Daily report for 8 December 2023

UN Climate Change Conference - United Arab Emirates Nov/Dec 2023

交渉は第2週に入って、政治フェーズを迎え、今後の進め方に関する議長職の発言に衆目が集まった。国連気候変動枠組条約(UBFCCC)第28回締約国会合(COP28)の議長が手法案を提示する一方、この日一日中、資金、緩和、対応措置、透明性に関する交渉が行われた。

プレナリー

COP 28議長のAl Jaberは、会合初日の損失損害基金運用開始の実現を想起し、さらなる進展を目指し、共に努力することを奨めた。

その後、締約国は、科学的技術的助言のための補助機関(SBSTA)Harry Vreuls議長、及び実施に関する補助機関(SBI)Nabeel Munir議長の報告を受けた。両議長は、第58回会合の報告書(FCCC/SBSTA/2023/4 and Add.1, FCCC/SBI/2023/10 and FCCC/SBI/2023/10/Add.1)及び第59回会合の報告書(FCCC/SBSTA/2023/L.9 and FCCC/SBI/2023/L.30)への注目を求めた。その後、Vreuls議長及びMunir議長は、20236月のSB58及びSB59からCOPCMACMPに送致された決定書草案(FCCC/SBSTA/2023/4 and Add.1, and FCCC/SBI/2023/10 and Add.1)に焦点を当てた。COPCMACMPは、これらの決定書草案をそれぞれの閉会プレナリーの審議にかけることで合意した。

Vreuls議長及びMunir議長は、SBsは次の項目で作業を終了できなかったと指摘した:グローバルストックテイク(GST);適応世界目標(GGA);正当な転換経路作業プログラム、緩和野心及び実施の作業プログラム(MWP);対応措置、パリ協定第6条、パリ協定の下での開発途上国の報告作成に対する資金援助及び技術支援の供与。

議長のAl Jaberは、2名の閣僚がペアを組み、特定の問題の協議を指導し、保留されている技術的な作業の議論では、同議長は、次の問題に関し閣僚級協議を招集すると指摘した:

  • 適応、共同進行役は、オーストラリアの気候変動エネルギー担当副大臣のJenny McAllister、及びチリの環境大臣のMaisa Rojas;
  • 緩和、共同進行役は、ノルウェーの外務大臣のEspen Barth Eide、及びシンガポールの持続可能性及び環境大臣のGrace Fu;
  • 資金、共同進行役は、エジプトのYasmine Fouad環境大臣、及びカナダの環境気候変動大臣のSteven Guilbeault
  • GST、共同進行役は、デンマークの開発・グローバル気候政策大臣のDan Jørgensen、及び南アフリカの環境、森林、漁業大臣のBarbara Creecy。

議長のAl Jaberは、GST共同進行役のAlison Campbell (英国)及びJoseph Teo (シンガポール)に対し、「文章のビルディング・ブロック(textual building blocks)」の第3版を作成し、この日遅くに配布することが求められると述べた。同議長は、次の項目での追加協議の指導者を、明らかにした:

  • 緩和野心及び実施の作業プログラム、共同進行役は、ニュージーランドのKay Harrison、及びベリーズのCarlos Fuller;
  • 正当な転換経路作業プログラム、共同進行役は、ノルウェーのMarianne Karlsen、及び南アフリカのSimon Cardy; 
  • GGA共同進行役は、SB議長Munir及びVreuls
  • 6条2項(協力的手法)、共同進行役は、サウジアラビアのMaria AlJishi、及びノルウェーのPeer Stiansen;
  • 6条4項(メカニズム)の規則、モダリティ、手順、共同進行役は、オーストラリアのKate Hancock及びブータンのSonam Tashi;
  • 非市場手法(NMAs、第6条8項)、共同進行役は、トリニダードトバゴのKristin Qui、及びニュージーランドのJacqui Ruesga;
  • 対応措置、共同進行役は、ホンジュラスのAndrei Marcu、及びノルウェーのGeorg Børsting;
  • パリ協定第13条の資金援助及び技術支援の供与、共同進行役は、南アフリカのSandra Motshwanedi及びオーストラリアのJulia Gardiner。

議長のAl Jaberは、129日土曜日の夜の非公式ストックテイキング・プレナリーの後、「Majlis」(これはアラビア語でカウンシル(council)を意味する)と称する一つのグループが、1210日日曜日に会議を開始する予定であると述べた。

UNFCCC事務局長のSimon Stiellは、転換点を超すリスクがあると強調し、1.5℃目標を活かし続けるよう締約国に求めた。同事務局長は、GGAでの強力な合意を促し、さらに正当な転換が可能であることを示すため、正当な転換経路作業プログラムの決定書を求めた。

キューバは、G-77/中国の立場で発言し、閣僚協議と技術協議のオーバーラップへの懸念を表明、GGA及びGSTの協議を同時に行うべきではないと述べた。 

サモアは、小島嶼諸国連合(AOSIS)の立場で発言し、小島嶼開発途上国(SIDS)特有の懸念を軽視してはならないと述べ、SIDSへの支援強化を求めた。同代表は、GST決定書の関連性に注目し、国家決定貢献(NDCs)1.5℃目標に合致させることが重要だと強調した。

EUは、化石燃料の消費と生産の削減で、正当なエネルギー転換及びエネルギー安全保障を達成することを提案し、その「秩序ある(orderly)」段階的廃止の確保を求めた。同代表は、強力かつ明確なGGA枠組を求め、資金と実施のギャップ解消;汚染者負担原則の適用及び世界の金融システムをパリ協定に合致させることでの資源動員を求めた。

オーストラリアは、アンブレラグループの立場で発言し、GSTはそのマンデートに真実であり続けるべきで、資金フローを1.5℃での抑制可能レベルと合致させるための集団の進展を評価するべきだと述べた。同代表は、MWPの強力な決定書で、投資家にメッセージを発信するよう求め、正当な転換に関する最初のダイアログは、理解を進める上で重要だと述べた。

スイスは、環境十全性グループ(EIG)の立場で発言し、NDCsの次回のラウンドでは明確なガイダンスが必要だと述べ、GGA枠組は追跡しやすい明確な提案を示すべきだとし、全員が2024年にするべきことを明確に理解した上で、ドバイを離れるべきだと述べた。

ザンビアは、アフリカングループの立場で発言し、適応、及び計測可能で時間限定のGGA枠組の立ち上げを強調し、その成果はGSTと同等の重要性を持つと述べた。同代表は、正当な転換経路作業プログラムのスコープとモダリティでの合意を求め、気候行動を貧困撲滅及び持続可能な開発の概念の中に入れることを強調した。

ボリビアは、同志開発途上国グループ(LMDCs)の立場で発言し、議論を進めるため、第1週のプロセスの修正を要請した、特に締約国主導の交渉が無かったとし、会議スケジュールのオーバーラップもあったと指摘した。同代表は、先進国の「カーボン植民地主義(carbon colonialism)」を指摘、先進国に対し、それぞれの約束を実現するよう促した。

セネガルは、後発開発途上国(LDCs)の立場で発言し、MWPでの進捗に対する失望感を表明し、サンチャゴネットワークに関する決定書を歓迎し、適応資金を最低でも倍増するためのロードマップを求めた。

サウジアラビアは、アラブグループの立場で発言し、共通するが差異のある責任(CBDR)及び衡平性の原則を順守する必要があると強調し、パリ協定は排出源よりも排出量の制限に焦点を当てているとの見方をし、適応は、地域に影響するものであり、シャルムエルシェイクの成果に基づき、対応されるべきだと指摘した。

グアテマラは、独立中南米カリビアン連合(AILAC)の立場で発言し、暗黙の裡に化石燃料産業を支持している、GSTの中の用語に反対すると述べた。同代表は、技術実施プログラムを提案、キャパシティビルディングと技術の利用は転換を進めるカギであると強調し、自然のための債務スワップ(debt-for-nature swaps)のようなメカニズムの利用を求めた。

WOMEN AND GENDERは、人権は交渉できないものであると強調し、交渉の全ての成果全体で、人権、先住民の権利、ジェンダーの平等、を中心に据えるよう求めた。同代表は、この会議の成功は締約国が約束するGSTの結果次第で測られると想起し、次を約束するよう求めた:化石燃料の全面的な段階的廃止;公的で、ジェンダー対応型の資金の規模拡大;世代間、及びジェンダー間に分けた成果及び分析を増やす。

CLIMATE ACTION NETWORKは、全ての化石燃料の段階的廃止を求め、開発途上国のニーズに応え、NDCs1.5℃に合わせるよう求めた。同代表は、GGAでの成果の欠如への懸念を表明、正当な転換経路作業プログラムに関する野心的な決定書を求めた。

DEMAND CLIMATE JUSTICEは、GSTの成果における衡平性原則及びCBDRの原則の運用開始を求め、先進国に対しては、気候約束の実現を開始するよう求めた。同代表は、「大規模汚染者ではなく人々そして締約国が推進する、または議長職が推進するプロセス(people- and party-driven, not big polluter- or Presidency-driven process)」を求めた。

FARMERSは、気候行動及び持続可能な開発での農業従事者の貢献の理解を進める上での、市民社会組織及び国連プラットフォームの支援を求め、政策支援の無さを指摘、人間の文明にとり、食糧供給は本質的な役割を有していると強調した。

LOCAL GOVERNMENTS AND MUNICIPAL AUTHORITIES (LGMAs)は、多様なレベルでの気候行動が必要だと今日移調した。

TRADE UNION NGOs (TUNGOs)は、労働の権利及び社会的ダイアログに言及する強力な正当な転換枠組を求めた。

 議長のスルタンAl Jaberは、会合を閉会し、楽観主義、積極性、柔軟性、包括性の精神を持続するよう求めた。

緩和

緩和野心及び実施の作業プログラム:議長職の協議で、共同進行役のCarlos Fuller (ベリーズ)は、文書草案の中で、過去1年の間の作業プログラムを記載するセクション、及び作業プログラムに対する改善案のセクションについて、意見発表を招請した。同共同進行役は、成果に関する作業及び投資関連のイベントは非公式な非公式協議から得るものがあると示唆した。ある締約国は、他のものの支持を受け、非公式な非公式協議は全ての締約国が参加する場合にのみ、効果があると指摘した。

2つの開発途上国グループは、他の2か国の支持を受け、正当なエネルギー転換の加速化という表現、及び年次報告書の関係する結論を削除するよう求め、これは報告書の結論からの「いいとこ取り(cherry picking)」だと述べた。

少数の国は、反対し、強力なシグナルを送る必要があると強調し、これらの表現は作業プログラムのマンデート達成に基本的なものだと指摘した。ある国は、手順上の結論書のみとすることを提案、さらに正当な転換及びGSTへの言及を外すよう求めた。多数の先進国及び開発途上国は、正当な転換経路作業プログラム及びGSTを補完するよう促した。少数のものは、科学を反映させる必要があるとし、この10年間の間に排出量を急速に削減する必要があると述べた。

多数の国は、全ての意見を反映する新しいバージョンを求めた。

パリ協定第62(協力的手法)のガイダンス;非公式協議で、共同進行役のMaria AlJishi (サウジアラビア)及びPeer Stiansen (ノルウェー)は、SBSTAからCMAでの審議のため送られた文書草案に対する締約国のコメントを求めた。ある開発途上国グループは、第6条の交渉の進展がまちまちであり、特に第68項の交渉が遅れているとして嘆き、文書草案全体を括弧でくくることを提案した。別な開発途上国は、この提案を支持し、括弧書きの文章を決定書の中に一つのオプションとして入れることを提案し、第2のオプションとして、パリ協定内のカーボン市場のモラトリウムを追加することを提案した。

他の締約国は、送られてきた文書に対する意見を披露し、CMA 5で解決されるべき分野を特定した。第62項の協力的手法のスコープ及び定義づけを推敲する必要性では意見が分かれたままであり、一部のものは、これは規範的であり、制約的だと指摘、「協力的手法(cooperative approaches)」という表現は、広範な手法の可能性を示唆すると述べた。他のものは、適切な手法のみが含まれるよう、協力的手法を構成するものが何かを、広範であっても定義づける必要があると述べた。少数の締約国は、第62項の運用開始に必要な主な要素で保留されているものは、合意された電子式フォーマットであると強調したが、他のものは、このグループのマンデートには認可及びシークエンシングの要素が含まれると述べた。

非公式な非公式協議及び二者間協議が続けられる。

パリ協定第68項規定の非市場ベース手法(NMAs)の枠組:非公式協議で、共同進行役のKristin Qui (サモア)Jacqui Ruesga (ニュージーランド)は、SBSTAからCMAに送られた決定書草案を提示し、締約国に対し、UNFCCCウェブ―ベースのプラットフォームのパラグラフへの注目を招請した。

プラットフォームの作成の進捗状況に関し、一部の締約国は、プラットフォームの運用開始に向けた「進捗を歓迎すること(welcoming the progress made in)」を支持したが、他のものは、プラットフォーム完成の期限を守れなかったと指摘した、他方、一部のものは、進捗を認めると同時に、事務局に対しプラットフォームの完成を奨励する中立的な表現を求めた。プラットフォーム完成の新しい期限を、「2024131日(31 January 2024)」、「2024年」、それとも「可能な限り早期に(as soon as possible)」とするかどうかでは、意見が分かれたままであった。

プラットフォームの目的に関し、一部の締約国は、NMAsの公示または承認ではなく、NMAsの記録に限定することを支持したが、他のものは、3つ全ての目的を含める、現在の括弧書きの表現を希望した。

NMAsの提出及び記録保存プロセスに関し、一部の締約国は、11のパラグラフが含まれる現在の文書は複雑過ぎ、相当程度の単純化が必要だと強調した。締約国は、パラグラフの統合や削除、文書の単純化など、多様なオプションを提示した。

ある開発途上国グループは、一部の支持を得て、第6条の交渉ストリームの全ての進捗が一様でないとして嘆き、第68項に関する決定書草案全体を括弧でくくり、それを、先進国に対し、公平な資金制度を開発途上国に提供するよう求める文章に置き換えることを提案した。

共同進行役は、文書草案を改定する予定。

透明性 

パリ協定第13条の下での開発途上国の報告作成に対する資金支援及び技術援助の供与:非公式協議では、Sandra Motshwanedi (南アフリカ)及びJulia Gardiner (オーストラリア)が共同進行役を務めた。締約国は、決定書草案に関し、意見交換を行い、提案されている「2024-2028年のドバイ透明性キャパシティ作業計画(2024-2028 Dubai transparency capacity workplan)」の下での活動リストについて、議論を重ねる必要があると強調した。

少数の締約国は、透明性のためのキャパシティビルディング・イニシアティブ(CBIT)での資金要請への言及を削除することを提案したが、意見が分かれたため、ある締約国は、このパラグラフを括弧書きにし、後日の議論再開を提案した。

ある先進国は、GEFの資金募集サイクルの期間中でのGEFの支援額の大幅増額という提案に反対し、GEFへのガイダンス提供に関するパラグラフは、GEF議題目において、最終決定されるべきと指摘した。少数の締約国は、事務局に対し、BTR報告書作成での締約国の経験を議論するダイアログの開催を企画するよう要請し、それぞれの学習事項を振り返られるようにすることを要請した。非公式協議が続けられる予定。

資金

パリ協定第95項に則った締約国提出情報に関する気候資金のハイレベル閣僚級ダイアログ第2回隔年会合:カナダの環境気候変動大臣のSteven Guilbeault及びエジプトの環境大臣のYasmine Fouadは共同でモデレーターを務めた。

UNFCCC事務局長のSimon Stiellは、信頼は極めて重要であり、先進国と開発途上国の間で再構築する必要があると強調した。

経済協力開発機構の次席ディレクターであるMathilde Mesnardは、気候資金の供与、特に民間資金の動員の予見が課題であると強調した。

Oxfamの気候変動政策長であるNafkote Dabiは、豊かな国々は、十分な資源の動員に失敗したと報告し、その例としてパキスタンを挙げ、深刻な洪水の後、ローンでの気候資金を受けたが、そのため、同国は債務を膨らませていると指摘した。

多数の開発途上国は、気候資金の共通の定義づけを求め、提供された多様な情報が透明性や予見可能性、実施を損なっていると強調した。少数の先進国は、供与した資金及び予見可能性向上の努力に焦点を当て、少数は、より広範な諸国グループに対し、第95項の下でのコミュニケーションを奨励した。他のものは、次の項目を適した:

  • 事前の意図と事後の供与とのギャップ;
  • 無償ベースの資金及び適応資金の増額の必要性;
  • 民間部門の役割;
  • 多国籍開発銀行(MDB)改革の必要性;
  • 化石燃料補助金を削減する必要性。

オブザーバーは、より粗くはあるが一貫性がある報告作成、ジェンダー対応型の二者間資金、農業への資金増額、全ての資金フローを正当な転換に合致させることを求めた。

COP27のハイレベル・チャンピオンであるMahmoud Mohieldinは、現在の資金フローは不十分で非効率、不公平だとし、MDBsの役割強化及び民間部門へのインセンティブ提供を求めた。

パリ協定の第95項関係の隔年情報報告書に関する会合期間内ワークショップのとりまとめ及び統合、並びにサマリー報告書:CMAの下での非公式協議で、議論が開始された。共同進行役のElena Pereira (ホンジュラス)及びKelly Sharp (カナダは、改定された文書草案への意見を招請し、提案を正確に捉えようと、若干の修正にとどめたと指摘した。締約国は、次の項目などで、それぞれのコメントを繰り返した:第95項の表現の正確な記述;CMA 7での報告ガイドラインの改定を待つ;強化された透明性枠組の修正に反対。

 締約国は、今後の進め方について長時間議論した。ある開発途上国グループは、さらなるスリム化や、非公式な非公式協議での作業に反対し、オブザーバーに対する開放性を強調し、パラグラフごとの交渉に向け、文書をスクリーンに透写するよう求めた。少数のグループ及び締約国は、議論はダイバージェンスを高めるとし、スリム化では少数の重要なオプションに焦点を当てることを強調した。全てのものは、共同進行役に対し、政治的な会議ではなく、技術的なレベルでの議論に多くの時間を割くよう促した。

共同進行役は、議長職と協議すると述べた。 

気候資金の新しい集団数量目標:非公式協議で、共同進行役のAmena Yauvoli (フィジー)及びGabriela Blatter (スイス)は、改定された文書草案への意見を招請した。参加者は、2024年の間に、文書の交渉をする包括的な場を確保する必要性では合意したが、これをどう進めるかを議論した。特に、包括性の確保、特別作業プログラム共同議長のミクロ管理の回避、文書交渉、技術専門家ダイアログ、政治会合のリンクを明らかにすることに焦点があてられた。

少数のグループは、文書の作業を進めるため、少なくとも3回の会議を確保するよう求めた。一部のものは、SB 60での議論を提案した。少数のグループは、共同議長が20242月までに、2024年の作業計画を策定することを求めた。多数のものは、共同議長には、文書提出のタイミング、及びどのような形式の文書にするかを決定する柔軟性を持たせるべきだと強調し、これは損失損害基金の暫定委員会でうまくいったと指摘する一方、ここでのマンデートは決定書草案の作成ではないと強調した。 

締約国は、全員一致で、共同進行役に対し、技術レベルの交渉時間の拡大を促した。ある締約国は、実質的な進捗のセクションの状況は「恐ろしいものだ(terrifying)」と称した。あるグループは、議論の技術的な特性を強調し、目標は開発途上国のニーズ及び優先性に基づくべきであるとし、1千億米ドルの政治的に決められた目標という失敗の繰り返しに警告した。

共同進行役は、文書を改定し、今後の進め方について協議する。

対応措置

条約、京都議定書、パリ協定の下での対応措置実施の影響に関するフォーラムの報告:コンタクトグループの共同議長は、Andrei Marcu (ホンジュラス)及びGeorg Børsting (ノルウェー)が務め、SBsから送られた文書草案の読み合わせを行い、意見の不一致及び集約の分野を特定した。共同議長は、影響に関するカトヴィツェ委員会(KCI)及びその作業計画に関連するパラグラフは、決定書の中でも対立点が少ない部分であるとして、これらのパラグラフの議論から開始し、その後、モダリティ、作業プログラム、機能に関する第1の附属書、対応措置の実施の影響に関するフォーラム及びそのKCIに関する第2の附属書に移ることを提案した。

KCI及びその作業計画に関し、少数の開発途上締約国は、作業計画を改定する些少な提案をしたが、他のものは、既に合意した文書の議論再開はせず、第1の附属書の議論に移るよう求めた。このフォーラムの機能に関し、少数の先進国は、以前の決定書からの文章を保持するよう提案した。その後の議論では、機能のリストに焦点を当て、GSTへの言及、キャパシティビルディングに関する特定の表現、「適応可能性(adaptability)」への言及、ユニラテラルな貿易措置の関係では意見の不一致が見られた。

廊下にて 

「安息(rest)」の一日から戻った参加者は、COP議長職の提案する最終週の議事進行案に、熱心に耳を傾けた。議長職は、ロードマップを示し、閣僚級協議及び技術的な協議に対し、それぞれ複数の共同進行役を指名、全て、129日土曜日の午後3時に結論を出すべきと述べた。解決されずに残った問題は全て、提案されている大人数の単一のグループで、「Majlis」と称されるグループに回される、これは共通の関心を寄せる人々が集まり「座る場所」である。

一部のものは、GSTGGA、資金、そしておそらくは、正当な転換経路作業プログラムを横断するシナジー(あるいはトレードオフ)を見出すことができ、最終的なパッケージをまとめやすくすると考えた。他のものは、多人数の集まりで結果を出すのは稀であると警告した。一部のものは、カトヴィツェでの「Sejmik」で閣僚級が1度だけ会合し、その後少人数での項目ごとの議論に分かれたことを想起した。同様に、Comite de Parisは、少人数の「indabas」から毎日招集され、パリ協定の特定の項目を議論した。他のものは、透明で包括的な意思決定プロセスに与える影響を懸念した。扉を閉ざすことはないようにとの参加者の懇願の後、プレナリーでは拍手が長時間続き、多くのものは、この後の5日間で何がおきるか、考えさせられていた。

「今のところ、かなり散漫な状態だ(For now, things are very scattered)」と、熟練のオブザーバーは述べ、異なる進行役と話すときは、メッセージに一貫性を持たせたいと希望した。資金の交渉担当者は、閣僚級の協議に回すよりも、技術レベルでの作業を続けたいとの希望で一致していた。しかし、多くのものは、厄介な問題を経験豊かな閣僚たちの手に委ねて安堵し、技術レベルでの議論継続と必要な場合の妥協に向けた政治的なインプットとのバランスを見出して欲しいと希望した。

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