Daily report for 8 November 2022

Sharm El-Sheikh Climate Change Conference - November 2022

シャルムエルシェイク気候変動会議は多忙な第3日目を迎え、参加者は、部屋から部屋へと駆け回り、適応資金や損失損害など、多様な題目で開催される交渉会議を巡っていた。合わせて開催されたハイレベルセグメントでは、世界の指導者たちがステートメントの発表を続け、気候行動の高まりを求めた。指導者の中には、損失損害の資金制度の交渉に加わるものもいた。

ハイレベルセグメント

この日一日中、各国首脳及び政府代表は、ステートメントの発表を続け、気候にやさしく、地球にやさしい経路を目指し、共に努力しようと、協力の精神を呼びかけた。

アンティグアバーブーダのGaston Browne首相は、小島嶼国連合(AOSIS)の立場で発言し、化石燃料企業は世界的な炭素税を支払い、損失損害の資金を出すべきだと述べ、COP 27は、損失損害基金を確立し、2024年までに運用開始しなければならないとも述べた。

セネガルのMacky Sall大統領は、資金に関する大胆な決議を求め、アフリカの重要権益を無視してはならないと述べ、いずれにしても、アフリカは、気候変動にレジリエントな低炭素開発に重要な役割を果たすとも述べた。

エストニアのAlar Karis大統領は、地球の視野で考えるよう求め、気候に最も有益なことは、北極や南の世界でのイニシアティブなど、国境を越えて互いの努力を支え合うことだと指摘した。

ポーランドのAndrzej Duda大統領は、次の警告を発した:生産のアウトソーシングは排出責任から逃れることにはならない;ロシアの戦争は、不必要な排出量を発生させた、その量は開発途上国などの年間排出量を上回っており、ロシアの化石燃料への依存を無くす必要がある。

スリランカのRanil Wickremesinghe大統領は、気候行動の成功を妨げている最大の要因はキャパシティの欠如であると強調した。

南アフリカのMatamela Cyril Ramaphosa大統領は、先進国は約束を守っておらず、この事実により、プロセスへの信頼が失われていると強調した。

コモロ諸島のAzali Assoumani大統領は、コモロの再生可能エネルギー・ポテンシャルは膨大だと強調し、先進国に対し、年1千億米ドルの約束遵守に向け、大きく前進するよう求めた。

ブルガリアのRumen Georgiev Radev大統領は、気候変動はグローバルな脅威であり、グローバルな対応策でのみ、対応可能であると強調した。

リビアのMohamed Menfi大統領は、農業中心の開発途上国における気候変動の悪影響についてスピーチした。

マラウィのLazarus McCarthy Chakwera大統領は、数々の世界的な危機の最中、進展が見られないことから、当初はCOP 27への出席を躊躇していたが、人類のために戦うというマラウィの意思への忠誠がそれを上回ったと述べた。

オーストリアのAlexander van der Bellen大統領は、オーストリアは国際気候資金向けの予算の大幅増額で、責任を取ると強調し、オーストリアの気候行動省は、国際気候資金への追加拠出として、2023-2026年で、2億千万ユーロの予算を配分すると指摘した。

ベネズエラのNicolás Maduro Moros大統領は、世界の資本主義者たちは200年以上、この惑星を汚染してきたと述べ、惑星の資源を無差別に搾取してきたとし、「気候ではない、システムを変えろ(change the system, not the climate)」というHugo Chavezの言葉を想起した。

COP

長期気候資金:このコンタクトグループの共同議長は、Carlos Fuller (ベリーズ)及びGertraud Wollansky (オーストリア)が務め、この議題項目への期待感及び決定書の要素に関し、意見発表を求めた。

エクアドルは、G-77/中国の立場で発言し、このグループのマンデートは1千億米ドル目標での学習事項を明らかにすることだとし、隔年透明性報告書(BTRs)は目標達成を評価する上で主要な情報源となるべきだと指摘、目標達成に向けた進捗情報をまとめた資金常任委員会(SCF)報告書に注目した。

スイスは、COP 26でこの議題項目の結論を出せなかった主な理由は1千億米ドル目標達成に向けた進捗状況の追跡を続けるためだと理解しているとし、SCF報告書の全ての主要結論を審議するよう求めた。サウジアラビアは、有志途上国グループ(LMDCs)の立場で発言し、気候資金の定義づけでのさらなる議論を求め、SCF報告書は少数の締約国グループに有利な定義づけを、不当に強調していると指摘した。

モルディブは、AOSISの立場で発言し、次を求めた:先進国は、資金約束達成に向け、上向き経路をとると約束する決定書;実施計画;気候資金供与の明確な定義づけ、ただし非譲渡型ローンは気候資金ではないと指摘する。

コスタリカは、独立中南米カリビアン諸国連合(AILAC)の立場で発言し、COP決定書では次のニーズを特定すべきだと述べた:公共資金の規模拡大;適応及び損失損害のためのグラントベースの公共資金の供与。

英国は、1千億米ドル目標の未達成に失望感を表明、締約国の焦燥を認め、2025年までに適応基金を3倍の15億ポンドにし、国際気候資金に116億ポンド支出するという英国政府の約束を再度述べた。

ガンビアは、後発開発途上国(LDCs)の立場で発言し、1千億米ドル目標の実現に向けたロードマップの作成を求め、緩和と適応を同等に扱い、単一の運用可能な気候資金の定義づけが必要だと強調した。

COP/CMA

気候変動の悪影響に伴う損失損害に対応する資金制度、損失損害への対応を焦点とする:共同進行役のJulio Cordano (チリ)及びUrsula Fuentes (ドイツ)は、この議題項目でのCOP 27の成果への期待感を示すよう求めた。

ある政府代表は、少数の締約国の支持を得て、再生可能エネルギーへの転換及び気候レジリエンスを促進するため、「特定目的(fit-for-purpose)」で多国間の損失損害対応基金の形で、新しい資金供与経路を創設するよう求め、この基金は資金メカニズムの運用機関に指定されるべきで、2024年までに運用可能にすべきだと述べた。

ある開発途上国は、資金ギャップの存在を認識し、開発途上国による損失損害対応のための新しい資金源を求め、これは生存の問題だと強調した。別なものは、文化遺産の喪失など、緩慢に発生する損失損害への対処方法を求めた。

ある締約国は、「機能の前に形式(form before function)」だとし、この制度はCMAではなくCOPの下に置かれるか、両方の下に置かれるべきだとし、全ての開発途上国に開かれたものにすべきだと述べた。別な締約国は、この基金は現象発生後に運用されるべきで、復興に焦点を当て、気候現象発生後24時間から48時間以内にアクセス可能にすべきだと述べた。

CMA

新しい気候資金の集団数量目標:コンタクトグループの共同議長のGeorg Børsting (ノルウェー)及びZaheer Fakir (南アフリカ)は、次に関する締約国の意見を求めた:2022年に終了させるべき作業項目、決定書草案用;新しい集団数量目標に関する特別作業プログラムの2023年の作業に対するガイダンス。

エクアドルは、G-77/中国の立場で発言し、他の開発途上国グループと共に、2022年の技術専門家ダイアログ(TEDs)は長年の問題の繰り返しであり、マンデートには有用でないと述べ、組織だった作業プログラムを求め、最終的には2024年の決定書を構成する要素を中心とした決定書の作成を求め、今回の会合での「終了直前の政治的成果(a last-minute political outcome)」を警戒した。

ガイダンスに関し、多数の開発途上国は、2023年及び2024年のガイダンス策定作業の明確なロードマップ作成を求めた。多数の開発途上国及びi先進国は、TEDsの前の文書提出要請、及びこれら文書を活用した構成の改善及び焦点の改定で、意見が集約された。

ガイダンスの要素に関し、開発途上国は、次の項目について説明した:目標の量と時間枠など、量的な要素;道具、使えるチャンネル、適応と緩和のバランス、損失損害への言及、アクセス改善など、質的な要素;公平性、共通するが差異のある責任(CBDR)、開発途上国のニーズ及び優先事項、追加性、予見可能性、公的でグラントベースの譲渡型資金源への注目、政策や技術、部門での中立性などの原則。先進国は、供与済み資金への影響及び可能にする環境などを入れるよう提案した。

次の項目では、締約国の意見が集約された:目標の量や時間枠で早期に合意すべきかどうか;NCQGを先進国だけに適用すべきか、それともグローバルな努力とすべきか;目標で民間資金が果たす役割;政治レベルの議論を必要とする項目は何か。

多様なグループは、対話の土台となる決定書草案提出の意思を表明した。NCQGに関するハイレベル閣僚級ダイアログは、11月9日に召集される、コンタクトグループは、11月10日に再開される。

実施のための補助機関(SBI)

国別適応計画:Pepetua Latasi (ツバル)及びJens Fugl (デンマーク)を共同進行役とする非公式協議の冒頭、SBI議長のMarianne Karlsenは、国別適応計画(NAPs)で確固とした成果を挙げる必要があると述べた。共同進行役のFuglは、この会議の目的は適応委員会報告書、及び後発開発途上国専門家グループ(LEG)報告書の情報を審議することだと指摘、これにはNAPsの策定及び実施のギャップやニーズ、追加行動の実施が含まれると述べた。ある開発途上国グループは、SBI 56での進展の無さに不満を表明、実施に焦点を当て、ギャップ及びニーズを議論してほしいと述べた。

次の項目を議論した:NAPsの提出件数の少なさを懸念する;開発途上国への資金供与では、NAPsの策定だけでなく、実施のための資金でも、アクセスを改善する必要があり、GCFへのアクセス改善も必要;資金配分はNAPプロセス全体を対象とし、開発途上国のニーズに比例させる。締約国は、6月の議論を基に進めていくことで合意した。

クリーン開発メカニズムのレジストリ:共同進行役のSonam Tashi (ブータン)及びKate Hancock (オーストラリア)は、この項目での締約国の希望を尋ね、認証排出削減量(CERs)のクリーン開発メカニズム(CDM)レジストリから第6条4項レジストリへの移行を開始可能にする決定書をCMPに推奨する予定だと述べ、当該移行作業の技術面及びプロセスに関する事務局作成のテクニカルペーパーに注目した。

多数の先進国及び一つの開発途上国グループは、移行承認過程でのホスト国の役割を明確にする必要があると強調した。二つの開発途上国グループは反対し、ホスト国に情報を提供することは重要だが、相応の調整()制度などがあり、ホスト国は移行の影響を受けないと強調した。

締約国は、CDMから移行されたCERsはプレ2021CERsと呼ぶべきだとし、次を要請した:保留口座からの移行は可能かどうか、これについて多数のものは、そのようには理解していないと強調した;移行プロセス及びキャンセルプロセスのさらなる推敲;CDMレジストリに残ったCERsはどうなるのか。

締約国は、文書草案作成を共同進行役に委任した。

科学的技術的助言のための補助機関(SBSTA)

64項メカニズムの規則、モダリティ、手順:Sonam Tashi (ブータン)及びKate Hancock (オーストラリア)を共同進行役とする非公式協議では、CMA決定書草案を含めるSBSTA議長の非公式文書(SBSTA57/A6.4/InfDoc)の附属書にある次のセクションに焦点を当てた:ホスト締約国による活動報告及び発行した排出削減量の報告;メカニズム・レジストリの運用;事務管理費及び適応のための収入の一部拠出のプロセス;世界の排出量における全体的緩和(OMGE)を実現するプロセス。

報告に関し、締約国は、第6条4項排出削減量(A6.4ERs)を認証するタイミングとして、登録時、発行時などを含め、意見交換を行った。追加の報告義務の発生に慎重な意見も出たが、メカニズムの監督機関とホスト国間で情報を共有し、報告作成を容易にするほか、第6条4項の報告と第6条2項の報告作業の重複を回避するとの提案もあった。

レジストリに関し、各国は、第6条4項レジストリと第6条2項国際レジストリとの関係に注目し、次の必要性を強調した:この関係を明らかにする;相互運用性を確保する;用語をそろえる;両者の作業分担を画定する。

事務管理費用の収入の一部に関し、各国は監督機関の推奨案を歓迎し、これをCMAで審議すべきだと指摘するものもいた。適応用の収入の一部に関し、締約国は、適応基金理事会による収益戦略の策定及び実施というオプションで、意見がまとまった。

OMGEに関し、多数のものは、「認証された(authorized)」及び「認証されていない(non-authorized)」A6.4ERsという表現の削除を支持し、グラスゴーでのCMAガイダンスによると、キャンセルは発行された全てのA6.4ERsに適用されると指摘した。

非公式協議を続け、残りのセクション及び文書草案の表紙に焦点を当てる。

68項の非市場アプローチ枠組の作業プログラム:共同議長のMaria Al-Jishi (サウジアラビア)及びJacqueline Ruesga (ニュージーランド)は、非市場アプローチのグラスゴー委員会第2回会合の出席者を歓迎し、締約国に対し、当日配布の決定書草案に関し、次のセクションへのコメントを求めた:枠組の作業プログラム活動の実施スケジュール;追加の注目分野。

実施スケジュールに関し、LMDCsは、活動をさらに長期の視点でみる必要があると強調し、アルゼンチン・ブラジル・ウルグアイ(ABU)、LDCsの立場で発言したブータン、アラブ・グループの立場で発言したクウェート、米国、日本と共に、2段階方式を支持し、大半のものは、各段階での成果の評価作業を支持した。EU及びスイスは、活動の1年マンデートを希望した。

追加の注目分野に関し、EUと米国は、第6条8項に関しグラスゴーで特定された3つの分野(4/CMA.3)への注目を求めた。AILACは、AOSISの立場で発言したバハマの支持を得て、追加の注目分野の長いリストを保持するが、3つの分野に振り分けるという妥協案を提示した。

補助機関

パリ協定のグローバルストックテイク:コンタクトグループの共同議長は、Hana Al-Hashimi (アラブ首長国連邦)及びAlison Campbell (英国)が務めた。ボリビアは、G-77/中国の立場で発言し、COP27ではグローバルストックテイク(GST)の議論に十分な時間を配分していないと嘆いた。アルジェリアは、アラブ・グループの立場で発言し、共同議長に対し、テクニカル・ダイアログの成果に関するリフレクション・ノートの作成を求めた。コロンビアは、AILACの立場で発言し、テクニカル・ダイアログは成功したが、コンタクトグループの議論時間は不十分だったと述べた。ケニアは、アフリカン・グループを代表して発言し、テクニカル・ダイアログは資金調達の機会や障壁の克服方法を明らかにすべきだと述べた。ブラジルは、ABUの立場で発言し、テクニカル・ダイアログは現在も行われており、成果を議論するのは困難だと述べた。スイスは、環境十全性グループ(EIG)の立場で発言し、GSTのマンデートを想起する短文の決定書の採択を期待すると述べた。

適応委員会報告書:Pilar Bueno (アルゼンチン)及びMorgane Chiocchia (英国)を共同進行役とする非公式協議で、締約国は、次を審議した:適応委員会の報告書及びその附属書(FCCC/SB/2022/5, Add.1 and Add.2)を歓迎するか、それとも留意するか;気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の参画を強化する必要性、これに関し、一部の先進国は既に行われていると述べたが、少数の開発途上国はこれまでの参画は一般的である、適応問題では特別な実質的参画が必要だと強調した。次の項目についても議論した:適応資金のギャップを埋める、これには開発途上国によるNAPs策定及び実施の支援も含める;開発途上国の訓練のニーズ;適応世界目標に関するグラスゴー–シャルムエルシェイク作業プログラムをSBsで行うべきか、それとも適応委員会で行うべきか;気候変動の影響及び適応を評価する1994年版のIPCCテクニカル・ガイドラインを更新するよう、IPCCに求める。共同進行役らは、報告及びレビューの文書草案を回す予定、非公式な非公式会議開催時間を示す。

緩和野心の緊急の規模拡大及びその実施のための作業プログラム:非公式協議で、共同進行役のCarlos Fuller (ベリーズ)及びKay Harrison (ニュージーランド)は、次の項目へのコメントを求めた:緩和作業プログラムと他のUNFCCCプログラムとのリンク;作業プログラムへのインプット及びアウトプット;作業分野の範囲、要素、選択;原則の枠づけ。

締約国は、次とのリンクを特定した:GST;ハイレベル閣僚級ラウンドテーブル;現在進行中の資金の議論、特に第2条1(c)項(資金フローの一貫性)。

インプットに関し、締約国は次に焦点を当てた:国家決定貢献(NDCs)実施での学習事項に関する、締約国及び非締約国利害関係者の意見交換及び文書提出:国別温室効果ガスインベントリのIPCCガイドライン及び作業部会報告書;SCF、国連環境計画、国際エネルギー機関などの報告書;NDC統合報告書及び他の事務局報告書;閣僚級ラウンドテーブルのアウトプット。

アウトプットに関し、大半のものは作業プログラムのサマリー報告書を支持し、多数のものは、これは共同進行役による作成を提案した。一部の締約国は、この報告書には締約国による野心引き上げや実施を高めさせる情報を入れるべきと述べ、あるものは、アウトプットには野心引き上げのイニシアティブや機会を推進する情報を入れるべきだと提案した。ある締約国は、シャルムエルシェイク・インタラクティブ・ダイアログを提案した。少数の締約国は、締約国に野心引き上げ方法を示唆するCMA決定書のような交渉文書に反対した。

作業分野の範囲、要素、選択に関し、締約国は、次の題目を提示した:プレ2020年緩和約束達成で先進国が直面した課題及び学習事項;先進国及び開発途上国での、カーボン・バジェットのカーボン・スペースの公平な区分け、及び配分;1.5℃以下の温暖化を維持するため、緩和ギャップを埋める;緩和の資金枠組、特にNDCsの条件要素。一部の締約国は、作業分野や題目での交渉や議論に反対し、作業プログラム共同議長による選択を希望した。

原則の枠づけに関し、一部の締約国は、一切の原則枠づけに反対し、原則での交渉や合意の難しさを指摘、作業プログラムはUNFCCCの下にあり、このためUNFCCCの原則が適用されるとも述べた。他の締約国は、次を指摘した:衡平性とCBDR及びそれぞれの能力;利用可能な最善のサイエンスへの依存;行動の緊急性。

気候変動の影響に伴う損失損害のワルシャワ国際メカニズム(WIM ExCom)の執行委員会報告書:非公式協議で、共同進行役のCornelia Jäger (オーストリア)及びLucas di Pietro (アルゼンチン)は、11月6日日曜日の第1回非公式協議に続いて両共同進行役が作成した決定書草案に関し、締約国の意見を求めた。締約国は、この文書は意見を適切にとらえているとし、今後の議論の土台として歓迎し、次の項目について意見交換を行った:事務局を通し既に利用可能になっている技術支援サポートに関し、積極的なアウトリーチを推奨する、またサンチャゴネットワークに関する議論で取り上げる方が適切かどうか;WIM ExComに対し、専門家諮問グループ(CGE)との協調を要請するかどうか。一部の先進国は、CGEだけに絞ることに警告したが、少数の開発途上国は、これは自分たちの優先事項だと強調した。締約国は、サンチャゴネットワークの最終議論用に配分されている時間を確保するため、非公式に協議し、合意文書を11月9日水曜日の審議にかけることを提案、合意した。

WIMのサンチャゴネットワーク:Jäger及びdi Pietroが共同進行役を務める非公式協議で、締約国は、次の項目の議論を続けた:ネットワークの委任事項;事務局の選択基準;諮問理事会。少数のものは、ネットワークのモデルとして、気候技術センター・ネットワーク(CTCN)を挙げた。一部の開発途上国グループは、このネットワークの組織構造に独立した諮問理事会、専門の事務局、メンバーのネットワークを入れるべきだと指摘し、国家主導性の確保を求めた。少数の開発途上国グループは、少数の締約国による理事会よりも諮問サービスという提案に応じ、政策ガイダンスの提供や、組織の監督での諮問理事会の重要性を指摘し、COP及びCMAに対し、責任を負うものにすべきだと述べ、このネットワークは新しい議題項目の下での損失損害の資金制度とは別に、追加的で予見可能な資金を有する必要があると強調した。共同進行役は、多様な要素の審議に向け、ハイレベルな「骨子文書(skeleton text)」を作成する。

義務化イベント

適応ニーズの評価 - IPCC6次評価報告書WG II報告書の結論:IPCC WG II共同議長のHans-Otto Pörtner及びDebra Robertsは、気候変動の影響は既に起こっており、今後数十年間、増大し続ける、このため、適応は緊急のものだと強調した。適応委員会共同議長のShella Biallasは、適応のニーズを評価した同委員会のテクニカルペーパーを提出し、適応のニーズは状況により異なり、ダイナミックに変化するとし、そのニーズの評価には参画性の高い手法を用い、越境リスクを考えるよう強調した。IPCC WG II執筆者らは、次に関する識見を披露した:開発途上国の適応ニーズの評価を支援するには、追加の研究が必要である;そのような評価の手法論、特に能力に限界のある国や地域に対する手法論;気候にレジリエントな適応経路などの概念を評価に取り入れる方法。執筆者らは、グローバル適応マッピング・イニシアティブを指摘し、「悪い適応(maladaptation)」という新しい概念に注目、これは単一樹種の植林イニシアティブなど、適応対応により意図しないマイナスの影響が出てくることを指すと述べた。

廊下にて

指導者たちはスピーチの場や、ラウンドテーブル、二国間協議などを行き交っていたが、これをみた参加者は、「アリの巣を思い出す(This reminds me of an ant nest)」と述べた。ハイレベルの喧騒はあっても、参加者は、丸一日の実質的な交渉の場に臨むことができた。会議から会議へと急ぐ参加者の一人は、「起工式モードに入った(We’re already in Groundhog Day mode)」と指摘し、「会議室はいつもと同じ景色、いつもと同じ収容人数の問題がある(there’s the same old views in the rooms and the same old problems with room capacities)」とも。

楽観的なオブザーバーは、多数の議題項目で進展があったと指摘し、「まだ3日目だと思うと(especially considering we are only three days in)」と述べた。第6条の交渉担当者は、一日中、会合し、技術的に複雑な問題で、建設的な意見交換をしていた。少数の議題項目では、協議や合意文書の作業を早めようと、非公式な非公式協議が行われた。

損失損害の資金制度に関する交渉では、まだ解決の兆しは見られない。一部の政治指導者たちは、UNFCCC事務局長のStiellの要請した交渉担当者に対するブリーフィングだけでなく、自ら非公式協議に参加していた。

しかし、多数のものは、シャルムエルシェイクでの技術的な議論、政治レベルの議論が実を結ぶかどうか疑念視し、ハイレベルな議論をまとめた文書を作成し、これを「実施COP(Implementation COP)」の「成果の政治的羅針盤(political compass for the outcomes)」にするという、COP 27議長の発表を指摘した。

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