Daily report for 1 November 2021

Glasgow Climate Change Conference

世界リーダーズサミットが、この日のハイライトであり、「地球がCOPへ(Earth to COP)」と題した開会式典から始まった。一日を通して、第6条(協力アプローチ)から透明性問題まで広がる重要な実施問題に関し、交渉が行われた。

世界リーダーズサミット

開会式典:地球がCOPへ:英国のBoris Johnson首相は、気候の危機の深刻さに目を向けるよう求め、COP 26が必要な規模の行動を実現できなかった場合の若者たちの「怒りと焦燥感(anger and impatience)」を警告した。同首相は、解決策は達成可能であり、先進国世界は、開発途上国での気候行動に資金を拠出する責任があると強調した。

サモアの活動家であるBrianna Frueanは、「世界を変える」言葉の力を強調し、リーダーたちに対し、行動を伴う「正しい言葉をふりまく」よう求めた。同氏は「我々は溺れてはいない、戦っている(we are not drowning, we are fighting)」との叫びの下で結集した太平洋の若者たちのリーダーシップに焦点を当てた。

アマゾンからの若い活動家であるTxai Suruíは、「うつろな言葉による汚染(the pollution of hollow words)」を終わらせるよう促した。同氏は、人々が現実に目をつぶっている間に、自分の幼馴染の一人は森林を守ろうとして殺されてしまったと述べた。同氏は、先住民をCOP 26での決議の中心に据えるよう求めた。

国連事務総長のAntónio Guterresは、最近の気候行動の発表は世界がパリ協定の目的達成の道筋に立っているという印象を与えるかもしれない。それは幻想であると述べ、今回のCOPの終わりに約束が不足しているようなら、各国は、5年ごとといわず、毎年、自国の計画を見直さなければならない、それは、1.5℃(の気温上昇)が確保され、化石燃料補助金が終わり、炭素に価格が付き、石炭が段階的に廃止されるまで続けなければならないと警告した。

チャールズ皇太子殿下は、持続可能な未来を作るには何十億ドルではなく何兆ドルもの資金が必要だと強調した。殿下は、世界の指導者は行動しないことのコストが防止コストをはるかに上回ると理解していると述べ、若い人たちの将来を救うため、力を合わせるよう促した。

COP 26 Peopleの活動家であるDavid Attenborough卿は、人類の文明の発展を可能にした気候系の安定性は壊れてきたと述べ、世界の指導者たちに対し、世界の二酸化炭素の大気濃度を削減し、この悲劇を勝利に変えるよう促した。

バルバドスのMia Mottley首相は、緩和、資金、適応資金のギャップは「不道徳で不当(immoral and unjust)」であると評した。同首相は、転換の資金調達のため、年5千億米ドルという国際通貨基金の特別引き出し権を20年間、毎年増額するよう求め、2℃という未来は脆弱な諸国の人間にとっては「死刑宣告(death sentence)」であると強調した。

チリの若者代表は、ビデオメッセージで、指導者たちに対し、若者に耳を傾けるよう促し、市民社会の知識を考慮し、地方で努力し、地球規模の影響を与えるよう促した。

エジプトの若者代表は、ビデオメッセージで、地方コミュニティで働いた経験で得た学習事項を共有し、グリーンなイニシアティブを通した経済的なエンパワーメントを達成する機会があると強調した。

WeThe15キャンペーンのアンバサダーであるEdward Ndopuは、世界の指導者たちには現在の世界がおかれた道筋を変える大きなパワーがあると想起し、全ての生命に安全な未来を保証するよう促した。

イタリアのMario Draghi首相は、COP 26はG20よりさらに先へ進めるよう求め、利用可能な民間基金の何十兆ドルを賢く使うよう促し、世界銀行及び他の多国籍開発銀行に対し、民間部門だけでは負担しきれないリスクを分かち合うよう求めた。

参加者は、英国の「私たちの惑星の今(Our Planet Now)」という作詩大会で勝利した8歳のDelphine作詩のアニメビデオを視聴した。

ケニアの気候と環境の若者活動家であるElizabeth Wathutiは、指導者たちに対し、COP 26での決定は子供たちが食糧や水をもてるかどうかを決めることになると想起した。

指導者ステートメント:スペインのPedro Sánchez首相は、2022年に適応基金に対し3千万ドルを拠出、2025年までに気候資金を50%増額し年13.5億ユーロにすると約束、さらに自国の特別引き出し権の20%を脆弱な諸国に割り当てると発表した。

米国のJoseph Biden大統領は、米国は(交渉の)テーブルに戻ってきただけではない、模範として先頭にたつと実証していく決意を表明した。同大統領は、次の米国ファーストを発表した:2050年より前にネットゼロ排出を達成する長期戦略;適応報告書;適応基金への資金拠出。同大統領は、米国の気候資金を2024年までに4倍に増額するつもりだと述べた。さらに、同大統領は、EUと共に、グローバル・メタン・プレッジ(Global Methane Pledge)を発足すると発表、これを通して、70か国以上がメタンの排出量を2030年までに2020年比で少なくとも30%削減すると集団で約束すると述べた。

インドネシアのJoko Widodo大統領は、インドネシアの排出量の60%を占める森林及び土地利用部門は2030年までに炭素の実質的な吸収源になると述べた。同大統領は、自国では気候資金及びグリーン債券などの革新的な資金調達を動員し続けるとし、先進国から開発途上国に対し、どのくらいの支援があるのかを尋ねた。

セイシェルのWavel John Charles Ramkalawan大統領は、小島嶼諸国は産業化と気候変動の影響結果で苦しんでいると嘆き、COVID-19は自国の観光産業の75%を消し去ったと強調、支援を受ける基準に所得状況を用いるのは終わりにするよう求め、代わりに「脆弱性指標(vulnerability index)」を採用するよう求めた。

フランスのEmmanuel Macron大統領は、現在のプレッジでは世界は2.7℃の地球温暖化になると指摘、COP 26閉会前の、1.5℃目標とのギャップを狭めるプレッジと戦略を求めた。同大統領は、気候と生物多様性、そして貿易問題のリンク付けを求め、さらに気候約束を反映する貿易協定を求めた。

ガボンのAli Bongo Ondimba大統領は、自国は世界でも最も炭素ポジティブな国だと述べ、気候の法律を制定しており、グラスゴー後には新しいNDCを提出すると述べた。同大統領は、主要経済国に対しい、1.5℃に沿う新しいNDCsの提出を求め、「気候のマーシャル計画(Marshall Plan on Climate)」を提案、先進国に対し、開発途上国のニーズを満たすため、2025年以降は集団気候資金目標を10倍に増額するよう促した。

ドイツのAngela Merkel首相は、気候行動の先頭に立つ先進国の責任を認めた。同首相は、先進国は2023年までに1千億米ドルの目標を達成すると保証し、ドイツは2025年までに気候資金を年60億ユーロまで増額すると保証した。さらに同首相は、カーボンプライシングー炭素の価格化―が必要だと強調した。

ジャマイカのAndrew Michael Holness首相は、全ての国に対し、現在のそして将来の世代に対し、この惑星を保全するという野心を持ち、責任ある行動をとるよう促した。同首相は、小島嶼諸国にとり、気候行動をとる、特に損失損害のための行動をとるには、資金調達が極めて重要であると述べた。

ケニアのUhuru Kenyatta大統領は、気候変動と安全保障の連鎖を強調、極端な天候現象がアフリカ大陸に及ぼす影響に焦点を当てた。同大統領は、ケニアは「公平な割合の努力をしている(doing her fair share)」とし、 COP 26が野心、資金、適応、損失損害、パリ協定実施で実現することへの期待感を表明した。

フィジーのJosaia Voreqe Bainimarama首相は、世界はネットゼロへの競争に負けているとし、高汚染国に対し、2030年までに排出量を半減するよう促した。同首相は、低地及び島嶼国の存在は交渉できるものではないと強調、締約国には我々の子供や孫の未来を守る倫理上の義務があると強調した。

バングラデシュのSheikh Hasina首相は、全ての主要排出国は野心的なNDCsを提出し実施しなければならない、先進国はその資金上の約束を果たさなければならないと強調した。同首相は、気候脆弱性フォーラムの議長として、「気候緊急協定(climate emergency pact)」を提案した。

カナダのJustin Trudeau首相は、Lytton村が山火事で破壊されたことを想起した。同首相は、自国のカーボンプライシングの軌跡は世界でも最も野心的なもののひとつだとし、全てのものがともに努力し、歩みを進めるよう求めた。

ボリビアのLuis Arce Catacora大統領は、「カーボン植民地主義(carbon colonialism)」 及びグリーン資本主義を非難し、母なる大地を守るため、経済社会システムのパラダイムシフトを求めた。同大統領は、共通するが差異のある責任(CBDR)の原則、及び歴史的な責任を強調し、先進国に先頭に立つよう促した。

韓国のJae-in Moon大統領は、2030年までに2018年比で40%排出を削減し、グローバル・メタン・プレッジに加入し、森林回復での協力を推進するとの約束を示した。同大統領は、気候の意思決定における若者の通常の参加を提案した。

欧州理事会のCharles Michel議長は、活動家にはさらなるものを求める権利があるとし、指導者たちは不十分だと思われないようにする義務があると述べた。

欧州委員会のUrsula von der Leyen委員長は、2030年までに排出量を削減する強力なコミットメント、世界炭素市場を現実のものにする確固とした規則枠組、気候資金の規模拡大が必要だと強調した。

インドのNarendra Damodardas Modi首相は、次の5つの新しい目標を発表した:2030年までに非化石燃料エネルギーの能力を500ギガワットまで増強する;2030年までにエネルギー需要の50%を再生可能資源で賄う;現在から2030年の間に10億トンの炭素排出量を削減する;2030年までに炭素原単位を45%削減する;2070年までにネットゼロ排出を実現する。 同首相は、野心引き上げに見合うだけの資金が必要だとし、先進国に対し、可能な限り早期に1兆米ドルの資金を拠出するよう促し、資金約束をはたしていない諸国に圧力をかける気候資金追跡システムの設置を提案した。

SBSTA

パリ協定第6条に関係する問題: コンタクトグループでは、3件の小項目に関する作業が開始された。SBSTA議長のTosi Mpanu Mpanuは、締約国は第6条の運用開始に関する交渉の6年目に入ったと指摘、2021年での相当な技術的作業に言及した。同議長は、残された未解決問題の議論進行に向け締約国を支援するため、COP前に発表したオプションペーパーに注目するよう求めた。同議長は、バランスの取れたパッケージは手の届くところにあるが、それには参画や妥協が必要だと述べた。同議長は、11月2日の朝までに文章草案の新しいバージョンを発行するとの提案を発表、さらに11月6日の土曜日のコンタクトグループ閉会前には第2版を発行すると提案した。

非公式協議において、共同進行役のHugh Sealy (バルバドス)は、次の項目を含める、アプローチの提案及び期待感について説明した;バーチャルな参加者を含め、それぞれの意見や立場が確実に聴いてもらえるようにする;マドリードからの3つの文章草案を土台にし続ける。同共同進行役は、新しい文章ではマドリード文章の第3版で締約国が満足していない箇所がどこかを示す予定であり、マドリード以後で登場したオプションやニュアンスも取り込む予定だと説明した。同共同進行役は、SBSTA議長は火曜日に代表団長会議を開催し、最初の意見発表を聞き、続いて追加の非公式協議を開催すると述べた。同共同進行役は、次の項目に関する意見発表を招請した:特定の期待感;マドリード以後、特に議論されてこなかった問題;反対の立場を包含する可能性がある分野及び「パッケージ」が登場する分野。

締約国は、改定案の発行に対する支持を表明した。ある開発途上国グループは、文章草案のマドリードでの1版と2版を主に使うことを希望し、これらの文章草案では全ての立場が網羅されていると指摘した。

多数のグループは、第6条2項(国際的に移転される緩和成果)のガイダンスの下での環境十全性の追加対応を求めた。多数のグループは、第6条2項の規則と第6条4項(メカニズム)の規則の間では、環境十全性、ベースラインの追加性、計算に関わるものも含め、一定のパリティ(等価性)を入れるよう求めた。多数のものは、二重計算を避けるよう求めた。

一部のものは、第6条は1.5℃目標に貢献する必要があると強調した。あるグループは、野心への貢献に基づき文章を判断するとの別なグループのステートメントに反応し、だれの野心を測定するのかを尋ね、「公平な野心(equitable ambition)」とバランスの取れた文章を求めた。ある開発途上国グループは、政策措置を付したNDCsを含めるよう求め、非GHGの計算方法など、ガイダンスの提供を求めた。

多数の開発途上国は、第6条運用開始に備えるキャパシティビルディング・プログラムを求め、あるグループは第6条を対象とする決定書にこれを入れるよう提案した。

先進国及び途上国の双方の多くは、文章の中に人権及び先住民の権利を反映させるよう求めた。

一部のものは、第6条の下での3つの「メカニズム」を横断するバランスの必要性に着目し、ある締約国は、「第6条8項(非市場メカニズム)」では少しか全くなにもしてきていないかだと発言した。

締約国及びグループは、特に次を求めた:第6条レビューチームの役割及びプロセスの定義づけ;第6条2項と第6条4項の制度の下、収入の一部を等しく扱う;第6条4項の下では、プレ2020年の京都クレジットの使用を無制限にする;クリーン開発メカニズム手法論を第6条4項に移行する;世界の排出量全体の緩和を改善するため、包括性と市場の安易さを確保する;セーフガード;第6条作業プログラムを終了させるタイムライン。さらにベースラインの追加性に関し多様な意見が表明された。

「パッケージ」に関し、あるグループは、次の3つのクラスターを紹介した:野心、計算、資金。

午後の非公式協議でも意見発表が続いた。

パリ協定の下での手法論問題:国別インベントリ報告に使う共通の報告用の表:非公式協議は、Helen Plume (ニュージーランド)が共同進行役を務め、柔軟性条項議論に移る前に、まず表の構成と内容を議論し、決定書草案に含める表を最終決定することを提案した。一部の締約国は、IPCCの国別温室効果ガス・インベントリ・ガイドライン2006年精緻版について、CMAでは議論されてこなかったと指摘し、これは法的立場を持たず、強化された透明性枠組のモダリティ、手順、ガイドライン(MPGs)の範囲外にあると指摘した。他の者は、少数の国が既にこの2019年精緻版を使用していると指摘、特に水素及びバイオチャー(biochar)に関して使っているとし、これは報告の包括性を高めることから、引き続き使えるようにすべきだと指摘、ある国は、2019年精緻版の適用が表の構造の変化を伴うとは限らないと強調した。一部の開発途上国は、アウトプットの表に柔軟性条項をどのように示すかは各締約国が決めるべきだと述べた。Plume共同進行役は、締約国に対し、書面でのコメント提出を招請、事務局はこれらのコメントをとりまとめて回覧し、今後の議論に情報を提供すると指摘した。

提供され、動員され、必要とされ、受け取った支援に関する共通の表形式:Seyni Nafo (マリ)及びKarima Oustadi (イタリア)を共同進行役とする非公式協議では、資金支援に関する表と、キャパシティビルディング及び技術移転に関する表とのリンクが議論された。数名のものは、二重計算を避ける必要性を強調した。多数のものは、サマリーの表があるのは有用であると強調し、これに緩和と適応の資金割合や異なる資金手段の割合の概要を提供することは有用であると述べた。ある開発途上国グループは、サマリーの表では10年規模の概要を提供するよう求めた。他のものは、サマリーの表は「あると良い(nice to have)」ものだが、MPGsで義務化されたものではないと指摘し、少数のものは、そのような表は自動設定されるべきだと強調した。報告する年度に関し、数名の発言者は、毎年の約束の進捗状況追跡を可能にするには予算年度か暦年ごとで異なる表にすることが重要だと強調したが、別なものは、必要な支援を隔年ベースで報告するには柔軟性が必要だと強調した。共同進行役は、この会合の議論や会合期間間隙中の議論、及びAILACとAOSISが最近提出した合同提出文書などの締約国提出文書に則り、非公式ノートを作成する予定。

農業に関するコロニビア共同作業:Milagros Sandoval (ペルー)及びPhilip Blackwell (アイルランド)が共同進行役を務めた非公式協議では、次の項目を審議し、このグループの3つのマンデートを完了させるための時間は限られていることが指摘された:保留となっている3つのワークショップの報告書;コロニビア・ロードマップが承認されてから3年の間に行われた作業に関し、COPに何を報告するか;審議されるべき将来の題目。共同進行役のSandovalは、共同進行役が聴いた多様なアイデアを網羅した「ステータスのないノート(no-status notes)」を指摘し、締約国の反応を招請した。一部の締約国は、3つのマンデートのスリム化を提案したが、他の者は反対した。あるものは「非常に丁寧な形で扱う必要があるギャップ(a gap that needs to be addressed in a very delicate way)」を指摘したが、特定することはせず、さらなる議論をする時間を要求した。非公式な非公式会議が招集される予定。

SBI

国別適応計画(NAPs)Pepetua Latasi (ツバル)及びJens Fugl (デンマーク)を共同進行役とする非公式協議では、次のマンデートが議論された:2025年より前に行われる、NAPの策定及び実施プロセスの進捗状況に関する次回の評価に向け、行動を策定する;ギャップやニーズ、NAP実施に関する情報など、適応委員会及びLDC専門家グループ(LEG)からの情報を審議する。締約国は、適応のための支援に、NAPの策定だけでなく、 NAP実施のための支援も含めるべきかどうかを議論した。一部の開発途上国は、緑の気候基金を通す資金を含め、資金にアクセスするプロセスは煩雑だと嘆いた。締約国は、2021年6月のSBI会合から出てきた共同進行役の非公式ノートは共同進行役が文章草案を作成する有用な出発点であることで合意したが、この文書草案に「提起された他の問題で、この項目の範囲を超えるもの(other issues raised that are beyond the scope of this item)」との表題の項目を入れるべきかどうかでは意見が分かれた。2つの追加の非公式協議が招集される予定。

WIMKishan Kumarsingh (トリニダード・トバゴ)及びCornelia Jaeger (オーストリア)が共同進行役を務める非公式協議では、損失損害に関するサンチャゴネットワークを運用開始するための決定書を求める声が多かった。少数の開発途上国グループは、COP及びCMAの両方に送られる決定書において、このネットワークを運用開始するとのアイデアを提案した。これらには、異なる規模で運用されている多様な組織で利用できる技術支援の範囲や質、タイプを識別するためのメカニズム、及び開発途上国による損失損害のニーズ識別を支援する調整メカニズムが含まれる。損失損害のための資金、特に緩慢に発生する現象による損失損害のための資金については、複数以上の開発途上国グループが提起した。一部の先進国は、このネットワークの集合パワーの活用を提案したが、別なものは、それ以上のものが必要だと述べた。このネットワークに焦点を当てる非公式協議が招集される予定。

専門家諮問グループ(CGE)の委託条件及び2020年と2021年の報告:非公式協議では、Gertraud Wollansky (オーストリア)及びSin Liang Cheah (シンガポール)が共同進行役を務めた。ある開発途上国は、CGEから聴取するための時間を求めた、特に国別報告書及び隔年更新報告書の作成に必要なキャパシティビルディングに関する報告を議論する時間を求め、同代表は、これはCGEに対するガイダンスの議論に情報を与えるはずだと述べた。一部の先進国は、議論ではCGEの構成も取り上げるべきだと指摘し、委託条件では東欧の非附属書I締約国が「誤って見落されていた(erroneously overlooked)」ことに焦点を当てた。共同進行役のWollanskyは、非公式協議の次回会合では締約国の意見聴取に焦点を当て、共同進行役の責任において文章草案を作成するとのマンデートを求めると指摘した。

共通時間枠:SBI議長のMarianne Karlsen (ノルウェー)が非公式協議の進行役を務めた、この協議では特に次の項目に関する締約国の意見を聴取した:時間枠オプションの選択;NDC実施期間の選択;次回のNDCsの実施終了日。CMA 3において、この問題に関する決定書を採択する必要があると、全員が強調した、さらに多数のものは、2021年6月からのSBI議長の非公式ノートには、決定書草案の文章に役立つ要素が含まれていると指摘した。

多数のグループは、全ての国に対し単一の時間枠とする必要があると強調したが、一部のものは反対した。多数のものは、合意に達するための閣僚級の議論を求め、あるグループは、この問題は「パッケージ全体(full package)」の一部であると指摘した。

締約国は、非公式ノートに記載されるオプション及び締約国から受理した他の追加インプットを反映する結論書草案及び決定書草案を作成するよう、Karlsen進行役に委任することで合意した。協議が続けられる予定。

技術開発及び移転:気候技術センター・ネットワーク(CTCN)のレビューに関わるプロセスと、技術メカニズムの定期評価に関わるプロセスとの調整:非公式協議の共同進行役は、Elfriede-Anna More (オーストリア)及びStella Gama (マラウィ)が務めた。参加者の議論は、共同進行役が作成した非公式ノートから情報を得て行われた、このノートには4つのオプションが示された。少数の締約国及びグループは、CTCNレビューのプロセスと、COP及びCMAの下での技術メカニズムの定期評価のプロセスはそれぞれ独立させておくが、その周期を合わせることを希望すると表明した。これらのものは、このオプションは作業の効果性、効率、補足性、二重作業回避という合意された要素にも沿っていると指摘した。ある開発途上国グループは、時間を考えると、この議題項目を将来の会合まで延期するよう提案した。2つの先進国は、調整をすることなく独立したプロセスのままにしておくとのオプションを支持し、この項目の終了を希望すると強調したが、ある締約国は反対し、この二つのプロセスの協調を検討するのはマンデートであると指摘した。共同進行役は、追加協議に向け文章草案を作成する予定。

廊下にて

世界リーダーズサミットのため到着した参加者やメディアのラッシュで、会場のビルを連結するテントのつなぎ目は伸びきっていた。COPの会合がこれほど満員で、ほぼ大混乱の状態になったのは、極めてまれである、特にそう感じるのは、パンデミックの間、多くのものが生活空間を狭めてきたせいかもしれない。会場の外は、入場しようとするもので膨れ上がっていた。多くの出席者が入場するのに2時間並び、コペンハーゲンとの比較を促し、会場の中では正式な議題交渉の開始を遅らせた。とはいえ、リーダーたちのスピーチと共に、交渉自体も本格的に開始され、数件の議題項目では文章草案の新しいバージョンの速やかな配布が約束された。

廊下の大騒ぎにも拘らず、オブザーバーの交渉へのアクセスは制限されたままであった。幸運にもチケットを入手したオブザーバーの一人は、「あまり新しいことは発表されていない(little new was announced)」として焦燥感を表明した。インドとタイは、新しいネットゼロ目標を発表した。韓国は、自国のNDCの野心を引き上げると述べ、米国は、ネットゼロに向けての長期戦略を発表した。開発途上国の多数のリーダーたちは、長期に約束された資金の速やかな拠出を求め、Modi首相は、可能な限り早期に兆単位の数字にするよう求めた。スペインと米国が、適応基金への新たな資金拠出を発表した以外、発表された新しい資金は少額にとどまっていた。リーダーたちの言葉が今後の交渉にどういう影響を与えるか、そもそも影響するかどうかは、わからないままである。

交渉担当者は、第6条及び損失損害に関する新しい文章草案の検討に夜遅くまでかかると見込む中、さらに多くの言葉が発せられるとみている。パンデミックによる制約にも拘らず、2021年には合計で48時間、第6条に関する意見交換を行った後であり、大半の交渉担当者は、「実際の作業にとりかかり、我々はここで実現するのだと世界に見せつけ(get down to real work and show the world we are here to deliver)」決意を固めているようだ。

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