Summary report, 8–18 June 2026
Bonn Climate Change Conference - June 2026
2026年6月の気候会議は、これまでにない地政学的な困難の中で、開催された。ホルムズ海峡の封鎖により、世界の石油供給は滞り、値上げ圧力は高まった。いかに多くの国及びコミュニティが、化石燃料に依存しているかをまざまざと見せつけた形である。時を同じくして、世界気象機関は、特に強力なエルニーニョ現象が発生すると警告、これにより干ばつ、豪雨、熱波のリスクが高まり、世界の平均気温は、今後5年間、さらなる記録的な上昇を続ける可能性が高くなるとみられる。
今回の気候会議では、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の実施のための補助機関(SBI)及び科学的技術的助言のための補助機関(SBSTA)第64回会合が開催され、2025年11月のベレン気候変動会議からの保留問題を継続審議した。しかし、ベレン会議では、多くの締約国が、化石燃料からの移行問題、及び適応世界目標(GGA)追跡の指標の議論で、失望感を表明し、終了したことから、難航が予想された。
補助機関(SBs)は、例年になく早く、議題書を採択し、実質的な交渉を開始することができた。しかしその後は、進捗は遅々として進まず、特に緩和作業プログラム(MWP)、GGA、適応基金のパリ協定への移行、公正な移行、研究及び組織観測の交渉は、緊張感に包まれていた。他の議題項目でも、意見対立が続き、ボンでの進捗を示す文書を、2026年11月のトルコのアンタルヤでの会議に回すことでさえ、合意できなかった。
唯一の明るい材料は、国連環境計画(UNEP)の気候技術センター(CTC)のホスト選任で合意できたことだ。これにより、開発途上国は、2027年も技術支援を確保できた。さらに、公正な移行作業プログラムのレビューに関する委任条件でも合意したほか、技術メカニズム及び資金メカニズムのリンクの今後について議論することでも合意、キャパシティ・ビルディング関係では、数件のレビュー・プロセスを終了することができた。
2026年6月の気候会議は、2026年6月8日から18日、ドイツのボンにあるWorld Conference Centerで開催、9,206名が参加登録し、このうち4,198名が締約国代表、2,960名がオブザーバー参加、134名がメディア関係者であった。
UNFCCC、京都議定書、パリ協定の簡略史
国際政治の世界で、気候変動への対応が開始されたのは、1992年のUNFCCCの採択まで遡る。UNFCCCは、「気候系への危険な人為的干渉」を回避するため、温室効果ガス(GHGs)の大気濃度の安定化を目指す、国際協力の法的枠組及び原則を規定する条約であり、1994年3月21日に発効、現在の締約国は198か国である。
UNFCCCの効果を高める目的で、1997年12月に採択されたのが京都議定書であり、この議定書では、先進工業国及び市場経済移行国が、6種のGHGsに関する排出削減の数量目標達成を約束する。この京都議定書は、2005年2月16日に発効、現在、締約国数は、192か国。2008年から2012年を第1約束期間、2013年から2020年を第2約束機関と設定された。
2015年12月に採択されたパリ協定は、地球平均気温を産業革命前比で2℃以下の上昇に抑え、1.5℃で制限するため努力することを目指す協定であり、同時に、気候変動の悪影響に対し、適応するための締約国の能力向上、さらには、GHG低排出量で気候にレジリエントな開発に向けた経路と、資金フローを合致させることも目指す。この協定の柱となるのは、各締約国が5年ごとに、野心を高め続ける形で、提出する国家決定貢献(NDCs)である。2021年、このNDCsを、10年間のものとし、5年ごとに更新することが決定された。さらに、全ての締約国に対し、国別の報告書作成を求める、強化された透明性枠組(ETF)が設定された。パリ協定の実施に向けた全体的な進捗状況は、フローバルストックテイク(GST)で5年ごとにレビューされる。パリ協定は、2016年11月4日に発効、現在の締約国は195か国である。
最近のハイライト
グラスゴー: グラスゴー気候変動会議は、COVID-19のパンデミックによる中断後、2021年10月31日から11月12日、スコットランドのグラスゴーで招集された。締約国は、パリ協定のルールブックを完成させ、第6条(協力実施)のガイドライン、規則、作業プログラムを採択し、ETFの下での報告様式で合意した。この会議では、UNFCCCとして初めて、3件のいわゆるカバー決定書を採択したが、これらには、緩和措置なしの石炭火力の段階的削減、及び非効率な化石燃料補助金の段階的廃止などが盛り込まれた。カバー決定書では、このほか、GGAの作業プログラムの設置;この重要な10年間における緩和野心及び実施規模の緊急拡大; 損失損害資金に関するダイアログ設置;新しい集団の気候資金数量目標の決定プロセスを設置;海洋ベースの気候行動に関する年次ダイアログ開始。
シャルムエルシェイク: シャルムエルシェイク気候変動会議は、2022年11月6日から20日、エジプトで開会され、気候変動の悪影響に伴う損失損害への対応に対する資金の必要性が初めて認識され、基金及び資金アレンジが設立された、ただし、その詳細は2023年に議論することとなった。MWPの運用開始、GGA枠組の策定開始が重要要素とされた。さらに、パリ協定の目標達成への道筋を議論する公正な移行作業プログラムが設置され、パリ協定第2条1(e)項(資金フローの一貫性)範囲、及びその第9条(気候資金)との補足性に関する理解を進めるダイアログが開始された。
ドバイ: アラブ首長国連邦の気候変動会議は、2023年11月30日から12月11日、ドバイで開催された。パリ協定の下での第1回GST (GST 1)の結論をまとめた決定書が採択され、締約国は、次回のNDCsを1.5℃目標に合わせること、全てのGHGs、部門、分類において、野心的で経済全体を対象とする排出削減目標を立てることが推奨された。このほか、締約国には、次に関する世界的な努力に貢献することも求められた: 世界の再生可能エネルギー能力を3倍に増強し、エネルギー効率向上の世界平均値を2030年までに、年率で倍増する; エネルギー・システムの化石燃料離れを、公正で、秩序良く、公平な形で行い、この重要な10年間で、行動を加速化し、2050年までに実質ゼロ(排出)を実現する。さらに、締約国は次を行った:損失損害基金の運用開始;題目別目標を含めるGGA枠組の設置; サンチャゴネットワーク(技術支援の仲介を目的に策定されたネットワーク)のホスト組織で合意; 公正な移行作業プログラム(JTWP)の運用開始。
バクー: バクー気候変動会議は、2024年11月11日から22日、アゼルバイジャンで開催され、締約国は、気候資金に関する新しい集団の数量目標(NCQG)を採択した。これは2020年までに1千億米ドル/年という前回の資金目標の延長線上であり、2035年までに、開発途上国の気候行動に対し、最低でも年3千億米ドルという目標が設定された。その資金は、先進国からの資金を中心に、多様な資金源から得ることとされた。さらに官民からの資金による、開発途上国の気候行動に対する資金供与の規模拡大に向け、全ての行動者が努力し、2035年までに、最低1.3兆米ドルにする目標が建てられた。このほかの決定事項は:後発開発途上国(LDCs)及び小島嶼開発途上国(SIDS)など、気候変動の悪影響に特に脆弱な国、及び能力的に大きな制約がある国などでの適応及び損失損害への対応では、公的でグラントベースの資金、及び高度に譲渡的な資金が必要であると認める。
バクーで、締約国は次を行った: パリ協定の市場ベース協力的実施(第6条2項及び4項)の運用開始を進めた; ジェンダー作業プログラムを延長した; GGAの進捗状況を評価する指標の定義づけに関し、ガイダンスを提供した;損失損害への対応基金の制度を採択した; 地方コミュニティ及び先住民プラットフォームの実施を推進する作業部会のマンデートを延長した。
ベレン: ベレン気候変動会議は、2025年11月10日から22日、ブラジルのベレンで開催され、次の項目で熱の入った議論が繰り広げられた: パリ協定第9条に規定する先進国の資金義務の実施; ユニラテラルな貿易制限措置; 1.5℃の野心と実施のギャップに対する、最新のNDCs及び隔年透明性報告書(BTRs)の対応。これら項目の議論から、「Mutirão」決定書が採択された。多数の参加者は、ロードマップ作成などの形で、化石燃料の段階的排除に言及することを主張したが、結局、採択された決定書には記載されなかった。このため、ブラジル議長職は、これらの項目に関するロードマップ作成の開始を発表、結果を、2026年の第31回締約国会議(COP 31)に報告すると述べた。
ベレン会議の閉会プレナリーでは、多様なグループ及び締約国が、異議申し立てやコメント発表を繰り返し、特に、MWP及びGGA進捗の指標の問題では、混乱が見られた。ジェンダー行動計画及び公正な移行メカニズムの策定は賞賛され、技術実施プログラムの運用開始、及び資金フローアラインメントの議論開始も決定された。
会議報告書
2026年のボン気候変動会議は、2026年6月8日に開会、UNFCCC事務局長のSimon Stiellは、気候行動の推進及び合意形成に向けた参加者の献身的な努力を称賛した。化石燃料への依存度の議論では、論争が続いているが。UNFCCCプロセスの改革については、締約国次第だと述べた。
次期COP 31議長のMurat Kurum (トルコ)は、世界各地では環境の危機と経済の危機が同時に起きていると指摘し、化石燃料依存のリスクが注目されているとし、エネルギーの移行を速やかに進める必要があると強調した。さらに、ボン会議において、主要項目での進捗を得て、COP 31の作業量を減らすよう求めた。
次期COP 31交渉担当議長のChris Bowen (オーストラリア)は、COP 30以後のエネルギー危機の状況を振り返り、これにより経済、サプライチェーンが中断したと指摘して、電化の進展、クリーンエネルギーの供給量増加により、化石燃料への依存を減らすよう求めた。
締約国及びオブザーバーは、開会ステートメントを発表した。
手順上の問題
議題書の採択: SBI暫定議題書(FCCC/SBI/2026/3)は、例年になく早く採択されたが、付属書I締約国の隔年報告書のとりまとめと統合、及び非付属書I締約国に記載する情報の2項目は、保留された。SBSTA暫定議題書(FCCC/SBSTA/2026/4)も採択された。
作業構成書: 主要項目での進捗を早めるため、次の議論は延期することで合意した:
- 技術移転に関するポズナニ戦略プログラムの議論は、SBI 65で;
- 資金常任委員会の機能の第2回レビューの議論は、SBI 65で;
- 適応委員会の進捗、効果性、実績のレビューの議論は、SB 65で;
- 国別GHGインベントリ・データ報告書の議論は、SBI 65で;
- 気候技術センター・ネットワーク(CTCN)のレビュー・プロセスと、技術メカニズムの定期評価プロセスのタイミングに関する調整の議論は、SBI 68で行う。
残りの議題項目の議論は、コンタクトグループ及び非公式協議に委ねられた。
緩和
緩和作業プログラム(MWP): MWPは、重要な十年間における緩和野心及び実施の規模を拡大させるため、2021年に設立され、毎年2回のグローバル・ダイアログを開催するほか、投資に注目するイベントも開催する。さらに、緩和関係のテーマを議論する場も提供し、特定部門での緩和行動への指針となる決定書を採択する。2022年11月、締約国は、MWPを2026年の第8回パリ協定締約国会議(CMA)まで続け、CMA8で、作業プログラムの継続に関し決定することで合意した。CMA 7 (2025年11月)は、MWPの継続、機能、効果性に関係する、機会、ベストプラクティス、行動可能な解決策、課題、障壁に関する文書の提出を招請し、SB 64での意見交換を求めた。
SB 64の非公式協議では、Ursula Fuentes Hutfilter (ドイツ)及びMaesela John Kekana (南アフリカ)が共同進行役を務め、締約国は、MWPの将来の方向性などの議論を続けた。
意見対立が見られたのは、MWPのスコープ及び焦点であり、小島嶼国連合(AOSIS)及び独立中南米カリビアン諸国連合(AILAC)は、GST成果の実施支援、及び将来のGSTsへの情報提供、そしてNDCsへの情報提供を行うべきと主張したが、他は、NDCs実施支援に的を絞るよう求めた。EUは、MWPは緩和努力を議論する唯一の場だとし、特にNDCsの野心引き上げ、1.5℃目標との合致、及び実施の方法に注目するべきだと述べた。韓国、ツバル、ノルウェーは、GSTとの運用リンクの強化を支持し、アラブグループ及び有志途上国グループ(LMDCs)は、MWPとGSTのリンク付けに反対した。アラブグループは、緩和の機会に注目するだけでなく、構造障壁や解決策にも注目するべきだと述べた。エジプトは、MWPのトピックはGSTの成果で動かされるべきではないとし、NDCsに含める要素の議論に反対した。
グローバルダイアログのモダリティ、及び投資注目イベントに関しては、改善案が示された、これには次が含まれた:多年度のテーマ別のトラック、主要部門への注目;学習事項及び行動可能な解決策を議論する場;技術専門家、科学者、金融業者、プロジェクト・開発者、その他の利害関係者など、広範な参加。
MWPの継続では、意見が分かれた。LDCsは、MWPを常設の議題項目として保持し、この項目での議論を具体的な行動に移すため、適切な技術メカニズム、または委員会を設置することを、求めた。ニュージーランドは、緩和が世界的な優先課題であり続ける限り、MWPを続けるべきだと強調した。インド、エジプト、クウェート、アラブ首長国連邦は、MWPのマンデート延長に反対し、「この重要な10年間」に焦点を当てていたはずだと強調した。AILACは、「この重要な10年間」というのは、最終日を確定するものではなく、むしろ緩和行動の緊急性を指していると論じ、この表現を、マンデートを延長しない言い訳にしてはならないと述べた。
SB 64に課せられた意見交換が行われたが、ここでの意見を文書にするべきか、文書にする場合はどういう形かで、意見が分かれた。EU、AOSIS、AILAC、韓国、カナダ、スイス、その他は、共同進行役らに対し、締約国の意見をまとめた非公式ノートの作成を求めた。LMDCs、アラブグループ、アフリカングループは、意見対立の継続を考えると、非公式ノートは、題目だけで、中身のないものになりかねないと述べた。
妥協案として、共同進行役は、3つの文書を作成する予定:SB 64結論書草案;各セクションの表題を記載する非公式ノート;SB 64での意見交換を網羅する共同進行役の意見書(リフレクション・ペーパー)。LDCs、AILAC、AOSIS、韓国、カナダ、ニュージーランド、ノルウェーなどは、3つの文書を全て保持するよう求め、これらに基づき議論する用意があると述べた。LMDCs、アフリカングループ、アラブグループ、ロシアは、リフレクション・ペーパーに異議を唱え、全ての締約国の意見を適切に反映しているとは言えないとし、さらにMWPのマンデートを外れた要素も含まれていると論じた。
3つの文書は、数度改定された。どの文書をCMA 8に送るかでは、合意に達することができず、SB議長らは、代表団長会議を招集、保留問題の解決を図った。しかし、意見の一致には至らなかった。
閉会プレナリーで、AILAC、AOSIS、EU、チリ、LDCs、英国、LMDCs、コロンビア、ブラジルは、SB 64で結論が出なかったことへの失望感を表明した。AILACは、MWPのマンデートは野心と実施の両方を対象としているが、決定書は手順問題に焦点を当てる場合が多いと強調した。AOSISは、緩和野心及び実施を議論する唯一の場だと強調、MWPの継続を促した。
LDCsは、SB 64で進捗できなかったことに「深い懸念」を表明、COP 31では、MWPを強化し、実質的な結果と野心の引き上げを実現するよう求めた。英国は、行動可能な点について一般的な意見交換をするだけでなく、的を絞り、結果を出すMWPにする必要があると指摘した。コロンビアは、手順問題を議論するだけでなく、GST 1が指摘したとおり、1.5℃を達成可能にしておく緩和行動をとる必要があると強調した。
ブラジルは、MWPで成果を挙げることは可能であり、挙げなければならないと指摘し、着地点を見出すための努力を続ける必要があると述べた。アフリカングループは、緩和野心の重要性を強調し、先進国に対し、NDCsの実施を促進して、MWPを先導するよう求めた。
LMDCsは、野心引き上げの希望や実施加速化など、締約国間での共通認識の存在を指摘、CMA 7での決定書の議論再開に消極的であることも共通しているとし、共通認識に基づくCMA 8での進捗を期待した。
成果: SBsは、この議題項目で結論を出すことができず、SB 65での審議継続で合意した。
パリ協定第6条2項(二国間の協力アプローチ)実施のための、資金インフラ、プロセス、キャパシティ・ビルディングの制度: 第6条2項は、締約国によるNDCs実施の目的で、自主的な二国間協力の探求を希望する締約国に対し、原則及びガイダンスの枠組を提示しており、特に、国際的に取引された緩和成果の貿易の枠組を提供する。
SB 64では、この問題を、Peer Stiansen (ノルウェー)及びPacifica Achieng Ogola (ケニア)を共同進行役とするSBI非公式協議で議論した。この第6条2項のインフラの運用とメインテナンス、技術専門家レビュー、キャパシティ・ビルディングに対する資金調達が十分か、安定しているかが議論され、資金オプションに関する事務局の最新のテクニカルペーパーを基に審議した。このテクニカルペーパーは、次の4件のオプションを設定している:将来の2年間プログラム予算における基幹資金の調達;補足予算の資金調達;利用者ベースの料金徴収;参加締約国に利用料を課す。
事務局は、質問に答える形で、次を報告した:2026-2027年の2年間において、第6条2項関連活動として承認された経費は約1070万米ドルだが、現在の残高は、210万米ドルであり、800万米ドルから900万米ドルが不足している。これまでに、48件の協力アプローチが、中央会計報告プラットフォームに提出されており、67の締約国が国際レジストリへの参加に関心を表明しているとも報告した。
アフリカングループは、UNFCCCの基幹予算からの資金拠出を支持し、現在の赤字を補うための補正予算は自主的な寄付で行うことを提案した。AOSISは、基幹予算からの資金拠出に反対し、自主的な寄付、利用料徴収、SIDS以外からの利用ベースの料金などを用いた、補正予算方式を支持した。アラブグループは、自主的な寄付を支持、EUは、究極的には、利用料徴収で第6条2項が自己資金で回せるようになってほしいとの希望を表明した。熱帯雨林諸国連合は、自主的な寄付に基づく補正予算と利用ベースの料金徴収の組み合わせを支持した。フィリピンは、信託基金の創設、または既存のUNFCCC信託基金の中に、第6条2項の専用窓口を設けることを提案した。
利用者ベースの料金徴収や利用料金徴収のオプションについては、意見が分かれた。アラブグループ及びAILACは、参加締約国の追加負担に反対した。AILAC、LDCs、アフリカングループは、国際レジストリは、レジストリにアクセスのない参加締約国を支援するため、開設されたことを想起し、利用料の徴収はその目的に反していると強調した。AOSISは、キャパシティ・ビルディング及び技術への資金支援は、開発途上国からではなく、開発途上国に流れることが期待されていると述べた。LDCsは、利用ベースの料金または利用料は、協力アプローチを基本とするキャパシティ・ビルディング活動には、適切ではないと述べた。
成果: 結論書(FCCC/SBI/2026/L.2)において、SBIは:
- SBI議長に対し、SB64での締約国の意見を参考に、非公式文書を作成し、SBI 65の審議にかけ、CMA 8に決定書草案を提示するよう要請する;
- 最新のテクニカルペーパーで、資金面の大きなギャップが指摘されたことに留意し、第6条2項のインフラ及びプロセスの実施に対する懸念を表明、事務局に対し、これらの活動についての資金調達努力強化を促す;
- 事務局に対し、CMAに対する年次報告において、補正予算の根拠となる想定条件の詳細情報を提供するよう求める、この情報には、現在利用可能な資金の情報、今期二か年予算での現時点までの支出経費、今期二か年予算の残余期間で予定される支出額を含める。
パリ協定第6条8項(非市場アプローチ、NMAs): 第6条8項は、NMAsの枠組を設定する、この枠組は、締約国によるNDCs実施を支援するほか、持続可能な開発及び貧困撲滅の考えの下、緩和野心及び適応野心の引き上げを目指す。
非市場アプローチに関するグラスゴー委員会(GCNMA):の会合: GCNMAは、SBSTA議長が招集、SBSTA 64にあわせ開催された第9回会議(GCNMA 9)では、Charles Hamilton (バハマ)及びAngela Friedrich (オーストリア)が共同議長を務めた。
成果: 結論書(FCCC/SBSTA/2026/L.1)において、SBSTAは: GCNMA 9における6つの分科会でのスピンオフグループ活用を歓迎する; 事務局に対し、第6条8項のキャパシティ・ビルディングのウェブネアに、異なるモダリティを使用するよう要請する。
SBSTAは、次に留意する:
- NMAsで利用可能な支援に関する情報で、GCNMA 8以後、NMAプラットフォームに記録されたもの;
- NMAプラットフォームの開発状況、及びNMAプラットフォーム上の活動の量的報告に関する、事務局作成の最新情報;
- 第6条8項の国内窓口のため、事務局が行ったキャパシティ・ビルディング活動、並びに第6条キャパシティ・ビルディング・プログラムの一環として実行された作業プログラム関係のキャパシティ・ビルディング活動。
非市場アプローチ枠組の作業プログラムのレビュー: CMA 3は、SBSTA 64及び65に対し、NMA枠組みの作業プログラムのレビューを要請、当該作業プログラムの効果を高め、CMA 8での審議及び採択にかける推奨案の作成を求めた。CMA 7は、さらに、SBSTA 64に対し、NMAプラットフォームの機能性追加方法を検討し、締約国がMWPの下で特定したプロジェクトを記録できるようにすることも要請した。今会合で、SBSTAは、 作業プログラムのレビューを開始した。非公式協議では、Charles Hamilton (バハマ)及びAngela Friedrich (オーストリア)が共同進行役を務めた。
成果: 結論書(FCCC/SBSTA/2026/L.3)において、SBSTAは、SB 64での締約国の意見をまとめた、共同進行役作成の非公式ノートに留意し、SBSTA議長に対し、非公式文書を作成して、SBSTA 65での審議にかけるよう要請した。
航空輸送及び海上輸送の排出量: この議題項目は、Jakob Wiesbauer-Lenz (オーストリア)及びSonam Tashi (ブータン)を共同進行役とするSBSTA非公式協議で議論した。国際民間航空輸送機関及び国際海事機関は、排出削減に向けた現行の対策を議論した。
成果: SBSTAは、SBSTA 65でも、この問題の審議を継続することで合意した。
エネルギー・システムを化石燃料から移行するためのCOP 30議長職ロードマップの、公正で、順序だてて、公平に策定: COP 30議長職のイベントでは、COP 30議長職のAndré Aranha Corrêa do Lagoが、ロードマップ・イニシアティブを提示、合意された目標に向け取り組むためのツールであるとし、化石燃料からの移行に関する第1回会合に目を向けるよう求めた。Túlio Andrade、COP 30議長職は、締約国及び利害関係者による多数の文書提出を歓迎し、ロードマップの策定に向け情報を提供するとし、COP 31までに終わらせる予定だと述べた。
グローバル実施アクセレレーター(GIA): COP 30議長は、この義務化イベントを開会、GIAは、公式交渉の場の外での実施加速化に注目するもので、気候多国間主義の「第2層」にあたると説明した。同議長は、実施には満場の意見の一致が求められないと指摘、レジリエンスの強化、気候行動の加速化、1.5℃目標を達成可能にしておくべく、全行動者の動員を求めた。
COP 31の交渉担当議長職であるSally Box (オーストラリア)は、GIAは世界的な変化をもたらす可能性があり、影響の大きい解決策を識別し、加速化し、資金ツール及び技術ツール、実施パートナーとリンクさせると述べた。
南アフリカは、選出パネル・メンバーでの地理的なバランスを求めた。AOSISは、小国及び脆弱な国を置き去りにしない措置を求めた。LMDCsは、このイニシアティブは、次を行うべきだと強調した: 締約国主導で、促進的、自主的なものであり続ける; 政策提案は行わない; 緩和、適応、損失損害をバランスよく扱う。アラブグループは、国際的な支援やモーメンタムをあまり受けていない解決策にも、目もむけるよう求めた。
ベレン1.5℃へのミッション:この締約国及び非締約国利害関係者による協議会で、次期COP 31の交渉担当議長職(オーストラリア)は、2026年を通して、文書の提出が求められていると指摘した。EUは、COP 31以後の作業継続、GST 2とのリンク付けを支持した。AILACは、包括的な移行ロードマップの策定を提案、サウジアラビアは、このイニシアティブは自主的な特性を有すると強調し、他のいかなる作業プログラムとも、UNFCCCの統括機関ともつながっていないと述べた。エジプトは、このイニシアティブの結果を公式プロセスとリンク付けするのは、「受け入れられないし、有用とは思えない」と述べた。
適応
適応世界目標(GGA):パリ協定第7条は、適応能力を高め、レジリエンスを強化し、気候変動に対する脆弱性を削減するための目標を設定した。締約国は、CMA 3でGGAの作業プログラムを立ち上げ、CMA 5では、GGA枠組を設立して、一連のテーマ別目標及び次元別目標を設定、これらの目標に向けた進捗状況を示す、適応指標の定義づけを目指し、専門家主導のプロセスも立ち上げた。CMA 7では、59件の指標が採択された。
SB 64では、Peter Gerard Wittoeck (ベルギー)及びRicardo Delano Marshall (バルバドス)を共同進行役とする非公式協議が開催され、次の項目が審議された: GGA目標及び指標を報告書に取り入れるため、2年間の政策調整プロセスを設置; テクニカル・タスクフォースの設置など、指標のメタデータ及び手法論を改善する技術的作業;バクー適応ロードマップ(BAR)の第1フェーズ、焦点は、年2回のワークショップ開催、及びテクニカルペーパーの作成; GGA枠組のレビューに関する委任条件(ToR)策定。
GGA指標に関し、AOSIS及びアフリカングループは、政策アラインメントのワークストリームと、メタデータ及び手法論のワークストリームを相互に支えあうものにするよう提案した。LMDCsは、これに反対し、この2つのワークストリームは、分けておく必要があると強調した。タスクフォースの構成については、締約国間で意見が分かれ、GRUPO SUR、AILAC、LMDCs、アフリカングループ、アラブグループは、締約国主導のタスクフォースを求めたが、EU、ノルウェー、日本は、専門家による推進を希望した。次の項目では、具体的な提案が示された: タスクフォースの人数; 先進国と開発途上国のバランス; 地域代表; 構成組織及び国連地域委員会; 専門家選考プロセス。カナダは、タスクフォースに求められるものを考え、その上で、それを実現できるメンバーを検討するよう提案した。INDIGENOUS PEOPLES ORGANIZATIONSは、タスクフォースに先住民の代表を入れるよう求め、それにより、先住民の生の体験や知識体系、先住民の間の統治方法をインプットできると述べた。
BARに関し、ワークショップのトピックや予想される成果が検討された。開発途上国は、実施の課題及び実施手段に焦点を当てることに賛成した。アラブグループは、異なる気温上昇シナリオに基づく適応の考察を支持した。
議論時間が制限されていることから、多数の締約国は、SB 65でのレビューToRの策定を希望した。
GGAの作業方法を示した文書草案の作成では意見が大きく分かれた。アフリカングループ、AOSIS、LDCs、GRUPO SUR、AILAC、LMDCs、アラブグループは、条約及びパリ協定の原則に則った作業の実施を支持し、パp理協定第9条1項(先進国の資金供与約束)に基づき、適応実施への資金援助を、予測可能かつアクセス可能にすることを促し、適応資金の3倍増への明確な言及を支持した。EU、英国、カナダ、日本は、提案に反対し、適応資金は既に他の議題項目の下で議論されていると指摘した。
6月16日、共同進行役らは、文書草案の改定版を提示、非公式な非公式協議で議論することを提案した。G-77/中国は、文書改定案への失望感を表明、次のパラグラフの括弧を外すよう促した:GGAは、条約及びパリ協定の原則及び条項に則り実施される;適応資金を2035年までに3倍増にする努力の全面的で緊急的な実施を促す。EUは、ノルウェー、カナダ、スイス、日本、英国の支持を得て、懸念を表明し、適応資金3倍増に言及する2つのパラグラフの文章無しオプションを提案した。
意見対立が続いたことから、テクニカル・タスクフォースの議論に的を絞ることが提案されたが、文書全体の議論を希望する声もあった。今後の進め方でも意見が異なり、共同進行役らは、SB議長らのガイダンスを求めた。6月17日午後、再度改定された文書草案が提示され、過去の決定書への正確な言及がなされたほか、資金に関するパラグラフの代案が示された。
6月18日、改定された文書を用いた非公式な非公式協議が開催され、夕方には、SB議長らが、自身の権限で、改定文書を発行した。インド、日本、EU、環境十全性グループ(EIG)は、文書への失望感を表明する一方、適応での作業進捗のためとして、この文書をSB 65の審議に委ねることを支持した。GRUPO SUR及びアフリカングループは、代表団長会議での議論を要請した。
閉会プレナリーで、AILACは、進捗がなかったことを嘆き、適応での進捗の遅れは、間違った政治的なシグナルを送ることになると主張した。AOSISは、GGAの議論結果は、まったく受け入れられないと述べ、プロセスに対する信頼感が薄れたと述べた。PACIFIC SIDS (P-SIDS、太平洋のSIDS)及びLDCsは、GGAの成果及びガイダンスが緊急に必要な時での、議論の行き詰まりは遺憾だと述べた。
アフリカングループ及びEUは、GGA交渉の進め方に懸念を表明、アフリカングループは、この議題項目は重要であり、透明性、参加性、締約国主導の形が求められていると付言した。
英国は、合意が近かったが、合意できなかったことへの失望感を表明、COP 31での建設的な議論、及び解決策を見出すよう促した。
アラブグループは、GGAで結果が出なかったことから、現実の世界での実際の遅れを生じさせていると強調し、今後の進め方を考えるよう締約国に求めた。メキシコは、GGAでの意見の一致がなかったことを懸念し、この結果、締約国は、脆弱なコミュニティ及び生態系の期待に応えることができなかったと述べた。
LMDCsは、適応への対応は奥の深い課題であるとし、今日の適応支援は、明日の緩和能力を生むと述べた。グアテマラは、GGAは、対応する実施手段なしでは達成できないと述べ、開発途上国に対し、アクセス可能で予測可能な適応資金を供与する必要があると強調した。
成果: 閉会プレナリーで、SBI議長及びSBSTA副議長は、締約国は合意に達せなかったと指摘、この項目は、手順規則書草案の規則10(c)に則り、SB 65の議題項目に入れられた。
適応委員会の進捗状況、効果性、実績のレビュー: 適応委員会は、適応に関する強化された行動の一貫性のある形での実施促進を目指しており、2010年、カンクン適応枠組の一環として設置された。
この議題項目はSB 65に回され、SB 議長らは、この問題の進捗を妨げている問題に関し、代表団長会議を招集する予定であると述べた。
適応報告書に関するガイダンス: 適応報告書は、適応の視界とプロフィールを高め、緩和とのバランスを良くし、開発途上国への支援強化及び適応行動の強化を図り、GSTへのインプットを提供し、適応のニーズ及び行動に関する理解を進めるため、パリ協定の第7条10項及び第7条11項に基づき、設置された。
この議題項目の議論では、CMA 1で採択された適応報告書に関するガイダンスの利用経験、ガイダンスの進捗状況及び改定に関するCMAの決定書に焦点が当てられた。SB 62では、ガイダンスのレビューの延期で合意されたが、タイムラインでは合意できず、SB 64における、次に関するタイムラインの議論継続が招請された: 締約国に対し、ガイダンス利用経験に関するさらなる情報の提出を招請する; 事務局に対し、提出文書の統合報告書の作成を要請する; 締約国の提出文書及び統合報告書を考慮し、ガイダンスの進捗状況を調べ、必要あれば改定する。
SB 64において、共同進行役のMarie Wien Fjell (ノルウェー)及びThomas Lelekoitien (ケニア)は、非公式協議を招集、ストックテイキングへの情報提供及びガイダンス改定の可能性に関するタイミングでは意見対立が続いた。GRUPO SUR、LDCs、AOSISは、次を含めるタイムラインを支持した: 締約国によるガイダンス利用経験に関する文書提出、及び統合報告書の作成は、SB 66 (2027年6月)での審議を目指す;さらに結論書草案は、SB 68 (2028年6月)までとし、これをCMA 10 (2028年11月)での審議に回す。AILACは、このタイムラインであれば、締約国は新しい適応指標利用の経験も文書に記載でき、ETF及びGST 2のモダリティ、手順、ガイドライン(MPGs)の更新時期とも合致すると指摘した。 EU、英国、日本は、ガイダンスの改定は、MPGsのレビューが終了して初めて議論できると主張した。アラブグループは、より長期のタイムラインを希望し、事務局による統合報告書の作成は、SBI 70 (2029年6月)での審議を目指し、結論書草案の審議はCMA 11 (2029年11月)を目指すよう提案した。LMDCs及びアフリカングループは、適応報告書をMPGレビュー・プロセスと明確に結びつけるべきでないと強調した。
適応委員会の今後の作業に関する提案も議論され、GRUPO SURは次を支持した: 適応委員会に対し、専門家諮問グループ(CGE)及びLDCs専門家グループ(LEG)と協力し、GGA枠組の議論の中で、適応報告書と他の適応関連報告書との共通点を特定するよう招請する; さらにCGE及びLEGと協力して、適応委員会の現在の作業を拡大し、適応報告書作成方法を改善し、SBI 66 (2027年6月)までに、推奨案を提案するよう招請する。アラブグループ、LDCs、LMDCs、日本は、追加活動を提示しないことを、希望した。
成果: SBIは、SBI 65において、この項目の審議をSBI 64からの非公式ノートに基づき継続することで合意した。
後発開発途上国(LDCs): LEGは、開発途上国による国家適応計画(NAPs)策定及び実施を支援するため、2001年に設置された。そのマンデートは数回にわたり延長され、年2回会合して、テクニカル・ガイドライン、テクニカル・ペーパー、訓練活動、ワークショップなど、多様なモダリティを活用して、作業プログラム実施の進捗状況をレビューしてきた。SB 64でのマンデートは、LEG及びその委任条件(ToR)の進捗状況調査を開始し、COP決定書及びCMA決定書の草案を提案することであった。
非公式協議は、Ephraim Shitima (ザンビア)及びRik den Hoedt (オランダs)を共同進行役として、開催し、次を議論した: 2026-2027年度のLEG作業プログラム;NAP Expo 2026;2025年にLEGが作成したNAP技術ガイドラインの更新版。
アラブグループは、ガイドライン更新版への言及に反対し、LEGは締約国が提供したインプットの全てを考慮していないと発言した。LDCs関係の問題はCOPの議題項目だと指摘したアラブグループ及びLMDCsは、CMA決定書草案の審議を懸念し、事務局に対し、この問題の法律面を明らかにするよう要請した。事務局は、決定書15/CP.29を想起し、COPは、CMAに対し、LEGの進捗状況を調査するよう招請したこと、SBIにはCMA決定書草案の作成という明確なマンデートがあることを指摘した。
LEGに対し、テクニカル・ガイダンスの提供を要請し、気候資金制度の展開への支援を要請する、COP決定書草案のパラグラフに関し、LDCsは、NCQGへの言及削除を求めた。アラブグループは、このパラグラフ自体の削除を希望する一方、LDCsの提案も支持した。英国、EU、カナダ、日本は、NCQGへの言及は関連性があると強調した。締約国は、CMA決定書草案での言及を保持し、COP決定書での言及は削除することで合意した。
LDCsは、NAPsの実施では引き続き制約条件に直面していると強調し、次を提案した:適応投資パイプラインの開設、既存の資金メカニズムへのアクセス強化。アラブグループは、パリ協定第9条1項における先進国の資金義務への言及追加、及びユニラテラルな貿易措置がLDCsに及ぼす影響への言及追加を提案した。EU及び英国は、これらの言及が含まれる文書は受け入れられないと述べた。
成果: 結論書(FCCC/SBI/2026/L.5)において、SBIは:
- 2026–2027年度のLEG作業プログラムを歓迎する;
- 技術審査を通った7件の適応プロジェクトが、LDC基金から資金供与を受ける一方で、6件の中規模適応プロジェクトは、資金不足から、地球環境ファシリティ第8回補填期間(GEF-8)の残余期間中、資金供与を受けられないことを懸念する;
- 決定書8/CP.30のパラグラフ12を想起する、このパラグラフは、LEGに対し、適応委員会及び資金常任委員会と協力し、関連報告書に基づいて、気候資金フロー、及び開発途上国でのNAPsの策定及び実施に対する資金援助の概要を取りまとめ、NAPs策定及び実施の進捗状況に関する2026年報告書に記載し、SBI 65での審議に付すよう要請する;
- SBI 65において、LEGの進捗状況及びそのToRに関する進捗状況の審議を継続し、LDCsのニーズの変化に注目し、SBI 64で作成された決定書草案を考慮して、COP 31及びCMA 8での審議に付す決定書草案を提案することで合意する。
影響、脆弱性、適応に関するナイロビ作業プログラム(NWP): NWPは、全締約国、特に開発途上国における、次の活動を支援するため、2005年に設置された: 気候変動の影響、脆弱性、適応の理解及び評価を向上する;気候変動に対応する措置及び実際の適応行動を、科学的、技術的、社会経済的に健全な形で行うため、情報に基づく決定(informed decisions)をする。非公式協議は、Lina Yassin (スーダン)及びLuke Millar (オーストラリア)を共同進行役として開催され、次の項目を審議した: NWPの活動実施での進捗状況に関する事務局の報告書、これには2026–2027年度の作業計画を示す付属書が含まれる。
NWPの活動実施における進捗状況を「歓迎する」のか、それとも「指摘する」のかで、意見が分かれたほか、次の問題でも意見が分かれた: この問題に関する事務局の報告書を、2026–2027年度のNWP作業計画を含め、「歓迎する」;「指摘する」;または報告書「作成における事務局の努力を指摘する」。さらに次の点でも意見が分かれた:民間部門とのNWPの参画への言及;国連気候変動大学パートナーシッププログラムの下、大学の参画を拡大する;NWPの下での新しい優先題目分野のガイドとなるGGA枠組の題目別目標への言及。
成果: SBSTA(SBSTA/2026/L.4)は:
- NWP実施活動での進捗状況を歓迎し、報告書作成における事務局の努力を指摘する;
- NWPの新しい優先題目分野の審議は、締約国及びそのニーズをガイドとし、GGA枠組の題目別目標に関係するものも含めるよう要請する;
- 山岳地帯が直面する適応の課題を指摘し、この点での知識面のギャップは、NWPの関連活動で対処可能であることに注目する;
- 事務局に対し、適応の知識面のギャップに対応し、実際的で特定の目的での適応の解決策を規模拡大するため、地域バランスが取れる形でNWP活動の実施を続け、NWPパートナー組織及び他の関連行動者との協力関係を強化するよう要請する;
- 事務局に対し、大学の参画、特に開発途上国の大学の参画を、強化するよう要請する;
- 決定書17/CP.19のパラグラフ11を想起する、このパラグラフは、先進締約国に対し、NWPの実施に対し、資金援助を含めるサポートの供与を促し、さらに同じ決定書のパラグラフ12も想起する、このパラグラフは、他の締約国、組織、エージェンシー、NWPパートナー組織に対し、適切な場合、NWPの実施に支援を供与するよう招請した。
バクー適応ロードマップ(BAR)の下でのワークショップ: 6月9日、義務化ワークショップが開催され、UNFCCCの適応構造がGGAの実施を支援する方法を評価し、さらに、適応実施の方法に関し、障壁及び優先行動などを評価した。
資金
資金常任委員会(SCF)の第2回レビュー: SCFは、2010年に設立され、次の問題など、広範な問題に関し政策提案をしてきた: 資金メカニズムの運営機関に対するガイダンス草案を提供; 運営機関の一貫性及び協調を保持; 資金メカニズムのレビューに対し、専門家のインプットを提供; 気候資金フローの概要書を隔年に作成する。COP 27は、第2回レビューのToRを採択し、SBI 58に対し、COP 28での決定書採択を目指し、作業を開始するよう要請した。しかし、締約国は、今後の進め方で合意することができず、レビューにおけるCMAの役割での意見が分かれた。SBI 63は、この問題の審議をSBI 64に回すことで合意し、そのSBI 64は、SBI 65まで延期することで合意した。
適応基金: この基金は、2001年、京都議定書の締約国である開発途上国で、気候変動の悪影響に特に脆弱な途上国での適応プロジェクトに対する、資金調達のため、設立された。その資金の一部には、京都議定書のクリーン開発メカニズム(CDM)の活動で得られる収入の一部が当てられた。2016年、締約国は、この適応基金は、パリ協定においても、役割を果たすとする決定を行った。2018年、パリ協定第6条4項の収入の一部(SOPs)が利用可能になり次第、パリ協定に特化して役割を果たすことを決定する一方、CDMなどの京都メカニズムからのSOPsの受理は続けることも決定した。
第20回京都議定書締約国会議(CMP 20)及び第7回パリ協定締約国会議(CMA 7)は、SBI 64に対し、適応基金理事会(AFB)のメンバー、基金をパリ協定専用の制度とするアレンジ、基金の第5回レビューの開始の審議を継続するよう要請した。
SBI非公式協議では、Isatou Camara (ガンビア)及びKoosje Beumer-van der Loo (オランダ)が共同進行役を務めた。
基金の第5回レビューのタイミングに関し、パリ協定への移行が完了した後に、行うことで合意した。
主な対立点は、第6条4項活動からのSOPsを貨幣価値化する制度を含める、基金のパリ協定専用への移行の進捗状況を、AFBの構成に関する合意とリンクさせるべきかどうかであった。G-77/中国は、移行アレンジの問題、理事会のメンバーの問題、及び第5回レビューの問題は、別々に扱うべきだと強調し、それぞれに関する別々の決定書を求めた。同グループは、SOPsの速やかな貨幣価値化を確保するため、最初に移行を議論するよう促した。スイス、EU、英国、カナダ、ノルウェーは、移行アレンジの一部として、AFBのメンバーシップを議論するよう求めた。
アラブグループは、手順規則書の規則34項(議事手続き)の適用を求め、移行アレンジに関する文章で意見が一致したかどうか、共同進行役の判断を求めた。同グループは、AFBのメンバーシップに関する議論が未解決の中で、文書草案を送ることはできないと述べた。英国及びノルウェーは、移行アレンジの文章では改定案が出されていないが、メンバーシップに関する文章を外して、文書を審議に回すことでは意見の一致が得られていないと指摘した。法律顧問は、次のように指摘した: 厳密にいうと、手順規則書草案は、プレナリーにおいて、適用されるものであり、コンタクトグループ及び非公式協議での議論は、これらの規則書草案を指針とする;文書を審議に回すことで、意見の一致があれば、その文書は審議に回される;疑義がある場合は、SBI議長など、選任された役員と協議されるべきだ。
6月18日、共同進行役らは、未解決問題に関する代表団長協議でも、合意に達しなかったと報告し、AFBメンバーシップ、移行アレンジ、第5回レビューの審議は、SBI 65において、継続されるとする手順上の結論書を提案した。締約国は、進捗させるため、長時間の非公式協議を開催、3つの別々な「項目」ではなく、「マンデート」に言及すること; 合意がある第5回レビュー、及び移行アレンジでの進捗を指摘すること; 審議する決定書草案の数については、多様な解釈が可能な「建設的なあいまいさ」にすることを提案した。多数の改定、ハドル、中断の提案を経て、締約国は、結局、SBI結論書で合意に達した。
SBI閉会プレナリーで、チリは、第6条4項メカニズムからのSOPsは、適応行動を支えるうえで、きわめて重要であると強調し、締約国に対し、大きな進展を促した。
成果: 結論書(FCCC/SBI/2026/L.10)において、SBIは:
- 3件の異なるマンデートである、移行アレンジ、基金の第5回レビュー、AFBメンバーシップの審議を継続したと言明する;
- 移行アレンジ及び第5回レビューの開始では進捗があったと指摘する;
- SBI 65において、SBI 64での進捗、及び文書草案をベースに、3件のマンデートの審議を続けることで合意する;
- 3件の結論書は、SBI 65での最終結果に予断を加えるものではないと指摘する。
資金フロー・アレンジに関するダイアログ: パリ協定第2条1(c)項は、資金フローを低GHG排出量で気候にレジリエントな開発の経路に合わせるという全体目標を規定する。2022年、CMAは、第2条1(c)項の範囲、及び第9条との補足性に関する理解を深め、意見を交換するためのダイアログを設置した。2023年、CMAは、ダイアログのさらなる継続及び強化を決定、第2条1(c)項の運用開始及び実施を含めるものとした。2025年、CMAは、第2条1(c)項の実施及び第9条の補足性に関し、ダイアログでの協議を継続すると決定した。SB 64では、この問題に関する義務化イベントが開催された。
気候資金作業プログラム: 6月8日、締約国参加のワークショップで、作業プログラム共同議長のApollonia Miola (欧州委員会)及びYolando Velasco (フィリピン)は、作業プログラムのスコープ及びモダリティに関する意見発表を招請した。
スコープに関し、G-77/中国は、共同議長作成の作業計画を拒否し、これを議論の土台とすることに反対した。同グループは、パリ協定第9条1項による資金支援の強化がこの作業プログラムの主眼であるとし、資金フローの報告における透明性及び補足性なども関連すると述べた。
EU、スイス、カナダ、日本、及び他の先進国は、作業プログラムのスコープは気候資金であり、これには第9条(資金)全体における第9条1項が含まれると強調した。これら諸国は、気候資金義務の順守として、NCQGの実施に焦点を当てることを提案した。スイスは、貢献者ベース、かつ民間の行動者が参加する形の議論を求めた。ノルウェーは、投資規模を気候目標に合わせて拡大する方法、及び可能にする環境や能力についても議論することを提案した。
LDCsは、資金の質、特にグラント(無償融資)の割合、及び適応資金と緩和資金のバランスを議論するよう求めた。アラブグループは、先進国間の負担共有アレンジの議論を提案した。LMDCsは、資金フローの質、及び予測可能性に注目した。AOSISは、資金の供与を強化し、そのアクセスを高めるための実際的な計画作りを提案した。
モダリティに関し、AILAC、アラブグループ、LMDCs、その他は、作業プログラムはCMAが設置したものであり、CMAの議題項目として、CMA 8で議論されると述べた。AILACは、締約国の意見をまとめた統合報告書を作成し、CMA 8で審議することを提案した。アラブグループは、会合期間外の協議を含める、CMA 8までのロードマップの作成を求めた。スイス、ノルウェー、カナダ、その他は、作業プログラムがCMA 7で立ち上げられ、そこで共同議長を指名するなど、作業が開始されたことに注目し、実質的な議論の開始を促した。
報告作成
温室効果ガス・データ・インターフェース: 条約及び京都議定書の報告要請に基づき、各締約国は、GHGインベントリを提出する。GHGデータ・インターフェースは、締約国提出の情報へのアクセス、検索、並び替えを容易にするオンライン・ツールである。SBSTA 61は、事務局に対し、GHGデータ・インターフェースの開発を進め、締約国が条約、京都議定書、及びパリ協定の下で報告するデータ及び情報を組み込むための作業計画の作成を要請した。SBSTA 62は、事務局に対し、気候データ・ハブのインフラを活用して、GHGデータ・インターフェースのさらなる開発を進め、当該の会合におけるプレゼンテーションに示されたモデュールを開発し、公開するよう要請した。
SB 64において、事務局は、インターフェース開発の最新情報及び進捗状況を報告、締約国には、追加モデュールを審議することが求められた。
共同進行役のFredrick Ouma (ケニア)及びDaniela Romano (イタリア)は、非公式協議を開催、インターフェースの開発、特に柔軟性ある検索モデュールの開発に関するSB 62での合意について、締約国の意見は分かれた。アラブグループは、中国の支持を得て、柔軟性ある検索モデュールは締約国間の比較を可能にすることから、これまでの合意内容を変えることになると強調した。EU、英国、ノルウェーは、現在のインターフェースでの全モデュールの保持を支持した。
成果:: 閉会プレナリーで、SBSTA報告官のRita Mishaanは、締約国間での合意は得られなかったと指摘、手順規則書草案の規則10(c)及び16に従い、この項目は、SBSTA 65の議題項目に入れられることになった。
附属書I締約国の隔年報告書のとりまとめ及び統合: この項目は保留された。
附属書I締約国の国別GHGインベントリ・データ報告書: ウクライナは、データには、不法に占拠された領土のデータが含まれていると非難、SBIは、国別GHGインベントリ・データ報告書の審議をSBI 65まで遅らせることで合意した。
非附属書I締約国の国別報告書に記載する情報: この項目は保留された。
非附属書I締約国の隔年更新報告書の技術分析に関する統合報告書: 開会プレナリーで、SBIは、公表された統合報告書に留意した。
条約の下での非附属書Iの報告作成義務への支援: この項目は、非附属書I締約国による条約の下での計測、報告、検証アレンジの実施に対する支援供与に関係する。SBI 63は、今後のSBI会合の議題書にこの項目を入れる頻度など、この項目の審議をSBI 64でも継続することで合意した。
この議題項目に関するSBI非公式協議では、Sandra Motshwanedi (南アフリカ)及びOle-Kenneth Nielsen (デンマーク)が共同進行役を務めた。
英国は、BTRsは中心的な報告手段になっていると述べ、EUの支持を得て、SBIは条約の下での報告作成支援の審議回数を削減し、パリ協定の下での報告作成支援の議論と重複しないようにする必要があると提案した。G-77/ 中国は、全ての国がパリ協定の下での報告を行うわけではないと警告、アフリカングループは、LDCs及びSIDSに対する柔軟性の問題を指摘した。LMDCs及びアラブグループは、条約の下での報告作成支援は引き続き重要であると強調し、この項目の審議回数保持を促した。英国は、条約の下であれ、パリ協定の下であれ、報告作成に対する障壁は同じだと強調した。
締約国は、手順上結論書で合意し、一定の文書をSBI 65での追加審議用に回すかどうか議論した。G-77/中国は、何らかの文書を回さずに、手順上の結論書を出すことに反対した。英国及び日本は、GEF-8及びGEF-9の間で、気候焦点分野向けの資源供与が27%削減されたことに深い懸念を表明した。
成果: 閉会プレナリーにおいて、SBI副議長のEyad Aljubranは、締約国は合意に至らなかったと指摘、手順規則草案規則10(c)項及び16項に則り、この項目は、SBI 65議題書に入れられる。
パリ協定の下での開発途上国の報告作成支援: この項目は、ETFの下での開発途上国の報告作成義務実施に対する資金援助及び技術支援の供与に関係する。
この議題項目に関するSBI非公式協議では、Sandra Motshwanedi (南アフリカ)及びOle-Kenneth Nielsen (デンマーク)が共同進行役を務め、ETF実施に関係する経験及び課題の報告書、及び支援活動で得た学習事項を審議した。
G-77/中国は、支援活動の調整では、課題及び学習事項の識見を活用するよう求めた。締約国は、2026年11月に開催されるワークショップにおいて、キャパシティ・ビルディング活動の範囲及び効果性を最大限にする活動タイプについて議論する。
アフリカングループは、追加資源が必要な場合、開発途上国は、資源の透明な配分システムから資源を引き出すことができるとする文章案に反対した。英国は、EIG、EU、ノルウェー、カナダの支持を得て、GEF-9の資源は開発途上国の透明性関連のニーズを満たすには不十分であることに「深い懸念」を表明するとの文章に反対し、GEF-8の下での全てのプロジェクト要請は、資金を得ていると指摘し、GEF-9の資金募集はまだ終了していないと述べた。
共同進行役らは、意見対立を解消するだけの時間はないと指摘、手順上の結論書で合意し、SBI 65で、」共同進行役の文書草案を考慮して審議することを提案した。英国は、この文書草案にある、GEF-9に関するパラグラフには懸念があるとして、SBI65に回すことに反対した。
成果: 閉会プレナリーで、SBI副議長のAljubranは、締約国は合意できなかったと指摘し、この項目は、手順規則草案の規則10(c)項及び16項に則り、SBI 65の議題書に入れられることになる。
技術
技術移転に関するポズナニ戦略プログラム: この項目の審議はSBI 65まで延期された。
CTCNのレビュー及び技術メカニズムの定期評価に関するプロセスの調整: この項目の審議はSBI 68まで延期された。
技術メカニズムと資金メカニズムのリンク: 技術メカニズムと資金メカニズムのリンクと協調は、SBI 60で審議されたが、SBI 60及びそれ以後の会合でも終了することはできず、COP 30は、SBI 64に対し、この問題の審議継続を要請した。
SBI 64の非公式協議では、Céline Phillips (フランス)及びOmar Alcock (ジャマイカ)が共同進行役を務め、SBI 62で作成されたCOP決定書文書を議論した。アフリカングループは、締約国に対し、着地点を見出すよう促し、2025年の議論では合意にかなり近づいていたと指摘した。6月17日の協議で、この問題の今後の審議方法など、意見対立が残っていた分野を解決することができた。G-77/中国は、この項目で具体的な進展を見たのは、5年間で初めてだと強調、EUは、他の議題項目でも同じような妥協の精神が発揮されてほしいとの希望を述べた。
成果: SBI結論書(FCCC/SBI/L.9)は、次を規定するCOP決定書草案を提案する:
- 技術執行委員会(TEC)、CTCN、GEF、緑の気候基金(GCF)の協調関係を歓迎する;
- 技術メカニズムと資金メカニズムとのリンクに関する成功、ギャップ、課題には、広範な意見があることを認識する;
- これらのリンク精緻化の目的は、技術開発及び移転のための資金源の確保、及び行動の規模拡大であると想起する;
- 技術開発移転のための国内認定組織、GCFの国内認定当局、及びGEFの運用窓口の間の協力協調関係を強化することの重要性を認める;
- 開発途上国に対する関連のキャパシティ・ビルディング支援の提供は、技術メカニズムと資金メカニズムのリンク強化にとり、不可欠であると認める;
- 技術メカニズムの作業においては、緑の気候基金戦略プログラムの2028-2031年プログラミング・サイクルが重要であると強調する;
- TEC及びCTCNに対し、それぞれの作業とGEF及びGCFの作業とのシナジー及び補足性を検討し、将来の作業計画及びプログラムの策定に参加するよう要請する;
- CTCNに対し、その技術支援の成果、及び技術的ニーズの評価を資金調達可能なプロジェクトに変えるためのモダリティの特定を奨励する;
- 事務局に対し、リンク強化における進捗、成功、課題に関する文書を2028年6月までに作成し、2032年6月までに更新する、並びに、CTCNが供与した技術支援の成果、適切な場合は、技術的ニーズの評価、及び技術行動計画の実施に向け、資金メカニズムの運用組織が定常した資金支援に関する文書を、2028年6月までに作成し、2032年6月までに更新するよう要請する;
- SBIに対し、これらのリンクに関する審議をSBI 70 (2029年6月)及びSBI 76 (2032年)でも継続し、COP 34 (2029年11月)及びCOP 37 (2032年11月)での審議にかける決定書草案を提言するよう要請する、このうち、COP 37決定書草案では、これらのリンクの審議を将来も続けるかどうか、その効果性、及び定期的審議を扱うこととする。
気候技術センターのホスト: CTCは、2010年に、技術メカニズムの実施手段として設立され、2013年以後、運用されてきた。UNEPをホストとし、各国のニーズに合わせた政策、法律、規制枠組に関する技術的な解決策、キャパシティ・ビルディング、及び助言を提供する。COP 29は、CTCの機能レビューを行うと決定、この項目を延長するかどうかの決定も行うこととし、CMA 6は、レビューに参加すること、CTCの期間延長の是非を決めることとした。COP 30及びCMA 7は、CTCの期間を2041年末まで延長すると決定、さらにCTCの新しいホストの選任プロセスを、SBI 63終了後に開始すると決定した。
SBI非公式協議では、Mareer Mohamed Husny (モルディブ)及びStig Svenningsen (ノルウェー)が共同進行役を務め、CTCのホストに関する評価パネルの評価案に基づき、議論を進めた。締約国は、ホスト選任及び将来のホストとの覚書に含まれる要素について意見交換した。
大半の締約国は、UNEPの新しいホストへの選任に賛成した。G-77/中国もこれを支持したが、UNEPが他の候補であった国連工業開発機関(UNIDO)及び国連プロジェクトサービス機関(UNOPS)とのコンソーシアムの形でパパートナーシップを組む可能性を探求するべきだと述べた。UNEPは、MoU締結後、そのような合意を結ぶことは可能だと述べた。UNIDO及びUNOPSは、協力する意思があると強調し、ホストの覚書の中に、関連の規定を盛り込んでほしいと述べた。
締約国は、そのようなパートナーシップの法的な明確性と責任を保証する方法について議論、6月17日に合意し、覚書の中の要素に、「協調、協力、パートナーシップ(collaboration, cooperation, and partnerships)」の機能を持たせると決定した。
アラブグループは、他の技術関連の交渉において、自分たちのグループの提案が不公平な扱いを受けたとして、CTCホストの件を進める立場にはないと述べ、技術項目での公平な扱いが必要だと強調、SBI議長に対し、CTCのホスト、TEC及びCTCNの合同年次報告書、技術メカニズムに対する支援の第2回定期評価の件に関し、解決策を探るよう求めた。他のグループ及び締約国は、アラブグループに対し、CTCホストの合意をぐらつかせないよう求めた。6月17日夜、締約国は、非公式な非公式協議を開催し、技術関連項目のパッケージを議論、全ての問題で合意に達した。
成果: 結論書(FCCC/SBI/2026/L.7)において、SBIは:
- UNEPをCTCのホストに推奨する;
- UNEPに対し、UNIDO、UNOPS、その他の関連組織など、パートナーの可能性がある組織と、協調し、協力し、及び適切な場合はパートナーシップを組む可能性を探求して、これら組織の相対的な利点を生かすよう奨励する;
- 事務局に対し、UNEPとともに、COP、CMA、UNEP間のホストのMoUを作成し、SBI 65の審議にかけるよう要請する;
- この議題項目を、SBI 65において、SBI 64の共同進行役作成の文書草案に基づき、議論を続けることで合意する。
MoUの付属書に示す要素には、次のセクションが含まれる:COP及びCMAの役割と責任; UNEPの役割と責任; CTCNの役割と責任; CTCNの資金アレンジ。
技術執行委員会(TEC)及び気候技術センター・ネットワーク(CTCN)の2025年合同年次報告書: TEC及びCTCNは、それぞれの活動及び機能に関し、合同年次報告書を作成し、COP及びCMAに提出する。SB 63ではこの項目の議論を終了できなかったことから、COP 30及びCMA 7は、SB 64に対し、SBI 63での文書草案に基づく審議継続を要請した。
非公式協議では、Ashabrick Nantege (ウガンダ)及びElfriede More (オーストリア)が共同進行役を務め、当該報告書を「歓迎する」か、それとも「留意する」かどうか、さらにTEC及びCTCNの実施努力と進捗状況、TEC及びCTCMに資金支援を提供できる「立場にある締約国に支援を提供する」よう求める文章表現、GSTへの言及を、議論した。
決定書草案で合意できなかったことから、6月17日、共同進行役らは、手順上の結論書を採択し、これによりSBsは、SB 65において、この問題の審議を継続することで合意するよう提案した。AILAC及びアラブグループは、さらなる審議時間を求めた。
6月18日木曜日、締約国は、技術項目パッケージを議論した非公式な非公式会議での合意に基づき作成されたCOP決定書草案及びCMA決定書草案を提案することで合意した。このCMA決定書草案では、GST 1での技術関係の結果に対するシナジー対応への言及を削除することで合意した。
成果: SBsは、COP 31の決定書草案(SB/2026/L.3)及びCMA 8の決定書草案(SB/2026/L.4)を提示した:
- 合同年次報告書を歓迎する、TEC及びCTCNの実施努力及び進捗を、感謝とともに歓迎する、両者の協調及び協力関係の強化も歓迎する;
- CTCNに対し、TECと協力し、地域の国家認定組織フォーラムの開催を続けるよう要請する;
- 各国の認定当局に対し、GCF、適応基金、GEFの各国の窓口と協力し、CTCN提供の技術支援及び技術的ニーズの評価結果を実施するとともに、各国指定の技術優先策への支援規模を拡大するよう奨励する;
- TEC及びCTCNに対し、それぞれのモニタリングシステム及び評価システムの改善を続けるよう招請する、これにはフィードバック・メカニズムの改善も含めることとする;
- TEC及びCTCNへの資金援助の供与が重要であると強調する;
- TECの重要メッセージ及び推奨事項の関連性を指摘する、さらに、これらは締約国、UNFCCCプロセスの関連組織、及び他の利害関係者に対し、それぞれの国情及び優先策を考慮に入れ、情報を提供する可能性があると指摘する;
- CTCNに対し、技術開発移転に関する国家レベルの協力を改善するため、国家指定当局に対する支援供与を強化する方法について、引き続き探求するよう招請する;
- CTCNに対し、民間部門及び慈善団体のものも含め、資源の動員継続を奨励する;
- CTCNに対し、適応基金の気候イノベーション・アクセレレーター・プログラムの下、適応基金との協力を継続するよう奨励する。
パリ協定の実施支援における、技術メカニズムの支援供与の効果性及び適切性に関する第2回定期評価:CMA 4は、SBI 64に対し、技術開発移転に関するパリ協定の実施支援のため、技術メカニズムが提供する支援の効果性及び適切性に関する第2回定期評価を開始し、CMA 9 (2027年11月)までに完了するよう要請する。
非公式協議は、Pemy Gasela (南アフリカ)及びStephen Minas (キプロス)を共同進行役として開催され、LDCs及びアラブグループは、どの評価を考慮するべきか、提案した。EU及び日本は、評価のスコープ及びモダリティの議論の再燃を警戒した。
予定されていた非公式協議の終わりに、共同進行役らは、協議時間の不足を指摘、手順上の結論書を採択し、SBI 65での審議継続を提案した。LDCs、アラブグループ、AOSISは、残る項目での合意を目指し、追加の協議時間を求めた。ノルウェー及びEUは、規則16の適用回避を提案、少なくとも進捗状況を明らかにする必要があると強調した。アラブグループは、共同進行役に対し、SBI 64での追加の協議時間を確保するため、SBI議長と協議するよう促した。
6月18日の非公式協議で、締約国は、前夜の非公式な非公式協議で、技術問題パッケージを議論し、一定の合意に達したことを確認した。合意したのは、次の項目への言及の削除: 開発途上国指定の技術優先策に対する支援の供与の程度と、実施に向けた進捗状況; 技術メカニズムにより、NDCsの技術要素及び技術のニーズの実施がどれだけ強化されたか; 開発途上国指定の技術ニーズ及び優先策に対し、どれだけの支援がなされたか、その程度。
成果: 結論書(FCCC/SBI/2026/L.8)において、SBIは:
- 決定書1/CP.21で合意したとおり、及び評価に関するスコープ及びモダリティに則り、第2回定期評価を開始したと指摘する;
- 定期評価は、透明で、参画性、参加性が高い形で行われるべきであり、その成果は、GSTへのインプットの役割を果たすべきであると想起する;
- 提起評価の成果は、パリ協定の実施支援に関する、技術メカニズムの効果性を高め、支援を強化する指針とされるべきであると想起する;
- 事務局に対し、第2回定期評価に関する中間報告書を作成し、SBI 66の審議に付すよう要請する;
- 事務局に対し、中間報告書の作成においては、次を考慮するよう要請する: 技術メカニズムの作業に関するCMA決定書; 開発途上国が指定した技術優先策; 支援は、技術メカニズムの予算及び計画とどれだけ合致したか、その程度; CTCNの第3回独立レビューで得られた文書及び成果。
その他の問題
公正な移行作業プログラム(JTWP): JTWPは、2022年のCMA 4で設立された。気候の危機に対する持続可能で公正な解決策は、有意義で効果のある社会ダイアログ、及び全利害関係者の参加を得たものでなければならないと認識し、さらに低排出量へのグローバルな移行は、持続可能な経済発展及び貧困撲滅の機会と課題を提供すると認識する。JTWPは、SBsのガイダンスを受け、SBsの各会合で招集される合同コンタクトグループ、並びに毎年のハイレベル閣僚級イベントを通し、実施される。JTWPの下では、少なくとも年2回、ダイアログが開催され、ハイレベル閣僚級イベントも年1回開催される。CMA 7は、公正な移行メカニズム(JTM)の設置で合意した。
SB 64でのコンタクトグループは、Joseph Teo (シンガポール)及びFederica Fricano (イタリア)を共同議長として開催され、3件の主要課題を議論した: 2026年11月のCMA 8で開催されるJTWPのレビューに関する委任条件の最終決定; JTWPの下での第5回ダイアログの考察; JTMの運用開始に向けた進展。
コンタクトグループでは、初期の意見交換を行ったほか、JTMの運用開始方法にも焦点を当てたが、このメカニズムの形式及び機能では、意見が異なった。WOMEN AND GENDERは、このメカニズムは構成機関になるべきだと述べ、インドは、実施手段を支援するべきだと述べたが、英国は、新たな構成機関や新規の資金メカニズムの創設に反対した。6月12日、締約国は、JTWPの下での第5回ダイアログを検討した。
6月13日と15日、JTWPのレビューのToRが議論の焦点になった。LMDCs、アラブグループ、ロシアは、JTWPと他の関連する制度、及びUNFCCC、パリ協定、国連システムの組織の下でのプロセスとの関係性に関する文章に反対した。
6月17日、共同議長らは、次を含める文書パッケージを提案した: JTWPのさらなる実施はSB結論書の指針を得る; JTWPのレビューに関するToR; JTWPの第5回ダイアログのメッセージ、次の第6回ダイアログのプレースホールダー、JTMの運用開始を推進する要素のリストを含める「非公式ノート」。
大半の締約国は、このパッケージを、妥協の精神で受け入れたが、LMDCsは、これが亜鉛人の意見の一致を示すものではないと、非公式ノートに記載することを希望した。さらに、ToRのスコープにも異議を唱え、リンケージや補足性への言及を制限するよう希望した。共同議長らは、議論が行き詰まったと判断、「インプットには補足性及び一貫性の分野も含める」とするToRの表現の代案を提示、締約国は、提案された表現を受け入れて、SB結論書及びToRで合意した。
成果: 結論書(FCCC/SB/2026/L.2)において、SBsは:
- 第5回ダイアログを歓迎する;
- SB 65 (2026年11月)でのJTWPのレビュー実施のToRで合意する、このレビューはCMA 8での作業プログラム継続の審議に情報を提供することとする;
- ToRに基づくJTWPのレビューに関し、文書提出を招請する;
- 事務局に対し、提出文書に関する報告書を作成し、JTWPのモダリティ改善に向けた提案を記載するよう要請する。
ToRには、JTWPの20926年レビューのマンデート、目的、スコープ、インプットの情報源、モダリティ、期待される成果の概要を示す。
SBsの結論書では、第5回ダイアログでの主要メッセージの可能性、JTMの運用開始に関する議論の開始を審議したと指摘する。さらに、SBsは、SB 65での審議継続でも合意し、SB議長らに対し、SB 65の前に非公式な会合期間外会議の開催を検討するよう招請する。
対応措置: 対応措置の議論では、気候行動の副作用を取り上げる、特に、炭素税や化石燃料の段階的廃止などの緩和措置による社会経済的な影響を論じる。この問題は、UNFCCCの第4条8項、京都議定書の第2条3項と第3条14項、パリ協定の第4条15項で扱われており、COPは、2010年、対応措置実施の影響に関するフォーラムを設置、対応措置の影響に関する情報、経験、ベストプラクティスを共有するプラットフォームの役割を与えた。2018年、対応措置実施の影響に関するカトヴィチェ専門家委員会(KCI)が設置され、技術支援、データ・モデリング、研究を提供することとなった。現在、KCIは、2026–2030年の6か年作業計画を実施中である。
SB 64では、Veronika Skolasztika Bagi (ハンガリー)及びPeter Govindasamy (シンガポール)を共同議長とするコンタクトグループ会議が開催され、次の項目を議論した: KCIの2025年年次報告書に記載する事例研究; COP 31からCOP 33にかけ行われるGST2の技術評価部分へのインプットに関する決定; 対応措置の影響に関する分析及び報告の啓発活動。6月10日に義務化イベントが開催され、2025年のKCI報告書に記載する、公正な移行、経済多角化、影響評価に関する事例研究が議論された。
G-77/中国は、対応措置が開発途上国に新たな負担を課すものになってはならないと強調する一方、KCIの年次報告書の事例研究を歓迎し、GST 2へのインプットでは、社会経済的な影響を評価するべきだと述べた。さらに、KCIの作業が大幅に遅れていることに懸念を表明した。アラブグループ及び中国は、対応措置は貿易障壁を生むべきではないと述べた。
共同進行役らは、締約国の意見交換を受け、SB 64での議論をまとめた非公式ノートを作成した。G-77/中国は、非公式ノートは詳細さが欠けているとして失望感を表明した。EUは、事例研究に言及する短い簡潔な文書を希望した。参加者は、ギャップを埋めることができず、非公式ノートをSB 65に送るかどうかでも合意できなかった。
SB 64結論書草案に関しては、特にGST 2の技術評価部分に用いる統合報告書の作成をKCIに要請するとのパラグラフについて、意見が分かれた。アフリカングループ、アラブグループ、チリ、中国、他の開発途上国は、文書提出を招請して報告書に情報を提供し、SB 65での審議にかけ、GST 2にこの報告書を提出してインプットにするようKCIに要請することを支持した。英国及びカナダは、ただ単に、KCIに対し、報告書の作成を要請し、それを2027年2月までにGST 2に提出するよう求めることを希望した。
その後、非公式協議及び代表団長会議が開催されたが、結論書での合意には至らなかった。
成果: SBsは、SB 64で結論が出せなかったことから、SB 65での審議継続で合意した。
貿易の役割に関する国際協力の強化における機会、課題、障壁のダイアログ: この義務化イベントは6月13日に開催、冒頭、SBSTA副議長のCarol Francoは、このイベントはSB 64、SB 66 (2027年6月)、及びSB 68 (2028年6月)で開催される3回シリーズの貿易関連ダイアログの第1回であり、これに続いてハイレベルイベントが開催されると指摘した。
当初のプレゼンテーションの後、締約国は、一連のダイアログへの期待感を共有した。アラブグループは、次を提案した: ユニラテラルな措置を終わらせるための修正行動; 懸念事項に対応する協力的行動; 修正行動も協力的行動もできない場合の調整行動。LMDCsは、次を求めた: 条約第3条5項(支援する、開放的な国際経済システム)の実務的運用を開始するためのダイアログ; SB 64のダイアログでは、マッピング、既存の措置、ギャップに注目する; SB 66のダイアログでは、修正及び協力的措置を推進する; これらの措置が行われなかった場合、SB 68のダイアログで、経済的損害に対する資金援助など、調整行動を推進する。
中国は、これらのダイアログは次の役割を果たすべきだと述べた: 国際的な経済システムへの支援、開放を示す指標を明確にする; 関連の気候貿易措置をマッピングし、解決策の普及を図る; 措置が条約及びパリ協定を順守しているかどうかを評価する。 ボツワナは、他の行動者に対し規範的なガイダンスを提供するダイアログにするよう提案した。英国は、この一連のダイアログは、交渉なし、規則設定なしが特徴だと強調した。
アラブグループは、SB議長らが共同議長を任命して、ダイアログ・シリーズの作業計画の策定を指導することを提案した。G-77/中国は、各回のダイアログのサマリーをまとめて、報告書を作成し、ハイレベルイベントに提示するよう求めた。ブラジル、南アフリカ、インド、中国 (BASIC)は、ダイアログのサマリーでは、締約国の意見が集約された問題と意見が異なった問題を扱うよう提案した。ロシアは、UNFCCCプロセスの中に、貿易を扱う常設のワークストリームを創設するよう求めた。アフリカングループは、常設の議題項目にすることを提案した。中国は、報告書のCOP及びCMAでの審議を支持した。英国は、2028年のハイレベルイベント用に、報告書作成の義務化を提案した。
気候変動と貿易のダイアログに関するSB議長らのフォローアップ会議: 6月16日、SBI議長のJulia Gardinerは、SB64での第1回のダイアログの後、次のステップに関する締約国の質問に答えるため、この会議を開催した。同議長は、このダイアログ・シリーズを設定したグローバルMutirǎo決定書の57項は、ダイアログの後、報告書あるいは他の正式なフォローアップ会議の開催を求めていないとする事務局の法的なガイダンスの情報を共有、さらに、SB64で開催されたダイアログはウェブキャストで公開されており、ステートメントは事務局のウェブサイトで入手可能であると指摘した。
アラブグループ、アフリカングループ、LMDCsは、報告書にはダイアログでの議論内容を記載するよう求めた。EUは、報告書作成はこのプロセスの義務であるとする一方、3回のダイアログが開催された後、ハイレベルイベントを開催し、報告書を提示することになると指摘した。アンブレラ・グループは、事務局の解釈を尊重するよう促した。
フィリピンは、SB議長らが自身の権限で報告書を作成することを妨げる規定はあるのかどうか質問し、SBI議長のGardinerは、公式報告書作成のマンデートはないとする事務局の助言を指摘、SB議長らは、自身の決断で非公式記録を作成し提供する可能性があると述べた。同議長は、ハイレベルイベント後の報告書作成がグローバルMutirãoで要請されているかどうかとの質問に対し、要請されていないとする事務局の認識を共有、締約国は手順規則書草案の規定に従い、新しい議題項目を提案できると指摘した。
SBI議長のGardinerは、SB議長らは自身の権限で非公式ノートを作成するが、これには法的な立場はなく、次期SB議長らが、次の2回のダイアログの準備に、考慮するものだと述べた。
キャパシティ・ビルディング: SBIは、開発途上国及び経済移行国(EITs)におけるキャパシティ・ビルディング枠組の実施をモニタリングする。SBI 62では、条約の下でのキャパシティ・ビルディング枠組の実施に関する第5回レビューが開始された。SBI 63は、第5回レビューの審議を続け、この問題をSBI 64での審議継続に委ね、この問題に関する決定書草案を提案し、COP 31での審議採択に回すことで合意した。
京都議定書の下でのキャパシティ・ビルディング枠組について、CMP 20は、当該枠組の実施に関する第5回包括的レビューのToRを採択し、SBI 64に対し、レビューを開始して、SBI 65で終了し、決定書を提案して、CMP 21での採択を目指すよう求めた。
EITsに関し、COP 26は、SBI 64に対し、第6回レビューを開始し、COP 31で終わらせるよう要請、CMP 16は、SBI 64に対し、京都議定書の下での第6回レビューを開始し、COP 31(CMP21)での終了を要請した。
SBI 64では、これらの項目を非公式協議で議論、その共同進行役は、Abze Djigma (ブルキナファソ)及びMarie Vadronick (フランス)が務めた。
成果: 条約及び京都議定書の下でのキャパシティ・ビルディング問題に関する結論書(FCCC/SBI/2026/L.3)において、SBIは、次を指摘する: 開発途上国でのパリ協定実施に関する現在の及び発生しつつあるキャパシティ・ビルディングのギャップ及びニーズに対応するには、さらなる努力が必要である;締約国が報告するギャップ及びニーズには、キャパシティ・ビルディング枠組の現在のスコープにはない分野のものが多い。SBIはさらに、キャパシティ・ビルディングに関するダーバン・フォーラムは、条約及び京都議定書の下及びその範囲外の広範な利害関係者間で学習された事項及び情報を共有する手段として、重要であると強調する。
SBIは、条約の下での開発途上国のキャパシティ・ビルディング枠組の実施に関する第5回レビューのCOP31決定書草案(FCCC/SBI/2026/L.3/Add.1)を提示する、これには次が含まれる:
- 決定書2/CP.7に規定する、開発途上国でのキャパシティ・ビルディングの目的及びスコープは、依然として関連性を有するが、条約及びパリ協定の下での現在の及び新たな分野については、条約の下でのキャパシティ・ビルディング枠組のさらなる実施を考慮に入れる必要があると認識する;
- 開発途上国での長期的な能力向上が重要だと強調し、これには国内での可能な環境作りが含まれる;
- 開発途上締約国において、国家の所有権を促進し、既存のメカニズムを活用し、重複を回避する形で、キャパシティ・ビルディング枠組の実施能力を向上するには、支援の強化が重要であると強調する;
- 適切な場合、締約国に対し、及び他の利害関係者に対し、開発途上国でのキャパシティ・ビルディング活動への支援供与を継続するよう招請する;
- 事務局に対し、SBI 68において、条約の下でのキャパシティ・ビルディング枠組の実施における効果性及び効率に関する1日ワークショップを開催するよう要請する;
- SBIに対し、SBI 72 (2030年6月)において、第6回包括レビューを開始する要請する。
SBIは、京都議定書の下での開発途上国のキャパシティ・ビルディング枠組実施に関する第5回レビューのCMP21決定書草案(FCCC/SBI/2026/L.3/Add.3)を提示した、これには、必要な場合は京都議定書の下での将来のレビューの全てが、CMPの決議の対象となるとの決定も含まれる。
SBIは、さらに、条約及び京都議定書の下でのETTsのキャパシティ・ビルディング枠組実施に関する第6回レビューについて、COP決定書草案0(FCCC/SBI/2026/L.3/Add.2) 及びCMP決定書草案(FCCC/SBI/2026/L.3/Add.4)を提示した。これらには、次が含まれる: UNFCCCの附属書II締約国に対し、及び適切な場合は他の締約国、GEF、多様な他の行動者に対し、ETTsのキャパシティ・ビルディングへの支援継続を招請する;ETTsの将来のレビューは全て、COP及びCMPの決定の対象であると決定する。
農業: 過去10年の間に、農業及び食料安全保障は、気候変動においてユニークな役割と脆弱性を持つとの認識が、UNFCCCプロセスの間で高まっている。2017年、COPは、農業に関するコロニビア合同作業を設立、SBsにおける、農業関係の問題を議論する場となっており、ワークショップ及び専門家会合を開催している。
2022年、締約国は、この合同作業を礎に、農業及び食料安全保障に関する気候行動実施における合同作業という4年間の制度を設置することで合意した。これには、構成組織が行った農業関連の作業に関し、事務局が毎年作成する統合報告書、ワークショップの開催、関連のプロジェクト及びイニシアティブに関する情報交換を目的とするオンラインポータルの作成が含まれる。
この問題の非公式協議の共同進行役は、Claudia Heidecke (ドイツ)及びUnaMay Gordon (ドミニカ)が務めた。共同進行役のHeideckeは、SB 63からの文書草案に基づく審議の継続がマンデートだと強調、さらに次を指摘した: 農業、食料システム、食料安全保障に対する組織化されたアプローチを議論するワークショップをSB 62で開催した; 条約の下での構成組織、資金組織、他の組織が行った作業、及び関連する国際機関が行った作業に関する第2回統合報告書の作成;農業及び食料安全保障に関する合同作業の下でのオンラインポータルの設置。
アラブグループは、SB 62で開催されたワークショップに関する文書草案への追加項目を提案した、この中には次が含まれた: 先進国の補助金、知的財産権の制限、ユニラテラルな強制措置、グラントベースの資金供与の必要性、損失損害の増大。ウルグアイは、ワークショップの報告書を検討することがマンデートだと強調し、EU、英国、ニュージーランド、他の先進国は、他の問題を議論することに反対した。
長時間の議論の末、締約国は、ワークショップからの主要メッセージを記載しない短い文書にすることで合意した。
6月18日の閉会プレナリーで、G-77/中国は、農業での実質的な進展がなかったことは遺憾であると表明した。GRUPO SURは、実施手段が重要だと強調した。FARMERSは、COP 31では、UNFCCCの農業関係の作業について、次のステップを明確にするべきだと述べ、農業従事者への資金支援を求めた。
成果: 結論書(SB/2026/L.1)において、SBsは、SB 62で開催されたワークショップ、及び第2回年次統合報告書に留意し、SB 65での報告書の審議継続で合意する。
SBsは、さらに:
- 締約国がそれぞれの国内計画、プログラム、政策に、農業、食料システム、食料安全保障に関する気候行動を多く取り入れていることに、感謝する;
- 事務局による、オンラインポータルの構造、機能性、アクセス性の向上を認める;
- 資金メカニズムの構成組織及び運用組織に対し、それぞれの行動及び作業計画の実施に向けた合同作業を考慮するよう招請する。
研究及び組織観測(RSO): UNFCCCの第5条は、締約国に対し、研究、組織観測、データ・アーカイブを、開発途上国のニーズ及び懸念に配慮した上で、促進し、協力していくよう求める。
SBSTA 64では、この問題を非公式協議で議論、その共同進行役は、Frank McGovern (アイルランド)及びPatricia Nying’uro (ケニア)が務めた。最初に締約国が意見交換をし、6月11日の協議では、共同進行役らが、非公式ノートへのインプットを招請、議論を継続した。
先進国及びAOSISは、非公式ノートを称賛、最新の気候科学が提起するリスク、たとえば、エルニーニョ現象関連、及び1.5℃をオーバーシュートした場合の危険、転換点(tipping points)を超えた場合の危険などへの注目を支持した。アラブグループ及びインドは、「転換点」という用語の使用について、慎重さと明確さを求めた。インドは、科学での誤解や極端な単純化に警告し、EUは、「協調した誤報(coordinated misinformation)」及び妨害行為を懸念した。チリとグアテマラは、誤報だけでなく、「意図した虚報」に関する研究を歓迎するよう提案した。
EU、AOSIS、南アフリカ、その他は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が作成中の第7次評価報告書(AR7)の作成タイムラインに対する深い懸念を表明した。インドは、AR7のタイムラインは、SBSTAのマンデートではないとし、IPCCからの定期的な報告を奨励することに反対した。
EUは、エネルギー・システムの転換、特に電化促進に関する議論を支持し、チリ及びグアテマラは、レジリエントなエネルギー・システムの促進、及び重要鉱物のサプライチェーンの管理に関する知識にはギャップがあると指摘した。サウジアラビアは、電化への言及に反対し、これは各国が独自に決定する経路だと強調した。EUは、気候行動と持続可能な発展の間には、トレードオフよりもシナジーの方が多いと指摘するよう提案した。
6月17日、共同進行役らは、新しい短い文書草案を提起した。多数の締約国は、多くの時間を長文の草案の議論に費やしたのが無駄になったとして、深い遺憾の意を表明したが、この文書での議論には参加した。木曜日の最終会議で、英国は、「橋渡し案」を提案、研究ダイアログの第18回会合、気候シナリオに関するパラグラフを削除し、ギャップ及びニーズに関する2つのパラグラフを一本化することを提案した。しかし、「ギャップ」のパラグラフの扱いでは意見対立があり、インド、サウジアラビア、ロシア、ケニアは、ギャップについて、研究や知識だけでなく、広く定義するよう求め、研究ダイアログについては、「歓迎する」ではなく、「留意する」を希望した。EU、英国、AOSIS、EIG、アイスランドは、これらの提案に反対し、EIGは、「科学の進歩の信用性を損なうような行為」に対する8位間の意を表明したが、インドは、多様な改定案や注意書きは、「正当な疑問点」であり、「事実」に基づくものだと主張した。
閉会プレナリーで、EU、日本、英国、AOSISは、実質的な成果が得られなかったとして、失望感を表明、インドは、科学では、質問をし想定条件を検証することが重要であり、公平性に配慮する必要があると論じた。AOSISは、「科学は交渉すべきことではない」とし、知識のギャップを誇張することに反対した。P-SIDSは、政治的交渉の場で、科学情報を秘匿するべきではないと述べた。
成果: 結論書(SBSTA/2026/L.5)において、SBSTAは:
- この議題項目での議論の重要性、及び確固とした地球観測の果たす役割を指摘する;
- 気候観測の継続性が脅かされ始めていることを懸念する;
- 温暖化傾向が観測されている中、エルニーニョ現象の発生が予測されており、極端な天候及び気候のさらなる悪化の可能性を懸念する;
- 気候変動情報の十全性を促進し、支援するため、一層の努力が必要だと指摘する;
- SBSTA議長に対し、SBSTA 66 (2027年6月)までに、第18回研究ダイアログの非公式サマリーを作成するよう要請する;
- SBSTA 22以後、SBSTAで明らかにされた研究面のギャップが、科学者社会でどう対応されたかを示す情報ノートを歓迎する;
- IPCCのAR7での進捗状況に関する最新情報を歓迎し、AR7のタイムラインでの合意を期待する;
- 研究ダイアログにおいて、気候シナリオ及びモデル研究、部門の移行経路、気候のリスク、影響、転換点の理解が議論されたことに感謝する;
- 当該ダイアログでは、科学的な進歩、知識及び研究におけるギャップと研究面のニーズが提示されたとし、科学者社会に対し、これらの知識及び研究面のギャップやニーズに対応するため、研究を進め続けるよう奨励する;
- SBSTA 66で開催予定の次回の研究ダイアログでのテーマに関し、文書の提出を招請する。
気候エンパワーメント行動(ACE): このワークストリームでは、条約第6条及びパリ協定第12条の運用開始、特に教育、訓練、啓発の運用開始を求める。ACEは、持続可能で低排出な生活様式、態度、行動の促進での6つの優先分野に焦点を当てる、すなわち: 気候変動の教育、啓発、訓練、一般の参加、情報へのアクセス、国際教育である。2021年、締約国は、10年間のACE作業プログラムを採択、その後、2022年に、4年間の行動計画を推敲した。
SBI 64では、ACE作業プログラムの効果性を評価し、新たなギャップ及びニーズを特定し、その改善方法を考察するための、中間レビューの開始が委任された。新しい行動計画に含まれる可能性がある要素を議論する非公式協議に先立ち、ダイアログ及びテクニカル・ワークショップが開催された。
非公式協議では、Carol Simon (パナマ)及びArne Riedel Escobar (ドイツ)が共同進行役を務め、中間レビューに情報を提供するインプット、及び新たな行動計画の下で議論されるべき活動に焦点が当てられ、特に次の可能性が議論された: ACE実施に対する資金援助及び技術支援へのアクセス可能性及び利用可能性を向上する; 関連会議への各国のACE窓口の参加を支援する; 持続可能な開発に関する教育を行う教師の訓練。
各国のACE窓口の能力及び技能を向上させる方法を議論したほか、事務局によるキャパシティ・ビルディングの機会提供の方法も議論された、この中には、アゼルバイジャンでの気候ウィーク4でのワークショップ開催というG-77/中国の提案も含まれた。
成果: 結論書(FCCC/SBI/2026/L.4)において、SBIは:
- 新しいACE行動計画における可能な要素を議論するための、2026年ACEダイアログ及びテクニカル・ワークショップの開催を歓迎する;
- SBI 64で作成された非公式ノートに基づき、ACE作業プログラムの中間レビューの審議を継続することで合意する;
- 非公式ノートに対する文書の提出を招請する、これには、既存の活動及び新しい要素を強化するための提案を含める;
- 事務局に対し、提出文書のとりまとめ文書を作成し、SBI 65での審議にかけるよう要請する;
- 現在の行動計画の行動C.1項、ACE窓口の能力及び技能の構築と強化を想起し、事務局に対し、各国のACE窓口にキャパシティ・ビルディングの機会を提供し続けるよう招請する。
政府間会合のアレンジ: この項目では、気候会議のロジスチック面及び企画を審議する。SBI 63においては、UNFCCCの効率向上のステップを議論し、この審議をSBI 64でも続けることで合意した。
共同議長をKaveh Guilanpour (ジョージア)及びFelix Wertli (スイス)が務めるコンタクトグループが開催され、将来会合の計画、UNFCCCプロセスの効率向上、オブザーバーの参加を高める問題などが議論された。
将来会合に関し、G-77/中国は、CMA 8の議題に気候資金作業プログラムを加えるよう提案した。アラブグループは、NAPsに関する議題項目を提案した。ノルウェー及び南アフリカは、COP 33のホスト国をタイムリーに決定するよう促した。アジア太平洋諸国(ASIA-PACIFIC STATES)は、この問題での協議が進行中であると指摘した。EUは、ホスト国合意には人権尊重を組み込むよう促し、EIGは、コスト・コントロール条項を求めた。締約国及びオブザーバーは、次を求めた: COP 31ホスト国合意のタイムリーな公表; COP 30ホスト国合意の附属書を公表; 議長職の利益相反手続き、特に商業的な利益に相反していないかどうか。
プロセスの効率改善に関する一連の提案が議論された、この中には、義務化イベントの集約、地域気候ウィークの効率化、COPs参加者数の上限設定、会合前のバーチャル協議、議題書の現在のマンデート内での合理化が含まれる。AILACは、プロセスの外部専門家によるレビューを提案したが、アラブグループは反対した。南アフリカは、議題項目の恣意的な削除や排除に反対した。文書やコンセプトノートのタイムリーな公表が重要だとの声も上がった。
締約国は、締約国のオーバーフロー・バッジの利用や参加者の登録についても議論した。アラブグループ、アフリカングループ、中国は、締約国のオーバーフロー参加者数を500名以下に制限することに反対した。EIG、ノルウェー、ニュージーランドは、参加者の人数を適切に保つことを、強調した。
オブザーバーの参加に関しては、査証の発行遅れ、認定手順、資金面の制約、アクセシビリティの問題、安全性への懸念などの障壁に焦点が当てられた。DISABILITY CAUCUS(障碍者コーカス)は、アフリカングループ、コロンビア、グアテマラの支持を得て、完全な構成員として認めてほしいと要請、手話の導入やアクセシビリティ情報などの措置をとるよう促した。INDIGENOUS PEOPLES ORGANIZATIONS(先住民組織)及びENVIRONMENTAL NGOs(環境NGOs)は、参加者に対する脅迫、ハラスメント、報復、暴力などの行為ゼロを呼びかけた。
この議題項目をSBI 65または66で審議するかどうかも議論した。
成果: 結論書(FCCC/SBI/2026/L.6)において、SBIは:
- 事務局に対し、COP 31、CMP 21、CMA 8の暫定議題書に関する締約国の意見に留意するよう要請する;
- 参加者は、いかなる会合及びイベントにおいても、UNFCCCの行動規範に従うこと、またホスト国の国内法及び規則を尊重することが重要であると強調する;
- 事務局に対し、国連気候変動会議のホスト国政府と協議し、ホスト国合意の法的文書が発効され次第、UNFCCCウェブサイト上に公表するよう要請する;
- 締約国に対し、UNFCCCプロセスを客観的、透明、効率的に指導するという全議長職の役割を尊重し、支持するよう促し、さらに、タイムリーに成果を出せるよう議事進行への建設的な参加を促す;
- 締約国及びオブザーバー組織に対し、UNFCCCプロセスの効率向上のための措置、及びオブザーバー組織の認定申請件数の多さという課題への緊急の対応方法について、意見書を提出するよう招請し、事務局に対し、それぞれの問題に関する(意見書をまとめた)ペーパーを作成し、SBI 66の審議にかけるよう要請する;
- UNFCCCプロセスの効率向上の審議を、SBI 66でも続けることで合意する。
他の国際機関との協力: 通常、この議題では、事務局の報告書に留意するだけにとどめているが、SBSTA議長のAdonia Ayebareは、SBSTA 62での締約国の意見表明に応え、リオ条約及び他の国際機関との協力関係強化に向け、協議を行った。その後、COP 30では、締約国及びオブザーバーに対し、他の国際機関との協力強化に関する意見書の提出が招請され、SBSTA 64では、これらの提出文書を考慮して、審議することで合意した。
SBSTA非公式協議は、Sara Victoria González (ドミニカ共和国)及びHeloïse van Houten (オランダ)を共同進行役として、開催された。
EU、EIG、英国、AILAC、モンゴル、カナダ、日本は、リオ条約などとのシナジー強化、限定された資源の効果的な活用が必要だと強調した。コロンビアは、異なるプロセス及び報告システムのシナジーが課題であると認めた上で、シナジーを高めれば、リオ条約の全ての実施を助けるだろうと述べた。
ロシアは、マンデート・クリープ(権限拡大)、作業の重複、信頼性の揺らぎ、優先順位の競合などのリスクに焦点を当てた。中国は、他の条約の管轄圏に踏み入ることに警告し、現在のマンデートを拡大した場合の予算への影響を指摘した。アラブグループは、リオ条約同士は、合同リエイゾン・グループを通して、協力していると強調し、既存のマンデートを超える議論は必要ないと述べた。
EUは、キャパシティ・ビルディング、透明性、先住民などの問題での技術協力を提案した。アラブグループは、資金、及びユニラテラルな貿易措置が開発途上国に与える影響での協力を提案した。
この議題項目の今後に関しては意見が分かれ、アフリカングループ及び中国は、SBSTA 65ではなく、SBSTA 66での審議継続を提案した。コロンビアは、EIG、英国、日本、ニュージーランドの支持を得て、SBSTA 65での審議継続を希望、アラブグループは、ロシアの支持を得て、SBSTA 64でのこの議題項目の審議終了を希望したが、ロシアは、SBSTA 66までの延期に対しても柔軟な姿勢を示した。
成果: 閉会プレナリーで、SBSTA報告官のMishaanは、締約国は合意に至れなかったと指摘、手順規則書草案の規則10(c)項及び16項に従い、この議題項目は、SBSTA 65議題書に含まれる予定。
事務管理上、資金上、制度上の問題: SBIは、コンタクトグループで、この問題を議論し、COP 31向けの決定書草案及びCMP 21向けの決定書草案を作成した。
6月12日には情報イベントが開催され、関心のある締約国及びオブザーバーが招待された。ここでは、米国のUNFCCCからの撤退の資金的な影響について、説明があり、2028-2029年では、基幹予算が1690万ユーロ、21%削減されることが指摘された。
閉会プレナリーで、事務局は、SB 64での決定を受けた予算への影響も紹介、2026年では9万ユーロの追加コストがかかり、2027年の追加コストは、それより少なくなると説明した。
成果: SBIは、COP 31の決定書草案(SBI/2026/L.11)及びCMP 21の決定書草案(SBI/2026/L.12)を提示、主な内容は:
- 基幹予算に寄付額全額を支払っていない締約国に対し、これ以上遅らせることなく払い込むよう強く促す;
- 今期及び前期の2年間基幹予算への寄付未払額の大きさを懸念する;
- UNFCCCプロセスへの参加に対する信託基金、及び補助活動の信託基金に対する資金貢献に感謝する;
- 締約国に対し、参加信託基金への追加の資金貢献を促す;
- ドイツに対し、毎年の自主的な資金貢献に感謝を表明し、ホスト国政府による事務局への臨時資金貢献にも感謝を表明する;
- ドイツ及び事務局に対し、本部契約実施に関する報告書を作成し、SBI 66(2027年6月)の審議にかけるよう招請する;
- 事務局長に対し、基幹予算への資金貢献未払分の回収を続けるよう要請する;
- この議題項目の一部の文書は、タイムリーに提出されていないとして懸念し、将来会合では少なくとも4週間前に提出するよう要請する。
COP決定書草案に関し、COPは、事務局に対し、基幹予算の前期比1690万ユーロ減額を反映する2028-2019年の予算シナリオを作成し、締約国に説明し、SBI 66の審議にかけるよう要請する。
閉会プレナリー
2026年6月18日木曜日の午後、SBSTA副議長のFrancoは、締約国及びオブザーバーからの閉会ステートメントの発表を招請した。この時点では、SBsは結論書を採択しておらず、非公式協議及び代表団長会議を開催し、保留されていた対応措置、MWP、GGAでの合意を得た後、当日夜に結論書が採択された。
G-77/中国は、GGAの進捗状況に深い懸念を表明、資金を含める適応でのニーズの議論を進めるよう促した。同グループは、パリ協定第9条1項(開発途上国での気候の緩和及び適応に対する、先進国からの資金支援)に注目し、これはアンタルヤの議題項目にするべきだと述べた。さらに同グループは、農業部門の議論における進捗の無さは遺憾だとしたが、CTCのホストとしてUNEPが選ばれたことを歓迎し、TWPのレビュー及び実施における進捗も歓迎した。
EUは、ボンでの一定の進展を認識する一方で、課題の大きさを考慮すると、進展の速度は不十分であると述べた。EUは、1.5℃目標を限定的なオーバーシュートで達成可能な範囲に置くことに焦点を当てるよう促し、科学の政治化は許されないと述べた。さらに、エネルギーの化石燃料離れに焦点をあて、貿易は強力な「行動を可能にする」役割を果たす都市的し、特に適応に対する資金源の規模拡大が必要だとの認識を示した。GGAの交渉には失望感を表明した。
EIGは、科学はUNFCCCプロセスが作られた土台であると強調、全ての締約国に対し、IPCCプロセスを信頼し、科学者が不要な干渉を受けることなく業務を遂行できるようにすることを提案、さらに、IPCCは参加性が高く、科学的評価の権威を有する情報源であると強調した。EIGは、締約国に対し、AR7報告書のタイムリーな作成を支援するよう促した。
アンブレラ・グループは、気候行動は最善の科学を指針とするべきであると強調し、RSOに関する実質的な結論書を打ち出せなかったことへの失望感を表明した。さらに、GSTからNDCsへの情報提供方法に関するダイアログの終了は遺憾だとし、NDC実施の議論継続を求めた。アンブレラ・グループは、NCQGの実現に向け、役割を果たしていくと約束、気候資金1.3兆米ドルの実現も先導すると約束した。
MOUNTAIN GROUP(山岳グループ)は、開発途上の山岳国及び下流のコミュニティは、気候の危機に対し、極めて脆弱であると述べ、気候変動に関する山岳ダイアログは、地球規模の気候危機にとり、山岳地域が中心的役割を果たすことを実証したと強調、締約国に対し、UNFCCCプロセス内の山岳プラットフォーム制度構築を支援するよう促した。
LMDCsは、実施の指針となるのは、公平性及び共通するが差異のある原則であると発言、締約国は、保護主義及び一国主義という課題の克服に焦点を当てるべきだと述べた。LMDCsは、開発途上国が直面する実施面のギャップを指摘し、適応は先進国からの支援が前提条件だが、支援は進んでいないと強調した。さらに、参加性が高く、十全性のある気候科学をか確保することが重要だとの考えを示した。
AOSISは、ボンでの進展を指摘し、それでもアンタルヤを成功させるには十分でないとして懸念を表明、資金の問題及び1.5℃目標を達成可能にしておく問題で、建設的な議論がなかったのは遺憾であるとも述べた。さらに、MWPも手順上の成果しか出せず、十分な進展がなかったと指摘、気候行動は最新で最善の科学に基づくべきであるとし、RSOに関し「ほぼ手順上の結論書」が採択されたことへの失望感を表明した。しかし、UNEPのCTCホストへの指名は歓迎した。
アフリカングループは、緊急性と野心の感覚の共有を希望していたが、実現できていないと述べ、適応資金の3倍増額の合意に対し、「抵抗」があると指摘した。さらに公正な移行での進展が一様でないと指摘し、JTMでの進展が限定的であることを懸念した。アフリカングループは、気候変動及び貿易のダイアログに関し、ハイレベルイベントが予定されている2028年までこの議題項目を続けないのは、説明がつかないと述べた。
BASICは、開発途上国に対する資金援助の減額傾向を懸念し、CMA 8の議題書に気候資金作業プログラムを入れるよう求めた。さらに、適応基金のパリ協定専用への移行に向け、SB 65での交渉終了を奨励した。BASICは、次も提案した:JTMは、実施の機会及び手段へのアクセスを可能にする;開発途上国による緩和行動実施への支援を増額する;適応資金を少なくとも3倍増にする約束の実現;UNFCCCプロセス内に、貿易と気候変動の議論に特化した場を作る。
LDCsは、UNFCCCプロセスは約束ではなく行動をとるべきだと強調、最高の気候野心及び気候資金の規模拡大を求めた。LDCsは、今会合では科学があからさまに貶められたとして嘆き、GGA及びMWPでの進展の欠如を非難、RSOの成果も弱いと述べた。LDCsは、COP 31では適応基金での進展、なかでもパリ協定専用への円滑な移行を求めた。
AILACは、実施を妨げている交渉戦術がとられたとして嘆き、すでに合意された表現の交渉再開は遺憾であるとし、最善の科学に疑念を抱かせようとする動きは妨害行為だとし、科学は気候プロセスを支えるものであると繰り返し述べ、適切な資金がなければ、気候変動への対応は、紙の上だけにとどまると述べた。
内陸の開発途上国(LLDCs)は、LLDCsに関する第3回国連会議の成果を想起し、2024–2034年の行動プログラムは、LLDCs固有の脆弱性に対し、気候資金、キャパシティ・ビルディング、技術移転などで対応する枠組であると述べた。LLDCsは、MWPで合意に達しなかったことは遺憾であるとし、実施に対する障壁をなくす必要があると強調した。
GRUPO SURは、交渉ではさらなる柔軟性及び寛容が必要だと指摘、農業に関しては、実施手段に注目、効果ある気候行動のため、アンタルヤでは建設的な議論をする用意があると約束した。
アラブグループは、一部の先進国は適応資金での義務を果たしていないとし、対応措置での進捗が不適切であるのは遺憾であると述べた。同グループは、気候科学の政治問題化及び意図的な選択に反対した。
P-SIDSは、1.5℃目標が脅威にさらされていることを懸念し、MWP及びRSOの交渉に注目するよう求め、科学を損なおうとする動きがあると主張、そのような動きが続かないことを希望した。資金については、必要な資金フローが得られるかが確実ではないと指摘した。さらに、2026年10月初めに予定されるCOP前の太平洋会議に注目するよう求め、アンタルヤでの野心的な成果を希望すると述べた。
次回COP 31議長職のトルコは、COP 31は実施のCOPであり、約束を実施に変え、結果を得るCOPだと強調した。同議長職は、COP 31行動アジェンダは、全ての締約国が目標にコミットし、目標達成に向けた、実用的なステップを踏むことだと発言、COP 31では、アクセスしやすい交通手段や宿泊場所、持続可能でプラスチックなしの会場が用意されると述べた。
次回COP 31の交渉担当議長職であるオーストラリアは、透明性があり、参加性が高く、予測可能なCOP 31にすると約束、全ての締約国と協力し、1.5℃目標を達成可能で保持するための成果を達成すると述べた。議長職らは、締約国に対し、COP 31の前から、相互に協力し合うよう促した。
COP 30議長職のブラジルは、ベレン政治パッケージ及びグローバルMutirão決定書の順守が重要であると強調し、締約国に対し、交渉の場を作業構成を議論する場ではなく、実質的な議論をする場にするよう求めた。
COP 29議長職のアゼルバイジャンは、SB 64での妥協の精神発揮を称賛し、1.5℃ミッションのロードマップを全身させるため、努力を続けるよう求めた。同議長職は、NCQG及び適応資金3倍増に関する、誤った解釈を広めようとする動き、及び合意済み決定書を弱めようとする動きに対する懸念を表明した。
LOCAL GOVERNMENTS AND MUNICIPAL AUTHORITIESは、建築部門のエネルギー消費集約度を2035年までに少なくとも25%削減するという、COP 31議長職のリジリエントな都市の目標を歓迎し、実施のギャップを埋めるには、地方の専門知識及び指導力が重要であると強調した。
RESEARCH AND INDEPENDENT NGOsは、研究者は多様な形でこのプロセスに貢献できるとし、たとえば、GGAタスクフォース、気候資金作業プログラム、MWP、技術を進展させるイノベーション・システムを挙げた。
TRADE UNION NGOsは、ボンでは緊急性の感覚やコミットメントが見られなかったとして懸念し、底辺にいるもの、たとえば熱波に苦しむ労働者のニーズに対応する必要があると強調、MWPの分解、適応基金約束の欠如を非難した。
WOMEN AND GENDERは、「プロセスの死、遅れによる死」を嘆き、SB議長及び議長職に対し、政治的指導力の発揮を求めた。同グループは、ジェンダー対応型の気候行動を支援するには、グラント・ベースの気候資金が必要だと強調した。
YOUTH NGOsは、国連のレガシーを乱すことにならないよう警告し、Disability Caucus(障碍者コーカス)に発言権が与えられなかったとして非難し、交渉文書での子供への言及欠如に警鐘を鳴らした。COP 31 議長職に対し、オブザーバー参加に関する議論を進めるよう求めた。
BUSINESS AND INDUSTRY NGOsは、MWPでの進展の欠如を懸念し、GST 1の成果実施を進めることが重要だと強調、MWPでは、新興市場での投資環境の改善を議論するよう求めた。
CLIMATE ACTION NETWORK(気候行動ネットワーク)は、プロセスの議論で無駄な時間を費やしたと嘆き、締約国に対し、新たなワークショップやダイアログの開設ではなく、約束したことの実現を求めた。GLOBAL CAMPAIGN TO DEMAND CLIMATE JUSTICE(気候の正義を)は、大規模汚染者が気候行動の規則を作っているとして非難し、気候会議の内外で抗議するための市民社会の権利を守るよう促した。
FARMERSは、燃料危機及び肥料危機により、農業従事者、農業、食料安全保障に新たな負荷がかかっていると強調し、COP 31では、農業の次のステップという形の進展を実現するよう促し、農業従事者への資金支援を求めた。
INDIGENOUS PEOPLES ORGANIZATIONS(先住民組織)は、エネルギーの拡散、及びアグリビジネスの開発tに伴う汚染のため、自分たちの土地及び水を犠牲にすることは受け入れられないと強調し、適応指標のタスクフォースへの先住民の参加を求めた。
会合の結論: SBSTA及びSBIは、多様な議題項目に関するそれぞれの結論書を採択した後、SBSTA及びSBIの会議報告書草案(FCCC/SBSTA/2026/L.2 及び FCCC/SBI/2026/L.1)を採択、2026年6月18日木曜日の午後11時37分、会議閉会の槌が打たれた。
2026年本気候会議の簡易分析
ここ数年、多国間主義は、荒波にもまれてきたが、この2026年6月の気候会議は、地政学的観点からみると、これまでになく悪い状況下で開催された。ホルムズ海峡の封鎖は、グローバルな石油サプライチェーンのネックとなり、ガソリンスタンドでの価格上昇や肥料コストの急激な値上がりなど、インフラ圧力の高まりに結びついた。各国政府は、急場しのぎの措置を取り入れているが、世界各地の産業も住民も、その影響を身近に感じ始めている。
同時に、世界気象機関は、今年のエルニーニョ現象は、これまでになく強力であると警告、干ばつや豪雨、熱波のリスクなど、さらなる悪化に注意するよう警告した。国連事務総長のアントニオ・グターレスは、(エルニーニョ現象は)温暖化世界の日に油を注ぎこむことになると述べた。
一方、国連気候プロセスは、複雑さ、手順面の論争、地政学的な対立が前例のないレベルに達し、各国は、それぞれの見解をこれまでになく強く主張した。
この簡易分析は、実施のための補助機関(SBI)及び科学的技術的助言のための補助機関(SBSTA)の6月の会合を考察、ベレン気候変動会議での議論を受け継ぎ、次回、2026年11月のトルコ、アンタルヤでの条約及びパリ協定の締約国会議に向けた道筋を立てたかを議論する。
信頼の失墜
ベレン気候会議は、後味の悪い結果で終わった。2025年11月の会議では、多くのものが、決定書での化石燃料からの移行への言及欠如は、第1回グローバルストックテイクの成果からの後退であると見た。さらに、最新の国家決定貢献(NDCs)における集団の野心レベルの低さも相まって、温暖化の1.5℃での抑制におけるパリ協定の効果に大きな疑念が生じた。
中でも、適応世界目標(GGA)の進捗状況を図る指標の決定書が、最も苦い後味を残す結果となった。この決定書は、ベレン会議の閉会プレナリーで採択されたが、多数の締約国が最終案の検討に異議を唱えた。
この苦い経験から、参加者は、プロセスの効果性及び十全性に不信感を抱き、手順規則及びマンデートの議論では、多数のコンタクトグループ会議及び非公式協議が事務局の法務官からの説明を求めることとなった。
あるオブザーバーは、「マンデートマニアに陥っている」とし、この種の議論がこれほど多く繰り広げられたのは見たことがないと指摘した。インドとエジプトは、緩和作業プログラム(MWP)のマンデートを理由に、継続に反対し、チリは、20年前の決定書を引っ張り出し、科学者社会に研究のニーズを伝えるというSBSTAのマンデートを主張、この結果、研究及び組織観測に関する交渉では、意見対立の火花が飛んだ。
多様なグループのマンデートが何か、交渉をどう進めるべきかで、熱心な議論が行われ、フィリピン及び他の開発途上国は、適応基金関係では、「別々の」マンデートがあるとのSBI議長の開会時の発言を基に、適応基金をパリ協定専用に移行するアレンジに関する決定書で、議論を進めるよう促した。先進国は、逆に、適応基金の移行は基金理事会のメンバーシップの定義と本質的にリンクするとの考えで、これらをまとめて議論する必要があると主張した。
議題項目により、立場を変えるグループもあり、たとえば、マンデートにない、貿易ダイアログの報告書作成を求めたグループが、マンデートである、MWPに関する締約国の意見とりまとめ文書の作成には、反対を続けることもあった。
手順規則をめぐっては、繰り返し議論され、議事進行に関し、多数の指摘がなされた。このため、共同進行役らは、補助機関議長らのガイダンスを仰ぐため、議場を離れることもあった。
会議の最終日、締約国は、お互いを非難しあい、閉会ステートメントでは、多数の国が、このような議論の風潮を嘆き、将来に禍根を残すと指摘した。共同進行役らは、意見対立のある議題項目の増加に悩まされており、ある参加者は、難しいかじ取りを迫られ、共同進行役のなり手がいなくなるのではと指摘した。
このような状況から、政府間会合のアレンジに関するSBIの結論書では、UNFCCCプロセスの議事進行を指導する議長職、進行役などの役職の役割を「尊重し、支持する」よう、締約国に明確に求める文章が含まれた。
癒しを求めて:進展が見つからない中
今回の会合の最大の成果は、国連環境計画(UNEP)を、気候技術センター(CTC)のホストに選任したことであった。これが決まらない場合は、2027年の開発途上国への技術支援が滞る可能性があった。しかし、「UNEPはすでに数年にわたり、同じ役割をはたしていたのであり、それを延長したに過ぎないことを考えると、今回の会合の重要な成果というにはほど遠いのではないか」と、ある参加者は指摘した。
他の分野でも進捗があり、公正な移行作業プログラムのレビューに関する委任条件、及び技術メカニズムと資金メカニズムのリンクの将来のステップでも、合意が得られた。キャパシティ・ビルディング関係のレビュー・プロセスも、結論を出すことができ、他にも、作業プログラムなどの議論で、進展が見られた。具体的な成果を出せなかった議題項目も多数存在したが、ボンでの議論成果を基に、審議を継続することで合意した。
この会合では、最終日の代表団長会議など、多様な方式で、議論が繰り広げられたが、MWPの継続及び将来のモダリティは宙に浮いたままであり、GGAの今後の作業でも、合意に達することができなかった。「MWPの議論は、何も変わっていない」とあるベテランの交渉担当者は述べた。
GGAについては、未設置のメタデータ及び適応指標の手法論に関するタスクフォースで、各締約国がどういう役割を果たすかが、意見対立の火種となった。「GGAの交渉で過剰設計となったのは、これが初めてではない」と指摘したオブザーバーは、「とはいえ、締約国と専門家の間でフィードバックの応酬を繰り返しても、ベレンでの悲惨な指標決定書の採択を防ぐことはできなかった」と述べた。
締約国は、タスクフォースの構成で合意できず、GGAの文書では実施手段への言及などで議論がまとまらず、進展は見られなかった。開発途上国は、新しい気候資金の作業プログラム、特に先進国による資金供与について、進展を求め、適応資金3倍増の提案では、これまでの立場を変えることがなかった。先進国も同様に、GGA文書での3倍増への言及を拒否し続けた。このため、タスクフォースの設置は、トルコでの次回の会合後まで延期された。
交渉で得られた文書を次回の会議に回すと合意しなかった場合、次の交渉では、交渉は、白紙の状態に戻ることになる。このような事態が予想されるのは、GGAとMWPの議論だけではない、対応措置、温室効果ガス・データ・インターフェース、条約及びパリ協定の下での報告作成支援、他の国際機関との協力も同様である。
長く、でこぼこだらけの道?
トルコのリビエラでの会議まで5か月、その前に行われるフィジー及びツバルでの準備会合まではさらに短い期間しか残されていない中、6月の会合では、あまり進展が得られず、参加者は、元気なく、ボンを後にした。
しかし、希望の光を見出そうとするものは、まだ絶望するには早いと主張し、トルコとオーストラリアの協力関係はうまく機能しているようだと指摘するものもいた。他にも、アンタルヤの会議が重要なのは言うまでもないが、さらに先に予定されている会合ほどではないとして、パリ協定の強化された透明性枠組のモダリティをレビューする会議、さらには第2回グローバルストックテイクを議論する会議ほど、クリティカルではないことに、救いを感じるものもいた。
あるベテランの参加者は、「準備期間はさほどなかったが、行動の議題項目などでの進展を通して、会合を成功させようとの熱意は見られた」と述べた。ボン会議での失望感から抜け出そうとするものは、共同議長らには、穴だらけの道を突き進み、成功してほしいものだと願っているようである。