

コンタクトグループはオプション1と4を一つのオプションにまとめることで合意した、これは他のオプションと共に非公式協議で議論された。

6月9日のコンタクトグループ会合で、共同議長のHeroldは、手順の結論書草案を提案した。この項目に関する決定書草案の要素オプションを記載する結論書附属書について議論した後、コンタクトグループは、決定書草案の「年平均排出量(average annual emissions)」に関するオプションを記載するセクションIIを括弧で囲み、結論書草案をSBSTAでの審議に回すことで合意した。

閉会プレナリーで、SBSTAは結論書を採択した。

成果:結論書(FCCC/SBSTA/2015/L.11)において、SBSTAは、SBSTA 43においても、決定書草案の要素に関するオプションに留意し、この問題の審議を続行することで合意する。

枯渇林を有する土地の再植林をCDMプロジェクト活動の新規植林及び再植林に含めることの影響:この項目は、最初、6月1日月曜日に議論された。閉会プレナリーで、SBSTAは結論書を採択した。

成果:結論書(FCCC/SBSTA/2015/L.6)において、SBSTAは、CMP 12に成果を報告するとの観点から、SBSTA 44においてもこの問題の審議を続行することで合意する。

条約の下の市場及び非市場メカニズム:これらの項目は、多様な手法の枠組み、非市場ベース手法及び新しい市場ベースメカニズムに関する小項目も含め、最初、6月1日月曜日に議論され、続いてAida Rocio Garcia Garcia-Naranjo (ペルー) とPeer Stiansen (ノルウェー)を共同進行役とする非公式協議で議論された。SBSTA閉会プレナリーで、議長のWojtalは、結論に至らなかったと報告し、小項目はSBSTA 43の暫定議題書に記載されると報告した。

気候変動の緩和の科学的、技術的、社会経済的側面:SBSTAは、この項目を最初、6月1日月曜日に議論した。締約国は、SBSTA議長のWojtalが関心のある締約国と協議することで合意した。6月11日木曜日のSBSTA閉会プレナリーで、SBSTAは結論書を採択した。

成果:結論書(FCCC/SBSTA/2015/L.12)において、SBSTAは、この議題項目の下で行われた議論で有用な情報が提供されたことで合意し、この項目の議論は条約の多様な組織及びプロセスの下でも行われていると指摘し、この問題の審議を終了する。

他の国際組織との協力:6月1日月曜日のSBSTA開会プレナリーで、UNFCCC事務局は、事務局と他の国際機関及び利害関係者との参画の概要を示す項目(UNFCCC/SBSTA/2015/INF.3 and Corr.1)を提示した。締約国は、議長のWojtalが関心のある締約国と協議することで合意した。閉会プレナリーで、SBSTAは結論書を採択した。

成果:結論書(FCCC/SBSTA/2015/L.9)において、SBSTAは、特に提出された文書を歓迎し、他の政府間組織と事務局との参画の重要性を再確認し、他の政府間組織の資源及び専門性はUNFCCCプロセスと関連すると認識する。

閉会プレナリー:6月11日木曜日、議長のWojtalは、SBSTA 42で採択された結論書からは事務管理上または予算上の影響は生じていないと告げた。報告官のStasile Znutiene (リトアニア)は、この会合の報告書(FCCC/SBSTA/2015/L.1)を提出し、締約国はこれを採択した。

南アフリカはG-77/中国の立場で発言し、農業及びREDD+手法論ガイダンスの交渉完了における建設的な参加を歓迎した。同代表は、パリ会議では京都議定書の下での手法論問題及び対応措置の審議を継続するよう求めた。

モルディブはAOSISの立場で発言し、SED報告書の結論が認められなかったことへの失望感を表明し、パリ会議では、ADPの作業に重要なインプットを提供する2013-2015年レビューの成果を求めた。同代表は、附属書I締約国による資金情報報告の手法論を作成することが重要であると強調した。

EUは、REDD+、農業、資金情報報告の手法論、対応措置における進展を歓迎した。同代表は、パリ会議で期待される項目に関し、次を強調した:議定書5条、7条、8条に関する手法論問題での合意;ADPの下での長期世界目標を含める2013-2015年レビューの実質的な成果。

メキシコはEIGの立場で発言し、REDD+での進展は「現実の永続的成果を提供する用意のあるメカニズムになることを示す(poised to become a mechanism ready to deliver real, permanent outcomes)」ものだと述べた。同代表は、2013-2015年レビューのコンタクトグループが有意な結論に至らなかった事実に対する懸念を表明し、SEDは新しい科学政策インターフェース確立の模範であると指摘した。同代表は、締約国に対し、このプロセスは科学に沿ったものであることが示されたとして、議論の場に戻るよう求めた。

オーストラリアはアンブレラグループの立場で発言し、3つのREDD+項目の結論を歓迎し、さらに農業のワークショップにおける豊富な情報交換を歓迎したが、2013-2015年レビューで実質的な結論が無かったことへの失望感を表明した。

スーダンはアフリカングループの立場で発言し、REDD+における議論の成功、特に非炭素便益に関する成功に感謝し、農業ワークショップの報告を待望し、これは包括的で、途上国の見解を捕捉するものであるべきだと強調した。同代表は、京都議定書の第2約束期間の規則を最終決定する議論での進展の無さ、2013-2015年レビュー項目での結論の欠如を嘆いた。

パナマは熱帯雨林諸国連合の立場で発言し、10年間の交渉の末、REDD+の作業が完了したことを歓迎し、市場及び非市場手法に土地利用を統合する作業の終了を主唱した。

アンゴラはLDCsの立場で発言し、REDD+項目の終了を賞し、先進国から適切かつ予測可能な支援が提供されることを待望した。同代表は、「極めて貴重な(extremely valuable)」農業ワークショップの情報に対し、小規模農業従事者がアクセスできる方法を見出すよう求めた。

アフガニスタンは、自国に影響しているものも含めた土砂崩れへの対応など、適応に関するワークショップの開催を求めた。

米国は、共通の計算方式という議題項目で起きた、CMPのマンデート項目と条約のマンデート項目との組み合わせに警告した。

ブラジルは、共通の計算方式は条約やその議定書及びダーバンプラットフォームの成果にとり「最重要(utmost importance)」であると想起し、この項目を別々に議論することは最も効果的とは言えない可能性があると述べた。

Farmers’ Constituency(農業従事者団体)は、SBSTAの下で農業に関する作業計画を求めてきたことが「ようやく実を結んだ(finally fell on fertile ground)」とし、農業ワークショップはこの知識に対する「真の渇望(real thirst)」を実証したと指摘した。

Women and Gender(女性と性別)は、農業ワークショップで女性に対する影響の違いへの注目がなかったことを嘆き、Youth NGOs(若者NGOs)と共に、市場メカニズムに強く反対した。

Youth NGOsは、この会合は緊迫感が欠けていたとし、参加者に対し、歴史のどの側につきたいのかと尋ね、行動しないことでもたらされる苦難に焦点を当てた。

Climate Action Network(気候行動ネットワーク)はENGOsの立場で発言し、REDD+への注目を実施に移すよう求めた。

Indigenous Peoples(先住民グループ)は、締約国に対し、パリ合意は先住民の人権を尊重し、保護し、遂行するのを確保するよう求めた。

UNFCCC事務局長のChristiana Figueresは、閉会にあたり、SBSTA議長Wojtalの勇気と優れた運営、そして指導力に感謝した。Wojtal議長は、締約国の努力に感謝し、パリ会議に向け努力する中、コミュニケーションのチャンネルは常時開放されていると述べた。

SBSTAでは午前11時40分、閉会の槌が打たれた。

ボン気候変動会議の簡易分析

夏の空気の中、UNFCCC締約国は、新しい法的拘束力のある合意の採択が期待される2015年12月のパリ気候変動会議に向けた道筋の中間点となる会議のため、新設のボン世界会議センターに集まった。ボン会議の参加者は、膨大な課題に直面した。ADPの交渉担当者に課せられた課題は、2015年合意のための合理化された簡潔な交渉文書の作成、合意に含めるべき要素は何か、COP決定書に残すべき要素はどれかの議論、実質的交渉の開始であった。更に参加者は、プレ2020年気候行動強化の努力を続ける必要があった。SBSTA及びSBIが多くの審議保留項目を抱えていたにもかかわらず、このADP議題パッケージに注目が集まった。SBI及びSBSTAでは、一部の項目で進展があったが、ADP交渉では、ジュネーブ文書の些少な編集上の変更及び作業モードの議論に焦点があてられる場合が多かった。この簡易分析では、ボン気候変動会議を検証し、会合の成果をレビューし、交渉のダイナミックスの現状を分析すると共に、それがパリ会議に向けた今後の会合に与える影響を分析する。

ジュネーブ文書のスリム化

ボン気候変動会議開催に至るまで、参加者は2015年合意交渉の進め方でかなり脅威を感じていたようだ。議論の土台とされた90頁の文書は、2015年2月のジュネーブ気候変動会議において、締約国提案の機械的な寄せ集めを基に、短時間で、交渉もなくまとめられたものであった。ある鋭いオブザーバーは、パラグラフによっては15ものオプションを含み、類似する問題に関する提案を文書のセクションを横断する形で拡散し、多くの重複や複写があるこのプロセスの結果を、「食べられないフルーツサラダ」と評した。

ボンでは、12の進捗グループがそれぞれジュネーブ交渉文書の一つのセクションに焦点を当てて作業し、この混合文書を「簡潔で、一貫性があり、スリム化された」文書に換えるよう求められた。だれもジュネーブ文書のスリム化が容易だとは期待しなかったが、その課題がいかに難しいかを思い知り、落胆するものは多かった。進捗グループは、ジュネーブ交渉文書のスリム化、統合に用いる手法に関する手続き上の議論に多くの時間を費やした。これらのグループの参加者は、重複部分削除という「容易な」問題から取り組み始め、パラグラフを「開梱(unpack)」し、類似の問題を扱うオプションの統合を図った。全てのグループが、ADP共同議長から同じガイダンスを受けたにもかかわらず、その進め方や取り組みのスピードは異なり、異なる成果を生むこととなった。たとえば、セクション全体の再構成に向け、単純なテンプレートで合意したのは、透明性に関する進捗グループだけであった。一部のグループは、セクションで論じるテーマを記載する表で合意したが、別なグループは、文書の該当セクションを異なる題目で再クラスター化する文書を次回会合に送った。

ADP共同議長、各グループの進行役、支援する事務局スタッフチームが最善の努力をしたにも拘わらず、今会合の終わりの時点で縮小された交渉文書の頁数は5頁にすぎず、一部の「低い位置にある取りやすい果実(low hanging fruit)」は取れたが、異なる決定書は全て8月末の次回ADP会合に回されたという感覚が否めなかった。ボン会合で、少数の締約国は、会議前にADP共同議長と事務局スタッフによるジュネーブ文書のスリム化を任せておけば、貴重な交渉時間が節約できたろうと嘆いた。しかし、他のものは、このプロセスの当事者という感覚や信頼感を確保するには、機械的なスリム化も締約国自体が行う必要があると感じた。

信頼構築

文書の頁数を減少だけがADP交渉グループのボンでの唯一つの使命ではなかった。共同議長及び参加者にとり、もう一つの重要かつ微妙な課題は、今後の交渉に先立つ信頼感の雰囲気作りであった。この点、多少異論はあるものの、この会合の議論は大きな成功を収めたと、多数のものの意見は一致した。

大半の締約国は、ADP交渉全体を覆う妥協の精神についてコメントしていた。スリム化を行うことで、信頼感が生まれ、締約国は、用意されたステートメントを繰り返し述べるという慣習を廃し、手順問題に関する議論に実際に参加、通常はフェンスの向こうにいた、ありそうもないパートナーと前例のない連合を組んだ。この信頼構築の実現は、ジュネーブ文書の異なるセクションのスリム化を委ねられた多様なグループの進行役による奮闘努力に負うものが大きい。

196カ国の締約国が主導するプロセスで、極めて膨大な交渉文書のスリム化と統合を図るという課題に取り組んだことから、ある一人の参加者に言わせると、料理人が多すぎて言葉のスープを腐らせることとなった。このため、ボン会議の終了時、締約国は、「明確なオプションを提示し、いかなるオプションまたは締約国の立場も省略もしくは削除することのない、十分にスリム化され、統合され、明確で簡潔なジュネーブ文書バージョン」の作成を、ADP共同議長に委任した。したがって共同議長のマンデートは、文章の簡潔化と締約国の提案は一切削除しないという微妙なバランスをとることになった。7月末までにスリム化バージョンの公表が期待されることから、ADP共同議長は、締約国がようやく開始するかしないかの極めて微妙な課題に取り組むための時間が数週間残されるのみとなった。

ADPにおける信頼構築の雰囲気は、SBSTAとSBIの下の交渉における前向きな展開にも助けられた。突然の大きな一歩前進を得て、参加者は、REDD+の手法論ガイダンスに関する10年間の交渉サイクルを完結した、これには、非市場ベース手法及び非炭素便益など、意見対立のある問題も含まれた。このREDD+交渉の終結は、たとえ一部の者が言うように、中身を犠牲にした妥協達成ではあっても、気候体制の妥協達成は依然可能であることを実証した。

実質交渉の開始

ボン会議の最重要目的は、ジュネーブ文書に関する実質交渉の開始であった。この点、さほど大きな結果にはならなかった。交渉時間のほとんどを文書のスリム化、合理化に費やしたため、一部の進捗グループで概念の議論を開始できたのは、会議の終了近くであった。たとえば、制度アレンジの進捗グループ、資金に関する進捗グループで、締約国は、それぞれの提案の背後にある概念について論じたが、手元にある問題の中身については交渉しなかった。

ジュネーブ文書のどの要素を合意に入れ、どの要素はCOP決定書で扱うのが最善かを決める作業を開始するかどうかの議論では、あまり進展がなかった。合意には総論を記載し、時間をかけて決定書で肉付けし、運用可能にするため、すばやく動ける合意表現の描写を始めることを締約国が希望する場合は、このような仕分け作業が重要である。しかし、多数の締約国は、ボン会議でこのような作業を開始するのを躊躇し、合意を決定書の文章に移行するなら、新しい合意の法的効力が格落ちになるのではないかと恐れた。

これらの問題及び他の問題では進展が無かったため、パリ会議の前に予定されている次の2回のADP会合で再開する際には、参加者に更なるプレッシャーがかかることになる。同じことは、プレ2020年行動の推進での進展の無さについても言われる可能性がある。この問題でボン会議の交渉が事実上中断したことに多くのものが驚き、締約国は、プレ2020年野心に関するADPワークストリームのマンデートに何が含まれるかで意見を一致させることができなかった。多数の途上国は、プレ2020年野心はポスト2020年行動強化の踏み台としてとらえていた。このため、プレ2020年野心に関する見解が分かれたことは、2015年合意に向けた進展を一歩後退させる可能性がある。

もう一つの脅威となる可能があるのは、2013-2015年レビューのマンデートに関する論争である。ボン会議では、少数の締約国が、レビュー結果の中に実質的問題も補足すべきと主張、この問題の交渉を中断させた。ADPは、レビュー結果情報を得るはずであり、パリ会議の交渉担当者は、締約国の意見対立を解消し、この問題に関する作業を解決するという追加のハードルに直面する。

将来の展望

ADPでの進展は限定的であったが、ボン会議は全てが絶望や真っ暗闇であったわけではない。たとえばREDD+問題の進展は、政府間協力によりUNFCCCの枠を超えた発展が重要な基礎を提供できることを実証した。REDD+は、気候変動の緩和に対する典型的なボトムアップの、自主的、セクター別のアプローチであり、これまでのREDD+の実施は、有志諸国のイニシアティブや、UNFCCCを超える国際的、二国間のアレンジによる支援に依存してきた。

ボン会議参加者の中には、このボトムアップとトップダウンのハイブリッドアプローチは、これからの気候統治体制を示すものではないかと考えた。「有志連合」方式は、気候交渉では新しいものではない。2009年の不運なコペンハーゲン気候変動会議では、気候統治のボトムアップ手法が開始された。それ以後、気候体制は、国際的評価及びレビューや国際的な協議と分析により、ボトムアップ努力を行い、これをレビューする政府間プロセスの創設に大きく動いた。パリ気候変動会議は、締約国が国際合意枠組の下で約束草案を持ち寄るハイブリッドな構成を作り上げ、それによりプロセスの完結に向け動くことが、大いに期待される会議である。

この結果に向け、ボン会議と並行してドイツ南部で行われたG7サミットからも、前向きなシグナルが送られた。G7指導者は、長期的な低炭素の世界経済構築に向け、それぞれが果たす役割を約束した。UNFCCC締約国同様、G7諸国の指導者は、このような急激な転換は一国のみでは達成できないと認識した。この考えから、G7は、多国籍銀行に対し、低炭素経済に移行途中の諸国を助けるため、他のパートナーを動員できる能力を発揮するよう求めた。G7の要請は、地球環境ファシリティーによる新しい作業計画の採択にも反映されている、この作業計画において、同ファシリティーは地球規模の環境上の利益実現を目指す民間部門のイニシアティブとの協力拡大を模索する。

非国家行動者が行うイニシアティブは、ボン会議でも、再生可能エネルギー及びエネルギー効率化に関する技術専門家会議でも、これまでにない存在感を示し、会場周辺で見られた都市や地域、ビジネスによる気候変動緩和または適応の約束を示すバナーにおいても、存在感を享受した。さらに、次期COP 21の議長国フランスは、都市や地域、企業、各国政府による気候変動に関する行動の世界的野心引き上げに向けた協力を誇示する一連のイベントを開催すると発表した。

しかし、このような善意の表明が、UNFCCC締約国同士の違いの克服に結び付くかどうか、手順の議論を超えて、極めて必要とされるガイダンスやリーダーシップの発揮へと動くかどうか、このような多様な努力の全てが、科学が求めるものに合わせた気候行動に向け集約されていくことを保証するかどうかは、まだわからない。

今後の会議予定

気候変動ハイレベルイベント:国連事務総長は、UNFCCCの2015年世界合意達成にモーメンタムを与え、合意達成努力に弾みをつけるべく、このハイレベルイベントを開催する。  日付:2015年6月29日  場所:ニューヨーク国連本部  連絡先:国連事務総長オフィス  www http://www.un.org/pga/290615_hle-climate-change/

気候変動の下での共通の未来:国連教育科学文化機関(UNESCO)、国際科学会議及びFuture Earthがフランスの組織とパートナーシップを組んで開催する科学中心の会議、気候変動を取り巻く最新の研究状況を調査する。このイベントでは次の項目を議論する:気候変動に関する知識の現状;気候変動の課題への対応;集団行動及び可変解決策。  日付:2015年7月10-17日  場所:フランス、パリ  連絡先:会議事務局 電子メール:[email protected]  wwwhttp://www.commonfuture-paris2015.org/ 

開発資金に関する第3回国際会議:開発資金に関する第3回国際会議は、各国首脳、金融、外務、開発協力関係の閣僚、他の特別代表など、政治的に可能な限り最高レベルの会議となる。この会議からは、政府間で交渉され合意された成果、プレナリー会合のサマリーなど、会議での議論を含める会議報告書が発表される予定。 日付:2015年7月13-16日  場所:エチオピア、アジスアベバ  連絡先:UN 国連開発資金オフィス  電話:+1-212-963-4598  電子メール:[email protected] wwwhttp://www.un.org/ffd3

ADP 2-10ADPの第2回会合第10部は2015年8月-9月で開催の予定。  日付:2015年8月31日-9月4日  場所:ドイツ、ボン  連絡先:UNFCCC事務局  電話:+49-228-815-1000  ファクシミリ:+49-228-815-1999  電子メール:[email protected]  wwwhttp://www.unfccc.int

CCAC作業部会会議:気候と大気浄化の国際パートナーシップ作業部会は、CCACの協力行動に指針を与える作業を継続する。  日付:2015年9月8-9日  場所:フランス、パリ  連絡先:CCAC事務局 電話:+33-1-44-37-14-50  ファクシミリ:+33-1-44-37-14-74  電子メール:[email protected]  wwwhttp://www.ccacoalition.org/

ポスト2015年開発アジェンダ採択の国連サミット:このサミットでは、ポスト2015年開発アジェンダの採択が予定される、これには次が含まれる:宣言;一連の持続可能な開発目標、目的、指標;実施方法及び新たな開発のためのグローバルパートナーシップ;実施のフォローアップ及びレビューの枠組。 日付:2015年9月25-27日  場所:ニューヨーク国連本部  連絡先:国連持続可能な開発局 ファクシミリ:+ 1-212-963-4260   電子メール:[email protected] www:https://sustainabledevelopment.un.org/post2015/summit

IPCC42回総会:IPCC第42回総会は2015年10月に開催予定。  日付:2015年10月5-8日  場所:クロアチア、ドブロニク  連絡先:IPCC事務局  電話:+41-22-730-8208/54/84  ファクシミリ:+41-22-730-8025/13  電子メール:[email protected]  www:http://www.ipcc.ch

ADP 2-11ADP第2回会合第11部は、2015年10月に開催予定。  日付:2015年10月19-23日  場所:ドイツ、ボン  連絡先:UNFCCC事務局  電話:+49-228-815-1000  ファクシミリ:+49-228-815-1999  電子メール:[email protected]  wwwhttp://www.unfccc.int

UNFCCC COP 21 UNFCCCC COP 21及び関連の会議はパリで開催される。  日付:2015年11月30日―12月11日  場所:フランス、パリ  連絡先:UNFCCC事務局  電話:+49-228-815-1000  ファクシミリ:+49-228-815-1999  電子メール:[email protected]  wwwhttp://www.unfccc.int

追加の会議については右記を参照:http://climate-l.iisd.org/

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