Daily report for 16 November 2024

UN Climate Change Conference Baku - November 2024

国連気候変動枠組条約の補助機関(SBs)会合の閉会は、今回の会合の絵図は、お寒い限りであった:適応、損失損害、技術などの議題項目は、2025年6月の会合での追加審議に回された。緩和作業プログラム及び公正な移行作業プログラム関する文書で、第2週の追加審議に回すと合意できたものはなかった。

資金

新しい集団数量目標(NCQG):CMAコンタクトグループでは、Zaheer Fakir (UAE)が共同議長を務め、締約国は、前夜及び今日の早朝の非公式な非公式協議では、アクセスに関し建設的な議論が行われたと指摘し、このフォーマットでの審議継続の時間を追加するよう要請した。全員がアクセスの議論継続に同意し、アフリカングループ、中南米カリビアン諸国連合(AILAC)は、透明性及び障壁の問題での進捗の可能性を示唆した。

アラブグループ及び有志開発途上国(LMDCs)は、スリム化した合同の提案書を提出、これは共同議長の25頁の文書に組み込まれたが、一部のパラグラフは組み込まれていないと指摘した。カナダは、新しい要素は導入しないことになっていたと想起し、自国は、先住民の自由で、事前の、情報を得た同意に関する文章の提案を控えたと述べた。共同議長らは、新しい要素の追加はしないが、見落としはチェックすることを確認した。

環境十全性グループ(EIG)及びオーストラリアは、他の資金項目、特に適応資金の倍増、及び資金フローのアラインメント(パリ協定第2条1c項)を議論する時間の確保を求めた。

非公式な非公式の議論が続けられ、午後、コンタクトグループ共同議長のFakirは、一部の誤謬は修正したが、新しい要素は含まれていない文書草案の第2版を、共同議長から議長職に送ると述べ、議長職には非公式な非公式協議での締約国の議論結果を伝えると同時に、結果自体は何の立場もないことも指摘すると述べた。締約国は、共同議長の作業、及び事務局の作業を称賛し、両者は、「驚くほど素晴らしい仕事」をしたと述べた。

資金常任委員会(SCF)の第2回レビュー:実施のための補助機関(SBI)は、SBI 63でのこの問題の審議継続で合意した。

決定書1/CMA.5のパラグラフ97に規定するグローバルストックテイク(GST)の成果実施に関するダイアログ:SBI非公式協議で、共同進行役のRicardo Marshall (バルバドス)及びPatrick Spicer (カナダ)は、非公式ノートの改訂版、特にこのノートは合意されたものではなく、意見の一致を示すものでもない、これで尽きるわけではなく、公式の地位は持たない、そして改定可能であると説明するパラグラフに、注目するよう求めた。両共同進行役は、文書の統治組織への送付を記載するような手順上の結論書はありえないとする、SB議長らの助言を想起し、このような理解の下で、この文書を統治組織に回すことに同意できるかを尋ねた。

LMDCs、アラブグループ、アフリカングループ、小島嶼国連合(AOSIS)、後発開発途上国(LDCs)、EIG、米国は、この文書は来週の議論の土台になると述べた。

EUは、適応及び損失損害に関するGST成果に言及していない文書、EUが希望するオプションである、構成組織のマンデートや作業プログラムのマンデートに含まれないGST成果も検討する広範なスコープにするとのオプションへの言及を追加しない文書を、統治組織に回すことを躊躇した。オーストラリアは、これらの言及を入れることに同意し、このオプションは緩和中心であるとの「誤解(misconception)」があると指摘した。

AILACは、スコープには全てのGST成果を含めることとし、特に実施手段に焦点を当てるとするオプションを希望、このオプションは資金及び他の実施手段の供与に焦点を当てるべきだと述べた。EIGは、これは1.5℃目標を活かす上で極めて重要な、実施手段に依存しない国の行動を除外することになると指摘した。

LMDCsは、NCQGとこのダイアログのリンク付けを強調したが、EIGは、逆に、緩和及び適応に関する成果を含めるGSTの成果の実施をNCQGに組み込むべきだと指摘した。

共同進行役らは、この文書は改定可能であると、SBI議長からプレナリーで明言してもらうことを保証、EUは、この文書のパリ協定締約国会議(CMA)への送致に同意した。

閉会プレナリーで、SBsは、この問題について、SB 61で作成された非公式ノートに基づき、審議するべく、CMA 6へ回すことで合意した。EUは、この問題での進捗不足を嘆き、全てのGSTの要素をフォローするよう求めると同時に、それをどこで行うかには柔軟な対応を表明した。AOSISは、これまでの議論への驚きと失望を表明、GST成果での進捗無くして、COP 29の成功はありえないと強調した。

緩和

緩和野心及び実施作業プログラム(MWP):この項目は閉会プレナリーで取り上げられ、SBI議長は、今後の進め方で意見が一致しなかったと指摘、手順規則草案の規則10(c)項及び16項に則り、この項目はSB 62の議題に含まれると指摘した。

英国は、EU、AOSIS、AILAC、LDCs、EIGなどの支持を得て、MWPでの進捗が重要であると強調、SB 61での議論内容を記載する手順上の結論書を採択し、CMA 6に送ることを提案した。チリは、これはパリ協定の長期目標に対応する作業プログラムに過ぎないと強調、締約国に対し、不信の雰囲気を克服するよう促した。LDCsは、1.5℃目標をオーバーシュートした場合の「実際の破滅的な結末(real and devastating consequences)」を強調し、「生命が失われ、暮らしが破綻する(loss of lives and the destruction of livelihoods)」と述べた。

アフリカングループ、LMDCs、アラブグループは、提案された手順上の結論書に反対し、先進国はMWPのマンデートを拡大し、緩和に対する「規範的で、トップダウンな(prescriptive, top-down)」アプローチを課そうとしていると非難した。

SBsは、手順規則草案の規則10(c)項及び16項に則り、この項目をSB 62の議題に含めることで合意した。

パリ協定第6条2項の協力的アプローチに関するガイダンス:科学的技術的助言のための補助機関(SBSTA)は、結論書(FCCC/SBSTA/2024/L.14)を採択し、CMAに対し、SBSTA 61で作成された文書草案の審議を推奨した。

パリ協定第6条4項のメカニズムの規則、モダリティ、手順:SBSTA非公式協議で、共同進行役のKate Hancock (オーストラリア)は、SBSTA議長の提案するCMA決定書草案を提示、締約国に対し、第6条2項の非公式協議での合意と同様に、CMA決定書草案をCMAに送り、来週の追加審議にかけるとするSBSTA結論書の採択を提案した。

大半の締約国は、この形での議事進行に同意し、決定書草案は一致した意見を示すものではなく、メカニズムのレジストリなど、締約国が議論していない要素も含まれることに留意した。LMDCsは、この文書は発行されたばかりだと指摘し、調整のための時間を要求した。

閉会プレナリーで、SBSTAは、結論書(FCCC/SBSTA/2024/L.16)を採択し、CMAに対し、SBSTA 61で作成された文書草案の審議を推奨した。

パリ協定第6条8項に規定する非市場アプローチ枠組の作業プログラム:SBSTAは、結論書(FCCC/SBSTA/2024/L.15)を採択し、CMA 6での決定書草案(FCCC/SBSTA/2024/L.15/Add.1)の採択を推奨した。

国家決定貢献(NDCs)の特性に関する追加ガイダンス:CMA非公式協議で、共同進行役のSin Liang Cheah (シンガポール)及びFederica Fricano (イタリア)は、3つのオプションを指摘した:この項目の審議終了;審議を延期;非公式な非公式協議で審議を進める。

AOSIS、スイス、コロンビア、米国、オーストラリア、英国、日本は、非公式な非公式協議の追加を要請、共同進行役に対し、議論を進める「ツール」の提供を求めた。インド及びインドネシアは、決定の延期を希望した。

LMDCs及びロシアは、NDCの特性、特に実施手段に関する規定は、パリ協定のみで定められていると強調した。サウジアラビアは、追加の特性は必要ないとする一方、気候資金では共通の定義づけが必要だと指摘した。チリは、2018年に採択されたガイダンスはNDCsに明確性、透明性、理解しやすさを与えていると指摘、野心の引き上げは追加特性ではなく、実施に関するものだと述べた。EIGは、同意せず、追加特性があれば野心のギャップ解消に役立つと述べた。

AOSISは、追加特性の可能性を指摘、たとえば、NDCsは最善の科学に沿うものでなければならないとすること、GST、特にエネルギー移行関係の情報を得ることを挙げた。EUは、ジェンダー対応性など、NDC策定における包括性の向上を提案した。

議論が行われた後、締約国は、今後の進め方に関する意見など、締約国が書面で提出した意見をとりまとめ、第2週の議論に使う文書を作成するよう、共同進行役に依頼することで合意した。

国際航空輸送及び海上輸送で使用される燃料の排出量:SBSTAは、SBSTA 62 (2025年6月)でのこの問題の審議継続で合意した。

クリーン開発メカニズム(CDM)の問題:SBSTAは、SBSTA 62 (2025年6月)でのこの問題の審議継続で合意した。

適応

適応世界目標の問題:SB非公式協議で、共同進行役のLamin Dibba (ガンビア)は、文書草案の新しいバージョンに対する意見発表を求め、この文書は十分スリム化された一方で、多様なパラグラフのオプションを保持していると強調した。

SBsは、結論書(FCCC/SB/2024/L.12)を採択、この結論書では、SB 61で作成された文書草案をベースに追加審議するため、この問題をCMA 6に送ることで合意した。

適応委員会の報告書:SBsは、結論書(FCCC/SB/2024/L.9)を採択し、COP 29及びCMA 6に対し、適応委員会の2023年報告書及び2024年報告書を歓迎するよう推奨した。

適応委員会の進捗状況、効果性、実績のレビュー:SBsは、SB 62 (2025年6月)でのこの問題の審議継続で合意した。EUは、4年目でもレビューを進展できないでいることへの失望感を表明した。

国別適応計画(NAPs):SBI非公式協議の共同進行役は、Antwi-Boasiako Amoah (ガーナ)及びMeredith Ryder-Rude (米国)が務めた。短時間のハドルの後、G-77/中国は、共同進行役が改定したCOP決定書をベースに作業することに同意した。締約国は、文書のパラグラフごとに議論し、多様な改定を提案、この日の午後に開催された非公式な非公式協議などで、大きな進展を遂げたが、全ての要素で意見が一致したわけではない。

議長職は、この問題を第2週でも議論する意図はないことを暗示した。この項目はSBIのみの議題項目であることから、この項目の審議は、SBI 62まで延期されることになる。多様なグループは、議長職のスタンスに対する深い失望感を表明、議場の雰囲気は建設的であり、合意も見えていたと強調した。

閉会プレナリーで、SBIは、この問題をSBI 61で作成された文書草案をベースに追加審議するためCOP 29に送るという結論書(FCCC/SBI/2024/L.18)を採択した。

LDCs問題:非公式なSBIの協議では、Rik den Hoedt (オランダ)及びEphraim Shitima (ザンビア)が共同進行役を務めた。LDCsは、前夜の非公式な非公式協議での合意について報告し、LDCs専門家グループ(LEG)のレビューのモダリティはSBI 63で審議する、これをCOP及びCMAで「合同で(jointly)」行う、その決定書はCOP 30及びCMA 7の両方で審議することを提案した。締約国は、「合同で(jointly)」が適正な用語かどうかで意見が一致せず、サウジアラビアは、「並行して(in parallel with)」が正しいと提案したが、LDCsは、「共に(together with)」を希望した。

締約国は、その後、決定書草案を、パラグラフごとに審議した。サウジアラビアは、LMDCsの支持を得て、決定書 1/CMA.5のパラグラフ59 (締約国は、2025年までにNAPsを決定し、2030年までにその実施を進める)という要請に対するLDCsの反応は、先進国が条約及びパリ協定での義務を果たしたかどうかに依存するとのパラグラフを入れるよう要請した。EU、米国、オーストラリアは、これに反対した。サウジアラビアは、さらに、LDCsに対し、資金、技術、キャパシティビルディングの支援を供与するよう、先進国に要請することを提案した。締約国は、結局、COPにおいてLEGのレビューを、CMAと「並行して(in parallel with)」行うことで意見が集約したが、サウジアラビアの追加提案では合意しなかった。

SBIは、結論書(FCCC/SBI/2024/L.17)を採択し、決定書草案(FCCC/SBI/2024/L.17/Add.1)をCOP 29での採択にかけることを推奨した。

損失損害

損失損害のワルシャワ国際メカニズム執行委員会(WIM)の2024年レビュー:SBsは、手順規則草案の規則10(c)項及び16項に則り、この問題をSB 62の議題書に含めることで合意した。

上記執行委員会及びサンチャゴ・ネットワークの合同年次報告書:Farhan Akhtar (米国)は、WIMレビュー、及びWIM執行委員会とサンチャゴ・ネットワークの合同報告書を審議する、合同協議の共同進行役を務めた。G-77/中国は、前夜の非公式な非公式協議の結果を報告し、次の問題では、落としどころが見えてきたと指摘した:サンチャゴ・ネットワークの地域オフィス;損失損害全体での異なる組織同士の一貫性及び補足性;資金の強化;WIMの行動及び支援の専門家グループ;損失損害報告書の状況。サンチャゴ・ネットワークの立地では意見が異なり、合意文書がないことが指摘された。

進捗状況を明らかにするため、共同進行役らは、議論に進展があった分野を列挙する非公式ノート、及び、次週の追加審議に向け、両方の議題項目をそれぞれの統治組織に送る、手順上の結論書草案を提示した。アフリカングループは、異議を唱え、以前の非公式ノートを使いたいと希望し、今後の進み方に関する明確なガイダンスを付して、統治組織に送れるのだと指摘した。

閉会プレナリーで、SBsは、手順規則草案の規則10(c)項及び16項に則り、この項目をSB 62の議題に含めることで合意した。

条約、京都議定書、パリ協定の下での報告作成

温室効果ガス(GHG)データ・インターフェース:SBSTAは、結論書(FCCC/SBSTA/2024/L.11)を採択した。

附属書I報告作成:国別報告書及び隔年報告書の提出状況及びそのレビュー:SBIは、報告書(FCCC/SBI/2024/INF.10)の情報に留意した。

隔年報告書のとりまとめ及び統合:SBIは、報告書(FCCC/SBI/2023/INF.7)の情報に留意し、SBI 62 (2025年6月)でも、この問題の審議を続けることで合意した。

国別GHGインベントリ・データの報告書:SBIは、報告書(FCCC/SBI/2023/15 及びFCCC/SBI/2024/17)の情報に留意し、SBI 62 (2025年6月)でも、この問題の審議を続けることで合意した。

技術的レビューに関する年次報告書:隔年報告書及び国別報告書で報告された情報の技術的レビュー:SBSTAは、2024年報告書(FCCC/SBSTA/2024/INF.5)の情報に留意した。

GHGインベントリの技術的レビュー:SBSTAは、2024年報告書(FCCC/SBSTA/2024/INF.2)の情報に留意した。

GHGインベントリ及び他の報告された情報の技術的レビュー:SBSTAは、結論書(FCCC/SBSTA/2024/L.10)を採択した。

非附属書I締約国の報告:国別報告書記載の情報:SBIは、SBI 62 (2025年6月)でも、この問題の審議を続けることで合意した。

開発途上国による条約規定の報告作成に対する資金及び技術支援の供与:手順規則草案の規則10(c)項及び16項に則り、この項目はSB 62の議題に含まれる予定。

非附属書I締約国の隔年更新報告書の技術分析に関するサマリー報告書:SBIは、2024年9月3日までに発表された180件の技術分析サマリー報告書に留意した。

専門家諮問グループの報告書:SBIは、結論書(FCCC/SBI/2024/L.16)を採択した。

京都議定書の下での国際取引ログ管理者の報告:SBIは、京都議定書締約国会議(CMP)に対し、2024年の報告書(KP/CMP/2024/5)に留意することを推奨した。

強化された透明性枠組の下での報告作成ツール:SBSTAは、結論書(FCCC/SBSTA/2024/L.12)を採択した。

パリ協定の下での報告作成に対する開発途上国への資金及び技術支援の供与:手順規則書草案の規則10(c)項及び16項に則り、この問題は、SBI 62 議題書に含まれる。LDCsは、隔年透明性報告書の作成に必要な金額からすると、開発途上国への支援額は不足しているとして、失望感を表明した。

その他の問題

公正な移行作業プログラム:SBコンタクトグループで、共同議長のKishan Kumarsingh (トリニダードトバゴ)は、CMAでの追加議論に情報を提供すべく、共同議長らが作成した決定書草案を提示した。締約国によるこの文書の考察のため、会合は中断された。再開後、AOSIS、EIG、EU、GRUPO SUR、ネパール、その他は、この文書の送致に同意し、第1週での進捗を無駄にするのは恥だと発言した。アフリカングループは、さらなる改定を議論する余地があることを確認した上で、この文書草案の送致に同意した。

LMDCsは、オマーン及びロシアの支持を得て、共同議長の文書の送致を拒否し、自分たちの意見が取り入れられていないと述べ、たとえば、各国の能力に合わせた公正な移行経路を国家が決定する権利などが含まれていないと指摘、自分たちの提案する決定書草案の文章を読み上げた。サウジアラビアは、過去の累積排出量及び先進国の緩和努力の不十分さから、2020年から2030年のカーボン・バジェットが枯渇するとして嘆いた。

閉会プレナリーで、SB議長らは、SBsはこの問題で結論を出すことができなかったと指摘した。SBsは、この項目をCMA 6での追加審議に送ることで合意した。

条約、京都議定書、パリ協定の下での対応措置実施の影響に関するフォーラムの問題:SBsは、この議題項目をCOP 29、CMP 19、CMA 6に送り、SB 61で作成された文書草案を考慮することで合意し、送致した文書草案は締約国の一致した意見を示すものではないと指摘した。

GSTプロセス全体の手順及びロジスティックの要素:SBsは、この議題項目をCMA 6に送り、SB 61で作成された文書草案をベースにするさらなる審議にかけることで合意した。

ジェンダー:SBI非公式協議で、共同進行役のMarc-André Lafrance (カナダ)は、COP決定書草案の改訂版に対する意見発表を求めた。EU、AILAC、メキシコ、ブラジル、オーストラリア、その他は、合意された表現からの後退について、懸念及び反対を述べた。中国は、ジェンダー関連の措置に関し、先進国は開発途上国に支援を供与する必要があると強調した。イランは、文書の要素に関する懸念を表明、これらは自国の原則、価値観、国内法に反すると指摘した。サウジアラビアは、これは、「大きく、かつ敏感な」問題であると指摘した。YOUNGOsは、提案された文書の中には差別的なものがあると受け止めた。WOMEN AND GENDERは、女性に対する暴力への対応が括弧書きになっているとして、嘆いた。

SBIは、この議題項目をCOP 29に送り、SBI 61で作成された文書草案をベースに、さらなる審議にかけることで合意した。EUは、全ての多様なジェンダーにおいて、女性及び女子の参加を得て、気候行動を進める必要があると強調し、合意された文章が後退していることを嘆いた。

農業及び食糧安全保障に関する気候行動実施の共同作業:SBsは、結論書 (FCCC/SB/2024/L.8)を採択した。

研究及び組織観測:SBSTAは、結論書(FCCC/SBSTA/2024/L.17)を採択した。

気候エンパワーメント行動の問題:SBsは、結論書(FCCC/SBI/2024/L.14)を採択した。

事務管理上、資金上、及び制度上の問題:SBsは、COP 29で採択される決定書草案(FCCC/SBI/2024/L.11)及びCMP 19で採択される決定書草案(FCCC/SBI/2024/L.10)を推奨した。

会合の閉会:SBI及びSBSTAは、それぞれの報告書(FCCC/SBI/2024/L.15 及び FCCC/SBSTA/2024/L.13)を採択した。事務局は、決定書の予算への影響について助言し、締約国に対し、活動を実行可能にするため、補正予算での支援を促した。

SBI議長のNabeel Munirは、締約国に対し、COPの残りの会合期間では、それぞれの譲れない線を超えて、共通の立場を見出し、クールで安全な惑星にするよう求めた。

SBSTA議長のHarry Vreulsは、締約国に対し、SBSTAが達成したことは、締約国が達成したことだと指摘し、野心的で、協調し、揺るぎのない決意で前へ進むよう促した。

多数の締約国及びUNFCCC事務局長のSimon Stiellは、両議長の忍耐強いガイダンスとリーダーシップに感謝した。SBsは、午前12時23分、閉会の槌を打った。

廊下にて

会合第1週の最終日はあわただしい一日だった。最初に、これまで多くのものが利用してきた「grandreserva」スケジュールのシステムが予告なくダウンした。あるベテランの参加者は、「よりによって、今日、UNFCCCのウェブサイトに頼らなければならないとは」と、愚痴をこぼしながら、あまり機能的でない公開されたスケジュール表の画面をスクロールし、しょっちゅう消される会合予定を見つけようとしていた。

参加者は、補助機関で続けられている交渉の多くで、交渉をまとめる必要があると言い渡された。議長職は、第2週で議論する項目と、そうでない項目との線引きを行い、進捗が見られ始めた国別適応計画の議論では、ある参加者が「議論の中止及び終了の命令(“a cease and desist order)」と称したものが出されたが、締約国は従わなかった。締約国は、あるものは「集団での反抗(collective mutiny)」と呼び、別なものは「交渉の締約国主導の特性実現を喜んで受け入れる(welcome manifestation of the negotiations’ party-driven nature)」と称した動きを見せ、第2週でも議論すると決定した。大喜びしていた外交官は、何が起きたかを説明する言葉も見つからないようで、「今まで経験した中で、最もワイルドな多国間交渉だ(This was one of the wildest multilateral negotiations I have experienced in my career)」と称した。

ある交渉担当者は、議長職は、「どれだけ多くのものが第2週に投げ込まれているかを見て、能力の限界を考えたのでは(perhaps being mindful of its capacity, considering how much we are kicking to the second week)」との認識を示した。新しい資金目標での合意達成は、政治的に極めて大きな得点となる。同じことは、第1回グローバルストックテイクの成果を進めるための議論を決着できた場合にも言える。それぞれの議題項目で意見対立があり、文書の中には、単なる箇条書きをリストしたもの、括弧書きだらけのものもある。しかも括弧書きの中には、深刻なものもある。「女性に対する暴力への対応という一文を括弧書きにした」と、あるオブザーバーは怒っていたが、一日の休みで「感覚を取り戻してほしい」と願ってもいた。議長職は、どの項目をどのように議論を進めるかのストックテイキングを行うと約束しているが、これがなければ、参加者は、可能性ある多くのシナリオを基に、実質的な審議を控える閣僚たちのための準備作業に、休日を返上してあたることになる可能性がある。

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