Daily report for 2 November 2021

Glasgow Climate Change Conference

グラスゴー気候変動会議の3日目、交渉が行われ、世界 リーダーズ・サミットも開催された。各国の代表団は、第6条 (協力的アプローチ)の議論で会合した。

世界リーダーズ・サミット

世界リーダーズ・サミットが続けられ、さらに56のスピーチが行われた。

エクアドルのGuillermo Lasso Mendoza大統領は、同国はガラパゴス諸島周辺の海洋保全海域を60,000 km²追加すると発表、2050年までにレジリエントで循環型の経済へ転換する努力を進めていると強調した。

タンザニアのSamia Suluhu Hassan大統領は、経済全体の排出量を2030年までにビジネスアズユージャルなシナリオと比べて30%から35%削減し、毎年2億7600万本の植林をするというタンザニアのコミットメントを強調した。同大統領は、開発途上国が気候行動でリーダーシップを示せるのなら、大規模排出国はなぜ遅れをとっているのかと問うた。

デンマークのMette Frederiksen首相は、2023年までに、集団で約束した 1千億米ドルの少なくとも1%を拠出するとのデンマークの目標を発表し、自国の気候援助の60%は最も脆弱な国の適応を支援すると指摘した。

パラオのSurangel S. Whipps Jr.大統領は、 COP 26においてパリ協定ルールブックを最終決定し、グローバルストックテイクを含めるUNFCCCプロセスの中に海洋をもっと取り入れるよう求めた。同大統領は、1千億米ドルのコミットメントを果たし、気候資金のさらに増額するよう促し、世界銀行の推定では4兆米ドルが必要であると指摘、そのかなりの割合を適応の支援に向けるよう促した。

コスタリカのCarlos Alvardo Quesada大統領は、世界リーダーズがCEOsであったなら、結果を出せなかったことで、皆、くびになっているはずだとの考えを示した。同大統領は、世界リーダーズは道を大幅に外れている責任を取るべきだとし、先進世界に対し、生きるか死ぬかの問題として力を合わせるよう促した。

日本の岸田文雄首相は、次の5年間で100億米ドルを気候資金に追加拠出すると発表した。同首相は、次の資金拠出も示した:アンモニアと水素を用いるゼロ排出の火力発電プロジェクトの支援に1億米ドル;世界の森林保全に向け2億4千万米ドル;災害リスク軽減の支援金を倍増し、148億米ドルにする。

トリニダード・トバゴのKeith C. Rowley首相は、適応の世界目標が十分な注目を浴びていないと嘆き、COP 26での作業プログラムの合意を求めた。同首相は、損失損害は根幹の問題であると強調し、損失損害に向けた資金へのアクセスを容易にするよう求めた。

ノルウェーのJonas Gahr Støre首相は、ノルウェーは気候資金を倍増し、2026年までに16億米ドルにすると発表、資本を動員するため、民間部門を招請するとも発表した。同首相は、開発途上国における森林保全と再生可能エネルギーに資金を拠出するイニシアティブも発表した。

COP

資金に関係する問題:資金常任委員会:COP副議長のFederica Fricano (イタリア)は、資金常任委員会に関係する二つの議題項目を、Richard Muyungi (タンザニア)とGard Lindseth (ノルウェー)が共同議長を務めるCOP・CMAコンタクトグループで審議することを提案、締約国も同意した。

長期気候資金(LTF)Carlos Fuller (ベリーズ)及びGeorg Børsting (ノルウェー)がこのコンタクトグループの共同議長を務めた、このコンタクトグループでは、議題小項目の審議を進め、決定書の文章要素をどのように扱うかに焦点を当てた。共同議長のFullerは、締約国に対し、COP 25ではこの項目の審議で結論が出せなかったと想起した。

先進国及び開発途上国の意見が分かれたのは、LTFの議題項目をCOP議題書に残しておくべきか、それともCOP 26で終わりにし、CMAの下で議論を続けるべきかであった。開発途上国は、資金供与は条約の下での義務であると強調したが、先進国は、今、パリ協定の下で実施(の議論)が行われているとし、議題項目の拡大に警告した。さらに両者は、COPの下での作業がワークショップやイベント、パリ協定第9条5項(事前の資金透明性)で義務付けられている報告作成と重複するかどうかでも意見が一致しなかった。

開発途上国は、公式のUNFCCC統合報告を通して、2020年までと2021年から2025年の間の両方で1千億米ドルが実現したかどうかの評価及びレビューを、COPの下で行う余地を求め、LTFの議論は少なくとも2027年まで継続するよう求めた。ある先進国は、2020年目標の継続はパリ協定の表書き決定書で規定されていると指摘し、この問題はCMAの下で議論されるべきだと論じた。

開発途上国は、さらに次の項目を特に求めた:気候資金の定義;気候資金のための明確なロードマップ;アカウンタビリティと透明性;適応と損失損害の資金拠出、特にグラントベースのもの;緩和資金と適応資金のバランス。

先進国は、学習事項を考慮し、民間資金の役割を検討するよう求めた。

CMP

クリーン開発メカニズム(CDM)に関係する問題:コンタクトグループにおいて、共同議長のYaw Osafo (ガーナ)は、締約国に対し、京都議定書の第2約束期間は2020年12月31日で終了しており、CMPからのガイダンスがないことから、CDM執行理事会(EB)は、これ以後に発生した排出削減量について、登録、更新、発行を求めて提出されたものに対する一時的な措置を採択したと、想起した。同共同議長は、 この議題項目の下での一部の問題について、SBSTAの下で議論されているパリ協定第6条に関係する問題とリンクしていると指摘、一部には「政治的に課題のある(politically challenging)」問題があると指摘した。同共同議長は、この会合で提案されている作業構成書の概要を説明した、具体的には、CDM EBに対するガイダンスの運用要素を可能な限り「標準的な表現(standard language)」を用いて特定し、その後、ポスト2020年のCDMに関係するもの及び第6条とのリンケージという、「課題の多い問題(more challenging issues)」を議論する。事務局は、このCDM EBに適用される一時的な措置に関するプレゼンテーションを提示した。非公式協議で、議論が続けられた。

CMA

実施及び遵守委員会の報告:CMA副議長のFederica Fricano (イタリア)は、この議題に関し、Arne Riedel (ドイツ)及び Kunzang (ブータン)を共同議長とするコンタクトグループの設立を提案、締約国も同意した。

資金関係問題:新しい気候資金の集団数値目標:コンタクトグループでは、Outi Honkatukia (フィンランド)及びZaheer Fakir (南アフリカ)が共同議長を務め、これまでの議論をまとめた非網羅的なサマリーに基づく2つの議長考察ペーパーを指摘した。

議論の主要原則に関し、締約国は、透明かつ参加性のある手順であるべきで、非締約国利害関係者も参加することで合意した。多数のグループは、パリ協定第9条3項(先進国の先導)、及び決定書1/CP.21(パリ会議成果)及び14/CMA.1(新しい気候資金集団数値目標)に重点を置いた。AILACの立場で発言したコスタリカ、及びニュージーランドは、明確かつ野心的な目的に注目した。マラウィは、LDCsの立場で発言し、開発途上締約国のニーズ及び優先策への配慮を強調した。アフリカングループの立場で発言した南アフリカ、及びLMDCsの立場で発言したインドは、経済的、社会的、健康面の正義を考慮に入れる資金部門の変化を強調した。

審議の作業方式に関し、アンティグア・バーブーダは、AOSISの立場で発言し、オープンエンドの特別作業グループを提案したが、アフリカングループは反対し、代表者委員会を提案した。他のものは、CMAの下での繰り返し議題項目を提案したが、米国は、この議題項目を再度繰り返す必要はないと述べた。他には次の項目が提案された:閣僚ダイアログ、締約国の報告書及び構成組織の報告からインプットを得る、独立チャンピオンまたは閣僚級共同進行役の任命。少数のグループは、この機会を最大限いかし、「情報がないため起きたコペンハーゲンの失敗(the uninformed mistake we made in Copenhagen)」の再現は避けるよう促した。

このプロセスの主要要素に関し、多数のものは、技術的及び政治的という両方の要素を支持し、一部のものは、これが極めて重要であると示唆した。米国は反対し、「より流動的な(more fluid)」アプローチを提案した。AILACは、意思決定における3段階アプローチを提案したが、EUとスイスは反対し、全ての点で合意するまでは合意されることはないと強調した。

審議で検討する必要があると実質的な重要題目や質問に関し、次の項目などが提案された:資金の金額、質、効率、スピード、資金アクセス、資金規模。一部のものは、官民の資金を区別する、緩和、適応、損失損害という題目分野で区別することを提案した。太平洋SIDSの立場で発言したフィジー、LDCs、中国、LMDCsは、気候資金の定義確立を支持した。一部のものは、報告、アカウンティング、進捗の追跡に焦点を当てた。

AOSIS、アフリカングループ、パキスタンは、このプロセスは遅くとも2023年までに終了させるべきだと述べたが、EU及びオーストラリアは反対し、本来のマンデートである2024年を保持すべきだと述べた。

共同進行役は、11月3日水曜日午後6時までに追加の文書提出を行うよう招請し、11月4日木曜日に非公式に会合すると述べた。

SBSTA

パリ協定の下での手法論問題:コンタクトグループでは、共同議長のHelen Plume (ニュージーランド)が、締約国の意見に基づき作成された決定書草案に注目するよう求めた。透明性小項目に関する非公式協議の共同進行役は、これまでに行われた議論について報告した。この文章が議論されてきた事柄を捕捉していることでは全体的な合意がみられたが、少数の締約国は、一部の要素に関する意見の不一致を指摘した。

ブラジル及び中国は、IPCCの2006年版国別GHGインベントリ・ガイドラインの2019年精緻版への言及が記載されたことに疑義を呈し、モダリティ、手順、ガイドライン(MPGs)は2006年版のガイドラインのみを規定していると述べた。EU、オーストラリア、EIGの立場で発言したスイスは、2019年精緻版を含めることを支持し、一部の締約国は精緻版の自主的な使用を希望する可能性があると述べた。AOSISの立場で発言したトリニダード・トバゴ、AILACの立場で発言したパラグアイ、そしてインドネシアは、特に開発途上締約国の場合、精緻版(の使用)はオプショナルであると明記すれば、妥協の可能性があると示唆した。

南アフリカは、支援と柔軟性、及び支援供与の定期レビューにまたがるセクションを提案した。中国及びサウジアラビアは、決定書のそれぞれの表及び概要の法的立場を明確にするよう求め、米国及びオーストラリアは、MPGsで明らかにされていると述べた。スイス及びカナダは、MPGsの再交渉をしないよう警告した。

共同議長のPlumeは、改訂版の文章が発行され、非公式協議が続けられる予定であると述べた。

技術専門家レビューに参加する技術専門家の訓練プログラム:非公式協議の共同進行役は、Jae Hyuk Jung (韓国)が務めた。参加者は、共同進行役が月曜日に作成した非公式ノートは論の土台の役割を果たせるかどうか、意見は一致しなかった。少数の開発途上国グループは反対し、このノートは自分たちの意見やオプションの範囲を適切に捕捉したとは言えないとし、6月のSBSTAの会合における議論を捕捉したノートを用いるよう求めた。締約国は、今後の進め方について議論した。参加者は、透明性項目を対象とする決定書で取り上げるべき訓練プログラムの要素とは何か、どの要素を附属書で論じるか、明確にすることが重要だと強調した。共同進行役は、新しいノートを作成し、今後の進め方に関しSBSTA議長と相談する予定。

隔年透明性報告書(BTR)、国別インベントリ文書(NID)、国別専門家レビュー報告書(TERR)それぞれの概要(outlines):非公式協議の共同進行役は、Xiang Gao (中国)が務め、同進行役は、6月に発行された非公式ノートに詳細を示した質問の保留分について説明した。多数の先進国及び開発途上国は、上記概要の促進的特性を強調したが、一部の開発途上国グループは、比較可能性を確保し、柔軟性条項を保持するため、BTR及びNIDの概要の利用を義務化するよう求めた。

締約国は、TERR概要を義務化とする方向に意見を集約させた。多数の締約国は、実施及び遵守委員会は、数回の報告サイクルにわたり顕著で持続する不整合を識別する責任を負うべきだと強調し、ある開発途上国グループは、これに関する追加議論を提案、TERRチームの技術的な識見を有効活用するよう求めた。

その他、指摘された中には次が含まれる:第6条の議論とのリンク;柔軟性条項をどう適用したかを示すべき;エグゼキュティブサマリーの利用;資金援助のセクションにおけるオーバーラップ;TERRの一部としての自主的な適応情報のレビュー。共同進行役は、この日のうちに、文章の最初のバージョンを作成する予定。

農業に関するコロニビア共同作業:非公式協議での議論は、保留されているワークショップ報告書の審議の結論付けに向けた今後の進め方を巡るものとなった。少数の締約国及びグループは、短時間、文章草案を提示した。締約国は、これらの文章を共同進行役がとりまとめ、回覧することで合意した。非公式な非公式協議が夕方に開催された。

地方コミュニティ及び先住民のプラットフォーム:非公式協議では、共同進行役をCarlos Fuller (ベリーズ)及びMaxine Burkett (米国)が務め、事務局から促進部会(FWG)の報告書が提出され、その中で計画された活動の大半を終了したとの指摘があり、FWGの第2次3か年作業計画草案の概要が示された。

参加者は、FWG報告書を歓迎し、FWGに対し、世界的なパンデミックにも拘らず業務を進展させたことを祝し、パリ目標の達成及び生態系の管理における先住民及び地方コミュニティの重要な役割に焦点を当てた。締約国は、策定された通りの作業計画草案を、ほぼ満場一致で支持した。ある先進国は、新しい作業計画は国際法上の新しい権利を創設する、あるいは義務を課すものではないと指摘する表現の挿入を求め、「地方コミュニティ(local communities)」は国際社会の認める権利を保有していないと指摘した。ある開発途上国は、先住民の知識は西洋の科学知識と同等の価値があると強調し、自国は作業計画草案に追加すべき文章案を送る予定だと指摘した。先住民代表は、作業計画草案の支持を表明した。

共同進行役は、文章草案を作成、その後、非公式協議が再招集される予定。

ナイロビ作業プログラム(NWP)非公式協議において、共同進行役のAlessandra Sgobbi (EU)及びCarlos Fuller (ベリーズ)は、初め、 非公式ノートに対する追加分について意見を求めた。NWPのストックテイクにおける指針となる質問に関し、一部の締約国は、モニタリング及び評価、利害関係者の参画、別な知識体系の統合に関する質問などを追加するよう提案した。

さらに、共同進行役は、NWPを強化する方法、特に知識ギャップの取り扱い、パリ協定を実施している諸国への支援に関し、ガイダンスを求めた。一部のものは、知識上のニーズを理解し、NWPの関連性を強化するためのインプットとして、締約国の適応報告書を検討することを提案した。

議論では、次の点などが取り上げられた:知識上のギャップ、特に適応行動の実施に関する知識上のギャップを埋める方法;NWPの題目分野に都市を加える;適応のニーズを伝えるチャンネル;適応専用窓口の設置、または国の窓口の利用。共同進行役は、締約国に対し、非公式な非公式協議の招集を促した。

SBI

WIM非公式協議の共同進行役は、Kishan Kumarsingh (トリニダード・トバゴ)が務め、締約国は、サンチャゴネットワークに焦点を当てた。ある開発途上国グループは、提案された決定書草案を提出した、これにはネットワークは締約国の参加を得て、損失損害に関係する技術援助及び支援のニーズを特定し、優先し、アクセスすることを助けるべきだとの提案が含まれた。この提案では、ネットワークのための制度アレンジに関する文書提出を提案、作業をCOP 27で結論付けるよう求めている。このグループは、ネットワークは単なるマッチメーカー機能やデータベースであってはならないと強調した。

サンチャゴネットワークの機能に関し、他の提案には次のものが含まれた:緩慢に発生する現象及び非経済損失など、一連の題目を全て含める;技術支援の提供者を、それを必要とする締約国とリンク付ける;前線にある地域社会が、声をあげられるようにし、そのための組織を提供する;パイロットプロジェクトの実施;需要主導のネットワークにする。

多数のものは、ネットワークの形はその機能に合わせるべきことで合意した。COP 27における調整組織または法人の設立、及びネットワークを支援する専門家諮問組織も提案された。ある締約国は、このネットワークを現在進行中のWIM執行委員会の作業とどうリンク付けするか、さらなる議論を求めた。

ある締約国は、既存の努力を取り除く、または重複することに対し警告し、あるグループは、追加性を強調した。少数のグループは、ネットワークの運用開始を支援する適切な資金を求め、資金メカニズムからのものも含めた技術支援の提供を求めた。

非公式な非公式協議で議論が続けられた。

技術開発及び移転:技術執行委員会(TEC)及び気候技術センター・ネットワーク(CTCN)の合同年次報告:非公式 協議では、共同進行役をToshiaki Nagata (日本)が務めた、締約国は、共同進行役が作成したCOP及びCMAのための決定書草案について議論した。ある先進国は、ある開発途上国の支持を得て、CTCNは民間部門と協約しているが、この文章には民間部門への言及がないと嘆いた。あるグループは、COP決定書草案の一部の要素は、CMA決定書草案にも反映されるべきだと指摘した。締約国は、文章草案をパラグラフごとに審議し、異なる国々から多少の修正が提案された。非公式な非公式協議で議論が続けられる予定。

条約の技術メカニズムと資金メカニズムとのリンケージ:非公式協議では、共同進行役をElfriede-Anna More (オーストリア)が務め、共同進行役が作成した文章草案を提示した、これにはSBI議長提案の結論書草案及びCOP決定書草案が含まれた。同共同進行役は、文章草案にはこの問題の審議を終了させるべきか、それともCOPで審議を続けるべきかという締約国間の議論が反映されていないと明らかにした。議論を進める中、締約国は、文章草案に関する一般発言をし、少数の国は、この2つのメカニズムのリンケージ強化におけるストックテイクの継続を希望すると表明した。ある開発途上国は、リンケージ強化プロセスの透明性確保を目指す新しいパラグラフを提案した。別な国は、技術的ニーズの評価実施の観点でリンケージを審議するよう提案した。少数の国は、地球環境ファシリティ及び緑の気候基金の活動に関係する提案を記載するパラグラフの明確化を要請した。非公式協議が続けられる予定。

キャパシティビルディング:非公式協議の共同進行役は、Rita Mishaan (グアテマラ)及びIsmo Ulvila (EU)が務めた。参加者は、共同進行役作成の決定書草案について議論した。多少の編集を行った上で、参加者は、次の項目に関する意見集約を得た:条約の下での経済移行国におけるキャパシティビルディング枠組の実施の第5回レビューに関するCOP決定書草案;京都議定書の下での開発途上国のキャパシティビルディング枠組実施の第4次包括レビューに関するCMP決定書草案;キャパシティビルディングに関するパリ委員会の毎年の技術的進展報告書(2020年度及び2021年度)に関するCOP及びCMA決定書草案。

SBSTA/SBI

対応措置:非公式協議の共同進行役は、Mattias Frumerie (スウェーデン)及びAndrei Marcu (パプアニューギニア)が務めた。対応措置実施の影響に関するカトヴィツェ専門家委員会(KCI)の共同議長は、KCIの活動分野を横断する進捗状況を提示し、審議に向けた提案に焦点を当てた。特定の地域に関連性のある問題に合わせて企画される、地域ワークショップを、地域内で開催することが提案されたが、2つの国は、作業計画では補助機関会合と合わせて一つの地域ワークショップ開催を求めていると指摘した。グローバルストックテイクに対するインプットの提供方法では意見が分かれ、一部のものは、文書提出及びバーチャルな会合期間外の作業を求めたが、他のものは、2022年の補助機関会合及びCOP 27における単一の文書の作成で合意していたと想起した。非公式協議が続けられる予定。

適応委員会の報告:非公式協議の共同進行役は、Paul Watkinson (フランス)及びLe-Anne Roper (ジャマイカ)が務め、リフレクションノートを回した。締約国は、次の3つの表題に対する当初の反応を共有した:委員会の報告(2019年、2020年、2021年);委員会の2021年の報告及び適応の世界目標;委員会の進捗状況、効果性、実績のレビュー。

締約国は、特に次の項目に関する意見交換を行った:IPCCの参画;グローバルストックテイクとのリンケージ;適応世界目標が既に定義されているかどうか。一部の締約国は、進捗状況のレビューをCOP 26で終了させるべきか、それともCOP 27で行うべきかに関し柔軟な姿勢を示した。

一部の開発途上国は、適応に対する民間部門資金の動員は、公共部門からの適応資金に補助的なものとみるべきで、代替とみるべきではないと強調した。

共同進行役は、11月3日水曜日の正午までに書面でのインプット提出を招請し、これらは別なリフレクションノートに組み込まれると述べた。非公式協議が続けられる。

廊下にて

火曜日は、表向きは前日ときわめて似ているように見えた。世界の指導者たちは、部屋から部屋へとあわただしく動き、スピーチをしたり、プレッジを発表したりしていた。市民団体は、交渉の場の外に残り、交渉が行われている中心部への入場が許されたのは、市民団体参加者のうち36名に過ぎなかった。ブルーゾーンの入場者を1万名とする上限は、午後早くには達してしまった。一つの出入り口をふさいでいた絶滅の反抗(Extinction Rebellion)という反対でもの頭上では、ヘリコプターがホバリングしているのが聞こえ、市民団体のプロセスに対する不満を音で表現しているようであった。

しかし、前日との違いをにおわせるものがあった。発表されたのは、一つの国を超える集団の努力に焦点を当てていた。森林及び土地利用に関するグラスゴー・リーダーズ宣言は、2030年までに非森林化を終わらせるという目的の下、100か国が一致団結した。森林国出身の一人の交渉担当者は次のように述べた、「この宣言が、かつての期待外れなところで成功すると希望しようではないか(let’s hope this declaration can succeed where previous ones have failed us)」 。世界メタン・プレッジ(Global Methane Pledge)は、今や90か国近くが参加、9月のもともとの20か国から増加した。これら諸国は、ともに、2030年までに、メタンの排出量を2020年比で30%削減すると約束(プレッジ)した、これは地球温暖化を0.2℃分下げる可能性がある。しかし、あるオブザーバーは、これらのプレッジが各国の国家決定貢献(NDCs)に含まれていないのはなぜかと尋ねた。

指導者たちが出発すると、その努力の評価が可能になる。ハイレベルイベントでは、米国の気候担当大使のJohn Kerryは、年20億米ドルという日本の資金拠出により、共同資金拠出制度(co-financing arrangements)を通して60億米ドルが追加動員されるなら、2022年には1千億米ドルの目標を達成できる可能性がある、これは先進国が予想していたより1年前、当初の約束より2年後であると示唆した。

交渉は佳境に入った。代表団長らは、第6条を議論するため会合した。一部のものによると、この会合は「きつかったが、必ずしもネガティブなものではなかった(tough go, but not necessarily negative)」、一部の締約国は、資金及びキャパシティビルディングを含め、現在の文章草案を強化しようと押してきた。しかし、文章は長文であり、締約国にはさらなる時間が必要であった。さらに締約国は、会議の議題項目に関する資金問題の長いリストの議論を始めた、この中には、新しい集団資金目標を決定するプロセスが含まれた。世界の指導者が会場を去った今、 COPは「通常に戻る(return to normal)」ことができ、交渉担当者は自身の業務に取り組むことができ、オブザーバーの参加と参画も可能になるとの希望が出てきた。

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