Daily report for 4 November 2021

Glasgow Climate Change Conference

交渉は広範な問題に焦点を当て、特に第6条(協力的アプローチ)、資金、透明性に焦点があてられた。科学、技術、損失損害、適応など、他の重要問題も議論された。

COP

資金に関係する問題:資金常任委員会(SCF)に関係する問題:非公式協議の共同進行役は、Richard Muyungi (タンザニア)及びGard Lindseth (ノルウェー)は、気候資金フローの概要及び第4回隔年評価、及び条約及びパリ協定の実施に関係する開発途上締約国のニーズ決定の第1回報告書に焦点を当てた。

隔年評価に関し、多数のものは、この報告に推奨案が含まれていなかったのは初めてだとして失望感を表明した、あるグループは、これは一部には気候資金の定義での合意欠如も理由であろうと指摘した。

開発途上国グループは、次に焦点を当てた:国連気候基金は、世界の資金フローの0.34%を構成する;緩和と適応の資金の不均衡;小島嶼開発途上国(SIDS)に対する資金の減少;アフリカに対する不公平な資源分配;多国間開発銀行からの資金に非譲与型ローンが含まれる。このグループは、手法論の改善を求めた、特に資金動員並びに「他の民間資金(other private finance)」の手法論の改善、さらには気候資金の定義づけを求めた。

先進国は、次のものなどを歓迎した:気候資金フローの16%増額;単価の低下、特に再生可能エネルギーの単価の低減;90兆米ドルの資産に相当する投資家たちによる責任ある投資原則(Principles for Responsible Investment)への署名。ある先進国は、将来の隔年評価の中では、後発開発途上国(LDCs)及びSIDSに対し資金を拠出する官民の資金源で資金フローをさらに分離(して表示)するよう提案した。

数名のものは、資金フローを低GHG排出量及び気候レジリエントな開発への経路と合致させることを求めるパリ協定第2条1(c)項の記載を強調した。多数の開発途上国は、この条項では運用可能性と手法論を改善する必要があると強調した。

開発途上締約国のニーズ決定の報告に関し、2つの開発途上国グループは、損失損害をより良く、量的に含めるよう求めた。別な開発途上国グループは、ニーズは開発途上国がNDCsを更新するにつれ進化していくとし、各国はそのニーズの評価に異なる手法論を用いたと指摘した。少数のものは、キャパシティビルディングのニーズを強調した。

一部の先進国は、この報告書はキャパシティビルディング、技術、政策改革、持続可能な開発目標、アジスアベバ行動アジェンダなど、広範なで審議されるべきだと述べた。あるものは、ニーズに関する情報はより大きく分解する必要があると強調し、この報告書にニーズを特定する能力が高い開発途上国からのインプットをより多く入れるよう提案した。

締約国は、この決定書が条約第11条3(d)項(資金の予測可能性確保)及び最近のCOP並びにCMAの決定書のうち資金メカニズムの運用機関に関係する決定書への準拠を確保する方法について、共同進行役が議長職と相談する予定であると確認した上で、文書草案に対する書面でのインプットを提出することで合意した。非公式な非公式協議が続けられる予定。

地球環境ファシリティ(GEF)の報告及びGEFへのガイダンス:共同議長のDiann Black-Layne (アンティグア・バーブーダ)は、SCF共同進行役が提出したガイダンス草案について意見交換を行うよう招請した。EUは、民間部門とGEF理事との協調の記載を提案した。米国、カナダ、ノルウェー、及びEIGの立場で発言したスイスは、ガイダンスは規範的なものであってはならないと強調した。

アンティグア・バーブーダは、AOSISの立場で発言し、GEFの資金拠出は予見可能で適切なものであるべきだと指摘し、SIDSに対する直接の資金拠出の増額、及び無条件での共同資金拠出を求めた。南アフリカは、アフリカングループの立場で発言し、ガイダンス草案は多数の点で同意できないと述べ、GEFに対し、直接アクセスをステップアップするよう求め、それでなければ、「恐竜の制度(dinosaur institution)」だと述べた。コロンビアは、AILACに代わり発言し、債務増加が見られる中所得及び中の上の所得のある国に対し、資金拠出を増額するよう提案した。

共同議長は、SCF共同進行役の草案、及び締約国からのコメントを引用して文書を作成する予定。非公式会議が続けられる。

CMP

適応基金関係の問題:適応基金の報告:締約国は、共同議長による決定書草案作成に向け、インプットを書面で提出することで合意した、この草案は締約国の審議にかけられる。

CMA

資金関係の問題:SCFに関係する問題:この項目は、COPの下でまとめられる。

GCFの報告及びGCFへのガイダンス:Diann Black-Layne (アンティグア・バーブーダ)がコンタクトグループの共同議長を務めた。EUは、最も影響が大きいプロジェクトの優先、及び同基金の意思決定の効率及び効果性に注目した。アンティグア・バーブーダは、AOSISの立場で発言し、カナダの支持を得て、資金メカニズムの運用機関及び受託者からの資金フローは全て、パリ協定第2条1(c)項 (資金フローと、低GHG排出量及び気候にレジリエントな開発に向けた経路との合致について)に沿うものにするよう要請することを提案した。

南アフリカは、アフリカングループの立場で発言し、理事会メンバーや開発途上国に対し、ユニラテラルな資金アクセスの条件が課されているとして懸念を提起し、同グループは、共同進行役がSCFに提出したガイダンス草案を受け入れられないと想起した。ボリビアは、代替政策アプローチに対する資金拠出に特化した窓口を求めた。

ノルウェーは、カナダ及び米国の支持を得て、GCFガイダンスは戦略レベルでは全体として残すべきだとし、米国は、しかしながら、効率向上の手段をとるのを躊躇すべきではないと付言した。

非公式な設定での議論が続けられる予定であり、共同議長は、SCFの報告書の付録及び締約国の提出文書と締約国から受けたインプットを引用して草案文書を作成する予定。

GEFに対するガイダンス:締約国は、さらなる協議に向け草案を作成するよう共同進行役に求めることで合意した。

適応基金に関係する問題:締約国は、審議に向け、共同議長が作成する決定書草案へのインプットを、書面で提出すると合意した。

SBSTA

パリ協定の下での手法論問題:コンタクトグループの共同進行役はXiang Gao (中国)が務めた、参加者は、小項目の共同進行役らから報告を聴き、結論書草案の2版及びCMA決定書草案に関し、意見交換を行った。次の項目では意見の相違が残っている:概要の法的立場;柔軟性条項の運用開始;2006年IPCCガイドラインの2019年精緻版への言及、並びにこれらを行うのであれば、結論書でなのか、それとも決定書でなのか。さらに、参加者は、開発途上国の報告作成に向けたGEFの支援に関する言及について、言及の記述自体、さらにはそれをGEFガイダンスではなく透明性決定書に入れる箇所という両方の点で、意見が一致しなかった。参加者は、このソフトウェアは可能な限り早期に用意すべきことで合意した、これにより締約国はフィードバックを提出でき、最終バージョンは2023年末までに用意できることを確実にし、さらに訓練プログラムは2024年より早期に利用可能にすべきことで合意した。その他のコメントは、次の項目などに関係していた:専門家レビューのための訓練プログラムの作成を支援する上で、専門家諮問グループの及び筆頭レビュワーの果たせる役割;訓練プログラムにおけるジェンダー及び地理的なバランスへの配慮;ソフトウェアのインターオペラビリティ。

共同進行役のGaoは、参加者に対し、二国間及び参加者同士での接触を招請し、11月5日金曜日に新しいバージョンを作成する、これには小項目に関する附属書の最新版が含まれると指摘した。

国別インベントリ報告書(NIR)の情報を電子的に報告するための共通報告用の表(CRTs)非公式協議の共同進行役はHelen Plume (ニュージーランド)が務め、締約国提案の編集上の変更を取り入れたCRTsのオプションに関する第2バージョン、さらには締約国からのより実務的な提案をまとめたリストを指摘した。一部の参加者は、柔軟性条項の運用開始に関する合意を指摘し、バックグラウンドの表の利用はいくつかの保留問題の扉を開くと指摘した。ある開発途上国グループは、表の記入する際の柔軟性条項の適用と、アウトプット記載方法での疑問点との違いを指摘し、未記入の行があるときはエクスポートされた表でその行を削除する(collapsed)よう求めた。少数の先進国及び他の開発途上国グループは、アウトプットの表示オプションに関し、さらなる議論をする意思があると表明した。

NDCsの実施及び達成に向けた進捗状況を追跡する共通の表形式(CTF)非公式協議の共同進行役はXiang Gao (中国)が務め、CTFsのオプションの第2バージョンを提示した。参加者のコメントは次に関係するものであった:NDCsの実施及び達成に向けた進捗状況を追跡する指標間の差異化;予測に関する表でエネルギー部門と運輸部門とのリンクを明らかにする;無条件の目標と条件つきの目標で、異なる表にする;最初のNDCsとその後のNDCsで表を別にする。参加者は、締約国は異なる政策措置の時間枠を指定できるようにする必要があることで意見が集約した。

2つの開発途上国グループは、共同進行役の文書で同グループが選択したオプションは組織化されたサマリーの代替の記述式フォーマットとして選択したのであり、全ての表の草案に対する代替案としてではないことを明らかにした。両グループは、このオプションはモダリティ・手順・及びガイドライン(MPGs)に則った組織化されたサマリーの必須要件をリストしており、締約国には、他の要素に関しそれぞれが選択するフォーマットで自主的に報告する自由がある。共同進行役は、SBSTA議長の結論書の附属書に含まれる表の草案について、新しいバージョンを作成する予定である。

供与され動員された支援、必要であり受け取った支援に関する共通表形式(CTFs)非公式協議の共同進行役はKarima Oustadi (イタリア)が務めた、参加者は、CTFsのオプションを記載する非公式ノートについて議論し、Oustadi共同進行役は、事務局が作成した対応する表計算シートを指摘した。

開発途上国は、次の区別を強調した:公的な資金と動員された資金;プロジェクトの総額と気候に特化した金額;プロジェクトがコミットされた年度と資金が拠出された年度。グラント相当額を示すよう求める開発途上国に対し、ある先進国は、これは対応されるだろうと保証し、少数の資金制度ではグラント相当額が提供できないことから、これを表に記載するには課題があると指摘した。

損失損害活動の支援に関するコラムを入れるかどうかでは締約国の意見の不一致が続いた。開発途上国は、これを優先事項と理解し、損失損害関係のニーズを報告するスペースがあるべきだと指摘したが、ある先進国は、MPGsの「慎重に交渉したバランス(carefully negotiated balance)」の議論再開に警告し、防災への取り組みではUNFCCCよりも他の組織の方が優れた立場にあると指摘した。

技術専門家レビューに参加する技術専門家の訓練プログラム:非公式協議の共同進行役はHarry Vreuls (オランダ)が務め、文書草案を提示した。

参加者は、概要が示されたオプションについてそれぞれの希望を示した。少数の点で広く意見が集約された、たとえばオンラインとダウンロードの両方で利用可能な訓練コース、オンラインと対面式オプションがある柔軟な試験フォーマットなどである。締約国は、レビュワーの多様性を高めるためのLDCs及びSIDSでの地域訓練セミナーを支持した。多数のものは、試験の回数を無制限にしてもよいとの意思を表明し、少数のものは、筆頭レビュワーに対し、別な訓練とするよりも、モデュールの追加を希望した。

試験の必要条件に関し、少数のものは、「パリ協定の下での新しい要素のコース(courses for the new elements under the Paris Agreement)」の明確化を求め、ある開発途上国は、GHGレビューの専門家へのファストトラック条項は訓練プログラムの詳細を示す附属書ではなく、決定書の中で取り上げるべきであると強調した。先進国及び開発途上国は、たとえば適応など、自主的に報告する要素のレビューに関する訓練の必要性を議論した。共同進行役は、SBSTA議長の結論書に含める新しいバージョンを作成する予定である。

6条:この日一日を通し、締約国は、Mandy Rambharos (南アフリカ)、Hugh Sealy (バルバドス)、Peer Stiansen (ノルウェー)、Kim Solberg (オランダ)が共同進行役を務めた非公式協議で、文書草案に関する意見交換を行った。

64 (メカニズム)少数の締約国及びグループは、特に、次に関するチャプター及びサブチャプターでの希望を示した:監督機関のガバナンス;参加責任;活動設計と手法論;地球規模排出量の全体的緩和(OMGE)の実現、クリーン開発メカニズム(CDM)活動及び認証排出削減量(CERs)の移行。

ガバナンスに関し、あるグループは、監督機関に地方コミュニティ及び先住民プラットフォーム(LCIPP)と調整する機能を持たせるよう求めた。ある締約国は、OMGEの実現を含め、多様な監督機関の機能に関する文章を括弧書きにするよう求めた。監督機関でのジェンダーバランス、その議事進行の透明性、一般の意見公募の機会などでもコメントが出された。

参加責任に関し、意見が分かれたのは:ホスト締約国は、特にその国のベースライン手法及び他の手法論の必要条件に関する情報を提供するよう要求される「可能性がある(may)」とするのか、それとも「こととする(shall)」のかであった。あるグループは、ホスト締約国にベースラインまたはクレジット期間を特定するよう要求する文章を留保すると述べ、これはメカニズムにおける「最小限の一元化(minimum of centralization)」であると指摘した。

活動設計に関し、一部のものは、利害関係者協議の目標に関するパラグラフに人権を組み込むよう求めた。

手法論に関し、ある国は、歴史的排出量に基づくベースラインを希望すると表明した。あるグループは、LDCs及びSIDSに対する追加性要項の完全な免除を認めることに疑義を唱えたが、別な締約国は、これらの国に負担をかけるのは避けるよう求めた。

OMGEに関し、ある国は、強制的な取り消しを支持し、第6条4項を、オフセッティングを超えて先に進めるよう求めた。ある締約国は、OMGEは主に強力な規則やモダリティで実現されるべきだが、OMGEのチャプターではさらなる OMGEの実現を規定する「橋渡し文章(bridging text)」を提案した。あるグループは、自主的取り消しではOMGEは実現しないと強調した。

移行に関し、ある国は、日付があるCERの移行に限定せず、全ての活動を移行することを支持した。別な国は、市場活動の維持を支援することに注目するよう求めた。あるグループは、ある締約国の支持を得て、野心を薄める可能性がある多様な提案に対し、強い懸念を表明し、CDM及びCERの移行に関するチャプターを括弧書きにするよう求めた。少数の締約国は、CERの移行に関し、ある程度柔軟な対応を示した。

3つの国及び1つのグループは、排出量削減に言及する文章では排出回避への言及も含めるよう求めた。

この文書全体において、パリ協定の長期気温目標に言及するかどうか、言及する場合はどのように言及するかでは、意見が分かれた。

締約国は、Solberg共同進行役の次の提案で合意した:さらなる文章案を全て共同進行役に送る;ベースラインを議論するため、夜に非公式な非公式協議を開催する可能性がある;11月5日金曜日の朝までに、文章草案の第2バージョンを作成するよう共同進行役に委任する。

68 (非市場アプローチ)締約国は、ガバナンス及び制度アレンジに関する決定書文章について、さらには作業プログラムの注目分野、作業プログラムに関する附属書について、意見交換を行った。ガバナンス及び制度アレンジに関し、ある国は、次の3つの構成要素を有する持つ提案を提出、この提案はグラフィックでも見れるようにすると述べた:促進メカニズム;ネットワーク;レジストリ・ハブ。あるグループは、制度の機能をより明確に特定すること、文章中の機能的な重複箇所を削除することに焦点を当てるよう求めた。ある開発途上国グループは、ある先進国の支持を得て、SBSTAでの作業継続を希望すると表明し、これにより議論に広範な参加が可能になると述べた。

注目分野に関し、締約国は、14の分野の提案を記載するリスト案のスリム化が必要だとの観点で大きな意見集約を見た。多数のものは、「ショッピングリスト(shopping list)」の回避を求め、より一般的で、オープンエンドなリスト化を支持した。あるグループは、リストを「提出に向けたインスピレーション(inspiration for submissions)」として含めることを提案した。二つの開発途上国グループは、一部の初期活動のリスト化などで、遅滞なしの作業開始を確保する一方で、ガバナンスの制度を最終決定するよう求めた。あるものは、リストをリファインするため、非公式な非公式の会議を提案した。別な開発途上国グループは、現在の文章中のリストには偏りがあるとし、パリ協定は排出源ではなく排出量をターゲットに作られていると強調した。

附属書に関し、ある開発途上国グループ及びある先進国は、環境十全性の確保、世界の排出量の全体的な増加なしへの言及追加を提案した。2か国の先進国及び2か国の開発途上国は、先住民及び地方コミュニティとの協調を義務化するよう求め、ある開発途上国グループは、先住民の参画に関し、独立したセクションを求めた。人権に言及する提案に関し、ある開発途上国グループは、パリ協定の用語のみを使用するよう求めた。

午後に、非公式な非公式会議を招集し、注目分野及びガバナンスを議論した。

ナイロビ作業プログラム(NWP)共同進行役のCarlos Fuller (ベリーズ)が非公式協議の進行役を務めた。Fuller共同進行役は、文書の行ごとの検討を望む声が締約国間で強くなっていると指摘する一方、時間がないことを強調、意見が分かれている分野に焦点を当てることを提案した。締約国は、数件の改定を提案し、特に次の点に関し、意見交換を行った:NWPに対し、「全ての若者グループを横断し、ギャップの橋渡しをする(bridge gaps across all groups of young people)」と求めるのは、そのマンデートの拡大となるかどうか;NWPのストックテイクに、キャパシティビルディング、技術、資金を含めるべきかどうか;文書の関連する箇所の全てを横断し、LDCs及びSIDSを含める開発途上国への明確な言及を繰り返す。

共同進行役は、結論書草案を改定する予定。

ローバルストックテイク (GST)へのインプット情報源:非公式協議の共同進行役はJuliana Arciniegas (コロンビア)及びChristiane Textor (ドイツ)が務め、結論書草案を提示し、締約国に対し、決定書19/CMA.1 (ストックテイクに対するインプット情報源に関する非網羅的なリストを補足する)のパラグラフ38のマンデートに焦点を当てることを想起し、これはGSTに対する多数のインプット・チャンネルの一つであると指摘した。多数の先進国は、結論書草案を支持した。

少数の開発途上国グループは、一部のコメントが結論書草案に記載されていないとして懸念を示し、再度書き直すよう強く要求した。これらグループは、特に次のことが重要であると強調した:非網羅的リストに言及されていないインプット及び情報の審議を認める;このリストはオープンで包括的な形で解釈されるとの確固とした保証を受ける。

少数のものは、文章の追加を提案し、他のものは、時間がないことから、追加の文章を審議する立場にないと述べた。共同進行役は、締約国に対し、議論を続けるよう奨励し、共同進行役は結論書草案を改定する予定だと述べた。

科学及びレビュー関係の問題:研究及び組織的観測:非公式協議の共同進行役はLadislaus Chang’a (タンザニア)が務め、結論書草案を提起した。締約国は、この結論書草案を歓迎し、パラグラフごとに作業することで合意した。共同進行役のChang’aは、文書の相当な部分を括弧書きにするようにとの一締約国の求めに応え、全ての文章を括弧書きにするとの理解で議論することを確認した。

活動、情報、科学組織からの提出文書を歓迎するパラグラフを巡り、議論が集中した。3か国の締約国は、条約及びパリ協定の下での締約国の行動に伝えるために情報を利用するよう奨励する文章の削除を要請した。ある締約国は、そのような行動に伝えるための情報の「関連性を指摘する(noting the relevance)」を提案した。

組織的な観測及び研究の強化に関するパラグラフで、あるグループは、転換点に関する知識のギャップ、及びこれに関する科学研究のさらなる必要性を強調した。

SBI

ワルシャワ国際メカニズム(WIM)非公式協議の共同進行役であるCornelia Jaeger (オーストリア)は、結論書草案を提示した。参加者は、この文書をさらなる議論のたたき台として歓迎した。一部のものは、文書草案に記載されていない提案に注目した、この中には損失損害に関するサンチャゴネットワークの機能に関わる、開発途上国からの長文の提案が含まれた。

サンチャゴネットワークの機能をこの決定書でどこまで詳細に記載するべきかでは意見が分かれ、一部のものは、SBsの下での今後の作業でその機能と形式の両方を検討するよう求めたが、他のものは、形式は機能の後に続くと強調した。開発途上国は、このネットワークはグラスゴーで中身のある成果を挙げる必要があると強く主張した。

損失損害に対する資金支援に関し、一部のものは、執行委員会がSCFにインプットを提供することに反対し、資金に関するパラグラフを、決定書2/CMA.2 (WIM)で以前に合意した表現と置き換えることを提案した。

ある締約国は、損失損害を防ぎ、最小限にし、対応するための効果ある支援には、先住民コミュニティを含める、既存の機関、組織、ネットワーク、専門家による国や地域、地方主導の解決策が求められると強調した。

他の提案は、次に関係した:IPCC第6次評価報告書の作業部会I報告書への言及;序文において、損失損害に関する努力強化の緊急性が高まっていると指摘する;締約国に対し、安全で秩序ある、規則的な人口移動の規模を拡大した促進を招請する。

非公式協議が続けられる。

SBSTA/SBI

技術の開発及び移転、並びに技術メカニズムの実施:技術執行委員会(TEC)及び気候技術センター・ネットワーク(CTCN)合同年次報告書:非公式協議の共同進行役はStella Gama (マラウィ)及びToshiaki Nagata (日本)が務めた。ある締約国は、COP決定書草案の最初の7つのパラグラフを、非公式な非公式会議で議論された文章に合わせて改定することを提案、他のものもこれを支持した。TECの活動に関係する決定書草案について、先進国は、民間部門の役割を指摘する新しいパラグラフを提案した。多数の締約国は、この追加パラグラフを支持し、一部のものは、TECの民間部門関係の作業に関し、TECに一般的なガイダンスを提供するよう提案した。技術の日に関するパラグラフについて、ある締約国は、そのようなイベントのマンデートはパリ協定の下での技術枠組から出されるべきと指摘し、このパラグラフはCMA決定書に移すべきだと述べた。少数の国は、これに反対し、COP決定書とCMA決定書の両方に保持することを提案した。

ある開発途上国は、ジェンダーをメインストリーム化するTECの努力を称賛するパラグラフの削除を提案した。多数の締約国は反対し、ジェンダーに関するTECの努力及び2021年のイベントでジェンダーのバランスを達成したことを認める必要があると強調した。ある締約国は、TECのメンバー構成における地理的バランスの無さを嘆き、一部の国は委員会の作業への全面的な参加を阻止されたと指摘するパラグラフの追加を提案した。少数の締約国は、TECのメンバー構成はクロスカッティング・イシューであると指摘し、共同進行役のNagataは、締約国に対し、役員の選出に関する議長協議への参加を奨励した。

CTCNの活動に関係する決定書草案について、締約国は、「部門に焦点を当てたアプローチの実施(the implementation of sector-focused approaches)」に言及するかどうか、議論した。多数の締約国は、明確さが欠けていると指摘、「部門に焦点を当てた(sector-focused)」という表現の削除を支持した。ある先進国は反対し、「部門に焦点を当てた(sector-focused)」という表現は、いかなる部門も除外するわけではない、むしろCTCNの業務における優先分野の特定に役立つと指摘した。その後、非公式な非公式会議が開催された。

適応委員会の報告:非公式協議の共同進行役はLe-Anne Roper (ジャマイカ)が務め、共同進行役が数時間前に回覧していたCOP及びCMA決定書の要素の草案に関する締約国の考えを聴いた。締約国は、この草案を優れた開始点として広く歓迎した。

少数の締約国は、会議室ペーパーの提出文書を読むことに関心があると表明した、これらの文書は技術的な問題のため、要素草案には反映されていなかった。共同進行役は、これを改定文書に組み込み、締約国が参加できるようにする。

要素草案に関し、一部のものは、どの要素を度の決定書に組み込むのか、明らかにするよう求め、草案は一塊になっていると指摘した。決定書は2つにすべきか、それとも3つにすべきかで、意見が分かれた:COP及びCMAの議題項目に従い、2つとすることを希望した;他のものは、適応の世界目標に関し、別な決定書が必要であると強調、3つを希望した。少数の締約国は、次に関する意見を繰り返し述べた:2019年適応委員会報告書に「留意する(noting)」のか、それともこれを「歓迎する(welcoming)」のか;会議は主に対面式で行うのか、それともバーチャル方式で行うのか;適応世界目標に関する作業プログラム;適応報告書;適応窓口;この委員会のレビューを、COP 26で終わらせるのか、それともCOP 27で終わらせるのか。その後、非公式な非公式会議が招集された。

長期世界目標の第2回定期レビュー:非公式協議の共同進行役はFrank McGovern (アイルランド)とUna May Gordon (ジャマイカ)が務め、結論書草案が提起された。ある開発途上国は、スクリーン上の文章の掲示に反対した。

少数の締約国は、レビューにおける科学的な十全性の確保の重要性を強調した。一部の開発途上国は、レビューの2つのテーマ(長期目標の適切性及びその達成に向けた進捗状況)のバランスをとるよう求め、レビューに緩和、適応、資金、キャパシティビルディング、技術移転を含めるべきだと提案した。一部の先進国は、テーマ及びダイアログは、全体的に検討されるべきことを示唆した。

ある開発途上国グループは、草案に全ての意見が反映されていない、特に附属書I締約国の約束を評価するレビューについてそうであるとして、失望感を表明した。このグループのものは、「歓迎する(welcoming)」という表現を全て「留意する(noting)」に置き換えるよう要求し、レビューはまだ進行中であり、何かを歓迎するのは時期尚早だと述べた。改定された結論書草案が出される予定。

廊下にて

木曜日、このCOPは、これまでと同様であると同時に、他のどれとも異なることを示していた。これまでと同様に、交渉が続けられた:共同進行役が文書を提示、締約国はどれが好みか、好みでないか、何が受け入れ可能か、何が譲れない線か、コメントした。次のバージョンが出される予定である。

しかし、当然ながら、パンデミックは問題であり、世界の外交の場で使い慣れた手順にも影響する。ソーシャル・ディスタンスの必要性は、音響が難しい巨大な部屋の必要性に置き換えられ、しかも共同進行役の背後で換気システムが大きな音をたてて、音響はさらに悪化した。

それでも参加者は、オーバーフロー・ルームに案内される可能性がある。ある開発途上国グループの交渉担当者が、今日、強調していたとおり、「これは政治的で技術的(な問題)ではない(this is political, not technical)」 、当該グループの筆頭交渉担当者は、オーバーフロー・ルームから発言するのを待機していたが、あやうく取り残されるところであった。他の部屋でも、参加者の入場制限は、プロセスからの疎外や除外という古傷を突いてきた。「締約国主導(party driven)」及び「包括的(inclusive)」というフレーズが気候の話の本流であるのは、これらの原則が過去に破られたからである。

事務局は、方針の改定を発表、各締約国は机上に一つの名札(すなわち一人)を持ち、各グループも一つの名札を持つ。それ以外のものは、オーバーフロー・ルームに案内され、もし席があれば、おそらくは開始後10分で会場に呼び戻される。このシステムは多くのものを混乱させた。大きなプレナリー会場は専ら、ほとんど無人のハイレベル・イベントに使われる一方で、多数の会議室は交渉担当者と数人のオブザーバーでいっぱいになっているとして、くびをかしげるものもいた。ある熟練の参加者の見るところでは:「交渉の場やスペースよりも、交渉自体の方がしっかりした足場に立っているなど、そうあることではない(it is not often that negotiations seem on firmer ground than the spaces and places in which they occur)」。

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