Summary report, 10–21 November 2025
UN Climate Change Conference - Belém, November 2025
2025年気候変動会議は、世界中が紛争の緊張に包まれ、2024年の気温は産業革命前より1.55℃上昇して最も温暖な年となり、パリ協定の国家決定貢献(NDCs)は、3回目の提出でも期待されたレベルに届かないなど、困難な状況下で、開催された。NDCsについては、大半のものが、かなり遅れて提出され、全体を合わせた野心は、パリ協定の目的達成には遠く及ばない。数か国は、今も計画を提出していない。
会議前には、多様なグループや国が、8件もの議題を提案、ブラジルの議長職は、8件のうちの4件―パリ協定第9条1項の先進国の資金義務の実施、ユニラテラルな貿易制限措置、及びNDCs及び隔年透明性報告書での1.5℃の野心と実施のギャップの議論―は、議長職協議で扱うとの理解の下、実質的な交渉を立ち上げた。これら4件は、協議の結果、結局、「ムティラオ(Mutirão)」決定書の採択に至った。多数のものが、化石燃料の段階的廃止に何らかの形で言及するよう求め、森林伐採の中止と逆転の条項を求めるものも多かったが、どちらも決定書の採択には至らなかった。
締約国会議(COP)の閉会プレナリーは、11月22日土曜日に召集されたが、多様なグループや締約国が、議事進行に意見を述べ、異議を申し立てて、決定書の採択を遮るなど、大きな混乱が見られた。コロンビアは、気候変動の最大の推進要素は化石燃料であると指摘し、「真実のCOP」は、科学を無視するべきではないと、強調した。パナマ、ウルグアイなど、数か国は、自分たちの意見発表を認めず、適応世界目標(GGA)に関する決定書採択の槌が打たれたとして非難した。
プレナリーが1時間以上、中断されたのち、議長職のAndré Corrêa do Lagoは、決定書の採択を、事務局が確認したと述べ、2026年6月の補助機関会合でも議論が続けられると指摘した。
対照的に、決定書の採択がスムーズだった議題項目もあり、参加者は、新しいジェンダー行動計画の採択、公正な移行メカニズムの決定書の採択を称賛した。このほかの成果には、技術実施プログラムの運用開始、資金フローのアラインメント(パリ協定第2条1(c)項)の作業開始、気候資金の事前の報告(パリ協定第9条5項)で検討する情報のタイプの更新、損失損害のワルシャワ国際メカニズムの終了、開発途上国の報告作成支援での合意などが挙げられる。COPは、COP31のホスト国に関し、トルコの申し出を受け入れ、トルコとオーストラリアで、COP31の議長職を共有するとの合意を歓迎し、2027年のCOP32のホスト国については、エチオピアの申し出を受け入れた。エチオピアは、後発開発途上国として、初めてCOPなどを開催することになる。
ブラジルの議長職は、「ムティラオ」決定書に化石燃料及び森林伐採の問題を入れるかどうかでは、意見の一致がなかったと発表、2つのロードマップを作成する予定だと発表した。一つは、化石燃料からの離脱を、公正かつ衡平に行うためのロードマップ、もう一つは、森林伐採の中止及び逆転のためのロードマップであり、作成されたロードマップは、COP31に報告すると述べた。
ブラジルのベレンで、2025年11月10-22日に開催されたベレン気候変動会議は、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の第30回締約国会議(COP 30)、京都議定書の第20回締約国会議(CMP 20)、パリ協定の第7回締約国会議(CMA 7)、科学的技術的助言のための補助機関の第63回会合(SBSTA 63)、そして実施のための補助機関の第63回会合(SBI 63)で構成された。
対面式での出席登録者は、合計で56,118名、そのうち、23,509は締約国の代表、13,402名はオブザーバー、3,920名がメディア、13,948名がサポーターと事務局スタッフであった。オブザーバーのうち、1,007名はホスト国であるブラジルからのゲストであった。オンラインでの参加者は、5,141名、そのうち277名は締約国代表、4,823名がオブザーバーであった。
UNFCCC、京都議定書、パリ協定の簡略史
国際政治における気候変動への対応は、1992年のUNFCCCの採択から始まった、この条約は、「気候系への危険な人為的干渉」を回避するため、温室効果ガス(GHG)の大気濃度安定化を目指し、気候変動での国際協力の基本的な法的枠組及び原則を規定する。この条約は、1994年3月21日に発効、現在198の締約国を擁す。
締約国は、UNFCCCの効果を高めるため、1997年12月、京都議定書を採択した。この議定書は、先進工業国及び市場経済移行国に対し、6種のGHGsの排出削減数量目標の達成を約束するよう求めている。京都議定書は、2005年2月16日に発効、192の締約国を擁する。その第1約束期間は2008年から2012年、これに続く第2約束期間は、2013年から2020年とされた。
2015年12月、締約国は、パリ協定を採択した、この協定は、世界の平均気温の上昇を、産業革命前より2%増を大きく下回る水準に抑えることを目指し、さらに、1.5℃までで抑える努力を追求することを目指した。この協定は、締約国の気候変動の悪影響に適応する能力の向上も目指し、さらに資金フローを低GHG排出量で気候にレジリエントな開発の経路に合わせることも目指した。各締約国は、5年間隔で、より高い野心のNDCsを、通知することとし、これがこの協定の根幹である。その後、2021年には、グラスゴーで、各国のNDCを10年間有効とする一方、5年毎の更新も可能であると決定された。この協定は、強化された透明性枠組(ETF)を設置、全締約国は国別に報告することとした。協定の実施の進捗状況は、グローバルストックテイク(GST)により、5年毎にレビューされる。このパリ協定は、2016年11月4日に発効、195の締約国を擁する。
最近の出来事
カトヴィツェ:カトヴィツェ気候変動会議は、2018年12月2日から14日に、ポーランドで開催された。締約国は、パリ協定の規定のうち、NDCsの緩和セクション、適応報告書、ETF、GST、及び資金の透明性の解釈及び実施を推進するため、決定書を採択した。パリ協定第6条の協力的実施に関する議論では、結論に至らず、締約国は、2019年での作業終了で合意した。COPは、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の1.5℃温暖化に関する特別報告書を、「歓迎」するか、それとも「留意」するかで、合意できなかった。
チリ/マドリード:チリ/マドリード気候変動会議は、2019年12月2日から13日、チリの議長職の下、スペインで開催された。損失損害への技術支援を仲介するサンチャゴ・ネットワークを設立し、5年間の強化されたリマ作業プログラム及びそのジェンダー行動計画(GAP)を採択した。他の多くの項目、特に第6条及び長期資金の項目では合意に達せなかった。
グラスゴー:グラスゴー気候変動会議は、毎年の会合予定がCOVID-19のパンデミックで中断された後、2021年10月31日から11月12日、スコットランドで開催された。締約国は、パリ協定のルールブックの内、未決定の項目を最終決定し、第6条に関するガイドライン、ルール、及び作業プログラムを採択、ETFの下での報告フォーマットで合意した。3件のカバー決定書も採択され、その中には、緩和設備のない石炭火力の段階的削減、及び非効率な化石燃料補助金の段階的廃止が、初めて盛り込まれた。このほか、次の項目の設置も決まった:GGAに関する作業プログラム、さらにはこの重要な10年間における緩和野心及び実施の緊急の規模拡大に関する作業プログラム;損失損害の資金調達に関するダイアログ;気候資金の新しい集団数量目標を決定するプロセス;海洋ベースの気候行動に関する年次ダイアログ。
シャルム・エル・シェイク:シャルム・エル・シェイク気候変動会議は、2022年11月6日から20日、エジプトで開催された。この会議で、締約国は、初めて、気候変動の悪影響に伴う損失損害に対応するための資金の必要性を認識し、基金及び資金アレンジを設定し、2023年にその詳細を議論することを決定した。この合意を導いたのは、緩和作業プログラム(MWP)の運用開始であり、さらにGGA枠組の策定開始であった。2件のカバー決定書も採択され、この中で、締約国は:パリ協定の目標達成への経路を議論するため、公正な移行に関する作業プログラムを設立し;パリ協定第2条1(c)項(資金フローの一貫性)のスコープ及びこの条項と第9条(気候資金)の補足性に関する理解を進めるためのダイアログを開設した。
ドバイ:アラブ首長国連邦の気候変動会議は、2023年11月30日から12月11日に、ドバイで開催された。この会議では、パリ協定の下での第1回GSTの決定書(GST-1)を採択、締約国に対し、次回のNDCsを1.5℃温暖化目標に合わせ、全GHGs、部門、及び分類をカバーする野心的で経済全体の排出削減目標を打ち立てることを奨励した。決定書は、このほか、締約国に対し、次のグローバルな努力に対し、締約国による国家決定方式での貢献を求めている:2030年までに、世界の再生可能エネルギーの能力を3倍にし、世界のエネルギー効率を年平均で2倍に向上させる;エネルギーシステムでの化石燃料からの離脱を、公正で、秩序があり、公平な形で行い、この重要な10年間での行動を加速して、2050年までにネットゼロを達成する。さらに:損失損害基金の運用を開始し;GGAの枠組を、題目別及び規模別の目標を含めて、採択し;サンチャゴネットワークのホストで合意し;公正な移行プログラムの作業プログラム(JTWP)の運用を開始した。
バクー:バクー気候変動会議は、2024年11月11日から22日、アゼルバイジャンで開催された。 締約国は、2020年までに年1千億米ドルという前回の目標の延長として、気候資金の新しい集団数量目標(NCQG)を採択し、2035年までに、少なくとも年3千億米ドルを、開発途上国の気候行動に対し拠出するという目標を立て、広範な資金源から拠出するが、先進国が主導することとした。さらに、全ての行動者は、協力して、2035年までに、官民の資金源から、開発途上国での気候行動に対する資金拠出の規模を、少なくとも年1.3兆米ドルまで、拡大すると決定した。この決定書は、さらに、特に適応及び損失損害への対応では、公共のグラント・ベースの資金及び高度に譲渡型の資金が必要であり、中でも、気候変動の悪影響に特に脆弱なもの、及び、後発開発途上国(LDCs)や小島嶼開発途上国(SIDS)など、能力的な制約が顕著なものは、必要であると認める。
バクーでは、このほか:市場ベースの協力実施(第6条2項及び第6条4項)の運用開始を進め;ジェンダーに関する作業プログラムを延長し;GGAに向けた進展を評価する指標の定義づけに関するガイダンスを提供し;損失損害への対応基金のアレンジを採択し、地方コミュニティ及び先住民プラットフォームの実施推進作業部会のマンデートを延長した。
会議報告書
ベレン気候変動会議は、11月10日月曜日に開会、第1週では、主に補助機関(SBs)での交渉が進められた。SBsの閉会プレナリーは、11月15日土曜日に開催され、締約国は数件の結論書を採択し、文書草案を統治組織での第2週の審議に送った。
手順上の問題
手順規則:締約国は、投票に関する規則草案第42項を除き、手順規則書草案(FCCC/CP/1996/2)の規則を適用することで合意した。議長職主動の協議が行われたが、手順規則書の採択には至らなかった。
議題書の採択:11月10日月曜日の開会プレナリーにおいて、締約国は、今回の会議の議題に関し議論した。締約国が提案した8件の議題項目のうち、ホンジュラス、パプアニューギニア、スリナムが提案した、森林伐採の中止及び逆転するための資金について、第1回グローバルストックテイク(GST-1)の決定書に合わせ、資金規模を拡大するとの項目は、後日取り下げられた。締約国は、次の項目に関するオープンな協議を行うとの議長職提案に同意した:
- パリ協定第9条1項(先進国の資金供与義務)の実施、有志開発途上国(LMDCs)提案;
- ユニラテラルな貿易制約措置(UTMs)、LMDCs提案;
- NDC統合報告書(FCCC/PA/CMA/2025/8)への反応、及び1.5℃野心と実施のギャップの議論、小島嶼国連合(AOSIS)提案;
- 隔年透明性報告書(BTRs)の統合、EUの提案。
議長職は、アフリカ地域固有のニーズ及び状況、さらには山岳部に関する年次専門家ダイアログに関し、協議を招集し、その成果を会議報告書に反映させると述べた。締約国は、COP、CMP、CMA、SBI、SBSTAの議題書を採択した。
オブザーバーの承認:COPは、リストアップされたオブザーバーは全て承認する、名称を変更した組織に留意することで、合意した。(FCCC/CP/2025/3)
意思決定:閉会プレナリーで、議長職は、締約国はこの問題でのそれぞれの立場を保持しており、意見対立が続いていると報告、このため、この問題はCOP 31でも審議を続けることで合意したと報告した。
将来会合の日付及び場所:この項目は議長職協議で議論され、各地域内で調整された後、閉会プレナリーで、トルコは、オーストラリアとのパートナーシップでのCOP31主催を受け入れたとして、締約国に感謝し、オーストラリアも、議長職の交渉に感謝したうえで、太平洋でのプレCOPへの参加を招請した。エチオピアは、COP 32の主催を受け入れた締約国に感謝し、後発開発途上国として、最初の開催国になったことを強調した。
最終決定: 決定書(FCCC/CP/2025/L.13)において、COPは:
- COP 31、CMP 21、CMA 8を主催するとのトルコの申し出を受け入れ、事務局に対し、トルコとのホスト国合意をまとめるよう要請する;
- COP 31議長職の共有に関するトルコとオーストラリアのアレンジを歓迎する;
- COP 32、CMP 22、CMA 9を主催するとのエチオピアの申し出を受け入れ、事務局に対し、エチオピアとのホスト国合意をまとめるよう要請する;
- アジア太平洋地域グループの締約国に対し、COP 33、CMP 23、CMA 10の主催を申し出るよう招請し、事務局は、ホスト国に対する実情調査ミッションをタイムリーに実施する必要があると指摘する。
補助機関報告書:2025年海洋及び気候変動ダイアログの共同進行役は、SB 62の期間中に開催したダイアログの成果を報告し、公開に関する条約(High Seas Treaty)の発効保留に焦点を当て、締約国に対し、この条約の批准と実施を促した。
COP、CMP、CMAは、SBSTA 62報告書(FCCC/SBSTA/2025/4 and Add.1)、SBSTA 63報告書(FCCC/SBSTA/2025/L.7)、SBI 62報告書(FCCC/SBI/2025/11 and Add.1-2)、SBI 63報告書(FCCC/SBI/2025/L.20)に留意した。
議長職協議
NDCs、BTRs、第9条1項、UTMs:これらの議題項目に関する議長職協議では、COP 30/CMP 20/CMA 7議長職のTúlio Andradeが、進行役を務めた。ムティラオ(Mutirão)決定書の形での成果またはパッケージとすることには、締約国全般の支持が得られた。その後、「ベレン・パッケージのムティラオ動員」の様式が議論された。
これらの協議の中で、AOSISは、緩和ギャップの議論とギャップを埋める方法の特定を議論するよう求め、これをカバー決定書で行う意思があると述べた。AOSISは、ノルウェー、オーストラリア、その他の支持を得て、次を求める「対応計画」を提案した:NDCの範囲を提出した締約国に対し、それぞれの範囲の上限に移動するよう求め、それを可能にするべく、これらの締約国を支援するよう求める;資金供与国に対し、それぞれのNDCsに資金を記載するよう求める。EUは、化石燃料から離脱する移行を可能にするため、国際協力のさらなる深化を提案、この中に、炭素市場メカニズムでの協力、及び官民の部門のリンク付けを含めるよう求める。
環境十全性グループ(EIG)は、1.3兆米ドルへのロードカップと同様の「NDCロードマップ」を提案した。カナダは、協力及び野心の強化、及び次のステップに関する具体的な政策対応の議論を支持した。
独立中南米カリビアン諸国連合(AILAC)は、野心と実施手段(MoI)とのバランスの取れた成果を確保する実施計画を支持し、これを次の方法で行うよう求めた:NDC統合報告書の議論に特化した時間枠の設定;負担共有アレンジなどを通した、NCQGの運用開始。
アラブ・グループは、共通計算手法論を含める第9条1項行動計画を求め、LMDCsは、第9条1項と、条約及びパリ協定の他の要素、たとえば条約の第3条3項(支援を提供し、オープンな国際経済システム)などとの関係について議論する、作業プログラムの設立を提案した。
アフリカン・グループは、次を提案した:第9条1項作業プログラム、これには負担共有アレンジを含める; UTMsの採用を希望する締約国が、UNFCCCに事前通知を行えるシステム、事務局は、これらの通知を取りまとめて、締約国に情報を提供し、その審議にかける。LMDCsは、UTMsに特化した議題項目の設定を支持し、ツバルは、UTMsに関するダイアログの設置を提案した。
議長職は、次の3つのテーマに関する締約国の意見発表を招請した:パリ協定10周年を祝して団結;交渉段階から実施段階へ、パリ協定の政策サイクルの全面的な運用;緊急性、実施加速化、連帯、国際協力への対応。
大半の締約国は、パリ協定の実績を認め、多国間主義の重要性を認めた。アフリカン・グループ、アラブ・グループ、中国は、UNFCCC及び京都議定書の重要性とその実績も認めるよう求めた。AOSIS及びLDCsは、国際海洋法裁判所、国際司法裁判所(ICJ)、及び米州人権裁判所が最近の2年間にわたり発行した、気候変動関連の諮問意見書を歓迎するよう求めた。EIGは、科学及び科学に基づく行動の役割を認めるよう提案し、オーストラリアは、再生可能エネルギー及びクリーンなエネルギーへの投資額が、記録的なレベルに達したことを認識するよう提案した。
ギャップに関し、AOSISは、2015年以後、短期的な行動が不十分だったことから、一定のオーバーシュートなしでの1.5℃の温暖化に抑えるとの目標を達成する可能性は年々減少していると強調した。アフリカン・グループは、野心と実施のギャップを強調し、開発途上国での気候行動を支援するには、国際協力及び予測可能な資金が必要だと指摘した。
AOSISは、LDCs、英国、パナマ、ジョージア、その他の支持を得て、COP 28、COP 29、COP 30の議長職らによる「1.5℃ミッションのロードマップ」の強化を提案した。アフリカン・グループは、NDC統合報告書に規定する金額に合わせ、適応資金を3倍に増額するよう求め、いかなるロードマップも、緩和だけでなく、適応及び資金を含めるものでなければならないと強調した。EIGは、野心に関する「ベレン1.5℃行動計画」を支持し、これはボトムアップで、協力的及び国家の主権を尊重していると述べた。
議長職のAndradeは、次の協議では、「ムティラオ決定書」における、各締約国の優先項目に焦点を当てると説明し、このほか、COP 30でのバランスの取れた成果を生む上で重要だと、締約国が考える保留項目にも焦点を当てると説明した。
議長のCorrêa do Lagoは、新しい「ムティラオ決定書」の草案について、締約国が対応できるよう、新たな「ムチラオ」協議を招集した。大半の締約国は、この文書への不満を述べた。EU、AILAC、EIGは、化石燃料の段階的解消に言及していないとして、この文書に反対した。EUは、COP 30で緩和の議論をするなら、適応資金でもこれまで以上に動いてもよいと述べた。
AOSISは、文書全体の野心に関し、懸念を表明し、NDC統合報告書の焦点を当てるよう求めた。熱帯雨林諸国連合(CfRN)は、森林伐採の逆転及び森林除去の回避に言及がないとして悲嘆した。
アフリカン・グループは、条件付きの実施及び開発途上国の債務負担の増加に結び付く実施に疑問を呈した。アラブ・グループは、自国のいかなる経済部門を対象とした文章は「論外だ」と強調した。LMDCsは、開発途上国のエネルギー需要は伸び続けるはずだと強調し、先進国に対し、2030年までの実質ゼロを達成し、その直後に実質マイナスにして、開発途上国のためのカーボン・スペースを空けるよう求めた。
GRUPO SURは、「ベレン政治パッケージ」の一部として発表された最新のGGA文書草案を非難し、多数の専門家がかかわった2年間の共同作業を無視していると嘆き、この草案を拒否した。
その後、議長のCorrêa do Lagoは、今後の進め方について、締約国と協議、協議は11月22日土曜日の早朝まで続けられた。
閉会プレナリーで、議長のCorrêa do Lagoは、次の2つの議長職ロードマップを設立すると発表した:一つは、化石燃料からの移行を、公正かつ公平な形で行う;もう一つは、2030年までの森林伐採の中止と逆転である。同議長は、これらのロードマップは科学に基づくもので、参加性も高く、広範な利害関係者とのハイレベルなダイアログがあると説明した。議長のCorrêa do Lagoは、このロードマップの成果については、COP 31で報告すると述べ、2026年4月にコロンビアで開催予定の、化石燃料からの離脱による公正な移行に関する第1回国際会議に言及した。
ブラジルの環境及び気候変動省のMarina Silva大臣は、森林伐採の逆転及び化石燃料からの移行に関するロードマップに焦点を当てた。
アルゼンチンは、人権の記述は、各国の国内法及び法的拘束力のある国際人権条約に沿う形で解釈されるべきだとの意見を再度述べ、「可能にする環境」という表現は、国際的に可能にする環境に言及しているものと理解されるべきだと述べ、NDCアラインメントは国家主権の問題であるとの同国の立場を述べた。議長のCorrêa do Lagoは、これらの意見は、会議報告書に記載されると確認した。
最終決定:決定書「グローバルなムティラオ:気候変動と闘うグローバルな動員での人類の団結」(FCCC/PA/CMA/2025/L.24)において、CMAは、特に:
- パリ協定の気温目標達成と合致するカーボン・バジェットは、小さくなり、急速に枯渇していることを、懸念とともに想起する;
- 地球温暖化を、1.5℃のオーバーシュートなし、または限定的なオーバーシュートで抑制するには、地球のGHG排出量を深く、急速、かつ持続的に削減し、2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロを達成する必要があると認識する;
- 効果的な気候行動及び政策決定には、IPCCが提供する通り、公平性及び利用可能な最善の科学が中心t根木役割を果たすと認識する;
- 世界の平均気温を2℃を大きく下回るレベルの上昇で抑え、産業革命前レベルより1.5℃上昇するレベルで制限するというパリ協定の気温目標を再確認する;
- 気温上昇を2℃以下にする場合と比較し、1.5℃以下にするべく努力する場合の方が、気候変動のリスク及び影響は、はるかに小さいことを強調する;
- 過去10年間では、技術面の急速な進歩やコストの低下、世界の再生可能エネルギー能力の増加及びクリーンエネルギーへの投資額の増加など、世界的に大きな進展が見られたことを認め、さらに、経済成長、雇用創設、エネルギー・アクセスの改善及びエネルギー安全保障の改善、そして公衆衛生の改善など、気候行動による経済的社会的便益に注目する;
- GHG低排出量及び気候レジリエントな開発に向けての世界的な移行は、不可逆的であり、将来のトレンドであると認める;
- パリ協定第2条の達成のためには、開発途上国の野心的な適応及び緩和の行動に対する資金支援の供与及び資金動員を数倍に増加する必要があると認識し、行動をしないことのコストは、有効な気候行動をタイムリーに行うコストを、はるかに上回ると指摘する;
CMAは、さらに:
- 1.5℃への経路に沿う、深く、急速で、持続的なGHG排出量の削減を達成するには、緊急の行動及び支援が必要であると認識し、資金、キャパシティ・ビルディング、及び技術移転は、気候行動を可能にする極めて重要な要素であると指摘する;
- 締約国に対し、気候資金増加の観点で、各国の可能にする環境を、国家決定方式で強化するよう求める;
- 自主的なイニシアティブを立ち上げたCOP 30議長職の努力を認識し、さらに締約国によるそれぞれのNDCs実施を支援する、非締約国利害関係者の努力を認識する;
- 1.5℃目標を達成可能範囲に留め、各国によるNDCs及び国別適応計画(NAPs)の実施を支援するため、全ての行動者を横断して実施を加速化するためのグローバル実施アクセレレーターを立ち上げると決定する;
- NDCs及びNAPsの野心及び実施を可能にすることを目指し、「ベレン1.5℃へのミッション」を立ち上げると決定する;
- NCQGの量的及び質的要素を含め、NCQGの実施を考察するため、ハイレベル閣僚級ラウンドテーブルを招集すると決定する;
- 先進国供与の適応資金の倍増を再確認し、2035年までに適応資金を3倍に増額するため、努力するよう求め、さらに、先進国に対し、開発途上国締約国での適応目的の気候資金について、先進国全体の供与額の増加曲線をさらに高めるよう促す;
- 気候資金に関する2年間の作業プログラムを設置すると決定する、これには第9条全体を考慮した上で、第9条1項に関するものも含める;
- 全ての締約国、特に開発途上国における持続可能な経済成長及び開発に結び付く、支援型でオープンな国際経済システムの促進に向け、協力するべきであり、これにより、気候変動問題へのより良い対処を可能にすると再確認し、さらに、ユニラテラルな措置を含め、気候変動と戦うための措置は、恣意的なあるいは不当な差別の手段となすべきではなく、偽装した国際貿易の制限となるべきでもないと再確認する;
- SB 64、SB 66、SB 68に対し、締約国の参加、及び国際貿易センター、国連貿易開発会議、及び世界貿易機関など、利害関係者の参加を得た上で、貿易の役割に関係する国際協力を強化するための機会、課題、障壁を検討するよう要請し、2028年のハイレベルイベントにおいて、関連問題での経験及び意見を交換すると決定し、さらに、このハイレベルイベントでの議論をまとめた報告書の提示を要請する。
山岳地帯:締約国は、議題書の採択を可能にするための妥協案として、このキルギスタン提案の問題を議長職協議にかけることで合意した。議長職協議の進行役は、COP 30/CMP 20/CMA 7議長職のPedro Brancante,が務めた。
山岳地帯グループ、ネパール、ブータン、ペルー、チリは、2026年以後に、毎年、SBs合同で、ダイアログを招集し、SB 60で開催された専門家ダイアログの経験を生かしていくことを支持した。山岳地帯グループは、ジョージア及びネパールの支持を得て、山岳地帯に特化した議題項目の下、山岳関係の気候行動の進捗状況、課題、機会を検討し、年次ダイアログの結果を検討し、行動可能な次のステップを見出すことを求めたが、スイス、日本、チリは反対した。
EU、スイス、日本は、山岳地帯の問題は、研究ダイアログや適応に関するナイロビ作業プログラムなどの既存のワークストリームで議論することを希望した。ジョージア及びリヒテンシュタインは、年次ダイアログの結果をGSTにフィードインすることを支持した。
最終決定: 決定書(FCCC/CP/2025/L.4)において、COPは下記を要請する:
- SB議長らに対し、SB 64に合わせ、山岳地帯と気候変動に関するダイアログを招集し、年次ダイアログ開催の必要性などを議論する;
- SB議長らに対し、締約国と協議の上、共同進行役らを合同で任命する;
- 共同進行役らに対し、事務局の支援を得て、SB議長らの指導の下、ダイアログに関するサマリー報告書を作成する、特に山岳地帯と気候変動に関する年次ダイアログ開催の必要性を議論した結果を記載する、さらに、SB議長らに対し、COP 31への報告書の中で、このサマリー報告書について、口頭で説明する。
アフリカ固有のニーズ及び状況:アフリカン・グループは、条約第4条1(e)項においてアフリカ固有のニーズ及び状況を認識していると指摘し、パリ協定の採択に至る過程でも、アフリカ固有のニーズ及び状況が認識されていると主唱、それ以後も、COP30の議題項目提案など、繰り返しこの問題を提起してきたと述べた。締約国は、議題書の採択を可能にする方策の一つとして、この問題での議長職協議の開催で合意し、その成果は、会議報告書に反映させることとした。
議長職協議で、アフリカン・グループは、COPs 28及び29では、進展は限定的だったとし、今後の進め方に関し、次を指摘した:開発途上国の特別なニーズ及び状況を認識するCMAカバー決定書;開発途上国、特にアフリカにおける気候変動の最高点に関する意見書の提出;事務局に対し、アフリカの締約国の意見書を取りまとめ、CMAでの審議にかける。
AILACは、この協議では地域に対する偏見が見られたとして嘆き、GRUPO SURとともに、このセンシティブな問題の議論再開に警告し、条約第3条2項では、開発途上国、特に気候変動の悪影響に脆弱な諸国の特別なニーズ及び特殊な状況に十分配慮すると規定していることを指摘した。AOSISは、54のアフリカ諸国のうち、33か国は、 LDCsに分類されているが、21か国は、高所得国から中の上の所得国などに分類されていると指摘し、資金へのアクセスが良い国もあると指摘した。AOSISは、このような地域アプローチは、特定の国の脆弱性をわかりにくくしているとし、平等かつ公平な扱いを求めた。パキスタン、ブータン、ウルグアイ、エクアドルは、同様の懸念を提起、パキスタンは、開発途上国間の競合に落胆の意を表した。
最終決定: 閉会プレナリーで、議長のCorrêa do Lagoは、この問題では意見が一致しなかったと指摘し、この点は、CMA 7の報告書に記載されると述べた。同議長は、11月19日に特別なイベントが開催されたと報告し、さらに、アフリカ固有のニーズ及び状況に関するサミットが、2027年にアフリカで開催される計画であると指摘した。
地方コミュニティの参画強化:地方コミュニティ及び先住民のプラットフォーム(LCIPP)は、2015年にCOPが設立した組織で、COP 23で運用が開始され、UNFCCC内の先住民及び地方コミュニティの参加加速化、経験の交換及び知識の共有をサポートする。その促進作業部会(FWG)は、14のメンバーで構成され、7つは先住民の組織、7つは締約国の組織である。2018年、COPは、SBSTAに対し、FWGの中に、少なくとも3つの地方コミュニティ代表の追加を検討するよう要請した。この問題の決定書は、本来、2021年に採択されるはずであったが、パンデミック関連出遅れた。COPは、この問題を2024年のFWGのレビューにおいて検討すると決定したが、実質的な進展はなく、COPは、このレビューの決定書において、締約国及び関連する構成機関、特にFWGに対し、地方コミュニティの参画を進める方法の検討を奨励し、COP 30議長職に対し、COP 30での題目別ワークショップ及び関連のダイアログを開催するよう招請した。
議長職協議の進行役はMarco Túlio Scarpelli Cabralが務めた。AOSIS、EU、ノルウェー、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドは、FWGへの地方コミュニティの参加については、慎重に協議を進める必要があると強調し、FWGの2027年レビューで審議するよう求めた。ベニンは、地方コミュニティの意思決定プロセスへの参加を促進するため、さらなる資源、訓練、地域の交流、及び協力を求めた。
最終決定: 決定書(FCCC/CP/2025/L.3)において、COPは:
- UNFCCCプロセスへの地方コミュニティの参画推進方法に関する、COP30議長職による2回のダイアログ及び題目別ワークショップの開催を感謝とともに指摘し、事務局に対し、これらに関する非公式報告書の作成を要請、それをFWGの2027年レビューへのインプットとするよう要請する;
- 事務局に対し、SBSTA 64において、会合期間内ワークショップを開催し、これに関する非公式報告書を作成し、FWGのレビューへのインプットとするよう要請する。
資金
長期資金: 長期資金作業プログラムは、プレ2020年の資金のアレンジを検討するため、2011年に設立された。そのマンデートは、2016年に延長され、ポスト2020年資金を検討することとなった。COPは、開会プレナリーで、この項目の審議をCOP 31まで延期すると決定した。
資金常任委員会(SCF):2010年に設立されたSCFは、次の項目など、広範な項目に関する推奨案を提示する:資金メカニズムの運営機関にガイダンス草案を提供する;運営機関における一貫性及び協調を維持する;資金メカニズムのレビューに対し、専門家のインプットを提供する;気候資金フローの隔年の概要を作成する。
COP及びCMAは、次を審議した:SCF報告書(FCCC/CP/2025/9–FCCC/PA/CMA/2025/13);持続可能な食料システム及び農業のための資金供与による気候行動及びレジリエンスの加速化に関する2025年SCFフォーラムのサマリー。(Add.4) Hendrikje Reich (ドイツ)及びDebra-Lee Swanepoel (南アフリカ)の下で協議が招集された。
多数のものは、NCQGのモニタリングに関し、SCFが行った措置を歓迎、AILACは、NCQG決定書の全要素に対応する必要があると強調し、アフリカン・グループは、NCQGの実現を事後に評価する必要があると述べた。LDCsは、NCQG実現の共同作業計画書の作成を支持し、さらにこれを次回の隔年報告書で報告することを支持した。EU及びカナダは、NCQG決定書には既にそのような追跡要件が含まれていると指摘した。EUは、隔年評価で特定されたニーズに関し、SCFにコスト計算を求めることに反対し、これは既に開発途上国のニーズ決定報告書で行われていると指摘した。
アフリカン・グループは、SCFが、資金メカニズムの第7回レビューを開始していないとして、懸念を表明し、SCFには、COP 23からの要請を拒否する権限はないと強調した。ケニア及びエチオピアは、SCFに対し、適応資金倍増の進捗状況を評価するよう求めた。
最終決定:決定書(FCCC/CP/2025/L.17)において、COPは特に:
- 運営機関に対するガイダンス草案作成に向けた作業モダリティの改善を感謝とともに指摘する;
- 第7回隔年評価技術報告書の総論概要及び気候資金フローの概要、並びに1千億米ドル目標達成の進捗状況に関する第3回報告書の概要を承認する;
- 第7回隔年評価及び気候資金フローの概要では、緩和と適応の資金のバランス、及び官民の資金の評価を継続すると認識する;
- 1千億米ドル目標達成に向けた進捗状況の第3回報告書作成に関する作業計画を指摘し、適応資金供与の実現に向けた進展する一方、その資金規模自体は不十分だと指摘し、適応資金の規模を劇的に増やす必要があると認識する;
- SCFに対し、1千億米ドル目標達成の進捗状況に関する第3回報告書に対する情報源、及び第7回隔年評価及び気候資金フロー概要に対する情報源の、さらなる拡大を検討するよう招請する;
- SCFに対し、2026年の作業計画実施の進捗状況を、COP 31に報告するよう要請し、さらにCOPの他の決定書からのガイダンスを審議するよう要請する。
決定書(FCCC/PA/CMA/2025/L.20)において、CMAは、SCFに対し、次を要請する:
- 2026年においても、隔年報告書の作成準備作業を続け、2028年からは、NCQG決定書の全要素における全体の進捗状況に関し、関連する利用可能な情報源に基づき、報告書を作成する;
- 関連のUNFCCC報告書、及び、適切な場合は、他の情報源の報告書に記載する情報を考慮し、適応資金倍増の報告書を作成して、CMA 10の審議に回す;
- 2026年作業計画実施の進捗状況に関し、CMA 8に報告する;
- 他の関連するCMA決定書に記載するガイダンスを審議する。
SCFの機能の第2回レビュー:COP 27は、この第2回レビューの委任条件を採択し、SBI 58に対し、COP 28での決定書採択の観点から、この作業を開始するよう要請した。しかし、締約国は、このレビューにおかえるCMAの役割で意見が対立し、今後の進め方で合意に至らなかった。SBIは、開会プレナリーで、この問題をSBI 64に送った。
緑の気候基金(GCF):GCFは、資金メカニズムの運営機関であり、COPに報告し、その指導を受ける。GCFは、パリ協定でも役割を果たす。締約国は、COP及びCMAの下で、GCFの報告書(FCCC/CP/2025/7 及び Add.1)、並びに、SCFからのガイダンス草案(FCCC/CP/2025/9/Add.2–FCCC/PA/CMA/2025/13/Add.2)を議論した。
COP及びCMAの審議では、David Kaluba (ザンビア)及びSimon Stumpf (ドイツ)が共同進行役を務めた。
協議において、先進国は、「先進締約国からの寄付額増加」への言及に反対した。資金への直接アクセスの可能性に関し、カナダ及びAILACは、先住民への言及を求め、AILACは、他の脆弱なコミュニティへも言及するよう要請した。アラブ・グループは、早期警戒システムへの支援というオマーンの要請が不公平な扱いをされたとして嘆き、提案拒否の正当性に関する回答を求める文章を提案した。
最終決定: 決定書(FCCC/CP/2025/L.12)において、COPは:
- 承認された資金提案の数字の増加を歓迎する、これで理事会が承認した総額は193億米ドルとなった;
- 理事会に対し、改定された承認枠組の実施継続を確保し、資金提案を承認された直接アクセスの金額倍増目標達成に貢献するよう促す;
- 理事会に対し、迅速な承認プログラム(fast-track accreditation プログラムme)に関し、適応基金及び地球環境ファシリティ(GEF)との作業を改善し強化するため、対策の検討を奨励する;
- 理事会に対し、直接アクセス組織からの資金提案の提出奨励を推奨する;
- GCFは、事業提案のレビュー期間を9か月以下に短縮したと指摘し、理事会に対し、資金供与を早め、実施m効率を高めるため、行動をとるよう促す;
- 基金に対し、他の多国間機構基金との補足性、一貫性、及び協調を高めるよう奨励する;
- 理事会に対し、技術開発及び移転の促進を奨励する、これには、同基金と気候技術センター・ネットワーク(CTCN)とのシナジー向上も含める;
- 理事会に対し、基金の第2回資金補填にあたっては、最新のジェンダー行動計画を採用するよう促し、さらにUNFCCCの新しいジェンダー行動計画の下での活動の実施に貢献するよう促す;
- CMAの関連ガイダンスに留意し、GEFに伝達すると決定する。
決定書(FCCC/PA/CMA/2025/L.19)において、CMAは、COP 30から下記を伝達するよう推奨する;
- 次期、及び将来の作業において、NCQGに関する決定書1/CMA.6 の関連パラグラフを考慮に入れるとするGCF理事会への要請;
- 理事会に対し、GGAの概念を念頭に、適応行動の国家主導の形での支援継続を奨励する。
地球環境ファシリティ:GEFは、UNFCCC資金メカニズムの運営機関である。COP及びCMAの下では、GEFの報告書(FCCC/CP/2025/8 及び Add.1)、並びにSCFからのガイダンス草案(FCCC/CP/2025/9/Add.1–FCCC/PA/CMA/2025/13/Add.1)を審議した。
COP及びCMAの下での協議では、David Kaluba (ザンビア)及びSimon Stumpf (ドイツ)が進行役を務めた。
アラブ・グループ、LMDCs、南アフリカは、GEF資金補填に貢献する「立場にある国に対し」貢献を招請することに反対した。スイスは、この言及を支持し、日本は、G20加盟国への貢献招請を提案した。アフリカン・グループは、GEFは銀行ではないとし、「イノベイティブな資金制度」への言及に、懸念を表明した。
COP閉会プレナリーで、ツバルは、LDC基金補填により、2030年までに少なくとも30億米ドルにするとの公共資金の規模拡大が、最終決定書に記載されなかったとして、嘆き、GEFに対し、LDC基金補填に対する自分たちの関心に変わり那ないとして、留意を求めた。
最終決定:決定書(FCCC/CP/2025/L.11)において、COPは:
- 全地域の開発途上国において、GEF実施機関の拡大を奨励する;
- 第9次資金募集における気候注目分野への資金拠出額の減少を懸念し、第9次資金募集では、開発途上国の気候行動への資金拠出を継続するべきと強調する;
- GEFの第9次資金募集に対する野心的なプレッジを奨励する;
- GEFに対し、第9次資金募集の気候変動注目分野への資金プログラムは、国家主導であり、各国の優先事項に配慮することを確保するよう奨励する;
- COPの今会合において、LDC基金及び特別気候変動基金へのプレッジ会合が開催されなかったことを懸念し、両基金への資金拠出の規模拡大を奨励する;
- GEFに対し、他の気候基金との一貫性及び補足性向上に向け努力することを奨励する;
- GEFに対し、各種プロジェクトが現地で設計され、実施され、管理されることを確保するべく、各国及び地方の能力を構築するよう奨励する;
- GEFに対し、先住民の権利に対するセーフガードを確保し、意思決定においては、先住民参画の原則及びガイドラインに合わせ、先住民の味方及び多様な知識体系を考慮するよう招請する;
- GEFに対し、全てのプログラムでジェンダーへの配慮を、効果的かつ有意義な形で統合し、ジェンダー・パートナーシップの下、ジェンダーの平等において、優れた結果を実現する努力の継続を招請する;
- GEFには、CMAから関連のガイダンスを伝達すると決定する。
決定書(FCCC/PA/CMA/2025/L.15)において、CMAは、COP 30が、下記をGEFに伝達することを推奨する:
- NCQGに関する決定書1/CMA.6の関連パラグラフへの留意を要請;
- GGA達成に向け、開発途上国の支援方法の探求を招請;
- 開発途上国による技術実施プログラムの実施支援を奨励;
- GEFによる報告作成及びキャパシティ・ビルディング支援の維持、開発途上国によるキャパシティ・ビルディング努力への支援の強化、制度アレンジの向上、パリ協定の下での強化された透明性枠組の実施に向けた訓練の実施を要請。
損失損害対応基金(FRLD):FRLDは、資金メカニズムの第3の運営機関である。同基金は、2022年、COP 27で設立され、気候変動の悪影響に特に脆弱な開発途上国の損失損害への対応を支援する。気候変動に伴う経済的及び非経済的な損失損害への対応を支援するが、これには極端な天候現象、及び緩慢に発生する現象による損失損害も含める。同基金は、UNFCCCの資金メカニズムの運営を委託された組織として、2023年に運用を開始、世界銀行に事務局を置き。4年間の暫定期間中、同基金の運用を委託している。
COP及びCMAでの協議の共同進行役は、José Delgado (オーストリア)及びDaniel Lund (フィジー)が務め、同基金の報告書(FCCC/CP/2025/10–FCCC/PA/CMA/2025/14 and Add.1)の内容、及びSCF作成のガイダンス草案(FCCC/CP/2025/9/Add.3–FCCC/PA/CMA/2025/13/Add.3)を中心に議論した。
特に次の点が議論された:「気候変動の悪影響に特に脆弱な」開発途上国は、資金要請を提出可能とする、有資格条項の削除、これについて、アラブ・グループは、全ての開発途上国は同基金の資源に直接アクセス可能(決定書 1/CP.28、パラグラフ20(e))との記述、及び直接アクセス及び速やかな資金拠出の記載を促した。
このCMA決定書に関し、G-77/中国は、気候基金の毎年の支出額を3倍に増額するとの特記を求め(NCQG 決定書のパラグラフ16)、先進国は、決定書の他の要素も関連性があると強調、カナダ及びオーストラリアは、アクセスに関する条項を指摘した。
最終決定:決定書(FCCC/CP/2025/L.10 及び FCCC/PA/CMA/2025/L.16)において、COP及びCMAは:
- 理事会による、同基金の運用開始に向けた急速な進展を歓迎、特に、バルバドス実施モダリティ(BIM)の確立を歓迎する、さらにBIMのための資金要請立ち上げを歓迎する;
- 理事会の2026年作業計画の採択を歓迎する;
- 長期的な資金募集及び資源動員の戦略及び計画の採択の遅れを懸念し、理事会に対し、戦略及び計画の審議を早めるよう要請する;
- 同基金の第1回資金補填プロセスを2027年に開始するとの理事会の決議を歓迎する;
- 理事会に対し、BIMのモダリティ及びプロセス、並びに同基金の長期運用モデルでは、資源アクセスへの不当な事務的障壁を回避するよう促す。
- CMAは、理事会に対し、NCQGに関する決定書1/CMA.6の関連パラグラフを考慮するよう要請する。
適応基金:適応基金は、2001年、京都議定書の締約国のうち、気候変動の悪影響に特に脆弱な開発途上締約国による適応プロジェクトに対し、資金を拠出する目的で、設立された。その資金は、同議定書のクリーン開発メカニズム(CDM)の活動で得られる収入の一部も含めることとした。2016年、締約国は、この適応基金はパリ協定の下でも役割を果たすと決定、2018年には、この基金は、パリ協定のみで役割を果たすこととし、京都議定書の第6条4項の収入の一部が利用可能になり次第、京都議定書での役割を終えると決定、ただし、京都議定書のメカニズムからの収入の一部は、受け取り続けると決定した。
この議題項目は、SBI、CMP、CMAで、Koosje Beumer-van der Loo (オランダ)及びIsatou Camara (ガンビア)を共同進行役として議論された。両共同進行役は、次の二つの文書を提起した:SBI 62からの非公式ノート、及びG-77/中国の会議室ペーパー(CRP)。適応基金はパリ協定のみで役割を果たすとの決定、適応基金理事会(AFB)のメンバー、同基金の第5回レビューを議論した。
各締約国は、AFBメンバーの名称について、それぞれのかねてからの意見を繰り返した、一部のものは、条約附属書I及び非附属書I締約国の代表という現在の名称の維持を希望、他のものは、パリ協定の表現に合わせ、「先進締約国及び開発途上締約国」という表現への変更を希望した。
アフリカン・グループ、AILAC、アラブ・グループ、LDCsは、第6条4項メカニズムからの収入の一部の貨幣価値化に向け、決定する必要がある制度アレンジに注目するよう促した。アフリカン・グループは、理事会メンバーの名称の議論は後日に回すか、議長職にゆだねるよう提案した。EU、スイス、英国、オーストラリアは、メンバーの名称は、移行パッケージの一環であるとして、分けて議論することに反対した。
第2週での議論の焦点は、AFBの2025年報告書(FCCC/KP/CMP/2025/3/Add.1–FCCC/PA/CMA/2025/15/Add.1)であった。開発途上国は、同基金の資金が限定的であることを懸念し、先進国に対し、適応資金の規模拡大を促した。AOSISは、基金における認定組織を相互に承認することが重要だと強調した。アフリカン・グループ、アラブ・グループ、AILACは、革新的な資金制度の探求に反対した。スイスは、適応基金理事会の資金動員目標を毎年3億米ドルとする、決定書13/CMA.6の表現を反映するよう求めた。
最終決定:決定書において、CMP (FCCC/KP/CMP/2025/L.7)及びCMA (FCCC/PA/CMA/2025/L.17)は、特に:
- 年間3億米ドルというAFBの資源動員目標が達成できなかったことを懸念し、資金源の規模拡大の緊急性を強調する;
- 国ごとの上限額を2千万米ドルから4千万米ドルに引き上げ、一国のプロジェクト及びプログラムの最大規模を1千万米ドルから2千5百万米ドルに増額し、地域(複数以上の国)のプロジェクト及びプログラムの最大規模を1千4百万米ドルから3千万米ドルに増加するとのAFBの決定を歓迎する;
- 理事会に対し、地域及び諸国グループに対する支援を、バランス良く強化するための措置を検討するよう招請する;
- 他の多国間気候基金との補足性及び一貫性に関するAFBの作業を歓迎する;
- 直接アクセスに関するAFBの作業を歓迎し、その継続を招請する;
- 次の保留項目に関する、AFBの作業完了を期待する:環境及び社会政策の更新案;セクシャル・ハラスメントなどへのセーフガード政策;市民社会の参画を高めるためのビジョン及びガイドライン、並びに、市民社会オブザーバーの積極的な参加に対するガイドライン;
- AFのジェンダー政策及びジェンダー行動計画の実施継続、プロジェクト・サイクルを通してのジェンダーの本流化努力、及びジェンダー・スコアカードの実施を歓迎する。
CMAは、AFBに対し、今後の作業においては、NCQGに関する決定書1/CMA.6の関連条項を考慮し、CMA 8 (2026年11月)に提出の年次報告書に、GGAへの貢献努力及び国別適応計画並びにNDCsの適応部分の実施に関する情報の記載を招請する。
事前の気候資金報告(パリ協定第9条5項):パリ協定第9条5項は、先進国に対し、資金の供与及び動員(第9条1項及び第9条3項)に関する質的及び量的な情報を、隔年で報告するよう要請する、これには開発途上国に供与される公的な資金源の予測水準も含める。他の資金提供締約国は、そのような情報を隔年で自主的に報告することが奨励される。隔年報告書に記載されるべき情報のタイプは、決定書 12/CMA.1の付属書にリストされる。CMA 5は、CMA 7において、このリストの更新を検討すると決定した。締約国からは、第3次までの隔年報告書を受理した。
この項目は、COP及びCMAの下、Isobel Bartholomew (英国)及びElena Pereira (ホンジュラス)の進行役で議論された。締約国は、隔年報告書のとりまとめ及び統合などを議論した。
EIG、EU、カナダ、ノルウェー、その他は、開発途上国に資金を提供する全ての締約国に対し、自主的な隔年報告書の提出を奨励した。G-77/中国は、第9条5項(事前の資金報告)及び第9条7項(事後の資金報告)の明確なリンク付けを求めた。
開発途上国は、隔年報告書に記載するべき情報のタイプに関するリスト更新を支持したが、先進国は反対した。開発途上国は、適応及び損失損害の資金、タイムライン、予定受理者に関する情報の細分化を提案した。アラブ・グループは、気候資金の計算手法論を策定し、気候資金のアウトフローを3倍に増額するとの決定の実施評価を提案した。アフリカン・グループ及びアラブ・グループは、先進国間での気候資金の負担分担を求めた。EU、カナダ、ノルウェーは、各国の国内予算プロセスへの言及など、国家の主権を侵害しかねない文章表現に警鐘を鳴らした。
最終決定:決定書(FCCC/PA/CMA/2025/L.13)において、CMAは:
- 先進国に対し、2026年12月31日までの隔年報告書の提出を要請し、他の資金供与締約国に対し、自主的な隔年報告書の提出を奨励する;
- 決定書12/CMA.1の付属書記載の情報タイプを、本決定書の付属書に記載する情報タイプに置き換えると決定する;
- 事務局に対し、2026年に提出された隔年報告書のとりまとめ及び統合文書の作成を要請する;
- 事務局に対し、会合期間中ワークショップを隔年で開催し、そのサマリー報告書を作成して、CMA 9の審議にかけるよう要請する;
- CMA 11において、付属書記載の情報タイプを、締約国が隔年報告書の作成で得た経験及び学習事項に基づき、更新することを検討すると決定する。
決定書(FCCC/CP/2025/L.8)において、COPは、CMA決定書に留意した上で:
- 第3回隔年報告書に記載する情報に関し、事務局が作成したとりまとめ統合報告書に留意する;
- SB 62で開催された、パリ協定第9条5項に則った締約国提供情報に関する、第3回隔年会合期間中ワークショップのサマリー報告書に留意する。
資金フロー・アラインメント (パリ協定第2条1(c)項の範囲、及びその第9条への補足性に関するダイアログ):パリ協定第2条1(c)項は、GHG低排出量及び気候レジリエントな開発に向けた経路と資金フローを合致するとの全体目標を設定する。2022年、CMAは、第2条1(c)項の理解を深め、その範囲及び第9条との補足性に関する意見を交換するための専用ダイアログを設置した。2023年、CMAは、第2条1(c)項の運用開始及び実施を含め、このダイアログの継続及び強化を決定した。このダイアログでは、年に少なくとも2回のワークショップを開催、広範な利害関係者の参画を得る。
Ralph Bodle (EU)及びZaheer Fakir (UAE)の下、CMAコンタクトグループ及び非公式協議が開催された。締約国は、ダイアログの共同議長らが作成した2025年の年次報告書、及び2023年から2025年の作業の取りまとめ文書から情報を得て、この議題の審議の進め方を検討した。(FCCC/PA/CMA/2025/10)
G-77/中国は:第2条1(c)項及び第9条との補足性に関する、共通の解釈はないと指摘し、資金フロー・アラインメントへの統一見解に反対し、セーフガードを議論する必要性を強調した。参加者は次で合意した:第2条1(c)項は、ボトムアップで、国家主導の形で実施されるべき;第2条1(c)の実施努力は、第9条のコミットメントを補足するが、これに代わるものではない;CMAでの審議は、規範的でなく、懲罰的でない形で続けるべきであり、新たな負担を生み出すべきではない。
少数の開発途上国グループは、ハイレベルな参加に反対した。EU、スイス、カナダは、関連組織間のダイアログを支持した。英国及びオーストラリアは、第2条1(c)項の実施行動に関する自主的な文書提出のプロセスを提案した。ノルウェー及びカナダは、追加作業をGSTにフィードインするべきだと指摘した。AOSISは、資金フローの一貫性に関するガイダンスの作成を求めた。このほか、UTMsを扱うかどうかも議論された。
最終決定:決定書(FCCC/PA/CMA/2025/L.11)において、CMAは:
- 第2条1(c)項の範囲や実施方法については、共通の解釈がないと認識する;
- 第2条1(c)項の実施に関する締約国の多様な懸念を認め、セーフガードの必要性も認めた、これらには次が含まれる:パリ協定の3つの長期目標を追及する必要性;第2条1(c)項は、第9条における開発途上国への資金支援の供与及び動員の規定を補足するが、これに代わるものではない;低いGHG排出量及び気候にレジリエントな開発に向けた経路と資金フローを合致させる努力では、国家主導の戦略及びパリ協定のボトムアップな特性を考慮し、国家の主権を尊重し、各国の異なる国情に配慮する;
- 低いGHG排出量及び気候にレジリエントな開発に向けた経路と資金フローを合致させるため、締約国が国家決定の形で行っている努力を認識する;
- 第2条1(c)項の実施及び第9条への補足性に関するダイアログは、オープンで、透明性があり、参加性の高い形で、SBsの6月の会合に合わせ、少なくとも1回開催すると決定する;
- 議長職に対し、このダイアログでは、毎年、ハイレベル・ラウンドテーブルを招集し、全ての関心ある締約国及び非締約国利害関係者の間で、第2条1(c)項の実施及び第9条との補足性での課題及び機会に関し、実務的な解決策について、意見交換するよう要請する;
- CMA議長職に対し、このダイアログの共同議長を2名、年毎に任命するよう要請し、共同議長には、ダイアログでの審議に関する年次報告書を作成し、CMAでの審議にかけるよう要請する;
- このダイアログ及びCMAでの審議は、締約国による第2条1(c)項の実施支援の促進を目指すべきと決議する;
- このダイアログでは、第2条1(c)項の実施及び第9条の補足性における課題及び機会も審議すると決定する;
- このダイアログの組織に関する意見を、毎年2月28日までに提出するよう招請する;
- 第2条1(c)項の実施及び第9条との補足性に関する問題を審議すると決定する;
- CMA 10で、このダイアログをレビューすると決定する。
資金メカニズムの第7回レビュー:COP 23は、COP 26で、資金メカニズムの第7回レビューを開始すると決定したが、CMAの役割に関する意見の不一致で、開始が保留されている。この問題は、Ricardo Marshall (バルバドス)及びJori Keijsper (オランダ)を共同議長とするCOPコンタクトグループで議論された。両共同議長は、この問題での意見の不一致が続いているとし、締約国の意見を求めた。
アフリカン・グループは、先進国に対し、レビュー開始の決定に従うよう促し、第6回レビューのガイドラインが適用されると指摘し、SCFはレビューへの専門家のインプットを提供する必要があると強調した。EU、英国、オーストラリア、スイス、カナダは、このレビューに関するCMAの役割を反映する必要があると強調した。アフリカン・グループは、この項目を当面保留することを提案した。共同議長らは、今後の進め方について、議長職と協議する。
最終決定:SBSTA議長のAdonia Ayebare (ウガンダ)は、議長職協議でも合意は得られなかったことから、この項目は規則16の適用を受け、COP 31の議題に含めると報告した。
適応
適応世界目標:パリ協定第7条は、適応能力を向上し、レジリエンスを強化し、気候変動への脆弱性を削減するための目標を設置した。CMA 3において、締約国は、この適応世界目標(GGA)を達成するための作業プログラムを立ち上げた。CMA 5は、GGA枠組を開始した、これには一連の題目別目標などが含まれる。また適応指標を定義づける専門家主導プロセスも開始した。CMA 6は、プロセスに対する追加ガイダンスを提供した。
この議題項目は、SB及びCMAの下、Tina Kobilšek (スロベニア)及びGao Xiang (中国)を共同進行役とする非公式協議で議論された。締約国は、テクニカル報告書及び専門家グループ作成の100の指標リストから情報を得て、議論した。次の項目では意見が一致しなかった:
- CMA 7での作業プログラムの終了、及び指標リストの採択;
- 指標リストの熟度及び有用性;
- MoI追跡での指標の役割;
- CMA 7後に行うべき指標関連の作業;
- バクー適応ロードマップのモダリティ;
- 変化型の適応という考えの検討。
文中に適応資金の3倍増という目標をいれるかどうか、いつまでの目標とするか、対比するベースラインでも、意見が分かれた。11月21日、議長職は、改定した文書草案を提起、これには59件に絞った指標が記載された。
11月22日のCMA閉会プレナリーで、議長のCorrêa do Lagoは、決定書採択の槌を打った。パナマは、この文書の発表は極めて遅かったと嘆いた。同代表は、この指標は新たな資金義務やコミットメントを生むものではないとするパラグラフは、受け入れられないと述べた。ウルグアイ、アルゼンチン、パラグアイ、エクアドルは、パナマを支持、2026年も、専門家がまとめたリストを基に、指標の議論を続けるよう求めた。
AILACは、指標への反対意見を述べ、締約国主導の意思決定プロセスで出てきたものではないと指摘し、開発途上国世界は増大する適応コストを負担し続けることはできないとし、GGAにはMoIを伴うべきだと強調した。
スイスは、2件の懸念事項を提起した:指標は技術専門家のリストから選ばれたものではなく、修正が加えられている;最終リストを検証する時間が限られている。同代表は、「政策アラインメント・プロセス」など、条約への言及には法的な懸念があると指摘した。EUは、この決定書は受け入れられないと述べ、現在の指標は、パリ協定に沿うものではなく、指標作業プログラムのマンデートにも合致しないと指摘した。
シエラレオーネは、現在の指標は明確なものではなく、計測不能で、使用できない場合が多いが、目的に合うものにするため、努力を続ける意思があると述べた。
カナダは、パナマ及びウルグアイが指摘した議事進行上の問題を明確にするよう議長職に求め、GGA指標の改定版はデータの報告を複雑化するとして、懸念を表明した。さらに、同代表は、決定書は先住民及び地方コミュニティの権利を混同していると述べ、先住民の権利をUNDRIPの規定どおりに改定するよう要請した。
議長のCorrêa do Lagoは、プレナリー会合を1時間以上中断した後、事務局が決定書の採択を確認したことを告げた。
ロシアは、多様な懸念表明があったにも関わらず、中南米諸国がプレナリーの席上で懸念を表明したことは不思議だと指摘し、合意仲介に向けた議長職の作業を賞賛し、中南米諸国に対し、自制を求めた。
アルゼンチンは、ロシアの指摘に異議を唱え、UNFCCCの行動規範の適用を求めた。
議長のCorrêa do Lagoは、SB 64でのこの問題の審議を提案、締約国の発言及び懸念は、会議報告書に記録されると述べた。同議長は、事務局に対し、透明性、参加性、予測可能性、合法性を確保する形で、ベストプラクティスの文書を作成するよう要請した。
サウジアラビアは、採択された決定書に基づき、作業を継続するのかどうかを質問し、インドとともに、プレナリーで採択された決定書の再交渉開始といいう前例を作ることに懸念を表明した。議長のCorrêa do Lagoは、決定書の採択を確認した。
ブラジル・南アフリカ・インド・中国 (BASIC)、アフリカン・グループ、LDCsは、議事進行を支持した。
最終決定:決定書(FCCC/PA/CMA/2025/L.25)において、CMAは:
- 指標作業プログラムでの技術的な作業を支援した専門家に対し、深い感謝の念を表明し、この作業プログラムの終了を決定し、本決定書の付属書に記載する59件の指標リストを採択する;
- 指標は:自主的で、非規範的、非懲罰的で、世界的な特性を持ち;開発途上国による適応基金へのアクセスの前提条件になることはない;新しい資金義務やコミットメントを生じることはなく、補償責任を生じることもないと強調する;
- 子供や若者、障碍者、先住民、地方コミュニティ、アフリカ出身者、移民などの適応への貢献を認め、クロスカッティングな考察を行うことが重要だと強調する;
- 締約国に対し、GGA目標及び指標を、関連の報告作成、計画策定プロセスに統合するよう招請する;
- 指標は、GSTへのインプットの情報源を構成すると強調する;
- 適応委員会(AC)、専門家諮問グループ(CGE)、LDC専門家グループ(LEG)に対し、締約国によるGGA枠組実施と報告作成に対し、技術的ガイダンス及び支援を提供するよう要請する;
- 事務局に対し、指標の運用開始に関するテクニカルペーパーを作成し、CMA 8の審議にかけるよう要請する;
- SBsに対し、指標のメタデータ及び手法論を改善する技術的な作業を行うよう要請し AC、LEG、その他の関連する構成機関に対し、この作業に加わるよう要請する;
- 締約国は、指標の試用及び実施の経験、さらにはメタデータ及び手法論での技術的作業に基づき、2件の政策アラインメント・プロセスを設置すると決定する;
- クー適応ロードマップの運用開始に向け、ガイダンスを追加する、これには、2026–2028年の期間中、年2回のワークショップ開催が含まれる;
- 2029年のGST-2の後、指標をレビューすると決定する。
適応委員会の報告書:ACは、適応行動の強化を一貫して実施することを目指し、2010年に、カンクン適応枠組の一環として、適応委員会を設立し、専門家のガイダンスの提供、アウトリーチの強化、条約やパリ条約の実施支援を行ってきた。SB 60は、AC報告書とACレビューを分けて審議すると決定した。
最終決定:SBs、COP、CMAは、ACの2025年報告書(FCCC/SB/2025/7)を歓迎した。
適応委員会の進捗、効果性、実績のレビュー:SBsは、開会プレナリーにおいて、この項目をSB 64での審議に回すことで合意した。
国別適応計画:NAPsは、カンクン適応枠組の一部として設立された、その目的は、適応能力及びレジリエンスうの構築で、気候変動の影響に対する脆弱性を削減することである。COP 24は、NAPsの策定及び実施に進展が見られないことから、適応行動をLEG及びACと協調して推進することに踏み切った。SBI 60は、NAPsの策定及び実施のプロセスでの進捗状況の評価を開始し、この作業は、SBI 61、COP 29及びSBI 62でも続けられた。
SBI及びCOPの非公式協議では、Antwi-Boasiako Amoah (ガーナ)及びCassandra Moll (ニュージーランド)が進行役を務め、SBI 62からの文書草案を審議したが、MoIの役割で意見が分かれた。開発途上国は、NAPsの進捗とMoIの提供を結びつけるよう希望したが、先進国は、より大きな条件への言及を希望した。LDCs及びSIDSに固有のニーズ及び特別な事情への言及、さらには適応の本流化の表現でも意見が対立した。
閉会プレナリーで、LDCsは、パキスタンの支持を得て、文書中にMoIへの言及がないことを嘆いた。
最終決定:決定書(FCCC/CP/2025/L.19)において、COPは:
- NAPsの策定及び実施に対する資金供与が不十分であること、及び資金へのアクセスにも課題があることを懸念する;
- LEGに対し、AC及びSCFと協力し、関連の報告書に基づき、気候資金フローの概要及びNAPsの策定及び実施のため、先進国から開発途上国に供与された資金援助について、取りまとめるよう要請する;
- NAPの策定及び実施プロセスの目的達成に向けた進捗状況に関する2024年統合報告書には、ギャップ及びニーズが記載されていると指摘し、LEG及びACに対し、これらのギャップう及びニーズへの対応強化を要請する;
- 適応行動を、各国、国内小地域、地方、及び部門レベルの関連の開発計画及びプロセスに取り入れることの重要性を認識する。
LDCs関係問題:LEGは、開発途上国のNAPs策定及び実施を支援する目的で、2002年に設置されたが、そのマンデートは、数回にわたり延長された。LEGは、年2回会合し、多様なモダリティを通し、作業プログラムの実施に関するレビューの進捗状況を議論してきた。
非公式協議は、Ephraim Shitima (ザンビア)及びRik den Hoedt (オランダ)を共同進行役として会合し、LEGの第48回会合報告書、LDCsのNAPsを支援する努力の継続及び強化の必要性、NAPs実施でLDCsが直面する重要課題、2025年8月にザンビアのLusakaで開催されたNAP EXPO、及びLEGの進捗状況に関する統合報告書の作成などを議論した。
アラブ・グループは、序文の文章での決定書1/CMA.5 (GST-1 決定書)への言及削除を促したが、LDCs、EU、英国は反対した。アラブ・グループは、国連組織及び他の組織に対し、LDCsにおけるNAP実施支援、及びGST-1決定書のパラグラフ59に記載する目標達成に向けLDCsを支援するよう招請する文章の削除を要請した。LDCsは、同意せず、原文の保持を希望した。
最終決定:結論書(FCCC/SBI/2025/L.16)において、SBIは、LEGの第48回会合報告書を歓迎した。決定書(FCCC/SBI/2025/L.16/Add.1)において、COPは:
- 2025年までのNAPs策定、及び2030年までのNAPs実施に向け、LDCsを支援する努力を継続し強化する必要性を認識する;
- LDCsにおけるNAPs実施の主要課題として、NAP実施を支援するパートナーの不足、LDC基金には承認済み適応プロジェクトのコストに見合うだけの資金がないこと、及び実施資金にアクセスするための提案書を提出する能力の欠如などを指摘する;
- LEGに対し、事務局の支援を得て、さらに関連する組織と協力し、LDCsのための地域ワークショップの開催を続け、NAPsの実施を中心のテーマにするよう要請する;
- NAPs未提出のLDCsに対し、速やかな提出を招請し、2030年までの実施に向け前進するよう勧める;
- LEGに対し、NAPの策定を開始していないLDCsに対し、可能な限り早急に開始するための努力を要請し、SBIへの定期的な報告書に、直面した課題など、関連情報を記載するよう要請する;
- 適応基金、GCF、LDC基金の認定組織に対し、LDCsのNAPsに記載される優先行動の実施に向け、これら基金へのプロジェクト及びプログラムの提案の迅速な提出に向け、LDCsへの支援を強化するよう招請する;
- 国連組織及び他の組織に対し、LDCsのNAP実施を支援し、そのNAPの2025年までの策定、及び2030年までの実施進展を支援するよう、再度招請する;
- LEGに対し、現在のマンデートの下、その作業に関する文書を、2026年3月31日までに提出し、同グループのマンデートのレビュー前の中間点における、LDCsのニーズの変化を反映するよう招請する;
- 事務局に対し、LEGsの進捗状況に関し、提出文書及び関連する情報源を考慮して、統合報告書を作成し、SBI 64の審議にかけるよう要請する;
- SBI 64に対し、この統合報告書を考慮した上で、LEGの作業の進捗状況及び委任条件の現状調査を開始し、LDCsのニーズの変化に注目するよう要請し、COP31の審議にかける決定書草案を提起するよう要請する。
決定書(FCCC/SBI/2025/L.16/Add.2)において、CMAは、COP決定書に留意するよう要請し、さらにSBIに対し、LEGの作業の進捗状況に関する決定書草案を提起し、CMA 8の審議及び採択にかけるよう要請する。
適応委員会へのガイダンス:CMAは、SB 62から送られた決定書(FCCC/SBI/2025/L.4)を採択した。この決定書のサマリーについては、2025年6月の気候会議報告書を参照。
緩和
緩和野心及び実施作業プログラム:MWPは、この重要な十年間における緩和野心及び実施の規模を拡大するため、2021年に設置された。毎年、少なくとも2回のグローバル・ダイアログを開催するほか、投資に注目するイベントも開催する。このほか、緩和関係のテーマで議論する場を提供するほか、特定部門での追加の緩和行動を指導する決定書を採択する。
非公式協議は、SBs及び続いてCMAの下で開催され、Ursula Fuentes Hutfilter (ドイツ)及びMaesela John Kekana (南アフリカ)が共同進行役を務めた。特に次の項目を中心に議論した:MWPの改善;第5回及び第6回のグローバル・ダイアログの成果;作業プログラムの継続;ダイアログの題目、及びダイアログ関連の機会、ベストプラクティス、行動可能な解決策、課題、及び障壁の文書提出。
デジタル・プラットフォーム開発の提案には、多数のものが疑義を唱え、既存の努力と重複する可能性、資金への影響などを指摘した。AOSIS、AILAC、日本、ベリーズ、ニュージーランド、ロシアは、このようなプラットフォームの機能や管理方法を明確にする必要があるとして、懸念を共有した。アフリカン・グループ、LDCs、LMDCsは、プラットフォーム立ち上げを支持、インドは、非市場アプローチ(パリ協定第6条8項)のプラットフォームと合体できると指摘した。
グローバル・ダイアログの成果に関し、英国、EU、EIG、アフリカン・グループ、ノルウェー、ニュージーランド、シンガポール、その他は、主要メッセージに光を当てることを支持、ニュージーランド、パラグアイ、EIGは、森林に関する強力な成果を求めた。LMDCs及びロシアは、個々のメッセージを取り出すことに反対した。
MWPの継続を審議するプロセスが必要かどうかでは、意見が分かれ、AOSIS、LDCs、日本、AILAC、ニュージーランドは、少数の段階を含める文章を支持した。LMDCs、アフリカン・グループ、アラブ・グループは、文章なしを希望、LMDCsは、附属書I諸国の野心やリーダーシップの無さを嘆き、MWPのマンデートは、締約国に対し緩和目標の引き上げを「強制」するものではないと指摘した。
CMA閉会プレナリーで、議長のCorrêa do Lagoは、この決定書を採択する槌を打った。アルゼンチンは、部門別のアプローチは全て国家決定であるべきと強調し、先住民の権利に関する表現は、各国の国内法において解釈されるべきだと強調した。パラグアイは、MWP決定書の記述―先住民及び地方コミュニティによる、森林の持続可能な管理及び利用を支援する必要性、及び鳥の権利及び伝統知識を認める必要性―を指摘し、これらの記述は各国の主権、及び共通するが差異のある責任及びそれぞれの能力という原則(CBDR-RC)を全面的に尊重するものと解釈されると強調した。同代表は、さらに、各国にはそれぞれ独自の長期緩和政策を決定する自由があると強調した。ナイジェリアは、化石燃料からの離脱は国家決定方式で行われるべきだと強調し、貿易障壁及びUTMsの回避を求め、投資額の増加及び予測可能な資金を求めた。
カナダは、先住民の権利と地方コミュニティの権利の融合に懸念を表明し、先住民の権利を、国連先住民の権利宣言(UNDRIP)の規定通りにするべく、決定書の改定を要請した。
議長のCorrêa do Lagoは、締約国の意見は会議報告書に記載すると確認した。コロンビアは、決定書採択の前に意見発表を求めたが、無視されたとして、このMWP決定書の採択に異議を唱え、2026年のグローバル・ダイアログの題目を、産業及び化石燃料からの離脱経路とするよう要求した。議長のCorrêa do Lagoは、プレナリーを中断し、締約国及び事務局と協議した。
1時間後再開されたプレナリーで、議長のCorrêa do Lagoは、事務局と確認したが、この決定書については(採択の)槌が打たれており、採択済みだと告げた。
最終決定:決定書(FCCC/PA/CMA/2025/L.8)において、CMAは:
- 有効な気候行動及び政策決定では、利用可能な最善の科学が重要であると認識し、気候変動の影響は、2℃の気温上昇よりも1.5℃の気温上昇の方が低くなるというIPCCの評価を指摘する;
- 非市場アプローチ(NMA)のプラットフォームを、NMAsを記録し、情報を交換するUNFCCCのウェブベースのプラットフォームとして留意し、締約国に対し、適切な場合は、NMAプラットフォームの緩和措置注目分野の利用拡大を求める一方、SBSTAに対し、プラットフォームの追加機能を実施する方法を検討するよう要請する;
- 事務局に対し、NMAプラットフォームの追加機能及び機能性の運用を可能にするオプションを探求し、テクニカルペーパーを作成して、これをSBSTA 64の審議にかけるよう要請する。
この決定書は、作業プログラムの2025年報告書にまとめられた、主要な結論、機会、障壁、行動可能な解決策、規模及び推進要素を指摘する、これには次を含める:
- 炭素の貯留庫及び吸収源として、及び気候レジリエンスを高めるという、森林の役割の重要性;
- 先住民及び地方コミュニティによる、森林の持続可能な管理及び利用を、支援する必要があり、さらに、かれらの土地の権利及び伝統知識を認めることが重要;
- 廃棄物の削減及び管理の重要性、及び廃棄物管理の社会的な側面;
- 廃棄物の削減、管理、防止の共同便益、及び循環経済アプローチ;
- 廃棄物の収集、再利用、リサイクルにおけるイノベーションの可能性;
- 森林部門及び廃棄物部門における緩和行動の実施では、国際協力、及びMoIへのアクセスが重要。
さらに、決定書は:
- 2025年の報告書で注目された要素に対応するかどうかは、各国次第であり、それぞれの国情、国際協力、さらには、開発途上国への資金援助、技術支援、キャパシティ・ビルディング支援の観点で、行動が可能になると強調する;
- 作業プログラムは、CMA 8まで継続される、CMA 8で、作業プログラムの継続に関する決定書が採択されるとの見方を示す。
パリ協定第6条2項の協力的アプローチに関するガイダンスの実施:第6条2項は、NDCsの実施での自主的な二国間協力、特に国際的に移行可能な緩和成果の取引を希望する締約国に対し、原則及びガイダンスの枠組を提供する。
この議題項目は、CMAの非公式協議で議論され、Peer Stiansen (ノルウェー)及びPacifica Achieng Ogola (ケニア)が共同進行役を務めた。第6条2項の野心に関するダイアログも開催された。
議論では、第6条2項のガイダンス(決定書 2/CMA.3)の実施に関する事務局の報告書に焦点があてられた。アラブ・グループ及びロシアは、報告書の「カーボン・プライシング」への言及削除を求めたが、AILAC及びEIGは反対した。EUは、将来の報告書には、詳細で細分化されたデータを記載するべきと述べた。CfRNは、環境十全性の情報を記載するよう主唱した。EU及びCfRNは、この報告書を議論する専用の場を設けるよう提案したが、LMDCsは反対した。
ロシア、中国、LDCsは、第6条2項のガイダンスをレビューするのは時期尚早だとし、第6条2項の運用経験を積む必要があると指摘した。アフリカン・グループは、第6条2項の組織構造の運用コストについて、事務局に対し、テクニカルペーパーの作成を求めることに反対した。技術専門家のレビューに関し、LMDCs及びアラブ・グループは、専門家の「マイクロマネージング」に警告した。EU及びCfRNは、専門家が一貫性の無さを指摘する合理的な理由及び手法を理解するには、さらなる情報が必要だと強調した。
国際レジストリに関し、トルコ、AILAC、アフリカン・グループは、レジストリの開発の進捗状況について、最新情報を求めた。アフリカン・グループは、多数の国が国際的なレジストリを国内レジストリとして利用しようと考えている現状に懸念を示した。英国など、一部の締約国は、第6条技術専門家レビューの報告書を議論する場を求めた。ロシアは、第6条2項の野心ダイアログでの議論を支持したが、AOSISは、ダイアログのフォーマットはそのような意見交換には向いていないと指摘した。
最終決定: 決定書(FCCC/PA/CMA/2025/L.12)において、CMAは:
- 第6条技術専門家レビューチームに対し、その報告書では、全ての不一致の結論について、明確に説明し、解決方法を提起するよう要請する;
- 決定書2/CMA.3に規定する記録及び追跡のインフラストラクチャーの状況を懸念し、事務局に対し、インフラの速やかな実施を求める。
CMAは、事務局に対し、下記も要請する:
- SB 65に合わせ、非公式なインタラクティブ・ダイアログを開催し、繰り返しのテーマを特定し、第6条技術専門家レビューの結果から得られた学習事項を明らかにする;
- 第6条技術専門家レビューチームが特定した不一致分野のニーズに対し、キャパシティ・ビルディングを提供する;
- 締約国からの要請があれば、適応のための資金貢献に関する情報、及び世界排出量での緩和の実現に関する情報の、電子フォーマットへの記載を支援する。
補助機関報告書及びパリ協定第6条4項のメカニズムに対するガイダンス:パリ協定第6条4項は、GHG排出量の緩和、及び持続可能な開発に貢献するためのメカニズムを、CMAの権限とガイダンスの下で、設置する。第6条2項は、各国間及び他の組織との緩和成果の取引に関する自主的な合意に注目するが、第6条4項は、CMAの監督の下、第6条4項監督組織が管理する、中央集権的なメカニズムを設置する。
CMAの非公式協議では、Kate Hancock (オーストラリア)及びSonam Tashi (ブータン)が共同進行役を務め、監督組織に提供するガイダンスについて、年次報告書(FCCC/PA/CMA/2025/12)に記載されるものなどを議論した。
締約国は、非永久性及び逆転の扱いなどを議論した。コスタリカは、監督組織に対し、逆転のリスクの決定では、固定された100年の期間に関する非永久性及び逆転のリスク基準を再度検討するよう要請することを提案した。同代表は、逆転のリスクを評価する期間について、パリ協定の気温目標達成に関連する時間枠に基づくべきだと強調した。EUは、事後のモニタリング及び無視できない逆転のリスクの決定には、一貫した手法を用いるよう求めた。
CfRNは、監督組織に対し、「実務的で部門別の手法」の策定を続けるよう要請することを支持した。
CDM活動の移行に関し、LDCs、アフリカン・グループ、LMDCsは、移行の期限延長を支持したが、スイス及び日本は反対した。アフリカン・グループは、移行に必要な準備作業を終えていないグループが多数あると強調した。
協議で作成されたCMA決定書草案について、締約国は、監督組織の「マイクロマネージング」に警告し、組織自体が技術的な作業を行えるようにするべきと述べた。
最終決定:決定書(FCCC/PA/CMA/2025/L.10)において、CMAは:
- CDMのホスト締約国が、CDMプロジェクトの第6条4項メカニズムへの移行を承認する期限を、2026年6月30日まで延長する;
- CDM信託基金から、2680万米ドルを、第6条4項信託基金に移行するとのCMPの認可を歓迎し、この移行は適応基金の長期便益を最大限に増やすことが目的であると確認する;
- 監督組織に対し、キャパシティ・ビルディング活動に配分する金額を、5百万米ドルまで、増額するよう要請する;
- 第6条4項メカニズムが自己資金での運用が可能になった際は、決定書2/CMP.16のパラグラフ18に規定する額に達するまで、及び268万米ドルに達するまで、当該信託基金から適応資金に対し、毎年、資金を拠出することで合意する。
パリ協定第6条8項の非市場アプローチ枠組の作業プログラム:第6条8項は、NMAs枠組を規定する、これは締約国のNDCs実施を支援し、持続可能な開発及び貧困撲滅の考えの下、緩和及び適応の野心を引き上げることを目指す。SBSTA及びCMAの下での協議は、Hadji Mbaye Diagne (セネガル)及びJacqui Ruesga (ニュージーランド)が指導役を務めた。
協議では、NMA作業プログラムのレビューの要素などを議論した。LMDCsは、作業プログラムの実施について、質的及び量的な評価を行うよう提案し、さらに、英国の支持を得て、第6条8項の国内窓口に対し、NMAプラットフォームの利用経験を調査することを提案した。CfRNは、NMAsの登録が進んでいないことを嘆き、NMAプラットフォームの利用状況を評価し、必要なら、改善点を明らかにすることを提案した。このNMAプラットフォームについては、その機能及び参加性を改善する方法も議論された。
最終決定:結論書 (FCCC/SBSTA/2025/L.6)において、SBSTAは、作業プログラムの実施、及びNMAプラットフォームの運用開始を歓迎し、さらに事務局が開発した新しいキャパシティ・ビルディングの資源、さらには、締約国及び非締約国利害関係者のためのオンラインの議論フォーラムの立ち上げも歓迎する。
決定書(FCCC/PA/CMA/2025/L.1)において、CMAは:
- 締約国に対し、それぞれのNMAsを、NMAプラットフォームに記録し、情報交換及び利害関係者の参加を推進するよう招請し、さらにNMAsでの協調可能性を議論するフォーラムを活用するよう招請する;
- 事務局に対し、第6条8項の国内窓口に対する、NMAsの特定、開発、実施のためのキャパシティ・ビルディング支援の提供、及びNMAプラットフォームの活用を要請し、NMAプラットフォームに関し、広範な利害関係者へのアウトリーチを行うよう要請する;
- 事務局に対し、NMAsのグラスゴー委員会の第9回会合及び第10回会合に合わせ、会合期間中ワークショップを開催するよう要請する;
- NMAsのグラスゴー委員会の第9回会合及び第10回会合に合わせ開催される、会合期間中ワークショップでの議論の題目に関し、文書提出を招請する;
- 事務局に対し、NMAsグラスゴー委員会の年次進捗状況報告書の主要メッセージに関する統合報告書の作成を要請する。
条約の長期世界目標の定期的レビュー及び達成に向けた進捗状況:2010年、COPは、地球平均気温を産業革命前比で2℃の上昇にとどめるため、GHG排出量削減の長期世界目標で合意し、この目標の適切性及び進捗状況を、少なくとも7年ごとにレビューすると決定した。第1回のレビュー(2013-2015年)の結果は、気温上昇を産業革命前比1.5℃の上昇に制限する努力を追求するとのパリ協定の目的の設定に貢献した。第2回の定期的レビューは2022年に終了、COP 29では、定期的レビュー継続の可否で合意ができず、一部のものは、GSTがあることから、余剰の作業を指摘したが、他のものは、将来も定期的レビューを行うよう提案した。
最終決定:COPは、開会プレナリーで、この議題項目の議論を、COP 31まで、延期すると決定した。
国際航空輸送及び海上輸送の化石燃料の使用による排出量:SBSTAの開会プレナリーで、SBSTA議長のAyebareは、この議題項目の審議を、SBSTA 64まで延期することを提案した。中国は、この議題項目の重要性を指摘し、今回の会合での議論を促し、SBSTAは、非公式協議を招集することで合意した。その共同進行役は、Angelica Romero (チリ)及びJakob Wiesbauer-Lenz (オーストリア)が勤め、国際民間航空機関及び国際海事機関の事務局から報告を受け、排出削減に関するそれぞれの枠組について議論した。
最終決定: 閉会プレナリーで、SBSTAは、この議題項目の審議継続に留意し、SBSTA 64でも議論することで合意した。
クリーン開発メカニズム(CDM)の問題:CDMは、京都議定書で設置された市場メカニズムである。この議題項目は、Peer Stiansen (ノルウェー)及びAlick Muvundika (ザンビア)を共同進行役とするCMP非公式協議で議論され、CDMの閉鎖及びその運用、さらにはCDM信託基金からの資金移行を議論した。事務局は、移行される金額は2680万米ドルであると報告した。
締約国は、基金からの移行先を検討し、第6条4項メカニズム、適応基金、あるいはキャパシティ・ビルディング活動の支援という3つのオプションが議論された。英国は、AILAC及びEUの支持を得て、第6条4項メカニズムへの全額移行を提案した。アフリカン・グループは、3つのオプションに割り当てることを希望し、適応基金に500万米ドル、キャパシティ・ビルディングに500万米ドル、残額を第6条4項に移行するよう提案した。LDCsは、キャパシティ・ビルディングへ500万米ドルを移行し、残額を第6条4項へ移行することを支持した。LMDCsは、3つのオプションに均等に割り当てることを希望した。
さらなる協議の後、アフリカン・グループは、大半の締約国の支持を得て、次を提案したが、LMDCsは反対した:全額を第6条4項に移行し、そのうち500万米ドルはキャパシティ・ビルディング用とする、この移行後、及びCDMの運用終了後、CDM信託基金にある残高は、適応基金に移行する、さらに、新たに移行される金額に対する返済金及び決定書2/CMP.16に応じて移行される3千万米ドルは、適応基金に割り当てられると決定する。
最終決定: 決定書(FCCC/KP/CMP/2025/L.4)において、CMPは:
- CDMの下での各種発行申請に係る運用及びプロセスを中止する最終日を決定し、新規手法論案の提出など、特定の手法論プロセスの即時中止を決定する;
- 執行理事会に対し次を要請する:パネル及び作業部会は、その機能の必要性がなくなり次第、運用を停止する;会議の回数を年1回か2回に減らし、バーチャル方式の会議とし、CDMの運用が停止する前に、最後の会議を開催し、それに伴い、会議開催費を調整する;
- CDM信託基金から、第6条4項信託基金に、2680万米ドルを追加で移行し、AFに最大限の長期利益を提供すると決定する。
京都議定書の約束の野心引き上げに関するハイレベル閣僚ラウンドテーブルの報告:開会プレナリーで、CMPは、この項目の審議を、CMP 21まで延期すると決定した。
損失損害
ワルシャワ国際メカニズム(WIM)執行委員会及びサンチャゴネットワークの合同年次報告書:WIMは、2013年に設立され、気候変動の影響に伴う損失損害に関係するマンデートの実施を担う構成組織であり、気候変動の悪影響に特に脆弱な開発途上国における、極端な現象及び緩慢に発生する現象によるものも対象とする。WIM執行委員会(ExCom)は、5か年の繰り返し作業計画で作業を実施し、5つの題目別専門家グループの作業を監視する。2019年、締約国は、サンチャゴネットワークを設立、損失損害への技術支援を仲介する任務を担う。CMA 4では、ExCom及びサンチャゴネットワークの年次報告書は合同のものとすると決定したが、COP 29では、2024年合同年次報告書の審議を終了できなかった。
2025年の合同年次報告書を議論するSB非公式協議が開催され、Cornelia Jaeger (オーストリア)及びPepetua Latasi (ツバル)が共同進行役を務めた。
最終決定: 決定書 (FCCC/PA/CMA/2025/L.22)において、CMAは、2024年合同年次報告書に留意した。決定書 (FCCC/PA/CMA/2025/L.23)で、CMAは、2025年報告書に感謝するとともに、留意した。COPは、両方の決定書(FCCC/CP/2025/L.15 及び FCCC/CP/2025/L.18)を支持した。
WIMの2024年レビュー:SB 60において、締約国は、SB 61で行うレビューの委任条件を決定した。このレビューは、SB 61での義務化イベントで開始され、COP 29/CMA 6でも続けられたが、SB 62では、結論に達しなかった。
ベレンで、締約国は、Cornelia Jaeger (オーストリア)及びPepetua Latasi (ツバル)を共同進行役とするSB非公式協議を招集し、COP/CMA協議でもこの問題の議論を続けた。
11月21日、議長職は、文書案を提示、広く支持を集めた。G-77/中国は、編集上の提案をし、ケニアは、現在の形では文書は受け入れられないとし、サンチャゴネットワークの事務管理費の高さが、作業効果は損なっているとの記述を求めた。多数の国は、文書案の審議再開に反対した。AILAC、バヌアツ、ノルウェーは、現在の文書を受け入れる意思があると表明し、気候変動に関する各国の義務についてのICJの諮問意見に言及することを希望した。AOSIS及びアフリカン・グループは、GSTへの言及排除に対し、柔軟な姿勢を示した。
午後、ケニアは、妥協案を提示、全締約国が受け入れた。
最終決定:決定書(FCCC/PA/CMA/2025/L.21)において、CMAは:
- サンチャゴネットワークの運用開始における、これまでの進捗状況を歓迎した;
- 同ネットワークに対し、関連する組織、団体、ネットワーク、専門家による技術支援の提供を仲介する努力の一層の強化を要請する;
- 気候変動の悪影響に特に脆弱な開発途上国及びコミュニティに対し、技術支援要請の提出を奨励する;
- サンチャゴネットワークの諮問理事会に対し、そのマンデートの範囲内において、次を行うよう要請する:ネットワーク事務局の承認する運用構造の実施における費用効果をモニタリングする;予算決定への影響を最大化し、事務管理負担の回避を目指す;地域の存在をタイムリーに運用開始するための迅速なリクルート・プロセス;
- WIM執行委員会に対し、非経済的な損失に関する作業を進め、複雑なリスクを管理するための手法について理解を進めるための知識開発を要請する;
- 損失損害関係の重要な問題、学習事項、政策提言に関し、定期的に報告書を作成し、このプロセスに対する詳細なガイダンスを提供すると決定する;
- WIM執行委員会及びサンチャゴネットワークに対し、FRLDと協力し、それぞれの作業における一貫性及び補足性の強化を奨励する;
- WIM執行委員会に対し、同委員会の技術的製品の利用しやすさを改善し、関連性を高め、普及を図るよう要請する;
- サンチャゴネットワーク事務局に対し、そのガイドラインが広くアクセスできるようにし、必要な場合は、更新するよう要請する;
- WIM執行委員会及びサンチャゴネットワークの諮問理事会に対し、合同のコミュニケーション及びアウトリーチ活動を策定し、WIMのマンデート及び作業に関する主要なメッセージを「説明するもの」を作成するよう要請する;
- 同ネットワークの諮問理事会に対し、ネットワーク事務局の作業を監督し、資源動員戦略の運用可能性を早めるよう要請する。
決定書(FCCC/CP/2025/L.14)において、COPは、CMA決定書を支持した。
気候変動の影響に伴う損失損害のワルシャワ国際メカニズム:WIMのガバナンスに関する議長職協議で、Bruno Carvalho Arrudaは、WIMをCMAのみが統治するか、それともCMA及びCOPが統治するか、COP 22以来、意見が対立してきた想起した。G-77/中国は、両者の権限下に置くべきとの立場を述べ、AOSISは、両者の統治という手法について、ICJの諮問意見の存在を指摘した。EUは、WIMを統治するのはCMAだけだとの意見を繰り返した。
議長職は、意見対立が続いているとして、審議を延期し、CMAが決定して、COPがこれを支持するというこれまでの手法継続を提案、締約国も同意した。
グローバルストックテイク
グローバルストックテイク・プロセスの手順要素及びロジスティック要素:GSTは、パリ協定の主要メカニズムの一つであり、パリ協定の全分野における集団の努力及び結果を評価する。CMA 1において、締約国は、GSTプロセス全体の手順要素及びロジスティック要素に関し、第1回のGST及びその後のGSTで得られた経験に基づき、さらなる精緻化を図ると決定した。CMA 5は、精緻化の審議はSB 60で開始し、CMA 6で終了すると決定した。CMA 6は、SB 62に対し、この問題の審議継続を要請、次の議論を求めた:科学的なインプットからGSTへの情報提供方法;GSTにおいて、損失損害を独立した題目として扱うよう求める;GSTの技術段階と政治段階のオーバーラップ。SB 63での審議継続に向け、CMA 7での採択にかける決定書草案を推奨するとの観点で、文書草案を作成した。
ベレンでは、Eduardo Silva Besa (チリ)及びKelsey Gray (オーストラリア)を共同進行役とした議論が行われ、その後の閣僚協議では、GSTに関する全議題項目が議論された。
最終決定: 決定書(FCCC/PA/CMA/2025/L.6)において、CMAは:
- GSTプロセスでは、全ての面で、参加性が重要になると認識し、このプロセスへの非締約国利害関係者の意味のある参加を奨励する;
- 事務局に対し、GSTへの全インプットがオンラインで利用可能になるよう、改善を要請する;
- パリ協定そして/または条約に関わる、構成組織、フォーラム、他の制度アレンジに対し、GSTへの報告書に記載する情報を、質及び十全性を損なうことなく、スリム化する機会がないか、検討するよう奨励する;
- 科学者社会に対し、利用可能な最善の科学情報を、GSTにフィードインするよう奨励し、GSTにおけるIPCCのアウトプットの重要性を認識するとともに、開発途上国からの包括的及び代表的な科学的インプットの重要性、並びに、地域グループ及び組織からの関連する報告書の重要性を認識し、これらの組織に対し、タイムリーにインプットを提供する最善の方法を検討するよう招請する;
- GSTのテクニカル・ダイアログの共同進行役に対し、損失損害に関する努力を審議し、社会的及び経済的な影響結果、並びに対応措置の影響、及び国際協力を議論するよう奨励する;
- SB議長らに対し、GSTの各構成要素の議論、特にアウトプットの審議には、十分な時間的余裕を確保するよう要請する。
NDC作成へのGSTからの情報提供に関する年次ダイアログの2024年及び2025年報告書(決定書1/CMA.5のパラグラフ187に規定):CMA 5は、SB議長らに対し、GST成果を次回のNDCs作成に統合する方法について、知識移転促進のためのダイアログを、毎年、開催するよう要請する。この第1回のダイアログは、SB 60で開催された。
非公式のCMA協議は、Kaarle Kupiainen (フィンランド)及びNoura Al-Issa (サウジアラビア)を共同進行役として開催され、次の項目を中心に議論した:GST-1の成果が締約国の次回のNDCs作成に、どれだけの情報を提供したかについての意見及び展望;文書草案または手順上の成果における特定要素への注目;このダイアログの将来。
EIG、オーストラリア、カナダ、ノルウェーは、年次ダイアログの継続を促し、AILAC及びAOSISとともに、知識交換及び実施を支援する重要なプラットフォームだと強調し、このダイアログに終了日を設けないことを支持した。アフリカン・グループ、アラブ・グループ、LMDCは、ダイアログの終了を希望、SB 62での終了を提案するものもいたが、他のものは、SB 64での会合後の終了を支持した。南アフリカは、このダイアログをGST-2と並行して行うべきでないと述べ、別なダイアログの必要性も検討するよう提案した。
少数の締約国は、前回のダイアログで指摘された特定要素を文書草案に記載するよう要請した、たとえば:各国のNDCsの国家決定という特性、及びパリ協定の構造の尊重を強調する;締約国によるNDCs作成において、GSTの成果からどれだけ情報を得たか;NDCsにおける適応の強化;1.5℃目標を達成可能で保持し、NDCの実施と野心のギャップに対応する;国際協力の強化。LMDCs、ロシア、アラブ・グループはこれらの記載に反対した。
最終決定:決定書(FCCC/PA/CMA/2025/L.6)において、CMAは:
- 2024年及び2025年のGSTダイアログのサマリー報告書、及び締約国及び非締約国利害関係者による情報、意見、展望の共有について、感謝とともに留意する;
- 締約国に対し、GSTの年次ダイアログに関するサマリー報告書に記載する学習事項、及びグッドプラクティスの活用を奨励する;
- GSTの年次ダイアログを、SB 64で終了すると決定し、さらに、GST-2の成果の審議では、このダイアログの再開も検討すると決定する。
決定書1/CMA.5のパラグラフ97に規定する、グローバルストックテイクの成果実施に関するダイアログ:このダイアログは、2023年に採択されたGST決定書(1/CMA.5)において設立された。SB 60において、締約国は、このダイアログの運用開始を議論し始めたが、予想される範囲については、意見が分かれた。一部のものは、ダイアログはGST決定書の資金セクションの中で設立されており、このため、資金に焦点を当てるべきだと強調した。他の多数のものは、資金だけでなく、GSTの全ての成果の実施を追跡するべきとの意見を表明した。COP 29及びSB 62で、締約国は、CMA議題書でのこの項目の置き場所について、資金関係とするか、GST関係とするか、議論した。
SBI及びCMA非公式協議は、Ricardo Marshall (バルバドス)及びPatrick Spicer (カナダ)を共同進行役として、開催され、ダイアログのモダリティ、特に、その範囲、タイムライン、アウトプットを議論した。このダイアログの予想範囲では、意見の不一致が継続、次のオプションが議論された:GST決定書の実施に関する機会、ギャップ、課題の特定;集団での進捗状況を審議し、全てのGST成果を実施する機会を明らかにする;パリ協定第9条1項、第9条5項、第9条7項の下での適切で譲渡型の資金の供与を高めることに関する、ギャップ、ニーズ、機会を特定する;国際協力強化のための機会、障壁、課題を検討する;GST-1決定書の実施を、国家決定の形で行う機会を特定し、支援する。
LMDCsは、オプションの中にはGSTのマンデートと重複するものがあり、ダイアログの資金の枠づけから逸脱しているとして、懸念を表明、ダイアログによる、適切かつ譲渡型の資金供与を推進する上での、ギャップ、ニーズ、機会の特定を支持した。AOSISは、GST-1は経路修正の分野を特定するとし、その成果について行動する必要があると強調、2028年までのダイアログ継続を支持し、アウトプットとしてサマリー報告書及び決定書の作成を支持した。
最終決定:決定書(FCCC/PA/CMA/2025/L.6)において、CMAは:
- GST成果実施のダイアログは、国際協力の精神で行われ、促進的で非規範的であり、国家の決定を尊重し、各国の異なる状況、経路、アプローチを尊重することで合意する;
- このダイアログは、GST-1の成果実施において、機会や課題、障壁、ニーズに関する経験や情報の交換を推進する、これには資金、キャパシティ・ビルディング、技術開発と移転の提供、さらには国際協力の強化も含まれると決定する;
- このダイアログは、SB議長らが、事務局の支援を得て、効率的かつ効果的に開催すると決定する;
- SB議長らに対し、締約国と協議し、ジェンダー・バランスを考えて、2名の共同進行役を任命するよう要請する;
- このダイアログは、2026年と2027年、以後は終了するまで、SBsの6月の会合に合わせ、毎年開催されると決定する;
- このダイアログの題目に関する意見提出を招請する;
- ダイアログの共同進行役に対し、GST-2へのインプットとなる予定の、ダイアログの各回に関し、事実に基づく、非規範的なサマリー報告書を作成するよう要請する;
- このダイアログの一環として、CMA 9では、ハイレベル閣僚級ラウンドテーブルを招集すると決定する。
報告作成
附属書I締約国の隔年報告書のとりまとめ及び統合:開会プレナリーで、SBIは、この項目の保留で合意した。
附属書I締約国の国別GHGインベントリ・データ報告書:SBI開会プレナリーで、SBI議長のJulia Gardiner (オーストラリア)は、この報告書に留意することを提案した。ウクライナは、ロシアの提出文書には、非合法に占拠されたウクライナの領土のデータが含まれていると指摘し、以前にならい、クリミア及びセバストポリの占拠に関する国連総会(UNGA)の2014年の決議68/262 に言及する脚注を入れるよう求め、さらにウクライナのドネツク、ケルソン、ルハンスク、ザポリージャ地域の非合法の軍事占領を認識する2022年のUNGA決議11/1 及び 11/4 への言及を提案した。その一方で、ウクライナは、この問題の審議を、SBI 64まで延期するよう提案し、SBIも同意した。
附属書I締約国のGHGインベントリーの技術的レビュー:開会プレナリーで、SBSTAは、報告書(FCCC/SBSTA/2025/INF.2)に留意した。
非附属書I締約国の国別報告書記載の情報:SBIは、この項目を保留することで合意した。
非附属書I締約国に対する資金援助及び技術支援の提供:条約の下での開発途上国による計測、報告、検証制度の実施に対する支援供与に関する議題項目。Ole-Kenneth Nielsen (デンマーク)及びSandra Motshwanedi (南アフリカ)を共同進行役とするSBI非公式協議で審議した。
最終決定: 結論書(FCCC/SBI/2025/L.13/Rev.1)において、SBIは:
- 非附属書I締約国の国別報告書作成に対する支援供与では、GEFによる定期的なレビュー及び報告の継続が重要であると強調する;
- 条約の下での会議報告書作成要求では、継続性を推進し、維持するための支援が重要であり、さらに国内の能力を、持続可能かつ継続的に構築し、強化することが重要であると強調し、国別報告書を作成し、提出するという義務は継続すると指摘する;
- 事務局に対し、他のものと協力し、非附属書I締約国による条約の下での報告作成に対し、技術支援の追加を要請する;
- SBI 64において、この項目の審議を続けることで合意する。
非附属書I締約国の隔年更新報告書の技術分析に関するサマリー報告書:開会プレナリーで、SBIは、最終報告書に留意した。
専門家諮問グループ(CGE)の任期、構成、委託条件、報告書:CGEは、開発途上国の国別報告書の完成を支援する。CGEの委託条件は、前回、COP 26において、レビューされ(決定書14/CP.26)、CGEは、これに基づき、2022–2026年の作業プログラムを策定した。SBI 62は、2026年以後の任期延長、CGEの構成、委託条件について、条約及びパリ協定の下での報告作成に関する開発途上国のキャパシティ・ビルディングを考え、CGEの審議を開始した。この項目は、Hans Kolshus (ノルウェー)及びTian Wang (中国)を共同進行役とし、SBI及びCOPで協議した。
SBI閉会プレナリーで、アフリカン・グループは、CGEの活動遂行のため、適正な資金を確保するよう求め、資金的な制約は、CGEによる2025年の定期地域訓練ワークショップの実施を危うくすると指摘した。
最終決定: 結論書(FCCC/SBI/2025/L.18)において、SBIは:
- CGEは、資金的な制約で、2025年の第2回会合を開催できず、進捗状況報告書を作成できなかったとして、懸念を表明し、CGEを支える適切な資金の確保が重要だと強調した;
- CGEメンバーの欠員に懸念を表明し、締約国に対し、可能な限り早期の、候補者名提出を促す;
- LDCs及びSIDSなど、能力に限界のある開発途上国は、ETFの下での報告作成要求を満たすため、課題に直面していると認識する;
- requests the CGEに対し、2026年では、国別報告書、隔年更新報告書、BTRsの作成における問題及び学習事項に関するテクニカルペーパーを更新する、さらには気候変動の影響及び適応に関する報告作成情報のCGE訓練資料を更新するなど、CGE作業計画の中の助言及び支援の提供に関わる活動を、数件行うことを検討するよう要請する。
決定書(FCCC/CP/2025/L.2)において、COPは、CGEの任期、公正、委託条件の改定で合意し、さらに:
- CGEの任期継続を決定し、地域グループ指名の27名で構成され、それには次を含めると決定する:アジア太平洋地域、アフリカ地域、中南米カリブ海地域から3名、加えて、6名を、これら地域の非附属書I締約国間で均等に割り当てる;東欧地域から1名、東欧の非附属書I締約国から1名;附属書I締約国から2名;
- SBI 78 (2033年)に対し、CGEの構成、及び委託条件の審議を開始し、決定書草案を作成、COP 38 (2033年)の審議にかけるよう要請する。
COPは、CGEのマンデートを改訂し、CGEは次を行うと決定する:
- 事務局の助力を得て、訓練プログラムの修了、及び技術専門家レビューへの参加増のため、開発途上国を支援する;
- 目標を絞ったアウトリーチ及び訓練イニシアティブを通し、適格な技術専門家、特にレビュワーの人数を増やすため、可能な限りの努力をするべき;
- 開発途上国による、確固とした持続可能な報告作成システムの設立、開発、強化のための努力に対し、可能な限りの技術的助言及び支援を提供するべき;
- 4年ごとに作業プログラムを策定し、2026年の第1回会議から、年次作業計画の策定を開始し、年次報告書において、当該作業プログラム実施の進捗状況に関する情報を提供する、これには資源の制約に関する情報も含める。
決定書(FCCC/PA/CMA/2025/L.2)において、CMAは、COP決定書に留意し、CGEは引き続きパリ協定での役割を果たしていくと決定する。
京都議定書の下での国際取引ログ(ITL)の事務管理者の報告:ITLは、京都議定書の下での排出量取引メカニズムに関する事務局のシステムとレジストリをリンク付けし、取引の正確な計算及び検証を確保し、京都議定書でのレビュー及び順守プロセスをサポートする。
最終決定:CMPは、2025年の報告書(FCCC/KP/CMP/2025/5)に留意する。さらに京都議定書第7条4項の下でのレジストリ・システムに関係するガイダンスの決定書を採択した。
決定書(FCCC/SBI/2025/L.12)において、CMPは:
- 京都議定書ユニットの取引の件数は、右下がりで減少しており、京都議定書ユニットの取引を登録する国内レジストリの維持には、相当なコストがかかると指摘する;
- ITLの運用は、2026年3月31日をもって停止すると決定し、事務局に対し、この日付をもって、国内レジストリを含める全レジストリへの締約国のアクセスを取り消すよう要請する;
- ITL事務管理者の役割は、その機能を含め、2026年9月30日で終了すると決定する。
附属書I締約国の国別報告書:開会プレナリーで、CMPは、SB 61でのこの議題項目の審議以後に受理した国別報告書に留意した。
開発途上国によるパリ協定の下での報告及びレビューに対する、資金援助及び技術支援の提供:この議題項目では、ETFの実施で、開発途上国が直面する課題への対応方法を中心に議論した。SBI及びCMAの下、Ole-Kenneth Nielsen (デンマーク)及びSandra Motshwanedi (南アフリカ)を共同進行役とする非公式協議が開催され、主に、開発途上国でのETFの実施、タイムライン、構造をサポートする活動を中心に議論した。CMA非公式協議で、共同進行役らは、将来の支援活動の可能性では、進捗があったと指摘し、そのような活動の必要性で意見が一致した。締約国は、これらの活動に対する長期的なガイダンスの提供についても議論した。
最終決定:決定書(FCCC/PA/CMA/2025/L.7)において、CMAは、事務局に対し、CGE及び他の関連機関及びパートナーと協力し、次の2026-2028年の活動を策定し、実施するよう要請した:
- 決定書18/CMA.5 及び 21/CMA.6 aで義務化された活動の実施における便益、成果及び学習事項について、締約国から情報を収集し、報告書を作成して、SBI 64での審議にかける;
- 第13条の実施における経験及び課題に関する文書を、SBIの毎年6月の会合までに、提出するよう招請し、統合報告書を作成する、これには次を含める:BTRsの作成;制度アレンジの設置;GHGの予測;データ管理ツール;BTRs作成用のプロジェクト管理ツール;利害関係者の参画;必要な支援及び受理した支援の追跡;ETFのモダリティ、手順、ガイドラインの手引き;
- SBIの6月会合において、毎年、世界カフェ・ワークショップを開催し、報告書を審議し、GEF及びその実施組織とのダイアログを開催し、サマリー報告書を作成して、その年の第2回のSBI会合に提出する;
- ETFの実施における経験、ベストプラクティス、学習事項、課題に関する地域ワークショップを、対面式及びバーチャル方式の両方で開催し、サマリー報告書を作成し、その年のSBIの第2定期会合に提起する;
- SBIの第2定期会合において、全活動の成果を議論する世界カフェ・ワークショップを開催し、翌年の会合サイクルに情報を提供する。
- さらに、CMAは:
- SBI 65及びSBI 67に対し、合意された活動に基づく、提出文書及び報告書の審議を行い、翌年の会合サイクルにおいて、これらの活動の範囲及び効果性を最大限にする方法について、事務局にガイダンスを与えるよう要請する;
- CGE及び関連の組織に対し、統合報告書記載の課題に対応するキャパシティ・ビルディングの目的で、技術支援の提供を進めるよう招請する;
- SBI 68に対し、活動成果を審議し、この問題に関する決定書草案を推奨し、CMA 10での審議及び採択にかけるよう要請する。
技術
技術執行委員会及び気候技術センター・ネットワークの合同年次報告書:この議題項目では、TEC及びCTCNの合同年次報告書(FCCC/SB/2025/6)を審議し、Elfriede More (オーストリア)及びAngelica Romero (チリ)を共同進行役とする非公式協議が開催された。
最終決定:SBSTA閉会プレナリーで、SBSTA議長のAyebareは、この議題項目について、締約国の意見は一致しなかったとし、手順規則書草案の規則10(c)項及び16項に則り、SBSTA 64の議題に入れると述べた。G-77/中国は、SB 64での審議継続を提案したが、同意を得られなかった。
COP/CMAの閉会プレナリーで、チリは、G-77/中国の支持を得て、COP及びCMAから、SB 64に対し、この議題項目の審議継続を要請するよう提案し、COP及びCMAは、この提案に同意した。
気候技術センターの機能のレビュー:COP 29及びCMA 6は、CTCの機能をレビューすると決定し、CTCの任期延長も議論すると決定、SB 62で議論を開始し、SB 63に文書草案が送致された。
SBIでは、Duduzile Nhlengethwa-Masina (Eスワティニ)及びStig Svenningsen (ノルウェー)の指導で議論が進められ、COP/CMAでは、Tosi Mpanu Mpanu (コンゴ民主共和国)及びMattias Frumerie (スウェーデン)が議論を主導、改定された機能及びホストの必要条件を議論した。CTCへのサポートでは意見が分かれ、非公式な非公式協議の議論に回された。
COP/CMA閉会プレナリーで、パキスタンは、CTCNのマンデート強化と長期のホスト枠組を歓迎した。
最終決定: 決定書において、COP (FCCC/CP/2025/L.6)及びCMA (FCCC/PA/CMA/2025/L.4)は:
- CTCの期限を2041年末までに延長すると決定し、第1期は5年とし、その後、第3者レビューで決定された、ホスト組織によるCTCの機能の順守状況、及びCTCNホストの役割及び責任の順守状況により、COPが決定する場合は、5年の期限を2回更新することと決定する;
- CTCの期限及び機能の次回のレビューは、SBI 90 (2039年)に開始することとし、COP 45 (2040年)での決定書の採択を目指すことと決定する;
- CTCの新しいホストを選出するプロセスは、SBI 63での結論を受け、開始されることとし、国連の実施方法及び基準に基づき、オープンで、透明、地理的にバランスがとれ、公平で中立の形で行われると決定する;
- 事務局招集の評価パネルに対し、CTCのホスト申請案を合意された基準に基づき評価し、評価報告書を作成して、SB 64での審議に回すよう招請する;
- SBI 64に対し、CTC事務局のホストに関する評価報告書に基づき、新しいホストに関する決定書草案を推奨し、 COP 31での審議及び採択にかけるよう要請する、さらにCOP、CMP、CMAとホスト間の覚書の要素も推奨するよう要請する;
- 事務局に対し、SBI 64が推奨したホスト国との覚書草案を作成し、SBI 65での審議にかけ、COP 31での採択に回すよう要請する;
- CTCの延長期間においては、改定された機能に応える支援を供与することが重要だと強調する。
COP及びCMAは、下記のとおり、CTCの機能を改訂することで合意する:
- パイロットプロジェクト、実証プロジェクト、普及プロジェクトの遂行、さらには可能にする環境を構築することで、気候技術の展開をサポートする;
- 先住民及び国内の技術開発能力及びイノベーションを育成する国内システムをサポートする;
- 開発途上国締約国のニーズに応える技術の、開発途上国での開発、展開、普及に向け、速やかな行動を推進する;
- 国家認定組織に対し、技術的、ロジスティック上の支援を提供する;
- 該当するガイドライン及び基準に則り、緩和及び適応の既存の技術の利用、展開、資金調達を可能にするプロジェクト案の作成を支援する;
- 技術開発及び移転の要請に応えるため、多国間の組織化されたアプローチを活用する;
- 資金メカニズム、適応基金、構成組織の運営機関と協力する;
- 国家認定組織と協力し、CTCのモニタリング及び評価枠組の一環として提供された、技術支援の成果及び長期の影響を評価する。
COP及びCMAは、次をホスト評価の基準とすることで合意する:
- CTCの事務局に対し、効率的かつ迅速にサービスを提供する能力を有する組織、または組織グループである;
- 全ての地域の開発途上国に対し、サポートを提供できる能力を実証した;
- 必要な人数をそろえ、管理する能力を有する;
- 各国の国家認定組織に対し、技術支援及びロジスティック支援のための資金を供与する能力を有する;
- 資金管理、監査機能、報告機能を有し、確固とした会計システムを持ち、国際基準に合う健全な資金システムを有し、資金の正確かつ公正な管理及び支払いを行えるという受託者としての実績を持つ;
- 顕著な資金調達能力を実証し、資金的な安定性及び持続可能性の実績を実証した;
- CTCが改定された機能を発揮できるようにするための、技術の開発及び移転での経験及び専門知識を実証した。
技術メカニズム及び資金メカニズムのリンケージ:この議題項目は、SB 60で提起され、技術メカニズムと資金メカニズムとのリンケージ、協調、協力の審議を継続してきた。
SBIの下、Céline Phillips (フランス)及びEdalmi Pinelo (ベリーズ)の主導で、交渉が行われ、TEC及びCTCのためのGEF基金及びGCF基金からの資金供与を歓迎することでは合意したが、GCFが、年次報告書の中に、COPのマンデートに対応する必要性を記載するかどうかでは意見が分かれた。結局、この文書で合意に至ることはなかった。
最終決定: SBI閉会プレナリーで、SBI議長のGardinerは、この問題で合意がなかったことから、手順規則書草案の規則10(c)項及び16項に則り、この項目を、SBI 64の議題に入れると指摘した。COP閉会プレナリーで、チリは、G-77/中国の支持を得て、COPが、SBIに対し、この議題項目の審議継続を要請することを提案した。COPはこの提案に同意した。
技術実施プログラム(TIP):この新規のプログラムは、GST決定書(1/CMA.5)で設置された。CMA 6は、TIPの精緻化プロセス立ち上げを決定、CMA 7では、さらなる精緻化を目指した。SBI及びCMAの下、Omar Alcock (ジャマイカ)及びElfriede More (オーストリア)の主導で議論した。
主に、TIPのマンデート、目的、特性、統治モダリティ、タイムラインを議論したが、次の点で意見が対立した:TIPをパリ協定の下でのみ機能するものにするか、それとも条約の下でも機能するものにするか。EU、英国、オーストラリア、カナダは前者を支持し、アラブ・グループ、アフリカン・グループ、インド、中国は後者を支持した。1.5℃目標への言及でも意見が分かれ、英国、EU、カナダ、日本は言及を支持したが、アラブ・グループ及び中国は、反対した。
第2週の閣僚協議では、次の項目に焦点があてられた:条約への言及;GSTの成果;UTMs及び知的財産権の体制;TIPへの資金支援。技術的な協議では、マンデート、目的、原則、構成、及びモダリティに焦点があてられた。EU、アフリカン・グループ、AILAC、AOSIS、英国、ノルウェーは、1.5℃目標をTIPの指導原則にするよう要請したが、アラブ・グループ及び中国は、反対した。このほか、次の点でも意見対立が見られた: to: ways to ensure the TIPが技術メカニズムを補足することを確保する方法;実現モダリティとしてのダイアログ;CMA決定書が他の組織及び団体にガイダンスを提供する可能性、これはG-77/中国が支持したが、EU、英国、カナダ、日本は反対した。
COP/CMA閉会プレナリーで、パキスタンは、TIPはまだ課題の規模に見合ったものになっていないとして懸念を表明した。
最終決定: 決定書(FCCC/PA/CMA/2025/L.18)において、CMAは:
- TIPの下での作業は、気温上昇を産業革命前比1.5℃までにとどめる努力に必要な緊急行動に寄与すると決定する;
- TIPは、締約国による、NDCs、NAPs、長期の低排出量開発戦略の実施をサポートするとし、GSTの実施に重要な役割を果たすことでも合意する。
CMAは、TIPが次を行うことを決定する:
- 開発途上国の国情に合わせ、その技術的な優先策に基づくこととし、先住民の知識及び能力、さらには国内の技術を活用する;
- ジェンダーに対応し、ジェンダーの平等を高め、女性のエンパワーメントを図り、子供、若者、障碍者、地方コミュニティの固有のニーズを認識する;
- 開発途上国に対する、資金的、技術的、キャパシティ・ビルディングの支援の利用可能性を高め、これらの支援へのアクセスを推進し、LDCs、SIDS、その他、気候変動の悪影響に特に脆弱な開発途上国の、特別な状況及び特有のニーズを認識する;
- 技術移転に関するポズナニ戦略プログラムの評価報告書を考慮し、CTCの第3者によるレビューの結論も考慮に入れる。
CMAは、TIPには次の要素も含めることを決定する:
- 開発途上国の技術的な優先策実施では、技術サイクルの各段階で直面する課題に対応し、さらに技術メカニズムの第1回定期評価で明らかとなった課題にも対応する;
- 技術の展開及び普及のため、国内のイノベーション・システムを強化し、可能にする環境を築き、研究、開発、実証から得た情報は、技術の効果ある実施に活用する;
- 開発途上国に対し支援を提供し、これら諸国が、気候技術の優先策を、国内の政策、プログラム、プロジェクトに統合できるようにする;
- プロジェクトのコンセプトノート作成の能力を構築し、パートナーシップ及び仲介制度を推進し、関連する組織の資源及び専門性の強化により、気候技術の実施をサポートする;
- パリ協定の実施支援に向け、技術メカニズムへの支援を強化するべく、資金的及びそれ以外の資源を動員する。
CMAは、さらに:
- TEC及びCTCに対し、2027年以後の各年、SBIの最初の会合で、会合期間中グローバル・ダイアログを招集するよう要請し、TECで議論するべき、ダイアログの題目に関し、文書提出を招請する:
- TECに対し、会合期間中グローバル・ダイアログのサマリー報告書を作成し、各年度の年次報告書に記載し、CMAに提出するよう要請する;
- CMA 10において、技術開発及び移転に関するハイレベル閣僚級ダイアログを開催すると決定する;
- CTCに対し、資源が利用可能な場合は、2027年から、TECと協力し、関心のあるパートナーの支援を得て、国家認定組織のための地域フォーラムに合わせ、地域ダイアログを招集するよう要請する;
- 資金メカニズム及び適応基金の運営組織に対し、それぞれのマンデートの範囲内で、TIPの実施を支援するよう招請する;
- TEC及びCTCNに対し、TIPの実施に対する資金支援及び他の形の支援を確保するため、協力の機会を明らかにするよう要請する;
- TIPの実施は、CMA 7後、直ちに開始され、CMA 16 (2034年)でレビューして、その継続の可否を決定するが、その場合、GST-3の成果を考慮すると決定する;
- TIP実施の進捗状況及び成果は、TEC及びCTCNの合同年次報告書の中で、毎年報告されることとし、この情報は、技術メカニズムの定期的な評価、及びGSTにインプットする情報の役割を持ち、透明性あるモニタリング手法論及び評価手法論を用いて評価されると決定する。
その他の問題
公正な移行作業プログラム(JTWP):CMA 4は、気候の危機に対する持続可能かつ公正な解決策は、有意義で効果ある社会的なダイアログ及び全ての利害関係者の参加に基づかなければならないと認識し、さらに、低排出量への世界的な移行は、持続可能な経済開発及び貧困撲滅の機会を与えるとの認識に基づき、このJTWPを設置した。JTWPは、エネルギー、社会経済、労働力などの側面を含める、公正かつ公平な移行経路を議論するため、ダイアログを開催し、さらにハイレベル閣僚級イベントを毎年開催する。
ベレンでは、SBI 62からの非公式ノートをベースに議論し、SBI及びCMAのコンタクトグループでは、Federica Fricano (イタリア)及びJoseph Teo (シンガポール)が共同議長を務めた。共同議長提案の3つの問題の「バケツ」―制度アレンジ、JTWPの概念の説明、UTMs―が、議論の中心となった。
制度アレンジに関し、G-77/中国は、多数のオブザーバーなどの支持を得て、公正な移行を支援する恒久的な制度として、メカニズムの設置を提案した。EUは、時間的な制限を設けた、公正な移行行動計画を提起した。
UTMsに関しては、国家決定の気候行動と世界的な影響のバランスをめぐり、活発な議論が行われ、多数の開発途上国、特にLMDCsは、EUのカーボン国境調整メカニズム(CBAM)、他の同様な政策を指摘した。JTWPの概念に関し、締約国は、第3回のダイアログ(適応)、及び第4回のダイアログ(エネルギー転換)からの学習事項の統合を議論したが、「化石燃料からの離脱の表現では、意見が分かれた。アラブ・グループ及びLMDCsは、エネルギー安全保障への脅威であり、貧困からの脱出を妨げるとの見方を示した。EIG、EU、マーシャル諸島、AILAC、ニュージーランドは、エネルギーの脱炭素化を求め、化石燃料補助金の段階的廃止を主張した。このほか、次の項目が提起された:信頼でき、公正な鉱物資源のサプライチェーンの多角化と確保;労働者の権利、スキルアップ及びリスキル、社会的な保護;先住民の事前の同意及び自主的な孤立の権利。
第2週では、コンタクトグループでの交渉に加え、閣僚級協議も行われた。コンタクトグループの最終会合では、閣僚級協議に送る文書の完成を試みたが、多数の締約国が、ジェンダーに関する脚注の挿入に反対した。G-77/中国は、UTMsの審議を求め、LMDCs、アラブ・グループ、ロシアは、UTMsの拒絶を求め、JTWPでのUTMsの審議を提案した。先進国は、これに反対し、EUは、JTWPでUTMsを議論する場合は、クリーンな技術及びエネルギーに不可欠な原材料の輸出規制を議論するよう提案した。
CMAの閉会プレナリーで、アルゼンチンは、先住民の権利は国内法及び国家の主権に照らし合わせて解釈されるべきだと述べ、自然資源における国家の主権の原則を強調した。議長のCorrêa do Lagoは、各国のステートメントは会議報告書に記載されると指摘した。
最終決定:決定書(FCCC/PA/CMA/2025/L.14)において、CMAは:
- 世界の気温上昇を1.5℃以内にとどめるための努力の追求と、公正な移行経路の追求との間には、本質的な結びつきがあると強調する;
- JTWPは政策規範的ではないと確認し、公正な移行経路の追求では、各国の異なる国情及び能力を反映し、総合的で統合されたアプローチをとるよう奨励する;
- JTWPに対し、決定書1/CMA.5のパラグラフ186の招請に沿い、公正な移行に関連するGST-1の成果を統合するよう招請する;
- JTWPの概念においては、条約及びパリ協定の内外の関連の作業成果を生かし、公正な移行経路を策定し、実施することが有益であると認識する;
- キャパシティ・ビルディング、気候資金、技術開発及び移転などのMoI、さらには国際協力の強化は、開発途上国の持続可能な開発及び貧困撲滅を促進する、公正な移行経路を追及する努力には、不可欠であると強調し、高額な負債負担及び財政的な余裕のなさは、そのような努力の妨げになると指摘する;
- 新規の、及び追加的な、グラントベースの、譲渡的な資金の規模拡大、及び負債なしの制度は、開発途上国を支援するうえで、きわめて重要であることを想起する;
- 事務局に対し、JTWPの実施を支援するため、条約及びパリ協定、並びに国連の関連組織における、関連の制度、イニシアティブ、プロセスの位置づけを行うよう要請する;
- 公正な移行メカニズムを作成すると決定し、その目的は国際協力、技術支援、キャパシティ・ビルディング、知識の共有を進め、公平で参加性の高い公正な移行を可能にすることであると決定し、このメカニズムは、条約及びパリ協定の下での関連のワークストリームに基づき構築し、これを補う形で、実施されると指摘し、SB 64に対し、この運用化プロセスに関する決定書草案を推奨して、CMA 8での審議に回すよう要請する;
- 締約国及び非締約国利害関係者に対し、公正な移行メカニズムの策定プロセスに関する意見書を提出するよう招請する;
- SB 64に対し、JTWPの効果性、効率、改善されたモダリティをレビューするための、委託条件を策定し、CMA 8の審議にかけるよう要請し、さらにCMA 8では、JTWPの継続の可否も決定するよう要請する。
CMAは、ダイアログに基づき、次を認識する:
- 衡平及びCBDR-RCの原則は、公正な移行努力の指導原則である;
- 公正な移行を達成するには、多数の利害関係者が参加し、人々中心で、ボトムアップ、社会全体の手法が必要である;
- 公正な移行経路を効果的、効率的、参加性が高いものにするには、全ての利害関係者、すなわち移行の影響を受ける労働者、非公式労働者、脆弱な状況にある人々、先住民、地方コミュニティ、移民及び国内の移動者、アフリカ出身者、女性、子供、若者、高齢者、障碍者などが、広範かつ意味のある参加を確保することが重要;
- 公正な移行は、多部門で多様な側面を有する特性があり、民間部門も参加する全経済的アプローチを必要とする;
- 公正な移行を確保するには、教育システム及び技能の開発、労働者の権利及び社会保護システムが重要、さらに、非公式部門、ケアの経済、失業者及び将来の労働者への配慮も重要である;
- 公正な移行経路は、全ての人権、労働権、クリーンで健康的かつ持続可能な環境の権利、健康の権利、先住民やアフリカ出身者、そして地方コミュニティ、移民、子供、障碍者、脆弱な状況にある人々の権利、開発権、ジェンダーの平等、女性のエンパワーメント、世代間の平等を、尊重し、促進し、満たすことが重要;
- 先住民の権利の重要性、並びに、先住民から、UNDRIPに則った、自由で、事前の、かつ情報を得た同意を得ることが重要、さらには、全ての公正な移行経路は、国際的に認められた、先住民の集団での権利及び個人の権利を尊重し、促進することが重要であり、関連する国際的な人権制度及び原則に則り、先住民による自主的な隔離及びイニシャル・コンタクトの権利を認め、これを保護することが重要;
- 国家が決定する公正な移行経路では、ユニバーサルで、安価、信頼性のあるエネルギーへのアクセスが、肝要であり、特にエネルギーの貧困への対応が重要である;
- 全てのものが、クリーンで信頼性があり、安価で持続可能なエネルギーへのアクセスできるようにすることが重要、これには、再生可能エネルギーの展開規模を拡大し、クリーンな調理用エネルギーへのアクセスを提供することが含まれ、さらに、そのような努力でエネルギー安全保障を促進する、他方、エネルギーの移行は、各国の国情により異なることを認める;
- クリーンな調理へのアクセスを規模拡大する必要性を認め、これはジェンダーの平等や健康、環境、暮らしにおいて、有益であると強調する;
- 低炭素経済へのエネルギーの移行には、社会経済的なリスク及び機会が含まれる可能性がある;
- 再生可能エネルギー技術、エネルギー効率向上策など、ゼロカーボン技術及び低カーボン技術は、費用効果性、規模拡大可能性、及び展開可能性を急速に高めている;
- 国家決定の公正な移行の実施を進めるには、資金、技術、キャパシティ・ビルディングの支援を進める、国際協力の強化が重要である。
条約,京都議定書、パリ協定の下での対応措置実施の影響に関するフォーラムの問題:Di対応措置実施の影響に関する専門家のカトヴィツェ委員会(KCI)の年次報告書、及び対応措置実施の影響に関する2025年グローバル・ダイアログからの情報を得て、議論した。SBsでは、Veronica Bagi (ハンガリー)及びZita Wilks (ガボン)が議論を主導し、COP/CMP/CMAでは、Veronica Bagi (ハンガリー)及びDian Black-Lyne (アンティグアバーブーダ)が議論を主導した。
議論の中心は、フォーラムの作業計画及び活動であった。共同便益への言及に関し、カナダは、英国の支持を得て、対応措置のプラスの影響を最大限にし、マイナスの影響を最小化することが目標だと述べ、これはパリ協定の目標達成に向けた政策を評価する上で、不可欠だと指摘した。中国は、反対し、開発途上国にとり、プラスの影響は問題にならないが、マイナスの影響は損害やコストを意味するため問題だと述べた。
最終決定:決定書(FCCC/CP/2025/L.9–FCCC/PA/CMA/2025/L.9, FCCC/KP/CMP/2025/L.6)において、COP、CMA、CMPは、SB 64及びSB 65でのフォーランクで行われる活動の概要を示し、さらに:
- 各年度のSBの第2期会合におけるフォーラムでは、活動計画を決定するが、それは、作業計画に規定する17の活動を5か年の作業計画期間中に、均等に分けて行うこととする;
- フォーラム及びKCIに対し、2028-2030年の作業計画を実施し、統治組織に提案するよう要請する;
- 対応措置実施の影響に関するグローバル・ダイアログを、2026年から2029年まで毎年2日間開催すると決定する;
- グローバルだ・ダイアログの題目を推奨する文書の提出を招請する。
COP、CMA、CMPは、次のフォーラムの推奨案を採択した:
- 締約国に対し、気候計画の策定プロセスでは、対応措置実施の影響への配慮を、主流化するよう奨励する;
- 締約国に対し、知識交換、ピア・ラーニング、キャパシティ・ビルディングを可能にする、国際協力、地域協力、及び南―南協力を促進し、それにより、締約国による野心的な緩和行動の実施をサポートし、対応措置実施のプラスの影響を最大限にし、マイナスの影響を最小限にするよう奨励する;
- KCI及びCGEに対し、対応措置実施の影響に関する報告を作成する締約国の能力を強化する方法を探るため、協力するよう要請する。
京都議定書遵守委員会の報告:委員会は、京都議定書の下でのコミットメントの順守を推進し、促進し、強化する役割を果たす。締約国は、CMPコンタクトグループを開催、共同議長は、Diane Tan (シンガポール)及びIne De Meyer (ベルギー)が務めた。委員会の年次報告書及び委員会の将来について議論した。EUは、CDMの段階的廃止を指摘、この委員会の会合を開催する必要はないと述べた。中国及びサウジアラビアは、将来も委員会の会合を開催するとのオプションの保持を希望、サウジアラビアは、京都議定書の機能マヒに警告した。
最終決定: 決定書(FCCC/KP/CMP/2025/L.1)において、CMPは、同委員会の2025年報告書に留意し、CMP 21で委員会の将来の審議を継続すると決定する。
実施推進及び遵守促進のパリ協定委員会の問題:委員会は、パリ協定の条項を、敵対的でなく、懲罰的でない形で実施し、遵守する役割を果たす。
最終決定:開会プレナリーで、CMAは、委員会の第6回年次報告書(FCCC/PA/CMA/2025/9)に留意した。
ジェンダー:COP 20は、気候政策及び行動をジェンダーに対応させる目的で、ジェンダー・バランスを進め、締約国及び事務局の作業にジェンダーへの配慮を取り入れるためのリマ作業プログラムを設置した。第1次ジェンダー行動計画(GAP)は、COP 23で策定され、COP 25では、強化されたリマ作業プログラム及びそのGAPが採択された。COP 29では、, 作業プログラムの十年延長と新しいGAPの策定が決定された。
ベレンでは、ジェンダー構成に関する2025年報告書及びジェンダー対応型の気候政策、計画、戦略、行動の実施に関する統合報告書から情報を得て議論した。SBI及びCOPでの議論は、Carol Franco (ドミニカ共和国)及びJared Huntley (オーストラリア)が主導した。
締約国は、次の5つの優先分野での活動を記載する決定書草案に関し、意見交換を行った:キャパシティ・ビルディング、知識管理、コミュニケーション、ジェンダー・バランス、参加、女性のリーダーシップ;一貫性;ジェンダー対応型の実施及びMoI;モニタリング及び報告。締約国は、次の項目など作業の優先度を明らかにした:指導的立場に立つ女性に関するモニタリング及び報告作成;事務局のスタッフ間での活動に関する知識交換を奨励する;他の国連組織及びプロセスとのシナジーを強化するための活動の実施を支援する努力について、情報を共有する。
閉会プレナリーで、SBIは、この問題をCOP 30に回すことで合意した。ロシアは、文書草案には、全ての締約国の意見を適切に反映していないと述べた。EUは、合意された表現に戻ることは受け入れられないと強調した。
COPでは、新しいGAPの下での活動について議論した。情報を年齢及びジェンダー別にすることに関し、ロシアは、「性別及びジェンダー別」の情報という表現を希望したが、EU、英国、AOSISは反対し、合意済みの表現の保持を求めた。
国内の気候変動政策におけるジェンダーの主流化に向けた、各国政府及び他の利害関係者の能力向上努力に関し、イランは、各国の国情への配慮を求め、ジェンダー対応型予算編成という表現を括弧書きにするよう求めた。キャパシティ・ビルディングに関し、AOSISは、各国のジェンダー窓口及び気候変動窓口に対し、定期的な訓練を行う必要があると強調した。インドネシアは、生殖面の健康及び権利への対応を主張したが、アラブ・グループは、反対し、その削除を要請した。ネパールは、無報酬のケア労働を議論するよう提案した。
COP閉会プレナリーで、HOLY SEEは、ジェンダーとは、女性及び男性という生物的な性別を意味するべきと述べた。インドネシアは、GAPは大きな成果と言えるが、性別及び年齢別のデータは、自国の政策とは相容れないと述べた。アルゼンチンは、ジェンダーは男性及び女性を意味するというのが自国の理解だと述べた。パラグアイは、自国の憲法上、男性及び女性を意味すると述べた。ロシアは、GAPの実施は各国の国内法及び優先策に合わせるべきだと強調し、各国の宗教、文化、倫理にまつわる価値観に配慮するべきだと述べた。さらに、家族、母性、父性、子供時代、結婚の重要性を強調した。ツバルは、あらゆる解釈を含め、この決定書を歓迎すると述べた。
最終決定:決定書(FCCC/CP/2025/L.16)において、COPは:
- 026–2034年の新しいGAPを採択する;
- 新しいGAP実施のレビューは、強化されたリマ作業プログラムの実施のレビューに合わせて行うと決定し、SBIに対し、このレビューをSBI71で終了し、決定書を作成して、COP 34の審議にかけるよう要請する;
- GAPは、気候行動の実施ツールとして、締約国に情報を提供する可能性があり、その経路及びアプローチは国家決定であるべきだと認識する;
- 気候行動に資金を拠出する官民の組織におけるジェンダー政策に留意し、これらの組織に対し、GAPを考慮し、その実施を支援するよう招請する;
- 締約国、国連組織、UNFCCCの構成機関、実施組織、IPCC、他の利害関係者に対し、GAPの実施推進を招請する。
キャパシティ・ビルディング問題:SBI 62は、COP 29 で採択された委託条件(決定書 11/CP.29)に基づき、条約の下でのキャパシティ・ビルディング枠組の実施に関する第5回レビューを開始、京都議定書の下でのキャパシティ・ビルディング枠組の実施に関する第5回レビュー委託条件の策定に着手した。ベレンでは、SBIでの議論が行われ、Georg Borsting (ノルウェー)及びBinyam Yacob Gebreyes (エチオピア)が主導し、第5回レビューのほか、キャパシティ・ビルディングに関するパリ委員会(PCCB)の2025年技術的進捗報告書も議論した。
最終決定:SBI 62から送られたPCCBの儀9術的進捗報告書に関する決定書(FCCC/SBI/2025/L.19 and FCCC/SBI/2025/L.17)において、COP及びCMAは:
- PCCBの2025年技術的進捗報告書を歓迎し、記載される推奨案に留意し、さらに2025-2029年の作業計画を歓迎する;
- 条約及びパリ協定の実施において、開発途上国にはキャパシティ・ギャップ及びニーズが村債すると強調する。
決定書(FCCC/SBI/2025/L.15)において、CMPは第5回包括的レビューの委託条件を採択し、SBI 64に対し、これを開始して、SBI 65で終了し、決定書を提起して、CMP 21での採択にかけるよう要請する。SBIは、SB 64において、COPの下での第5回レビューの審議を継続し、決定書草案を提起して、COP 31での審議にかけることで合意する。
農業及び食糧安全保障に関する気候行動実施の共同作業:2017年、COP「農業に関するコロニビア共同作業」を設立、SBsにおいて農業関係問題を議論する場として、ワークショップ及び専門家会議を開催した。2022年、この制度をベースに、4年間の「農業及び食糧安全保障に関する気候行動実施の共同作業」を設置した。これには、構成組織が行った農業関連の作業に関し、事務局が毎年作成する統合報告書、ワークショップの開催、関連するプロジェクト及びイニシアティブに関する情報を共有するためのオンラインポータルの開発が含まれる。
この議題は、UnaMay Gordon (ベリーズ)及びClaudia Heidecke (ドイツ)を共同進行役とするSBの非公式協議で議論され、2025年のフォーラムに関するSCFの報告書が披露され、持続可能な食糧システム及び農業のための資金供与による気候行動及びレジリエンスの迅速化に焦点が当てられた。
最終決定:結論書(FCCC/SB/2025/L.5)において、SBsは:
- 「農業、食糧システム、食糧安全保障に関する報告書の審議、理解、協力の計画への統合」に関するワークショップの報告書における進捗を認識し、結論を出すにはさらなる時間が必要だと指摘した;
- 農業及び食糧安全保障の問題では、シャルムエルシェイク共同作業に則り、気候行動実施での協力強化が重要であると指摘する;
- SB 64での審議継続で合意する。
研究及び組織観測:条約は、締約国に対し、研究、組織観測、データ・アーカイブの開発の促進を求めており、これには、情報交換や、プログラム、ネットワーク、組織のサポートと開発、開発途上国のキャパシティ・ビルディングによるものも含める。
このSBSTAの議題項目では、地球観測システム(GCOS)、地球観測衛星委員会、気象衛星調整グループ、組織観測資金ファシリティ(SOFF)の最新情報を議論したほか、世界気象機関(WMO)の2025年気候状況報告書及びGHG Bulletin、さらには地球情報デー2025年情報ノートについても議論した。議論を主導したのは、Patricia Nyinguro (ケニア)及びFrank McGovern (アイルランド)であった。
主に、健全な科学の発展におけるIPCCの役割を指摘するかどうか、パリ協定の10年間の形が議論された。特に、2025年を記録上最も温暖な一年になろうとしているとの認識、開発途上国に対するSOFFからの資金供与拡大の検討、開発途上国からより多くの科学者及び知識人の参加を促進するというIPCCの努力を認めるかどうかが、議論された。
SBSTA閉会プレナリーで、チリ、オーストラリア、バングラデシュ、ニュージーランド、カナダ、英国、EUは、IPCCへの言及がないことに失望感を表明、記録上最も温暖な年、氷河の融解、二酸化炭素濃度が最高記録を示したことなどへの言及の無さにも失望した。ニュージーランドは、この「真実のCOP」でも科学について合意できないことを懸念した。
アラブ・グループは、開発途上国はSOFF及びGCFからの資金調達で課題に直面しており、この点への言及がないことを嘆き、オマーンの提案が先進国により拒否されたことを例として挙げた。イランは、開発途上国における観測システム及び科学能力を改善するための、資金供与の増額、及び資金アクセスの制限解除を求めた。
最終決定:結論書(FCCC/SBSTA/2025/L.8)において、SBSTAは:
- 2025年地球情報デーにおける、IPCCの第7次評価報告書サイクルに関する最新情報の発表を歓迎し、IPCCに対し、政策関連情報の提供継続を奨励する;
- 地球気候観測システムの最新情報に関するGCOSの報告を歓迎するとともに、懸念も指摘する;
- 地球の気候系を長期にわたり、一貫して、継続的かつ持続的に観測することが重要だと指摘し、GCOSなどの観測ネットワークを長期的に維持するための支援の減額を懸念し、既存のネットワークの継続性が脅かされているおと、及び地球観測衛星の将来の不確実性を懸念する;
- WMO GHG Bulletinに留意し、WMOの2025年地球気候状況報告書の更新を歓迎し、地球の気候系の状況を懸念する、さらに観測の強化の必要性、水圏及び雪氷圏のモニタリングにおけるギャップへの対応の必要性、熱帯、乾燥地域及び山岳地域などデータの空白地域への対応の必要性を指摘する;
- 極端な現象の予測、予報のサポート、及び早期警戒システムのサポートにおける、AIや機械学習などの技術イノベーションの役割を認める、さらに、そのような技術の活用における課題、特に開発途上国の抱える課題を指摘する。
気候エンパワーメント行動(ACE)に関係する問題:このワークストリームは、条約の第6条及びパリ協定の第12条の運用化を探求する。特に教育、訓練、啓発活動に注目する。ACEは、持続可能で、低排出量の生活様式、態度、行動を促進するため、次の6つの優先分野に焦点を当てる:気候変動の教育、啓発、訓練m、一般の参加、情報への一般のアクセス、国際協力。2021年、締約国は、10カ年のACE作業プログラムを採択、2022年、4か年の行動計画が承認された。
この項目は、Carol Simon (パナマ)及びArne Riedel (ドイツ)を共同進行役とするSBI非公式協議で議論し、ACEに関するグラスゴー作業プログラムの活動実施に進捗状況についての第4回年次報告書などが取り上げられた。(FCCC/SBI/2025/14)
最終決定:決定書(FCCC/SBI/2025/L.9)において、COP及びCMAは:
- SBI 64で開催されるACE2026年ダイアログでは、ACE作業プログラムの中間レビューに向けたインプットを促進するため、その効果性に注目し、実施に向けてのギャップ及びニーズに焦点を当てるべきと決定する;
- SBIに対し、2026年ダイアログにおいて、インタラクティブな技術ワークショップを開催し、作業プログラムの新しい行動計画の要素を議論するよう要請する;
- この2026年ダイアログ及び技術ワークショップにおいて、議論するべき問題に関する意見書を、2026年3月31日までに提出するよう招請する。
他の国際機関との協力:締約国は、この問題に関する事務局の報告書に留意するのが通常だが、SBSTA 62における締約国の意見表明を受け、SBSTA議長のAyebareは、リオ条約及び他の国際機関との協力強化に関する協議を行った。その後、SBSTA 62は、締約国及びオブザーバーに対し、この問題のSBSTA 63での審議に向け、意見書を提出するよう招請した。
SBSTAの非公式協議は、SBSTA議長のAyebareが議長を務め、意見の一致点をまとめた文書を提示した。アラブ・グループは、今回会合での実質的な結果を出すことに反対し、SBSTA 64での議論に向けた文書の提出を招請するよう提案した。EU、コロンビア、インドネシア、スイス、その他は、この問題の実質的な審議継続に参加するという締約国の意思に応えるよう促した。
COPにおいても、Luiz de Andrade Filhoの主導で議長職協議が行われ、非公式ノートの作成が提案された。コロンビア、EU、英国、EIG、カナダ、パラオ、オーストラリア、パナマ、モンゴルは、この提案を支持したが、サウジアラビア、ロシア、アフリカン・グループ、イラク、中国は、反対し、時間が限られていると指摘した。
最終決定:結論書(FCCC/CP/2025/L.1)において、COPは:
- リオ条約は、明確な目的、規定、原則、ガバナンス・アレンジを有していると認識し、リオ条約同士の協力が重要であると指摘する;
- リオ条約の事務局の合同リエイゾン・グループが行った議論を指摘し、UNFCCC事務局に対し、このグループの作業範囲内で、及びこのグループの各事務局の統治組織の権限の下、グループの参画を強化するよう要請する;
- 他の国際機関との協力の参加性強化、及び他のリオ条約事務局との協力に関し、意見書を2026年5月1日までに提出するよう招請する;
- SBSTA 64では、これらの提出文書に留意し、この問題を審議することで合意する。
政府間会合のアレンジ:気候会議のロジスティック要素を議論する議題項目は、通常、6月の会議で議論されるが、SBI 62では、UNFCCCプロセスの効率向上について議論し、この問題の議論は、SBI 63で行うことを決定した。Kaveh Guilanpour (ジョージア)及びMarianne Karlsen (ノルウェー)の主導で協議が行われた。
アフリカン・グループ及びAOSISは、適切な資金を得た義務化イベントの開催を求め、AILACは、義務化イベントでは基幹予算を使うべきだと提案した。EU及び日本は、義務化イベントの予算への影響を考慮するよう求めた。EIGは、議題の議論に焦点を当て、長年保留されてきた議題項目を議論するよう促した。LDCsは、締約国主導アプローチを主張し、一部の議題項目を却下した議長職の決定を嘆き、オーストラリアと共に、暫定議題書に新たな議題項目が追加された場合の透明性と適切な通知を行うよう求めた。EUは、事務局による暫定議題書の作成では、効率を考慮するよう提案したが、サウジアラビアは反対した。中国は、このプロセスの締約国主導という特性を認めるよう求め、この点を文書に加えるよう提案した。ノルウェーは、ホスト国合意を公開する手法を称え、役員のジェンダー・バランスを確保するよう促し、全ての利害関係者グループの参画改善を求めた。LDCsは、若者や子供の参加を主張、AILACは、外部の第3者によるこのプロセスの評価を提案した。
最終決定:結論書(FCCC/SBI/2025/L.14)において、SBIは:
- 西欧諸国及び他のグループに対し、COP 31の開催国に関する協議をとりまとめて結論を出し、ホスト国の申し出書を、COP 30での審議を採択に回すよう促す;
- COP 32の主催を申し出たエチオピアに感謝し、この申し出を受け入れるための決定書を推奨して、COP 30での採択を図るよう求める;
- 締約国に対し、統治機関及び補助機関の会合における議題項目の審議では、効率化を図るよう招請するとともに、UNFCCCプロセスの締約国主導という特性を尊重し、手順規則書草案の適用を図るよう招請する;
- 事務局に対し、義務化イベントは、可能な限りまとめて行い、参加者数の増大を図るよう要請し、特に、開発途上国の有効な参加を確保し、UNFCCCpプロセスの効率化を図るよう要請する;
- 義務化イベントには適切な予算をつけて、開催の効果を上げ、参加者数を増やすよう要請する;
- この問題の審議をSBI 64においても継続することで合意する。
条約第4条2(f)項の改定に関するロシアの提案:COP 17において、ロシアは、附属書I及びIIの国名リストを更新して、条約の義務が締約国間で、衡平かつ適切に配分されるよう、定期的なレビューを義務とする改定案を提案した。この提案は、議長職協議で繰り返し議論されたが、合意に達することはなく、COP 23以後、保留されてきた。今回の開会プレナリーで、COPは、この項目を保留すると決定した。
条約第7条及び第18条の改定に関するパプアニューギニア及びメキシコの提案:COP 17で、パプアニューギニア及びメキシコは、広範な賛同を得ている議題項目に関し、満場一致を達成するため、あらゆる努力が尽くされたにもかかわらず、意見が一致しなかった場合、「最後の手段」として投票による決定を可。この提案は、議長職協議で繰り返し議論されてきたが、合意にたっすることはなく、COP 24以後、保留にされてきた。今回の開会プレナリーで、COPは、この項目を保留すると決定した。
条約第4条2項の(a)及び(b)の適切性に関する第2回レビュー:条約第4条2項の(d)に則り、COP 1において、第4条2項の(a)及び(b)の附属書I締約国の緩和コミットメントの第1回レビューが行われた。このレビューでは、これらのコミットメントは適切ではないとの結論が出たことから、交渉が開始され、京都議定書が採択されるに至った。第4条2項d)は、第2回のレビューを1998年12月31日までに行い、以後は、条約の目的を達成するまで、COPの決定する間隔で定期的に行うと規定している。しかし、この問題は、合意が無く、COP 7以後、保留されてきた。今回の開会プレナリーで、COPは、この項目を保留すると決定した。
事務管理上、資金上、制度上の問題:予算、資金、制度上の問題:この項目は、SBIコンタクトグループで議論され、共同議長は、Pacifica F. Achieng Ogola (ケニア)及びLenneke Ijzendorn (オランダ)が務めた。京都議定書の国際取引ログの予算を議論するため、SBI及びCMPのスピンオフ・グループが結成され、Abzeita Djigma (ブルキナファソ)が進行役を務めた。スピンオフ・グループでは、2026年9月30日のITL閉鎖までの予算を議論したほか、ITL信託基金の残額の移行先も議論し、締約国は、移行される金額を2百万米ドルとすることで合意した。
非公式協議で、AOSIS、ノルウェー、LDCsなど、多数の国は、この基金をパリ協定第6条2項のインフラストラクチャー、特に国際レジストリの開発支援に充てることを支持した。LMDCsは、第6条2項インフラストラクチャーの開発支援と対応措置実施の影響への対応とで、均等に分けることを希望したが、EU及びスイスは、反対した。さらなる協議の末、多くの締約国は、200万米ドルのうち、150万米ドルを第6条2項のインフラストラクチャーに、50万米ドルを補足活動の信託基金に移行し、これは対応措置を含める一連の議題項目のために利用可能にしても良いという柔軟な姿勢を示した。
最終決定:開会プレナリーで、COP及びCMPは、決定書草案を採択し、SB 62に送った。 (FCCC/SBI/2025/L.8/Add.1 and FCCC/SBI/2025/L.8/Add.2)これらの決定書で、COP及びCMPは:
- 事務管理上、資金上、制度上の問題に関する事務局作成の文書に記載する情報に留意する;
- 条約の会計監査をアレンジした国連に感謝の意を表し、さらに、監査に関する貴重な見解及び推奨案にも感謝の意を表する。
ITL予算の決定書(FCCC/KP/CMP/2025/L.5)において、CMPは:
- 2026年1月1日から9月30日までのITLの予算、EUR 615,000を承認する;
- 事務局長に対し、パリ協定第6条の活動支援に充てるため、ITL信託基金から150万米ドルを補足活動信託基金に移行し、50万米ドルをこのほかの活動に充てるため、補足活動信託基金に移行する権限を授与する;
- 上記の行動の完了後、ITL信託基金に残る残額は全て、補足活動信託基金に移行することを認可する。
その他の問題:SB議長らは、SB 62より委託された、パリ協定第9条1項(先進国の資金義務)に関する協議の結果をSB 63に報告した。
COP閉会プレナリーで、議長のCorrêa do Lagoは、グローバル気候行動の課題に関する成果報告書に注目し、パリ協定及びGSTの成果から指針を得て、グローバル気候行動の課題の下、気候行動の実施加速化を目指し、進捗状況を定期的に追跡することで、自主的な気候行動の影響を強めるという、5か年ビジョンに留意した。さらに、同議長は、11月21日に開催予定のプレ2030年の野心に関するハイレベル閣僚級ラウンドテーブルは、会場での火災に関係する非難行動のため、キャンセルされたと、通告し、事務局は、このイベントをCOP 30閉会後に開催する予定であると述べた。
閉会セグメント
11月22日土曜日の夜、閉会セグメントが開始された。
COP、CMP、CMAは、それぞれの報告書を採択した。(FCCC/CP/2025/L.5, FCCC/KP/CMP/2025/L.2, and FCCC/PA/CMA/2025/L.3) COP、CMP、CMAは、「ブラジル政府及びベレン市の市民に対する感謝の表明」と題する決定書(FCCC/CP/2025/L.7-FCCC/KP/CMP/2025/L.3–FCCC/PA/CMA/2025/L.5)を採択した。
UNFCCC事務局長のSimon Stiellは、COP 30は地政学的に荒れた流れの中で、開催されたと指摘する一方で、194か国は、1.5℃目標を達成可能にすることで、生命ある惑星のための戦いを続けようと団結したと校長した。同事務局長は、各国はベレンで、団結と科学、経済と常識を選択したとし、COP 30の議題では、化石燃料からの離脱を支持すると同時に、世界の何十億人のレジリエンスを強化したと述べた。同議長は、各国に対し、気候行動実施加速化を求めた。
G-77/中国は、気候資金の規模拡大が重要だと強調し、適応資金の3倍増を祝し、公正な移行メカニズムの設置は歴史的な出来事だと称え、このメカニズムのCOP 31での運用開始を促した。同グループは、GAPへの感謝を表明し、これを実現するには、資金及びMoIが必要だと強調した。
EUは、1.5℃目標を見失いつつあると警告した。適応資金の規模拡大を歓迎し、グローバル気候行動は、衡平性、人権の尊重、先住民や女性、及び女子の権利に根差すべきだと強調し、森林伐採の中止及び逆転に向けたロードマップ作りに参加し、化石燃料からの離脱を支持すると約束した。
EIGは、パリ協定は機能しているが野心と実施では大きなギャップが残っていると強調し、気候行動の劇的な増進を促し、UNFCCCで、化石燃料からの離脱を議論する余裕がないことに落胆し、公正な移行には、議論する必要があると強調した。
アンブレラ・グループは、GST成果の進捗状況に失望感を表明した。さらに、COP 31の議長国としてのオーストラリアの役割を強調した。
AILACは、中南米全体が1.5℃のオーバーシュートの影響を実感していると強調し、UNFCCCは将来世代のため、この惑星を守るためのものだと想起した。さらに、化石燃料からの離脱を議論するべきだと強調し、適切な資金源で支えられるべきだと強調した。
LMDCsは、パリ協定の第9条1項とUTMsを議論する場が設けられたことを称賛する一方、パリ協定の構造を覆す決定を求める締約国がいることを悲嘆した。LMDCsは、気候の野心と実施を最大限にするよう求めた。同グループは、パリ協定は緩和中心の体制ではないとし、適応が優先すると指摘、十分な適応資金を求めた。
CfRNは、2030年までに森林伐採の進行を逆転するためのロードマップを打ち出した議長職のイニシアティブを称賛し、確固としたセーフガードを持つ、森林のための十全性の高いカーボン市場の創設を求めた。
AOSISは、「Mutirão」決定書は期待に応えるものにはなっていないが、地政学的に課題の多い中で、最善の結果であろうと述べた。GGA決定書には失望したとする一方、1.5℃までという気候変動の限度を守るのが、各国の義務であるとするICJの決定に注目した。
山岳地域グループは、気候変動と山岳に関する議長職協議は建設的であったとして、感謝を表明し、SB 64で開催される気候変動と山岳に関するダイアログに注目した。
アフリカン・グループは、GGA指標に関する議論の結論は重要な一歩前進であり、レジリエンスを理解する上での共通の表現を提供していると述べ、指標が言葉のみでとどまらないよう、MoIの提供を促した。鉱物は、公正な移行において中心的な役割を持つと強調した。
米州ボリバル同盟(ALBA)は、MoIは開発途上国による気候目標達成に不可欠であるとし、適応資金の3倍増が必要だと強調した。先進国に対しては、それぞれの資金義務及びコミットメントを達成するよう促し、政治的な意思の下、前進し、UTMsは全て撤廃するよう促した。
LDCsは、1.5℃目標を保持する野心を弱める動きを批判し、脆弱な諸国が必要とする支援の供与を求め、GGA、LDC基金、GAPでは、強力な結果を出せなかったとして嘆いた。
アラブ・グループは、条約及びパリ協定の基本原則、特にCBDR-RCの重要性を強調し、この原則は先進国と開発途上国では役割が異なることを意味すると述べ、各国の状況及び国家主権を尊重し、それぞれの経路が異なることを認識するよう促した。
内陸の開発途上国は、内陸特有の脆弱性を強調し、世界の人口に占める割合は7%だが、干ばつ及び地滑りの被害では世界の18%を占めると指摘し、国家の負債が悪化しないよう、MoIの供与を求めた。
先住民組織は、土地を守ろうとする者の殺戮を非難し、これはこのCOPの軍事化を映し出していると指摘した。先住民組織は、JTWP決定書で先住民の権利を認識したことを評価する一方で、「Mutirão」決定書は、本来の先住民の言葉である「協働」の域には達しておらず、先住民の権利は、決定書の序文のパラグラフに追いやられているとして、嘆いた。また新しく議長職が立ち上げたロードマップでは、先住民の全面的な参加を確保しなければならないと強調した。
LOCAL GOVERNMENTS AND MUNICIPAL AUTHORITIESは、UNFCCCプロセスにおいて、マルチレベルの統治への言及が増えたことを歓迎し、「Mutirão」決定書における、都市及び他の国内小地域の統治組織の役割への言及を評価した。
RESEARCH AND INDEPENDENT NGOsは、COPの第2週では参加性が低かったことを嘆き、議論は非公開で、文書草案を入手できなかったと指摘した。オブザーバーは重要な知識と専門性を提供できると強調し、気候解決策7の発見や開発、評価における、研究者の重要性に注目した。
TRADE UNION NGOsは、Peoples’ Summit and Marchを公正と連帯の呼びかけであるとして、認めたが、野心的な合意への移行にならなかったとして嘆き、労働者と労働力の公正な移行が「Mutirão」決定書から抜け落ちていると指摘した。公正な移行メカニズム設立の決定書は評価し、これは、労働者及び労働組合の権利を議論する場を提供すると強調した。
WOMEN AND GENDERは、決定書は人々のニーズに応えておらず、必要な資金も実現できていないとして、嘆いた。公正な移行メカニズムの設置を評価する一方で、今、現実の資金が必要であり、急速で世界的な化石燃料の段階的廃止が必要だと主張、土地の権利及びアマゾン地域の石油からの解放を求めた。
YOUTH NGOsは、子供に対する反エンパワーメントなコメントを嘆き、未来を築くための責任の共有を求め、気候変動における各国の義務に関するICJの諮問意見書を引用した。公正な移行メカニズムは歓迎したが、COP 30の成果では農業従事者がほとんど無視されているとして嘆き、ジェンダーでの後戻りを嘆いた。全ての締約国と人々が誠意をもって参加するよう呼びかける一方、化石燃料ロビーストや人権侵害者の入場許可に反対した。
BUSINESS AND INDUSTRY NGOsは、この会議の成果は世界経済が必要としているレベルには達していないと強調し、ビジネス側は、政府から明確なガイダンスを出されることを希望していると述べた。さらに、適応が不可欠だが、適応に関する成果は、その緊急性に応えていないと指摘した。緩和野心についても、COP 28以後、後退しているとし、明確な計画及び里程標を示すよう求め、貿易での協力が重要だと強調した。
ENVIRONMENTAL NGOsは、公正な移行メカニズムの設置を歓迎したが、資金、適応、エネルギーの移行では成果が出ていないとして失望感を表明、Tropical Forest Forever Facilityなどによる、領土の商業開発を拒否し、公共の、グラントベースの気候資金が緊急に必要だと主張した。さらに、気候行動の真の方向性は、人々が主導し、コミュニティに根差した解決策から出てくることを、COP 30は示しているとし、UNFCCCの下での戦いを続けるが、必要な移行を実現するのは、人々のパワーであると強調した。
議長のCorrêa do Lagoは、ベレンの人々及びこのCOPを組織し、参加した全ての人々への感謝の意を表明し、全てを実現したわけではないが、考えていたことより多くのことを達成したと述べ、適応、公正な移行、GAPでの成果に焦点を当てるとともに、気候行動の問題及びあらゆるレベルでの多様な行動を実現する能力に、注目した。
同議長は、2025年11月22日土曜日、午後8時44分に会合閉会の槌を打った。
ベレン気候会議の簡易分析
ベレン気候会議は、パリ協定の10周年の年に開催された。世界各地から参加者が、ブラジルのアマゾンという、気候系に取り極めて重要な生態系の端に集結、ホスト国は、ブラジル、1992年にリオ地球サミットを開催、国連気候変動枠組(UNFCCC)が誕生した国、」ブラジルである。しかし、そこには、祝う雰囲気は全くなかった。
2024年は、産業革命前比1.55℃上昇という、記録に残る最も温暖な年であったことが確認されたが、同時に、世界最大の経済国は、気候変動は人類の生活も惑星の健全性を脅かすものではない、詐欺だと断じる大統領の政権下、再度の離脱に舵を切った年でもあった。大きな地政学的展開の中、各国政府は、気候行動の優先度を転換、パリ協定の締約国のうち、3分の1が、新しい国家決定貢献(NDCs)を未提出であり、既に提出されたNDCsに示された野心は、パリ協定の目的達成には不十分なままである。
このような逆風の中、ブラジルの議長職は、このCOPに多様なレッテルを付けようと、「真実のCOP」や「実施のCOP」などを打ち出していた。この簡易分析は、これらのレンズを通してみた、会議の議事進行とUNFCCCの将来を伝えようとするものである。
真実のCOP
「COP 30は真実のCOPである。誤報に満ちた時代、無知を広めるものたちは、科学的な証拠を否定し、多国間主義の進展も拒否している」という言葉で、ブラジルのLuiz Inácio Lula da Silva大統領は、この会議のテーマの一つを打ち出し、気候体制は、足元から崩れていると述べた。
この会議のカバー決定書である「Mutirão(ムティラオ)」決定書は、先住民の概念である「Mutirão(集団作業)」に由来するもので、集団行動を意味し、一つの重要な真実を捉えている。現在の温暖化が続けば、パリ協定の気温目標に合致するカーボン・バジェットは、小さくなり、急速に枯渇していくという、困難な段階を迎える。1.5℃を超えるオーバーシュートの期間も規模も制限するという、固い決意で臨む必要があるという真実を、ムティラオ決定書は、認めている。他方、この決定書は、良い真実も認めている、すなわち、パリ協定により、排出量曲線も温暖化予想も下降気味であり、低温室効果ガス排出量で気候にレジリエントな開発に向けた動きは、不可逆的で、将来のトレンドになるという真実である。米国に対しては、いつの日かパリ協定が全世界のものになってほしいとの希望のメッセージを発信している。
しかし、実のところ、ベレン会議は、多国間プロセスによる気候行動促進への期待感が、国により、いかに異なるかを、前面に押し出してきた。多様なグループ及び諸国は、8件もの新しい議題項目を提案、すでに分厚くなっている議題書を前に、交渉が始められるかどうか、疑問を口にするものもいた。ブラジルの議長職は、問題の議題項目を議長職協議に回し、それ以外の補助機関及び統治機関の議題書を採択することで、この最初の難題を克服した。
ムティラオ決定書は、先進国による資金供与(パリ協定第9条1項)、ユニラテラルな貿易制限措置、最新のNDCs及び第1回隔年透明性報告書(BTRs)への対応という、特に意見が対立した提案への回答パッケージである。この決定書は、2か年の気候資金作業プログラムを設置、「気候変動と戦う対策は、国際貿易における、恣意的または不当な差別、あるいは制限を欺瞞する手段であってはならない」ことを再確認し、貿易の役割に関する国際協力の強化を目指し、世界貿易機関の出席を得て、2027年及び2028年に4回のイベントを開催する予定である。
しかし、コロンビアは、1.5℃達成には化石燃料の段階的廃止が必要だという80か国以上の諸国グループを代表し、この「ムティラオ」決定書は、十分ではないと発言、化石燃料という、気候危機の重要な推進要素を無視するのでは、この「真実のCOP」は、一帯どういうメッセージを世界に発信するつもりなのかと述べた。
ベレン会議は、このプロセスに貢献してきた科学者や専門家に対し、厳しい現実を突きつけた。研究及び組織的観測の交渉では、気候変動に関する政府間パネルの扱いで、例年通りの議論が巻き起こったが、最も記憶に残ったのは、適応世界目標(GGA)の進捗を追跡する指標を定義づけるプロセスを終えたどのように終了したか、その方法であった。
締約国及び専門家は、多数のフィードバック・ループで構成されるプロセスを、2年にわたり議論してきたが、議長職は、第2週の後半に、指標を集約して記載する表を提示、しかも、議長職のAndré Corrêa do Lagoは、この指標の決定書を採択するための槌を、早々に打ったことから、閉会プレナリーは中断され、数名の参加者は議事進行に異議を唱え、この決定書の採択に反対した。多くの中南米の諸国は、この文書のおかげで、専門家が2年間行ってきた努力が水の泡になり、実施手段の必要性の増大を議論できなかったと嘆いた。EU、スイス、シエラレオーネ、カナダは、それぞれ指標に関する不満を口にした。
GGA指標をめぐる議論は、交渉の基調の変化を露わにした。交渉のモダリティをめぐる議論での非難の応酬は、議論の進展を妨げた。各国は、主権や国内の譲れない線を主張、トップダウン・アプローチ、あるいは「万人向けの」アプローチと受け止められる手法に懸念を表明した。閉会プレナリーでは、数か国が「ジェンダー」及び「先住民の権利」の解釈に関する自国の主張を繰り広げ、ロシアは、子供たちの未熟さを繰り返し強調した。
実施のCOP
開会直後、パリ協定のルールブックの完成、2024年の気候資金の新しい集団数量目標(NCQG)の決定、第1回BTRsの提出により、パリ協定は、全面的な実施サイクルの第1段階に入ったことが、想起された。ベレンでは、技術実施プログラムの運用開始、新しいジェンダー行動計画(GAP)の採択、公正な移行メカニズム設立の決定が行われた。特に後者は、市民団体が強く主唱していたものであり、実質ゼロ排出の探求に発する広範な課題、労働の権利、先住民の権利、安価なエネルギーにアクセスする権利、低炭素技術へのアクセスの権利の議論を推進する。
これまでに気候体制で制定されてきた多様な制度は、開発途上国による資金アクセスの手足となってきたが、同時に初期コストの増加、官僚主義的な構造、ロジスティックのアレンジなどで、実施を促進するよりも、妨げとなることがあった。各種の気候基金は、それぞれ、認定を受ける条件が異なり、特に後発開発途上国や小島嶼開発途上国など、200頁に及ぶ申請用紙を記載する人員もなければ、コンサルタントを雇う資金もない国には、負担になっている。
ベレン会議は、国内レベルと多国間レベルのせめぎあいに対応することの難しさを、改めて示すことになった。ジェンダーの交渉担当者は、交渉の優れた一例であり、新しいGAPは、実際の進捗を求める締約国の決意を示すものとなった。セーフガードの議論では、資金フローのアラインメント(パリ協定第2条1項(c))の交渉担当者は、第2条1c項の理解及び第9条の補足性に関するダイアログを、この条項の実施に焦点を当てるものに変えていた。多くのものは、UNFCCCの結集するパワーを活用し、資金部門及び他の部門の行動者の参加を推進して、既存の制度をサポート促進することを希望した。
しかし、第1回のグローバルストックテイク(GST)の成果実施の議論は、パリ協定のボトムアップの特性の再交渉という逆風を受け、この問題に関するダイアログの運用を開始できず、ベレンの決定書は、GSTの求める経路への方向付けという意味で、決め手に欠けるものとなった。「ムティラオ」決定書は、「グローバル実施アクセレレーター」や「1.5℃へのベレン・ミッション」を立ち上げ、NDCs及び国別適応計画の実施加速化を目指している。これは、NCQG決定書の「1.3兆米ドルへのロードマップ」の場合と同様である。
森林伐採及び化石燃料からの移行の議論では、意見が一致しなかったことから、ブラジルの議長職は、この2つの問題での進展を図るため、2つのロードマップを作成すると発表した。このことと、5か年のビジョンによるグローバル気候行動問題の構造を作るという議長職の努力は、非締約国利害関係者の資金貢献を推進し、パリ協定の目標達成に向けた進捗を早めて、「将来のトレンド」となる可能性がある。
2つの頭を持つCOP
ベレンでの議論は、COPの課題に取り組むことがいかに難しいかを示した。ブラジルは、COPをアマゾン地域で行いたいとの願いから生じたロジスティック上の問題に悩まされたほか、パビリオンでは火災まで発生、温暖化を1.5℃の上昇にとどめるための余裕が狭まるなか、多様な国の期待感に応える必要があった。
毎年交代する議長職は、特に意見対立の大きい、微妙な問題で、合意を取り付けることが求められており、参加者は、多少の懸念はあっても、COP31に期待してもいる。これをトルコで開催するか、オーストラリアで開催するか、西欧とその他の地域グループの間ので、長時間、議論してきたが、結局、会議はトルコで開催し、トルコは「行動の議題」に責任を負い、オーストラリアは、「交渉の議長職」に指定された。両者間の意見の違いは、納得するまで協議して解決することになり、このようなパートナーシップという新しいモダリティは、全てのものに取り有益であり、進展を妨げないことから、オブザーバーに希望を与えるものとなった。