Daily report for 21 November 2024
UN Climate Change Conference Baku - November 2024
あらゆるグループ及び締約国が、気候資金の新しい集団数量目標(NCQG)に関する新しい文書に失望し、他の少数の懸案問題にも失望していた。閣僚及び代表団の長は、これらの草案に対する全体の失望感を共にしただけでなく、それぞれが希望するオプションを指摘していたが、これらをどのように取り入れるかは明らかになっておらず、深い対立をどのように橋渡しするかも見通しがたっていない。
シングル・セッティングの「Qurultay(アゼルバイジャン語で騎馬民族の最高意思決定機関の意)」
議長のBababyevは、この会議をシングル・セッティングにするのは、指導者に重要な決定を行う権限を授けるためであると述べ、NCQG、公正な移行作業プログラム(JTWP)、緩和作業プログラム(MWP)、第6条、適応世界目標(GGA)、グローバルストックテイク(GST)実施のダイアログ、対応措置、ジェンダーに関する新しい文書へのコメントを求めた。同議長は、締約国は努力と決意があれば、作業を成功裡に終わらせられるはずだとの確信を述べた。
EUは、NCQGの文書は「失望し、アンバランスで、議論できず、受け入れられない」ものだと述べ、能力のある締約国は資金貢献をする必要があるとし、先進国はその先頭に立ち続けると強調した。EUは、緩和の後退に反対し、議長職に対し、さらなるリーダーシップを発揮するよう求めた。
アンブレラグループは、エネルギー移行をGSTの決定書に明記する提案が文書では、「削られ、最小限にされ、あるいは隠される」ことを嘆き、このエネルギー移行を、自信をもって、目立つ書き方にするよう促した。
小島嶼国連合(AOSIS)は、「パッケージの外枠」が出されたことに感謝したが、資金のみに焦点を当てるのではなく、全体のバランスをとるにはかなりの作業が残っていると述べ、ドーハの決定に逆行することは避けるよう求めた。NCQGに関しては、金額を提示するよう求め、小島嶼開発途上国(SIDS)及び後発開発途上国(LDCs)に配分する最低限の金額の提示も含める必要があると強調し、投資目標は拒否した。GST実施ダイアログに関しては、全てのGST成果に対応するよう求め、資金供与に焦点を当て、他の実施手段(MoI)にも注目するよう求めた。
G-77/中国は、NCQGは投資目標ではないと強調し、各国の違いを反映しつつ、2030年までに1.3兆米ドルの数字を含めるべきと強調した。同グループは、対応措置の議論ではプラスではなく、マイナスの越境影響に焦点を当てるよう促した。GST実施ダイアログに関しては、GST成果の記述と精神に沿うものにするべきだと述べた。同グループは、ブラジル、南アフリカ、インド、中国(BASIC)提案の、ユニラテラルな貿易措置を議題項目に入れることを支持した。
熱帯雨林諸国連合は、第6条の市場ベースアプローチでは大きな進展があったと認識する一方で、第6条2項に関係する「認定メカニズム(certification mechanisms)」という表現に異議を唱え、この用語はパリ協定や過去の決定書と一致しないと述べた。NCQGに関し、同連合は、「十全性が高く、自主的な炭素市場(high-integrity voluntary carbon markets)」への言及に反対し、プライベート・スタンダードは十全性に寄与できないことから、この表現は、「撞着語法(oxymoron)」だと述べた。
独立中南米カリビアン諸国連合(AILAC)は、開発途上国は1.3兆米ドル以下のNCQGの金額は受け入れないだろうと強調し、公的資金及び資金動員の構成を明らかにするよう求め、緩和野心はMoIなしでは達成不可能だと強調し、化石燃料からの移行に関し既に合意された表現が阻止されたのは遺憾であると述べた。さらに同連合は、GSTの成果は包括的に対応されるべきだとし、緩和、適応、損失損害、MoIが含まれるべきだと述べた。ジェンダーに関し、同連合は、リマ作業プログラムの延長は必須だと強調し、決定書草案にintersectionality(交差性)への言及がないのは遺憾であると述べた. 公正な移行に関し、同連合は、化石燃料からの移行がもたらす社会経済的な機会を認めるよう求めた。
有志開発途上国(LMDCs)は、先進国は資金供与の実現も緩和野心の先導も怠っていると嘆き、化石燃料排出量の増加及び国内での化石燃料の拡大を指摘した。同グループは、開発途上国への資金供与のない、規範的な緩和措置を拒否し、パリ協定の気温目標を再交渉しようとするのは、「超えてはならない一線(a red line)」であると述べた。同グループは:自主的な支援という表現、及びパリ協定と合致しない資金貢献者範囲の拡大を拒否した;6千億米ドルの資金供与及びイ1.3兆米ドルの動員を求めた;化石燃料への投資及び補助金、そしてカーボン・プライシングの表現の削除を求めた。緩和に関し、同グループは、GSTの成果は「良いとこ取り(cherry-picked)」にするべきではないと強調し、規範的な目標に反対した。
LDCsは、NCQGに、LDCs専用の枠として年2200億米ドルを含めるよう求め、損失損害はNCQGのスコープに入れるべきではないと述べた。MWPに関し、同グループは、GST成果はNDCs更新時の野心引き上げにどのように影響するか、ガイダンスを求めた。
環境十全性グループは、2025年までに1.5℃目標に合致するNDCsの提出に、政治的なシグナルを送れる緩和成果を求め、GGAの文書から利用可能な最善の科学という表現が削除されたことを懸念し、人権及びジェンダーの問題に進捗が無いことを嘆いたが、ジェンダーの文書は受け入れても良いと述べた。
アラブグループは、NCQGに関しては、簡素でスリム化された文書を希望し、最小枠の配分は受け入れられず実施不可能だとして、反対した。さらに、人権の表現にも異議を唱え、GST実施ダイアログは「緩和のストックテイク」となるべきではないと警告した。
オーストラリアは、GGAロードマップ及び適応のMoI指標の再設置に反対し、移行型適応の重要性を強調した。
日本は、資金の金額を決定する前に、供与される資金の特性を決定するべきだと述べた。緩和に関し、同代表は、GST成果を検討する必要があると強調し、JTWPには関連するGST成果を全て含めるべきだと述べた。GGAに関しては、指標の策定を優先し、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)タスクフォース、あるいは新しいロードマップなど、新たなプロセスは設置するべきでないと述べ、MoI指標に関する作業に反対した。
ホンジュラスは、NCQGにおける不適切な「オプションの編集(compilation of options)」を嘆き、気候のレジームが管理できない行動者及び利害関係者の参画に異議を唱え、追加性が無ければ資金は実現されないと指摘した。
パキスタンは、特定の国のアクセスが制約されるのは「不公平」であるとし、目標が開発途上国に負担の大きい条件を課すべきではないと強調し、GGAでは、適応のMoIの供与を追跡するための指標を求めた。
ザンビアは、少数の適応項目では実質的な結論に達していないと指摘し、GGA達成のためのMoIを追跡する指標の作成を求めた。
ニュージーランドは、IPCCの評価サイクルを次回のGSTに合わせるよう求め、NCQGの文書は極端な立場しか反映しておらず、これでは合意には近づけないと嘆いた。
ドイツは、「包括パッケージ」の概念において、緩和の野心とMoIの増加をリンクさせる意思があるとし、次を強調した:化石燃料補助金で、貧困に対応しておらず、公正な移行を探求していないもの全ての段階的な廃止;緩和対策なしの石炭火力の段階的廃止;新しい石炭プロジェクトは全て中断する。
ポーランドは、POLAND urged 締約国 to implement the 締約国に対してはGST成果の実施を促し、事務局に対しては、実施に関する年次報告書を作成し、CMAの審議にかけるよう要請した。
トルコは、MoIへの注目を求め、GGAロードマップの設置を支持し、バクー会議はパリ協定に沿う、現実的なNCQGを持って終了させるべきだと強調した。
ノルウェーは、GST、特にその緩和要素をフォローする約束が必要だと強調し、人権、労働者の権利、ジェンダー、若者及び子供たちへの言及保持を求めた。
米国は、GSTの成果はMWPの今後の作業の根幹を成すと指摘し、NCQGの文書はアンバランスで、新しい目標案が含まれていないとして嘆いた。
英国は、現在のMWP文書には1.l5℃目標に合わせた野心的なNDCs策定の必要性に言及していないと指摘し、GSTを含める「1.5℃のロードマップ」を求めた。
コロンビアは、利用可能な資金の不足が問題であるとの考えを拒否し、政治的なリーダーシップの欠如を指摘、UNFCCC以外の努力、たとえば債務解消などの努力推進を求めた。
パナマは、緩和文書は「死の宣告」だとし、先進国に対し、明確な数字を打ち出すよう促した。
フィジーは、緩和文書に対する深刻な懸念を表明し、約束の後退に反対した。GGAについては、移行型の適応を求め、マッピングの段階は過ぎたと述べ、LDCs及びSIDSの特別な状況の認識を薄め労とする動きを拒否した。
スリナムは、収入の一部の払い込みを促し、さらに、パリ協定第6条2項及び第6条4項を横断する、世界の排出量全体の緩和に向けた「努力(work)」を促した。
インドネシアは、国内改革に関する気候資金の条件付けに反対し、移行型適応の重要性を強調し、締約国に対し、ジェンダーに関する表現での意見対立に固執しないよう促した。
カナダは、緩和の文書草案は「ポイントを捉えていない(misses the mark)」とし、GST決定書の緩和関連のセクションをフォローするよう求め、ジェンダーを議論の本流に据えることが重要だと強調した。
マーシャル諸島は、化石燃料に兆単位の補助金がつぎ込まれていることは「皆を怒らせているはずだ(should outrage us all)」とし、自国の国別適応計画は350億米ドルが必要と推計していることを想起し、締約国は「人々の命をもてあそんでいる(playing with people’s lives)」として非難した。
ジンバブエは、公正な移行の文書は労働力に限定されるべきでないと述べ、ジェンダーの文書「全体」を拒否し、アフリカングループは、どの作業プログラムの「ミクロ管理(micro-management)」も受け入れられないと述べた。
中国は、全ての決定書における、共通するが差異のある責任の原則(CBDR)の記載を求め、GST決定書のパラグラフを選び出すことに抗議し、気温目標の表現はパリ協定に合わせるべきだと強調し、開発途上国の自主的な支援供与は先進国の責任で行うものとは異なり、NCQGの一部ではないこと、さらには、透明性報告書作成の要求は、パリ協定の第13条(透明性のアレンジの規定に沿わせるべきだとし、MWPについては、ユニラテラルな貿易措置の影響への言及を求めた。
イランは、NCQGの下で特定の部門をターゲットにするのは「パリ協定から逸脱している」として抗議し、MWPでは新しい目標を設定するべきでないと述べた。
ツバルは、化石燃料からの移行を促し、NCQGではLDCs及びSIDSの特別な状況を認識するよう求め、第6条2項の協力的アプローチの国内レジストリを設置する能力がない締約国でも、国際レジストリを利用できるようにするべきだと強調した。
南アフリカは、1.3兆米ドルの動員を求め、さらにNCQG決定に6000億米ドルの供与を再度明記するよう求めた。同代表は、MWPの文書でのGST成果の「良いとこ取り」を拒否し、世界的な公正な移行雄枠組の採択を求め、開発途上国では、対応措置の悪影響が認識されていると強調した。
マレーシアは、NCQGでCBDRを認識するよう求め、文書草案での化石燃料インフラへの言及削除、さらにはHTWPでのMoI条項を求めた。
カザフスタンは、先進国に対し、NCQGを明確に決定することで、約束を守るよう促し、革新的な資金源、たとえば債務と自然のスワップなどを求めた。GGAに関し、同代表は、各国の主権を尊重し、伝統知識を取り入れた、地域的にバランスのとれた指標を支持した。
バルバドスは、投資目標はSIDSを置き去りにすると強調し、SIDSにおける規模の不経済性など、SIDSに対する資金供与の下限設定の理由を説明した。
バングラデシュは、LDCsの特別なニーズ及び状況はパッケージ全体を通して認識するよう促し、NCQGに投資及び国内資金源を含めるとの提案は受け入れられないと述べた。
スウェーデンは、気候資金の供与を続けるとの自国の約束を堅持すると保証し、野心的な緩和成果のため、共に努力するよう求め、現在の文書は「野心からは程遠い」と述べた。
シェラレオーネは、NCQGは先進国が開発途上国に負う「気候債務」の支払いであると述べた。
コスタリカは、開発途上国の緩和野心に沿うNCQGを求め、少なくとも20%の資金はUNFCCC資金メカニズムを通して供与されること、適応基金にも確実に資金が達することを求めた。
HOLY SEEは、NCQGでは非経済な損失損害を認めることが重要だとし、この目標は無償融資を提供して開発途上国のエネルギー移行を支援するべきだと述べ、女性は不釣り合いな気候変動の影響に直面しているが、変化をもたらす役割があると指摘した。
フランスは、バクー決定書は2025年における野心的なNDCs策定の道を開く上で重要だと強調し、現在のジェンダー文書の状況を厳しく批判するとともに、人権及び多様性の中の女性及び女子を認識するよう強調した。
セントビンセント・グレナディンは、投資目標に反対し、「民間部門の負担に依存するのはだめだ」と述べた。
インドは、NCQGは1.3兆米ドルを動員するべきであり、そのうち少なくとも6千億米ドルは無償融資及び同等の資源として供与されるべきだと指定した。MWP、JTWP、GSTダイアログに関しては、進展を可能にする適切なMoIを求め、「ここで決定される資金の数字は、来年のNDCsの提出に影響をする」と述べた。
パラオは、開発途上国の国内資金はパリ協定の範囲を外れているとして、NCQGには含まれないと述べた。
バヌアツは、GST実施ダイアログは1.5℃目標を活かし続けるため、全てのGST成果をフォローするプロセスを設定しなければならないと強調した。
ガンビアは、GGAについて、既存のマッピングから新しい指標開発へと移るよう求め、独立した議題項目が重要だと強調した。
アンゴラは、MWPはハイレベル・メッセ―ジを発信するに相応しい場ではないと述べ、この項目の作業における「トップダウン」の特性に反対した。
エチオピアは、適応資金倍増の目標を可能な限り早期に実現する必要があると強調した。
ロシアは、GST実施ダイアログの文書におけるGST決定書の特定のパラグラフへの言及に反対し、MWP決定書の新しい目標を拒否した。NCQGに関し、同代表は、気候技術のフローを可能にする貿易の自由を求め、ユニラテラルな措置への対応を促した。GGAについては、極地、山岳部、及び沿岸部に関する指標を求めた。
セネガルは、NCQGでの1.3兆米ドルの動員を求め、損失損害資金での無償融資、GGA文書でのMoIへの言及も求めた。「移行型適応」の考えは拒否した。
イスラエルは、NDCs策定にはドバイの成果から情報を得るよう求め、GST決定書をもとに、「実際の緩和内容」と伴うことでMWPを広めるよう求め、資金貢献者の基礎を広げるよう求め、これは先進国の義務の再交渉を構成しないと強調した。
ネパールは、適応及び損失損害における無償融資ベースの資金を求め、GSTの成果の全面的な実施、特に資金支援に焦点を当てた実施を強調し、MWPの役割に注目し、ジェンダー対応型の気候行動を促した。
ブラジルは、COP 29でのNCQGの決定、及び課題の大きさに関わらず1.3兆米ドルに達することを求めた。
メキシコは、可視発途上国のニーズに応えるNCQGを求め、全ての多様性の中での女性のニーズ、先住民、気候変動の影響を最も受けやすいコミュニティ、への対応を要請し、資金は開発途上国の国内資金に依存するべきではないと強調した。
COP 29筆頭交渉担当官のRafiyevは、意見の一致を得るには全ての締約国が役割を果たせると述べ、2者間協議を招集し、各グループは文書を推敲すること、2名の閣僚は、「特定の疑問点の解決を図ることを発表した。よう求めた。同交渉官は、対応措置の共同進行役は協議の継続を求められると報告し、金曜日遅くには議長職文書が出ることを期待した。
資金
長期資金:COPコンタクトグループで、共同議長のMadeleine Diouf (セネガル)及びOuafae Salmi (ベルギー)は、改定された決定書草案に対するコメントを求めた。アラブグループは、決定書 5/CP.7 (エネルギー以外の化石燃料の利用に関する技術開発、及び温室効果ガス排出量が少ない化石燃料技術の開発など、附属書I及び非附属書Iの協力に関する規定)のパラグラフ22-26への言及を促したが、英国及びEUは反対した。
締約国は、1千億米ドル資金目標実現の進捗状況に関する多様な報告書及び異なる推計値への言及方法について、長時間議論したほか、文書への追加提案についても議論し、先進国は目標のマンデート及びそのないようを想起した。LMDCsは、ジェンダー対応型への言及を除去するよう求めたが、他のものから、これはSCFG報告書から直接抽出されたものだとの指摘を受け、提案を取り下げた。
AILACは、アフリカングループの支持を得て、手順上の決定書の採択を提案した。アラブグループは、さらなる議論を求めた。ハドルでの議論の後、G-77/中国は、文書全体を括弧でくくり、議長職におくることを提案した。英国は、最初の3つのパラグラフでの合意を提案、EU及びノルウェーは支持した。G-77/中国は、同意する意思はあるが、NCQGに関するプレースホールダーの保持を条件とすると述べ、英国及びスイスは反対した。EUは、最初の3つのパラグラフでの合意達成を希望したが、議長職は既にかなりの作業量を抱えていると指摘した。締約国は行き詰まったままであった。共同進行役は、議論の状況について議長職に報告する予定。
緑の気候基金(GCF)の報告書及び同基金へのガイダンス:COPコンタクトグループの共同議長は、David Kaluba (ザンビア)及びPierre Marc (フランス)が務めた。締約国は、決定書文書の新しいバージョンを審議し、次のパラグラフの削除で合意した:GCF理事会に対し、どのような方法で、多国籍開発銀行との国家主導のパートナーシップを強化できるか、審議を求める。締約国は、GCF理事会に対し、資金アクセスの簡素化を求めるパラグラフを書き直すことでも合意し、LDCsは、以前のパラグラフでは SIDS及びLDCsに言及していたと指摘し、これをGCFに対するCMAのガイダンスに含めるべきだと述べた。
GCF理事会に対し、先住民の自由で事前、情報を得た同意を受け、その権利、観点、及び気候優先策を尊重する形で、先住民の知識及び利益の統合を続けるよう求めるパラグラフについて、ジョージアは、イラン、AILAC、その他の支持を受け、地方コミュニティへの言及を加えることを提案したが、カナダは、地方コミュニティは先住民と同じ国際的な認識を得ていないとして、反対した。締約国は、「先住民や地方コミュニティなど、人々やコミュニティを、同基金の政策に合わせ、気候変動の前線に組み込み続ける(continue incorporating people and communities on the front lines of 気候変動, including Indigenous Peoples and local communities, in line with the Fund’s policies)」との文案で合意した。
締約国は、COP及びGCF間のアレンジを修正し、ガイダンスのサイクルを毎年から隔年に移すとのパラグラフについて、長時間議論し、最終的には合意した。
締約国は、NCQGの成果に言及するかどうか、言及するとすればどのように言及するかで、合意することができず、EU、米国、スイスは、この記述はGCFに対するCMAのガイダンスのみに記載することを求めたが、アフリカングループは、AILACの支持を得て、COP及びCMAの両方の文書への挿入を希望した。アフリカングループは、文書全体を括弧でくくることを要求した。
共同議長らは、この文書を議長職に回す予定。
CMAコンタクトグループで、締約国は、改定された決定書草案の大半のパラグラフで合意した、この中には、LDCs及びSIDSへの言及追加が含まれた。
GCFに対し、戦争からの持続的な復興の観点から、気候行動を支援するよう奨励するパラグラフに関し、ウクライナは、スイスの支持を受け、新しい妥協案を提示し、GCFは現在、関連する国家的な衝撃に対応する全ての開発途上国の持続的な復旧を支援していると指摘することを提案したが、アフリカングループ、ロシア、中国は反対した。アラブグループは、GCFの統治手法への言及の追加を提案した。
締約国は、NCQGの成果への言及方法でも意見が分かれた。
共同議長は、文書を議長職に送る予定。
適応基金の問題:CMP及びCMAのコンタクトグループでは、Isatou Camara (ガンビア)及びRalph Bodle (ドイツ)が共同議長を務め、締約国じゃ。改定した決定書草案をCMP及びCMAの採択にかけることで合意した。
その他の問題
GSTプロセス全体の手順上及びロジスティックの要素:CMA非公式協議で、共同進行役のThureya Al Ali (UAE)及びPatrick Spicer (カナダ)は、この項目の非公式ノートをSB 62での追加審議に送ることで合意していたことを想起した。両共同進行役は、CMAの閉会プレナリーで、手順上の結論書を口頭で読み上げた。全ての締約国は、非公式ノートをSB 62に送る手順上の結論書の採択を支持した。サウジアラビアは、プレナリーでは結論書を口頭で提出するのではなく、非公式ノートを付した手順上の結論書を含めるL-文書を作成するよう求めた。
会議終了に向け、議長職は、退行を避けるため、非公式協議で披露された見解を反映する実用的な解決策に焦点を当てるよう促した。
NDC策定へのGSTからの情報提供に関する年次ダイアログ報告書(決定書1/CMA.5のパラグラフ187を参照):CM 非公式協議で、共同進行役のNoura Alissa (サウジアラビア)は、手順結論書など意見が集約された分野もあるが、他の問題では大きな意見対立が残っていると指摘、特にCMA決定書草案に実質的なメッセージを含めるかどうか、及びダイアログのタイミングと頻度での意見対立を指摘した。
カナダは、LMDCs及びアフリカングループの反対を受けたが、共同進行役から議長職に送る報告書を記載する共同進行役の橋渡し提案を提供し、事務局に対し、次を提案した:今後のダイアログでは、NDC年次統括報告書を提出するよう招請する;次回のGST年次ダイアログはCMA 7に合わせて開催する。カナダは、もしこの橋渡し提案が受け入れられるなら、主要メッセージを進める意思がある。米国は、主要なメッセージを含めるか、含めないか、2つのオプションを付けて、共同進行役から議長職に送ることを提案した。
締約国は、括弧書きの文書草案を議長職に送るかどうかで意見が分かれ、LMDCsその他は、反対し、米国、グレナダ、その他は支持し、文書を送る合意はなかった。インドは、成果が出なかったことから、規則16の適用を求め、共同進行役は、議長職が決定すると述べた。
共同進行役は、議論内容を議長職に伝えるが、文書草案を送らない予定。
対応措置:COP/CMP/CMA非公式協議で、共同進行役のMattias Frumerie (スウェーデン)及びAndrei Marcu (ホンジュラス)は、ノンペーパーを提示、これには少数の問題に関するオプションを含めており、作業計画のアウトプットは、「議論するべき何か(something to be reflected on)」であると指摘した。
G-77/中国は、ノンペーパーでの議論は可能だが、対応措置実施の影響に関するカトヴィツェ委員会及びフォーラムは、先進国の気候政策が開発途上国に与える越境でのマイナスの影響に焦点を当てなければならないと強調したが、EUは反対した。英国及び米国は、ノンペーパーは議論内容を反映していない、たとえば大気汚染軽減による健康面での便益や保全など、気候行動の共同便益を含めていないと述べた。中国は、ユニラテラルな貿易措置の文書は弱すぎると述べたが、EUは、UNFCCCには各国の国内政策を評価するマンデートはないと述べた。
南アフリカ、米国、その他は、意見が分かれていることから規則16の適用を提案したが、アフリカングループ及び中国は、行ごとの交渉を希望した。アラブグループ、モルディブ、ロシア、ブラジルは、この項目は決定書のパッケージの一環となる可能性があることから、政治的なガイダンスを求めることを提案した。
共同進行役は、議長職と協議する予定。
廊下にて
バクー気候変動会議の公式の最終日前日は、驚きから始まった。参加者は、10頁に減り、「移行型(transitional)」文書と称される、資金目標に関する議長職文書の新しいバージョンに眠りを覚まされた。新しい名称でもその「暴発しそうな内容(explosive content)」を薄めることはできなかった。正午に、「Qurultay」方式での議長職主導の議論が始まる前でも、締約国は失望感を口にしていた。多くのものは、この文書は極端な立場を再度代弁する以外の何物でもないと述べ、「合意にただの一歩もちかづくものではない(This brings us not one single step closer to agreement)」と、苛立った参加者はため息をついた。他のものは、自国の提案、さらには最近明らかにされた落としどころさえも、隠れてしまったと嘆いた。
昨年のMajilisとは違い、「Qurultay」は、通常のプレナリー会合以上のものではなかった。会議では、交渉グループも多数の国も、それぞれの希望する表現を説明したり、情熱的なアピールをしたりしようと、長時間、ステートメントの発表を行ったが、無駄であった。会議半ばには、部屋はほぼ空っぽであり、「話すことは多かったが、お互いに話すことは少なかった」とある参加者は指摘した。
時間に追われ、資金目標から緩和やジェンダーまで、意見対立のある項目で突破口を見つける展望は、一筋の糸にまで細くなり、議長職に決定力のある指導者として、そして真摯な仲介者としての役割を果たすよう求める声が高まった。技術レベルでの交渉は続けられたが、見通しは同じように不確かで、議長職の机上は一層積みあがっていた。「どの文書もパッケージにまとめられる状態には程遠い」と懸念していたオブザーバーは明日(明後日?)はどうなるか、心配していた。
地球交渉速報のバクー気候変動会議のサマリー及び分析は、2024年11月26日火曜日に下記urlで閲覧可能:enb.iisd.org/baku-un-climate change-conference-cop29