Daily report for 13 December 2018
Katowice Climate Change Conference - December 2018
カトヴィチェ気候変動会議は、木曜日も続けられた。交渉の大半は閣僚級協議や議長職手動の協議を開催した。ストックテイキング・プレナリーは、交渉状況を報告、COP及びCMPは、パリ協定作業計画(PAWP)とは無関係の議題項目を終了させるため会合した。
COP議長職のストックテイキング
COP 24議長のMichał Kurtykaは、閣僚達に対し、それぞれの責任においてPAWPに関する報告をするよう招請した。
資金に関し、ドイツの環境・自然保全・原子力安全性担当の連邦国務大臣のJochen Flasbarthは、更なる協議に向け最終パッケージを議長に送付すべきだと述べた。エジプトの環境大臣Yasmine Fouadは、締約国は新しい長期資金目標及び資金常任委員会に関係する括弧書きの一部を除去できなかったと述べた。
透明性に関し、南アフリカの観光大臣Derek Hanekomは、一部の問題では意見の集約が見られたようだとし、他の分野の一部では違いが大きくないと述べた。同大臣は、締約国に対し、共同進行役は慎重に聞き取りしており、受け入れ可能な中間点を見出すべく大きな努力をしていると保証した。
緩和に関し、シンガポールの環境水資源大臣Masagos Zulkifliは、特にガイドラインの拘束性、適用のタイミング、レビューのタイミングなど、保留されている項目に関する橋渡し案を議論しようと、多数の締約国と会合したと報告した。Zulkifli大臣は、「全範囲(full scope)」の問題が未解決なままであると述べ、共同進行役の提案で議長職がクリーンな文書を作成できるようになることを希望した。
適応に関し、フィンランドの環境エネルギー住宅大臣の Kimmo Tiilikainenは、二者間協議で次の主要3項目を議論したと報告した:適応ニーズを評価する手法論;開発途上国の適応努力の認識;適応行動の緩和の共同便益。同大臣は、資金に関する共同進行役との協調を報告した。同大臣は、特に緩和共同便益に関する妥協案が登場していると指摘し、「ほぼクリーンな文書(almost clean text)」が議長職に送致されると述べた。
グローバル・ストックテイクに関し、ルクセンブルグの環境大臣Carole Dieschbourgは、オープンな議題項目4件が残されていると指摘した:衡平性;題目分野;インプットの情報源;統合報告書。題目分野に関し、同大臣は、損失と損害項目がオープンであると指摘し、衡平性に関し、より多くのオプションを議論する必要があると述べた。同大臣は、共同進行役は可能な落としどころに関し議長職に指針を提供したと指摘した。
タラノア・ダイアログ及びIPCC特別報告書に関し、スウェーデンの副首相で国際開発協力・気候大臣Isabella Lövinは、次に関する議論を報告した:タラノア・ダイアログの成果をどのように捉えるべきか;締約国によるNDCs策定に、どのようなタイプの指標を示すべきか;IPCCの1.5℃特別報告書をどのように認識するか。同大臣は、草案の表現を、可能な限り早期に議長職へ提示すると述べた。
COP 24議長のKurtykaは、パッケージの文書は共同進行役を務める閣僚たち、SBI、SBSTA、APA議長の助言に基づき、「可能な限り早期に」提供できると発表した。同議長は、閣僚会合において、ポーランド議会の第1回会合550周年を記念する「Sejmik」と称する文書を提出すると述べた。
COPプレナリー
COP副議長でツバルのIan Fryがこの会合を開会した。
補助機関の報告:SBSTA報告書:SBSTA議長のPaul Watkinson (フランス)は、パリ協定作業計画(PAWP)とは無関係の問題に関するSBSTAの議論について報告した。
同議長は、地方地域社会及び先住民プラットフォーム(LCIP)に関するCOP決定書草案に焦点を当て、これは大きな業績だと説明した。同議長は、SBSTAはバンカー燃料及び研究と組織観測に関する審議を終了できなかったと伝え、締約国がIPCCの1.5℃特別報告書に関し合意に達せなかったことから、これを議論する協議が進行中であると指摘した。同議長は、両方の項目は SBSTA 50の議題項目に戻されると述べた。
COPは、SBSTA議長の口頭での報告、SBSTA 49の報告書案 (FCCC/SBSTA/2018/L.17)、SBSTA 48の報告書 (FCCC/SBI/2018/4) and SBSTA 48-2 (FCCC/SBSTA/2018/6)に留意した。COPは、LCIPに関する決定書(FCCC/SBSTA/2018/L.18)も採択した。COPは、対応措置の実施の影響に関する改良フォーラム及びその作業計画に関する結論書(FCCC/SB/2018/L.19/Add.1)、並びに農業に関するコロニビア共同作業に関する結論書(FCCC/SB/2018/L.7)も採択した。
SBIの報告:SBI議長のEmmanuel Dlamini (eSwatini)は、PAWPに関係する問題に関するSBIの作業について報告した。
同議長は、2018年のSBIの業績の中で、特に次の項目に焦点を当てた:多様な適応問題での進捗;キャパシティ・ビルディングに関するパリ委員会 (PCCB)のレビューの開始;気候技術センター・ネットワーク(CTCN)のレビュー;REDD+の制度アレンジ。
COPは、SBI議長の口頭での報告、SBI 49の報告書案 (FCCC/SBI/2018/L.20)、SBI 48の報告書(FCCC/SBI/2018/9 and Add.1)、及びSBI 48-2の報告書(FCCC/SBI/2018/11)に留意した。
COPは、CTCNに関しSBI 48が推奨した決定書 (FCCC/SBI/2018/9/Add.1)、及び条約6条(気候変動の教育及び訓練)に関するドーハ作業計画のレビューの委任条件についてSBI 48が推奨した結論書(FCCC/SBI/2018/9/Add.1)、制度アレンジも含める、開発途上国の森林部門での緩和行動に関係する活動の実施支援協調についての結論書(FCCC/SBI/2018/9/Add.1)も採択した。
APAの報告:COPは、APA共同議長の口頭報告書に留意した。COPは、APA 1-5報告書(FCCC/APA/2018/2)、APA 1-6報告書(FCCC/APA/2018/4)、APA 1-7報告書案(FCCC/APA/2018/L.5)にも留意した。
適応委員会の報告:COPは、適応委員会の報告書に関する決定書(FCCC/SB/2018/L.5)に採択した。
技術開発及び移転、及び技術メカニズムの実施:技術執行委員会及びCTCNの合同年次報告:COPは、この項目に関する決定書(FCCC/SB/2018/L.8)を採択した。
附属書I締約国の報告及びレビュー:附属書I締約国の第2回及び第3回隔年報告書のとりまとめ及び統合:COPは、SBI 50でこの項目の審議を続ける予定であることに留意した。
条約の下でのキャパシティ・ビルディング:COPは、PCCBの進捗状況年次報告に関する決定書(FCCC/SBI/2018/L.21/Add.1)を採択した。
条約4.8条及び4.9条の実施:適応及び対応措置に関するブエノスアイレス作業計画(決定書1/CP.10)の実施:COPは、SBIがこの問題のSBI 50での審議続行で合意したことに留意した。
LDCs関係問題:COPは、LDCs作業計画に関する決定書草案(FCCC/SBI/2018/9/Add.1)を採択した。
ジェンダー:COPは、この項目に関するSBI結論書(FCCC/SBI/2018/L.22/Add.1)に留意した。
COP副議長のFryは会合を解散した。
CMPプレナリー
補助機関報告:SBSTAの報告:CMPは、SBSTA48の報告書(FCCC/SBSTA/2018/4)、SBSTA 48-2報告書(FCCC/SBSTA/2018/6)、SBSTA 49報告書案(FCCC/SBSTA/2018/L.17)に留意した。議長のWatkinsonは、SBSTAはGHGインベントリの技術レビューに関する年次報告書、その他、附属書I締約国が報告する情報を、SBSTA 50で取り上げる予定であると指摘した。
SBIの報告:CMPは、SBI 48報告書(FCCC/SBI/2018/9)、SBI 48-2報告書(FCCC/SBI/2018/11)、SBI 49報告書案(FCCC/SBI/2018/L.20)に留意した。議長のDlaminiは、SBIは附属書I締約国の第2回及び第3回隔年報告書のとりまとめ及び統合の審議をSBI 50で続けることで合意したと報告した。
クリーン開発メカニズム関係問題:CMPは、この項目に関する決定書(FCCC/KP/CMP/2018/L.1)を採択した。
議定書の下でのキャパシティ・ビルディング:CMPは、キャパシティ・ビルディングに関するSBI 48結論書に留意した。
議定書2.3条及び3.14条(附属書I締約国による開発途上締約国への悪影響の最小限での抑制)に関係する問題:CMPは、SBI及びSBSTAはこれらの項目の審議をSB 40でも続けると合意したことに留意した。
京都議定書の野心引上げに関するハイレベル閣僚ラウンドテーブルの報告:非公式協議は、Adam Guibourgé-Czetwertyński (ポーランド)が行ったが、今後の進め方に関する意見の一致には至らなかった。CMPは、この項目はCMP 15の暫定議題項目に入れることで合意した。
廊下にて
COP 24の最終日前日、参加者は、会場を歩き回っていたが、何のスケジュールもなかった。閉ざされた扉の後ろでは、閣僚及び参加者が多様な方式で会合した:二者間協議;「代表団長(heads of delegation)」会議;オープンエンドの協議。6条(協力的手法)など、一部の問題に関し、参加者は、水曜日の夜まで取り組んでいた。他の重要問題は、この日一日審議を続けた、一部のものについては協議進行役の閣僚を任命しなければならない。透明性枠組に損失と損害を入れることでは意見の一致が出てき始めたと噂されたが、グローバル・ストックテイクの中に損失と損害を入れるかかどうか、あるいはその挿入方法では、意見が大きく分かれたままだったようだ。
この「急ぐ、待つ(hurry up and wait”)」パターンの中、一部のグループ及び参加者は、取り残されることを懸念し、キャンセルされた二者間協議を指摘し、「極めて重要な(crucial)」会議が、次はいつ予定されるのか疑問に思っていた、予定が出れば、閣僚たちとの意見交換も可能になり、自分たちの利益に沿った問題の解決策の一端を担えると考えていた。多数のものは、議長職の包括的な戦略を懸念し、手順上の透明性や衡平性への懸念が湧き出してき始めた、ある参加者は、「文書が空から落ちるのは(the text would fall from the sky)」いつか、不安げに首をかしげていた。
議長職のストックテイキングは、議事進行の新しい方式を追加した:Sejmikは、ポーランド議会の550周年を讃えて名づけられた。基本的には、ウィーン方式であり、閣僚達が限られた人数のアドバイザーの支援を受け、テーブルを囲むという方式、ある参加者は、これを「あまり時間が残されていない中での効率追求(hunt for efficiency with so little time left)」だとして称賛した。別な参加者は、参加者が既知の問題を再度指摘し、自分に言わせれば締約国同士を近づける努力をほとんどせずに「この2日間を失った(last two days lost)」ことからすると、Sejmikの議論は閣僚達が座る円卓とおなじように回り続けるのではないかと懸念した。ある楽観主義者は、緩和や適応の問題などで閣僚達が橋渡し提案を策定したことはこのプロセスが成果を生むだろうという希望の証拠だと指摘した。
多数のものは、ストックテイキングでCOP議長は「文書(text)」と単数形で言及し、パッケージ取引を表したと指摘した。一部のものにとり、このことは歓迎すべきであり、ある参加者は、自分の分野での落としどころは関係各国が「PAWPの他の分野で望むものを得た(got what they want in other areas of the PAWP)」かどうかにかかっていると指摘した。一部の参加者は、協定6条に関する文書を待望、さらにはタラノア・ダイアログに関する文書を待望、IPCC特別報告書を認めることを待望しており、これらの文書は議長職が認めてSejmikに提示する前にまとめられるべき提案書に含まれる。一部のものはこのパッケージがいつ届くか憶測し、徹夜の前に「一寝入り(grab a nap)」すべきか、それとももう一杯コーヒーを飲んで力をつけておく時間かを考えていた。
カトヴィチェ気候変動会議のEarth Negotiations Bulletinのサマリーと分析は、2018年12月18日火曜日に右記でダウンロード可能:http://enb.iisd.org/climate/cop24/enb/