Daily report for 18 November 2025

UN Climate Change Conference - Belém, November 2025

「気候変動に対応するグローバルな動員で人類を団結する」ための「グローバルMutirão」決定書草案など、多数の新たな文書草案が発表された。議長職は、交渉を速やかに終わらせるよう締約国に推奨したが、この日一日中招集された協議では、大きな進展は見られなかった。多くの会合が、真夜中まで開催される予定。

議長職協議

ベレン・パッケージのためのMutirãoの動員:午後、COP 30/CMP 20/CMA 7議長職のTúlio Andradeは、今後の進め方に関し、締約国に最新情報を通知し、「前例のないほど早期に作業を終わらせる」のが議長職の目標であると強調し、議長職は、午後5時に閣僚のペアたちからブリーフィングを受ける予定で、午後7時には技術的な議論が終了する予定だと指摘し、その時点で議長職は共同進行役らから作業の報告を受ける予定だと述べた。同議長職は、締約国に対し、相互に協議し、午後7時までに妥協案、または橋渡し案で合意するよう要請した。これらの情報を基に、最終的な「Mutirãoパッケージ」が作成されると述べた。

他の国際機関との協力:議長職協議では、Luiz de Andrade Filhoが議長を務め、事務局は、事務局が国連組織及び他の国際機関とともに行った協力活動の概要をプレゼンテーションした。サウジアラビアは、報告書(FCCC/SBSTA/2025/INF.1)の地域代表には偏りがあると指摘し、事務局は異なる地域の組織から参画を得るような手法論を用いているのかどうか、質問した。事務局は、科学的技術的助言のための補助機関の第62回会合(SBSTA 62)でのガイダンスに従い、協力の範囲を拡大するべく、努力していると指摘した。

COP議長職は、SBSTA 62及びベレンでの情報交換を整理する非公式ノートの作成を提案、締約国もこれに同意した。サウジアラビア及びロシアは、意見対立が続いていると指摘した。コロンビア、リベリア、パナマは、非公式ノートではCOP 30の実質的成果をバランスよく記載することが重要だと強調した。EUは、リオ条約の合同リエイゾン・グループに則り、協力を強化することが重要だと強調した。

議長職は、非公式ノートを作成する予定。

技術レベルの交渉

損失損害対応基金:COP/CMA非公式協議では、José Delgado (オーストリア)及びDaniel Lund (フィジー)が共同進行役を務めた。EU及び独立中南米カリビアン諸国連合(AILAC)は、非公式な非公式協議ではCOP及びCMAの決定書草案で合意したと報告、この中で「気候変動の悪影響に特に脆弱な」開発途上国は資金要請を提出できるとの資格条件が削除されたと述べた。

共同進行役は、妥協した全ての締約国に感謝し、両方の文書を議長職に送ると述べた。

適応基金:CMP非公式協議で、共同進行役のKoosje Beumer-van der Loo (オランダ)は、SBI 63で議論された適応基金の問題(移行、第5回レビュー、理事会メンバー)は議長職会合で議論し、技術レベルの協議では、年次報告書に焦点を当てると述べ、決定書草案改訂版への意見発表を招請した。

スイスは、適応基金理事会の毎年の資源動員目標は3億米ドルではなく、これが下限であると強調し、従来の8千万米ドルの目標は非現実的だと指摘、さらに理事会の席が1席、空席になっている問題を指摘した。AILACは、資金申請のパイプラインには、プロジェクトが目白押しだと強調、アラブグループは、この目標は第6条4項メカニズムからの収入の一部の入金を期待して設定されたと想起した。

EU及び英国は、プロジェクトの規模の上限が高ければ高いほど、開発途上国の資金アクセス及び柔軟性が高まるという考えに疑義を呈した。基金間での認定組織の相互承認に関し、小島嶼諸国連合(AOSIS)は、別な資金の議題項目で橋渡し案が議論されたと指摘した。締約国は、特定の条項がマイクロマネージメントに当たるかどうか議論し、理事会に対し、直接アクセスに関する議論を続けるよう、「要求する」のではなく、「招請する」よう求めた。

共同進行役らは、議長職に議論の成果を報告する予定と述べ、保留された項目については、締約国間で協議を続けるよう促した。

パリ協定第6条2項(二国間の協力アプローチ):CMA非公式協議ではPacifica Achieng Ogola (ケニア)が共同進行役を務め、締約国は、CMA決定書草案に関する意見発表を続けた。報告及びインフラストラクチャーのセクションに関し、ロシア、アラブグループ、英国、中国、その他は、これらのパラグラフの削除を支持し、既存の報告作成要請を想起した。EUは、締約国の報告は不揃いであり、このため、これらのパラグラフを入れる必要があると述べた。スイスは、締約国の報告で明らかにされた問題に対応するため、より詳しい表現を用いるよう求めた。

英国は、第6条技術専門家レビューの報告書を議論する時間を求め、ロシアは第6条2項の野心ダイアログでの議論を支持した。AOSISは、ダイアログではなく、形式にこだわらないフォーマットでの議論を求めた。

非公式な非公式で議論が続けられた。

パリ協定第6条4項(クレジット・メカニズム):CMA非公式協議ではKate Hancock (オーストラリア)及びSonam Tashi (ブータン)が共同進行役を務め、CMA決定書草案へのインプットが続けられた。

AILACは、手法論や基準のセクションは、第6条4項監督組織(SBM)の作業をマイクロマネージ(細かい管理)していると指摘した。少数の締約国は同意し、このセクション全体を削除する意思があると述べた。

コスタリカは、現在の永続基準(permanence standards)を包括的に承認することに反対し、逆転リスク計算の100年という時間枠の規定に疑問を呈し、SBMに対し、パリ協定の気温目標達成の時間枠に基づく逆転リスクの評価期間にするよう要請することを支持した。

熱帯雨林諸国連合は、SBMに対し、「プログラム化された部門別アプローチ」の策定を続けるよう要請することを支持した。

クリーン開発メカニズム活動の移行に関し、後発開発途上国(LDCs)、アフリカングループ、有志開発途上国(LMDCs)は、移行の最終日の延長を支持したが、スイス及び日本は、反対した。アフリカングループは、同グループの国の多くが必要な準備作業を終えていないと強調した。

午後も議論が続けられた。

適応世界目標:CMA非公式協議の共同進行役は、Tine Kobilšek (スロベニア)及びGao Xiang (中国)が務めた。文書草案の新バージョンに対する意見発表が続けられ、削除及びスリム化の具体的な提案が出された。

EUは、AOSIS及び他の締約国とともに、クロスカッティングな考えは、序文ではなく、決定書本文に置くべきだと強調した。さらに、適応努力実施での考慮すべき項目については、決定書 2/CMA.5 のパラグラフ13の表現に合わせることを提案した。コロンビアは、アフリカ系コミュニティへの言及を促し、カナダは、伝統知識及び先住民の知識への言及を求めた。AILACは、クロスカッティングの項目の記載場所について柔軟な姿勢を示した。多数の先進国は、この文書中のUNFCCCの条項及び原則への言及除去を支持したが、開発途上国は反対した。

GRUPO SUR、AILAC、EU、LDCs、その他は、CMA 7での指標リスト採択を求めた。アフリカングループは、反対し、このリストは問題であり、国内政策を追跡し、責任を先進国から開発途上国に転嫁し、連帯を損ねる「内政干渉型の」指標が含まれていると述べた。同グループは、CMA 9での最終的な指標リストの採択を希望した。オーストラリアは、指標を資金追跡体制のようにしたものもあると述べた。

CMA 7後の作業に関し、EUは、バクー適応ロードマップの結論付けを支持し、次を設立するよう求めた:指標の技術的な議論を進め、SB 65で結論を出す短期のプロセス;2030年をタイムラインとする適応実施のための長期プロセス。AILAC、GRUPO SURは、指標に関する技術的な作業は適応委員会で行うよう求めたが、指標のさらなる精緻化には反対した。LMDCsは、パイロットフェーズでの指標の試行を希望したが、日本は、新たなプロセスやワークストリームの創設に反対した。アフリカングループは、指標の精緻化に向け、2年間の政策調整プロセスを設置し、手法論及びメタデータに関する技術的な作業も並行して行うことを支持した。

LMDCsは、事務局に対し、締約国の意見に基づき、指標に関するテクニカル・ペーパーを作成し、合わせて、題目別及び規模別の指標に関し報告された情報の分析を行うよう要請することを希望した。ニュージーランドは、事務局に対し、指標の利用状況に関し、隔年透明性報告書(BTRs)記載の情報に基づき、隔年統合報告書を作成するよう、招請することを提案した。

先進国は、適応資金の3倍増という目標は別な場所でも議論されていると指摘したが、開発途上国の多くは、この文章の保持を支持した。

共同進行役らは、議長職に報告する予定。

国別適応計画(NAPs):COP非公式協議で、共同進行役のAntwi-Boasiako Amoah (ガーナ)及びCassandra Moll (ニュージーランド)は、新しい文書草案を提起した。少数の締約国は、自国の意見が適切に反映されていないとして、失望し、編集や文章の挿入などを提案した。

G-77/中国は、文書での「民間部門」及び「あらゆる資金源」への言及を削除するよう求めた。EUは、この文書はバランスがとれていないと指摘した。

GRUPO SUR及びAILACは、LDCs及び小島嶼開発途上国の特定のニーズ及び特別な事情への言及は受け入れられないと述べた。さらに、パリ協定第7条(適応)の考えの下での締約国の差異化も受け入れられないと述べ、EU及びカナダとともに、国レベル、国内小地域レベル、地方レベルを通しての適応の本流化という表現を入れるよう促した。オーストラリア、EU、カナダは、資金常任委員会に対し、NAPの策定における資金フローの情報、及び隔年評価の実施に関する情報を記載するよう要請することに反対した。

開発途上国によるパリ協定の報告書作成及びレビューに対する資金援助及び技術支援の提供:CMA非公式協議では、Sandra Motshwanedi (南アフリカ)及びOle-Kenneth Nielsen (デンマーク)が共同進行役を務めた。非公式な非公式協議の報告では、開発途上国による強化された透明性枠組の実施を支援する将来活動での議論が進展し、そのような活動の必要性で意見がまとまり、これらの活動の企画方法も議論された。これらの活動に対する長期的なガイダンスの提供も議論された。

共同進行役は、オプションを組み合わせ、意見の不一致がみられた分野を括弧でくくることで、文書をスリム化するよう促した。

非公式な非公式方式で、議論が続けられた。

技術実施プログラム(TIP):CMA非公式協議の共同進行役は、Omar Alcock (ジャマイカ)が務めた。サウジアラビアは、非公式な非公式協議の成果を報告し、序文について議論し、マンデートや目的、原則の文章も議論したと述べた。アラブグループは、一部の締約国が閣僚会合で議論されるべき議題項目を提起したことを嘆いた。共同進行役のAlcockは、TIPに関する技術的な作業は今日中に終わらせるべきだと指摘し、COP議長職は、閣僚たちはこの日一日を通して協議する予定と説明、作業結果をまとめて、11月19日水曜日のベレン・パッケージの一環として提示されると述べた。

締約国は、非公式な非公式協議で議論すべきことを話し合った。共同進行役のAlcockは、このプログラムの構成部分、グローバルダイアログの題目、タイムラインを検討するよう提案した。EUは、次についても議論したいと述べた:地域ダイアログ;需要主導なキャパシティビルディング;このプログラムに関する報告及びその評価。LDCsは、このプログラムの運用開始を指摘し、ダイアログについては後日議論できるとし、タイムラインはグローバル・ストックテイクのサイクルに合わせるべきだとのべた。

夜、共同進行役のElfriede More (オーストリア)は、技術レベルや閣僚級協議からのインプットは新しい文書の土台になりうると説明、議長職の手でさらなる協議が行われると述べた。同共同進行役は、残りのコメントや懸念を伝えるよう招請した。

EU、日本、カナダは、TIPは技術メカニズムで実施されると強調した。英国及びカナダは、SBSTAによる、TIPのモニタリング及び指標の評価の推敲という規定に反対し、技術開発移転の全面的な実現という概念を定義づけるとする規定にも反対した。

アラブグループ及び中国は、原則のセクションに1.5℃経路を置くことを拒否し、パリ協定の気温目標全てを記載するだけで十分だと述べ、特定のUNFCCCプログラムのリストに反対した。英国、カナダ、EUは、1.5℃目標を入れる必要があると強調した。

G-77/中国は、国家主導の手法を認識するよう求め、技術へのアクセスに対する障壁の除去という表現を入れる必要があると強調した。日本、英国、EU、カナダは、CMA決定書の表現に反対した。G-77/中国は、これはCOP 30でのTIP非公式協議開始時に机上に置かれていたと想起した。

対応措置:COP/CMA/CMP非公式協議では、Veronica Bagi (ハンガリー)及びDiane Black-Layne (アンティグアバービューダ)が共同進行役を務め、締約国は非公式な非公式協議の結果を報告した。G-77/中国及びカナダは、協議は進んだが、一部のパラグラフでは意見が分かれたままだと指摘した。

対応措置実施の影響に関するフォーラムに関し、毎年の2回目のSB定期会合で、翌年の活動が特定され、SB 64及びSB 65での活動の概要が紹介されている。カナダは、活動の表を付さないことを希望したが、このパラグラフの文章について、議論する意思はあると表明した。

ホンジュラスは、カトヴィチェ専門家委員会(KCI)における、対応措置実施の社会的、環境上、経済的影響に対する科学ベースの手法策定の進捗に感謝し、この策定は対応措置の解釈の変更を開始したとし、条約及びパリ協定の関連パラグラフへの言及を求めた。

その後、Bagi and Black-Layneを共同議長とするコンタクトグループが会合した。締約国は合意に達せないことへの焦燥感を表明した。KCIの作業計画での合意の重要性では合意し、このフォーラムの範囲に関する意見不一致の分野については、以前の合意文書に戻すことが提案された。

共同便益への言及に関し、カナダは、英国の支持を得て、対応措置のプラスの影響を最大限にし、マイナスの影響を最小限にすることが目標だと述べ、パリ協定の目標達成に必要な政策を評価することが求められると指摘した。中国は、これに反対し、開発途上国にはプラスの影響は問題がない、しかしまイネスの影響は損害及びコストを意味することから、問題だと述べた。

共同議長らは、議長職に報告する予定。

廊下にて

早朝、新しい文書の執筆者が発表され、この交渉集中日のペースが決定づけられた。議長職は、意見対立のある広範な議題項目を、ベレン政治パッケージとしてまとめ、その決定書を、翌日には採択したいと宣言して、さらなるプレッシャーをかけてきた。

スケジュール表には多様な会議が表示されたり、消されたりし、政治的な交渉と技術的な交渉の役割分担や進捗ペースは、多くのものを混乱に陥れた。Mutirãoの場に座っているものも、プロセスの理解度は異なっていた。参加者も議長や進行役なども、クリーンな文書にし、落としどころを見つけようと努力していたが、適応世界目標や技術実施プログラムなど、主要項目の合意は、できそうでできなかった。

コーヒースタンドの前に長い行列ができているのは、だれもが睡眠不足を抱えていることの証であった。それでも、急ピッチの交渉で妥協案にたどり着き、時間通りか、それよりも早めに帰国できるのではと、慎重ながらも楽観的な見方をするものもいた。「そうなったら、ベレンの歴史的なレガシーになる」と、ベテランのオブザーバーは指摘し、前回、気候会議が時間通りに終わったのは、20年以上も前のことだと述べた。

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